JP7113422B2 - ナノ粒子連結触媒の製造方法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 (1)平成29年9月6日 化学工学会第49回秋季大会の講演要旨ウェブサイトに掲載 (2)平成29年9月20日開催 化学工学会第49回秋季大会ポスターにて発表
本発明は、ナノ粒子連結触媒およびその製造方法に関する。また、前記ナノ粒子連結触媒を用いたガス拡散電極用触媒層、膜電極接合体および燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(polymer electrolyte fuel cell、PEFC)は、エネルギー変換効率の高さ、小型化の観点から注目を集め、燃料電池自動車、定置用コーンジェネレーションシステム、可搬電源、情報機器用電源等への応用が期待されている。固体高分子形燃料電池の特性向上には、電極(アノードおよびカソード)に配設される触媒層の性能向上が不可欠となる。このため、触媒層について精力的な研究開発が行われ、多数の提案がなされてきた。
非特許文献1、2においては、カーボン担体上に、原子配列規則構造を持つ白金鉄合金、白金コバルト合金ナノ粒子を担持した触媒が報告されている。また、非特許文献3においては、白金鉄合金ナノ粒子触媒において、酸化マグネシウムで被覆後、熱処理を行うことにより金属の原子配列規則構造を高められるという報告がなされている。しかし、担持体としてカーボンを用いると、PEFCの起動停止によりカーボンが腐食して電池性能が大幅に低下するという問題がある(非特許文献4)。
本発明者らは、先般、PEFC用触媒層材料として、金属系ナノ粒子が連結したナノ粒子連結触媒を開発した(非特許文献5,特許文献1)。この触媒は、例えば多孔性の中空カプセル形状で、金属触媒同士が融着したネットワーク構造を形成しているため、導電性を有しながらナノサイズの結晶子径を維持でき、且つカーボン担体を必要としないという特徴を持つ。この触媒は、市販のカーボン担持白金ナノ粒子触媒と比較して、酸素還元反応(ORR)に対するORR表面比活性が約9倍高いことを明らかにした。また、カーボン腐食を加速させる起動停止耐久性試験において優れた耐久性を示すことを報告した。
非特許文献6,7には、カーボンフリーのナノ構造体触媒として、Ptナノ鎖(nanochain)、白金コバルト合金ナノワイヤーなどが報告されている。
特開2015-92464号公報
J. Kim et al.,J. Am. Chem. Soc.,2010,132,4996-4997, D. Wang et al.,Nat. Mater.,2013,12,81-87 Q. Li et al.,Nano letters,2015,15,2468-2473. Y. Hashimasa et al.,ECS Trans.,2012,50,723-732. T. Yamaguchi et al.,Energy Environ. Sci.,8,3545-3549 (2015). H. Wang et.al.,Chem. Commun.,2011,47,3407-3409, S.M. Alia et al.,ACS Catal.,2014,4,2680-2686
PEFCの更なる普及には、触媒層の改善、特に酸素還元反応(ORR)の起こるカソード触媒層の改善による性能・耐久性の向上が不可欠である。上記特許文献1のPEFC用カーボン担体フリー触媒層材料を用いることにより、カーボン腐食を加速させる起動停止耐久性試験において耐久性を大幅に改善することができたが、金属の溶出を加速させる負荷応答耐久性試験における耐久性を改善する技術が強く求められている。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、負荷応答サイクルに対する耐久性に優れるナノ粒子連結触媒およびその製造方法、ガス拡散電極用触媒層、膜電極接合体並びに燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]: 所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程(a)と、
前記鋳型表面に、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有する触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させて金属系ナノ粒子付鋳型を得る工程(b)と、
前記金属系ナノ粒子付鋳型に対し、
(I)燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の金属原子の合金からなるナノ粒子連結骨格を加熱処理により形成し、次いで表面の少なくとも一部をシリカ層により被覆後、加熱処理により前記ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高める工程、および
(II)シリカ層により表面の少なくとも一部を被覆した後、加熱処理により、燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の金属原子の合金からなるナノ粒子連結骨格を形成し、且つ当該ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高める工程、
のいずれか一方を行う工程(c)と、
工程(c)後に、前記鋳型と前記シリカ層を除去する工程(d)とを具備するナノ粒子連結触媒の製造方法。
[2]: 前記ナノ粒子連結触媒は、カプセル状、ロッド状およびシート状の少なくともいずれかである[1]に記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
[3]: 前記工程(d)は、500℃~1300℃である[1]又は[2]に記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
[4]: 前記ナノ粒子連結骨格は、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステンおよびマンガンから選択される2種類以上を含む合金からなる[1]~[3]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
[5]: 前記ナノ粒子連結骨格の表層に位置する原子が主として第1金属原子から形成されるように、工程(d)の工程の処理条件を調整する[1]~[4]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
[6]: [1]~[5]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒の製造方法によって得られるナノ粒子連結触媒。
[7]: 焼結体よりなり、ナノ粒子が連結して燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子とは異なる種類の金属で、前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなる原子配列規則構造をとり、原子配列規則構造の規則度が0.5以上であるナノ粒子連結骨格を有する電子伝導性を示すナノ粒子連結触媒。
[8]: カプセル状触媒、ロッド状触媒およびシート状触媒の少なくともいずれかである[7]に記載のナノ粒子連結触媒。
[9]: 前記ナノ粒子連結骨格は、前記ナノ粒子連結骨格は、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステンおよびマンガンから選択される2種類以上を含む合金からなる[7]又は[8]に記載のナノ粒子連結触媒。
[10]: [7]~[9]のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒と、
前記ナノ粒子連結触媒と少なくとも一部が接触するイオン伝導体とを具備するガス拡散電極用触媒層。
[11]: アノード触媒層とカソード触媒層との間に固体高分子電解質膜が配置された膜電極接合体であって、
前記アノード触媒層および前記カソード触媒層の少なくとも一方に、[10]に記載のガス拡散電極用触媒層を用いる膜電極接合体。
[12]: [11]に記載の膜電極接合体を具備する燃料電池。
本発明によれば、負荷応答サイクルに対する耐久性に優れるナノ粒子連結触媒およびその製造方法、ガス拡散電極用触媒層、膜電極接合体並びに燃料電池を提供できるという優れた効果を奏する。
第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒の一例を示す模式図。 第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造工程の一例を示す説明図。 第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造工程の一例を示す説明図。 第1実施形態に係る固体高分子形燃料電池の要部の一例を示す模式的断面図。 第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図。 第3実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図。 第3実施形態に係るMEAの模式的な説明図。 第4実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な説明図。 実施例1のシリカ被覆粒子の透過型電子顕微鏡像。 実施例1~3、比較例1のナノ粒子連結触媒の透過型電子顕微鏡像。 実施例5のナノ粒子連結触媒の透過型電子顕微鏡像。 比較例2のナノ粒子連結触媒の透過型電子顕微鏡像。 実施例1~3、比較例1の粉末サンプルのXRD測定結果を示す図。 実施例5、比較例1の粉末サンプルのXRD測定結果を示す図。 実施例1、2の電極のCV曲線。 実施例4、比較例1の電極のCV曲線。 実施例5、比較例1の電極のCV曲線。 実施例1、2の電極のLSV曲線。 実施例4、比較例1の電極のLSV曲線。 実施例5、比較例1の電極のLSV曲線。 耐久性試験に適用したFCCJプロトコルの説明図。 実施例2の電極における耐久性試験前後のCV曲線を比較した図。 実施例2の電極における耐久性試験前後のLSV曲線を比較した図。 実施例4の電極における耐久性試験前後のCV曲線を比較した図。 実施例4の電極における耐久性試験前後のLSV曲線を比較した図。 実施例2,4、比較例1,3を用いて作製したサンプルの耐久性試験回数に対して質量活性をプロットした図。 実施例2,4、比較例1,3を用いて作製したサンプルの耐久性試験回数に対してORR表面比活性をプロットした図。 実施例2,4、比較例1を用いて作成したサンプルの耐久性試験回数に対してORR表面比活性を示す図(初期値に対して規格化)。 実施例2のサンプルのEDXラインマッピング。 実施例4のサンプルのEDXラインマッピング。 比較例1のサンプルのEDXラインマッピング。 実施例2,4および比較例1,3のサンプルを用いた電極の初期質量活性と10,000サイクル後の質量活性を比較したグラフ。 実施例2,4および比較例1,3のサンプルを用いた電極の初期ORR表面比活性と10,000サイクル後のORR表面比活性を比較したグラフ。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。また、本明細書において特に言及していない本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。以下、本発明に係るナノ粒子連結触媒およびその製造方法について、固体高分子形燃料電池に適用した実施形態を例として説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造方法は、少なくとも以下の工程を有する。即ち、
工程(a):所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程、
工程(b):鋳型表面に、第1の極性とは反対の第2の極性を有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させて金属系ナノ粒子付鋳型を得る工程、
工程(c):金属系ナノ粒子付鋳型に対し、
(I)燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の金属原子の合金からなるナノ粒子連結骨格を加熱処理により形成し、次いで表面の少なくとも一部をシリカ層により被覆後、加熱処理により前記ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高める工程、および
(II)シリカ層により表面の少なくとも一部を被覆した後、加熱処理により、燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の金属原子の合金からなるナノ粒子連結骨格を形成し、且つ前記ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高める工程、
のいずれか一方を行う工程、
工程(d):工程(c)後に、前記鋳型と前記シリカ層を除去する工程
を有する。
第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒は、燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子とは異なる種類の金属種で、且つ第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなり、原子配列規則構造を有するナノ粒子連結骨格からなる。ここで原子配列規則構造とは、結晶中で規則正しく配列している粒子の三次元的配列を表した結晶格子といい、超格子構造とも表記される。例えば、L10型fct構造やL12型fcc構造が例示できる(RSC Adv.,2016、6,3307-3325参照)。
図1に、ナノ粒子連結触媒の一例の模式図を示す。第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒は、カプセル状触媒30からなる。図1に示すように外郭が概ね球状のナノ粒子連結骨格31を成し、その内部は中空構造となっている。ナノ粒子連結骨格31は、金属同士が融着したネットワーク状構造をとり、電子伝導性を有する。
ナノ粒子連結骨格31には、多数の空隙33が形成されている。空隙33は、輪郭を画定するカプセル状触媒30の内部と外部とを連通するように形成されている。ナノ粒子連結骨格31の空隙率は特に限定されない。ナノ粒子連結骨格31を維持でき、電子伝導性を確保できる範囲であればよく、用途や求められるニーズに応じて適宜設計することができる。触媒の量が要求される用途等の場合には、例えば、空隙を1%程度とすることができる。また、ナノ粒子連結骨格31の強度が構造由来で高い場合等には、例えば、空隙を90%程度とすることができる。
カプセル状触媒30の外郭の厚みは特に限定されないが、好ましくは2nm以上、50nm以下である。カプセル状触媒30の厚みを2nm以上とすることにより、構造欠陥を抑制して安定した製造を行うことができる。なお、ナノ粒子連結触媒3の形状は、特に限定されるものではなく、後述する鋳型粒子の形状を制御することにより形状を自在に設計できる。例えば、楕円球形状、後述する第3実施形態のような円筒状のロッド状、第4実施形態のようにシート状としたり、螺旋形状としたりすることが可能である。また、単一種類から構成しても、2種以上を複数融合して構成してもよい。
ナノ粒子連結骨格31は、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステンおよびマンガンから選択される2種類以上を含む合金からなる。第1金属原子としては白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウムが好ましい。これらのうち特に好ましくは白金である。第2金属原子としては白金、コバルト、ニッケル、パラジウム、鉄、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステン、マンガンが好ましい。これらのうち特に好ましくは、鉄、コバルト、ニッケル、銅である。合金の好ましい例としては、白金-鉄合金、白金-コバルト合金、白金-銅合金、白金-鉄-コバルト合金、白金-鉄-ニッケル、白金-鉄-銅等の白金合金が例示できる。これらの白金合金の例では、白金が第1金属原子、その他の金属が第2金属原子になる。
第2金属原子を含ませた合金とすることにより、ナノ粒子連結触媒の第1金属原子層の結合距離や電子状態を変え、これによって第1金属の触媒活性を向上させることが可能となる。ナノ粒子連結骨格の好適な原子配列規則構造としては、fcc規則構造、fct規則構造等の超格子構造が挙げられる。
カプセル状触媒30の粒径は特に限定されず、用途に応じて適宜選定することができる。カプセル状触媒30の粒径は、後述する鋳型粒子の大きさを制御することにより容易にコントロールできる。後述するプレ鋳型粒子のサイズを考慮すると、カプセル状触媒30の粒径は通常10nm以上となる。ガス拡散電極用触媒層2において、粒径の異なるものを複数混合してもよい。
以下、工程(a)~(d)について図2、図3を用いつつ詳細に説明する。なお、以下の図面において同一の要素部材には同一の符号を付す。
[工程(a)]
まず、プレ鋳型粒子(不図示)の水分散液を調製する。プレ鋳型粒子の好適な材料としては、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニア(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、セリア(CeO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ビスマス(Bi)、アパタイト、ガラス等の無機材料を挙げることができる。プレ鋳型粒子は、単一材料からなるものであってもよいし、複数の材料を混合した粒子であってもよい。また、予め2種類以上の材料を混練、混合し、造粒、分級した粒子でもよい。
プレ鋳型粒子の調製方法は特に限定されないが、例えば、転動造粒、流動層造粒、撹拌造粒、解砕・粉砕造粒、圧縮造粒、押出造粒、融着造粒、混合造粒、噴霧冷却造粒、噴霧乾燥造粒、沈澱・析出造粒、凍結乾燥造粒、懸濁凝集造粒、滴下冷却造粒等の物理的造粒法を用いて造粒することができる。必要に応じて分級を実施する。プレ鋳型粒子が市販品として入手できる場合は、それを使用してもよい。
プレ鋳型粒子の粒径の範囲は特に限定されないが、通常、10nm~10μm程度である。粒径が10μmを超えるとプレ鋳型粒子が溶媒に分散しないことがある。なお、プレ鋳型粒子の形状は、特に限定されないが、通常、球形状、若しくは概ね球形状である。中空のカプセル状触媒30の形状は、前述したように、プレ鋳型粒子の形状により調節することができる。
次いで、プレ鋳型粒子の表面に第1の極性を有するコーティング層を被覆させた鋳型粒子35(図2(a)参照)の水分散液を調製する。鋳型粒子35は、コーティング層が被覆されているので、プレ鋳型粒子より粒子径が大きくなる。コーティング層の厚みは、特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜設定することができる。コーティング層は、必ずしもプレ鋳型粒子の表面全体に亘って被覆されている必要はなく、被覆されていない領域があってもよい。
プレ鋳型粒子へのコーティング層の被覆方法は特に限定されないが、静電結合により被覆する方法が簡便である。プレ鋳型粒子が負に帯電している粒子の場合、正に帯電しているコーティング層を被覆することができる。また、プレ鋳型粒子が正に帯電している粒子の場合、負に帯電しているコーティング層を被覆することができる。負に帯電しているコーティング層にさらに正に帯電しているコーティング層を被覆することも可能である。
コーティング層としては、鋳型粒子35が第1の極性を発現できるものであればよく、特に限定されないが、好適な例として、イオン性ポリマー(カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー)を挙げることができる。上記イオン性ポリマーとして、荷電を有する官能基を主鎖、又は側鎖に持つ高分子を挙げることができる。正の電荷を有するイオン性ポリマーとしては、一般に、4級アンモニウム基、アミノ基などの正荷電を帯びているか、若しくは帯びることのできる官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジンなどである。一方、負の電荷を有するイオン性ポリマーとしては、一般的に、スルホン酸、硫酸、カルボン酸など負電荷を帯びているか、帯びることのできる官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニル硫酸(PVS)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸などである。これらの工程を経て、工程(a)の鋳型が形成される。
得られた水分散液のゼータ電位は、第1の極性がプラスの場合には+5mV以上とすることが好ましい。+5mV未満では、鋳型粒子35が水中で凝集沈降してしまう恐れがある。上限は特に限定されないが、通常、+80mV以下である。一方、第1の極性がマイナスの場合には、上記と同様の理由から、-5mV以下とすることが好ましい。また、下限は特に限定されないが、通常-80mV以上である。
[工程(b)]
次に、鋳型粒子35表面にカプセル状触媒30の骨格をなすナノ粒子連結骨格31を形成するために金属系ナノ粒子の材料を吸着、若しくはその場で成長させる。これにより、金属系ナノ粒子36(触媒粒子の前駆体を含んでいてもよい)(図2(b)参照)が付着した鋳型粒子を得る。具体的には、鋳型粒子35の均一な分散液中で、カプセル状触媒30を形成するための材料を溶解させた溶液を加え、これらを鋳型粒子35に吸着、若しくはその場で成長させる。金属系ナノ粒子は、鋳型粒子35の表面の第1の極性とは反対の極性を有する第2の極性のものを用いる。
金属系ナノ粒子の形状は特に限定されず、用途や目的に応じて不定形粉末、扁平状粉末、球状粉末、棒状粉末等を適宜選定できる。金属系ナノ粒子がブレンドの場合には、複数の形状のものが混在していてもよい。また、金属系ナノ粒子内には、後述する加熱工程において、除去される成分が含まれていてもよい。
金属系ナノ粒子の平均粒径は特に限定されないが、1nm以上とすることが好ましく、比表面積、若しくは質量あたりの触媒活性向上の観点から50nm以下とすることが好ましい。金属系ナノ粒子の平均粒径は、比表面積、若しくは質量あたりの触媒活性向上の観点から25nm以下とすることがより好ましく、15nm以下とすることが特に好ましい。触媒ナノ粒子の粒子径は、小さくても高い触媒能を有する材料が好ましい。触媒ナノ粒子の好ましい材料としては、前述したカプセル状触媒30の材料が挙げることができる。触媒ナノ粒子以外の金属系ナノ粒子の平均粒径の好ましい範囲も、同様である。
[工程(c)]
続いて、工程(b)により得た金属系ナノ粒子付鋳型に対し、
(I)燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、この第1金属原子とは異なる種類の金属種で、且つ第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなるナノ粒子連結骨格を形成するための加熱処理を行い、次いで表面の少なくとも一部をシリカ層により被覆してから、ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高めるために加熱処理を行う工程、および(II)シリカ層により表面の少なくとも一部を被覆した後、燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、この第1金属原子とは異なる種類の金属種で、且つ第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなるナノ粒子連結骨格を形成し、且つ前記ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高めるために加熱処理を行う工程、
のいずれか一方を行う。
図2は、工程(I)のケースを図示したものである。(I)の場合、工程(c)において、まず加熱処理(焼結処理)を行う(図2(c)参照)。これにより、付着した金属系ナノ粒子36が焼結体に変換され、ナノ粒子連結骨格31が得られる。焼結体を得る方法としては、水熱反応やアルコール熱反応を例示できる。
加熱処理(焼結処理)の方法は、金属系ネットワーク構造を形成できれば特に限定されないが、水熱反応やアルコール熱反応により行うことが好ましい。水熱反応やアルコール熱反応は、亜臨界状態とすることが好ましく、超臨界状態とすることが特に好ましい。亜臨界、又は超臨界状態の水中における水熱反応の条件としては、特に限定されない。鋳型材料の種類、大きさ、及び金属系ナノ粒子36におけるナノ粒子の被覆率に依存する。粒子径約300nmのシリカ微粒子の場合、例えば、330℃、20MPa、反応時間3時間等とすることができる。超格子構造を形成する方法として、触媒ナノ粒子に鉄を含ませてアルコール熱反応を行う方法が例示できる。
(I)の場合、加熱処理(焼結処理)を行った後にシリカ被覆を行う(図2(d)参照)。シリカ被覆の方法は、加熱処理(焼結処理)して得たナノ粒子連結骨格をシリカ層で被覆できればよく、特に限定されない。例えば、得られたナノ粒子連結骨格を、常温でシリカ源のオルトケイ酸テトラエチルをアンモニア水中に数時間撹拌することにより得る方法が例示できる。シリカ源は、3-アミノプロピルトリエトキシシランやメチルトリエトキシシランを用いても良い。また、シリカ源をリジンやアルギニンなどの塩基性アミノ酸水溶液中で撹拌することによっても得ることができる。シリカ層の厚みは特に限定されないが、例えば、1~100nm程度である。
その後、得られたナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高めるために加熱処理を行う。シリカ層37を被覆することにより、加熱処理の際にナノ粒子連結骨格の金属触媒同士が融着するのを抑制し、金属系ネットワーク構造であるナノ粒子連結骨格を維持しつつ、原子配列規則構造の規則度を高めることができる。熱処理は、原子配列規則構造の規則度を高められればよく特に限定されない。例えば、H/N雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下で、500~1300℃、30分から10時間程度、熱処理を行う。より好ましくは600~1100℃であり、更に好ましくは700~900℃である。工程(c)において、シリカ層37を形成することにより、規則度を高めるための熱処理時の凝集を抑制し、ナノ粒子の連結骨格を維持しつつ、原子配列規則構造の規則度を高めることが可能となる。
図3は、工程(c)の(II)のケースを説明するための模式図である。(II)の場合、まずシリカ被覆を行う(図3(a)参照)。その後、燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子とは異なる種類の金属種で、且つ前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなるナノ粒子連結骨格を形成し、且つ前記ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高めるために加熱処理を行う(図3(b)参照)。このようにシリカ層37の形成後に加熱処理を行うことにより、付着した金属系ナノ粒子36同士の凝集を効果的に防止できる。
加熱処理の方法は、金属系ネットワーク構造を形成でき、且つナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高められれば特に限定されない。加熱処理条件は一の加熱処理条件で行う他、複数の条件を行うことができる。例えば、ナノ粒子連結骨格を形成するために最適な加熱処理を行い、次いで原子配列規則構造の規則度を高めるために最適な加熱処理を2段階以上に分けて行うことができる。
シリカ層37を予め形成しておくことにより金属系ナノ粒子同士の凝集を効果的に抑制できるので、常圧で加熱処理する方法においてもナノ粒子連結骨格を形成することが容易である。無論、(I)と同様に亜臨界又は超臨界の状態で加熱処理することもできる。加熱処理は、原子配列規則構造の規則度を高められればよく特に限定されない。例えば、H/N雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下で、500~1300℃、30分から10時間程度、熱処理を行う。加熱温度は、より好ましくは600~1100℃であり、更に好ましくは700~900℃である。シリカ層37を予め形成することにより、熱処理時の凝集を抑制し、ナノ粒子の連結骨格を維持しつつ、原子配列規則構造の規則度を高めることが可能となる。なお、規則度の範囲は得られるナノ粒子連結触媒の合金の種類により変わり得るものであり、特定の数値範囲に限定されるものではない。
[工程(d)]
工程(c)の後、シリカ層37および鋳型粒子35を溶出処理する。これにより、図2(e)に示すような中空のカプセル状触媒30が得られる。溶出処理方法は目的を達成できればよく特に限定されないが、NaOH水溶液等のアルカリ処理によりシリカ層37および鋳型粒子35を除去する方法が例示できる。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、ナノ粒子連結骨格の表層の構造によって、燃料電池の触媒として用いたときに酸素還元特性が変動することを突き止めた。換言すると、ナノ粒子連結触媒の表面構造を適切に制御することが活性向上に重要であることがわかった。具体的には、ナノ粒子連結骨格の表層に位置する原子(1層~数層)が主として第1金属原子から形成されるようにすることにより、酸素還元特性を高められることがわかった。第1金属の表層に位置する原子の状態は、工程(d)でアルカリ処理を行う場合には、そのアルカリ処理の濃度や時間等の条件を変更することにより容易に調整できる。
工程(d)の鋳型粒子35およびシリカ層37を除去する際の処理条件により、ナノ粒子連結骨格のORR質量活性やORR表面比活性が異なることもわかった。例えば、工程(d)でアルカリ処理を用いるのであれば、温和な条件でアルカリ処理(例えば、1M以上、5M以下のNaOH水溶液等で処理)することにより、表層の第1金属原子のリッチ層によって高いORR活性を示す。一方、強いアルカリ条件で処理した場合(例えば、5M越え、12M以下等のNaOH水溶液等で処理した場合)には、温和なアルカリ処理に比べて、表層の第1金属原子リッチ層により低いORR活性を示す。
上記工程により図1に示すようなカプセル状触媒30が得られる。このカプセル状触媒30は、互いに接触または/および融着したナノ粒子連結触媒3として用いられる。
第1実施形態のナノ粒子連結触媒の製造方法によれば、図1に示すようなカプセル状触媒を作製するに際して、シリカ層で被覆して加熱処理するという簡便な方法により、金属触媒同士の融着を防止して、金属間ネットワーク構造を維持しながら、金属原子配列規則構造の規則度を高めることができる。また、ナノ粒子を連結してネットワーク化したカプセル状触媒30を用いることにより、触媒として利用できる表面積を高めることができる。
第1実施形態のナノ粒子連結触媒は、イオン伝導体と共にガス拡散電極層を形成し、これを燃料電池等の触媒として好適に適用できる。以下、第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒を固体高分子形燃料電池に適用した例について説明する。
[燃料電池]
図4は、第1実施形態に係る固体高分子形燃料電池の要部の一例を示す模式的断面図である。固体高分子形燃料電池1は、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5、水素等の燃料ガスが供給されるアノードユニット10、および酸素が供給されるカソードユニット20を具備するセル6、並びに外部回路7等を有する。通常は、必要な出力に応じてセル6をスタックすることにより電池が構成される。
アノードユニット10は、アノード触媒層11、ガス拡散層12、セパレータ13が固体高分子電解質膜(以下、高分子電解質膜)5側からこの順に配置され、カソードユニット20は、カソード触媒層21、ガス拡散層22、セパレータ23が高分子電解質膜5側からこの順に配置されている。ここで、ガス、電解質、触媒層が同時に接触できる電極をガス拡散電極という。第1実施形態においては、アノード触媒層11とガス拡散層12、およびカソード触媒層21とガス拡散層22がそれぞれガス拡散電極となる。但し、ガス拡散電極は、前述した様に、ガス、電解質および触媒層が同時に接触できればよく、必ずしもガス拡散層12,22は用いなくてもよい。即ち、ガス拡散電極用触媒層をアノード触媒層11および/又はカソード触媒層21のみから構成することも可能である。また、一対のガス拡散電極のうちのそれぞれの触媒層が、電解質膜と向かい合うように電解質膜に接合した構造を膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)8という。外部回路7は、アノードユニット10のアノード触媒層11、カソードユニット20のカソード触媒層21等に電気的に接続されている。
上記のように構成された固体高分子形燃料電池1は、アノードユニット10において水素等の還元性ガスが、セパレータ13のガス流路14からガス拡散層12を介してアノード触媒層11に供給される。一方、カソードユニット20においては、酸素あるいは空気等の酸化性ガスが、セパレータ23のガス流路24からガス拡散層22を介してカソード触媒層21に供給される。
還元性ガスとして水素ガスを、酸化性ガスとして酸素ガスを利用するカチオン交換型の場合には、アノード触媒層11において水素の酸化反応が生じ、水素イオンと電子とが生成される。生成された水素イオンは、イオン伝導性を有する高分子電解質膜5を介してカソード触媒層21に移動する。一方、生成された電子は、外部回路7を経由してカソード触媒層21に移動する。カソードユニット20に到達した水素イオンおよび電子は、カソード触媒層21において酸素と反応して水を生成する。即ち、カソード触媒層21では、酸素の還元反応が生じる。還元反応により生成された水は、カソードユニット20のガス拡散層22から外部に排出されたり、高分子電解質膜5に供給されたりする。これらの一連の反応によって外部に電気が供給される。
高分子電解質膜5は、イオンを輸送可能であり、且つ電子伝導性を示さない材料で構成された膜であれば特に制限はない。好適な例としては、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂や、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。
以下、アノード触媒層11およびカソード触媒層21として用いるガス拡散電極用触媒層について詳述する。なお、以下に詳述するガス拡散電極用触媒層は、アノード触媒層11とカソード触媒層21の両方に用いることは必須ではなく、少なくとも一方に用いられていればよい。
図5に、第1実施形態に係るガス拡散電極用触媒層の模式的な部分拡大図を示す。ガス拡散電極用触媒層2は、ナノ粒子連結触媒3と、このナノ粒子連結触媒3と少なくとも一部が接触するイオン伝導体4を有する。第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒3は、金属のナノ粒子連結骨格を有するカプセル状触媒30からなる。カプセル状触媒30の主として外側表面でイオン伝導体4と接触されている。なお、カプセル状触媒30同士が接触および/又は融着して電子伝導性が確保されるが、図5の例においては説明の便宜上、一面に配置されるカプセル状触媒30を図示しているので、図面上、カプセル状触媒30同士が接合および/又は融着していないものがある。
ガス拡散電極用触媒層2の厚みは、用途に応じて適宜設計することができるが、ガス拡散性の高効率化の観点からは薄くすることが好ましい。用いる燃料電池のタイプや触媒の種類により変動し得るが、直接メタノール型等の液体燃料系の燃料電池や、水素/酸素燃料電池等のガス燃料系の燃料電池などの各種燃料電池のガス拡散電極用触媒層の厚みは、10μm以下とすることが好ましい。特に水素/酸素燃料電池等においては、ガス拡散性をより高効率で高める観点から、ガス拡散電極用触媒層の厚みは、2μm以下が好ましく、0.5μm以下とすることがさらに好ましい。
イオン伝導体4は、イオン伝導性を示すものであればよく、従来公知のものを使用できる。カチオン伝導体の場合には、通常、水素イオンを伝導するプロトン伝導体を用い、アニオン伝導体の場合には、通常、水酸化物イオンを伝導する水酸化物イオン伝導体が選定される。イオン伝導体4としては、イオン伝導性基を有する樹脂等を好適に用いることができる。例えば、フルオロカーボン系や炭化水素系のポリマーにスルホン酸基やアニオン交換基を導入したポリマー、酸性官能基を有するジルコニウム化合物等の無機プロトン伝導体、層状複水酸化物等の無機アニオン伝導体等が例示できる。酸性官能基としては、スルホン酸基、スルホ基、スルホニル基、リン酸基等を挙げることができ、ジルコニウム化合物としては、硫酸ジルコニウム、スルホフェニルホスホン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニア等が挙げられる。また、スルホン酸基を有するポリマーとしては、パーフルオロスルホン酸ポリマー(Nafion(登録商標)、フレミオン(登録商標)、アシプレックス(商品名)等)、SPES:ポリエーテルスルホン、SPEEK:スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、SPEK:スルホン化ポリエーテルケトン等が例示できる。
ガス拡散電極用触媒層2のイオン伝導体4の含有量は、イオン伝導性が確保でき、電気抵抗値が大きくなり過ぎることがない範囲であれば特に限定されない。ガス拡散電極用触媒層2には、イオン伝導体4以外のバインダー等の他の成分が含有されていてもよい。
カプセル状触媒30は、カプセル表面部において金属同士が融着しているので電子伝導性を有する。カプセルと他のカプセルとの電子伝導性は、(1)カプセル状触媒30同士を接触させることにより、電子伝導性を確保する方法、(2)カプセル状触媒30同士を粒子間で互いに融着するように連結させる方法、および/又は(3)カプセル状触媒30の粒子間の導電性を補助するために、別の導電性粒子を添加する方法等が例示できる。前記(1)の方法としては、膜電極接合体を形成する際に、厚み方向の上方および下方から適切な圧力を加える方法が例示できる。適切な温度をかけてホットプレスすることが好ましい。前記(2)の方法としては、後述する焼結処理の際に所望の形状となるように形成する方法や、焼結体を形成する段階でカプセル状触媒30の粒子間が融着するように接触させて処理を行う方法が例示できる。前記(3)の方法としては、導電性カーボン等の導電性粒子を添加する方法が挙げられる。この場合、ガス拡散を阻害しないように、適した粒子径を有する粒子を選定することが好ましい。例えば、粒子径がカプセル状触媒30より小さいものや、ガス流通性に優れた多孔性のカーボン粒子が挙げられる。前記(1)~(3)は、単独で若しくは併用して用いることができる。また、第1実施形態の製造方法により得られたナノ粒子連結触媒によれば、燃料電池のガス拡散電極層に用いたときの負荷応答サイクルに対する耐久性を格段に高めることができる。
<ガス拡散電極触媒層の製造>
第1実施形態に係るガス拡散電極触媒層は、以下の工程を経て製造される。但し、本発明のガス拡散電極触媒層の製造方法は以下の製造方法に限定されるものではない。
イオン伝導体が、ナノ粒子連結触媒と接触部位を有するように触媒層内に組み込む工程を有する。このイオン伝導体は、下記(i)~(iii)の少なくともいずれかである。
(i)工程(a)によって組み込まれた鋳型に含まれている成分。
(ii)前記鋳型に含まれている成分を前駆体として、変換することにより得られる成分。
(iii)工程(d)の後に、新たに加えることにより導入する成分。
得られたナノ粒子連結触媒に、イオン伝導体の少なくとも一部が接触部位を有するように組み込む。イオン伝導体は、前述した様な無機粒子、高分子等のイオン伝導性バインダーあるいはこれらの複合材料が好適に用いられる。組み込む方法は、ナノ粒子連結触媒3にイオン伝導体4を加えて混練する方法や、イオン伝導体4を加熱溶融させて、ナノ粒子連結触媒3に絡ませる方法が例示できる。なお、工程(d)の後に実施される場合に限定されず、前述の(i)(ii)の方法により組み込む方法や、(i)~(iii)を任意に併用する方法が例示できる。
第1実施形態のPEFCによれば、優れた負荷応答耐久性と高いORR活性を両立するナノ粒子連結触媒を提供できる。第1実施形態のガス拡散電極用触媒層2によれば、ナノ粒子連結触媒の原子配列規則構造の規則度を高めることにより、優れた負荷応答耐久性と高いORR活性を両立させることができる。また、ナノ粒子を連結してネットワーク化したカプセル状触媒30を用いることにより、触媒として利用できる表面積を高めることができる。また、厚みの主たる要因であるカーボン担体をフリーとすることにより、触媒層の厚みを薄くすることが可能となる。その結果、ガス拡散距離を減少させ、ガス拡散速度を高めることができるので、従来型のカーボン担体を用いた触媒層の高電流密度領域において問題となっていたガス拡散律速の問題を解消し、高出力を実現できる。また、カーボン腐食の影響を受けないので、起動停止サイクルを改善することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るナノ粒子連結触媒は、焼結体よりなり、ナノ粒子が連結して燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、この第1金属原子とは異なる種類の金属で、第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子の少なくとも2種類の合金からなる原子配列規則構造をとり、原子配列規則構造の規則度が0.5以上であるナノ粒子連結骨格を有する電子伝導性を示す触媒である。
第1実施形態で述べた通り、規則度の範囲は得られるナノ粒子連結触媒の合金の種類により変わり得るものであり、特定の数値範囲に限定されるものではないが、規則度を0.5以上にすることにより、より優れた触媒特性が得られる。第2実施形態に係るナノ粒子連結触媒は、第1実施形態に係るナノ粒子連結触媒の製造方法により得ることができる。
原子配列規則構造の規則度は以下の数式(1)を用いて求めることができる(S.A. Majetich et al.,J. Magn. Magn. Mater.,2004,284,336‐341、P. Andre et al.,J. Magn. Magn. Mater.,2016,417,442‐450、Y.Kinemuchi et al.,Dalton Trans.,2016,45,10936‐10941参照)。
Figure 0007113422000001
但し、IFは原子配列規則構造と不規則構造を含む基本ピークの強度を示し、Isは原子配列規則構造に由来するピーク強度であり、obsはナノ粒子連結触媒の実測値、bulkは規則度S=1の実測値または理論値を示す。例えば、fct規則構造を有するPtFeの例では、IFは(111)のピーク強度を示し、Isは(110)のピーク強度を示す。
第2実施形態に係るナノ粒子連結触媒によれば、この触媒をPEFCに適用した際に優れた負荷応答耐久性と高いORR活性を両立するナノ粒子連結触媒を提供できる。
[第3実施形態]
第3実施形態のガス拡散電極用触媒層は、ナノ粒子連結触媒3がロッド状触媒からなる点において、カプセル状触媒30を用いた前述の実施形態とは相違するが、基本的な構成は、第3実施形態と同様である。
図6に、第3実施形態のガス拡散電極用触媒層2の一例を模式的に示した部分拡大図を、図7に、第3実施形態のガス拡散電極用触媒層と、これに挟持された電解質膜の模式図を示す。ガス拡散電極用触媒層2は、図6、図7に示すように、ロッド状触媒40とイオン伝導体4を有する。
ロッド状触媒40は、図6に示すように概ね筒状のナノ粒子連結骨格41を成し、その内部にはイオン伝導体4が配設されている。ナノ粒子連結骨格41は、金属同士が融着したネットワーク状構造を取り、電子伝導性を有する。
ナノ粒子連結骨格41には、多数の空隙43が形成されており、空隙43は、輪郭を画定するロッド状触媒の内部と外部とを連通するように形成されている。ナノ粒子連結骨格41の空隙率の好ましい範囲は第1実施形態と同様である。図6の例においては、一のロッド状のガス拡散電極用触媒層2を例示しているが、実際には、複数本のロッド状触媒40によりシート状構造が形成されている。
ロッド状触媒40の外郭を構成する厚みは特に限定されないが、好ましくは2nm以上、50nm以下である。ロッド状触媒40の厚みを2nm以上とすることにより、構造欠陥を抑制し安定した製造を行うことができる。なお、ロッド状触媒40の長さや形状は特に限定されるものではなく、鋳型の形状を制御することにより、適宜設計することができる。
イオン伝導体4は、触媒層において良好なイオン伝導性を実現するために、ロッド状触媒40の内部のみではなく、ロッド状触媒40のナノ粒子連結骨格41に形成された空隙43やロッド状触媒40の外側にも連続して形成されていることが好ましい。
ロッド状触媒40の好ましい材料やイオン伝導体4は、第1実施形態と同様のものを例示できる。ロッド状触媒40の長さ、および切り口端面の粒径は特に限定されず、用途に応じて適宜設計できる。ロッド状触媒40の形状やサイズは、鋳型の形状やサイズを制御することにより容易にコントロールできる。例えば、端面の直径が5nm~1μm程度のロッド状触媒40を複数、同一方向に連接させる態様や、ランダムに配設させる構造を例示できる。ロッド状触媒は、単層で用いても複数層で用いてもよい。複数層とする場合は、強度を増すために、層間で異なる方向に延在するように配置してもよい。また、高分子電解質膜5の主面に対してロッド状触媒40の長軸方向が、水平配向、垂直配向、又はランダム配向等とすることができる。また、ロッド状触媒40と第1実施形態のカプセル状触媒30をブレンドして用いることも可能である。
第3実施形態のガス拡散電極用触媒層2によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ナノ粒子でネットワーク化したロッド状触媒40を用いることにより触媒として利用できる表面積を高めつつ、機械強度を高めることができる。また、ロッド状に連結されているので、より安定した電子伝導性を確保できる。
[第4実施形態]
第4実施形態のガス拡散電極用触媒層は、ナノ粒子連結触媒3がシート状触媒である点において、前述の実施形態と相違するが、以下に説明する以外の基本的な構造及び製造方法は、前述の実施形態と同様である。
図8に、第4実施形態のシート状のガス拡散電極用触媒層2の模式図を示す。第4実施形態に係るガス拡散電極用触媒層2は、ナノ粒子連結触媒とイオン伝導体がシート状に面内および厚み方向に連続的に配設されている。即ち、シート状触媒から成るナノ粒子連結触媒は、網目状のシート構造を成し、金属同士が融着して電子伝導性を有する。そして、このシート状触媒と接触するようにイオン伝導体が分散配置されている。シート状触媒の厚みは特に限定されず、用途や求められる性能に応じて適宜設計し得るが、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。シート状触媒の厚みを薄くすることにより、構造欠陥を抑制し安定した製造を行うことができる。
シート状のナノ粒子連結触媒を得る方法としては、表面が第1の極性を有するフィルムやシートを鋳型とし、これに第2の極性を有する触媒ナノ粒子を含浸させて金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させ、これを焼結処理することにより得られる。表面が第1の極性を有するフィルムやシートは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されないが、好適な例として不織布を例示できる。
不織布の構成材料としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において特に限定されないが、シリカファイバーやジルコニアファイバー等が好ましい例として例示できる。この場合、不織布を鋳型とし、これらの不織布が第1の極性を有するように表面処理を行った後に、第2の極性を有する触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させて焼結処理を行えばよい。イオン伝導体4は、シリカファイバーやジルコニアファイバー等に予めイオン伝導性官能基等を組み込む方法(i)、および/又は焼結処理後に、これらの繊維にイオン伝導性官能基を組み込む方法(ii)を例示できる。
また、不織布として、焼結処理、又は焼結処理後に除去可能な素材を用いることも可能である。この場合、得られたシート状のナノ粒子連結触媒に、イオン伝導体4を絡ませることによりガス拡散電極用触媒層が得られる。
第4実施形態の方法によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、ガス拡散電極用触媒層の形成工程の簡便化を図ることができるというメリットがある。また、シート状にナノ粒子連結触媒を構築するので、電子伝導効率、表面積を高めることができる。また、厚みを薄くすることも可能である。
以上、第1~第4実施形態について説明したが、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。また、上記実施形態は好適に組み合わせることができる。上記においては、本発明に係るナノ粒子連結触媒を用いて固体高分子形燃料電池に適用する例について説明したが、各種の燃料電池に好適に適用できる。さらに、燃料電池以外においても、ナノ粒子連結触媒が用いられる用途全般に適用することができる。また、本発明のナノ粒子連結触媒は、前述したとおりカーボン担体フリーでの利用を実現することができるものであるが、カーボン担体を用いることを排除するものではない。
≪実施例≫
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(工程(a))
正のゼータ電位を有する鋳型粒子を以下の方法により調製した。まず、遠心チューブにシリカ粒子(KE-P30:日本触媒製)160mg、RO水5mLを加え、攪拌後、超音波洗浄機で60分攪拌した。また、別の遠心チューブにポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)(以下、PDDA、Sigma-Aldrich製)12g、RO水19mLを加え、ボルテックスを用いて、数分間攪拌した(工程1)。
次いで、シリカが分散した水溶液をPDDA水溶液の入った遠心チューブに加え、攪拌後、超音波洗浄機で60分攪拌した(工程2)。その後、回転数15000rpmで5分間遠心分離を行い、上澄みを除いた(工程3)。そして、全量が25mLになるようにRO水を加え、ボルテックス、超音波洗浄機を用いて分散させ、回転数15000rpmで5分間遠心分離を行い、上澄みを除いた。この洗浄操作を3回繰り返し、余分なPDDAを取り除いた(工程4)。これにより、RO水に分散させたPDDA被覆シリカ粒子(鋳型粒子)の水分散液を得た。以後、このように調製したPDDA被覆シリカ粒子を「PDDA/SiO」と表記する。
その後、RO水を5mL加え、PDDAが吸着したシリカ(以下、PDDA/SiO)を分散させた(工程5)。そして、250μLを予め秤量しておいた容器に加え、90℃の電気炉で溶媒を蒸発させた後、再度秤量することでPDDA/SiOの白色懸濁液中の単位体積当たりの重量濃度を算出した。
(工程(b))
次いで、PtFeナノ粒子吸着PDDA被覆シリカ粒子の合成を行った。三口フラスコにテトラエチレングリコール(TEG)100mL、アセチルアセトナト鉄(III)(Iron(III) acetylacetonate)240.0mgとアセチルアセトナト白金(II)(Platinum(II) acetylacetonate)241.92mgを加え、超音波洗浄機とスターラーを用いて攪拌し、金属前駆体を溶解させた(工程6)。その後、ナスフラスコにTEG30mLを加え、更に、前述の工程5により得られたPDDA/SiOの溶液を120mgになるように加え、エバポレーターを用いてRO水を除去した(工程7)。
その後、工程6の溶液中に工程7の溶液を加えた。共洗いにTEG20mLを用いた。その後、20時間以上室温で撹拌し、還流のためのセットを組立て、Ar/Hのガス雰囲気下にした後、室温で30分攪拌した。その後、230℃,2時間還流を行った(工程8)。
室温まで放冷後、遠心分離を行って上澄みを除去し、エタノールで洗浄する工程を3回行った。その後、乾燥させることにより白金鉄合金ナノ粒子/PDDA/SiO粒子を得た(工程9)。
(工程c[(I)プロセス])
5mLのエタノールに、得られた白金鉄合金ナノ粒子/PDDA/SiOを300mg分散させ、オートクレーブ(体積11mL)に移し、トルクレンチを用いて密閉した。予め330℃に加熱しておいた電気炉にオートクレーブを素早く入れ、180分加熱した。加熱終了後、オートクレーブを水槽に入れ、十分に冷却した。オートクレーブを開け、遠心分離(室温、回転数4700rpm、5分間)後、上澄みを取り除いた。この洗浄操作を3回行い、エタノールを用いてサンプル管に移し60℃で乾燥させることで粉末の白金鉄合金ネットワーク/SiOを得た(工程10)。
続いて、30mLスクリュー管瓶に白金鉄合金ネットワーク/SiO約30mg、RO水1.16mL加え、超音波洗浄機を用いて5分ほど攪拌した。次いで、攪拌した白金鉄合金ネットワーク/SiOにEtOH8mL、アンモニア水0.4mLを加え、更に攪拌した。その後、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を0.2mL加え、360分室温で攪拌を行った。
続いて、遠心チューブに移し、回転数15000rpmで5分間遠心分離し、上澄みを除去した。全量が40mLになるようにエタノールを加え、ボルテックスと超音波洗浄機を用いて分散させた後、上記と同様に遠心分離、上澄みを除去した。この洗浄操作を3回繰り返し、その後乾燥させ、SiO被覆/白金鉄合金ネットワーク/SiOを得た。図9に、シリカ被覆/PtFeネットワーク/SiO粒子の透過型電子顕微鏡(TEM、日立H8100透過型電子顕微鏡)像を示す。図9に示すように、滑らかなシリカ表面が全体に観察され、触媒表面上をシリカが被覆していることを確認した。また、TEM像からシリカ層は触媒表面上を約50nm被覆していることを確認した。
続いて耐熱皿に、50-300mgのSiO被覆/白金鉄合金ネットワーク/SiOをのせ、チューブ炉を用いて、H/N(=3/10)雰囲気下、60分かけて昇温を行い、熱処理を行った。加熱処理温度は700℃、3時間とした。その後、室温で十分に冷却した後、SiO被覆/白金鉄合金ネットワーク/SiOを得た。
(工程(d))
100mLテフロン(登録商標)ビーカーに10MのNaOH水溶液30mL、SiO被覆/白金鉄合金ネットワーク/SiOを加え、90℃で180分間加熱攪拌し、SiOを溶解させた。次いで、遠心チューブに移し、回転数4700rpmで5分間遠心分離後、上澄みを取り除いた。その後、全量が40mLになるようにRO水を加え、回転数4700rpmで5分間遠心分離後、上澄みを取り除いた。この洗浄操作を3回行い、エタノールを用いてサンプル管に移し、60℃で乾燥させることで、規則度を制御した白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。図10に、得られた中空カプセル形状のPtFe合金ナノ粒子連結触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す。
[実施例2]
工程(c)の(I)の加熱処理温度を800℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。
[実施例3]
工程(c)の(I)の加熱処理温度を900℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。
[実施例4]
工程(d)の水酸化ナトリウム水溶液の濃度を3Mに変更した以外は、実施例2と同様の方法により、白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。
[実施例5]
工程(c)において(II)のプロセスを適用した以外は、実施例2と同様の方法により、白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。具体的には、実施例2と同様に工程(b)を行い、その後、工程cを行った。
(工程(c)[(II)のプロセス])
30mLスクリュー管瓶に工程(b)で得られた粒子を約30mg、RO水1.16mL加え、超音波洗浄機を用いて5分ほど攪拌した。次いで、攪拌した白金鉄合金ナノ粒子/PDDA/SiOにEtOH8mL、アンモニア水0.4mLを加え、更に攪拌した。その後、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を0.2mL加え、360分室温で攪拌を行った。
続いて、遠心チューブに移し、回転数15000rpmで5分間遠心分離し、上澄みを除去した。全量が40mLになるようにエタノールを加え、ボルテックスと超音波洗浄機を用いて分散させた後、上記と同様に遠心分離、上澄みを除去した。この洗浄操作を3回繰り返し、その後乾燥させ、SiO被覆/白金鉄合金ナノ粒子/PDDA/SiOを得た。
その後、800℃、H/N中で3時間熱処理を行い、ナノ粒子連結骨格の形成と原子配列規則構造の形成を同時に行った。その後、室温で十分に冷却した後、SiO被覆/白金鉄合金ネットワーク/SiOを得た。
(工程(d))
100mLテフロンビーカーに3MのNaOH水溶液30mL、SiO被覆/白金鉄合金ネットワーク/SiOを加え、90℃で180分間加熱攪拌し、SiOを溶解させた。次いで、遠心チューブに移し、回転数4700rpmで5分間遠心分離後、上澄みを取り除いた。その後、全量が40mLになるようにRO水を加え、回転数4700rpmで5分間遠心分離後、上澄みを取り除いた。この洗浄操作を3回行い、エタノールを用いてサンプル管に移し、60℃で乾燥させることで、規則度を制御した白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。図11に、得られた中空カプセル形状のPtFe合金ナノ粒子連結触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す。
[比較例1]
工程(c)のシリカ被覆と加熱処理を行わなかった以外(超臨界処理は行っている)は、実施例2と同様の方法により白金鉄合金ナノ粒子連結触媒を得た。
[比較例2]
比較例1で得られた白金鉄合金ナノ粒子連結触媒に対して、工程(c)の熱処理をH/N(=3/10)雰囲気下、800℃、2時間を行い、比較例2を得た。
[比較例3]
Pt/C(田中貴金属工業社製、TEC10E50E)をそのまま用いた。比較例3の微粒子は、規則合金構造が観測されないことを確認した。
<TEM像>
図10に、比較例1および実施例1~3の触媒のTEM像を示す。同図に示すように、工程(c)の熱処理工程を行っていない比較例1と同様に、実施例1~3の触媒も、カプセル構造を維持しており、且つナノサイズのネットワーク構造も維持されていることを確認した。TEM像から熱処理温度の上昇に伴って、僅かにネットワーク太さが大きくなる傾向が観察された。
実施例5の触媒においても、図11に示すように中空カプセル状のナノ粒子連結ネットワーク構造が観察された。シリカ層を予め被覆することにより、工程(c)の超臨界処理等の特殊な装置を用いる加熱処理を行わずに、常圧で加熱処理を行うのみでナノ粒子が連結したナノサイズのネットワーク構造を形成することを見出した。
図12に、比較例2の触媒のTEM像を示す。同図に示すように、工程(c)のシリカ被覆を行わずに熱処理を行った比較例2は、触媒同士が融着・凝集してしまい、ネットワーク構造やカプセル構造が維持できなかった。
<XRD測定結果>
実施例1~3および比較例1の粉末サンプルについて、XRD(Ultima IV、Rigaku社製)測定(回折角の範囲:2θ=10~90°、スキャンスピード:2θ=1°/min)を行った。白金鉄合金ナノ粒子連結触媒における規則度Sは、以下の数式(2)を用いて求めた。規則度の計算には原子配列規則構造由来の33°付近の(110)のピーク強度I(100)と41°付近の(111)のピーク強度I(111)の比を用いて行った。なお、bulkのデータはPDF library card 03-065-9121を用いた。
Figure 0007113422000002
図13にXRD測定結果を、表1に規則度Sを示す。
Figure 0007113422000003
工程(c)の(I)のプロセスを行うことによって、図13に示すように、24°付近の(001)由来のピークと33°付近の(110)由来のピークが明瞭になることを確認した。これらのピークはfct(面心正方)原子配列規則構造を示している。また、2θ=40°付近の(111)面のピークが、比較例3の純白金の(111)面のピーク位置より高角側にシフトしていることから、合金化が起きていることを確認した。
工程(c)の(II)のプロセスを行うことによって、図14に示すように、24°付近の(001)由来のピークと33°付近の(110)由来のピークが明瞭になることを確認した。これらのピークはfct(面心正方)原子配列規則構造を示している。また、2θ=40°付近の(111)面のピークが、比較例3の純白金の(111)面のピーク位置より高角側にシフトしていることから、合金化が起きていることを確認した。
また、表1の結果より、工程(c)の(I)および(II)のいずれのプロセスにおいても、金属ネットワーク(ナノ粒子連結骨格)の規則度Sが向上することがわかる。特に、実施例2~5の800℃以上の熱処理条件では、工程(c)の熱処理を行っていない比較例1と比較して2倍近く規則度Sが上がることを確認した。また、高温での熱処理を行ったにも関わらず、ナノサイズのネットワーク構造が維持されており、シリカ被覆層が金属触媒の融着を抑制したと示唆される。
<電気化学的評価>
回転ディスク電極(RDE)法により、ナノ粒子連結触媒の電気化学的評価を行った。電気化学的評価には、アルミニウム粒子で研磨したグラッシーカーボン(幾何学的領域:0.196cm)電極を用いた。
(RDE電極の作製)
30mLのスクリュー管瓶に2.5-5.0mgの触媒、6.25mLの25vol%イソプロピルアルコール(IPA)水溶液、12.5μLのナフィオン(登録商標、5wt%、Sigma-Aldrich社製)を加えた。次いで、超音波洗浄機を用いて、冷却しながら1時間以上分散させた。その後、研磨したグラッシーカーボン電極上に、調製した触媒インクを10μL滴下した。これを、乾燥させることにより触媒が担持された電極を作製した。
実施例1、2、4、5および比較例1の触媒サンプルを作用電極とし、対極に白金ワイヤを用い、基準電極に可逆水素電極(RHE)を用いて、CV(Cyclic voltammetry)測定を行った。酸洗浄による前処理として、窒素雰囲気下の0.1Mの過塩素酸を電解液に用い、0.05~1.2V、掃引速度50mV/s、室温でCVサイクルを50回行った。酸洗浄を行った後、掃引速度20mV/sでCV測定を行い、電気化学的に活性な白金表面積(Electrochemical Surface Area;ECSA)を算出した。図15に実施例1、2の、図16に実施例4および比較例1の、図17に実施例5および比較例1の触媒を作用電極に用いたCV測定結果を示す。
また、実施例1、2、4、5および比較例1の触媒サンプルについて、以下の条件でLSV(Linear sweep voltammetry)測定を行い、酸素還元反応活性を算出した。具体的には、電極回転速度1600回転/分において、酸素雰囲気下で、電位走査を0.05Vから1.2Vへ掃引速度20mV/sで行い、電圧0.9Vにおける活性化電流値から、単位質量あたりにおける酸素還元反応活性(白金質量あたりの質量活性(Mass Activity(MA))を評価した。
図18に得られた実施例1、2のLSV測定結果を、図19に実施例4および比較例1の、図20に実施例5および比較例1のLSV測定結果を示す。更に、ECSAとMAから電気化学的に活性な白金表面積あたりの活性、ORR表面比活性(Specific Activity (SA))を算出した。その結果を表2に示す。表2には、比較例3の触媒について同様の実験を行ったときの結果も示す。
Figure 0007113422000004
工程(d)のアルカリ処理を10MのNaOHで行った実施例2に対して、3MのNaOHで処理を行った以外は同一条件の実施例4は、質量活性およびORR表面比活性が大幅に改善されることを確認した。これらの実施例4の値は、比較例1のそれらの値と同程度である。超臨界処理を行わずに、加熱処理のみでPtFeナノ粒子連結ネットワークを形成させた実施例5においても良好なORR表面比活性が得られた。
<負荷応答耐久性試験>
上記方法で作成した実施例1、2、4および比較例1の電極例の各サンプルについて、FCCJプロトコルに則り、以下の条件で触媒金属の溶出を加速する負荷応答耐久性試験を実施した。図21に、耐久性試験に適用したFCCJプロトコルの説明図を示す。0.6Vと1.0Vの負荷をそれぞれ3秒ずつかけたものを1サイクルとした。所定の電位サイクルを掃引後、上述した方法と同様にCV測定、LSV測定を行い、ECSA、質量活性、表面比活性を評価した。負荷応答電位サイクルは、酸電解液としてN飽和0.1MのHClO水溶液を用い、60℃で行った。
実施例2における初期と10000サイクル後のCVカーブを図22に、LSVカーブを図23に示す。また、実施例4における初期と10000サイクル後のCVカーブを図24に、LSVカーブを図25に示す。図26は実施例2、4および比較例1、3の触媒サンプルについて、耐久性試験を行った時の質量活性の変化をプロットした図である。また、図27は同サンプルについて、耐久性試験を行った時の表面比活性の変化をプロットした図である。
図22~25より、実施例2、実施例4ともに10000サイクル後も初期のCVカーブ、LSVカーブをほぼ維持することがわかった。図26より、初期の質量活性は実施例4、比較例1が高いが、10,000サイクル後においては800℃で焼成した規則度の高い実施例4のサンプルの質量活性が最も高いことがわかる。実施例2における初期の質量活性は低いものの、10,000サイクル後は比較例1、比較例3よりも高い値を示す。また、ORR表面比活性についても、図27より、実施例4、比較例1のサンプルが高い値を示すものの、10,000サイクル後においては実施例4のサンプルが最もORR表面比活性が高く、次いで実施例4が高いことがわかる。即ち、実施例2、4のサンプルは活性の保持率が高く、耐久性に優れることが確認できた。特に、実施例4は、初期の活性も高く、10,000サイクル後において最も高い触媒活性を示す。
図28に実施例2,4および比較例1の規格化したORR表面比活性をプロットした図を示す。これらの図より、約0.8の高い規則度を持つ実施例2,4のサンプルは、規則度の低い比較例1(規則度0.44)に比べて、ORR表面比活性の保持率(初期値に対するサイクル後のORR表面比活性で評価)が高いことがわかる。このことより、熱力学的に安定な原子配列規則構造(fct構造)をとることで鉄の溶出を抑制し、耐久性を向上できることが示唆される。
<EDXラインマッピング分析>
次に、EDXラインマッピング分析の結果について説明する。実施例2,4の触媒について、それぞれ(1)初期品、(2)酸洗浄後(0.1M、HClOaq.中N雰囲気下、掃引速度50mV/sでCV50サイクル)、(3)耐久性試験後(load サイクル 10000サイクル後)の3サンプルについて評価した。また、比較例1の触媒について、初期品、酸洗浄後の2サンプルについても測定した。図29に実施例2、図30に実施例4、図31に比較例1のEDXラインマッピングの図を示す。
図29、図30に示すラインマッピング分析の結果から、ナノ粒子連結触媒の規則度Sを高めることにより、負荷応答耐久性試験において鉄の溶出が大幅に抑制できることを確認した。具体的には、実施例2のナノ粒子連結触媒は、酸洗浄における鉄の溶出が抑制でき、10,000サイクル試験後においても溶出が僅かであることを確認できた。触媒表面上のPt層(Pt-リッチ層)の厚みを求めると、初期と酸洗浄後の厚みはほぼ変わらず、実施例2、4共に0.4nmであった。この厚みは約2白金原子層相当である。10,000サイクル後の白金リッチ層の厚みは、実施例2では0.5nm、実施例4では0.7nmであり、鉄の溶出抑制により、薄い白金リッチ層が維持できることを確認した。
一方、工程(d)の加熱処理を行っていない比較例1のナノ粒子連結触媒層のPt-リッチ層の厚みは酸洗浄後で0.8nmであった。これは、3-4白金原子層相当であり、上記実施例に比べてやや厚みがあることを確認した。これらの結果より、加熱処理によって規則度が向上したことにより、酸洗浄および耐久性試験において触媒表面からのFeの溶出が抑制できることが示唆される。負荷応答耐久性向上には、ナノ粒子連結触媒における高い規則度が重要であることが示唆される。
図32に実施例2,4および比較例1,3の初期品と10000サイクル後のORR質量活性の棒グラフを、図33に同サンプルのORR表面比活性の棒グラフを示す。工程(d)の加熱処理無しの比較例1においては、10,000サイクル後のORR表面比活性が初期の28%まで低下したが、実施例2ではORR表面比活性保持率が90%であり、顕著な耐久性の向上が確認できた。また、実施例2に比べてマイルドな条件でアルカリ処理を行った実施例4においても、ORR表面比活性保持率が充分高く、10,000サイクル後のORR質量活性、表面比活性ともに実施例2、比較例1、3よりも大きいことがわかった。加えて、特許文献1において、カーボンフリーであるナノ粒子連結触媒の優れた起動停止耐久性が実証されている。以上の結果より、本発明は優れた負荷応答・起動停止耐久性と高いORR活性を両立するナノ粒子連結触媒を提供できる。
1 燃料電池
2 ガス拡散電極用触媒層
3 ナノ粒子連結触媒
4 イオン伝導体
5 高分子電解質膜
6 セル
7 外部回路
10 アノードユニット
11 アノード触媒層
12、22 ガス拡散層
13、23 セパレータ
14、24 ガス流路
20 カソードユニット
21 カソード触媒層
30 カプセル状触媒
31 ナノ粒子連結骨格
33 空隙
35 鋳型粒子
36 金属系ナノ粒子
37 シリカ層
40 ロッド状触媒
41 ナノ粒子連結骨格
43 空隙

Claims (5)

  1. 所望の形状を有し、第1の極性を有する鋳型を形成する工程(a)と、
    前記鋳型表面に、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有し、少なくとも燃料電池触媒活性のある第1金属原子と、前記第1金属原子の触媒活性を向上させる第2金属原子とを含む触媒ナノ粒子を含有する金属系ナノ粒子を吸着、若しくはその場で成長させて、前記金属系ナノ粒子を付着させる工程(b)と、
    前記工程(b)後
    (I)前記第1金属原子と、前記第2金属原子の少なくとも2種類の金属原子の合金からなるナノ粒子連結骨格を加熱により形成し、次いで表面の少なくとも一部をシリカ層により被覆後、加熱処理により前記ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高める工程、および
    (II)シリカ層により表面の少なくとも一部を被覆した後、加熱処理により、前記第1金属原子と、前記第2金属原子の少なくとも2種類の金属原子の合金からなるナノ粒子連結骨格を形成し、且つ当該ナノ粒子連結骨格の原子配列規則構造の規則度を高める工程、
    のいずれか一方を行う工程(c)と、
    工程(c)後に、前記鋳型の残存成分と前記シリカ層を除去する工程(d)とを具備するナノ粒子連結触媒の製造方法。
  2. 前記ナノ粒子連結触媒は、カプセル状、ロッド状およびシート状の少なくともいずれかである請求項1に記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
  3. 前記工程(c)の前記加熱処理を、500℃~1300℃で行う請求項1又は2に記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
  4. 前記ナノ粒子連結骨格は、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、金、銅、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、ロジウム、クロム、タングステンおよびマンガンから選択される2種類以上を含む合金からなる請求項1~3のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
  5. 前記ナノ粒子連結骨格の表面から、0.4~0.7nmにわたる表層に位置する原子が主として前記第1金属原子から形成されるように、工程(d)の工程の処理条件を調整する請求項1~4のいずれかに記載のナノ粒子連結触媒の製造方法。
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