JP2020514987A - X線放射を生成するためのx線源装置 - Google Patents

X線放射を生成するためのx線源装置 Download PDF

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Abstract

X線放射102を生成するためのX線源装置10、X線源装置10を動作させる方法、及びX線撮像機器100が提供される。X線源装置10は、X線管22、電源電圧をX線管22に提供するための、インバータ18及び共振コンバータ20を有するコンバータ装置16、前処理制御器12、及び変調器14を備える。前処理制御器12は、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて連続時間関数として共振コンバータ20の基準デューティ比r、26を決定し、且つ基準デューティ比r、26と相関する制御信号13を変調器14に提供するように構成される。変調器14は、制御信号13に基づいてスイッチング信号15を決定し、且つコンバータ装置16のインバータ18にスイッチング信号15を提供してインバータ18を作動させるように構成される。

Description

一般的に本発明は、X線放射を生成するためのX線源及び/又はX線発生器の分野に関する。
とりわけ、本発明は、X線源装置、このようなX線源装置を備えるX線撮像機器、及びX線源装置を動作させる方法に関する。
X線源、X線源装置、及び/又はX線発生器は、通常、共振タンクとも称される共振コンバータに結合されるインバータを有するコンバータを備え、このインバータは、例えば、共振タンクに電力を供給するためのハーフブリッジモジュール及び/又はフルブリッジモジュールを備える。コンバータによって、ある特定の出力電圧及び/又はある特定の出力電流は、ある特定のエネルギー及び/又は強度のX線放射を生成するようにX線管に供給される。
とりわけ、医学的なX線応用の分野において、X線源は通常、ある特定のエネルギー、強度、及び/又は周波数を有するX線放射のパルスを生成するパルスモードで動作する。この目的のために、通常、ゆっくりと変動する電圧による変調信号は、変調器によって離散的なスイッチング信号に変換される。次いで、この離散的なスイッチング信号を使用してX線源のインバータを作動させることで所望の電圧パルスがコンバータによって生じて、X線管が発するX線放射の所望のパルスがもたらされる。
さらに、フィードバックループによって、X線源のいくつかの測定変数及び/又は測定量を処理することによって、変調信号が設定及び/又は調節される。例として、測定出力電圧は所望の基準出力電圧と比較される。フィードバックループは通常、所望の基準出力電圧からの測定出力電圧の偏差を補償するための制御器を備える。この制御器は、偏差を指示する誤差信号を生成するために比例部及び有効積分部を有する。この従来の手法では、医用画像の応用で所望されるフラットトップパルス波形を有するコンバータによって再現可能な高電圧パルスを生成することは困難である。
従って、改善された出力特性を有する、改善され、安定した、確実に制御可能なX線源及び/又はX線源装置が必要とされている。
これは、独立請求項の主題によって実現され、ここで、さらなる実施形態は、従属請求項及び以下の説明に取り入れられる。
本発明の第1の態様によると、X線放射を生成するためのX線源装置が提供される。X線源装置は、X線管、X線管に電源電圧を提供するためのコンバータ装置、前処理制御器、及びコンバータ装置及び前処理制御器に結合される変調器を備える。コンバータ装置はインバータ及び共振コンバータを備える。そこで、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって共振コンバータの基準デューティ比を決定する、算出する、及び/又は計算するように構成される。さらに、前処理制御器は、基準デューティ比と相関する制御信号を変調器に提供するように構成され、変調器は、制御信号に基づいてスイッチング信号を決定するように構成される。また、変調器は、コンバータ装置のインバータにスイッチング信号を提供してインバータを作動させることで、電源電圧がコンバータ装置によって生じるように構成される。コンバータ装置は、電源電圧をX線管に供給する及び/又は提供することで、X線放射がX線管によって生じる及び/又は発するように構成される。
一例によると、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって連続時間関数として共振コンバータの基準デューティ比を決定するように構成される。代替的には又はさらに、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって連続時間関数として共振コンバータの基準インダクタ電流及び/又は基準出力電圧を決定するように構成される。そこで、連続時間関数は、基準デューティ比、基準インダクタ電流、及び/又は基準出力電圧の連続時間関数に関連している。それ故に、前処理制御器は、所定の時間帯にわたって連続時間関数として、基準デューティ比、基準インダクタ電流、及び/又は基準出力電圧を決定するように構成される。基準デューティ比、基準インダクタ電流、及び/又は基準出力電圧は、所定の時間帯において経時的に変動する。さらに、制御信号は、基準デューティ比、基準インダクタ電流、及び/又は基準出力電圧を指示している、及び/又はこれらと相関している。制御信号は変調器にフィードフォワードされる、及び/又は前処理制御器は制御信号を変調器にフィードフォワードするように構成される。「前処理制御器」という用語は、X線源装置が、電源電圧の所望のパルスを生成するために及び/又はX線放射の所望のパルスを生成するために動作中に従うものとする、状態空間における軌道を、決定する、計算する、及び/又は算出するための、前処理制御装置、前処理制御回路構成、軌道計画装置、及び/又は軌道発生器に言及する。例として、前処理制御器の特徴及び/又は機能は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は任意の他の適した論理素子において実施される。とりわけ、前処理制御器は、X線源装置のいずれのハードウェア上の制約も考慮に入れる基準デューティ比の軌道を決定するように構成される。このため、基準デューティ比は、ゼロ〜1の間隔にある、及び/又は基準デューティ比はゼロから1に及ぶ。代替的には又はさらに、基準デューティ比は、マイナス1からプラス1の範囲にある。
ここで、基準デューティ比は、時間の関数として前処理制御器によって決定される。よって、「所定時間にわたる基準デューティ比」という用語は、所定の時間帯にわたって連続時間関数として前処理制御器によって決定、計算、及び/又は算出されるデューティ比を指す。それ故に、基準デューティ比の軌道は、時間関数としての基準デューティ比を指す。
さらに、「所定の時間帯」という用語は、基準デューティ比が前処理制御器によって決定される時間間隔を指す。この時間間隔の長さは、基準デューティ比の実際の算出が行われる前に前処理制御器によって自動的に決定、設定、及び/又は調節される。代替的には又はさらに、時間間隔の長さは、例えば、X線源装置のユーザの入力など、他の手段によって定められる。
一般的に、「共振コンバータの数学的モデル」は、例えば、共振コンバータにおいて流れるインダクタ電流、コンバータ装置の出力電圧、及び/又はデューティ比などの、共振コンバータのシステム変数間の関数関係によって共振コンバータの状態を表すモデルを指し、この場合、コンバータ装置のコンデンサにわたる出力−コンデンサ電圧である、コンバータ装置のインダクタ電流及び/又は出力電圧はまた、共振コンバータの状態変数と称される。とりわけ、数学的モデルは、X線源装置及び/又は共振コンバータの特性を表す平均数学的モデルであり、これは、例えば、1.0μs〜10μsの時間スケールなどで時間的にゆっくりと変動する。そこで、「平均数学的モデル」という用語は、コンバータ装置のシステム変数の少なくとも一部が、共振コンバータの少なくとも1つの(自然)共振周期にわたって、とりわけ、少なくとも2つの及び/又は少なくとも3つの共振周期にわたって、平均化されることを意味する。また、システム変数の少なくとも一部は、少なくとも5〜10の共振周期にわたって平均化される。そこで、「平均化する」及び/又は「平均化」という用語は、対応するシステム変数のゆっくりと時間的に変動する成分を表すためにシステム変数の少なくとも一部のフーリエ級数展開の振幅及び/又は振幅の使用を指す。
制御信号は、所定の時間帯にわたって基準デューティ比を表す及び/又は符号化するデジタル及び/又は連続制御信号を指す。この連続及び/又はデジタル制御信号は、変調器によってスイッチング信号に変換され、この場合、スイッチング信号は、離散的なスイッチング信号を指す。
そこで、「変調器」という用語は、連続制御信号に基づいて離散的なスイッチング信号を生成するために変調方式を適用するように構成される変調装置及び/又は変調回路構成を指す。
コンバータ装置のインバータは、共振コンバータに電力を供給するためのハーフブリッジモジュール及び/又はフルブリッジモジュールの1つ又は複数を含み、ハーフブリッジモジュール及び/又はフルブリッジモジュールは、それぞれ、スイッチング信号によって制御される及び/又は作動させる半導体スイッチの1つ又は複数を備える。よって、スイッチング信号自体、又はスイッチング信号と相関するゲート信号は、対応する半導体スイッチを作動させる及び/又はスイッチングするために、インバータの半導体スイッチの少なくとも1つのゲート端子に供給される。
また、コンバータ装置の共振コンバータは、少なくとも1つのコンデンサ(C)に直列で接続される少なくとも1つのインダクタコイル(L)を備える、共振コンバータ回路、共振タンク回路、及び/又は同調回路を指す。共振コンバータは、よって、共振コンバータのエネルギー蓄積素子間で振動する電気エネルギーを蓄積する、電気共振器及び/又はLC回路を指し、エネルギー蓄積素子は、少なくとも1つのインダクタコイル(L)及び少なくとも1つのコンデンサ(C)である。
さらに、コンバータ装置はいわゆる量子モードで動作し、ここで、コンバータ装置のインバータを、共振コンバータにおいて流れるインダクタ電流のゼロ交差で作動させる及び/又はスイッチングすることに留意されたい。これはさらには、スイッチング損失を低くし、且つ電磁干渉(EMI)を少なくするソフトスイッチングを可能にする。
一実施形態によると、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって共振コンバータの基準インダクタ電流を決定するように構成される。さらに又は代替的には、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたってコンバータ装置の基準出力電圧を決定するように構成される。
一実施形態によると、前処理制御器は、基準インダクタ電流に基づいて及び/又は基準出力電圧に基づいて所定の時間帯にわたって基準デューティ比を決定するように構成される。
「基準」という用語は、対応する物理量、すなわち、デューティ比、インダクタ電流、及び/又は出力電圧が、数学的モデルに基づいて前処理制御器によって決定、計算、及び/又は算出されることを指示する。
また、上で及び以下に示される「電源電圧」という用語が、コンバータ装置を介してX線管に供給される電圧を示すことに留意されたい。この電源電圧はまた、数学的モデルに基づいて決定される及び/又は算出される時に「基準出力電圧」と称される、実際の出力電圧、及び/又はコンバータ装置の出力電圧である。さらに、以下でより詳細に説明されるように、電源電圧、出力電圧、及び/又は基準出力電圧は、コンバータ装置のいわゆるフラットな出力である。
本発明は、以下の結果及び/又は見識に基づいているとみなされる。一般的に、いわゆるフラットさは、線形及び/又は非線形力学系の性質であり、力学系は、いわゆるフラットな出力を持っている場合、フラットであるといわれる。フラットな出力は、力学系の物理量であってもなくてもよい。フラットシステムの状態変数及び/又は制御入力は全て、フラットな出力及び/又はこの時間導関数を使用してフラットな出力によって表現される。それ故に、このような力学系のシステム変数及び/又は制御入力を表現するために前処理制御器において積分は必要とされない。非線形力学系は、フィードバック又はフィードフォワードどちらかによってフラットな出力を介して線形化される。これによって、線形誤差ダイナミクスを非線形系に加えることが可能になる。結果として、線形制御器を使用して、システムの任意のシステム変数の事前計算された軌道に従ってこのような力学系を案内する。換言すれば、線形制御器は、計画された及び/又は事前計算された軌道、例えば、とりわけ、非線形系の、1つの平衡点又は平衡状態から別の平衡点又は平衡状態まで、所定の時間帯にわたる基準デューティ比の軌道に従って、非線形系を安定化させる。そこで、非線形系は、コンバータ装置、共振コンバータ、及び/又はX線源装置に関連している。
共振コンバータの数学的モデルに基づいて、本発明の発明者によって、本発明のX線源装置の共振コンバータ及び/又はコンバータ装置が、フラットである、及び/又はフラットな出力を持つこのような力学系を指すことが分かる。そこで、コンバータ装置のフラットな出力は、コンバータ装置の出力電圧、及び/又は数学的モデルに基づいて決定される及び/又は算出される基準出力電圧を指す。コンバータ装置のフラットな出力は、例えば、図4におけるコンデンサCにわたる電圧であり、これは、システムの及び/又はコンバータ装置の出力電圧であり、また、「電源電圧」としてX線管に供給される。よって、数学的モデルによってコンバータ装置の少なくとも一部を表すことによって、コンバータ装置の挙動及び/又はコンバータ装置の制御は以下により詳細に説明されるように、従来のX線源及び/又は従来のX線源装置に関して大幅に改善及び/又は簡略化される。
既に上述したように、従来のX線源及び/又はX線源装置の欠点は、フラットトップを有する、すなわち、公称電圧値においてフラットな及び/又は実質的に一定の進路を有する電圧パルスを、とりわけ、繰り返すように得るのが難しいことである。フラットトップは、コンバータ装置によって生成する電圧パルスの形状を指すが、数学的モデルにおいて表されるようなコンバータ装置及び/又は共振コンバータの特性を指し、コンバータ装置及び/又は共振コンバータの「フラットさ」と混同しないように留意されたい。よって、コンバータ装置の出力電圧のオーバーシュート及び/又はアンダーシュートがなくできるだけ短い立ち上がり時間で、安定的で繰り返し可能なフラットトップパルス波形に達することは、難題である。この難題には、従来の制御手法及び/又は従来のX線源装置では満たすことはできない。一方では、例えば、従来のX線源装置のフィードバックループにおいて使用される制御器の積分器のゆっくりとした作用により、立ち上がり時間が長すぎる場合がある。他方では、立ち上がり時間が急速すぎる場合、出力電圧のオーバーシュートが生じる場合がある。それとは別に、例えば、従来のX線源装置のフィードバックループにおいて採用される線形制御器は、例えば、コンバータ装置の最大電圧及び/又は最大電流といった、X線源装置のハードウェア上の制約を考慮しない軌道にX線源装置を押しやる。結果として、X線源装置は、例えば、トリガされることによって、X線源装置が制御器に提供される対応する制御信号に従って作動しないようにする、過電流保護装置及び/又はアクチュエータの制限といった、ハードウェア保護手段により、制御器によって示唆される軌道に従うことができない場合がある。これはさらにまた、このような従来のX線源装置の制御器に対するアンチワインドアップ方式を必要とする。
従来のX線源装置のこれらの上記の欠点全ては、本発明によるX線源装置によって克服される。とりわけ、数学的モデルによってX線源装置のコンバータ装置及び/又は共振コンバータをモデリングすることによって、共振コンバータにおいて流れる、基準インダクタ電流及び/又は共振インダクタ電流の所望の軌道、波形、及び/又は進路は、数学的モデルに基づいて計画及び/又は決定される。そこで、基準インダクタ電流は、コンバータ装置の非フラットな出力を指す。さらに、基準インダクタ電流の計画された軌道及び/又は進路は、例えば、計画プロセス中にも考慮される、ゼロ〜1の間隔になる最大インダクタ電流及び/又は基準デューティ比を含む、X線源装置のいずれのハードウェア上の制約も考慮する。結果として、過電流保護装置及び/又はアンチワインドアップ方式などのハードウェア保護手段は、本発明に関するX線源装置に必要とされない。これによってさらにまた、X線源装置全体の設計が簡略化され、且つ費用効率の高いX線源装置を提供することが可能になる。
さらに、コンバータ装置及び/又は共振コンバータのフラットな出力は、数学的モデルに基づいて決定されるコンバータ装置及び/又は共振コンバータの基準出力電圧を指す。フラットな出力と非フラットな出力との間の関係、すなわち、基準インダクタ電流と基準出力電圧との間の関係は、共振コンバータの数学的モデルによる定係数による、非同次1階常微分方程式によって表される。このような種類の微分方程式に対する解析的な閉形式解があるという事実により、非フラットな出力に対する軌道が決定される場合、フラットな出力に対する適切な軌道は、微分方程式の解析解、及び/又は数学的モデルに基づいて即座に決定される。換言すれば、共振コンバータの基準インダクタ電流が決定される場合、基準出力電圧は、数学的モデルに基づいて即座に決定及び/又は算出される。これによって、一般的に、インダクタ電流を含んで出力電圧及び/又はデューティ比の間に、X線源装置のシステム変数に対して広範な軌道計画が可能になる。
それとは別に、インダクタ電流に対して適切に計画した軌道はさらにまた、いずれのオーバーシュートもなく、できるだけ短い立ち上がり時間内で、所望の定点値及び/又は所望の公称電圧値に達する基準出力電圧に対する平滑な軌道をもたらす。よって、これは、コンバータ装置の出力特性のみならず、X線管の出力特性を改善することを可能にする。
一実施形態によると、前処理制御器は、X線管の公称電圧値及び/又はX線管の公称電流値に基づいて所定の時間帯にわたって基準デューティ比を決定するように構成される。公称電圧値及び/又は公称電流値は、例えば、X線応用の要件に従ってX線源装置のユーザによって、定められる。さらに、公称電圧値は、例えば、コンバータ装置によって生じる電圧パルスの所望の最大電圧値を指す、及び/又は公称電流値は、X線放射を生成するためにコンバータ装置によって生じさせ、且つX線管に供給される、最大及び/又は定常状態のインダクタ電流を指す。よって、公称電圧値を指定することによって、X線放射のエネルギー及び/又はエネルギー分布が指定される。さらに、公称電流値を指定することによって、X線放射の強度が指定される。
一実施形態によると、コンバータ装置の共振コンバータは、LCCコンバータとも称される直列並列共振コンバータを含む。代替的には又はさらに、共振コンバータの数学的モデルは、共振コンバータのエネルギー蓄積素子として1つのインダクタコイル及び4つのコンデンサを含む。とりわけ、コンバータ装置は、入力電源としての役割を果たすインバータと、コンデンサ、ダイオード整流器、及び容量性出力フィルタに並列に接続されるインダクタコイルを含む共振回路(LC回路)に直列に接続される昇圧コンデンサ(例えば、図4にあるコンデンサC)を有する直列並列共振コンバータとを備える。例として、昇圧コンデンサは、コンバータ装置の増倍電圧整流器を指す及び/又はこれの一部である。よって、昇圧コンデンサは、コンバータ装置の任意の電圧増倍回路を指す及び/又はこれを代表するものである。それ故に、コンバータ装置は、電気エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積素子としての役割を果たす、1つのインダクタコイル及び4つのコンデンサを備える。全てのこれらの成分は、コンバータ装置及び/又は共振コンバータの、状態、状態変数、及び/又はシステム変数を表す数学的モデルにおいて、モデリングされる及び/又は含まれる。
一実施形態によると、X線源装置は、コンバータ装置の基準出力電圧からの電源電圧の偏差を補償する、及び/又は基準デューティ比からの偏差を補償するための制御器をさらに備える。前処理制御器は、制御器に結合され、制御器に基準出力電圧値を提供するように構成され、制御器は、基準出力電圧値を電源電圧の測定値と比較するように構成される。
上記及び以下に示される「電源電圧」という用語は、コンバータ装置を介してX線管に供給される電圧を示すことに留意されたい。この電源電圧はまた、数学的モデルに基づいて決定及び/又は算出される時に「基準出力電圧」と称される、実際の出力電圧、及び/又はコンバータ装置の出力電圧である。さらに、上に略述されるように、電源電圧、出力電圧、及び/又は基準出力電圧は、コンバータ装置のフラットな出力である。
さらに、制御器は、基準出力電圧値からの電源電圧の測定値の偏差を指示する及び/又はこれと相関するフィードバック制御信号を決定するように構成される。X線源装置は、よって、出力電圧を測定し、且つ測定された出力電圧値を制御器に提供する電圧測定装置によるフィードバックループを含む。フィードバックループは、前処理制御器によって提供される、測定された電圧値及び基準出力電圧値の偏差を決定する制御器をさらに含む。例として、制御器は、測定された電圧値及び基準出力電圧値を減算することによってこの偏差を決定するように構成される。制御器はさらにまた、基準デューティ比と相関する前処理制御器の制御信号に付加されるフィードバック制御信号を決定する。この付加された信号はさらにまた、インバータを作動させるためのスイッチング信号を決定及び/又は生成するために、変調器に供給及び/又は提供される。これによって、有利には、コンバータ装置は、基準デューティ比に従い、且つX線管に供給されるフラットトップを有する安定した明確な電圧パルスを生成することができる。そしてまた、これによって、X線源装置はX線放射の安定した明確なパルスを生成することが可能になる。制御器は一般的に、制御装置、制御ユニット、制御モジュール、レギュレータ、及び/又は制御回路構成を指す。さらに、本発明のX線源装置は、有利には、例えば、kV−ピークスイッチングを採用する、二重エネルギーX線応用において使用される。
一実施形態によると、制御器は、例えば、比例部及び差動部を有する線形制御器である。代替的には又はさらに、制御器は、1階線形常微分方程式を解することに基づいてフィードバック制御信号を決定するように構成される。そこで、「1階線形常微分方程式を解することに基づいて」という語句は、制御器がフィードバック制御信号を合成及び/又は決定するように構成されることを意味する。
一般的に、基準デューティ比を決定することによって、及び/又は基準デューティ比と相関する制御信号に基づいてスイッチング信号を決定することによって、X線源装置及び/又はコンバータ装置は、変調器に対して制御信号を提供する及び/又はフィードフォワードすることによって線形化される。線形化されたX線源装置及び/又は線形化されたコンバータ装置は、さらにまた、比例部及び差動部のみを有する、線形制御器及び/又は線形レギュレータによって制御される。換言すれば、基準デューティ比を決定すること、及び基準デューティ比と相関する制御信号を提供することによって、線形制御器は、数学的モデルに基づいて決定されるように、基準出力電圧に従って動作中にX線源装置を案内するために、X線源装置のフィードバックループにおいて使用される。線形制御器を使用することは、X線源装置の設計を簡略化し、且つ生産費を節約する。また、線形制御器は、例えば、減算して測定された電圧値及び基準出力電圧値に基づく誤差信号といった誤差信号を積分する必要はない。積分器がなくなることによって、有利には、X線源装置の最速で制御された応答を提供することが可能になり、従来のX線源装置に必要とされる、アンチワインドアップ測定及び/又はアンチワインドアップ方式が使われなくなる。換言すれば、基準デューティ比を決定し、且つ変調器に対して基準デューティ比と相関する制御信号をフィードフォワードすることによって、非線形コンバータ装置は、全体的に、医学的なX線応用に適切な時定数によって漸近的に安定してゼロに収束する、行儀のよい線形誤差ダイナミクスに従って作動する。
一実施形態によると、制御器は、変調器に結合され、変調器にフィードバック制御信号を提供するように構成される。この変調器は、前処理制御器の制御信号に基づいて、及び制御器のフィードバック制御信号に基づいて、スイッチング信号を決定するように構成される。既に上で述べたように、制御信号及びフィードバック制御信号は付加され、スイッチング信号は、基準デューティ比からの偏差を補償するためにこの付加された信号に基づいて決定される。
本発明の一実施形態によると、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの少なくとも1つを、決定、計算、及び/又は算出するように構成され、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの少なくとも1つは、誤差変数に対する線形常微分方程式の係数と相関し、この誤差変数は、電源電圧、例えば、X線源装置によって生成された電源電圧の測定値と、数学的モデルに基づいて前処理制御器によって決定された基準出力電圧値との間の相違と相関する。それ故に、前処理制御器は、第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータの値を決定するように構成される。そこで、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータのうちの1つが固定され、前処理制御器は、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータのうちのもう1つを決定する。しかしながら、前処理制御器はまた、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの両方を決定するように構成される。そこで、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータのそれぞれは、誤差変数に対する微分方程式の係数に相関する及び/又は参照する。
上述されるように、所定の時間帯にわたって基準デューティ比と相関する制御信号をフィードフォワードすることによって、X線源装置及び/又はコンバータ装置は線形化され、それによって、X線源装置の誤差変数及び/又は誤差信号は、明確な線形誤差ダイナミクスに従って作動する。そこで、誤差信号及び/又は誤差変数は、電源電圧の偏差、例えば、X線源装置によって生成された電源電圧の測定値と、及び数学的モデルに基づいて前処理制御器によって決定される基準出力電圧値と相関する。誤差変数のダイナミクス又は挙動は、さらにまた、定係数による同次2階線形常微分方程式によって表される及び/又は律則される。所定の時間帯にわたって事前計算された基準デューティ比に従ってX線源装置を案内するために、線形制御器は、例えば、フィードバックループにおいて、この2階線形微分方程式の導関数部又は項、及び比例部又は項を含むフィードバック制御信号を決定及び/又は合成するために、使用及び/又は採用される。これらの用語は、このことから、所定の時間帯にわたって基準デューティ比に従ってX線源装置を案内するためにフィードバック制御信号が制御器によって合成及び/又は決定される1階線形常微分方程式に関連している。第1の制御器パラメータは、微分方程式の、導関数部、とりわけ一次導関数部の係数に関連及び/又はこれと相関しており、第2の制御器パラメータは、微分方程式の比例部の係数に関連及び/又はこれと相関している。それ故に、前処理制御器は、所定の時間帯にわたって決定された基準デューティ比に従ってコンバータ装置を案内するためにフィードバック制御信号を合成及び/又は決定するために制御器によって使用される微分方程式の係数の少なくとも1つを決定するように構成される。これによって、数学的モデルに基づいて決定される基準出力電圧及び/又は基準デューティ比からX線源装置によって生成された電源電圧のいずれの偏差も大幅に低減される。
従来のX線源装置では、通常、フィードバックループは、例えば、測定された電源電圧などの測定変数を処理することによってフィードバック制御信号を設定する。フィードバックループは、通常、ある特定の制御目標を達成する、例えば、ある特定の電源電圧を設定するために、有効積分項及び比例項を有する制御器を含む。従来のX線源装置では、積分及び比例項の係数並びに/又は利得は、通常、例えば、平衡状態、及び/又は一定の電源電圧が生じる状態などの、X線源装置のある特定の状態に対して、及び/又は、コンバータ装置の2つの状態の間のある特定の遷移、例えば、2つの平衡状態の間の遷移に対して、最適化された後に固定される。このような最適化手順は、時間がかかり、経験的であり、経験を要する可能性がある。さらに、このような手動同調方法によって決定された積分利得及び比例利得は、X線源装置の特定状態、例えば、特定の平衡状態にとって最適であるが、これらのパラメータは、X線源装置のある状態から別の状態への異なる状態又は異なる遷移にとって、最適とは言えない。また、制御器に対する最適化されたパラメータは、最適化を実行する人が何を最適と考えるかに左右される。別の人によって最適化が繰り返される場合、種々の制御器パラメータ及び/又は種々の制御器パラメータ値が決定される。しかしながら、繰り返し可能な及び/又は再現可能なフラットトップ高電圧パルスは、医学的な撮像応用において必要とされるが、このような従来の制御手法を使用して得ることは困難である。
前処理制御器によって第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータを計算することによって、第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータが、所定の時間帯にわたって決定されるそれぞれの特定の基準デューティ比にとって、及び/又は前処理制御器によって達成されるそれぞれの制御目的にとって、適切である及び/又は最適であることが徹底される。結果として、X線源装置は、オーバーシュートがなく、及び/又はできるだけ短い立ち上がり時間において、事前計算された基準デューティ比に従って平滑に案内される。
本発明の一実施形態によると、前処理制御器は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータを両方決定するように構成される。
本発明の一実施形態によると、前処理制御器は、第1の基準出力電圧がコンバータ装置によって生じるコンバータ装置の第1の状態、及び第2の基準出力電圧がコンバータ装置によって生じるコンバータ装置の第2の状態から、コンバータ装置の遷移時間を、例えば数学的モデルに基づいて算出するように構成され、前処理制御器は、決定された遷移時間に基づいて、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの少なくとも1つを決定するように構成される。一般的に、第1の状態及び第2の状態は、コンバータ装置の任意状態を指す。とりわけ、第1の状態及び第2の状態はそれぞれ、コンバータ装置の平衡状態を指す。例として、制御目的は、初期電圧から最終電圧までの電圧パルスの少なくとも一部を生成することである。初期電圧が生じる状態は、コンバータ装置の第1の状態を指し、最終電圧が生じる状態は、コンバータ装置の第2の状態を指す。それ故に、遷移時間は、初期電圧値から最終電圧値まで、電源電圧及び/又は出力電圧を変化させるためにコンバータ装置に必要とされる時間を示す。遷移時間に基づいて第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータを決定することによって、第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータは、特に、第1の状態から第2の状態までの遷移に対して選定されることで、コンバータ装置が、この遷移に対して決定された対応する基準デューティ比に従って案内可能であるようにする。それ故に、基準デューティ比が決定される所定の時間帯は、第1の状態と第2の状態との間の遷移時間を指す及び/又はこれと相関する。さらに、遷移時間に基づいて第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータを決定することは、とりわけ、例えば、kv−ピークスイッチングを採用する、パルス応用及び/又は二重エネルギー応用にとって有利である。
本発明の一実施形態によると、前処理制御器は、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの少なくとも1つをX線源装置の制御器に提供する及び/又はフィードフォワードするように構成され、制御器は、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの少なくとも1つに基づいてフィードバック制御信号を決定するように構成され、フィードバック制御信号は、基準出力電圧値からの電源電圧の偏差を指示している。上述されるように、誤差信号及び/若しくは誤差変数のダイナミクス並びに/又は挙動は、同次2階線形微分方程式によって律則される。誤差信号及び/又は誤差変数は、例えば、電源電圧の測定値と前処理制御器によって決定される基準出力電圧値との間の相違として与えられる。制御器は、微分方程式の導関数部及び比例部を決定する。これらの2つの部分は、それ故に、基準電圧値からの測定された電源電圧の偏差を最小化するために制御器によって、フィードバック制御信号が合成及び/又は決定される、1階線形微分方程式を指す。この目的で、制御器は、誤差信号及び/又は誤差変数、並びに誤差変数の一次時間導関数を決定するように構成される。前処理制御器は、第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータを制御器に提供し、この場合、第1の制御器パラメータは微分方程式の導関数部の係数を指し及び/又はこれと相関し、第2の制御器パラメータは微分方程式の比例部の係数を指し及び/又はこれと相関する。換言すれば、制御器は、誤差変数、誤差変数の一次時間導関数、第1の制御器パラメータ及び/又は第2の制御器パラメータに基づいてフィードバック制御信号を合成及び/又は決定するように構成される。
一実施形態によると、前処理制御器は、所定の時間帯の少なくとも3つの部分時間帯において基準デューティ比を決定するように構成される。換言すれば、所定の時間帯は、少なくとも3つの部分周期に分割され、所定の時間帯にわたる基準デューティ比は、これらの部分周期のそれぞれにおいて別個に及び/又は独立して決定される及び/又は計算される。よって、前処理制御器に埋め込まれる所望の基準デューティ比の決定及び/又は計算に対する実際の計画アルゴリズムは、いくつかの部分周期に分割される。これによって、基準デューティ比を決定するための、堅牢で安定しているのと同時に柔軟な計画アルゴリズムを提供することが可能になる。
一例によると、前処理制御器は、所定の時間帯の複数の部分時間帯、例えば、少なくとも2つの部分時間帯において共振コンバータの、基準デューティ比、基準インダクタ電流、及び/又は基準出力電圧を決定するように構成される。そこで、基準デューティ比、基準インダクタ電流、及び/又は基準出力電圧はそれぞれ、所定の時間帯の部分時間帯の少なくとも一部及び/又はいくつかにおける異なる進路を有する。
一実施形態によると、第1の部分時間帯において、共振コンバータの基準インダクタ電流は、公称電流値まで増加し、第2の部分時間帯において基準インダクタ電流は公称電流値で一定のままであり、第3の部分時間帯において基準インダクタ電流は、例えば、共振インダクタ電流値など、共振コンバータの定常状態の電流値まで減少する。基準インダクタ電流の進路に基づいて、基準出力電圧及び/又は基準デューティ比は、少なくとも3つの部分周期において前処理制御器によって決定及び/又は算出される。そこで、第1の部分時間帯中、基準インダクタ電流は、例えば、時間関数としての基準インダクタ電流についての多項式など、十分に平滑な軌道に従って所望の公称電流値まで上昇させる。第1の部分時間帯における対応する基準出力電圧の増加は、さらにまた、第1の部分時間帯において数学的モデル及び基準インダクタ電流に基づいて決定される。さらに、第2の部分時間帯中、基準インダクタ電流は、所望の公称電流値で一定のままとされ、第2の部分時間帯中の対応する基準出力電圧の増加はまた、第2の部分時間帯において数学的モデル及び基準インダクタ電流に基づいて決定される。また、第3の部分時間帯中、基準インダクタ電流は、十分に平滑な軌道によって、例えば、共振インダクタ電流など、共振コンバータの定常状態値まで減少する。さらにまた、基準出力電圧は、その所望の公称値及び/又は定点値まで平滑に増加し続け、基準出力電圧値のこの軌道及び/又は進路は、第3の部分時間帯において数学的モデル及び基準インダクタ電流に基づいて即座に決定される。
一実施形態によると、変調器は、パルス幅変調、パルス周波数変調、及び/又はデルタシグマ変調に基づいて、スイッチング信号を決定するように構成される。これによって、連続制御信号を離散的なスイッチング信号に、迅速且つ確実に変換することが可能になり、この信号は次いで、インバータを作動させるために、及び/又は例えば、インバータの半導体スイッチを駆動するために使用される。
本発明の第2の態様によると、X線撮像機器が提供される。X線撮像機器は、上で及び以下に説明されるような、X線放射を生成するためのX線源装置、及びX線源装置によって生成されたX線放射を検出するためのX線検出器を備える。
上で及び以下に説明されるようなX線源装置の特徴、機能、要素、及び/又は特性が、上で及び以下に説明されるようなX線撮像機器の特徴、機能、要素、及び/又は特性であることは、留意されるべきである。逆も同様に、上で及び以下に説明されるような、X線撮像機器の特徴、機能、要素、及び/又は特性は、上で及び以下に説明されるような、X線源装置の特徴、機能、要素、及び/又は特性である。
本発明の第3の態様によると、X線放射を生成するためのX線源装置を動作させる方法が提供される。X線源装置は、X線管、及び、X線管に電源電圧を提供するための、インバータ及び共振コンバータを有するコンバータ装置を備える。方法は、
例えば、X線源装置の前処理制御器によって、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって共振コンバータの基準デューティ比を決定するステップと、
例えば、前処理制御器によって、所定の時間帯にわたって基準デューティ比と相関する、制御信号、とりわけ、デジタル制御信号を決定するステップと、
例えば、X線源装置の変調器によって、制御信号に基づいて、スイッチング信号、とりわけ、離散的なスイッチング信号を決定する、及び/又は制御信号をスイッチング信号に変換するステップと、
電源電圧がコンバータ装置によって生じるように、スイッチング信号をインバータに提供する及び/又は供給することによってコンバータ装置のインバータを作動させるステップと、を有する。
さらに、生成された電源電圧は、X線放射を生成するためにX線管に提供及び/又は供給される。
上で及び以下に説明されるようなX線源装置のみならず、X線撮像機器の特徴、機能、要素、及び/又は特性が、上で及び以下に説明されるようなX線源装置を動作させる方法の特徴、機能、要素、特性、及び/又はステップであることは留意されるべきである。逆もまた同様に、上で及び以下に説明されるようなX線源装置を動作させる方法の特徴、機能、要素、特性、及び/又はステップは、上で及び以下に説明されるようなX線源装置及び/又はX線撮像機器の特徴、機能、要素、及び/又は特性である。換言すれば、本発明の1つの態様に関して説明される任意の特徴は、本発明の任意の他の態様のある特徴である。
一実施形態によると、X線源装置を動作させる方法は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって共振コンバータの基準インダクタ電流を決定するステップをさらに有する。代替的には又はさらに、X線源装置を動作させる方法は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたってコンバータ装置の基準出力電圧を決定するステップをさらに有する。
一実施形態によると、X線源装置を動作させる方法は、
電源電圧の値を測定するステップと、
例えば、測定された電源電圧値を基準出力電圧値から減算することによって、電源電圧の測定値を基準出力電圧値と比較するステップと、
基準出力電圧値から電源電圧の測定値の偏差を指示するフィードバック制御信号を生成するステップと、
フィードバック制御信号を前処理制御器によって決定された制御信号に付加するステップと、
付加したフィードバック制御信号及び制御信号に基づいてスイッチング信号を決定するステップと、をさらに有する。
本発明のさらなる態様が、X線源装置の制御器装置上で実行される時、上で及び以下に説明されるようなX線源装置を動作させる方法のステップの少なくとも一部を実行するように制御器装置に命令する、コンピュータプログラム要素に関連していることに留意されたい。そこで、制御器装置は、上で及び以下に説明されるような前処理制御器及び/又は制御器を備える。とりわけ、コンピュータプログラム要素は、共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって共振コンバータの基準デューティ比を決定するステップと、所定の時間帯にわたって基準デューティ比と相関する制御信号を決定するステップと、を実行するように制御器装置に命令する。
本発明のなおさらなる態様は、上で及び以下に説明されるようなコンピュータプログラム要素が記憶されるコンピュータ可読媒体に関連している。
本発明のこれらの及び他の態様は、以降に説明される実施形態から明らかとなり、且つこれらに関して解明されるであろう。
本発明の主題は、添付の図に示される例示の実施形態を参照して以下により詳細に説明される。
例示の実施形態によるX線撮像機器を概略的に示す図である。 例示の実施形態によるX線源装置を概略的に示す図である。 図2のX線源装置によって決定されるX線源装置のシステム変数を示す図である。 例示の実施形態によるX線源装置のコンバータ装置を概略的に示す図である。 例示の実施形態によるX線源装置を概略的に示す図である。 例示の実施形態によるX線源装置を概略的に示す図である。 例示の実施形態によるX線源装置を動作させる方法のステップを示すフローチャートである。
原則として、同一の又は同様の部分及び/若しくは要素には、図において同じ参照符号が与えられる。
図1は、例示の実施形態によるX線撮像機器100を概略的に示す。
X線撮像機器100は、X線放射102を生成する及び/又は発するX線源装置10、及びX線源装置10が発したX線放射102の少なくとも一部を検出するX線検出器104を備える。X線検出器104は、照射される物体105を通過するX線放射102を検出するように配置される及び/又は構成される。X線源装置10の要素、特徴、及び/又は機能について、以下の図を参照してより詳細に説明する。
さらに、X線撮像機器100は、X線源装置10及び/又はX線検出器104を制御するための制御装置106を備える。
一般的に、X線撮像機器100は、例えば、C−アームシステム、コンピュータ断層撮影(CT)用撮像機器、コーンビーム撮像機器、及び/又はコーンビームCT用撮像機器などの任意の種類のX線撮像機器である。
図2は、例示の実施形態によるX線源装置10を概略的に示す。図2のX線源装置10は、例えば、図1に示されるX線撮像機器100において採用される。図3は、図2のX線源装置10によって決定されるように、それぞれ、時間tの関数としてX線源装置10のシステム変数26、28、30を示し、y軸はシステム変数26、28、30の値を指し、x軸は任意の単位における時間tを指す。より具体的には、図3における実線26は時間tの関数として基準デューティ比26の軌道を示し、破線28は時間tの関数として基準インダクタ電流28の軌道を示し、点線30は時間tの関数として基準出力電圧30の軌道を示す。基準デューティ比26は図3に示されるようにゼロから1に及ぶ。さらに、例証の目的で、図3に示される基準インダクタ電流28及び基準出力電圧30はそれぞれ、対応する最大値に正規化される。
X線源装置10は、前処理制御器12、変調器14、インバータ18及び共振コンバータ20を有するコンバータ装置16、及びX線放射102を生成する及び/又は発するX線管22を備える。X線管22は、例えば、単焦点スポットX線管、二焦点スポットX線管、及び/又はステレオX線管などの任意の種類のX線管22である。
図2に示されるように、前処理制御器12及び/又は前処理制御器12の出力は、変調器14、及び/又は変調器14の入力に結合及び/又は接続される。さらに、変調器14及び/又は変調器の出力は、コンバータ装置16及び/又はコンバータ装置16のインバータ18に結合及び/又は接続される。インバータ18は共振コンバータ20に接続及び/又は結合される。また、コンバータ装置16及び/又は共振コンバータ20は、X線管22に結合及び/又は接続される。
前処理制御器12は、図4を参照してより詳細に説明される、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて、図3に示される例示としてのシステム変数26、28、30の軌道を、決定、計算、及び/又は算出するように構成される。とりわけ、前処理制御器12は、数学的モデルに基づいて、図3におけるtからtに及ぶ、所定の時間帯32にわたって基準デューティ比26を決定するように構成される。さらに、前処理制御器12は、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて、所定の時間帯32にわたって基準インダクタ電流28及び基準出力電圧30をそれぞれ決定するように構成され、基準デューティ比26はさらにまた、基準インダクタ電流28及び基準出力電圧30に基づいて前処理制御器12によって決定される。
前処理制御器12は、所定の時間帯32全体にわたって、基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30を決定する。しかしながら、前処理制御器12はまた、さまざまな部分時間帯34、36、38において、とりわけ、少なくとも3つの部分時間帯34、36、38において基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30を決定するように構成される。図3を参照すると、第1の部分時間帯34はtからtに及び、第2の部分時間帯36はtからtに及び、第3の部分時間帯38はtからtに及ぶ。
例として、第1の部分時間帯34において、基準インダクタ電流28は、例えば、多項式関数などの、十分に平滑な及び/又は連続的な微分可能関数によって、最大電流値である公称電流値まで上昇及び/又は増加させる。共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて、第1の部分時間帯34における、対応する基準出力電圧30及び/又は基準デューティ比26はさらにまた、算出及び/又は決定される。
第2の部分時間帯36において、基準インダクタ電流28は公称電流値で一定のままであり、第2の部分時間帯36における対応する基準出力電圧30及び/又は基準デューティ比26は、さらにまた、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて算出及び/又は決定される。
第3の部分時間帯38において、基準インダクタ電流28は、例えば、共振インダクタ電流値など、共振コンバータ20の定常状態の電流値まで減少させる。また、第3の部分時間帯38において、基準インダクタ電流28は、十分に平滑な及び/又は連続的な微分可能関数によって表される。共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて、第3の部分時間帯38における対応する基準出力電圧30及び/又は基準デューティ比26はさらにまた、算出及び/又は決定される。
基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30は、順序通りに、第1の部分時間帯34、第2の部分時間帯36、及び第3の部分時間帯38において決定される。換言すれば、前処理制御器12において採用される明快な計画アルゴリズムは、さまざまな状況において十分なものである。しかしながら、何らかの逆計画が適切である状況もある。それ故に、基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30は、第1の部分時間帯34、第2の部分時間帯36、及び第3の部分時間帯38において任意順序で決定される。例として、基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30は、第2の部分時間帯32がいつ終了するのかを決定するために、すなわち、時間tを決定するために、第2の部分時間帯36の前に第3の部分時間帯38において決定される。
一般的に、オプションとして、少なくとも3つの部分時間帯34、36、38に分割される所定の時間帯32にわたって、基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30を決定することによって、前処理制御器12、及び/又はそこで採用される計画アルゴリズムは、時間的に先を見越す。そこで、計画的対象期間は、共振コンバータ20のいくつかの自然共鳴期間を含む。
さらに、前処理制御器12は、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて、所定の時間帯32にわたって、基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30を決定することによって、X線源装置10のいずれのハードウェア上の制約も考慮に入れるように構成されることに留意されたい。これによって、ゼロ〜1の間隔内にある基準デューティ比26が生じる。さらに、基準インダクタ電流28は、例えば約300Aの、例えば、数百アンペア程度である所望の最大電流値を超えることはない。また、いずれのアクチュエータ上の制約も考慮され、これはさらにまた、ゼロ〜1の間隔内にあるデューティ比26をもたらす。さらに、これらのアクチュエータ及び/又はハードウェア上の制約は、前処理制御器12において採用される軌道計画アルゴリズムによって考慮されることに留意されたい。換言すれば、ハードウェア保護手段はこれらの制約を押し通すために必要とされない。
さらに、前処理制御器12は、所定の時間帯32にわたって決定された基準デューティ比26と相関する及び/又はこれを指示する制御信号13を決定するように構成される。制御信号13はデジタル及び/又は連続制御信号13を指す。また、前処理制御器12は、制御信号13を変調器14に提供する及び/又は供給するように構成される。
変調器14は、制御信号13に基づいてスイッチング信号15を決定する及び/又は導出するように構成される。スイッチング信号15は、離散的なスイッチング信号15を指し、インバータ18を作動させるためにインバータ18に提供される及び/又は供給される。より具体的には、インバータ18は、少なくとも1つの半導体スイッチを有する少なくとも1つのハーフブリッジモジュール及び/又はフルブリッジモジュールを備え、変調器14は、インバータ18を作動させるために少なくとも半導体スイッチのゲート端子にスイッチング信号15を供給するように構成される。スイッチング信号15の決定のために、変調器14は、例えば、パルス幅変調、パルス周波数変調、及び/又はデルタシグマ変調といった任意の変調方式を適用するように構成されることで、連続制御信号13を離散的なスイッチング信号15に変換することが可能になる。
スイッチング信号15に従ってコンバータ装置16及び/又はインバータ18を作動させることによって、所望の電源電圧及び/又は電源電圧パルスは、コンバータ装置16によって最後に生じる。生成された電源電圧及び/又は電源電圧パルスは、さらにまた、X線管22に供給されて、X線放射102及び/又はX線放射102のパルスを生成する。
図4は、例示の実施形態によるX線源装置10のコンバータ装置16を概略的に示す。より具体的には、図4はコンバータ装置16の回路を示す。別段述べられていない限り、図4のコンバータ装置16は、先の図1〜図3を参照して説明されるコンバータ装置16と同じ特徴、機能、及び/又は要素を含む。
コンバータ装置16は、コンバータ装置16の共振コンバータ20に電力を供給するための、とりわけ、共振コンバータ20に入力電圧vを供給するためのインバータ18を備える。入力電圧vは、三相交流をDC電流に変換することによってインバータ18の少なくとも1つのハーフブリッジモジュール及び/又はフルブリッジモジュールによって生じる。そこで、少なくとも1つのハーフブリッジモジュール及び/又はフルブリッジモジュールは、電圧VDCによってDCバスで働く。よって、出力電圧vは、−VDC、0又は+VDCの値を取る。
コンバータ装置16の共振コンバータ20は、インダクタコイルL、インダクタコイルLに直列に接続されるコンデンサC、及びコンデンサCを備える、LCC回路とも称される、直列並列共振コンバータ40を含む。
共振コンバータ20は、昇圧コンデンサCの形式の倍電圧器、及び4つのダイオードD、D、D、及びDを有するダイオード整流器42をさらに備える。そこで、昇圧コンデンサCは、直列並例共振コンバータ40とダイオード整流器42との間に配置される。昇圧コンデンサCは、コンバータ装置16の増倍電圧整流器の一部を指す及び/又はこれの一部である。よって、昇圧コンデンサCは、コンバータ装置16の任意の電圧増倍回路を指す及び/又はこれを表す。
さらに、共振コンバータ40は、ダイオード整流器42と負荷Rとの間に配置される、容量性出力フィルタとしての役割を果たすコンデンサCを備える。負荷Rは、例えば、図2に示されるように、コンバータ装置16によって駆動されるX線管22を示す及び/又はモデリングする抵抗Rを指す。例として、X線管22は図4における抵抗Rとしてモデリングされる。しかしながら、任意の他のモデリング手法も使用される。例えば、X線管22は、電流シンク及び/又は電力シンクとしてモデリングされる。
それ故に、共振コンバータ20は、電気エネルギーを蓄積するために合計5個のエネルギー蓄積素子を備える。これらの5個のエネルギー蓄積素子は、インダクタコイルL及びコンデンサC、C、C、及びCである。これらのエネルギー蓄積素子全ては、以下により詳細に説明されるように、共振コンバータ20の数学的モデルにおいて含有される及び/又は考慮に入れられる。
コンバータ装置16は、量子演算モードで動作させ、この場合、インバータ18は、共振コンバータ20において流れるインダクタ電流iのゼロ交差のところで、ゼロ交差の近くで及び/又はゼロ交差に近接して作動させる。換言すれば、インバータ18のフルブリッジモジュール及び/又はハーフブリッジモジュールは、インダクタ電流iのゼロ交差に近接して及び/又は近くでスイッチされる。「インダクタ電流のゼロ交差の近くで」という用語は、インバータ18を厳密にゼロ交差でスイッチすること、及び/又はある特定の固定移相を有するインバータ18をインダクタ電流iのゼロ交差の前にスイッチすること、及び/又は調節可能な及び/又は適応可能な移相を有するインバータ18をゼロ交差の前にスイッチすることを含み、この場合、位相の量はコンバータ装置16の変数から導出される。
以下では、共振コンバータ20の数学的モデルについて、図4を参照してより詳細に説明する。
コンバータ装置16の制御について、入力電圧vは、インダクタ電流i又はゼロ電圧に対して同位相又は非同位相であるようにのみ選定される。インバータ18の少なくとも1つの電力半導体及び/又は少なくとも1つの半導体スイッチは、コンバータ装置16の電源電圧v及び/又は出力電圧vが時間と共にゆっくりと変動していること、インバータ18を駆動するための電圧VDCが一定であること、及び理想的なスイッチングがインダクタ電流iのゼロ交差で生じることが理想的であることが想定される。上で既に略述したように、電源電圧vは、コンバータ装置16を介してX線管22に供給される電圧を示す。この電源電圧vはまた、実際の出力電圧v及び/又はコンバータ装置16の出力電圧vであり、これは、数学的モデルに基づいて決定及び/又は算出される時に基準出力電圧vと称される。また、電源電圧v、出力電圧v、及び/又は基準出力電圧vは、コンバータ装置16のフラットな出力であり、これはさらに、図4におけるコンデンサCにわたる電圧である。
さらに、少なくともいくつかの高電圧の応用では、巻数比w/wによるコンデンサCとCとの間の変圧器が使用され、コンデンサC、C、及びC、並びに負荷Rの値が、変圧器の一次側において相当値になるように算出されることが想定されることは、留意されたい。
さらに、数学的モデルにおける共振コンバータ20のモデリングは、一般化された平均化法に基づく。換言すれば、数学的モデルは、共振コンバータ20のゆっくり変動する特性のみを考慮する平均数学的モデルである。
数学的モデルでは、共振コンバータ20における電流及び電圧、並びにインバータ18によって生成された入力電圧vの波形は、純粋正弦波であり、共振周波数ωにおいてそれらの基本波によって表されることが想定される。対照的に、整流電流irec及び出力電圧vは、ゆっくりと時間的に変動するそれらの平均値と置き換えられる。
共振周波数による速い過渡のモデリングは、基本波の正弦部分及び余弦部分のゆっくりと時間的に変動する振幅のモデリングと置き換えられることにさらに留意されたい。しかしながら、モデリングの重要な部分は、非正弦波形の基本表現の算出である。出力倍電圧器を有する直列並列共振コンバータ40において、並列共振コンデンサCにおける電流は、非正弦形を有するため、その基本波成分と置き換えられる。基本波成分は、例えば、1つの周期でのフーリエ級数算出によって導出される。基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧を決定するために前処理制御器12において使用される及び/又は採用される数学的モデルは、さらにまた、スイッチされたモデルにおけるシステム変数をそれらの基本表現と置き換えることによって導出される。結果として生じる式はさらにまた、正弦部分及び余弦部分に分離される。
共振コンバータ20に対して結果として生じる数学的モデルは、最後に、非線形一次微分方程式及び非線形二次微分方程式によって示される。
Figure 2020514987
、及び
Figure 2020514987
ここで、iは基準インダクタ電流を示し、vは基準出力電圧を示し、rは基準デューティ比を示す。この数学的モデルは、負荷R、すなわち、X線管22が上記のように電流シンク及び/又は電力シンクによってモデリングされる場合、当業者によってわずかに修正されることに留意されたい。数学的モデルの一次方程式及び二次方程式から明らかであるように、基準インダクタ電流iに対する軌道が、例えば、図3を参照して説明されるような所定の時間帯32、及び3つの部分時間帯34、36、38にわたって選定される場合、基準出力電圧v及び基準デューティ比rは、数学的モデルの一次微分方程式及び二次微分方程式に基づいて所定の時間帯32にわたって算出及び/又は決定される。
以下では、数学的モデルの特性について要約する。数学的モデルは、基準インダクタ電流i、出力電圧v、及び基準デューティ比rの間の関係を表す一次微分方程式及び二次微分方程式を含む。より具体的には、一次微分方程式は非線形微分方程式であり、二次微分方程式は線形微分方程式である。一次微分方程式において、インダクタ電流iの時間導関数は3つの項の和に比例しており、この場合、第1項は基準デューティ比rに比例しており、第2項は基準インダクタ電流iで除算された基準出力電圧vの2乗に比例しており、第3項は基準出力電圧vに比例している。二次微分方程式において、基準出力電圧vの時間導関数は3つの項の和に比例している。第1項はインダクタ電流iに比例しており、第2項は基準出力電圧vに比例しており、第3項はまた基準出力電圧vに比例している。より具体的には、第3項は負荷Rで除算される基準出力電圧vである。
さらに、数学的モデルは平均数学的モデルであり、この場合、コンバータ装置16のシステム変数の少なくとも一部、すなわち、基準インダクタ電流i、基準出力電圧v、及び/又は基準デューティ比rは、共振コンバータ20の少なくとも1つの共振周期にわたって、とりわけ、少なくとも2つ及び/又は少なくとも3つの共振周期にわたって平均化される。また、システム変数の少なくとも一部は、共振コンバータ20の少なくとも5〜10の共振周期にわたって平均化される。そこで、「平均化する」及び/又は「平均化」という用語は、各システム変数のゆっくりと時間的に変動する成分を表すためにシステム変数の少なくとも一部のフーリエ級数展開の振幅及び/又は振幅の使用を指す。
図5は、例示の実施形態によるX線源装置10を概略的に示す。別段述べられていない限り、図5のX線源装置10は、先の図を参照して説明したX線源装置10と同じ特徴、機能、及び/又は要素を含む。
先の図において説明したX線源装置10の特徴及び/又は要素に加えて、図5のX線源装置10は、X線管22に対してコンバータ装置16によって供給された電源電圧の値を測定するための電圧測定装置19によるフィードバックループ17を含む。
さらに、X線源装置10及び/又はフィードバックループ17は、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて前処理制御器12によって決定されるような基準出力電圧vからの電源電圧の偏差を補償するように構成される制御器21を含む。この目的のために、前処理制御器12及び/又は前処理制御器12のさらなる出力部は、制御器21に結合及び/又は接続される。それとは別に、制御器21及び/又はこの出力部は、変調器14に結合及び/又は接続される。
基準出力電圧vからの電源電圧の偏差を補償するために、制御器21は、前処理制御器12によって制御器21に提供された基準出力電圧値を、電源電圧の測定値と比較するように構成される。この比較は、例えば、図5における円23によって概略的に指示されるように、基準出力電圧値から電源電圧の測定値を減算することによって行われ、これは制御器21の比較モジュール23を指す。
また、制御器21は、基準出力電圧値からの電源電圧の測定値の偏差を指示するフィードバック制御信号25を決定するように構成される。このフィードバック制御信号25はさらにまた、前処理制御器12によって提供される、基準デューティ比rと相関する制御信号13に付加され、付加された信号27は、付加された信号27に基づいてスイッチング信号15を生成するために変調器14に提供及び/又は供給される。これによって、基本的に、所定の時間帯32にわたって基準デューティ比26の軌道に従って共振コンバータ20を案内することが可能になる。
さらに、本発明の発明者によって、図4を参照して詳細に説明されるように、数学的モデルによってモデリングされる共振コンバータ20がフラットな力学系であることが分かったことに留意されたい。それ故に、基準出力電圧vに適用されるいずれの関数も共振コンバータ20のフラットな出力である。これによって、所定の時間帯32にわたって基準デューティ比r、26と相関する制御信号13を変調器14にフィードフォワードすることによって共振コンバータ20を線形化することが可能になる。
その結果として、制御器21は線形制御器21であり、フィードバック制御信号25は、定係数によって1階線形常微分方程式を解することに基づいて決定される。換言すれば、所定の時間帯32にわたって基準デューティ比26と相関する制御信号13によって共振コンバータ20を線形化することによって、数学的モデルの方程式の非線形系は、以下の微分方程式の形式における明確な線形誤差ダイナミクスに従って作動する。
Figure 2020514987
ここで、eは、基準出力電圧値からの電源電圧の測定値の偏差を示す。これらの項は、所定の時間帯32にわたって基準デューティ比rの軌道26に従ってコンバータ装置16を案内するためにX線源装置10の動作中に制御器21によって決定される。
より具体的には、誤差変数及び/又は誤差信号eの誤差ダイナミクスは、次の形式の同次2階線形常微分方程式によって律則される。
Figure 2020514987
ここで、eは誤差変数を示し、
Figure 2020514987
は誤差変数の一次時間導関数を示し、
Figure 2020514987
は誤差変数の二次時間導関数を示す。制御器21はさらにまた、この2階微分方程式の導関数部
Figure 2020514987
及び比例部ceを決定する。これらの2つの部分はそれ故に、1階線形微分方程式を指し、この1階線形微分方程式から、フィードバック制御信号25は制御器21によって合成及び/又は決定される。そこで、導関数部の係数c及び比例部の係数cは、例えば、図6を参照して説明されるように、第1の制御器パラメータ50及び第2の制御器パラメータ52の形式において、前処理制御器12によって決定及び/又は提供可能である。
上で既に述べたように、これによって、制御器21が、比例部及び/又は項、並びに導関数部及び/又は項を有する線形制御器21であり、導関数部が主要になることが可能になる。原理的には、これは、制御目的を達成するのに、すなわち、基準デューティ比rの軌道26に従って共振コンバータ20を案内するのに十分である。しかしながら、図5に示される線形制御器21はまた、微小積分項を有し、この場合、制御器21のこの微小積分項を、従来のX線源装置において採用される制御器の積分動作と混同しないようにする。本発明による制御器21の微小積分項は、数学的モデルと現実の共振コンバータ20との間の小さな矛盾を補償する。これらの矛盾は、数学的モデルが、現実の共振コンバータ20のある特定の態様を無視し、且つ長期間挙動に重点を置くための平均化に基づくため、不可避である。しかしながら、このような数学的平均モデルは、共振コンバータ20のフラット性を利用する効率的な軌道計画アルゴリズムを助長する。
以下では、本発明のさまざまな態様について簡潔に要約する。本発明は、所定の時間帯32にわたって基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30にとって適切な軌道の決定及び実施に基づく。共振コンバータ20のゆっくりと変動する特性のみをとらえる平均数学的モデルが適用される。この数学的モデルを使用して、所定の時間帯32にわたって、基準デューティ比26、基準インダクタ電流28、及び/又は基準出力電圧30を決定する。さらに、基準出力電圧値は電源電圧の測定値と比較され、この比較からもたらされる誤差信号は制御器21に送られる。また、基準デューティ比r(26)は次いで、制御器21のフィードバック制御信号25に付加され、且つ変調器14にフィードフォワードされる。フィードフォワードされた基準デューティ比26は、共振コンバータ20の線形化を達成し、且つ線形制御器設計を可能にする、すなわち、線形制御器21を使用することを可能にする。上記のように、変調器14は、連続的に付加された信号27、すなわち、付加された制御信号13及びフィードバック制御信号25をスイッチング信号15に変える。離散的なスイッチング信号15はさらにまた、共振コンバータ20の入力段階であるインバータ18の半導体スイッチにとって適切なゲート信号を導出するために使用される。
図6は、例示の実施形態によるX線源装置10を概略的に示す。別段述べられていない限り、図6のX線源装置10は、先の図を参照して説明されるX線源装置10と同じ特徴、機能、及び/又は要素を含む。
先の図において説明されるように、基準デューティ比rは、例えば、システムのフラットな出力によって、及び/又は例えば、数値積分法なしで、前処理制御器12によって決定される。基準デューティ比r及び/又は基準デューティ比rの軌道は、制御信号13の形式でフィードフォワードされる。これによって、コンバータ装置16及び/又はX線源装置10の線形化が達成される。直列並列共振コンバータの場合、線形化は誤差信号及び/又は誤差変数eをもたらし、これは、基準出力電圧値と電源電圧の測定値との間の相違であり、図5を参照して説明されるように、定係数による同次2階線形常微分方程式によって律則される。換言すれば、共振コンバータ20及び/又はコンバータ装置16は非線形系であるが、この誤差ダイナミクスは線形微分方程式によって律則される。
図6に示される制御器21は、誤差ダイナミクスを決定する2階微分方程式の誤差変数の一次時間導関数
Figure 2020514987
、及び誤差変数e自体を決定する及び/又は与える。2つの係数c及びcは、同次2階線形常微分方程式の、所定の時間帯にわたって決定される特定の基準デューティ比rに対する定係数である、及び/又は制御器21の比例部及び導関数部と関連付けられる。そこで、導関数部の係数cは制御器21の第1の制御器パラメータ50に関連及び/又はこれと相関しており、比例部の係数cは制御器21の第2の制御器パラメータ52に関連及び/又は相関している。
さらに、前処理制御器12は、第1の制御器パラメータ50及び/又は第2の制御器パラメータ52を決定、計算、及び/又は算出するように構成される。同様に、前処理制御器12は、係数c及びcの1つ又は両方を決定するように構成される。これらの2つの係数並びに/又は第1の制御器パラメータ50及び第2の制御器パラメータ52は、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて前処理制御器12によって導出される。
とりわけ、第1の制御器パラメータ50及び第2の制御器パラメータ52は、第1の基準出力電圧がコンバータ装置16によって生じる、コンバータ装置16の第1の状態と、第2の基準出力電圧がコンバータ装置16によって生じる、コンバータ装置16の第2の状態との間の遷移時間、例えば、事前計算された遷移時間から導出される。遷移時間は所定の時間帯を指し、これにわたって、基準デューティ比rは決定される。第1の状態及び第2の状態は、平衡点又は平衡状態を指す。前処理制御器12は、図5を参照して説明されるように、同次2階線形常微分方程式の固有値が、ある特定の値及び/又は特定値を想定するように、第1の制御器パラメータ50及び第2の制御器パラメータ52を決定する。固有値によってさらにまた、2階線形微分方程式のダイナミクスを決定する。それ故に、適切な係数c、cを選定することによって、及び/又は適切な制御器パラメータ50、52を選定することによって、コンバータ装置16の誤差ダイナミクスは、電源電圧を第1の状態の初期値から第2の状態の最終値まで変更するなど、特定の制御目的を達成するのに適切とみなされるやり方で、直接影響され得る。
それ故に、制御器パラメータ50、52の設計は、軌道計画プロセス、すなわち、所定の時間帯にわたって基準デューティ比rを決定することが終了した直後に続く、透明で自動的な繰り返し可能なプロセスになる。換言すれば、所定の時間帯にわたる基準デューティ比rのそれぞれの軌道計画及び/又はそれぞれの決定は、事前計算された軌道に従ってシステムを安定させる、一意の制御器パラメータ50、52を有する第1の状態と第2の状態との間の所望の遷移と関連付けられる。
要約すると、前処理制御器12は、第1の制御器パラメータ50及び第2の制御器パラメータ52の少なくとも1つ又は両方を決定する。前処理制御器12は、制御器21に対して、決定された第1の制御器パラメータ50及び/又は第2の制御器パラメータ52を提供する、出力する、及び/又はフィードフォワードする。制御器21はさらにまた、誤差変数e及び誤差変数の一次時間導関数
Figure 2020514987
を決定する。制御器21は、誤差変数e、誤差変数の一次時間導関数
Figure 2020514987
、第1の制御器パラメータ50、及び/又は第2の制御器パラメータ52に基づいて変調器14に提供されるフィードバック制御信号25を決定及び/又は合成するようにさらに構成される。これによって、X線源装置10及び/又はコンバータ装置16を、所定の時間帯にわたって決定される基準デューティ比rに従って正確に案内することが可能になる。
図7は、例示の実施形態によるX線源装置10を動作させる方法のステップを示すフローチャートを示す。X線源装置10は、X線管22、及び電源電圧をX線管22に提供するための、インバータ18及び共振コンバータ20を有するコンバータ装置16を備える。しかしながら、X線源装置10はまた、先の図を参照して説明されるような任意のさらなる特徴及び/又は要素を含む。
第1のステップS1では、所定の時間帯32にわたる共振コンバータ20の基準デューティ比26は、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて決定される。さらに、所定の時間帯32にわたる共振コンバータ20の基準インダクタ電流28、及び/又は所定の時間帯32にわたるコンバータ装置16の基準出力電圧30は、ステップS1において、共振コンバータ20の数学的モデルに基づいて決定される。
ステップS2において、所定の時間帯32にわたる基準デューティ比26と相関する制御信号13が決定される。
ステップS3において、スイッチング信号15は、制御信号13に基づいて、例えば、X線源装置10の変調器14によって制御信号13をスイッチング信号15に変換することによって、決定される。
ステップS4において、コンバータ装置16のインバータ18は、電源電圧がコンバータ装置16によって生じるように、スイッチング信号15をインバータ18に提供することによって作動させ、この信号は、X線放射102を生成するためにX線管22に供給される。
オプションのステップS5では、電源電圧の値が、例えば、X線源装置10の電圧測定装置19によって測定される。
さらなるオプションのステップS6では、電源電圧の測定値は、X線源装置10の制御器21によって基準出力電圧値と比較される。
さらなるオプションのステップS7では、基準出力電圧値からの電源電圧の測定値の偏差を指示するフィードバック制御信号25は、制御器21によって決定される。
さらなるオプションのステップS8において、フィードバック制御信号25は、前処理制御器21によって決定される制御信号13に付加される。
さらなるオプションのステップS9では、スイッチング信号15は、付加されたフィードバック制御信号25及び制御信号13に基づいて決定される。
本発明は、図面及び先述の説明において詳細に例証され且つ説明されているが、このような例証及び説明は、例証又は例示とみなされるものとして制限するのものではなく、本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することによって、当業者が理解し且つ成し遂げることができ、特許請求された発明を実践できるものである。
特許請求の範囲において、単語「備える」は他の要素又はステップを除外するものではなく、単数形は複数を除外するものではない。単に、ある特定の方策が相互に異なる従属請求項に列挙されるという事実は、これらの方策の組み合わせを有利になるように使用できないことを指示するものではない。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も、この範囲を限定すると解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. X線管と、
    前記X線管に電源電圧を提供するためのコンバータ装置と、
    前処理制御器と、
    前記コンバータ装置及び前記前処理制御器に結合される変調器と、を備え、
    前記コンバータ装置はインバータ及び共振コンバータを備え、
    前記前処理制御器は、前記共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって連続時間関数として前記共振コンバータの基準デューティ比を決定し、
    前記前処理制御器は、前記基準デューティ比と相関する制御信号を前記変調器に提供し、
    前記変調器は、前記制御信号に基づいてスイッチング信号を決定し、
    前記変調器は、前記コンバータ装置の前記インバータに前記スイッチング信号を提供して前記インバータを作動させることで、前記電源電圧が前記コンバータ装置によって生じるようにする、X線放射を生成するためのX線源装置。
  2. 前記前処理制御器は、前記共振コンバータの前記数学的モデルに基づいて前記所定の時間帯にわたって前記共振コンバータの基準インダクタ電流を決定し、及び/又は前記前処理制御器は、前記共振コンバータの前記数学的モデルに基づいて前記所定の時間帯にわたって前記コンバータ装置の基準出力電圧を決定する、請求項1に記載のX線源装置。
  3. 前記前処理制御器は、前記基準インダクタ電流に基づいて及び/又は前記基準出力電圧に基づいて前記所定の時間帯にわたって前記基準デューティ比を決定する、請求項2に記載のX線源装置。
  4. 前記コンバータ装置の前記共振コンバータは直列並列共振コンバータを含む、及び/又は、前記共振コンバータの前記数学的モデルは、前記共振コンバータのエネルギー蓄積素子として1つのインダクタコイル及び4つのコンデンサを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線源装置。
  5. 前記コンバータ装置の前記基準出力電圧からの前記電源電圧の偏差を補償するための制御器をさらに備え、前記前処理制御器は、前記制御器に結合され、前記制御器に基準出力電圧値を提供し、前記制御器は、前記基準出力電圧を前記電源電圧の測定値と比較し、前記制御器は、前記基準出力電圧値からの前記電源電圧の前記測定値の偏差を指示するフィードバック制御信号を決定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線源装置。
  6. 前記制御器は線形制御器である、及び/又は、前記制御器は、1階線形常微分方程式を解することに基づいて前記フィードバック制御信号を決定する、請求項5に記載のX線源装置。
  7. 前記制御器は、前記変調器に結合され、前記変調器に前記フィードバック制御信号を提供し、及び/又は、前記変調器は、前記前処理制御器の前記制御信号に基づいて、且つ、前記制御器の前記フィードバック制御信号に基づいて、前記スイッチング信号を決定する、請求項5又は6に記載のX線源装置。
  8. 前記前処理制御器は、前記共振コンバータの前記数学的モデルに基づいて、第1の制御器パラメータ及び第2の制御器パラメータの少なくとも1つを決定し、前記第1の制御器パラメータ及び前記第2の制御器パラメータの前記少なくとも1つは、誤差変数に対する線形常微分方程式の係数と相関し、前記誤差変数は、前記X線源装置によって生成された前記電源電圧と、前記数学的モデルに基づいて前記前処理制御器によって決定された基準出力電圧値との間の相違と相関する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のX線源装置。
  9. 前記前処理制御器は、前記共振コンバータの前記数学的モデルに基づいて前記第1の制御器パラメータ及び前記第2の制御器パラメータの両方を決定する、請求項8に記載のX線源装置。
  10. 前記前処理制御器は、第1の基準出力電圧が前記コンバータ装置によって生じる前記コンバータ装置の第1の状態、及び、第2の基準出力電圧が前記コンバータ装置によって生じる前記コンバータ装置の第2の状態から、前記コンバータ装置の遷移時間を算出し、前記前処理制御器は、決定された前記遷移時間に基づいて、前記第1の制御器パラメータ及び前記第2の制御器パラメータの前記少なくとも1つを決定する、請求項8又は9に記載のX線源装置。
  11. 前記前処理制御器は、前記第1の制御器パラメータ及び前記第2の制御器パラメータの前記少なくとも1つを前記X線源装置の制御器に提供し、前記制御器は、前記第1の制御器パラメータ及び前記第2の制御器パラメータの前記少なくとも1つに基づいてフィードバック制御信号を決定し、前記フィードバック制御信号は前記基準出力電圧値からの前記電源電圧の偏差を指示している、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のX線源装置。
  12. 前記前処理制御器は、前記所定の時間帯の少なくとも3つの部分時間帯において前記基準デューティ比を決定する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のX線源装置。
  13. 第1の部分時間帯において、前記共振コンバータの前記基準インダクタ電流は公称電流値まで増加し、第2の部分時間帯において、前記基準インダクタ電流は前記公称電流値で一定のままであり、第3の部分時間帯において、前記基準インダクタ電流は前記共振コンバータの定常状態の電流値まで減少する、請求項12に記載のX線源装置。
  14. X線放射を生成するための、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のX線源装置と、
    前記X線源装置によって生成されたX線放射を検出するためのX線検出器と、を備える、X線撮像機器。
  15. X線放射を生成するためのX線源装置を動作させる方法であって、
    前記X線源装置は、X線管、及び、前記X線管に電源電圧を提供するための、インバータ及び共振コンバータを有するコンバータ装置を備え、前記方法は、
    前記共振コンバータの数学的モデルに基づいて所定の時間帯にわたって連続時間関数として前記共振コンバータの基準デューティ比を決定するステップと、
    前記所定の時間帯にわたって前記基準デューティ比と相関する制御信号を決定するステップと、
    前記制御信号に基づいてスイッチング信号を決定するステップと、
    前記電源電圧が前記コンバータ装置によって生じるように、前記スイッチング信号を前記インバータに提供することによって前記コンバータ装置の前記インバータを作動させるステップと、を有する、方法。
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