JP6088276B2 - 飲料注入アタッチメント - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、炭酸ガス(CO2)などの酸化防止ガスが充填されている容器の容器口からビールを注入するとともに充填されている酸化防止ガスを排出するためのバルブ軸体(飲料注入アタッチメント)が備わる充填用バルブユニット(フィラー)が開示されている。
特許文献1に示されるように、バルブ軸体は、容器口から先端の一部が容器の内部に進入し、ビールは、バルブ軸体と容器口の間隙を流通して容器内に注入される。したがって、容器口とバルブ軸体の間に充分な間隙が形成されるように、バルブ軸体の形状が決定される。例えば、容器口の周囲との間隙が大きくなるように、外径が細く形成されるバルブ軸体が用いられる。
図1の(a)はビールを樽型容器に注入するロータリー式フィラーの構成図、(b)はフィリングヘッドの断面図である。また、図2はスピアチューブの一部断面図であり、図3の(a)はビールが注入される樽型容器の断面図、(b)はフィッティングバルブの断面図である。
以下、ビールを樽型容器20に注入するロータリー式フィラー1について説明する。
ディストリビュータ2aは、製造装置2から送られるビールを、樽型容器20に接続される接続部(フィリングヘッド10)に分配する機能を有し、さらに、後記する酸化防止ガスをフィリングヘッド10に送り込む機能等を有する。
ロータリー式フィラー1では、フィリングヘッド10が樽型容器20とともに一周する間に、樽型容器20の口金部の洗浄および樽型容器20の内部に残存するドレンのブロー、樽型容器20への酸化防止ガス(炭酸ガス(CO2)や窒素ガス(N2)など)の充填、ビールの注入、ビールが充填された樽型容器20の口金部の洗浄、などの工程(ビール充填工程)が実行される。
フィリングヘッド10の中心部には中心線CLの軸線に沿った縦孔状の孔部が形成される。この孔部の上方は接続面11で開口し、孔部の内部は上方が下方よりも拡径した2段階に形成される。そして、孔部において上方の拡径した部分は樽型容器20に注入されるビールが流通する飲料流通部12となり、飲料流通部12より下方の縮径した部分は樽型容器20に充填される酸化防止ガス、および樽型容器20から排出された酸化防止ガスが流通するガス等流通部13となる。
さらに、フィリングヘッド10には孔部(飲料流通部12,ガス等流通部13)内でスピアチューブ100を上下動させるアクチュエータ(図示せず)が備わり、スピアチューブ100はフィリングヘッド10のアクチュエータで孔部の内部を上下動するように構成される。スピアチューブ100の詳細は後記する。
酸化防止ガスが充填された状態の樽型容器20にビールが注入されると、樽型容器20に充填されている酸化防止ガスが押し出される。このとき、ユーティリティライン14bは、樽型容器20から押し出された酸化防止ガスをディストリビュータ2aまで流通させる流通路になる。
スピア本体101は外周が軸方向に段付きに形成され、上方になる本体上部101aと、下方になる本体下部101bと、が同じ外径に形成され、本体上部101aと本体下部101bの間に外径の小さい本体中間部101cが形成される。なお、本体上部101a、本体下部101b、および、本体中間部101cの外径の大きさや軸方向の長さは、スピアチューブ100を収容するフィリングヘッド10(図1の(b)参照)の孔部の形状によって適宜決定される。
同様に、本体上部101aには円環状の弾性部材からなるシール部材115aが取り付けられている。シール部材115aは、例えば本体上部101aの外周に、周方向に刻設される溝状部に嵌まるように取り付けられ、本体上部101aのシール部材115aもフィリングヘッド10のガス等流通部13に摺接するように構成される。
なお、スピア本体101とスピアヘッド102は適宜シール部材102aを介して気密に接続される構成であることが好ましい。
凸状突起112は、スピアヘッド102の上方の端部(先端部102TP)から上方に向かって凸状に突出し、その内側は中空に形成されてスピアヘッド102の中空部110bの一部となる。そして凸状突起112には複数の貫通孔112aが形成され、中空部110bは凸状突起112の貫通孔112aを介して外側と連通するように構成される。
この構成によって、スピア本体101の中空部110aと、スピアヘッド102の中空部110bと、が凸状突起112の貫通孔112aを介して外側と連通する。
このような構成によって、スピア本体101の本体中間部101cに開口する貫通孔113は、スピア本体101の中空部110aと、スピアヘッド102の中空部110bと、を介して、凸状突起112の貫通孔112aと連通する。
例えば、図2に示すように、スピアヘッド102の先端部102TPに、本体上部101aよりも外径の小さな段差部114が形成され、段差部114の上方に凸状突起112が形成される構成であってもよい。また、後記するように、段差部114が樽型容器20の注入口21(図1の(b)参照)と接続する部位となる場合には、段差部114が注入口21と気密に接続される構成が好ましく、段差部114にシール部材114aが備わる構成であることが好ましい。シール部材114aは円環状の部材であり、例えば、凸状突起112に周方向に刻設される溝状部に嵌まるように取り付けられる構成とすればよい。
また、詳細は後記するが、先端部102TPから軸方向に所定長L1だけ、僅かに縮径された段付きの形状を呈するスピアヘッド102であってもよい。
なお、符号100aは、フィリングヘッド10(図1の(b)参照)に備わる図示しないアクチュエータがスピアチューブ100をチャックするための突起であって適宜設けられる。
図3の(a)に示すように、樽型容器20は一端の側に注入口21が備わる中空の容器であり、注入口21にはフィッティングバルブ23を介してダウンチューブ22が取り付けられている。ダウンチューブ22は中空のチューブであり、注入口21から樽型容器20の内側(容器内20a)に向かって延設される。また、フィッティングバルブ23は、ダウンチューブ22を支持するとともに注入口21を開閉する機能を有する。
なお、図3の(a)は樽型容器20が倒立した状態を示し、便宜上、倒立した状態で注入口21の側を下方として上下方向を設定する。つまり、ダウンチューブ22は上下方向に延設される。そして、ダウンチューブ22の上方の端部は樽型容器20に接続されることなく、樽型容器20の容器内20a(上方)で開放された状態になっている。
そして、圧縮ばね23cによって付勢された開閉チューブ23bは、シール部材23dを介して縮径している注入口21に圧着される。この構成によって、注入口21とダウンチューブ22が開閉チューブ23bを介して気密に接続される。
なお、図3の(b)に示すように、接続チューブ23aは、ダウンチューブ22の管径よりも大きな管径を有しダウンチューブ22の側の端部(上方の端部)が縮径して、接続チューブ23aがダウンチューブ22に固定される構成であることが好ましい。
また、内栓23eがダウンチューブ22に向かって上方に移動して縮径部23b1から離反すると開閉チューブ23bの端部が開放する。
また、図6の(a)、(b)は従来の形状のスピアチューブを示す図である。
樽型容器20は、注入口21が下方になるように倒立した状態で搬送装置3(図1の(a)参照)によって所定の位置まで搬送される。図示しないセンサ等によって樽型容器20が所定の位置まで搬送されたことが検出されると、例えば、図示しない移動手段が樽型容器20を搬送装置3からロータリー式フィラー1に移動してセッティングし、さらに、フィリングヘッド10が図示しないアクチュエータ等によって上昇するなどして、図4の(a)に示されるように樽型容器20の注入口21に接続される。
スピアチューブ100のスピアヘッド102の外径は樽型容器20の注入口21の内径より小さく、かつ、開閉チューブ23bの内径より大きく形成されることが好ましく、この構成によって、図4の(b)に示すように、上昇するスピアチューブ100は、少なくとも一部(例えば、スピアヘッド102の全部または一部)が注入口21から樽型容器20の容器内20aに進入する。
このとき、段差部114の先端部と縮径部23b1はシール部材114aを介して接触することになり、段差部114と縮径部23b1が気密に接続される。
その後、フィリングヘッド10の第1バルブ12aが開いて、図5の(a)に実線の矢印で示すように、ディストリビュータ2a(図1の(b)参照)から供給されるビールが飲料供給ライン14aを流通して飲料流通部12に流入する。そして、飲料流通部12に流入したビールは、スピアチューブ100の周囲に沿って樽型容器20の注入口21を流通して接続チューブ23aの内側に流れ込み、貫通孔23a1から樽型容器20の容器内20aに流入する。このように、孔部(飲料流通部12)に流れ込んだビールが注入口21から樽型容器20に注入される。
しかしながら、図6の(a)に示すような形状のスピアヘッド102がスピアチューブ100に備わると、図6の(b)に示すように、軸方向に一定の外径を有する形状のスピアヘッド102(図中、二点鎖線で示す)がスピアチューブ100に備わる場合に比べ、ドットで示す領域だけ、飲料流通部12でビールの残存が可能となる領域の容積が大きくなる。したがって、この容積に相当する量だけビールの廃棄量が増える。
つまり、飲料流通部12に収容される部分でスピアチューブ100の外径が細いと、飲料流通部12に占めるスピアチューブ100の体積が小さくなって、飲料流通部12にビールが残存する余地が大きくなる。そして、樽型容器20へのビールの充填後に飲料流通部12に残存するビールの残存量が増えてビールの廃棄量が増え、ロスが多くなる。
図5の(b)に示すように、スピアヘッド102は飲料流通部12に収容される部分であり、スピアヘッド102の形状を図2に示すような形状とすることによって、ビール充填工程において、図6の(a)に示すような形状のスピアヘッド102がスピアチューブ100に備わる場合よりも、フィリングヘッド10(図1の(b)参照)からのビールの廃棄量を減少できる。
また、図2に示すような外径が略一定の形状を呈するスピアヘッド102は加工も容易であり、製造コストを削減できるという効果も奏する。
もちろん、このような段付きの形状ではなく、先端部102TPから軸方向に外径が一定のスピアヘッド102であってもよい。
従来、ロータリー式フィラー1(図1の(a)参照)には、1つのフィリングヘッド10(図1の(b)参照)が1つの樽型容器20にビールを充填するときの制限時間(充填サイクルタイム)が設定されている。しかしながら、各フィリングヘッド10では、充填サイクルタイムよりも短時間で樽型容器20へのビールの充填が終了するように、ビールが樽型容器20へ注入される速度が設定されている。したがって、各フィリングヘッド10では、ビールが樽型容器20へ注入される速度が従来より低下しても充填サイクルタイム(もしくはそれ以下)で樽型容器20にビールを充填させることが可能となる。
本実施形態のスピアチューブ100は、ビールが樽型容器20へ注入される速度を従来よりも低下させるため、充填サイクルタイム(もしくはそれ以下)で1つの樽型容器20にビールを充填できる範囲内で当該速度を低下させる形状にして、フィリングヘッド10からのビールの廃棄量を減らすものである。
この構成によって、フィリングヘッド10の飲料流通部12(図1の(b)参照)でスピアチューブ100が占める体積が、図6の(a)に示す形状のスピアヘッド102が備わる場合よりも大きくなる。したがって、図6の(a)に示す形状のスピアヘッド102が備わる場合よりも、ビール充填工程終了後の飲料流通部12に残存するビールの残存量を少なくすることができる。そして、ビール充填工程終了後におけるビールの廃棄量を少なくすることができる。
図7はスピアヘッドの形状の変形例を示す図である。
例えば、本実施形態では、図2に示すように、先端部102TPから下端部102BTに向かう軸方向に外径が一定のスピアヘッド102としたが、前記したように、樽型容器20の注入口21とスピアヘッド102の間の間隙が小さくなり、ビールが樽型容器20に注入される速度が低くなる。そこで、例えば、図7に示すように、先端部102TPから下方(下端部102BTの側)に向かって外径が漸増する形状のスピアヘッド102としてもよい。この場合も、側面102Sの傾斜(拡径する度合い)を小さく抑えることによって、飲料流通部12でスピアチューブ100が占める体積を大きくでき、フィリングヘッド10(図1の(b)参照)からのビールの廃棄量を少なくすることができる。
10 フィリングヘッド(接続部)
12 飲料流通部(孔部)
20 樽型容器(容器)
20a 容器内(容器の内側)
21 注入口
23b 開閉チューブ(開閉部材)
100 スピアチューブ(飲料注入アタッチメント)
101 スピア本体(本体部)
102 スピアヘッド(ヘッド部、飲料流通部に収容される部分)
102TP 先端部
102BT 下端部
Claims (3)
- 容器を周回に搬送しながら飲料を注入するロータリー式フィラーに備わって前記容器と接続される接続部に、当該接続部と接続した前記容器の注入口と連通して当該容器に注入される前記飲料の流路となるように形成される孔部に収容され、
前記容器と前記接続部が接続したときに、前記容器側となるヘッド部の先端部で、前記注入口を開閉する開閉部材を押動して当該注入口を開いて、少なくとも前記ヘッド部の全部または一部が前記容器の内側に進入する飲料注入アタッチメントであって、
前記注入口が閉鎖したときの前記孔部において前記飲料が残存する領域となる飲料流通部に収容される部分のうち、前記開閉部材を押動する際に当該開閉部材と当接する部分から基端部側の部分において、前記先端部から前記基端部に向かって外径が小さくならないとともに拡径する部分を有することを特徴とする飲料注入アタッチメント。 - 前記飲料流通部に収容される部分となる前記ヘッド部に加えて、前記ヘッド部が取り付けられる本体部を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の飲料注入アタッチメント。
- 前記ヘッド部が前記本体部に締結固定されていることを特徴とする請求項2に記載の飲料注入アタッチメント。
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