JP6086497B2 - ガス拡散電極用触媒層、その製造方法、膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

ガス拡散電極用触媒層、その製造方法、膜電極接合体および燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学反応を利用して発電する燃料電池に関する。また、燃料電池等に好適に適用できる膜電極接合体、ガス拡散電極用触媒層およびその製造方法に関する。
燃料電池は、電解質を一対の電極で挟持した構成を有し、一方の電極に燃料を、他方の電極に酸化剤を供給することにより、化学エネルギーを電気エネルギーに高効率で変換する発電機である。燃料電池の種類は、電解質の種類により固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型等に分類される。このうち固体高分子形燃料電池は、エネルギー変換効率の高さ、小型化の観点から注目を集め、燃料電池自動車、定置用コーンジェネレーションシステム、可搬電源、情報機器用電源等への応用が期待されている。
固体高分子形燃料電池は、電解質によってカチオン交換型とアニオン交換型に分類される。カチオン交換型電解質を用いる場合は、電極の雰囲気が酸性となり、アニオン交換型電解質を用いる場合は、電極の雰囲気がアルカリ性となる。触媒層は、電解質の分類や供給燃料により異なるが、通常、白金又は白金合金等の金属触媒、これを担持したカーボン粉末、イオン伝導体を含有する。
固体高分子形燃料電池の特性向上には、電極(アノードおよびカソード)に配設される触媒層の性能向上が不可欠となる。このため、触媒層について精力的な研究開発が行われ、多数の提案がなされてきた。
非特許文献1においては、アノード側の水素の酸化反応およびカソード側の酸素の還元反応の触媒活性を上げるために、カーボンナノチューブ等の炭素材料に金属触媒を担持させた電極触媒が提案されている。また、非特許文献2においては、白金ナノ粒子のサイズ制御と、担持体であるカーボンの熱処理によるグラファイト化により耐久性が向上することを報告している。なお、特許文献1には、ネットワーク状構造を成し、内部が中空のナノ粒子を薬剤に利用する技術が開示されている。
国際公開第2011/096230号
Yangchauan Xing. The Journal of Physical Chemistry B, 2004, 108, p.19255-19259 H. Yano et al., P.hys. Chem. Chem. Phys., 2010, 12, p.3806-
図1に、カソードに酸素を還元する触媒層を配置する固体高分子形燃料電池のカソード触媒層の模式的な部分拡大説明図を示す。同図に示すように、カソード触媒として機能する例えば2〜3nmの白金粒子上で、電子とプロトンの存在下、酸素の還元反応が起こる。カーボン粒子は、表面積を増大させるためにナノ粒子化した金属触媒を担持して、金属触媒の有効利用表面積を増加させると同時に、金属触媒粒子が凝集しないように分散させる担体としての役割を担う。また、担体として機能するカーボン粒子は、図1に示すように電子伝導の役割も担っている。
しかしながら、カーボン担体は、ガス拡散を阻害する要因ともなっている。実際、触媒層の高電流密度領域ではガス拡散速度が反応速度よりも遅く、ガス拡散律速により活性が低下するという問題が生じている。
なお、上記においては、固体高分子形燃料電池に用いる電極における課題について述べたが、燃料電池全般をはじめとするガス拡散電極用の触媒層全般についても同様の課題が生じ得る。
本発明は、上記背景に鑑みて成されたものであり、その目的とすることは、カーボン担体フリーでの利用を実現し得るガス拡散電極用触媒層およびその製造方法、並びに膜電極接合体および燃料電池を提供することである。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1] 焼結体よりなり、ナノ粒子が連結して電子伝導性を有するネットワーク状金属触媒と、前記ネットワーク状金属触媒と少なくとも一部が接触するイオン伝導体とを具備するガス拡散電極用触媒層。
[2] 前記ネットワーク状金属触媒が、カプセル状触媒、ロッド状触媒およびシート状触媒の少なくともいずれかである[1]に記載のガス拡散電極用触媒層。
[3] 前記ネットワーク状金属触媒は、カーボン担体フリーである[1]又は[2]に記載のガス拡散電極用触媒層。
[4] 前記イオン伝導体は、カチオン伝導体又はアニオン伝導体である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層。
[5] 厚みが10μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である[1]又は[2]に記載のガス拡散電極用触媒層。
[6] アノード触媒層とカソード触媒層との間に固体高分子電解質膜が配置された膜電極接合体であって、前記アノード触媒層および前記カソード触媒層の少なくとも一方に、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層を用いる膜電極接合体。
[7] 前記ガス拡散電極用触媒層の厚みが、厚みが10μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である[6]に記載の膜電極接合体。
[8] [1]〜[5]のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層を具備する燃料電池。
[9] 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟持するアノードユニットおよびカソードユニットを備え、前記ガス拡散電極用触媒層を、前記アノードユニットおよび前記カソードユニットの少なくともいずれかの前記高分子電解質膜と接する位置に配置する[8]に記載の燃料電池。
[10] 所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程(a)と、前記鋳型表面に、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有し、触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させる工程(b)と、工程(b)の後に焼結処理によりネットワーク状金属触媒を得る工程(c)と、イオン伝導体を前記ネットワーク状金属触媒と接触部位を有するように触媒層内に組み込む工程(d)とを具備し、工程(d)の前記イオン伝導体は、下記(i)〜(iii)の少なくともいずれかあるガス拡散電極用触媒層の製造方法。
(i)工程(a)によって組み込まれた前記鋳型に含まれている成分である。
(ii)工程(c)の後に、前記鋳型に含まれている成分を前駆体として、変換することにより得られるものである。
(iii)工程(c)の後に、新たに加えることにより導入するものである。
[11] 前記ネットワーク状金属触媒は、カプセル状、ロッド状およびシート状の少なくともいずれかであり、前記ネットワーク状金属触媒の内部および/又は外部に、前記イオン伝導体を配設する[10]に記載のガス拡散電極用触媒層の製造方法。
[12] 前記焼結処理は、超臨界処理、若しくは亜臨界処理である[10]又は[11]に記載のガス拡散電極用触媒層の製造方法。
[13] 前記鋳型は、プレ鋳型粒子の表面を修飾して、表面が第1の極性を有する鋳型粒子からなる[10]〜[12]の少なくともいずれかに記載のガス拡散電極用触媒層の製造方法。
本発明によれば、カーボン担体フリーでの利用を実現し得るガス拡散電極用触媒層およびその製造方法、並びに膜電極接合体および燃料電池を提供することができるという優れた効果を奏する。
従来例に係る固体高分子形燃料電池のカソード触媒層の部分拡大説明図。 第1実施形態に係る固体高分子形燃料電池の要部の一例を示す模式的断面図。 第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図。 第1実施形態に係るカプセル状触媒の模式図。 図4のV−V切断線における模式的斜視図。 第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の製造工程を示す説明図。 第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の製造工程を示す説明図。 第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の製造工程を示す説明図。 第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の製造工程を示す説明図。 第2実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図。 第3実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図。 第3実施形態に係るMEAの模式的な説明図。 第5実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な説明図。 実施例1のFePtナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子の透過型電子顕微鏡像。 実施例1のFePtナノ粒子−シリカ粒子の透過型電子顕微鏡像 実施例1のFePt−カプセル状触媒の透過型電子顕微鏡像。 実施例1の粉末サンプルのXRD測定結果を示す図。 実施例2のPt−カプセル状触媒の透過型電子顕微鏡像。 実施例2の粉末サンプルのXRD測定結果を示す図。 電極例1により作製したサンプル(実施例1および比較例1)のCV曲線。 電極例2により作製したサンプル(実施例1)と電極例1により作製したサンプル(比較例1)のCV曲線。 電極例1を用いて作製したサンプル(実施例1および比較例1)のLSV曲線。 電極例2により作製したサンプル(実施例1)と電極例1により作製したサンプル(比較例1)のLSV曲線。 耐久性試験に適用したFCCJプロトコルの説明図。 電極例1を用いて作製したサンプルにおいて、耐久性試験回数に対して質量活性の低下率をプロットした図。 電極例1を用いて作製したサンプルにおいて、耐久性試験回数に対してECSAの減少率をプロットした図。 実施例1を用いて作製したサンプルの10,000回の耐久性試験後の透過型電子顕微鏡像。 耐久性試験に適用したFCCJプロトコルの説明図。 起動停止試験を行った時のECSAの変化率をプロットした図。 起動停止試験を行った時の質量活性の変化をプロットした図。 起動停止試験を行った時の表面比活性の変化を示す図。 起動停止試験(5000サイクル)後の実施例1を用いて作製したサンプルのTEM像。 実施例3のMEAの電流電圧特性結果を示す図。 実施例4に係るサンプルの電流電圧特性図。 実施例4に係るサンプルの耐久性試験前後のCV曲線。 実施例4に係るサンプルのECSAの変化を初期値で規格化した図。 実施例4に係るサンプルの耐久性試験前後のIV曲線。 実施例5に係るカソード触媒層を部分拡大したSEM像。
本発明のガス拡散電極用触媒層は、焼結体よりなり、ナノ粒子が連結して電子伝導性を有するネットワーク状金属触媒と、このネットワーク状金属触媒と少なくとも一部が接触するイオン伝導体とを少なくとも有するものであり、燃料電池等の触媒として好適に適用できるものである。以下、本発明に係るガス拡散電極用触媒層について、固体高分子形燃料電池に適用した実施形態を例として説明する。
[第1実施形態]
図2は、第1実施形態に係る固体高分子形燃料電池の要部の一例を示す模式的断面図である。固体高分子形燃料電池1は、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5、水素等の燃料ガスが供給されるアノードユニット10、および酸素が供給されるカソードユニット20を具備するセル6、並びに外部回路7等を有する。通常は、必要な出力に応じてセル6をスタックすることにより電池が構成される。
アノードユニット10は、アノード触媒層11、ガス拡散層12、セパレータ13が固体高分子電解質膜(以下、高分子電解質膜)5側からこの順に配置され、カソードユニット20は、カソード触媒層21、ガス拡散層22、セパレータ23が高分子電解質膜5側からこの順に配置されている。ここで、ガス、電解質、触媒層が同時に接触できる電極をガス拡散電極という。第1実施形態においては、アノード触媒層11とガス拡散層12、およびカソード触媒層21とガス拡散層22が其々ガス拡散電極となる。但し、ガス拡散電極は、前述した様に、ガス、電解質および触媒層が同時に接触できればよく、必ずしもガス拡散層12,22は用いなくてもよい。即ち、ガス拡散電極用触媒層をアノード触媒層11および/又はカソード触媒層21のみから構成することも可能である。また、一対のガス拡散電極のうちの其々の触媒層が、電解質膜と向かい合うように電解質膜に接合した構造を膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)8という。外部回路7は、アノードユニット10のアノード触媒層11、カソードユニット20のカソード触媒層21等に電気的に接続されている。
上記のように構成された固体高分子形燃料電池1は、アノードユニット10において、水素等の還元性ガスが、セパレータ13のガス流路14からガス拡散層12を介してアノード触媒層11に供給される。一方、カソードユニット20においては、酸素あるいは空気等の酸化性ガスが、セパレータ23のガス流路24からガス拡散層22を介してカソード触媒層21に供給される。
還元性ガスとして水素ガスを、酸化性ガスとして酸素ガスを利用するカチオン交換型の場合には、アノード触媒層11において水素の酸化反応が生じ、水素イオンと電子とが生成される。生成された水素イオンは、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5を介してカソード触媒層21に移動する。一方、生成された電子は、外部回路7を経由してカソード触媒層21に移動する。カソードユニット20に到達した水素イオンおよび電子は、カソード触媒層21において酸素と反応して水を生成する。即ち、カソード触媒層21では、酸素の還元反応が生じる。還元反応により生成された水は、カソードユニット20のガス拡散層23から外部に排出されたり、高分子電解質膜5に供給されたりする。これらの一連の反応によって外部に電気が供給される。
高分子電解質膜5は、イオンを輸送可能であり、且つ電子伝導性を示さない材料で構成された膜であれば特に制限はない。好適な例としては、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂や、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。
以下、アノード触媒層11およびカソード触媒層21として用いるガス拡散電極用触媒層について詳述する。なお、以下に詳述するガス拡散電極用触媒層は、アノード触媒層11とカソード触媒層21の両方に用いることは必須ではなく、少なくとも一方に用いられていればよい。
図3に、第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図を示す。ガス拡散電極用触媒層2は、焼結体よりなり、ナノ粒子が連結して電子伝導性を有するネットワーク状金属触媒3と、このネットワーク状金属触媒3と少なくとも一部が接触するイオン伝導体4を有する。第1実施形態に係るネットワーク状金属触媒3は、カプセル状触媒30からなり、カプセル状触媒30の主として外側表面でイオン伝導体4と接触されている。なお、カプセル状触媒30同士が接触および/又は融着して電子伝導性が確保されるが、図3の例においては説明の便宜上、一面に配置されるカプセル状触媒30を図示しているので、必ずしもカプセル状触媒30同士が接合および/又は融着していない。
図4に第1実施形態のカプセル状触媒30の模式図を、図5に、図4のV−V切断線における模式的斜視図を示す。第1実施形態のカプセル状触媒30は、図4、図5に示すように外郭が概ね球状の網目状骨格31を成し、その内部は中空構造32となっている。網目状骨格31は、金属同士が融着したネットワーク状構造をとり、電子伝導性を有する。
網目状骨格31には、多数の空隙33が形成されている。空隙33は、輪郭を画定するカプセル状触媒の内部と外部とを連通するように形成されている。網目状骨格31の空隙率は特に限定されない。網目状骨格を維持でき、電子伝導性を確保できる範囲であればよく、用途や求められるニーズに応じて適宜設計することができる。触媒の量が要求される用途等の場合には、例えば、空隙を1%程度とすることができる。また、網目状骨格の強度が構造由来で高い場合等には、例えば、空隙を90%程度とすることができる。
カプセル状触媒30の外郭の厚みは、特に限定されないが、好ましくは2nm以上、50nm以下である。カプセル状触媒30の厚みを2nm以上とすることにより、構造欠陥を抑制して安定した製造を行うことができる。なお、ネットワーク状金属触媒3の形状は、特に限定されるものではなく、後述する鋳型粒子の形状を制御することにより形状を自在に設計できる。例えば、楕円球形状、後述する第3実施形態のような円筒状のロッド状、第5実施形態のようにシート状としたり、螺旋形状としたりすることが可能である。また、単一種類から構成しても、2種以上を複数融合して構成してもよい。
ネットワーク状金属触媒3の材料は、焼結体を形成することが可能であり、少なくともその一部に電極の触媒として機能し得る金属を含有する金属系ナノ粒子であれば制限なく用いることができる。電極の触媒として機能し得る金属としては、従来公知のものを使用できる。例えば、白金、コバルト、ニッケル、パラジウム、鉄、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステン、マンガン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。これらのうちでも、白金や白金−鉄合金、白金−コバルト合金、白金−ニッケル合金、白金−鉄−コバルト合金等の白金合金が多く用いられる。鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト−ニッケル合金等も例示できる。
カプセル状触媒30の溶出性等の耐久性を高める観点からは、鉄等を含ませて、fcc規則構造、fct規則構造等の超格子構造を取るようにすることが好ましい。ガス拡散電極用触媒層2を構成するカプセル状触媒30は、単一種類でも、2種以上を混合して用いてもよい。
カプセル状触媒30の粒径は特に限定されず、用途に応じて適宜選定することができる。カプセル状触媒30の粒径は、後述する鋳型粒子の大きさを制御することにより容易にコントロールできる。後述するプレ鋳型粒子のサイズを考慮すると、カプセル状触媒30の粒径は通常10nm以上となる。ガス拡散電極用触媒層2において、粒径の異なるものを複数混合してもよい。
ガス拡散電極用触媒層の厚みは、用途に応じて適宜設計することができるが、ガス拡散性の高効率化の観点からは薄くすることが好ましい。用いる燃料電池のタイプや触媒の種類により変動し得るが、直接メタノール型等の液体燃料系の燃料電池や、水素/酸素燃料電池等のガス燃料系の燃料電池などの各種燃料電池のガス拡散電極用触媒層の厚みは、10μm以下とすることが好ましい。特に水素/酸素燃料電池等においては、ガス拡散性をより高効率で高める観点から、ガス拡散電極用触媒層の厚みは、2μm以下が好ましく、0.5μm以下とすることがさらに好ましい。
イオン伝導体4は、イオン伝導性を示すものであればよく、従来公知のものを使用できる。カチオン伝導体の場合には、通常、水素イオンを伝導するプロトン伝導体を用い、アニオン伝導体の場合には、通常、水酸化物イオンを伝導する水酸化物イオン伝導体が選定される。イオン伝導体4としては、イオン伝導性基を有する樹脂等を好適に用いることができる。例えば、フルオロカーボン系や炭化水素系のポリマーへスルホン酸基やアニオン交換基を導入したポリマー、酸性官能基を有するジルコニウム化合物等の無機プロトン伝導体、層状複水酸化物等の無機アニオン伝導体等が例示できる。酸性官能基としては、スルホン酸基、スルホ基、スルホニル基、リン酸基等を挙げることができ、ジルコニウム化合物としては、硫酸ジルコニウム、スルホフェニルホスホン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニア等が挙げられる。また、スルホン酸基を有するポリマーとしては、パーフルオロスルホン酸ポリマー(Nafion(登録商標)、フレミオン(登録商標)、アシプレックス(商品名)等)、SPES:ポリエーテルスルホン、SPEEK:スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、SPEK:スルホン化ポリエーテルケトン等が例示できる。
ガス拡散電極用触媒層のイオン伝導体の含有量は、イオン伝導性が確保でき、電気抵抗値が大きくなり過ぎることがない範囲であれば特に限定されない。ガス拡散電極用触媒層には、イオン伝導体以外のバインダー等の他の成分が含有されていてもよい。
カプセル状触媒30は、カプセル表面部において金属同士が融着しているので電子伝導性を有する。カプセルと他のカプセルとの電子伝導性は、(1)カプセル状触媒30同士を接触させることにより、電子伝導性を確保する方法、(2)カプセル状触媒30同士を粒子間で互いに融着するように連結させる方法、および/又は(3)カプセル状触媒30の粒子間の導電性を補助するために、別の導電性粒子を添加する方法等が例示できる。前記(1)の方法としては、膜電極接合体を形成する際に、厚み方向の上方および下方から適切な圧力を加える方法が例示できる。適切な温度をかけてホットプレスすることが好ましい。前記(2)の方法としては、後述する焼結処理の際に所望の形状となるように形成する方法や、焼結体を形成する段階でカプセル状触媒30の粒子間が融着するように接触させて処理を行う方法が例示できる。前記(3)の方法としては、導電性カーボン等の導電性粒子を添加する方法が挙げられる。この場合、ガス拡散を阻害しないように、適した粒子径を有する粒子を選定することが好ましい。例えば、粒子径がカプセル状触媒30より小さいものや、ガス流通性に優れた多孔性のカーボン粒子が挙げられる。前記(1)〜(3)は、単独で若しくは併用して用いることができる。
次に、第1実施形態のガス拡散電極用触媒層の製造方法の一例について説明する。但し、本発明のガス拡散電極用触媒層は、種々の方法により製造することが可能であり、以下の製造方法に限定されるものではない。
第1実施形態に係るガス拡散用触媒層は、以下の工程を経て製造される。即ち、所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程(a)と、鋳型表面に、第1の極性とは反対の第2の極性を有し、触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させる工程(b)と、焼結処理によりネットワーク状金属触媒を得る工程(c)と、イオン伝導体が、ネットワーク状金属触媒と接触部位を有するように触媒層内に組み込む工程(d)とを具備する。工程(d)のイオン伝導体は、下記(i)〜(iii)の少なくともいずれかである。
(i)工程(a)によって組み込まれた鋳型に含まれている成分である。
(ii)工程(c)の後に、前記鋳型に含まれている成分を前駆体として、変換することにより得られるものである。
(iii)工程(c)の後に、新たに加えることにより導入するものである。
[工程(a)] まず、プレ鋳型粒子34(図6参照)の水分散液を調製する。プレ鋳型粒子34の好適な材料としては、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニア(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、セリア(CeO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ビスマス(Bi)、アパタイト、ガラス等の無機材料を挙げることができる。プレ鋳型粒子34は、単一材料からなるものであってもよいし、複数の材料を混合した粒子であってもよい。また、予め2種類以上の材料を混練、混合し、造粒、分級した粒子でもよい。
プレ鋳型粒子34の調製方法は特に限定されないが、例えば、転動造粒、流動層造粒、撹拌造粒、解砕・粉砕造粒、圧縮造粒、押出造粒、融着造粒、混合造粒、噴霧冷却造粒、噴霧乾燥造粒、沈澱・析出造粒、凍結乾燥造粒、懸濁凝集造粒、滴下冷却造粒等の物理的造粒法を用いて造粒することができる。必要に応じて分級を実施する。プレ鋳型粒子34が市販品として入手できる場合は、それを使用してもよい。
プレ鋳型粒子34の粒径の範囲は特に限定されないが、通常、10nm〜10μm程度である。粒径が10μmを超えるとプレ鋳型粒子34が溶媒に分散しないことがある。なお、プレ鋳型粒子34の形状は、特に限定されないが、通常、球形状、若しくは概ね球形状である。中空のカプセル状触媒30の形状は、前述したように、プレ鋳型粒子34の形状により調節することができる。
次いで、プレ鋳型粒子34の表面に第1の極性を有するコーティング層(不図示)を被覆させた鋳型粒子35(図7参照)の水分散液を調製する。鋳型粒子35は、コーティング層が被覆されているので、プレ鋳型粒子34より粒子径が大きくなる。コーティング層の厚みは、特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜設定することができる。コーティング層は、必ずしもプレ鋳型粒子34の表面全体に亘って被覆されている必要はなく、被覆されていない領域があってもよい。
プレ鋳型粒子34へのコーティング層の被覆方法は特に限定されないが、静電結合により被覆する方法が簡便である。プレ鋳型粒子34が負に帯電している粒子の場合、正に帯電しているコーティング層を被覆することができる。また、プレ鋳型粒子34が正に帯電している粒子の場合、負に帯電しているコーティング層を被覆することができる。負に帯電しているコーティング層にさらに正に帯電しているコーティング層を被覆することも可能である。
コーティング層としては、鋳型粒子35が第1の極性を発現できるものであればよく、特に限定されないが、好適な例として、イオン性ポリマー(カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー)を挙げることができる。上記イオン性ポリマーとして、荷電を有する官能基を主鎖、又は側鎖に持つ高分子を挙げることができる。正の電荷を有するイオン性ポリマーとしては、一般に、4級アンモニウム基、アミノ基などの正荷電を帯びているか、若しくは帯びることのできる官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジンなどである。一方、負の電荷を有するイオン性ポリマーとしては、一般的に、スルホン酸、硫酸、カルボン酸など負電荷を帯びているか、帯びることのできる官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニル硫酸(PVS)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸などである。これらの工程を経て、工程(a)の鋳型が形成される。
得られた水分散液のゼータ電位は、第1の極性がプラスの場合には+5mV以上とすることが好ましい。+5mV未満では、鋳型粒子35が水中で凝集沈降してしまう恐れがある。上限は特に限定されないが、通常、+80mV以下である。一方、第1の極性がマイナスの場合には、上記と同様の理由から、−5mV以下とすることが好ましい。また、下限は特に限定されないが、通常−80mV以上である。
[工程(b)] 次に、鋳型粒子35表面にカプセル状触媒30の網目状骨格31を形成するために金属系ナノ粒子の材料を吸着、若しくはその場で成長させる。これにより、付着型の触媒粒子36(図8参照)を得る。具体的には、鋳型粒子35の均一な分散液中で、カプセル状触媒30を形成するための材料を溶解させた溶液を加え、これらを鋳型粒子35に吸着、若しくはその場で成長させる。加える金属系ナノ粒子、鋳型粒子35の表面の極性とは反対の極性のものとする。即ち、金属系ナノ粒子は、鋳型粒子35の表面の第1の極性とは反対の極性を有する第2の極性のものを用いる。
金属系ナノ粒子の形状は特に限定されず、用途や目的に応じて不定形粉末、扁平状粉末、球状粉末、棒状粉末等を適宜選定できる。金属系ナノ粒子がブレンドの場合には、複数の形状のものが混在していてもよい。また、金属系ナノ粒子内には、後述する焼結工程において、除去される成分が含まれていてもよい。
金属系ナノ粒子の平均粒径は特に限定されないが、1nm以上とすることが好ましく、比表面積、若しくは質量あたりの触媒活性向上の観点から50nm以下とすることが好ましい。金属系ナノ粒子の平均粒径は、比表面積、若しくは質量あたりの触媒活性向上の観点から25nm以下とすることがより好ましく、15nm以下とすることが特に好ましい。触媒ナノ粒子の粒子径は、小さくても高い触媒能を有する材料が好ましい。触媒ナノ粒子の好ましい材料としては、前述したカプセル状触媒30の材料が挙げることができる。触媒ナノ粒子以外の金属系ナノ粒子の平均粒径の好ましい範囲も、同様である。
[工程(c)] 続いて、付着型の触媒粒子36を焼結体に変換する。これにより、吸着、若しくはその場で成長させて融着することにより、融着型の網目状骨格(図9参照)を得る。焼結体を得る方法としては、水熱反応やアルコール熱反応を例示できる。焼成後、鋳型粒子35を溶出処理させることにより、鋳型粒子35が除去され、図4に示すような中空のカプセル状触媒30が得られる。
焼結処理の方法は、金属系ネットワーク処理を実現できれば特に限定されないが、水熱反応やアルコール熱反応により行うことが好ましい。水熱反応やアルコール熱反応は、亜臨界状態とすることが好ましく、超臨界状態とすることが特に好ましい。亜臨界、又は超臨界状態の水中における水熱反応の条件としては、特に限定されない。鋳型材料の種類、大きさ、及び付着型の触媒粒子36におけるナノ粒子の被覆率に依存する。粒子径約300nmのシリカ微粒子の場合、例えば、400℃、37MPa、反応時間3時間等とすることができる。カプセル状触媒30において超格子構造を取る方法として、触媒ナノ粒子に鉄を含ませてアルコール熱反応を行う方法が例示できる。
上記工程によりネットワーク状金属触媒が得られる。第1実施形態においては、得られるカプセル状触媒30の内部を中空にするために、NaOH水溶液等を用いて鋳型を除去する。
[工程(d)] 得られたネットワーク状金属触媒に、イオン伝導体の少なくとも一部が接触部位を有するように組み込む。イオン伝導体は、前述した様な無機粒子、高分子等のイオン伝導性バインダーあるいはこれらの複合材料が好適に用いられる。組み込む方法は、ネットワーク状金属触媒3にイオン伝導体4を加えて混練する方法や、イオン伝導体4を加熱溶融させて、ネットワーク状金属触媒3に絡ませる方法が例示できる。なお、工程(d)は、工程(c)の後に実施される場合に限定されず、前述の(i)(ii)の方法により組み込む方法や、(i)〜(iii)を任意に併用する方法が例示できる。
第1実施形態のガス拡散電極用触媒層2によれば、ナノ粒子を連結してネットワーク化したカプセル状触媒30を用いることにより、触媒として利用できる表面積を高めることができる。また、カーボン担体を用いずに導電性を確保することができる。図1の例に示すように、厚みの主たる要因であるカーボン担体をフリーとすることにより、触媒層の厚みを薄くすることが可能となる。その結果、ガス拡散距離を減少させ、ガス拡散速度を高めることができる。このため、本願発明によれば、従来型のカーボン担体を用いた触媒層の高電流密度領域において問題となっていたガス拡散律速の問題を解消し、高出力を実現できる。また、担体としてカーボンを用いる場合に問題となるカーボン腐食の影響を受けないというメリットもある。
第1実施形態のガス拡散電極用触媒層の製造方法によれば、鋳型粒子の粒子径、粒子径分布、粒子形状をコントロールすることにより、中空の触媒粒子の粒径、中空径を容易に制御できる。また、鉄等を含ませることにより超格子構造のカプセル状触媒を容易に製造することができる。また、イオン伝導体をカプセル状触媒の製造後に加えて接触させる工程を採用しているので、カプセル状触媒の製造工程の自由度および材料選定の自由度が高いというメリットがある。
[第2実施形態]
次に、上記第1実施形態とは異なるガス拡散電極用触媒層の一例について説明する。第2実施形態のガス拡散電極用触媒層は、カプセル状触媒30の主として内部にイオン伝導体が配設されている点において第1実施形態のガス拡散電極用触媒層と異なるが、以下に説明する以外の基本的な構造および製造方法は、第1実施形態と同様である。なお、以降の説明において、上記第1実施形態と同一の要素部材は同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
図10に、第2実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図を示す。第2実施形態に係るガス拡散電極用触媒層2は、ネットワーク状金属触媒3のカプセル状触媒30の中空構造32および空隙33(図5参照)に主としてイオン伝導体4が内包されている。
第2実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の製造方法は、前述した第1実施形態と同様に工程(a)〜工程(d)を備えるものであり、工程(d)のイオン伝導体は、例えば、工程(a)によって組み込まれるプレ鋳型粒子および/又は鋳型粒子を構成する成分である。
工程(d)のイオン伝導体4をカプセル状触媒30内に内包させるために、工程(a)のプレ鋳型粒子および/又は鋳型粒子の成分の少なくとも一つをイオン伝導体とする(方法(i))。プレ鋳型粒子の好ましい例としては、硫酸ジルコニウム、スルホフェニルホスホン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニア等の酸性官能基を有するジルコニウム化合物等の無機プロトン伝導体、層状複水酸化物などの無機アニオン伝導体が例示できる。また、イオン伝導体4が、工程(a)によって組み込まれる鋳型粒子の成分とする場合の好ましい例としては、第1実施形態で例示したフルオロカーボン系や炭化水素系のポリマーにスルホン酸基やアニオン交換基を導入したポリマー等を例示できる。
工程(d)のイオン伝導体4をカプセル状触媒30内に内包させるために、工程(a)の鋳型を前駆体として、工程(c)の焼結処理後に変換させることもできる(方法(ii))。例えば、鋳型にイオン伝導性官能基(酸性官能基、アニオン性官能基)を導入する方法を例示できる。
また、工程(d)のイオン伝導体をカプセル状触媒30内に内包させるために、工程(c)の後に、新たにイオン伝導体を加え、カプセル状触媒30内に導入する方法も例示できる(方法(iii))。カプセル状触媒30の空隙率が大きい場合には、特に有効な方法である。方法(i)〜(iii)は、任意に組み合わせることが可能である。
方法(i)の場合、工程(c)の焼結処理は、イオン伝導体の官能基が壊れない条件を設定する。カプセル状触媒30の粒子間での電子伝導性およびイオン伝導性の確保は、膜電極接合体を製造する際にホットプレス等により行ってもよい。また、焼結処理の際に、カプセル状触媒30の粒子間の接触部位において、粒子間で触媒ナノ粒子を溶融して連結してもよい。粒子間でイオン伝導性が確保できるように、複数のカプセル状触媒30に亘ってイオン伝導体同士が接触および/又は結合していることが好ましい。
なお、図10においては、イオン伝導体4をカプセル状触媒30の主として内部に配設した例を挙げたが、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせて、イオン伝導体4をカプセル状触媒3の内部および外部の両者に形成させることもできる。
第2実施形態のガス拡散電極用触媒層2によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果が得られる。即ち、カプセル状触媒30内部にイオン伝導体4を内包させることにより、高効率にガス拡散電極用触媒層2をダウンサイジングできる。また、第2実施形態のガス拡散電極用触媒層2の製造方法によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果等が得られる。即ち、方法(i)によれば、工程(c)の後に、イオン伝導体とカプセル状触媒を接触させる工程を省略でき、製造工程の短縮化を実現できるというメリットがある。また、方法(ii)によれば、焼結処理条件を、イオン伝導性官能基を導入する前に焼結処理を行うので、方法(i)に比して焼結処理条件や材料選択肢が高いというメリットがある。
[第3実施形態]
第3実施形態のガス拡散電極用触媒層は、ネットワーク状金属触媒3がロッド状触媒からなる点において、カプセル状触媒30を用いた前述の実施形態とは相違するが、基本的な構成は、第2実施形態と同様である。
図11に、第3実施形態のガス拡散電極用触媒層2を模式的に示した部分拡大図を、図12に、第3実施形態のガス拡散電極用触媒層と、これに挟持された電解質膜の模式図を示す。ガス拡散電極用触媒層2は、図11、図12に示すように、ロッド状触媒40とイオン伝導体4を有する。
ロッド状触媒40は、図11に示すように概ね筒状の網目状骨格41を成し、その内部にはイオン伝導体4が配設されている。網目状骨格41は、金属同士が融着したネットワーク状構造を取り、電子伝導性を有する。
網目状骨格41には、多数の空隙43が形成されており、空隙43は、輪郭を画定するロッド状触媒の内部と外部とを連通するように形成されている。網目状骨格41の空隙率の好ましい範囲は第1実施形態と同様である。図11の例においては、一のロッド状のガス拡散電極用触媒層2を例示しているが、実際には、複数本のロッド状触媒40によりシート状構造が形成されている。
ロッド状触媒40の外郭を構成する厚みは特に限定されないが、好ましくは2nm以上、50nm以下である。ロッド状触媒40の厚みを2nm以上とすることにより、構造欠陥を抑制し安定した製造を行うことができる。なお、ロッド状触媒40の長さや形状は特に限定されるものではなく、鋳型の形状を制御することにより、適宜設計することができる。
イオン伝導体4は、触媒層において良好なイオン伝導性を実現するために、ロッド状触媒40の内部のみではなく、ロッド状触媒40の網目状骨格41に形成された空隙43やロッド状触媒40の外側にも連続して形成されていることが好ましい。
ロッド状触媒40の好ましい材料やイオン伝導体4は、第1実施形態と同様のものを例示できる。ロッド状触媒40の長さ、および切り口端面の粒径は特に限定されず、用途に応じて適宜設計できる。ロッド状触媒40の形状やサイズは、鋳型の形状やサイズを制御することにより容易にコントロールできる。例えば、端面の直径が5nm〜1μm程度のロッド状触媒40を複数、同一方向に連接させる態様や、ランダムに配設させる構造を例示できる。ロッド状触媒は、単層で用いても複数層で用いてもよい。複数層とする場合は、強度を増すために、層間で異なる方向に延在するように配置してもよい。また、高分子電解質膜5の主面に対してロッド状触媒40の長軸方向が、水平配向、垂直配向、又はランダム配向等とすることができる。また、ロッド状触媒40と第1実施形態のカプセル状触媒30をブレンドして用いることも可能である。
第3実施形態のガス拡散電極用触媒層2によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ナノ粒子でネットワーク化したロッド状触媒40を用いることにより触媒として利用できる表面積を高めつつ、機械強度を高めることができる。また、ロッド状に連結されているので、より安定した電子伝導性を確保できる。
[第4実施形態]
第4実施形態のガス拡散電極用触媒層は、ネットワーク状金属触媒3がロッド状触媒であり、かつ、ロッド状触媒の外側にイオン伝導体が配設されている点において第3実施形態のガス拡散電極用触媒層と異なるが、以下に説明する以外の基本的な構造および製造方法は、第3実施形態と同様である。
第4実施形態に係るガス拡散電極用触媒層は、ネットワーク状金属触媒のロッド状触媒の外側に主としてイオン伝導体がネットワーク状金属触媒と絡まるように配設されている。工程(d)のイオン伝導体を、ロッド状触媒内の外側に配設するために、工程(c)の後に組み込むことにより容易に製造できる。
第4実施形態のガス拡散電極用触媒層によれば、第3実施形態と同様の効果に加え、工程(c)の後にイオン伝導体を組み込むので、焼結処理のプロセスマージン或いは鋳型の材料選択性を高めることができるというメリットがある。
[第5実施形態]
第5実施形態のガス拡散電極用触媒層は、ネットワーク状金属触媒3がシート状触媒である点において、前述の実施形態と相違するが、以下に説明する以外の基本的な構造及び製造方法は、前述の実施形態と同様である。
図13に、第5実施形態のシート状のガス拡散電極用触媒層2の模式図を示す。第5実施形態に係るガス拡散電極用触媒層2は、ネットワーク状金属触媒とイオン伝導体がシート状に面内および厚み方向に連続的に配設されている。即ち、シート状触媒から成るネットワーク状金属触媒は、網目状のシート構造を成し、金属同士が融着して電子伝導性を有する。そして、このシート状触媒と接触するようにイオン伝導体が分散配置されている。シート状触媒の厚みは特に限定されず、用途や求められる性能に応じて適宜設計し得るが、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。シート状触媒の厚みを薄くすることにより、構造欠陥を抑制し安定した製造を行うことができる。
シート状のネットワーク状金属触媒を得る方法としては、表面が第1の極性を有するフィルムやシートを鋳型とし、これに第2の極性を有する触媒ナノ粒子を含浸させて金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させ、これを焼結処理することにより得られる。表面が第1の極性を有するフィルムやシートは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されないが、好適な例として不織布を例示できる。
不織布の構成材料としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において特に限定されないが、シリカファイバーやジルコニアファイバー等が好ましい例として例示できる。この場合、不織布を鋳型とし、これらの不織布が第1の極性を有するように表面処理を行った後に、第2の極性を有する触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させて焼結処理を行えばよい。イオン伝導体4は、シリカファイバーやジルコニアファイバー等に予めイオン伝導性官能基等を組み込む方法(i)、および/又は焼結処理後に、これらの繊維にイオン伝導性官能基を組み込む方法(ii)を例示できる。
また、不織布として、焼結処理、又は焼結処理後に除去可能な素材を用いることも可能である。この場合、得られたシート状のネットワーク状金属触媒に、イオン伝導体4を絡ませることによりガス拡散電極用触媒層が得られる。
第5実施形態の方法によれば、ガス拡散電極用触媒層の形成工程の簡便化を図ることができるというメリットがある。また、シート状にネットワーク状金属触媒を構築するので、電子伝導効率、表面積を高めることができる。また、厚みを薄くすることも可能である。
以上、第1〜第5実施形態について説明したが、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。また、上記実施形態は好適に組み合わせることができる。上記においては、本発明に係るガス拡散電極用触媒層として固体高分子形燃料電池に適用する例について説明したが、各種の燃料電池に好適に適用できる。さらに、燃料電池以外においても、ガス拡散電極用触媒層が用いられる用途全般に適用することができる。また、本発明のガス拡散電極用触媒層は、前述したとおりカーボン担体フリーでの利用を実現することができるものであるが、カーボン担体を用いることを排除するものではない。
≪実施例≫
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
正のゼータ電位を有する鋳型粒子を以下の方法により調製した。まず、プレ鋳型粒子であるシリカ粒子(直径0.30μm)0.16gと脱イオン水5mLを30mLビーカーに入れ、シリカ粒子を分散させた。
次いで、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)((以下、「PDDA」と略記する)12.0gと脱イオン水19gを遠心分離機用のチューブに入れた。このチューブに10分間超音波を照射してPDDAを溶解させた。また、シリカ粒子を分散させたビーカーに10分間超音波を照射した後に両溶液を混合し、25℃、回転数10,000rpmの条件で脱イオン水による10分間遠心分離を行い、上澄み液を捨てて洗浄を行う精製を3回繰り返した。これにより、脱イオン水に分散させたPDDA被覆シリカ粒子(鋳型粒子)の水分散液を得た。以後、このように調製したPDDA被覆シリカ粒子を「PDDA/SiO−OH」と表記する。
次いで、FePtナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子の合成を行った。テトラエチレングルコール(Sigma-Aldrich社製)100mL、上述した工程で得たPDDA/SiO−OH水分散液をPDDA/SiOの乾燥質量が0.08gとなるように200mLのナス型フラスコに加え、エバポレーションにより水を除去した。フラスコの内容物を200mLの三口フラスコに移し替え、アセチルアセトナト鉄(III)0.15g(0.42mmol)、アセチルアセトナト白金(II)0.1512g(0.38mmol)を加え、24時間撹拌を行った。その後、還流のためのセットを組立て、Ar/Hのガス雰囲気下にした後、室温で30分間撹拌した。その後、10K/minで503Kまで昇温して、503Kで2時間加熱した。室温まで放冷後、茶色い上清溶液を捨ててエタノールで洗浄する工程を5回繰返した。その後乾燥した。図14Aに、FePtナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子の透過型電子顕微鏡像(日立H7100透過型電子顕微鏡)を示す。
得られたFePtナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子のエタノール分散液を調整し、超音波処理を10分間行うことにより再分散させた。得られた分散液5mLを、耐圧硝子工業社製の密閉型超臨界反応容器TSC−0011(容積11mL)に入れ、Ar/Hで脱気を行い、トルクレンチで密栓した。密栓した反応容器を290℃に予め加熱した電気炉に入れ、圧力約25MPaの条件下で3.5時間の加熱処理を行った。その後、反応容器を水槽に入れ、急冷した。1〜2時間放置した後、反応容器の栓を開け、超音波処理を10分間行い、遠心分離(25℃、6,000rpm、10分)を行った。図14Bに、FePtナノ粒子−シリカ粒子の透過型電子顕微鏡像を示す。図14Bより、金属粒子の肥大化および金属間ネットワークの強化を確認できる。
その後、3MのNaOH水溶液に分散させ、80℃で1時間撹拌することで、シリカ粒子を溶解させた。その後、遠心分離(25℃、6,000rpm、10分)を数回行い洗浄・乾燥させ、FePt−カプセル状触媒を得た。
図14Cに、FePt−カプセル状触媒の100keVの透過型電子顕微鏡像を示す。同図より、芯材のシリカ粒子が溶解して除去されていることがわかる。また、FePtナノ粒子同士が融着して、表面に空隙を有する金属結晶からなるカプセル状触媒30が形成されていることがわかる。得られたカプセル状触媒の平均粒子径は約300nm、平均シェル厚は5〜10nm、孔径が約10nmの中空カプセルが得られた。
実施例1の粉末サンプルについて、XRD(RINT2000、Rigaku社製)測定(回折角の範囲:2θ=2〜90°、スキャンスピード:2θ=2°/min)を行った。その結果を図15に示す。実施例1の微粒子は、図15に示すように、24°付近の(001)由来のピークと33°付近の(110)由来のピークから、fct(面心正方)規則構造を示す明瞭なピークを有し、c/a値が0.97であった。これより、規則度がかなり高いことがわかる。また、2θ=40°付近の(111)面のピークは、白金の(111)面のピーク位置より高角側にシフトしており、合金化が起きていることがわかった。また、実施例1の微粒子中のPtFe合金は、ICPの測定結果よりPt:Fe=0.9:1(モル比)で合成されていることを確認した。これらの結果より、実施例1のPtFeカプセルが、L1型の規則fct構造であることがわかる。また、BET比表面積は、19.94m/gであった。
(実施例2)
アセチルアセトナトFe(III)を加えないこと以外は実施例1と同様の方法により、Ptカプセルを得た。図16に、Pt−カプセル状触媒の透過型電子顕微鏡像を示す。同図より、芯材のシリカ粒子が溶解して除去されていることがわかる。また、Ptナノ粒子同士が融着して、表面に空隙を有するカプセル状触媒30が形成されていることがわかる。得られたカプセル状触媒30の平均粒子径は約300nm、平均シェル厚は約20nmの中空カプセルが得られた。
実施例2の粉末サンプルについて実施例1と同様の方法でXRD測定を行った。その結果を図17に示す。その結果、超格子構造を示すピークがないことを確認した。
(比較例1)
Pt/C(田中貴金属工業社製、TEC10E50E)をそのまま用いた。比較例1の微粒子は、規則合金構造が観測されないことを確認した。
[電気化学的評価]
実施例1で得られたカプセル状触媒および比較例1のPt/C粒子について、回転ディスク電極を用いて電気化学的評価を行った。電気化学的評価を行うにあたり、アルミニウムで磨いたグラッシーカーボン(幾何学的領域:0.196cm)を用いた。
(電極例1) 触媒の分散液は24%のIPA溶液6.25mLに5mgの触媒を分散させたものと、25μLのパーフルオロカーボン材料(ナフィオン(登録商標)、5wt%)とを混合して作製した。次いで、10μLの触媒の分散液をグラッシーカーボンの表面に塗布し、乾燥した。以上の工程を経て、グラッシーカーボンに実施例1および比較例1の触媒が担持された電極を其々作製した。
(電極例2) IPA溶液の濃度を25%とした点と、IPA溶液6.25mLに添加する触媒を2.5mg、パーフルオロカーボン材料(ナフィオン(登録商標)、5wt%)を12.5μLとした点以外は、電極例1と同様にして実施例1の触媒が担持された電極を作製した。
実施例1および比較例1の触媒サンプルについて、電極例1および電極例2で得られた電極を其々作用電極とし、対極に白金ワイヤを用い、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いて、CV(Cyclic voltammetry)測定を行い、水素脱着ピーク面積より電気化学的比表面積(Electrochemical Surface Area;ECSA)を算出した。CV測定は、窒素雰囲気下の0.1Mの過塩素酸を電解液に用い、0.06〜1.2V、掃引速度20mV/s、室温で行った。図18Aに電極例1で得られた実施例1の作用電極を用いたCV測定結果を、図18Bに電極例2で得られた実施例1の作用電極を用いたCV測定結果を示す。また、電極例1で得られた比較例1の作用電極を用いたCV測定結果も図18Aおよび図18Bに示す。図18Aおよび図18Bより、実施例1のFePt−カプセル状触媒は白金特有の応答を示すことがわかる。また電極例1の実施例1について計算したECSAの値20m/gは、BET測定とほぼ同じ値を示した。
また、実施例1および比較例1の触媒サンプルについて、以下の条件でLSV(Linear sweep voltammetry)測定を行い、酸素還元反応活性を算出した。即ち、電極回転速度1600回転/分において、電位走査を0.06Vから1.2Vへ掃引速度20mV/sで行い、電圧0.9Vにおける電流値から、単位質量あたりにおける酸素還元反応活性(質量活性)を評価した。図19Aに電極例1で得られた実施例1のLSV測定結果を、図19Bに電極例2で得られた実施例1のLSV測定結果を示す。また、電極例1で得られた比較例1のLSV測定結果も図19Aおよび図19Bに示す。質量活性を計算したところ、電極例1では実施例1と比較例1は同じオーダーの活性を示すことがわかった。一方、電極例2では実施例1が比較例1よりも高い活性を示すことがわかった。表面比活性においては、比較例1の10倍近い値であり、非常に高活性であることがわかった。実施例1において、電極例2が電極例1よりも高い活性を示したのは、電極例2が電極例1に比べて薄く均一な電極が形成できたことによるものと考えている。
さらに、電極例1で作製した実施例1および比較例1のサンプルについて、以下の条件でFCCJプロトコル(負荷応答試験)を実施し、触媒の耐久性を評価した。図20に、耐久性試験に適用したFCCJプロトコルの説明図を示す。0.6Vと1.0Vの負荷を其々3秒ずつかけたものを1サイクルとした。所定のサイクルを掃引後、上述した方法と同様にCV測定、LSV測定を行い、ECSAと質量活性を評価した。
図21は、電極例1で作製した実施例1および比較例1のサンプルについて、耐久性試験を行った時の質量活性の変化を初期値で規格化した図であり、図22は、同サンプルについて、耐久性試験を行った時のECSAの変化を初期値で規格化した図である。また、実施例1のカプセル状触媒について、初期及び10,000サイクル後のECSA、並びに酸素還元反応の質量活性の変化、および比較例1の触媒について初期及び10,000サイクル後のECSA、並びに酸素還元反応の質量活性の変化を表1に示す。
図21、図22より、実施例1の触媒は、Pt/C触媒よりも優れた耐久性を示すことがわかった。
図23に、10,000サイクル掃引後の、実施例1の触媒のTEM像を示す。同図に示すように、10,000サイクル掃引しても、ネットワーク状金属触媒が維持されていることを確認した。
電極例2で作製した実施例1および電極例1で作製した比較例1のサンプルについて、触媒活性評価(ECSA,質量活性、表面比活性)の初期値を表2に示す。
表2より、実施例1のサンプルは、比較例1のサンプルに比して、質量活性が約2.5倍、表面比活性が概ね10倍高いという結果を得た。
また、電極例2で作製した実施例1および電極例1で作製した比較例1のサンプルについて、以下の条件でカーボン担体の腐食を加速させるFCCJプロトコル(起動停止試験)を実施し、触媒の耐久性を評価した。図24に、耐久性試験に適用したFCCJプロトコルの説明図を示す。温度は60℃とし、1.0〜1.5Vの三角波を0.5V/sで掃引したものを1サイクルとした。所定のサイクルを掃引後、上述した方法と同様にCV測定、LSV測定を行い、ECSA、質量活性、表面比活性を評価した。
起動停止試験を行ったときのECSAの変化率の結果を図25に、質量活性の変化を図26に、表面比活性の変化を図27に示す。
5000サイクル後のECSAの変化率は、比較例1では初期の約60%に低下するが、実施例1では初期の90%近くが保持された。担持カーボンのないカーボンフリーの実施例1の低下率が低いのは、カーボン腐食の影響などを受けないことによるものと考えている。また、実施例1においては、触媒の凝集が抑制され、触媒同士が連結したネットワーク構造が維持されていることを強く支持するものである。
5000サイクル後の質量活性保持率は60〜70%であり、実施例1と比較例1とで同程度の率である。しかしながら、初期活性が、実施例1の方が高いので耐久性試験後でも充分高い触媒活性を有している。
図28に、起動停止試験(5000サイクル)後の実施例1のTEM像を示す。同図より、起動停止試験を5000サイクル行った後においても、カプセルの形状を維持していることがわかる。
[膜−電極接合体(MEA)の作製]
(実施例3)
カソード触媒として実施例1の触媒:ナフィオン(登録商標、5wt%):IPA=20:15:2(Pt:0.26mg/cm)を、アノード触媒として比較例1の触媒:ナフィオン:PTFE(Polytetrafluoroethylene)=60:25:15(Pt:0.3mg/cm)を、電解質膜としてナフィオン(NR−212)膜を用いてMEAを以下の手順により作製した。
まず、拡散層の作製方法について説明する。まず、テフロン(登録商標)処理済みカーボンペーパー(東レ社製)をカッターナイフで3×3cmの大きさに切断し、カーボンブラック(Vulcan XC-72、Canot社製)をメノウ乳鉢で十分すり潰した後、0.370g秤量し、IPAを4.000g加えて、攪拌・超音波を繰り返した。その後、PTFE懸濁液(60wt% dispersion in water 、Aldrich社製)を0.140g加え、約一分攪拌した。次いで、スクリーン印刷法により、テフロン処理済みカーボンペーパーに印刷を2回繰り返し、280℃2時間、350℃2時間焼成することにより拡散層を得た。
次いで、アノード触媒層の作製方法について説明する。比較例1の触媒を秤量し、RO水を0.6〜0.8g程度導入して、攪拌した。次いで、5wt%のナフィオン溶液を2.711g加えた。次いで、攪拌・超音波を約20〜30分繰り返し、60wt%のPTFE懸濁液を0.135g加え、約1分攪拌した。その後、拡散層を作製済みのカーボンペーパー上に、スクリーン印刷により塗布した。そして、これを秤量し、白金導入量を計算した。
続いて、カソード触媒層の作製方法について説明する。1辺が4cmの正方形状に裁断した電解質膜を充分に洗浄して乾燥した後、実施例1の触媒とナフィオン、IPAを所定の比率(触媒:ナフィオン(5wt%):IPA=20:15:2)で混合した触媒インクをスプレー法により電解質片面に塗布することでカソードを形成した上で、一辺が2.25cmの正方形状の前述のアノード触媒層を逆の面に配し、130℃2kN、1分間の条件でホットプレス機にセットして熱圧着することによりMEAを得た。そして、作製したMEAのカソード側へ拡散層を配した上で燃料電池セル(Electrochem. Inc.社製;FC05-01SP-REF,電極面積5cm,流路形状;serpentine flow)にセットし、発電試験を行った。
実施例3により得たMEAを用いて、アノードにH(100mL/min)、カソードにO(500mL/min)を供給し、セル温度60℃、相対湿度100%で、電流電圧特性の評価(IV試験)を行った。図29に、IV試験の結果を示す。その結果、実施例1のカプセル触媒により導電ネットワークが形成され、発電性能を示すということがわかる。
(実施例4)
カソード触媒として実施例1の触媒:ナフィオンアイオノマー=20:1質量比(Pt:0.36mg/cm)を、アノード触媒として比較例1のPt/Cからなる触媒:ナフィオンアイオノマー=2:1質量比(Pt:0.18mg/cm)を、電解質膜としてナフィオン(NR−212)膜を用いてMEAを以下の手順により作製した。
実施例4は、実施例3と異なり拡散層を用いない。アノード触媒層の作製方法について説明する。比較例1の触媒を0.3g秤量し、11.7gのIPA水溶液(RO水:IPA=1:4質量比)へ導入した。次いで、5wt%のナフィオン溶液を3.0g加えた。次いで、ジルコニアボール(Φ1mm)を加え、400rpmで1時間、ボールミリングで混合した。ボールミリング処理後、ジルコニアボールを除き、得られた触媒インクをスプレー法により電解質膜(1辺が4cmの正方形状に裁断し、十分に洗浄・乾燥したNR−212膜)片面に塗布することで一辺が2.25cmの正方形状のアノードを形成した。そして、これを秤量し、白金導入量を計算した。
次いで、カソード触媒層の作製方法について説明する。実施例1の触媒を20mg秤量し、7.5gのIPA水溶液(RO水:IPA=1:4質量比)へ導入した。次いで、5wt%のナフィオン溶液を20mg加えた。超音波処理を行った触媒インクを、スプレー法により電解質膜片面(アノード触媒層の逆の面)に塗布することで一辺が2.25cmの正方形状のカソードを形成した。そして、これを秤量し、白金導入量を計算した。続いて、2.25×2.25cmのテフロン(登録商標)処理済みカーボンペーパー(東レ社製)をアノード触媒層、カソード触媒層上に配し、130℃、2kN、1分間の条件でホットプレス機にセットして熱圧着することによりMEAを得た。そして、作製したMEAを燃料電池セル(Electrochem. Inc.社製;FC05-01SP-REF,電極面積5cm,流路形状;serpentine flow)にセットし、発電試験を行った。
実施例4により得たMEAを用いて、アノードにH(100mL/min)、カソードにO(500mL/min)を供給し、セル温度80℃、相対湿度90%で、電流電圧特性の評価(IV試験)を行った。次いで、セル温度80℃、相対湿度100%で、アノードにH(100mL/min)、カソードにN(500mL/min)を供給し、測定直前にカソードNガスを遮断し、0.05〜0.9V間を50mV/sで掃引したCV測定からECSAを評価した。図30に、そのIV試験の結果を示す。その結果、カプセル触媒により導電ネットワークが形成され、発電性能を示すということを確認した。
さらに、実施例4により得られたMEAを燃料電池セル(Electrochem. Inc.社製;FC05-01SP-REF,電極面積5cm,流路形状;serpentine flow)にセットし、図24に示す条件でカーボン担体の腐食を加速させるFCCJプロトコル(起動停止試験)を実施し、MEAの耐久性を評価した。アノードにH(100mL/min)、カソードにN(500mL/min)を供給し、セル温度80℃、相対湿度100%で、1.0〜1.5Vの三角波を0.5V/sで掃引したものを1サイクルとした。所定のサイクルを掃引後、上述した方法と同様にMEAでのCV測定を行い、ECSAを評価した。
図31は、実施例4のMEAについて、耐久性試験前と10,000サイクル後のCV測定の図である。図32は、実施例4のMEAについて、耐久性試験を行った時のECSAの変化を初期値で規格化した図である。なお、図32の比較例は、NEDOセル評価解析プロトコル, p17-18 (2012)から引用した白金触媒担持カーボンPt/Cでアノード・カソード触媒層を作製したMEAでの結果である。図31および図32より、実施例4のMEAは優れた耐久性を示すことがわかる。
実施例4のMEAについて、起動停止試験前と起動停止後(10,000サイクル掃引後)におけるIV曲線を図33に示す。同図に示すように、10,000サイクル掃引しても、IV性能が維持されていることを確認した。
(実施例5) カソード触媒として実施例1の触媒:ナフィオンアイオノマー=20:2質量比(Pt:0.3mg/cm)を、アノード触媒として比較例1の触媒:ナフィオンアイオノマー=2:1質量比(Pt:0.3mg/cm)を、電解質膜としてナフィオン(NR−212)膜を用いてMEAを以下の手順により作製した。
まず、アノード触媒層の作製方法について説明する。比較例1の触媒を0.4g秤量し、RO水2mLとIPA25mLを加えた。次いで、20wt%のナフィオン溶液を0.9g加えた。超音波処理を行った触媒インクを、スプレー法により電解質膜(1辺が4cmの正方形状に裁断し十分に洗浄・乾燥したNR−212膜)片面に塗布することで一辺が2.25cmの正方形状のアノードを形成した。そして、これを秤量し、白金導入量を計算した。
次いで、カソード触媒層の作製方法について説明する。実施例1の触媒を20mg秤量し、RO水6mLとIPA4mLを加えた。次いで、20wt%のナフィオン溶液を10mg加えた。超音波処理を行った触媒インクを、スプレー法により電解質膜片面(アノード触媒層の逆の面)に塗布することで一辺が2.25cmの正方形状のカソードを形成した。そして、これを秤量し、白金導入量を計算した。続いて、2.25×2.25cmのテフロン(登録商標)処理済みカーボンペーパー(東レ社製)をアノード触媒層、カソード触媒層上に配し、130℃、2kN、1分間の条件でホットプレス機にセットして熱圧着することによりMEAを得た。
図34に、作製したMEAのカソード触媒層を部分拡大したSEM像を示す。同図に示すように、触媒層の厚みは、1.5〜2μmであり、同じ白金触媒量を持つ従来の触媒層の厚み(約10μm)よりも薄層であった(参考文献:Y.Hashimasa et al., ECS transaction, 50 (2012) 723-732)。
1 燃料電池
2 ガス拡散電極用触媒層
3 ネットワーク状金属触媒
4 イオン伝導体
5 高分子電解質膜
6 セル
7 外部回路
10 アノードユニット
11 アノード触媒層
12、22 ガス拡散層
13、23 セパレータ
14、24 ガス流路
20 カソードユニット
21 カソード触媒層
30 カプセル状触媒
31 網目状骨格
32 中空構造
33 空隙
34 プレ鋳型粒子
35 鋳型粒子
36 付着型の触媒粒子
40 ロッド状触媒
41 網目状骨格
43 空隙

Claims (11)

  1. 焼結体よりなり、ナノ粒子が連結して電子伝導性を有するネットワーク状金属触媒と、
    前記ネットワーク状金属触媒と少なくとも一部が接触するイオン伝導体とを具備し、前記ネットワーク状金属触媒は、カーボン担体フリーであるガス拡散電極用触媒層。
  2. 前記ネットワーク状金属触媒が、カプセル状触媒、ロッド状触媒およびシート状触媒の少なくともいずれかである請求項1に記載のガス拡散電極用触媒層。
  3. 前記イオン伝導体は、カチオン伝導体又はアニオン伝導体である請求項1又は2に記載のガス拡散電極用触媒層。
  4. 厚みが10μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層。
  5. アノード触媒層とカソード触媒層との間に固体高分子電解質膜が配置された膜電極接合体であって、
    前記アノード触媒層および前記カソード触媒層の少なくとも一方に、請求項1〜のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層を用いる膜電極接合体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層を具備する燃料電池。
  7. 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟持するアノードユニットおよびカソードユニットを備え、
    前記ガス拡散電極用触媒層を、前記アノードユニットおよび前記カソードユニットの少なくともいずれかの前記高分子電解質膜と接する位置に配置する請求項に記載の燃料電池。
  8. 所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程(a)と、
    前記鋳型表面に、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有し、触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させる工程(b)と、
    工程(b)後に、焼結処理によりネットワーク状金属触媒を得る工程(c)と、
    イオン伝導体を、前記ネットワーク状金属触媒と接触部位を有するように触媒層内に組み込む工程(d)とを具備し、
    工程(d)の前記イオン伝導体は、下記(i)〜(iii)の少なくともいずれかであり、前記ネットワーク状金属触媒は、カーボン担体フリーであるガス拡散電極用触媒層の製造方法。
    (i)工程(a)によって組み込まれた前記鋳型に含まれている成分である。
    (ii)工程(c)の後に、前記鋳型に含まれている成分を前駆体として、変換することにより得られるものである。
    (iii)工程(c)の後に、新たに加えることにより導入するものである。
  9. 前記ネットワーク状金属触媒は、カプセル状、ロッド状およびシート状の少なくともいずれかであり、
    前記ネットワーク状金属触媒の内部、若しくは外部に、前記イオン伝導体が設けられている請求項に記載のガス拡散電極用触媒層の製造方法。
  10. 前記焼結処理は、超臨界処理、若しくは亜臨界処理である請求項又はに記載のガス拡散電極用触媒層の製造方法。
  11. 前記鋳型は、プレ鋳型粒子の表面を修飾して、表面が前記第1の極性を有する鋳型粒子からなる請求項〜1のいずれか1項に記載のガス拡散電極用触媒層の製造方法。
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