JP2022045885A - ナノ粒子連結触媒およびその製造方法、電極用触媒層、膜電極接合体、燃料電池並びに水電気分解装置 - Google Patents

ナノ粒子連結触媒およびその製造方法、電極用触媒層、膜電極接合体、燃料電池並びに水電気分解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高活性でありながら耐久性に優れ、且つ各種用途、ニーズ或いはSDGsなどの観点から、最適な触媒層を自在に設計できるナノ粒子連結触媒およびその製造方法、電極用触媒層、膜電極接合体、燃料電池、並びに水電気分解装置を提供する。【解決手段】本発明は、金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部を形成し、更に、前記コア部の少なくとも一部の表層に、金属を含むシェル層を被覆する工程を有する、コアシェル型のナノ粒子連結触媒の製造方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノ粒子連結触媒およびその製造方法に関する。また、前記ナノ粒子連結触媒を用いた電極用触媒層、膜電極接合体、燃料電池および水電気分解装置に関する。
水電解は、二酸化炭素を発生することなく電力から水素に変換できるので、再生可能エネルギーを水素エネルギーとして貯蔵する電力-水素貯蔵システムとして注目を集めている。また、固体高分子形燃料電池(polymer electrolyte fuel cell、PEFC)は、エネルギー変換効率の高さ、並びに小型化の観点から注目を集め、燃料電池自動車、定置用コーンジェネレーションシステム、可搬電源、情報機器用電源等への応用が期待されている。
これらの特性向上には、電極(アノードおよびカソード)に配設される触媒層の性能向上が不可欠となる。このため、触媒層について精力的な研究開発が行われ、多数の提案がなされている。例えば、カーボン担体上に、白金鉄合金、白金コバルト合金ナノ粒子を担持した触媒が報告されている(非特許文献1、2)。カーボン担体に金属ナノ粒子を担持する方式は、金属触媒の有効利用表面積を増加できるという利点を有する一方で、高電位側でカーボン腐食が発生するので、耐久性に課題がある。
耐久性を改善する触媒として、本発明者らは、先般、金属系ナノ粒子が連結したナノ粒子連結触媒を報告した(特許文献1~4)。ナノ粒子連結触媒によれば、金属系ナノ粒子がネットワーク構造を有するため、カーボンフリー触媒の提供が可能である。このため、カーボン腐食の影響がなく、起動停止サイクルの改善を図ることができる。また、触媒として利用できる表面積を格段に高めることができる。
特開2015-92464号公報 特開2017-202430号公報 特開2018-188701号公報 特開2019-153478号公報
J. Kim et al.,J. Am. Chem. Soc.,2010,132,4996-4997 D. Wang et al.,Nat. Mater.,2013,12,81-87
水電気分解装置や固体燃料電池等のさらなる普及を促進するためには、高活性でありながら、耐久性に優れ、且つ各種用途やニーズに応じて或いはSDGsの観点から、最適な触媒を自在に設計できる技術の開発が必要不可欠である。
なお、上記においては水電気分解装置および燃料電池に対する課題を述べたが、触媒を必要とする用途全般において同様の課題が生じ得る。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、高活性でありながら耐久性に優れ、且つ各種用途、ニーズ或いはSDGsなどの観点から、最適な触媒層を自在に設計できるナノ粒子連結触媒およびその製造方法、電極用触媒層、膜電極接合体、燃料電池、並びに水電気分解装置を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]:金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部を形成し、
前記コア部の少なくとも一部の表層に、金属を含むシェル層を被覆する工程を有する、
コアシェル型のナノ粒子連結触媒の製造方法。
[2]:前記シェル層は、
(i)液相中で、イオン化傾向の低い金属に置換させることにより形成する方法、および
(ii)金属を直接析出させることにより形成する方法、
のいずれか一方により形成する[1]に記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
[3]:金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部と、
前記コア部の少なくとも一部が被覆され、前記金属系ナノ粒子を構成する金属とは異なる金属を含むシェル層とを有する、コアシェル型の電子伝導性を有するナノ粒子連結触媒。
[4]:前記コア部および前記シェル層は、それぞれ独立に、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を含んでいてもよい、第3族~第12族の金属または合金である[3]に記載のナノ粒子連結触媒。
[5]:前記シェル層は、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を含んでいてもよい、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Auから選択される金属および合金の少なくとも1種を含む[3]又は[4]に記載のナノ粒子連結触媒。
[6]:形状が、中空カプセル状、ロッド状およびシート状の少なくともいずれかである[3]~[5]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒。
[7]:[3]~[6]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒と、
前記ナノ粒子連結触媒と少なくとも一部が接触するイオン伝導体とを具備する電極用触媒層。
[8]:アノード触媒層とカソード触媒層との間に固体高分子電解質膜が配置された膜電極接合体であって、
前記アノード触媒層および前記カソード触媒層の少なくとも一方に、[7]に記載の電極用触媒層を用いる膜電極接合体。
[9]:[8]に記載の膜電極接合体を具備する燃料電池。
[10]:水を電気分解して水素と酸素を発生する水電気分解装置であって、
電解質と、前記電解質と接するアノード電極と、前記電解質と接し、前記アノード電極と外部回路を通じて接続される、水素ガスを発生するカソード電極とを備え、
前記アノード電極の前記電解質と接する表面の少なくとも一部に、[3]~[6]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒を含むアノード触媒層が用いられる水電気分解装置。
本発明によれば、用途、ニーズ或いはSDGsなどの観点から、最適な触媒層を自在に設計できるナノ粒子連結触媒およびその製造方法、電極用触媒層、膜電極接合体、燃料電池、並びに水電気分解装置を提供できるという優れた効果を奏する。
本実施形態に係るナノ粒子連結触媒の一例を示す模式図。 図1のII-II切断部断面図。 (a)~(d):本実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造工程の一例を示す説明図。 (a)~(c):本実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造工程の一例を示す説明図。 本実施形態に係る電極用触媒層の模式的な部分拡大図。 本実施形態に係る固体高分子形燃料電池の要部の一例を示す模式的断面図。 本実施形態に係る水電気分解装置の要部の一例を示す模式的断面図。 カチオン交換膜を有する固体高分子形水電気分解装置の水電気分解反応の模式的説明図。 アニオン交換膜を有する固体高分子形水電気分解装置の水電気分解反応の模式的説明図。 変形例に係るナノ粒子連結触媒の一例を示す模式図。 変形例に係るナノ粒子連結触媒の一例を示す模式図。 実施例1に係るナノ粒子連結触媒の表層のSTEM像。 実施例1に係るナノ粒子連結触媒の元素ラインマッピング図。 実施例2に係るナノ粒子連結触媒の表層のSTEM像。 実施例2に係るナノ粒子連結触媒の元素ラインマッピング図。 実施例1および比較例1のOERカーブを示す図。 実施例2および比較例1のHERカーブを示す図。 実施例3および比較例1のXRDパターン。 実施例3および比較例1のOERカーブを示す図。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。また、本明細書において特に言及していない本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。以下、本発明に係るナノ粒子連結触媒およびその製造方法について、水電気分解装置、固体高分子形燃料電池に適用した実施形態を例として説明する。
<ナノ粒子連結触媒およびその製造方法>
本実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造方法は、少なくとも以下の工程を有する。即ち、金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部を形成する工程(A)と、この工程(A)で得られたコア部の少なくとも一部の表層に、少なくとも金属を含むシェル層を被覆する工程(B)とを有する。本実施形態の製造方法により、コアシェル型の電子伝導性を有するナノ粒子連結触媒が得られる。「金属系ナノ粒子」には、ナノ粒子連結触媒の電子伝導性を確保できる範囲で金属以外の非金属成分が含まれていてもよい。また、「ナノ粒子が連結したネットワーク状」とは、ナノ粒子同士が接触または/および融着して電子伝導性が確保されている状態をいう。シェル層は、金属を含んでいて、ナノ粒子連結触媒として電子伝導性が確保できればよく、非金属成分が含まれていてもよい。
本実施形態の製造方法によれば、金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部を有し、そのコア部表層にシェル層を形成するので、各種用途、ニーズ或いはSDGsなどの要求に応じた最適な触媒を自在に設計できる。触媒活性の高い金属をシェル層に形成し、コア部は用途などに応じて最適な材料を選定できる。例えば、機械的強度が要求される場合には、機械的強度が高い金属系ナノ粒子を用いてネットワーク状構造によりコア部を形成できる。また、シェル層の触媒活性を効果的に高めるコア部を形成できる。このように、コア部にシェル層を設ける構成を採用することによって、自在な触媒設計を可能とし、活性に優れ、且つ耐久性にも優れるナノ粒子連結触媒を提供することができる。更に、触媒活性の高い金属をシェル層にすることにより、レアメタルや貴金属の使用量を削減することが可能となる。
図1に、本実施形態のナノ粒子連結触媒の要部の一例の模式図および部分拡大図を示す。ナノ粒子連結触媒3は、図1に示すように外郭が概ね球状である中空カプセル状のナノ粒子連結骨格を有する。ナノ粒子連結触媒3には、多数の空隙31が形成されている。空隙31は、輪郭を画定するカプセル形状の内部と外部とを連通するように形成されている。この空隙率は、ナノ粒子連結触媒3が構造的に維持でき、電子伝導性を確保できる範囲であればよく、用途や求められるニーズに応じて適宜設計することができる。触媒の量が要求される用途等の場合には、例えば、空隙を1%程度とすることができる。また、強度が構造由来で高い場合等には、例えば、空隙を90%程度とすることができる。
図2に、図1のII-II切断部断面図を示す。図2中の丸は1原子を示すイメージ図であるが、一例であって原子数や配列は同図に限定されるものではない。シェル層33は同図に示すように、モノレイヤ層であってもよいし、多層レイヤ層であってもよい。また、コア部32の少なくとも一部が被覆されていればよい。被覆率は限定されないが、シェル層による触媒活性を効果的に向上させる観点からは、被覆率は1%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。コア部32とシェル層33とは、電子伝導性が確保されるように、金属同士が接触または/および融着されている。
ナノ粒子連結触媒3の平均切断部長径(図2中のDの長さ)は、用途に応じて適宜設計することができる。この切断部長径を小さくすることにより、効果的に表面積を高めて触媒活性能を高めることができ、逆に大きくすることにより、機械的強度を高めることができる。ネットワーク状のコア部32の平均切断部長径(図2中のdの長さ)は特に限定されない。例えば1nm~50nmとすることができる。シェル層33の平均切断部長径は、例えばモノレイヤとしたり、複数の積層体とすることができる。シェル層の厚みは用途や求められる特性に応じて適宜設計する。
コア部を構成する金属系ナノ粒子としては、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を含んでいてもよい、第3族~第12族の金属または合金が例示できる。具体的には、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステン、マンガン、チタン、亜鉛、ニオブ、ジルコニウム、テクシネウム、カドミウム、ハフニウム、タンタル、レニウム、オスミウムから選択される金属または合金が挙げられる。これらの中でも、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を含んでいてもよい、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルビジウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミニウム、イリジウム、白金、金から選択される金属または合金が好適である。
シェル層を構成する金属は、コア部とは独立に、第3族~第12族の金属または合金が例示できる。シェル層には、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を元素として含んでいてもよい。好適例として、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を元素として含んでいてもよい、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステン、マンガン、チタン、亜鉛、ニオブ、ジルコニウム、テクシネウム、カドミウム、ハフニウム、タンタル、レニウム、オスミウムから選択される金属または合金が挙げられる。これらの中でも、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を元素として含んでいてもよい、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルビジウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミニウム、イリジウム、白金、金から選択される金属または合金が好適である。
コア部を合金とする場合、用途などに応じて、適宜選定できる。好適な例として、触媒活性の高い第1金属原子と、第1金属原子とは異なる種類の金属で、第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなる合金が例示できる。第1金属原子としては白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンが好ましい。これらのうち特に好ましくは白金、イリジウム、ニッケルである。第2金属原子としては白金、コバルト、ニッケル、パラジウム、鉄、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステン、マンガンが好ましい。これらのうち特に好ましくは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、パラジウム、ルテニウム、金である。
合金の好ましい例としては、白金-鉄合金、白金-コバルト合金、白金-銅合金、白金-鉄-コバルト合金、白金-鉄-ニッケル、白金-鉄-銅、白金-パラジウム、白金-金等の白金合金が例示できる。また、ルテニウム-白金合金、ルテニウム-コバルト合金、ルテニウム-ニッケル合金、ルテニウム-鉄合金、ルテニウム-白金-鉄合金、ルテニウム-白金-イリジウム合金、ルテニウム-白金-パラジウム合金、ルテニウム-鉄-ニッケル合金、ルテニウム-イリジウム合金、ルテニウム-パラジウム合金、ルテニウム-ロジウム合金、ルテニウム-金合金等のルテニウム合金も例示できる。また、パラジウム-コバルト合金、パラジウム-ニッケル合金、パラジウム-鉄合金、パラジウム-イリジウム合金、パラジウム-ロジウム合金、パラジウム-金等のパラジウム合金、金-コバルト合金、金-ニッケル合金、金-鉄合金、金-イリジウム合金、金-ロジウム合金等の金合金、イリジウム-コバルト合金、イリジウム-ニッケル合金、イリジウム-鉄合金、イリジウム-ロジウム合金等のイリジウム合金も例示できる。コバルト-鉄、コバルト-銅、コバルト-ニッケル、コバルト-ニッケル-銅、ニッケル-銅、ニッケル-鉄等の非貴金属合金も例示できる。
第1金属原子とは異なる金属を第2金属原子に含ませることにより、ナノ粒子連結触媒の第1金属原子層の結合距離や電子状態を変え、これによって第1金属の触媒活性を向上させることが可能となる。
本実施形態に係るナノ粒子連結触媒の中空のカプセル状の粒径は特に限定されず、用途に応じて適宜選定することができる。この粒径は、後述する鋳型粒子の大きさを制御することにより容易にコントロールできる。後述するプレ鋳型粒子のサイズを考慮すると、粒径は通常10nm以上となる。粒径の異なるものを複数混合してもよい。
次に、本実施形態のナノ粒子連結触媒層の製造方法の一例について説明する。但し、本発明のナノ粒子連結触媒は、種々の方法により製造することが可能であり、以下の製造方法に限定されるものではない。
本実施形態に係るナノ粒子連結触媒は、金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部を形成する工程(A)と、工程(A)の後に、コア部の少なくとも一部の表層に、少なくとも金属を被覆してシェル層を形成する工程(B)を少なくとも有する。
工程(A)は、以下の工程により製造できる。即ち、コア部は、所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程(A-1)と、鋳型表面に、第1の極性とは反対の第2の極性を有し、触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させる工程(A-2)と、金属系ナノ粒子が連結したネットワーク構造を形成する工程(A-3)と、鋳型粒子等の他の成分を溶出させてコア部を得る工程(A-4)を経て製造できる。
工程(B)の好適な製造方法として、(i)液相中で、イオン化傾向の低い金属に置換させることにより形成する方法、または(ii)金属を前記コア部表層に直接析出させる方法を例示できる。以下、更に、各工程について詳細に説明する。
[工程(A-1)]
まず、プレ鋳型粒子(不図示)の水分散液を調製する。プレ鋳型粒子の好適な材料としては、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニア(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、セリア(CeO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ビスマス(Bi)、アパタイト、ガラス等の無機材料を挙げることができる。プレ鋳型粒子は、単一材料からなるものであってもよいし、複数の材料を混合した粒子であってもよい。また、予め2種類以上の材料を混練、混合し、造粒、分級した粒子でもよい。
プレ鋳型粒子の調製方法は特に限定されないが、例えば、転動造粒、流動層造粒、撹拌造粒、解砕・粉砕造粒、圧縮造粒、押出造粒、融着造粒、混合造粒、噴霧冷却造粒、噴霧乾燥造粒、沈澱・析出造粒、凍結乾燥造粒、懸濁凝集造粒、滴下冷却造粒等の物理的造粒法を用いて造粒することができる。必要に応じて分級を実施する。プレ鋳型粒子が市販品として入手できる場合は、それを使用してもよい。
プレ鋳型粒子の粒径の範囲は特に限定されないが、通常、10nm~10μm程度である。粒径が10μmを超えるとプレ鋳型粒子が溶媒に分散しないことがある。なお、プレ鋳型粒子の形状は、特に限定されないが、通常、球形状、若しくは概ね球形状である。中空のナノ粒子連結触媒3の形状は、前述したように、プレ鋳型粒子の形状により調節することができる。
次いで、プレ鋳型粒子の表面に第1の極性を有するコーティング層を被覆させた鋳型粒子35(図3(a)参照)の水分散液を調製する。鋳型粒子35は、コーティング層が被覆されているので、プレ鋳型粒子より粒子径が大きくなる。コーティング層の厚みは、特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜設定することができる。コーティング層は、必ずしもプレ鋳型粒子の表面全体に亘って被覆されている必要はなく、被覆されていない領域があってもよい。
プレ鋳型粒子へのコーティング層の被覆方法は特に限定されないが、静電結合により被覆する方法が簡便である。プレ鋳型粒子が負に帯電している粒子の場合、正に帯電しているコーティング層を被覆することができる。また、プレ鋳型粒子が正に帯電している粒子の場合、負に帯電しているコーティング層を被覆することができる。負に帯電しているコーティング層にさらに正に帯電しているコーティング層を被覆することも可能である。
コーティング層としては、鋳型粒子35が第1の極性を発現できるものであればよく、特に限定されないが、好適な例として、イオン性ポリマー(カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー)を挙げることができる。上記イオン性ポリマーとして、荷電を有する官能基を主鎖、又は側鎖に持つ高分子を挙げることができる。正の電荷を有するイオン性ポリマーとしては、一般に、4級アンモニウム基、アミノ基などの正荷電を帯びているか、若しくは帯びることのできる官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジンなどである。一方、負の電荷を有するイオン性ポリマーとしては、一般的に、スルホン酸、硫酸、カルボン酸など負電荷を帯びているか、帯びることのできる官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニル硫酸(PVS)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸などである。これらの工程を経て、工程(a)の鋳型が形成される。
得られた水分散液のゼータ電位は、第1の極性がプラスの場合には+5mV以上とすることが好ましい。+5mV未満では、鋳型粒子35が水中で凝集沈降してしまう恐れがある。上限は特に限定されないが、通常、+80mV以下である。一方、第1の極性がマイナスの場合には、上記と同様の理由から、-5mV以下とすることが好ましい。また、下限は特に限定されないが、通常-80mV以上である。
[工程(A-2)]
次に、鋳型粒子35表面にカプセル状のナノ粒子連結触媒3の骨格をなすコア部32を形成するために金属系ナノ粒子の材料を吸着、若しくはその場で成長させる。これにより、金属系ナノ粒子36(触媒粒子の前駆体を含んでいてもよい)(図3(b)参照)が付着した鋳型粒子を得る。具体的には、鋳型粒子35の均一な分散液中で、コア部32を形成するための材料を溶解させた溶液を加え、これらを鋳型粒子35に吸着、若しくはその場で成長させる。金属系ナノ粒子は、鋳型粒子35の表面の第1の極性とは反対の極性を有する第2の極性のものを用いる。
金属系ナノ粒子の形状は特に限定されず、用途や目的に応じて不定形粉末、扁平状粉末、球状粉末、棒状粉末等を適宜選定できる。金属系ナノ粒子がブレンドの場合には、複数の形状のものが混在していてもよい。また、金属系ナノ粒子内には、後述する加熱工程において、除去される成分が含まれていてもよい。
金属系ナノ粒子の平均粒径は特に限定されないが、1nm以上とすることが好ましく、比表面積、若しくは質量あたりの触媒活性向上の観点から50nm以下とすることが好ましい。金属系ナノ粒子の平均粒径は、比表面積、若しくは質量あたりの触媒活性向上の観点から25nm以下とすることがより好ましく、15nm以下とすることが特に好ましい。触媒ナノ粒子の粒子径は、小さくても高い触媒能を有する材料が好ましい。触媒ナノ粒子の好ましい材料としては、前述したコア部32で例示した材料が挙げることができる。触媒ナノ粒子以外の金属系ナノ粒子の平均粒径の好ましい範囲も、同様である。
[工程(A-3)]
続いて、工程(A-2)により得た金属系ナノ粒子付鋳型に対し、金属系ナノ粒子を連結させてネットワーク状のコア部を形成する。ナノ粒子が連結したネットワーク状の構造は、ナノ粒子同士が接触して電子伝導性を確保されていればよく、特に限定されないが、耐久性を高める観点から融着している構造が好ましい。
ナノ粒子同士を連結させてネットワーク状のコア部を形成する方法として、加熱処理する方法が挙げられる。加熱条件としては、金属系ネットワーク構造を形成できれば特に限定されないが、水熱反応やアルコール熱反応を例示できる。具体的には、密閉した容器のエタノール中の条件で、200~450℃、30分~210分等の条件が例示できる。加熱処理により、図3(c)に示すような金属系ネットワーク構造34が形成される。
水熱反応やアルコール熱反応は、亜臨界状態としたり、超臨界状態としたりしてもよい。亜臨界または超臨界状態の水中における水熱反応の条件としては、特に限定されない。鋳型材料の種類、大きさ、及び金属系ナノ粒子36におけるナノ粒子の被覆率に応じて適宜選定する。粒子径約300nmのシリカ微粒子の場合、例えば、330℃、20MPa、反応時間3時間等とすることができる。
加熱処理を行った後に、図4(a)に示すように、更に、シリカ被覆を行ってもよい。シリカ被覆の方法は、加熱処理して得たナノ粒子連結骨格をシリカ層で被覆できればよく、特に限定されない。例えば、得られたナノ粒子連結骨格を、常温でシリカ源のオルトケイ酸テトラエチルをアンモニア水中に数時間撹拌することにより得る方法が例示できる。シリカ源は、3-アミノプロピルトリエトキシシランやメチルトリエトキシシランを用いてもよい。また、シリカ源をリジンやアルギニンなどの塩基性アミノ酸水溶液中で撹拌することによっても得ることができる。シリカ層の厚みは特に限定されないが、例えば、1~100nm程度である。
シリカ被覆を行った後に加熱処理を更に行うことにより、コア部の合金化を促進させたり、原子配列規則構造の規則度を高めることができる。シリカ層37を被覆することにより、加熱処理の際にナノ粒子連結骨格の金属触媒同士が融着するのを抑制し、金属系ネットワーク構造であるナノ粒子連結骨格を維持しつつ、合金化や原子配列規則構造の規則度を高めることができる。熱処理は、合金化、または原子配列規則構造の規則度を高められればよく特に限定されない。例えば、H/N雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下で、300~1300℃、30分から10時間程度、熱処理を行う。より好ましくは400~1100℃であり、更に好ましくは500~900℃である。工程(A-1)において、シリカ層37を形成することにより、熱処理時の凝集を抑制し、ナノ粒子の連結骨格を維持しつつ、合金化や原子配列規則構造の規則度を高めることができる。
また、上記工程(A-3)において、最初の加熱処理前にシリカ被覆を行ってもよい(図4(b)参照)。工程(A-3)において、このようにシリカ層37の形成後にネットワーク状のコア部を形成するための加熱処理を行うことにより、付着した金属系ナノ粒子36同士の凝集を効果的に防止できる。また、ネットワーク状のコア部形成後、続いて合金化や原子配列規則構造の規則度を高めるための加熱処理を連続して行うことができる(図4(c)参照)。これらの工程は同時に行ってもよい。
加熱処理の方法は、金属系ネットワーク構造を形成でき、且つナノ粒子連結骨格の合金化や原子配列規則構造の規則度を高められれば特に限定されない。加熱処理条件は一の加熱処理条件で行う他、複数の条件を行うことができる。例えば、ナノ粒子連結骨格を形成するために最適な加熱処理を行い、次いで原子配列規則構造の規則度を高めるために最適な加熱処理を2段階以上に分けて行うことができる。
シリカ層37を予め形成しておくことにより金属系ナノ粒子同士の凝集を効果的に抑制できるので、常圧で加熱処理する方法においてもナノ粒子連結骨格を形成することが容易である。勿論、シリカ層を形成する場合も亜臨界又は超臨界の状態で加熱処理することもできる。加熱処理は、合金化や原子配列規則構造の規則度を高められればよく特に限定されない。例えば、H/N雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下で、300~1300℃、30分から10時間程度、熱処理を行う。加熱温度は、より好ましくは400~1100℃であり、更に好ましくは500~900℃である。シリカ層37を予め形成することにより、熱処理時の凝集を抑制し、ナノ粒子の連結骨格を維持しつつ、原子配列規則構造の規則度を高めることが可能となる。
[工程(A-4)]
工程(A-3)の後、シリカ層37および鋳型粒子35を溶出処理する。これにより、図3(d)に示すような中空のナノ粒子連結触媒3が得られる。溶出処理方法は目的を達成できればよく特に限定されないが、NaOH水溶液等のアルカリ処理によりシリカ層37および鋳型粒子35を除去する方法が例示できる。
[工程(B)]
工程(B)は、工程(A)で得られたコア部の少なくとも一部の表層に、少なくとも金属を被覆してシェル層を形成する工程であり、好適な製造方法として、(i)液相で、イオン化傾向の低い金属に置換させることによりシェル層を形成する方法、または(ii)金属を前記コア部表層に直接析出させてシェル層を形成する方法を例示できる。
(i)は、2種の金属のイオン化傾向の差を利用した置換反応である。具体例として、ガルバニック置換(galvanic displacement)法が例示できる。例えば、電位を0.3V(vs.RHE)に保持することでコア部表層に銅単原子層を形成し、このコア粒子を含む液相(懸濁液)を、銅よりもイオン化傾向の低い例えばイリジウム置換槽に流下させて、イリジウムイオンを含むイリジウム水溶液に混合する。これにより、懸濁液に含まれるコア部の銅層の銅を、ガルバニック置換法により、イリジウム水溶液のイリジウムに置換し、コア部表面にイリジウムのシェル層が形成されたナノ粒子連結触媒を得ることができる。コア部表層の銅単原子層の形成は、Cu UPD(アンダーポテンシャルデポジション)法を用いて行うことができる。
(ii)のコア部表面に、直接金属を析出させてシェル層を形成する方法としては、スパッタ法、蒸着法が例示できる。また、液相や気相中で低温還元により直接金属を析出させる方法が例示できる。電気化学的なCu UPD法を用いる(i)に比べて、コア部表面に直接金属を析出させる(ii)の方法は量産化に適したプロセスである。
上記工程を経て、図1に示すようなナノ粒子連結触媒3が得られる。通常、この球状のナノ粒子連結触媒3が集合し、互いに接触または/および融着して触媒層として用いられる。
上記特許文献4の合金を用いたナノ粒子連結触媒の製造方法において、本発明の工程(A-4)に相当するプロセスでナノ粒子連結触媒の表層に位置する原子(1層~数層)が主として第1金属原子から形成されるようにすることにより、酸素還元特性を高められることを報告した。しかしながら、上記特許文献4の方法によれば、合金にしか適用できないという問題点があった。一方、本発明のコアシェル型のナノ粒子連結触媒によれば、シェル層を新たに被覆させる方式のため、シェル層の層厚・被覆率を制御しやすいという利点を有する。更に、コア部が合金であるか否かを問わず、シェル層の材料をコア部の材料とは独立して選定できるという利点を有する。
本実施形態のナノ粒子連結触媒の製造方法によれば、コア部にシェル層を被覆させる方法を採用しているので、シェル層の制御が容易であり、活性の高いナノ粒子連結触媒を提供できる。また、コア部の金属種によらずにシェル層の金属を任意に選定できるので、用途等に応じた触媒を自在に設計できる。このため、貴金属やレアメタルを低減し、低コスト化を図ることもできる。また、上記(i)および(ii)の方法によれば、コア部のネットワーク状の骨格部にシェル層が形成されるので、中空カプセル状の中空構造、空隙を維持しつつ、触媒の活性を容易に高めることができるという優れた効果を有する。
<電極用触媒層>
本実施形態のナノ粒子連結触媒は、ナノ粒子連結触媒のみを触媒層として用いてもよいが、イオン伝導体と共に電極用触媒層として用いることもできる。
図5に、本実施形態に係る電極用触媒層の模式的な部分拡大図を示す。電極用触媒層2は、ナノ粒子連結触媒3と、このナノ粒子連結触媒3と少なくとも一部が接触するイオン伝導体4を有する。ナノ粒子連結触媒3の主として外側表面でイオン伝導体4と接触している。なお、ナノ粒子連結触媒3同士が接触および/又は融着して電子伝導性が確保されるが、図5の例においては説明の便宜上、一面に配置されるナノ粒子連結触媒3を図示しているので、図面上、ナノ粒子連結触媒3同士が接触および/又は融着していないものがある。
電極用触媒層2の厚みは、用途に応じて適宜設計することができる。ガスや液体の拡散性等の高効率化の観点からは薄くすることが好ましい。用いる燃料電池や水電解のタイプや触媒の種類により変動し得るが、直接メタノール型等の液体燃料系の燃料電池や、水素/酸素燃料電池等のガス燃料系の燃料電池などの各種燃料電池のガス拡散電極用触媒層の厚みは、10μm以下とすることが好ましい。特に水素/酸素燃料電池等においては、ガス拡散性をより高効率に高める観点から、電極用触媒層2の厚みは、2μm以下が好ましく、0.5μm以下とすることがさらに好ましい。
イオン伝導体4は、イオン伝導性を示すものであればよく、従来公知のものを使用できる。カチオン伝導体の場合には、通常、水素イオンを伝導するプロトン伝導体を用い、アニオン伝導体の場合には、通常、水酸化物イオンを伝導する水酸化物イオン伝導体が選定される。イオン伝導体4としては、イオン伝導性基を有する樹脂等を好適に用いることができる。例えば、フルオロカーボン系や炭化水素系のポリマーにスルホン酸基やアニオン交換基を導入したポリマー、酸性官能基を有するジルコニウム化合物等の無機プロトン伝導体、層状複水酸化物等の無機アニオン伝導体等が例示できる。酸性官能基としては、スルホン酸基、スルホ基、スルホニル基、リン酸基等を挙げることができ、ジルコニウム化合物としては、硫酸ジルコニウム、スルホフェニルホスホン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニア等が挙げられる。また、スルホン酸基を有するポリマーとしては、パーフルオロスルホン酸ポリマー(Nafion(登録商標)、フレミオン(登録商標)、アシプレックス(商品名)等)、SPES:ポリエーテルスルホン、SPEEK:スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、SPEK:スルホン化ポリエーテルケトン等が例示できる。
電極用触媒層2のイオン伝導体4の含有量は、イオン伝導性が確保でき、電気抵抗値が大きくなり過ぎることがない範囲であれば特に限定されない。電極用触媒層2には、イオン伝導体4以外のバインダー等の他の成分が含有されていてもよい。
ナノ粒子連結触媒3は、カプセル状の表面部において金属同士が接触または融着しているので電子伝導性を有する。ナノ粒子連結触媒3間の電子伝導性は、(1)互いに接触させることにより、電子伝導性を確保する方法、(2)互いに融着するように連結させる方法、および/又は(3)カプセル状のナノ粒子連結触媒3の導電性を補助するために、別の導電性粒子を添加する方法等が例示できる。前記(1)の方法としては、膜電極接合体を形成する際に、厚み方向の上方および下方から適切な圧力を加える方法が例示できる。適切な温度をかけてホットプレスすることが好ましい。前記(2)の方法としては、加熱処理の際に所望の形状となるように形成する方法や、加熱する段階でナノ粒子連結触媒3同士が融着するように接触させて処理を行う方法が例示できる。前記(3)の方法としては、導電性カーボン等の導電性粒子を添加する方法が挙げられる。この場合、ガスや液体の拡散を阻害しないように、適した粒子径を有する粒子を選定することが好ましい。例えば、粒子径がナノ粒子連結触媒3より小さいものや、ガス流通性に優れた多孔性のカーボン粒子が挙げられる。前記(1)~(3)は、単独で若しくは併用して用いることができる。
<電極触媒層の製造方法>
本実施形態に係る電極触媒層は、イオン伝導体が、ナノ粒子連結触媒と接触部位を有するように触媒層内に組み込む工程を有する。例えば、以下の(I)~(III)の少なくともいずれかの工程を経てイオン伝導体を含む電極触媒層を製造することができる。
(I)工程(A-1)によって組み込まれた鋳型に含まれている成分。
(II)前記鋳型に含まれている成分を前駆体として、変換することにより得られる成分。
(III)工程(A-4)の後に、新たに加えることにより導入する成分。
(III)の方法として、ナノ粒子連結触媒3にイオン伝導体4を加えて混練する方法や、イオン伝導体4を加熱溶融させて、ナノ粒子連結触媒3に絡ませる方法が例示できる。(I)~(III)を任意に併用する方法が例示できる。
<燃料電池・膜電極接合体>
図6は、本実施形態に係る固体高分子形燃料電池の要部の一例を示す模式的断面図である。固体高分子形燃料電池1は、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5、水素等の燃料ガスが供給されるアノードユニット10、および酸素が供給されるカソードユニット20を具備するセル6、並びに外部回路7等を有する。通常は、必要な出力に応じてセル6をスタックすることにより電池が構成される。
アノードユニット10は、アノード触媒層11、拡散層12、セパレータ13が固体高分子電解質膜(以下、高分子電解質膜)5側からこの順に配置され、カソードユニット20は、カソード触媒層21、拡散層22、セパレータ23が高分子電解質膜5側からこの順に配置されている。本実施形態においては、アノード触媒層11と拡散層12、およびカソード触媒層21と拡散層22がそれぞれ電極となる。但し、電極は、反応物である液体もしくはガス、電解質および触媒層が同時に接触できればよく、必ずしも拡散層12,22は用いなくてもよい。即ち、電極用触媒層をアノード触媒層11および/又はカソード触媒層21のみから構成することも可能である。また、一対の電極のうちのそれぞれの触媒層が、電解質膜と向かい合うように電解質膜に接合した構造を膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)8という。膜電極接合体は、少なくともアノード触媒層11とカソード触媒層21との間に固体高分子電解質膜5が配置されている。そして、アノード触媒層11およびカソード触媒層21の少なくとも一方に、本実施形態に係る電極用触媒層が用いられている。外部回路7は、アノードユニット10のアノード触媒層11、カソードユニット20のカソード触媒層21等に電気的に接続されている。
上記のように構成された固体高分子形燃料電池1は、アノードユニット10において水素等の還元性ガスやメタノール・ギ酸等の還元性液体が、セパレータ13のガス流路14から拡散層12を介してアノード触媒層11に供給される。一方、カソードユニット20においては、酸素あるいは空気等の酸化性ガスが、セパレータ23のガス流路24から拡散層22を介してカソード触媒層21に供給される。
還元性ガスとして水素ガスを、酸化性ガスとして酸素ガスを利用するカチオン交換型の場合には、アノード触媒層11において水素の酸化反応が生じ、水素イオンと電子とが生成される。生成された水素イオンは、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5を介してカソード触媒層21に移動する。一方、生成された電子は、外部回路7を経由してカソード触媒層21に移動する。カソードユニット20に到達した水素イオンおよび電子は、カソード触媒層21において酸素と反応して水を生成する。即ち、カソード触媒層21では、酸素の還元反応が生じる。還元反応により生成された水は、カソードユニット20の拡散層22から外部に排出されたり、高分子電解質膜5に供給されたりする。これらの一連の反応によって外部に電気が供給される。このようなカチオン交換型(酸型)の燃料電池の場合のシェル層の好適材料として、水素よりもイオン化傾向の低い金属である白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、金またはその合金等が例示できる。また、このときのコア部の好適材料として白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄、銀、金、銅、またはその合金等が例示できる。
一方、アニオン交換型(アルカリ型)の燃料電池の場合には、カソード触媒層21に水と酸素が供給され、水酸化物イオンが発生する。生成した水酸化物イオンは、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5を解してアノード触媒層11に移動する。そして、アノード触媒層側に到達した水酸化物イオンは、燃料と反応して水と電子を生成する。この燃料としては、水素、ギ酸、アルコール、アンモニアが例示できる。生成した電子は、外部回路7を経由してカソード触媒層21に移動する。これらの一連の反応によって外部に電気が供給される。このようなアニオン交換型(アルカリ型)の燃料電池の場合のシェル層の好適材料として、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、鉄、金、銀、銅から選択される金属またはその合金が例示できる。また、このときのコア部の好適材料として白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄、金、銀、銅、またはその合金等が例示できる。
高分子電解質膜5は、イオンを輸送可能であり、且つ電子伝導性を示さない材料で構成された膜であれば特に制限はない。カチオン交換膜の好適な例としては、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、スルホン化ポリフェニレン樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。アニオン交換膜の好適な例としては、水酸化物イオンを伝導する四級アンモニウム基やイミダゾリウム基を含むポリパーフルオロ樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂などが挙げられる。
アノード触媒層11およびカソード触媒層21の少なくとも一方に、前述した触媒層を電極用触媒層として用いる。
本実施形態のPEFCによれば、コア部とシェル層を自在に選定できるので、優れた耐久性と高いORR活性を両立するナノ粒子連結触媒を提供できる。本実施形態の電極用触媒層2によれば、本実施形態に係るナノ粒子連結触媒を用いることにより、優れた耐久性と高いORR活性を両立させることができる。また、厚みの主たる要因であるカーボン担体をフリーとすることにより、触媒層の厚みを薄くすることが可能となり、反応物である液体やガスの拡散距離を減少できるので、従来型のカーボン担体を用いた触媒層の高電流密度領域において問題となっていた物質移動律速の問題を解消し、高出力を実現できる。
<水電気分解装置>
次に、本実施形態のナノ粒子連結触媒を水電気分解装置に適用した例について説明する。本実施形態の水電気分解装置は、水を電気分解して水素と酸素を発生する水電気分解装置であって、電解質と、この電解質と接するアノード電極と、電解質と接し、アノード電極と外部回路を通じて接続される、水素ガスを発生するカソード電極とを備える。そして、アノード電極またはカソード電極の電解質と接する表面の少なくとも一部の触媒層(アノード触媒層およびカソード触媒層の少なくともいずれか一方)に、本実施形態のナノ粒子連結触媒を含む触媒層が用いられる。
図7に、本実施形態に係る水電気分解装置の要部の模式図の一例を示す。水電気分解装置50は、電解質として機能するイオン電導性を有する固体高分子形電解質膜55(以下、「電解質膜」ともいう)、水が供給されるアノード電極60、水素ガスが発生するカソード電極70を具備するセル56、並びに外部回路57を有する。通常、水電気分解装置50は、複数のセル56がスタックされている。なお、この例は一例であり、カソード電極側に水を供給する態様、アノード電極およびカソード電極の両方に水を供給する態様もある。カソード電極に水を供給した場合、アノード電極側には膜を透過した水が反応に使用されることになる。また、固体アルカリ水電解の場合は、水にKOHやKCOなどを加えた電解液を供給してもよい。
アノード電極60は、アノード触媒層61、拡散層62が電解質膜55側からこの順に配置され、カソード電極70は、カソード触媒層71、拡散層72が電解質膜55側からこの順に配置されている。そして、アノード電極60の外側にはセパレータ63、カソード電極70の外側にはセパレータ73が配されている。
電解質膜55には、カチオン交換膜(Cation Exchange Membrane(PEM))と、アニオン交換膜(Anion Exchange Membrane (AEM))がある。カチオン交換膜を用いる場合、図8の模式図に示すように、アノード側で、
O→2H+1/2O+2e
の反応が起こり、酸素ガスと水素イオンが発生する。そして、電子は外部回路57を通じてカソード電極70に供給される。一方、水素イオンは、電解質膜55を介してカソード電極70側に移動する。そして、カソード電極70側で
2H+2e→H
の反応が起こり、水素ガスが発生する。
一方、アニオン交換膜を用いる場合、図9に示すように、電解質膜55を介してアノード側に水酸化物イオン(OH)が移動する。そして、アノード側で
2OH→HO+1/2O+2e
の反応が起こる。即ち、酸素ガスが発生する。そして、電子は外部回路を介してカソード側に供給される。一方、カソード側では
2HO+2e→2OH+H
の反応が起こり、水素ガスが発生する。
本実施形態は、電解質膜55としてカチオン交換膜およびアニオン交換膜のいずれにも適用できる。
カチオン交換膜(酸型)の電解質膜55を用いる場合、シェル層としては、水素よりもイオン化傾向の低い金属を用いる。具体的には、Ir、Pt、Ru、Cu、Ag、Au、またはその合金等が好適に用いられる。コア部の材料は適宜選定できるが、好適な材料として白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄、金、銀、銅、またはその合金が例示できる。より好適な組合せとして、Irシェル-Ruコア、Irシェル-Niコア、Irシェル-Coコア、Ptシェル-Ruコア、Ptシェル-Niコア、Ptシェル-Coコア等が例示できる。
また、アニオン交換膜(アルカリ型)の電解質膜55を用いる場合、白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄、金、銀、銅、またはその合金等が好適に用いられる。コア部の材料は適宜選定できるが、好適な材料として白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄、金、銀、銅、またはその合金が例示できる。より好適な組合せとして、Niシェル-Coコア、Niシェル-Feコア、Irシェル-Ruコア、Irシェル-Niコア、Irシェル-Coコア、Ptシェル-Ruコア、Ptシェル-Niコア、Ptシェル-Coコア等が例示できる。
以下、カチオン交換膜を用いた場合について説明する。アノード電極60側に水を供給しながら両電極間に電圧を印加すると、水がアノード電極60で電気分解され、酸素および水素イオン(H)が生成する。この水素イオンは、電解質膜55を透過してカソード電極に移動し、ここで、外部回路57からの電子を受け取り水素ガスとなる。電解質膜55には、実質的に水素イオンのみを透過させる膜が好ましいが、水が移動する膜を用いてもよい。後者の場合には、カソード電極70側にも排水システムを構築する必要がある。
アノード電極60の電解質膜55と接する表面の少なくとも一部に、ナノ粒子連結触媒からなるアノード触媒層61が設けられている。アノード触媒層61は、ナノ粒子連結触媒単独でもよいが、更にイオン伝導体を有していてもよい。この場合、イオン伝導体も電解質膜55と共に電解質として機能する。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分を含めることができる。
カソード電極70を構成するカソード触媒層71としては、公知の触媒層を適宜用いることができるが、上述したナノ粒子連結触媒も好適に用いることができる。カソード触媒層71としてナノ粒子連結触媒を用いることにより、カーボン担持体に金属ナノ粒子を担持させた従来の触媒層に比して格段に厚みを薄くすることが可能になる。その結果、水電気分解装置のコンパクト化を実現できる。
アノード触媒層61とカソード触媒層71が、電解質膜55と向かい合うように電解質膜55に接合した構造を膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)58という。外部回路57により、アノード電極60のアノード触媒層61およびカソード電極70のカソード触媒層71等が電気的に接続されている。
カチオン交換膜を用いる場合、水電気分解装置50において、水は、アノード電極60側に供給される。通常、純水が用いられる。アノード電極60の主としてアノード触媒層61において水が電気分解され、水素イオンと酸素が生成する。上記のように構成された水電気分解装置50は、アノード電極60において酸素ガスがセパレータ63のガス流路64を介して排出される。生成された水素イオンは、イオン伝導性を有する電解質膜55を介してカソード触媒層71に移動する。一方、生成された電子は、外部回路57を経由してカソード触媒層71に移動する。カソード電極70に到達した水素イオンおよび電子は、カソード触媒層71において水素ガスとなる。これらの一連の反応によって、酸素ガスおよび水素ガスが生成する。
電解質膜55はイオンを輸送可能であり、且つ電子伝導性を示さない材料で構成された膜であれば特に制限はない。好適な例としては、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂や、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。
本実施形態のアノード触媒層61に、本実施形態で述べたナノ粒子連結触媒を好適に適用できる。アノード触媒層61を構成するナノ粒子連結触媒3は、単一種類でも、2種以上を混合して用いてもよい。ナノ粒子連結触媒3の粒径は特に限定されず、用途に応じて適宜選定することができる。ナノ粒子連結触媒3の粒径は、後述する鋳型粒子の大きさを制御することにより容易にコントロールできる。後述するプレ鋳型粒子のサイズを考慮すると、ナノ粒子連結触媒3の粒径は通常10nm以上となる。アノード触媒層61において、粒径の異なるものを複数混合してもよい。
触媒層の厚みは、用途に応じて適宜設計することができるが、プロトン伝導性の高効率化の観点からは薄くすることが好ましい。用いる水電気分解装置のタイプや触媒の種類により変動し得るが、スタック型の水電気分解装置のアノード触媒層61およびカソード触媒層71の厚みは、10μm以下とすることが好ましい。プロトン伝導性の高効率化を図る観点から、触媒層の厚みは、2μm以下が好ましく、0.5μm以下とすることがさらに好ましい。イオン伝導体4は、本実施形態で述べた例を好適に適用できる。
本実施形態の水電気分解装置によれば、アノード触媒層61およびカソード触媒層71の少なくともいずれか一方に本実施形態のナノ粒子連結触媒を用いることにより、ナノ粒子をカーボン担体に担持させている触媒層に比して薄膜化を図ることができる。また、金属ナノ粒子が互いに連結した構造を有するので、導電性を保持しながら空隙を有し、生成したガスを効率的に除去することができる。その結果、電極内部に気泡が蓄積することを抑制し、物質移動抵抗を低減でき、耐久性向上にもつながる。
アノード触媒層61のナノ粒子連結触媒3として、例えば、コア部がRuで、シェル層がIrのナノ粒子連結触媒を用いることにより、Ru単独のナノ粒子連結触媒を用いた場合に比べて耐久性が高く、酸素発生反応を効率的に促進でき、触媒活性を高められる。更に、空隙を有するナノサイズのネットワーク構造を有するナノ粒子連結触媒を用いることで、表面積を格段に高められる。このため、単位質量当たりの触媒効率を向上させることができるので、使用する貴金属量を低減でき、低コスト化を図ることも可能である。また、高活性であることから外部電力の削減も期待できる。例えば、コア部がRuでシェル層がPtなどの場合も上記と同様の効果が得られる。
<変形例>
ナノ粒子連結触媒3は、図10に示すようなロッド状としたり、図11に示すようなシート状としてもよい。また、楕円球形状、螺旋形状としたりしてもよい。電極用触媒層において、ナノ粒子連結触媒は1種を用いてもよいが、複数の形状を混合して用いてもよい。また、本実施形態のナノ粒子連結触媒は、メタンガスを水素ガスに改質する触媒等としても好適に用いられる。上記実施形態や変形例は、互いに好適に組み合わせられる。
≪実施例≫
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
正のゼータ電位を有する鋳型粒子を以下の方法により調製した。まず、プレ鋳型粒子であるシリカ粒子(直径0.30μm)0.16gと脱イオン水5mLを遠心分離機用のチューブに入れ、60分間超音波を照射し、シリカ粒子を分散させた。
次いで、35wt%ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)((以下、「PDDA」と略記する)水溶液12.0gと脱イオン水19gを遠心分離機用のチューブに入れた。また、シリカ粒子を分散させた懸濁液を加えて60分間超音波を照射し両溶液を混合した。25℃、回転数15,000rpmの条件で遠心分離を行い、上澄み液を捨てて脱イオン水による洗浄を3回繰り返した。これにより、脱イオン水に分散させたPDDA被覆シリカ粒子(鋳型粒子)の水分散液を得た。以後、このように調製したPDDA被覆シリカ粒子を「PDDA/SiO-OH」と表記する。
次いで、Ruナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子の合成を行った。テトラエチレングルコール(Sigma-Aldrich社製)30mL、上述した工程で得たPDDA/SiO-OH水分散液をPDDA/SiOの乾燥質量が0.12gとなるように100mLのナス型フラスコに加え、エバポレーションにより水を除去した。ナス型フラスコの内容物を、100mLのテトラエチレングルコールに溶解させた塩化ルテニウム(III)(Sigma-Aldrich社製)0.3192g(1.54mmol)を含む500mLの三口フラスコに加えた。さらに、20mLのテトラエチレングルコールでナス型フラスコを共洗いし、三口フラスコに加えた。得られた溶液は、約20時間、室温で撹拌を行った。その後、還流のためのセットを組立て、Ar/Hのガス雰囲気下にした後、室温で30分間撹拌した。その後、10K/minで230℃まで昇温して、230℃で2時間加熱した。室温まで放冷後、茶色い上清溶液を捨ててエタノールで洗浄する工程を5回繰返した。その後乾燥した。
得られたRuナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子のエタノール分散液を調整し、超音波処理を10分間行うことにより再分散させた。得られた分散液5mLを、HMD社製の密閉型超臨界反応容器(容積約10mL)に入れ、トルクレンチで密栓した。密栓した反応容器を400℃に予め加熱した電気炉に入れ、圧力約35MPaの条件下で80分の加熱処理を行った。その後、反応容器を水槽に入れ、急冷した。その後、反応容器の栓を開け、遠心分離機用のチューブに移し、遠心分離を用いてエタノールで洗浄する工程を5回繰返した後、乾燥した。
その後、3MのNaOH水溶液に分散させ、85℃で3時間撹拌することで、シリカテンプレートを溶解させ、除去した。その後、遠心分離を用いて脱イオン水で数回洗浄を行い、乾燥させた。得られたRuナノ粒子連結触媒は、ナノサイズのネットワークで形成された中空カプセル構造であった。
得られたRuナノ粒子連結触媒のコア部は、中空であり、平均粒子径が約300nmであることを確認した。また、コア部を透過型電子顕微鏡像(日立H8100透過型電子顕微鏡)により確認したところ、芯材のシリカ粒子が溶解して除去されていることを確認した。また、ナノ粒子同士が融着して、表面に空隙を有するナノ粒子連結構造を有していることを確認した。
次いで、コア部に回転ディスク電極(RDE)を用いてシェア層を形成した。具体的には、Ruナノ粒子連結触媒(結晶構造:hcp)の触媒インク(溶媒:0.01vol%のNafionを含む25vol%、イソプロパノール水溶液)を2-3時間、超音波処理で分散後、グラッシーカーボン電極上に塗布した。電極上のRu担持量は10μg/cmとした。そして、Cu UPD(Cu underpotential deposition)法により、Cu単原子層をコア部表層に形成させた後、CuとIrをガルバニック置換することでIrからなるシェル層を形成した。これらの電気化学操作には、ELECTROCHEMICAL MEASUREMENT SYSTEM HZ-7000(北斗電工(株))、およびDYNAMIC ELECTRODE CONTROLLER HR-502(北斗電工(株))を用いた。対極は白金電極とし、参照電極は可逆水素電極(RHE)とした。
前処理として、N飽和0.1MのHSO水溶液中、0.1-1.0V(vs.RHE),500mV/sで100サイクル、サイクリックボルタンメトリー(CV)を掃引した。N飽和0.1MのHSO水溶液中、0~0.01V(vs.RHE),0.1mV/sで10サイクル、CVを掃引した。
その後、N飽和0.1MのHSO水溶液中、0.1-0.9V(vs.RHE),10mV/sで3サイクル、CVを掃引した。次いで、N飽和0.1MのHSO+2mMのCuSO水溶液中で100秒間0.3V(vs.RHE)でコア部の金属触媒表面にCuを単層析出させた。
次いで、N飽和0.1MのHSO+1mMのNaIrCl水溶液中に、CuのUPD形成後の電極を90分間含侵し、Ruのコア部に、Irのシェル層が形成されたコアシャル型のナノ粒子連結触媒を得た。
(実施例2)
シェル層としてIrを用いる代わりにPtを用いた以外は実施例1と同様の方法により、Ruのコア部に、Ptのシェル層が形成されたコアシャル型のナノ粒子連結触媒を得た。
(比較例1)
シェル層を形成しない以外は、実施例1と同様の方法により、Ruのナノ粒子連結触媒を得た。
(ナノ粒子連結触媒の構造評価)
STEM-EDX線分析(装置:日立ハイテクHD-2700)を用いて、実施例1のナノ粒子連結触媒のナノネットワーク部分をスキャンしたときの画像を図12に、元素(Ir,Ru,Cu,Si)組成・分布について元素ラインマッピング(図12のSTEM像の矢印で示した箇所)を評価した結果を図13に示す。図13より、CuとSiは検出限界以下であり、触媒合成の過程で用いられたこれらの元素が残存していないことを確認した。更に、Ir元素がナノネットワーク部分に観察され、コア部分のRu元素に比べて強度が低いことから、Ir元素は薄く、Ru元素表面を被覆したことが示唆される。
同様に、図14に、実施例2のナノ粒子連結触媒のナノネットワーク部分をスキャンしたときの画像を、図15に、元素(Pt,Ru,Cu,Si)組成・分布について元素ラインマッピング(図14のSTEM像の矢印で示した箇所)を評価した結果を示す。図15に示すように、CuとSiは検出限界以下であり、残存していなかった。さらに、Pt元素がナノネットワーク部分に観察され、コア部分のRuに比べて強度が低いことから、Ptは薄くRu表面を被覆したことが示唆された。このことから、Ruのコア部に、Ptシェル層を有するナノ粒子連結触媒の合成に成功したことが確認できた。
(触媒活性評価)
実施例1のIrシェル層を有するRuナノ粒子連結触媒を固体高分子形水電解アノード触媒として、酸電解液中での酸素発生反応(Oxygen evolution reaction: OER)活性を評価した。OERの反応式は、
酸素発生反応(OER):HO→1/2O+2H+2e
である。
OER活性評価は、実施例1および比較例1の触媒サンプルから得られた電極をそれぞれ作用電極とし、電極の前処理を行った。前処理は、窒素雰囲気下0.1M過塩素酸(HClO4)水溶液中で、対極に白金ワイヤを、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いて、0.05~1.5V(vs.RHE)の範囲を掃引速度50mV/s、室温で、CV(Cyclic voltammetry)サイクルを50回行った。
前処理後の電極を作用極に用いて、酸電解液中で酸素発生反応に対する触媒活性を評価した。電解液は窒素雰囲気下0.1M過塩素酸水溶液を、対極に白金ワイヤを、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いた。電極回転速度1600回転/分において、掃引速度10mV/s、室温で、1.2~1.6V(vs.RHE)の範囲でCVサイクルを行い、酸素発生反応活性を評価した。
図16に、実施例1および比較例1の3サイクル目のIRフリーOERカーブ(CVカーブの正方向と負方向の平均値)を示す。実施例1は比較例1よりも高い電流値が得られており、高いOER活性を示すことを確認した。Ru単体の場合、高電位でのCV測定で表面が不活性化し、低いOER活性を示したのに対して、表面にIrシェル層を形成することで、高電位に対して安定で、高いOER活性を示すことが示唆された。
続いて、Ptシェル層を有するRuナノ粒子連結触媒を固体高分子形水電解カソード触媒として、酸電解液中での水素発生反応(Hydrogen evolution reaction: HER)活性を評価した。水素発生反応(HER)は、
2H+2e→H
である。
HER活性評価は、実施例2および比較例1の触媒サンプルから得られた電極をそれぞれ作用電極とし、電極の前処理を行った。前処理は、窒素雰囲気下0.1M過塩素酸(HClO)水溶液中で、対極に白金ワイヤを、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いて、0.05~1.0V(vs.RHE)の範囲を掃引速度50mV/s、室温で、CV(Cyclic voltammetry)サイクルを10回行った。
[HER活性評価]
飽和0.1M過塩素酸(HClO)水溶液中、0.1~-0.5V(vs.RHE),の範囲を掃引速度10mV/s,室温で、1600rpmでCVを測定することで、HERに対する電流・電位曲線を評価した。
図17に10サイクル目のIRフリーHERカーブ(CVカーブの正方向と負方向の平均値)を示す。Ptシェル層を有するRuナノ粒子連結触媒である実施例2は、Ptシェル層を有しないRu連結触媒である比較例1よりも多く電流が得られており、高いHER活性を示すことを確認した。このことから、Ru単体よりもPtシェル層を有するコアシャル型のナノ粒子連結触媒の方がHER特性に優れることがわかる。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、Irシェル層を形成する前のRuナノ粒子連結触媒を得た。次いで、Ruナノ粒子連結触媒のコア部の表面に、以下の手順で、直接Irシェル層を形成した。即ち、300mL三口フラスコにRuナノ粒子連結触媒(25mg)とテトラエチレングリコール100mLを加え、超音波洗浄機を用いて分散させた。次いで、金属前駆体(Iridium(III) acetylacetonate)(東京化成工業社製)28.84mgを加え、マントルヒーターを用いて100℃に昇温し、1時間Arバブリングを行った。その後、1℃/minで230℃に昇温した後、230℃で1時間反応させ、IrをRuナノ粒子連結触媒表面上に析出させた。反応終了後に放冷および氷冷を用いて、反応溶液を常温に戻した。溶液を遠心管に入れ、遠心分離機を用いて15000rpmで10分間遠心分離を行い、その後上澄みを除去した。全量45mLとなるようにエタノールを加え、ボルテックスを用いて分散させた後、15000rpmで5分間遠心分離を行い、その後上澄みを除去した。遠心分離を用いてエタノールで洗浄する工程を5回繰返した後、乾燥することにより、実施例3に係るナノ粒子連結触媒を得た。
(ナノ粒子連結触媒の構造評価)
XRD(装置:リガクUltimaIV)を用いて、実施例3および比較例1のナノ粒子連結触媒の結晶構造を評価した結果を図18に示す。実施例3において、40°、47°付近のfcc Ir由来のピークは確認されないことから、Irナノ粒子は形成せず、薄いIrシェル層を形成したことが示唆された。
(触媒活性評価)
実施例3に係るナノ粒子連結触媒を固体高分子形水電解のアノード触媒として、回転ディスク電極(RDE)を用いて、酸電解液中での酸素発生反応(Oxygen evolution reaction: OER)活性を評価した。
実施例3の触媒インク(溶媒:0.01vol%のNafionを含む25vol%、イソプロパノール水溶液)を2-3時間、超音波処理で分散後、グラッシーカーボン電極上に塗布した。電極上のRu担持量は10μg/cmとした。
前処理は、窒素雰囲気下0.1M過塩素酸(HClO4)水溶液中で、対極に白金ワイヤを、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いて、0.05~1.5V(vs.RHE)の範囲を掃引速度50mV/s、室温で、CV(Cyclic voltammetry)サイクルを50回行った。
前処理後の電極を作用極に用いて、酸電解液中で酸素発生反応に対する触媒活性を評価した。電解液は窒素雰囲気下0.1M過塩素酸水溶液を、対極に白金ワイヤを、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いた。電極回転速度1600回転/分において、掃引速度10mV/s、室温で、1.2~1.6V(vs.RHE)の範囲でCVサイクルを行い、酸素発生反応活性を評価した。
図19に、実施例3および比較例1のナノ粒子連結触媒の3サイクル目のIRフリーOERカーブ(CVカーブの正方向と負方向の平均値)を示す。実施例3は比較例1よりも高い電流値が得られており、高いOER活性を示すことを確認した。Ru単体の場合、高電位でのCV測定で表面が不活性化し、低いOER活性を示したのに対して、表面にIrシェル層を形成することで、高電位に対して安定で、高いOER活性を示すことが示唆された。
1 固体高分子形燃料電池
2 電極用触媒層
3 ナノ粒子連結触媒
4 イオン伝導体
5、55 高分子電解質膜
6、56 セル
7、57 外部回路
10 アノードユニット
11、61 アノード触媒層
12,22 拡散層
13、63 セパレータ
14、64 ガス流路
20 カソードユニット
21、71 カソード触媒層
23、73 セパレータ
24、74 ガス流路
31 空隙
32 コア部
33 シェル層
34 金属系ネットワーク構造
35 鋳型粒子
36 金属系ナノ粒子
37 シリカ層
50 水電気分解装置
60 アノード電極
70 カソード電極

Claims (10)

  1. 金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部を形成し、
    前記コア部の少なくとも一部の表層に、金属を含むシェル層を被覆する工程を有する、
    コアシェル型のナノ粒子連結触媒の製造方法。
  2. 前記シェル層は、
    (i)液相中で、イオン化傾向の低い金属に置換させることにより形成する方法、および
    (ii)金属を直接析出させることにより形成する方法、
    のいずれか一方により形成する請求項1に記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
  3. 金属系ナノ粒子が連結したネットワーク状のコア部と、
    前記コア部の少なくとも一部が被覆され、前記金属系ナノ粒子を構成する金属とは異なる金属を含むシェル層とを有する、コアシェル型の電子伝導性を有するナノ粒子連結触媒。
  4. 前記コア部および前記シェル層は、それぞれ独立に、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を含んでいてもよい、第3族~第12族の金属または合金である請求項3に記載のナノ粒子連結触媒。
  5. 前記シェル層は、窒素、酸素、燐、硫黄および錫元素の少なくとも1種を含んでいてもよい、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Auから選択される金属および合金の少なくとも1種を含む請求項3又は4に記載のナノ粒子連結触媒。
  6. 形状が、中空カプセル状、ロッド状およびシート状の少なくともいずれかである請求項3~5のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒。
  7. 請求項3~6のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒と、
    前記ナノ粒子連結触媒と少なくとも一部が接触するイオン伝導体とを具備する電極用触媒層。
  8. アノード触媒層とカソード触媒層との間に固体高分子電解質膜が配置された膜電極接合体であって、
    前記アノード触媒層および前記カソード触媒層の少なくとも一方に、請求項7に記載の電極用触媒層を用いる膜電極接合体。
  9. 請求項8に記載の膜電極接合体を具備する燃料電池。
  10. 水を電気分解して水素と酸素を発生する水電気分解装置であって、
    電解質と、
    前記電解質と接するアノード電極と、
    前記電解質と接し、前記アノード電極と外部回路を通じて接続される、水素ガスを発生するカソード電極とを備え、
    前記アノード電極の前記電解質と接する表面の少なくとも一部に、請求項3~6のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒を含むアノード触媒層が用いられる水電気分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024086397A1 (en) * 2022-10-18 2024-04-25 Plug Power Inc. Sputtering-based catalyst deposition on particles for membrane electrode assembly (mea) catalyst layer

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