JP6088447B2 - 制御装置、加速器システム及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子管のヒータに供給する電気に係る物理量を制御する制御装置、加速器システム及び制御方法に関する。
粒子加速器のRF(Radio Frequency)源として、クライストロン等の電子管が用いられている。電子管の出力は、非常に高い安定度が求められている。例えば、XFEL(X−ray Free Electron Laser:X線自由電子レーザー)などの加速器システムにおいて、電子管が出力するRFには、出力レベル0.01%、位相0.01度という安定度が求められる。
特許文献1には、マグネトロンへの入力電力を安定して可変させるため、アノード電流の増減値に応じてヒータ電流を可変させる技術が開示されている。
特開平4−137481号公報
ヒータに供給する電気の供給源としてAC(Alternating Current)電源を用いることが一般的であるが、供給源として一般的に送電網を通じて供給されるAC電源を用いた場合、ヒータに供給する電圧に変動が生じることがある。ヒータに供給される電圧の変動は、ヒータ電流の変動となり、これによってカソードの温度が変動し、電子放出量が変動する。電気の供給源にAVR(Automatic Voltage Regulator)を介在させることが考えられるが、この場合、コストが高くなってしまうという問題がある。
また、運転を長時間続けると、カソードが劣化し、同じカソード温度でも電子放出量が減少し、それに伴って出力の変動が生じる問題もある。この問題は、電気の供給源にAVRを使用しても生じる。
本発明の目的は、ヒータに供給する電気の供給源に電圧変動が含まれていても、電子管の出力を長時間の運転に亘って安定させることができる制御装置、加速器システム及び制御方法を提供することにある。
第1の態様は、電子管のカソードを加熱する前記電子管のヒータに供給する電気に係る物理量を制御する制御装置であって、前記電子管のパービアンスを特定するパービアンス特定部と、記カソードからの放出電流と前記カソードの印加電圧とによって特定されるパービアンスの変動を抑えるように、前記パービアンス特定部が特定したパービアンスと所定のパービアンス目標値との差に基づいて前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定する決定部と、前記決定部が決定した物理量に従って前記ヒータに電気を供給する供給制御部とを備える制御装置である。
また、第2の態様は、第1の態様において、前記電気に係る物理量は、外部から供給される電気の電圧を調整して前記ヒータに供給する電圧調整器の調整量である制御装置である。
また、第3の態様は、第2の態様において、前記パービアンス特定部が特定したパービアンスと所定のパービアンス目標値との差に基づいて前記ヒータに供給する電気の電圧目標値を特定する目標値特定部を備え、前記決定部は、前記ヒータに供給された電気の電圧と前記目標値特定部が特定した電圧目標値との差に基づいて前記電圧調整器の調整量を決定する制御装置である。
また、第4の態様は、第1から第3の何れかの態様において、前記パービアンス特定部が特定した時系列のパービアンスに基づいて、パービアンスを平滑化する平滑化部を備え、前記決定部は、前記平滑化部が平滑化したパービアンスに基づいて前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定する制御装置である。
また、第5の態様は、第1から第4の何れかの態様において、前記カソードの印加電圧を分圧する分圧器の出力から前記カソードの印加電圧を取得する印加電圧取得部を備え、前記分圧器は一定温度に温調される制御装置である。
また、第6の態様は、第1から第5の何れかの態様において、前記供給制御部は、前記決定部が決定した物理量が当該物理量の許容最大値を超える場合に、当該許容最大値に従って前記ヒータに電気を供給し、前記決定部が決定した物理量が当該物理量の許容最小値を下回る場合に、当該許容最小値に従って前記ヒータに電気を供給する制御装置である。
また、第7の態様は、第6の態様において、前記物理量の許容最大値及び前記物理量の許容最小値は、前記ヒータまたは前記カソードの特性に基づいて決定された値である制御装置である。
また、第8の態様は、電子管のカソードを加熱する前記電子管のヒータに供給する電気に係る物理量を制御する制御装置であって、前記電子管のパービアンスを前記電子管のカソードからの放出電流と前記カソードの印加電圧とから特定するパービアンス特定部と、前記パービアンス特定部により特定されるパービアンスの変動を抑えるように、前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定する決定部と、前記決定部が決定した物理量に従って前記ヒータに電気を供給する供給制御部とを備える制御装置である。
また、第9の態様は、第1から第の何れかの態様において、カソードを加熱するヒータを有する電子管と、制御装置とを備える加速器システムである。
また、第10の態様は、電子管のカソードを加熱する前記電子管のヒータに供給する電気に係る物理量の制御方法であって、前記電子管のパービアンスを特定するステップと、記カソードからの放出電流と前記カソードの印加電圧とによって特定されるパービアンスの変動を抑えるように、特定したパービアンスと所定のパービアンス目標値との差に基づいて前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定するステップと、前記決定した物理量に従って前記ヒータに電気を供給するステップとを含む制御方法である。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、制御装置は、電子管のパービアンスの変動を抑えるように、ヒータの供給する電気に係る物理量を決定する。これにより、電子管の電流と印加電圧との関係を一定に保つことができるため、ヒータに供給する電気の供給源に電圧変動が含まれていても、また長時間の運転によりカソードが劣化し、電子放出特性が変化しても、電子管の出力を安定させることができる。
第1の実施形態に係る加速器システムの構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態に係る制御装置のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態に係る加速器システムの構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態に係る制御装置のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態に係る加速器システムの構成を示す概略ブロック図である。 第4の実施形態に係る制御装置のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態に係る制御装置のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。 少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態に係る加速器システム1の構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態に係る加速器システム1は、クライストロン2、誘導電圧調整器3、制御装置4、パルストランス5、パルストランスタンク6、パルス発生装置7、電流検出器8、分圧器9、電圧検出器10を備える。
クライストロン2は、ヒータ21によって加熱されたカソード22に電圧を印加することで、カソード22から電子ビームが出力され、当該電子ビームに速度変調を与えることで、大電力のマイクロ波を発生させる装置である。クライストロン2は、電子管の一例である。
誘導電圧調整器3は、外部のAC電源31から供給される電気の電圧を可変させ、可変させた電圧をヒータ21に印加する。誘導電圧調整器3は、電圧調整器の一例である。
制御装置4は、クライストロン2のパービアンスに基づいて誘導電圧調整器3の調整量を制御する。
パルストランス5は、パルス発生装置7が発生させる高圧パルスを昇圧して、その電圧をクライストロン2のカソード22に印加する。パルストランス5は、パルストランス5に印可される高電圧の絶縁のためパルストランスタンク6に満たされた絶縁油に浸される。
電流検出器8は、パルストランス5とクライストロン2のカソード22との間に流れる電流の電流値を検出する。なお、パルストランス5とクライストロン2のカソード22との間に流れる電流の電流値は、クライストロン2のカソード22からの放出電流の電流値と概ね等価である。
分圧器9は、パルストランス5が出力する電圧を、当該電圧に比例したより低い電圧に分圧させる。
電圧検出器10は、分圧器9が分圧した電圧の電圧値を検出する。
図2は、第1の実施形態に係る制御装置4のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態に係る制御装置4は、放出電流取得部41、印加電圧取得部42、パービアンス特定部43、決定部44、供給制御部45を備える。
放出電流取得部41は、電流検出器8からパルストランス5とクライストロン2のカソード22との間に流れる電流の電流値を取得する。
印加電圧取得部42は、電圧検出器10から分圧器9が分圧した電圧の電圧値を取得し、当該電圧値に基づいて、クライストロン2のカソード22へ印加される印加電圧の電圧値を算出する。具体的には、印加電圧取得部42は、分圧器9が分圧した電圧の電圧値を分圧器9の入出力比で除算することで、クライストロン2のカソード22へ印加される印加電圧の電圧値を算出する。
パービアンス特定部43は、放出電流取得部41が取得した放出電流と、印加電圧取得部42が算出した印加電圧とに基づいて、クライストロン2のパービアンスを特定する。具体的には、パービアンス特定部43は、放出電流Iと印加電圧Vとに基づいて、以下に示す式(1)に従ってパービアンスPを算出する。
Figure 0006088447
決定部44は、パービアンス特定部43が特定したパービアンスと、クライストロン2のパービアンスの目標値とに基づいて、誘導電圧調整器3の調整量を決定する。具体的には、決定部44は、クライストロン2のパービアンス目標値をSV(Set Point Variable)とし、パービアンス特定部43が特定したパービアンスをPV(Process Variable)として、PID(Proportional Integral Derivative)制御により誘導電圧調整器3の調整量を決定する。なお、決定部44は、P制御において、クライストロン2のパービアンスの目標値からパービアンス特定部43が特定したパービアンスを減算して得られる値に対してヒータ電流が単調減少するように、誘導電圧調整器3の調整量を制御する。
供給制御部45は、決定部44が決定した調整量で誘導電圧調整器3を調整することで、ヒータ21に供給される電流を制御する。
このように、本実施形態によれば、クライストロン2のパービアンスを一定に保つことで、AC電源31の電圧変動を要因とするクライストロン2の出力変動を抑制することができる。なお、クライストロン2のヒータ21に供給する電気の電圧を制御する電圧調整器は、一般的に、ソフトスタートのために誘導電圧調整器3やスライダックが適用される。そのため、一般的な加速器システム1に、本実施形態に係る制御装置4を組み込むことで、クライストロン2の出力変動を抑制する構成を、低コストで実現することができる。
なお、本実施形態によれば、長期的なカソード22の劣化によるパービアンス変動に対しても、追従して常に最適な設定値で加速器システム1を運転させることができる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態に係る加速器システム1の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態に係る加速器システム1は、第1の実施形態の構成に加えてヒータ電圧検出器11を備える。第2の実施形態に係る加速器システム1は、第1の実施形態と制御装置4の構成が異なる。
ヒータ電圧検出器11は、誘導電圧調整器3からヒータ21へ印加される電圧の電圧値を検出する。
図4は、第2の実施形態に係る制御装置4のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態に係る制御装置4は、第1の実施形態の構成に加え、目標値特定部46とヒータ電圧取得部47をさらに備える。また、第2の実施形態に係る決定部44の動作は、第1の実施形態と異なる。
目標値特定部46は、パービアンス特定部43が特定したパービアンスとクライストロン2のパービアンスの目標値とに基づいて、ヒータ電圧の目標量を特定する。具体的には、目標値特定部46は、クライストロン2のパービアンス目標値をSVとし、パービアンス特定部43が特定したパービアンスをPVとして、PID制御によりヒータ電圧の目標量を特定する。つまり、目標値特定部46は、クライストロン2のパービアンスの目標値からパービアンス特定部43が特定したパービアンスを減算して得られる値に対して単調減少するように、ヒータ電圧の目標量を決定する。
ヒータ電圧取得部47は、ヒータ電圧検出器11から誘導電圧調整器3からヒータ21へ印加される電圧の電圧値を取得する。
決定部44は、ヒータ電圧取得部47が取得した電圧値と、目標値特定部46が特定したヒータ電圧の目標値とに基づいて、誘導電圧調整器3の調整量を決定する。具体的には、決定部44は、目標値特定部46が特定したヒータ電圧の目標値をSVとし、ヒータ電圧取得部47が取得した電圧値をPVとして、PID制御により誘導電圧調整器3の調整量を決定する。なお、決定部44は、P制御において、ヒータ電圧の目標値からヒータ電圧取得部47が取得した電圧値を減算して得られる値に対してヒータ電流が単調減少するように、誘導電圧調整器3の調整量を制御する。
つまり、第2の実施形態に係る制御装置4は、パービアンスに基づくマスターループの出力が、ヒータ電圧の電圧値に基づくスレーブループの入力となるカスケード制御により、ヒータ電圧を制御する。
カソード22の温度は、ヒータ電圧の変動に遅れて変動する。そのため、ヒータ電圧の変動の影響がパービアンスの変動に現れるまでには時間がかかる。第2の実施形態によれば、決定部44がヒータ電圧のフィードバック制御に基づいて誘導電圧調整器3の調整量を決定する。これにより、決定部44は、AC電圧の変動に対して素早くヒータ電圧を制御することができる。他方、ヒータ電圧の目標値は、パービアンスに基づいて決定される。これにより、第2の実施形態に係る制御装置4は、パービアンスの変動を抑えつつ、AC電圧の変動に対して素早くヒータ電圧を制御することができる。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について説明する。
図5は、第3の実施形態に係る加速器システム1の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態に係る加速器システム1は、第1の実施形態の構成に加えてサブタンク12と温調装置13とを備え、分圧器9はサブタンク12内に設置される。
サブタンク12には、絶縁油が満たされている。サブタンク12の容量は、パルストランスタンク6よりも小さくすることが好ましい。パルストランスタンク6に満たされた絶縁油とサブタンク12に満たされた絶縁油とは分離されている。
温調装置13は、サブタンク12に満たされた絶縁油を一定温度に調整する装置である。例えば、絶縁油から一定温度に温調された冷却水へ熱を移動させる熱交換器によって実現される。サブタンク12の容量をパルストランスタンク6の容量より小さくすることで、パルストランスタンク6の全体を一定温度に調整する場合と比較して、容易にサブタンク12を一定温度に調整することができる。
パルストランスタンク6に満たされた絶縁油は、パルストランス5の運転状態によって温度が変化する。また、分圧器9は温度係数を有する。これに対し、第3の実施形態では、分圧器9は、発熱源となるパルストランス5と分離され、温調された絶縁油に浸されるため、パルストランス5の運転状態によらず、分圧器9を一定温度に温調することができる。これにより、制御装置4の印加電圧取得部42は、カソード22の印加電圧を精度よく取得することができ、パービアンスの特定精度を向上させることができる。したがって、第3の実施形態によれば、制御装置4は、加速器システム1の出力RF信号の安定性を向上させることができる。
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る加速器システム1は、第1の実施形態と制御装置4の動作が異なる。
図6は、第4の実施形態に係る制御装置4のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態に係る制御装置4は、第1の実施形態の構成に加え、リミット設定部48を備える。リミット設定部48は、誘導電圧調整器3の制御量の許容最大値と許容最小値を設定する。例えば、誘導電圧調整器3がヒータ21に出力する電流の電流値が、メーカー出荷試験時におけるヒータ21の推奨電流値となるときの調整量を100とした場合に、許容最大値を105とし、許容最小値を95とする。
誘導電圧調整器3の制御量の許容最大値及び許容最小値は、ヒータ21の特性やカソード22の熱容量に応じて、加速器システム1の利用者によって決定される。熱容量が小さく応答の早い系においては、許容最大値と許容最小値の差を大きくとることで、応答速度を改善することができる。他方、応答の遅い系においては、発振を避けるため許容最大値と許容最小値の差を小さくすることが好ましい。
供給制御部45は、決定部44が決定した制御量とリミット設定部48が設定した許容最大値及び許容最小値とを比較し、比較結果に基づいて誘導電圧調整器3を制御する。つまり、供給制御部45は、決定部44が決定した制御量が許容最大値を超える場合、当該許容最大値に従って誘導電圧調整器3を制御する。また、供給制御部45は、決定部44が決定した制御量が許容最小値を下回る場合、当該許容最小値に従って誘導電圧調整器3を制御する。また、供給制御部45は、決定部44が決定した制御量が許容最大値と許容最小値との間にある場合、決定部44が決定した制御量に従って誘導電圧調整器3を制御する。
このように、第4の実施形態によれば、誘導電圧調整器3の制御量の取り得る範囲を限定しヒータ21の出力停止状態からの立ち上げ時や、連続運転後の停止時など、パービアンスの変動が大きくなりやすいときに、ヒータ電圧の設定値の変動を抑えることができる。つまり、第4の実施形態によれば、パービアンスが大きく変動したとしても、ヒータ電圧の設定値が発振しないように制御することができる。
《第5の実施形態》
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態に係る加速器システム1は、第1の実施形態と制御装置4の動作が異なる。
図7は、第5の実施形態に係る制御装置4のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態に係る制御装置4は、第1の実施形態の構成に加え、平滑化部49を備える。平滑化部49は、パービアンス特定部43が特定した時系列のパービアンスを平滑化するローパスフィルタである。例えば、平滑化部49は、パービアンス特定部43が直近の10秒以内に特定したパービアンスの移動平均をとることで、パービアンスを平滑化することができる。平滑化の手法は、移動平均に限られず、例えば一次遅れによってパービアンスを平滑化しても良い。なお、平滑化の時定数は、ノイズによるパービアンスの変動が小さく、かつヒータ電圧の変動による実際のパービアンスの変動応答が早い値となるように決定される。具体的には、時定数を変更しながらパービアンスの値の変動を観察し、変動が最も小さくなる値を選ぶことで適切な時定数を決定することができる。
また、平滑化部49は、平滑化の計算を行う際、パービアンスの入力に現在値を中心としたリミット範囲を設け、入力値が当該範囲を外れた場合、その値はノイズによるものとして平滑化の計算に用いないようにする。当該リミット範囲は、パービアンス特定部43が特定するパービアンスに生じるノイズの大きさに応じて決定される。具体的には、リミット範囲を変更しながらパービアンスの値の変動を観察し、パービアンスの変動が最も小さくなる値を選ぶことで適切なリミット範囲を決定することができる。リミット範囲としては、例えば、パービアンスの現在値のプラスマイナス5パーセント程度の範囲とすることができる。
そして、決定部44は、平滑化部49による平滑化によって得られたパービアンスの現在値を用いて、誘導電圧調整器3の制御量を決定する。
このように、第5の実施形態によれば、決定部44は、パービアンスの平滑化によりノイズを低減した値を用いて誘導電圧調整器3の制御量を決定する。これにより、印加電圧や放出電流の検出ノイズがある場合にも、ヒータ電圧の設定値の変動を抑えることができる。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、電子管の例としてクライストロン2を用いる場合について説明したが、これに限られず、例えばマグネトロンや三極管などの多極管など、ヒータを有する他の電子管を用いても良い。
また、上述した実施形態では、電圧調整器として誘導電圧調整器3を用いる場合について説明したが、これに限られず、例えば可変単巻変圧器等、他の電圧調整器を用いても良い。
また、上述した実施形態では、制御装置4の制御対象が誘導電圧調整器3の調整量である場合について説明したが、これに限られず、ヒータ21に供給する電気に係る物理量であれば他の量であっても良い。例えば、制御装置4は、ヒータ21に供給される電気の電流値や電圧値を直接制御しても良い。
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータ900の構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の制御装置4は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1…加速器システム 2…クライストロン 3…誘導電圧調整器 4…制御装置 5…パルストランス 6…パルストランスタンク 7…パルス発生装置 8…電流検出器 9…分圧器 10…電圧検出器 11…ヒータ電圧検出器 12…サブタンク 13…温調装置 21…ヒータ 22…カソード 31…AC電源 41…放出電流取得部 42…印加電圧取得部 43…パービアンス特定部 44…決定部 45…供給制御部 46…目標値特定部 47…ヒータ電圧取得部 48…リミット設定部 49…平滑化部 900…コンピュータ 901…CPU 902…主記憶装置 903…補助記憶装置 904…インタフェース

Claims (10)

  1. 電子管のカソードを加熱する前記電子管のヒータに供給する電気に係る物理量を制御する制御装置であって、
    前記電子管のパービアンスを特定するパービアンス特定部と、
    記カソードからの放出電流と前記カソードの印加電圧とによって特定されるパービアンスの変動を抑えるように、前記パービアンス特定部が特定したパービアンスと所定のパービアンス目標値との差に基づいて前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定する決定部と、
    前記決定部が決定した物理量に従って前記ヒータに電気を供給する供給制御部と
    を備える制御装置。
  2. 前記電気に係る物理量は、外部から供給される電気の電圧を調整して前記ヒータに供給する電圧調整器の調整量である
    請求項に記載の制御装置。
  3. 前記パービアンス特定部が特定したパービアンスと所定のパービアンス目標値との差に基づいて前記ヒータに供給する電気の電圧目標値を特定する目標値特定部を備え、
    前記決定部は、前記ヒータに供給された電気の電圧と前記目標値特定部が特定した電圧目標値との差に基づいて前記電圧調整器の調整量を決定する
    請求項に記載の制御装置。
  4. 前記パービアンス特定部が特定した時系列のパービアンスに基づいて、パービアンスを平滑化する平滑化部を備え、
    前記決定部は、前記平滑化部が平滑化したパービアンスに基づいて前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定する
    請求項から請求項の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記カソードの印加電圧を分圧する分圧器の出力から前記カソードの印加電圧を取得する印加電圧取得部を備え、
    前記分圧器は一定温度に温調される
    請求項から請求項の何れか1項に記載の制御装置。
  6. 前記供給制御部は、前記決定部が決定した物理量が当該物理量の許容最大値を超える場合に、当該許容最大値に従って前記ヒータに電気を供給し、前記決定部が決定した物理量が当該物理量の許容最小値を下回る場合に、当該許容最小値に従って前記ヒータに電気を供給する
    請求項から請求項の何れか1項に記載の制御装置。
  7. 前記物理量の許容最大値及び前記物理量の許容最小値は、前記ヒータまたは前記カソードの特性に基づいて決定された値である
    請求項に記載の制御装置。
  8. 電子管のカソードを加熱する前記電子管のヒータに供給する電気に係る物理量を制御する制御装置であって、
    前記電子管のパービアンスを前記電子管のカソードからの放出電流と前記カソードの印加電圧とから特定するパービアンス特定部と、
    前記パービアンス特定部により特定されるパービアンスの変動を抑えるように、前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定する決定部と、
    前記決定部が決定した物理量に従って前記ヒータに電気を供給する供給制御部と
    を備える制御装置。
  9. カソードを加熱するヒータを有する電子管と、
    請求項1から請求項の何れか1項に記載の制御装置と
    を備える加速器システム。
  10. 電子管のカソードを加熱する前記電子管のヒータに供給する電気に係る物理量の制御方法であって、
    前記電子管のパービアンスを特定するステップと、
    記カソードからの放出電流と前記カソードの印加電圧とによって特定されるパービアンスの変動を抑えるように、特定したパービアンスと所定のパービアンス目標値との差に基づいて前記ヒータに供給する電気に係る物理量を決定するステップと、
    前記決定した物理量に従って前記ヒータに電気を供給するステップと
    を含む制御方法。
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