JP6086133B2 - 電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセット - Google Patents
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Description
本発明は、電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセットに関する。より詳しくは、本発明は、低温定着性と耐熱性に優れ、かつ、ドキュメントオフセット性、色域、帯電環境安定性に優れた電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセットに関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置において、プリントスピードの高速化や、環境負荷低減等を目的とした一層の省エネルギー化を図るために、より低い温度で熱定着される静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)が求められている。このようなトナーとしては、結着樹脂の溶融温度や溶融粘度を下げることが必要であり、結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂を可塑剤(定着助剤)として添加することで、低温定着性を向上させたトナーが提案されている。
例えば、特許文献1には、結晶性ポリエステル樹脂を含有した複数色のトナーを有するカラートナーセットにおいて、各色トナーの酸価差を規定することにより、クリーニング性に優れ、さらには、低温定着性と耐熱性との両立を可能とする技術が提案されている。
また、特許文献2には、結晶性エステル化合物及びスチレン・アクリル樹脂を含有したトナーにおいて、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を用いることにより、帯電安定性に優れ、さらには、低温定着性と耐熱性との両立を可能とする技術が提案されている。
しかしながら、トナーは、上述したような低温定着性と耐熱性の両立だけでなく、ドキュメントオフセット性(画像保存性)や色域(色再現性)、さらには、環境によって帯電に差が出ない帯電環境安定性を有することも重要であり、これら全ての性能を有するトナーが求められている。
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、低温定着性と耐熱性に優れ、かつ、ドキュメントオフセット性、色域、帯電環境安定性に優れた電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセットを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなる結着樹脂を特定の範囲で含有する各色トナーの酸価差を、適度な範囲で規定することにより、低温定着性と耐熱性に優れ、かつ、ドキュメントオフセット性、色域、帯電環境安定性に優れた電子写真画像形成方法を得られることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、
前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、
前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、
各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であり、
カラートナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、
前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、
各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であり、
カラートナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
2.前記非晶性ビニル重合体が、スチレン・アクリル系樹脂であり、
当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする第1項に記載の電子写真画像形成方法。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする第1項に記載の電子写真画像形成方法。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
3.前記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことを特徴とする第2項に記載の電子写真画像形成方法。
4.前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を、50〜80質量%の範囲内で含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
5.前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
6.前記結晶性ポリエステル樹脂が、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする第5項に記載の電子写真画像形成方法。
7.複数色のトナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーセットであって、
前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、
前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、
各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であり、
カラートナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする静電荷像現像用フルカラートナーセット。
前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、
前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、
各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であり、
カラートナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする静電荷像現像用フルカラートナーセット。
8.前記非晶性ビニル重合体が、スチレン・アクリル系樹脂であり、
当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする第7項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする第7項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
9.前記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことを特徴とする第8項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
10.前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を、50〜80質量%の範囲内で含有することを特徴とする第7項から第9項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
11.前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする第7項から第10項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
12.前記結晶性ポリエステル樹脂が、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする第11項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
本発明の上記手段により、低温定着性と耐熱性に優れ、かつ、ドキュメントオフセット性、色域、帯電環境安定性に優れた電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセットを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明者は、各色トナーの酸価差を適度な範囲に保つことにより、定着加熱溶融時における各色トナー間での樹脂混和性が向上して各色トナー層間の樹脂の絡み合いを促進させることができるため、優れた定着性を得るとともに、重ねあわせ画像の2次色再現性も向上させることができたと推察する。
なお、各色トナーの酸価差が小さすぎる場合は樹脂混和性が乏しいために優れた定着性・2次色再現性を確保することが難しく、酸価差が大きすぎる場合には各色トナー樹脂の極性差の拡大により親和性が低下するために同じく樹脂混和性が乏しくなる。
なお、各色トナーの酸価差が小さすぎる場合は樹脂混和性が乏しいために優れた定着性・2次色再現性を確保することが難しく、酸価差が大きすぎる場合には各色トナー樹脂の極性差の拡大により親和性が低下するために同じく樹脂混和性が乏しくなる。
非晶性ビニル重合体を含有しない場合、各色トナー層間の樹脂混和性を発現させるには各色トナーの酸価差が10mgKOH/gを超える必要があるため、トナーの帯電環境安定性の色間差が悪化するという新たな問題が生じる。
一方、非晶性ビニル重合体を含有する場合には、各色トナーの酸価差が1〜10mgKOH/gの範囲でも各色トナー層間の樹脂混和性を発現でき、帯電環境安定性の色間差を生じることなく、優れた定着性・2次色再現性を得ることができる。
一方、非晶性ビニル重合体を含有する場合には、各色トナーの酸価差が1〜10mgKOH/gの範囲でも各色トナー層間の樹脂混和性を発現でき、帯電環境安定性の色間差を生じることなく、優れた定着性・2次色再現性を得ることができる。
この理由は以下のとおりであり、トナー酸価に由来するカルボキシ基の樹脂分子鎖中での存在状態の違いにあると推察する。
非晶性ビニル重合体では樹脂分子鎖中に均一にカルボキシ基が存在しているが、非ビニル重合体である、例えば非晶性ポリエステル樹脂においては、カルボキシ基は樹脂分子鎖末端にのみ偏在しており樹脂分子群のカルボキシ基量が不均一となるため、樹脂分子レベルでの酸価差は不明確なものとなる。そのため、非晶性ポリエステル樹脂のみで各色トナー層間の樹脂混和性を発現させるには、各色トナー層間でのカルボキシ基量差を必要以上に広げることが必要となる。この結果、各色トナーの酸価差が10mgKOH/gより大きくなり、ひいては、トナーの帯電環境安定性の色間差が悪化するという新たな問題が生じてしまう。一方、カルボキシ基が樹脂分子鎖中に均一に存在している非晶性ビニル重合体を含有させると、各色トナー層間の酸価差が1〜10mgKOH/gの範囲内であっても樹脂分子レベルで酸価差が明確となるために樹脂混和性を効率的に発現させることができることになる。
また、非晶性ポリエステル樹脂においてもトリメリット酸といった3官能以上の酸モノマーを適用することで、樹脂分子鎖中へのカルボキシ基の導入が可能であるが、部分的に架橋反応も起こるために定着性の阻害を招いてしまい定着性との両立が困難となるため、非晶性ビニル重合体を含有させることがやはり必要となる。
非晶性ビニル重合体では樹脂分子鎖中に均一にカルボキシ基が存在しているが、非ビニル重合体である、例えば非晶性ポリエステル樹脂においては、カルボキシ基は樹脂分子鎖末端にのみ偏在しており樹脂分子群のカルボキシ基量が不均一となるため、樹脂分子レベルでの酸価差は不明確なものとなる。そのため、非晶性ポリエステル樹脂のみで各色トナー層間の樹脂混和性を発現させるには、各色トナー層間でのカルボキシ基量差を必要以上に広げることが必要となる。この結果、各色トナーの酸価差が10mgKOH/gより大きくなり、ひいては、トナーの帯電環境安定性の色間差が悪化するという新たな問題が生じてしまう。一方、カルボキシ基が樹脂分子鎖中に均一に存在している非晶性ビニル重合体を含有させると、各色トナー層間の酸価差が1〜10mgKOH/gの範囲内であっても樹脂分子レベルで酸価差が明確となるために樹脂混和性を効率的に発現させることができることになる。
また、非晶性ポリエステル樹脂においてもトリメリット酸といった3官能以上の酸モノマーを適用することで、樹脂分子鎖中へのカルボキシ基の導入が可能であるが、部分的に架橋反応も起こるために定着性の阻害を招いてしまい定着性との両立が困難となるため、非晶性ビニル重合体を含有させることがやはり必要となる。
さらに、本発明者らは、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)を含有させることにより、低温定着性と耐熱性を両立させることができ、かつ、結晶性ポリエステルとの相溶性が少なくとも非晶性ポリエステルより低い非晶性ビニル重合体を同時に含有させることにより、定着後の画像中でも結晶性ポリエステルが相溶することなく結晶状態を維持することができるため、優れたドキュメントオフセット性を実現することができることも見いだした。
本発明の電子写真画像形成方法は、複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする。この特徴は請求項1から請求項12までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記非晶性ビニル重合体が、スチレン・アクリル系樹脂であり、当該スチレン・アクリル系樹脂が、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することが、トナー中の結晶性ポリエステルの内包化・分散制御が可能となり、この結果、より優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
また、上記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことが、更に優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
また、上記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことが、更に優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
本発明においては、複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を、50〜80質量%の範囲内で含有することがドキュメントオフセット性がより向上するため好ましい。
本発明においては、結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることが低温定着性がより向上するため好ましい。
本発明においては、結晶性ポリエステル樹脂が、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることが低温定着性がより向上するため好ましい。
なお、上記本発明に係る複数色のトナーは、静電荷像現像用フルカラートナーセットを好適に採用できる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪電子写真画像形成方法の概要≫
本発明の電子写真画像形成方法は、複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする。
本発明の電子写真画像形成方法は、複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする。
なお、酸化の調整は、トナーに含有させるカルボキシ基の含有量で調整できる。
例えば、トナー粒子が、スチレン・アクリル樹脂(非晶性ビニル重合体)を含有する場合は、分子鎖中の側鎖のカルボキシ基として、メタクリル酸の添加量で調整する。ポリエステル樹脂を含有する場合は、分子鎖末端のカルボキシ基として、酸又はアルコールの仕込み比率若しくは分子量で調整できるが、酸又はアルコールの仕込み比率で調整されることが、定着性等の熱特性が変化することを回避できるため好ましい。
例えば、トナー粒子が、スチレン・アクリル樹脂(非晶性ビニル重合体)を含有する場合は、分子鎖中の側鎖のカルボキシ基として、メタクリル酸の添加量で調整する。ポリエステル樹脂を含有する場合は、分子鎖末端のカルボキシ基として、酸又はアルコールの仕込み比率若しくは分子量で調整できるが、酸又はアルコールの仕込み比率で調整されることが、定着性等の熱特性が変化することを回避できるため好ましい。
[複数色のトナー]
複数色のトナーとは、色の異なるトナー粒子からなる複数色のトナーであればよく、特に限定されないが、好ましくは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーの少なくとも4色のトナーであることが好ましい。
各色トナーの酸価差の最大値は、1〜10mgKOH/gの範囲内である。なお、酸価差は、2〜6mgKOH/gの範囲内であることが、本願発明の効果をより好適に発現できるため好ましい。
複数色のトナーとは、色の異なるトナー粒子からなる複数色のトナーであればよく、特に限定されないが、好ましくは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーの少なくとも4色のトナーであることが好ましい。
各色トナーの酸価差の最大値は、1〜10mgKOH/gの範囲内である。なお、酸価差は、2〜6mgKOH/gの範囲内であることが、本願発明の効果をより好適に発現できるため好ましい。
<酸価>
酸価とは、試料1g中に存在するカルボキシ基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。酸価は、JIS K0070−1992に準じて測定する。具体的な操作は実施例に記載のとおりである。
なお、上記各色トナーの酸価差の最大値とは、各色のトナー間での酸価の差のうち、最大の値をいう。
酸価とは、試料1g中に存在するカルボキシ基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。酸価は、JIS K0070−1992に準じて測定する。具体的な操作は実施例に記載のとおりである。
なお、上記各色トナーの酸価差の最大値とは、各色のトナー間での酸価の差のうち、最大の値をいう。
[トナー粒子]
ここで、本発明に係る「トナー粒子」とは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂とを含有してなる粒子のことである。このほか、トナー粒子は、通常、外添剤が添加されたものをトナー粒子として使用されることが好ましいが、当該外添剤は添加されていなくてもよい。
なお、複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子は、後述の非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、好ましくは50〜80質量%の範囲内で含有することがドキュメントオフセット性がより向上するため好ましい。
ここで、本発明に係る「トナー粒子」とは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂とを含有してなる粒子のことである。このほか、トナー粒子は、通常、外添剤が添加されたものをトナー粒子として使用されることが好ましいが、当該外添剤は添加されていなくてもよい。
なお、複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子は、後述の非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、好ましくは50〜80質量%の範囲内で含有することがドキュメントオフセット性がより向上するため好ましい。
<結着樹脂>
少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなる。
少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなる。
(非晶性ビニル重合体)
非晶性ビニル重合体としては、具体的には、アクリル樹脂、スチレン・アクリル共重合体樹脂などが挙げられる。
非晶性ビニル重合体としては、具体的には、アクリル樹脂、スチレン・アクリル共重合体樹脂などが挙げられる。
非晶性ビニル重合体を形成するビニル系単量体としては、下記のものなどを用いることができる。ビニル系単量体としては、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(1)スチレン系単量体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体など。
(2)(メタ)アクリル酸エステル系単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体など。
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
(7)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体など。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体など。
(2)(メタ)アクリル酸エステル系単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体など。
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
(7)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体など。
また、ビニル系単量体としては、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などのイオン性解離基を有する単量体を用いることが好ましい。具体的には、以下のものがある。
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。また、スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などが挙げられる。さらに、リン酸基を有する単量体としてはアシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
なお、ビニル系単量体として、カルボキシ基を有する単量体を用いることが好ましく、全ビニル系単量体におけるカルボキシ基を有する単量体の割合は、2〜7質量%であることが好ましい。カルボキシ基を有する単量体の割合がこの範囲内である場合は、トナー粒子の表面への水分の吸着量が増えることがなく、トナーブリスターの発生や帯電量環境差の拡大を抑制できる。
さらに、ビニル系単量体として、多官能性ビニル類を使用し、非晶性ビニル重合体を、架橋構造を有するものとすることもできる。多官能性ビニル類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
非晶性ビニル重合体としては、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を用いて形成されるスチレン・アクリル系樹脂が好ましい。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、直鎖アルキル基を有するものとしてn−ブチルアクリレート(炭素数4の直鎖アルキル基を有する。)、n−オクチルアクリレート(炭素数8の直鎖アルキル基を有する。)が挙げられ、分岐アルキル基を有するものとしては2−エチルヘキシルアクリレート(炭素数8の分岐アルキル基を有する。)や、イソステアリルアクリレート(炭素数18の分岐アルキル基を有する。)、ベヘニルアクリレート(炭素数22の分岐アルキル基を有する。)、セロチルアクリレート(炭素数26の分岐アルキル基を有する。)や、2−エチルヘキシルメタクリレート、1−メチルヘプチルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、6−メチルヘプチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート等が挙げられる。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、直鎖アルキル基を有するものとしてn−ブチルアクリレート(炭素数4の直鎖アルキル基を有する。)、n−オクチルアクリレート(炭素数8の直鎖アルキル基を有する。)が挙げられ、分岐アルキル基を有するものとしては2−エチルヘキシルアクリレート(炭素数8の分岐アルキル基を有する。)や、イソステアリルアクリレート(炭素数18の分岐アルキル基を有する。)、ベヘニルアクリレート(炭素数22の分岐アルキル基を有する。)、セロチルアクリレート(炭素数26の分岐アルキル基を有する。)や、2−エチルヘキシルメタクリレート、1−メチルヘプチルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、6−メチルヘプチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することがより優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
これは、非晶性ビニル重合体に長鎖アルキル基(炭素数6〜22の範囲内)を有する(メタ)アクリル酸アクリルエステル系単量体を含ませた場合には、トナー中の結晶性ポリエステルの内包化・分散制御が可能となるため、より優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるためと推察する。
これは、非晶性ビニル重合体に長鎖アルキル基(炭素数6〜22の範囲内)を有する(メタ)アクリル酸アクリルエステル系単量体を含ませた場合には、トナー中の結晶性ポリエステルの内包化・分散制御が可能となるため、より優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるためと推察する。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
上記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことが、更に優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
<着色剤>
オレンジトナー用のオレンジ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントオレンジ63、同68、同71、同72、同78等、顔料としてC.I.ピグメントオレンジ16、同36、同43、同51、同55、同59、同61、同71等が使用可能である。
オレンジトナー用のオレンジ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントオレンジ63、同68、同71、同72、同78等、顔料としてC.I.ピグメントオレンジ16、同36、同43、同51、同55、同59、同61、同71等が使用可能である。
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185等が使用可能で、これらの混合物も使用可能である。
マゼンタトナー用のマゼンタ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122等、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222等が使用可能で、これらの混合物も使用可能である。
シアントナー用のシアン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、同7、同15:3、同18:3、同60、同62、同66、同76等が使用可能である。
グリーン用のグリーン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントグリーン3、同5、同28等、顔料としてC.I.ピグメントグリーン7等が使用可能である。
ブラックトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラック等が使用可能であり、カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用可能である。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが使用可能である。
着色剤の含有割合は、トナー粒子中0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
<離型剤>
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘニルベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘニルベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、トナー全質量に対して2〜30質量%の範囲内が好ましく、5〜20質量%の範囲内がより好ましい。
<結晶性樹脂>
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂である。明確な吸熱ピークとは、具体的には示差走査熱量測定(DSC)において、例えば昇温速度10℃/minで測定した際、吸熱ピークの半値幅が15℃以内となるピークを示すものを意味する。
なお、結晶性樹脂は、トナー粒子中に1〜30質量%の範囲内で含有されることが好ましい。
結晶性樹脂のトナー粒子中における含有量が、1質量%以上であれば、好適に効果を発現することができる。また、結晶性樹脂のトナー粒子中における含有量が、30質量%以下であれば、トナーがブロッキングを起こすことを回避できる。
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂である。明確な吸熱ピークとは、具体的には示差走査熱量測定(DSC)において、例えば昇温速度10℃/minで測定した際、吸熱ピークの半値幅が15℃以内となるピークを示すものを意味する。
なお、結晶性樹脂は、トナー粒子中に1〜30質量%の範囲内で含有されることが好ましい。
結晶性樹脂のトナー粒子中における含有量が、1質量%以上であれば、好適に効果を発現することができる。また、結晶性樹脂のトナー粒子中における含有量が、30質量%以下であれば、トナーがブロッキングを起こすことを回避できる。
結晶性樹脂は、特に限定されないが、低温定着性を実現するため結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂は、エステル結合を有するため、水分を吸着しやすく、これにより、電荷放出が、より促進され、ひいては、トナーを熱定着させた画像を有する用紙の貼り付きをより抑制できることからも好ましい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂とは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。
なお、本発明に係るトナー中に含まれる結晶性ポリエステル樹脂の含有割合は結着樹脂において2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂とは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。
なお、本発明に係るトナー中に含まれる結晶性ポリエステル樹脂の含有割合は結着樹脂において2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。
多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。
具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;及びこれらカルボン酸化合物の無水物又は炭素数1〜3のアルキルエステルなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;及びこれらカルボン酸化合物の無水物又は炭素数1〜3のアルキルエステルなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールとは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物である。
具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、十分な低温定着性が得られるという観点から、60〜90℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは70〜85℃である。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成によって制御することができる。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成によって制御することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、吸熱ピークのピークトップの温度を示し、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて示差走査熱量分析によってDSC測定された値である。
具体的には、測定試料(結晶性ポリエステル樹脂)1.0mgを、アルミニウム製パン(KITNO.B0143013)に封入し、これを「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットし、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、加熱−冷却−加熱の温度制御を行い、その2度目の加熱におけるデータを基に解析される。
具体的には、測定試料(結晶性ポリエステル樹脂)1.0mgを、アルミニウム製パン(KITNO.B0143013)に封入し、これを「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットし、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、加熱−冷却−加熱の温度制御を行い、その2度目の加熱におけるデータを基に解析される。
結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1000〜15000であることが低温定着性及び光沢度安定性の観点から好ましい。
数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、以下のようにして測定される値である。
具体的には、装置「HLC−8120GPC」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、測定試料(樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得る。
この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。
検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、以下のようにして測定される値である。
具体的には、装置「HLC−8120GPC」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、測定試料(樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得る。
この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。
検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
(ハイブリッド樹脂)
結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂セグメント100質量%からなる結晶性ポリエステル樹脂であってもよいが、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であってもよい。すなわち結晶性ポリエステル樹脂は、ビニル樹脂セグメントと結晶性ポリエステル樹脂セグメントが結合してなるビニル変性結晶性ポリエステル樹脂(ハイブリッド樹脂)であってもよく、ビニル樹脂セグメントはスチレン・アクリル樹脂セグメントであり、ハイブリッド樹脂中における含有割合は、5〜30質量%とされており、特に、5〜20質量%であることが好ましい。
なお、ハイブリッド樹脂(ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂)とは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが化学的に結合した樹脂である。ハイブリット樹脂を可塑剤に用いることにより、結着樹脂に対する可塑剤の親和性を向上させることができ、可塑剤のドメインの分散粒径をより均一かつ微細に制御することができるため、低温定着性の向上という効果が得られる。
結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂セグメント100質量%からなる結晶性ポリエステル樹脂であってもよいが、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であってもよい。すなわち結晶性ポリエステル樹脂は、ビニル樹脂セグメントと結晶性ポリエステル樹脂セグメントが結合してなるビニル変性結晶性ポリエステル樹脂(ハイブリッド樹脂)であってもよく、ビニル樹脂セグメントはスチレン・アクリル樹脂セグメントであり、ハイブリッド樹脂中における含有割合は、5〜30質量%とされており、特に、5〜20質量%であることが好ましい。
なお、ハイブリッド樹脂(ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂)とは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが化学的に結合した樹脂である。ハイブリット樹脂を可塑剤に用いることにより、結着樹脂に対する可塑剤の親和性を向上させることができ、可塑剤のドメインの分散粒径をより均一かつ微細に制御することができるため、低温定着性の向上という効果が得られる。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントとは、結晶性ポリエステル樹脂を構成する分子鎖を指す。また、非結晶性樹脂セグメントとは、非結晶性樹脂(結晶構造をとりえない樹脂)を構成する分子鎖を指す。
ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、十分な低温定着性及び優れた長期保管安定性を確実に両立して得るという観点から、5000〜100000の範囲であると好ましく、7000〜50000であるとより好ましく、8000〜40000の範囲であると特に好ましい。
ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を100000以下とすることにより、十分な低温定着性を得ることができる。一方、ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を5000以上とすることにより、トナー保管時において当該ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との相溶が過剰に進行することが抑制され、トナー同士の融着による画像不良を効果的に抑制することができる。
ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を100000以下とすることにより、十分な低温定着性を得ることができる。一方、ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を5000以上とすることにより、トナー保管時において当該ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との相溶が過剰に進行することが抑制され、トナー同士の融着による画像不良を効果的に抑制することができる。
(ハイブリッド樹脂における結晶性ポリエステル樹脂セグメント)
結晶性ポリエステル樹脂セグメントとは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂に由来する部分であって、トナーの示差走査熱量測定において、階段状の吸熱変化ではなく、上述した明確な吸熱ピークを有する樹脂セグメントをいう。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントとは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂に由来する部分であって、トナーの示差走査熱量測定において、階段状の吸熱変化ではなく、上述した明確な吸熱ピークを有する樹脂セグメントをいう。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントは、前記定義したとおりであれば特に限定されない。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂セグメントによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂についてこの樹脂を含むトナーが上記のように明確な吸熱ピークを示すものであれば、その樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを有するハイブリッド樹脂に該当する。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂セグメントによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂についてこの樹脂を含むトナーが上記のように明確な吸熱ピークを示すものであれば、その樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを有するハイブリッド樹脂に該当する。
また、多価カルボン酸及び多価アルコールの価数としては、好ましくはそれぞれ2〜3であり、特に好ましくはそれぞれ2であるため、特に好ましい形態として価数がそれぞれ2である場合(すなわち、ジカルボン酸成分、ジオール成分)について説明する。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジカルボン酸成分は、1種類のものに限定されるものではなく、2種類以上を混合して用いてもよい。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジカルボン酸成分は、1種類のものに限定されるものではなく、2種類以上を混合して用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などが挙げられ、また、これらの低級アルキルエステルや酸無水物を用いることもできる。
上記の脂肪族ジカルボン酸の中でも、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸とともに用いることのできる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性及び乳化容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
上記の脂肪族ジカルボン酸の中でも、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸とともに用いることのできる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性及び乳化容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成するためのジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸の含有量が50モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは70モル%以上であり、更に好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは100モル%である。ジカルボン酸成分における脂肪族ジカルボン酸の含有量が50モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの結晶性を十分に確保することができる。
また、ジオール成分としては、脂肪族ジオールを用いることが好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを含有させてもよい。脂肪族ジオールとしては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジオール成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。
ジオール成分としては、脂肪族ジオールの中でも、炭素数2〜12の脂肪族ジオールであることが好ましく、炭素数6〜12の脂肪族ジオールがより好ましい。
必要に応じて用いられる脂肪族ジオール以外のジオールとしては、二重結合を有するジオール、スルホン酸基を有するジオールなどが挙げられ、具体的には、二重結合を有するジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
必要に応じて用いられる脂肪族ジオール以外のジオールとしては、二重結合を有するジオール、スルホン酸基を有するジオールなどが挙げられ、具体的には、二重結合を有するジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成するためのジオール成分としては、脂肪族ジオールの含有量が50モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは70モル%以上であり、更に好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは100モル%である。ジオール成分における脂肪族ジオールの含有量が50モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られるとともに最終的に形成される画像に光沢性が得られる。
上記のジオール成分とジカルボン酸成分との使用比率は、ジオール成分のヒドロキシ基[OH]とジカルボン酸成分のカルボキシ基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5の範囲内とされることが好ましく、更に好ましくは1.2/1〜1/1.2の範囲内である。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントの形成方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸及び多価アルコールを重縮合する(エステル化する)ことにより当該セグメントを形成することができる。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントの製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。更にアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂セグメントの製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。更にアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合温度は特に限定されるものではないが、150〜250℃の範囲内であることが好ましい。また、重合時間は特に限定されるものではないが、0.5〜10時間の範囲内であることが好ましい。重合中には、必要に応じて反応系内を減圧にしてもよい。
ハイブリッド樹脂中の各セグメントの構成成分及び含有割合は、例えばNMR測定、メチル化反応Py−GC/MS測定により特定することができる。
ハイブリッド樹脂中の各セグメントの構成成分及び含有割合は、例えばNMR測定、メチル化反応Py−GC/MS測定により特定することができる。
ここで、ハイブリッド樹脂は、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントの他に、以下で詳述する非結晶性樹脂セグメントを含む。ハイブリッド樹脂は、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非結晶性樹脂セグメントを含むものであれば、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれの形態であってもよいが、グラフト共重合体であると好ましい。グラフト共重合体とすることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの配向を制御しやすくなり、ハイブリッド樹脂に十分な結晶性を付与することができる。
さらに、上記観点からは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントが、非結晶性樹脂セグメントを主鎖として、グラフト化されていると好ましい。すなわち、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂は、主鎖として非結晶性樹脂セグメントを有し、側鎖として結晶性ポリエステル樹脂セグメントを有するグラフト共重合体であると好ましい。
さらに、上記観点からは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントが、非結晶性樹脂セグメントを主鎖として、グラフト化されていると好ましい。すなわち、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂は、主鎖として非結晶性樹脂セグメントを有し、側鎖として結晶性ポリエステル樹脂セグメントを有するグラフト共重合体であると好ましい。
上記形態とすることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの配向をより高めることができ、ハイブリッド樹脂の結晶性を向上させることができる。
なお、ハイブリッド樹脂には、更にスルホン酸基、カルボキシ基、ウレタン基などの置換基が導入されていてもよい。上記置換基の導入は、結晶性ポリエステル樹脂セグメント中でもよいし、以下で詳説する非結晶性樹脂セグメント中であってもよい。
なお、ハイブリッド樹脂には、更にスルホン酸基、カルボキシ基、ウレタン基などの置換基が導入されていてもよい。上記置換基の導入は、結晶性ポリエステル樹脂セグメント中でもよいし、以下で詳説する非結晶性樹脂セグメント中であってもよい。
(ハイブリッド樹脂における非結晶性樹脂セグメント)
非結晶性樹脂セグメントとは、ハイブリット樹脂において、上記結晶性ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂に由来する部分である。非結晶性樹脂セグメントは、ハイブリッド樹脂と、結着樹脂を構成する非結晶性樹脂との親和性を制御するという機能を有しており、非結晶性樹脂セグメントを存在させることで、ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との親和性が向上し、ハイブリッド樹脂が非結晶性樹脂中に取り込まれやすくなり、帯電均一性等を向上させることができる。
非結晶性樹脂セグメントとは、ハイブリット樹脂において、上記結晶性ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂に由来する部分である。非結晶性樹脂セグメントは、ハイブリッド樹脂と、結着樹脂を構成する非結晶性樹脂との親和性を制御するという機能を有しており、非結晶性樹脂セグメントを存在させることで、ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との親和性が向上し、ハイブリッド樹脂が非結晶性樹脂中に取り込まれやすくなり、帯電均一性等を向上させることができる。
ハイブリッド樹脂中(さらには、トナー中)に非結晶性樹脂セグメントを含有することは、例えばNMR測定、メチル化反応Py−GC/MS測定を用いて化学構造を特定することによって確認することができる。
また、非結晶性樹脂セグメントは、当該セグメントと同じ化学構造及び分子量を有する樹脂について示差走査熱量測定(DSC)を行った時に、融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂セグメントである。このとき、当該セグメントと同じ化学構造及び分子量を有する樹脂について、DSC測定において1度目の昇温過程におけるガラス転移温度(Tg1)が、30〜80℃の範囲内であることが好ましく、特に40〜65℃の範囲内であることが好ましい。
非結晶性樹脂セグメントは、上記定義したとおりであれば特に限定されない。例えば、非結晶性樹脂セグメントによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、非結晶性樹脂セグメントを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂について、この樹脂を含むトナーが上記のような非結晶性樹脂セグメントを有するものであれば、その樹脂は、非結晶性樹脂セグメントを有するハイブリッド樹脂に該当する。
非結晶性樹脂セグメントは、上記定義したとおりであれば特に限定されない。例えば、非結晶性樹脂セグメントによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、非結晶性樹脂セグメントを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂について、この樹脂を含むトナーが上記のような非結晶性樹脂セグメントを有するものであれば、その樹脂は、非結晶性樹脂セグメントを有するハイブリッド樹脂に該当する。
非結晶性樹脂セグメントは、結着樹脂に含まれる非結晶性樹脂(すなわち、ハイブリッド樹脂以外の樹脂)と同種の樹脂で構成されると好ましい。このような形態とすることにより、ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との親和性がより向上し、ハイブリッド樹脂が非結晶性樹脂中に更に取り込まれやすくなり、帯電均一性等がより一層向上する。
ここで、「同種の樹脂」とは、繰り返し単位中に特徴的な化学結合が共通に含まれていることを意味する。ここで、「特徴的な化学結合」とは、物質・材料研究機構(NIMS)物質・材料データベース(http://polymer.nims.go.jp/PoLyInfo/guide/jp/term_polymer.html)に記載の「ポリマー分類」に従う。すなわち、ポリアクリル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリジエン、ポリエステル、ポリハロオレフィン、ポリイミド、ポリイミン、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリフェニレン、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリビニル及びその他のポリマーの計22種によって分類されたポリマーを構成する化学結合を「特徴的な化学結合」という。
ここで、「同種の樹脂」とは、繰り返し単位中に特徴的な化学結合が共通に含まれていることを意味する。ここで、「特徴的な化学結合」とは、物質・材料研究機構(NIMS)物質・材料データベース(http://polymer.nims.go.jp/PoLyInfo/guide/jp/term_polymer.html)に記載の「ポリマー分類」に従う。すなわち、ポリアクリル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリジエン、ポリエステル、ポリハロオレフィン、ポリイミド、ポリイミン、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリフェニレン、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリビニル及びその他のポリマーの計22種によって分類されたポリマーを構成する化学結合を「特徴的な化学結合」という。
また、樹脂が共重合体である場合における「同種の樹脂」とは、共重合体を構成する複数のモノマー種の化学構造において、上記化学結合を有するモノマー種を構成単位としている場合、特徴的な化学結合を共通に有する樹脂同士を指す。したがって、樹脂自体の示す特性が互いに異なる場合や、共重合体中を構成するモノマー種のモル成分比が互いに異なる場合であっても、特徴的な化学結合を共通に有していれば同種の樹脂とみなす。
例えば、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)と、スチレン、ブチルアクリレート及びメタクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)とは、少なくともポリアクリルを構成する化学結合を有しているため、これらは同種の樹脂である。更に例示すると、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)と、スチレン、ブチルアクリレート、アクリル酸、テレフタル酸及びフマル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)とは、互いに共通する化学結合として、少なくともポリアクリルを構成する化学結合を有している。したがって、これらは同種の樹脂である。
例えば、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)と、スチレン、ブチルアクリレート及びメタクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)とは、少なくともポリアクリルを構成する化学結合を有しているため、これらは同種の樹脂である。更に例示すると、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)と、スチレン、ブチルアクリレート、アクリル酸、テレフタル酸及びフマル酸によって形成される樹脂(又は樹脂セグメント)とは、互いに共通する化学結合として、少なくともポリアクリルを構成する化学結合を有している。したがって、これらは同種の樹脂である。
非結晶性樹脂セグメントを構成する樹脂成分は特に制限されないが、例えば、ビニル樹脂セグメント、ウレタン樹脂セグメント、ウレア樹脂セグメントなどが挙げられる。中でも、熱可塑性を制御しやすいという理由から、ビニル樹脂セグメントが好ましい。
ビニル樹脂セグメントとしては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル酸エステル樹脂セグメント、スチレン・アクリル酸エステル樹脂セグメント、エチレン−酢酸ビニル樹脂セグメントなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のビニル樹脂セグメント(非結晶性樹脂セグメント)の中でも、可塑剤の均一かつ微細なドメイン構造形成の観点から、スチレン・アクリル酸エステル樹脂セグメント(スチレン・アクリル樹脂セグメント)が好ましい。したがって、以下では、非結晶性樹脂セグメントとしてのスチレン・アクリル樹脂セグメントについて説明する。
ビニル樹脂セグメントとしては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル酸エステル樹脂セグメント、スチレン・アクリル酸エステル樹脂セグメント、エチレン−酢酸ビニル樹脂セグメントなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のビニル樹脂セグメント(非結晶性樹脂セグメント)の中でも、可塑剤の均一かつ微細なドメイン構造形成の観点から、スチレン・アクリル酸エステル樹脂セグメント(スチレン・アクリル樹脂セグメント)が好ましい。したがって、以下では、非結晶性樹脂セグメントとしてのスチレン・アクリル樹脂セグメントについて説明する。
スチレン・アクリル樹脂セグメントは、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。ここでいうスチレン単量体は、CH2=CH−C6H5の構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH2=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステル化合物やメタクリル酸エステル化合物の他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステル化合物を含むものである。
以下に、スチレン・アクリル樹脂セグメントの形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例を示すが、本発明に使用可能なスチレン・アクリル樹脂セグメントの形成に使用可能なものは以下に示すものに限定されるものではない。
まず、スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
まず、スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル単量体」とは、「アクリル酸エステル単量体」と「メタクリル酸エステル単量体」を総称したもので、例えば、「(メタ)アクリル酸メチル」は「アクリル酸メチル」と「メタクリル酸メチル」を総称したものである。
これらのアクリル酸エステル単量体又はメタクリル酸エステル単量体は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。すなわち、スチレン単量体と2種以上のアクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種以上のメタクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること又はスチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成することのいずれも可能である。
これらのアクリル酸エステル単量体又はメタクリル酸エステル単量体は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。すなわち、スチレン単量体と2種以上のアクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種以上のメタクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること又はスチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成することのいずれも可能である。
非結晶性樹脂セグメント中のスチレン単量体に由来する構成単位の含有率は、非結晶性樹脂セグメントの全量に対し、40〜90質量%の範囲内であることが好ましい。また、非結晶性樹脂セグメント中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、非結晶性樹脂セグメントの全量に対し、10〜60質量%の範囲内であることが好ましい。このような範囲内とすることにより、ハイブリッド樹脂の可塑性を制御することが容易となる。
さらに、非結晶性樹脂セグメントは、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の他、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントに化学的に結合するための化合物もまた付加重合されてなると好ましい。具体的には、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントに含まれる、多価アルコール由来のヒドロキシ基[−OH]又は多価カルボン酸由来のカルボキシ基[−COOH]とエステル結合する化合物を用いると好ましい。したがって、非結晶性樹脂セグメントは、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して付加重合可能であり、かつ、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物を更に重合してなると好ましい。
このような化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。
さらに、非結晶性樹脂セグメントは、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の他、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントに化学的に結合するための化合物もまた付加重合されてなると好ましい。具体的には、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントに含まれる、多価アルコール由来のヒドロキシ基[−OH]又は多価カルボン酸由来のカルボキシ基[−COOH]とエステル結合する化合物を用いると好ましい。したがって、非結晶性樹脂セグメントは、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して付加重合可能であり、かつ、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物を更に重合してなると好ましい。
このような化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。
非結晶性樹脂セグメント中の上記化合物に由来する構成単位の含有率は、非結晶性樹脂セグメントの全量に対し、0.5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
スチレン・アクリル樹脂セグメントの形成方法は、特に制限されず、公知の油溶性又は水溶性の重合開始剤を使用して単量体を重合する方法が挙げられる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系又はジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。
アゾ系又はジアゾ系重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
スチレン・アクリル樹脂セグメントの形成方法は、特に制限されず、公知の油溶性又は水溶性の重合開始剤を使用して単量体を重合する方法が挙げられる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系又はジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。
アゾ系又はジアゾ系重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
過酸化物系重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等が挙げられる。
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等が挙げられる。
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等が挙げられる。
非結晶性樹脂セグメントの含有量は、ハイブリッド樹脂の全量に対して、3質量%以上15質量%未満であると好ましい。さらに、上記含有量は、5質量%以上10質量%未満であるとより好ましく、7質量%以上9質量%未満であると更に好ましい。
当該範囲とすることにより、ハイブリッド樹脂に十分な結晶性を付与することができる。
当該範囲とすることにより、ハイブリッド樹脂に十分な結晶性を付与することができる。
(ハイブリッド樹脂の製造方法)
ハイブリッド樹脂の製造方法は、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとを分子結合させた構造の重合体を形成することが可能な方法であれば、特に制限されるものではない。ハイブリッド樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
ハイブリッド樹脂の製造方法は、上記結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとを分子結合させた構造の重合体を形成することが可能な方法であれば、特に制限されるものではない。ハイブリッド樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
(1)非結晶性樹脂セグメントをあらかじめ重合しておき、当該非結晶性樹脂セグメントの存在下で結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する重合反応を行ってハイブリッド樹脂を製造する方法
この方法では、まず、上述した非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体(好ましくは、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体といったビニル単量体)を付加反応させて非結晶性樹脂セグメントを形成する。次に、非結晶性樹脂セグメントの存在下で、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合反応させて結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する。このとき、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させるとともに、非結晶性樹脂セグメントに対し、多価カルボン酸又は多価アルコールを付加反応させることにより、ハイブリッド樹脂が形成される。
この方法では、まず、上述した非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体(好ましくは、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体といったビニル単量体)を付加反応させて非結晶性樹脂セグメントを形成する。次に、非結晶性樹脂セグメントの存在下で、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合反応させて結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する。このとき、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させるとともに、非結晶性樹脂セグメントに対し、多価カルボン酸又は多価アルコールを付加反応させることにより、ハイブリッド樹脂が形成される。
この方法において、結晶性ポリエステル樹脂セグメント又は非結晶性樹脂セグメント中に、これらセグメントが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。
具体的には、非結晶性樹脂セグメントの形成時、非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体の他に、結晶性ポリエステル樹脂セグメントに残存するカルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]と反応可能な部位及び非結晶性樹脂セグメントと反応可能な部位を有する化合物も使用する。すなわち、この化合物が結晶性ポリエステル樹脂セグメント中のカルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]と反応することにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントは非結晶性樹脂セグメントと化学的に結合することができる。
具体的には、非結晶性樹脂セグメントの形成時、非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体の他に、結晶性ポリエステル樹脂セグメントに残存するカルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]と反応可能な部位及び非結晶性樹脂セグメントと反応可能な部位を有する化合物も使用する。すなわち、この化合物が結晶性ポリエステル樹脂セグメント中のカルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]と反応することにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントは非結晶性樹脂セグメントと化学的に結合することができる。
若しくは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの形成時、多価アルコール又は多価カルボン酸と反応可能であり、かつ、非結晶性樹脂セグメントと反応可能な部位を有する化合物を使用してもよい。
この方法を用いることにより、非結晶性樹脂セグメントに結晶性ポリエステル樹脂セグメントが分子結合した構造(グラフト構造)のハイブリッド樹脂を形成することができる。
この方法を用いることにより、非結晶性樹脂セグメントに結晶性ポリエステル樹脂セグメントが分子結合した構造(グラフト構造)のハイブリッド樹脂を形成することができる。
(2)結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとをそれぞれ形成しておき、これらを結合させてハイブリッド樹脂を製造する方法
この方法では、まず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する。また、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する反応系とは別に、上述した非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体を付加重合させて非結晶性樹脂セグメントを形成する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。なお、このような反応可能な部位を組み込む方法は、上述のとおりであるため、その詳細な説明は省略する。
この方法では、まず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する。また、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成する反応系とは別に、上述した非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体を付加重合させて非結晶性樹脂セグメントを形成する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。なお、このような反応可能な部位を組み込む方法は、上述のとおりであるため、その詳細な説明は省略する。
次に、上記で形成した結晶性ポリエステルセグメントと、非結晶性樹脂セグメントとを反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが分子結合した構造のハイブリッド樹脂を形成することができる。
また、上記反応可能な部位が結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非結晶性樹脂セグメントに組み込まれていない場合は、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが共存する系を形成しておき、そこへ結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非結晶性樹脂セグメントと結合可能な部位を有する化合物を投入する方法を採用してもよい。そして、当該化合物を介して、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが分子結合した構造のハイブリッド樹脂を形成することができる。
また、上記反応可能な部位が結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非結晶性樹脂セグメントに組み込まれていない場合は、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが共存する系を形成しておき、そこへ結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非結晶性樹脂セグメントと結合可能な部位を有する化合物を投入する方法を採用してもよい。そして、当該化合物を介して、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非結晶性樹脂セグメントとが分子結合した構造のハイブリッド樹脂を形成することができる。
(3)結晶性ポリエステル樹脂セグメントをあらかじめ形成しておき、当該結晶性ポリエステル樹脂セグメントの存在下で非結晶性樹脂セグメントを形成する重合反応を行ってハイブリッド樹脂を製造する方法
この方法では、まず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて重合を行い、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成しておく。次に、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの存在下で、非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体を重合反応させて非結晶性樹脂セグメントを形成する。このとき、上記(1)と同様に、結晶性ポリエステル樹脂セグメント又は非結晶性樹脂セグメント中に、これらセグメントが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。なお、このような反応可能な部位を組み込む方法は、上述のとおりであるため、その詳細な説明は省略する。
この方法では、まず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて重合を行い、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを形成しておく。次に、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの存在下で、非結晶性樹脂セグメントを構成する単量体を重合反応させて非結晶性樹脂セグメントを形成する。このとき、上記(1)と同様に、結晶性ポリエステル樹脂セグメント又は非結晶性樹脂セグメント中に、これらセグメントが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。なお、このような反応可能な部位を組み込む方法は、上述のとおりであるため、その詳細な説明は省略する。
上記の方法を用いることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントに非結晶性樹脂セグメントが分子結合した構造(グラフト構造)のハイブリッド樹脂を形成することができる。
上記(1)〜(3)の形成方法の中でも、(1)の方法は非結晶性樹脂鎖に結晶性ポリエステル樹脂鎖をグラフト化した構造のハイブリッド樹脂を形成しやすいことや生産工程を簡素化できるため好ましい。(1)の方法は、非結晶性樹脂セグメントをあらかじめ形成してから結晶性ポリエステル樹脂セグメントを結合させるため、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの配向が均一になりやすい。したがって、本発明に係るトナーに適したハイブリッド樹脂を確実に形成することができるので好ましい。
上記(1)〜(3)の形成方法の中でも、(1)の方法は非結晶性樹脂鎖に結晶性ポリエステル樹脂鎖をグラフト化した構造のハイブリッド樹脂を形成しやすいことや生産工程を簡素化できるため好ましい。(1)の方法は、非結晶性樹脂セグメントをあらかじめ形成してから結晶性ポリエステル樹脂セグメントを結合させるため、結晶性ポリエステル樹脂セグメントの配向が均一になりやすい。したがって、本発明に係るトナーに適したハイブリッド樹脂を確実に形成することができるので好ましい。
(その他の結晶性樹脂)
結晶性樹脂としては、上記の結晶性ポリエステル樹脂、ハイブリッド樹脂に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、特開2015−011325号公報の段落0056から0102までに記載の、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂などを使用できる。
結晶性樹脂としては、上記の結晶性ポリエステル樹脂、ハイブリッド樹脂に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、特開2015−011325号公報の段落0056から0102までに記載の、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂などを使用できる。
〔トナーの製造方法〕
本発明に係るトナー(トナー粒子)を製造する方法としては、特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合凝集法、分散重合法など公知の重合方法が挙げられる。
なお、本発明に係るトナー粒子は、例えばコア樹脂からなるコア粒子の表面がシェル樹脂からなるシェル層によって被覆されてなるコア・シェル構造を有するものであってもよく、単層構造を有するものであってもよい。なお、コア・シェル構造とする場合、シェル樹脂は非晶性樹脂であることが好ましい。
本発明に係るトナー(トナー粒子)を製造する方法としては、特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合凝集法、分散重合法など公知の重合方法が挙げられる。
なお、本発明に係るトナー粒子は、例えばコア樹脂からなるコア粒子の表面がシェル樹脂からなるシェル層によって被覆されてなるコア・シェル構造を有するものであってもよく、単層構造を有するものであってもよい。なお、コア・シェル構造とする場合、シェル樹脂は非晶性樹脂であることが好ましい。
なお、得られた乾燥済みのトナー粒子をそのままトナーとして用いてもよいが、外添剤を添加して混合する乾式法により、公知の外添剤を添加し、これにより本発明に用いるトナーとしてもよい。
外添剤の混合装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用することができる。
外添剤の混合装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用することができる。
本発明に係るトナーの製造方法について、イエロートナーを製造する方法について、具体例を以下に詳述する。なお、イエロートナー以外のトナー、例えば、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを製造する方法においては、使用する着色剤を変更すれば、イエロートナーを製造する方法を好適に採用できる。
なお、本発明に係るトナーの製造方法は、下記に限定されることはない。
なお、本発明に係るトナーの製造方法は、下記に限定されることはない。
<着色剤微粒子の水系分散液の調製>
ドデシル硫酸ナトリウムをイオン交換水に撹拌溶解し、イエロー着色剤を添加し、分散処理することにより、イエロー着色剤の微粒子が分散されてなる着色剤微粒子の水系分散液を調製する。
ドデシル硫酸ナトリウムをイオン交換水に撹拌溶解し、イエロー着色剤を添加し、分散処理することにより、イエロー着色剤の微粒子が分散されてなる着色剤微粒子の水系分散液を調製する。
<離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の調製>
(第1重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム及びイオン交換水を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、昇温させ、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させたものを添加し、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート(BA)、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)等からなる単量体混合液を滴下後、加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(1)を調製する。
(第1重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム及びイオン交換水を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、昇温させ、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させたものを添加し、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート(BA)、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)等からなる単量体混合液を滴下後、加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(1)を調製する。
(第2重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムをイオン交換水に溶解させた溶液を仕込み、加熱後、上記の樹脂微粒子の分散液(1)と、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、離型剤(ベヘニルベヘネート(融点73℃))などからなる単量体及び離型剤を溶解させた溶液を添加し、混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製する。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムをイオン交換水に溶解させた溶液を仕込み、加熱後、上記の樹脂微粒子の分散液(1)と、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、離型剤(ベヘニルベヘネート(融点73℃))などからなる単量体及び離型剤を溶解させた溶液を添加し、混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製する。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(2)を調製する。
(第3重合)
樹脂微粒子の分散液(2)にイオン交換水を添加しよく混合したのち、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させた溶液を添加し、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート(BA)、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等からなる単量体混合液を滴下する。
滴下終了後、加熱撹拌することにより重合を行った後、冷却し、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液が調製される。
樹脂微粒子の分散液(2)にイオン交換水を添加しよく混合したのち、過硫酸カリウムをイオン交換水に溶解させた溶液を添加し、例えば、スチレン系単量体としてスチレン(St)、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてn−ブチルアクリレート(BA)、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてメタクリル酸(MAA)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等からなる単量体混合液を滴下する。
滴下終了後、加熱撹拌することにより重合を行った後、冷却し、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液が調製される。
<結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製>
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
付加重合系樹脂セグメント(ここでは、スチレン・アクリル樹脂セグメントとする。)の原料モノマー及びラジカル重合開始剤として、例えば、スチレン、n−ブチルアクリレート、アクリル酸、重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)を滴下ロートに入れる。
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
付加重合系樹脂セグメント(ここでは、スチレン・アクリル樹脂セグメントとする。)の原料モノマー及びラジカル重合開始剤として、例えば、スチレン、n−ブチルアクリレート、アクリル酸、重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)を滴下ロートに入れる。
また、重縮合系樹脂セグメント(ここでは、結晶性ポリエステル樹脂セグメントとする。)の原料モノマーとして、例えば、脂肪族ジカルボン酸であるセバシン酸、脂肪族ジオールである1,12−ドデカンジオールを窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、加熱し溶解させる。
次いで、撹拌下で、滴下ロートに入れた付加重合系樹脂セグメントの原料モノマー及びラジカル重合開始剤を滴下し、熟成を行ったのち、減圧下にて未反応の付加重合モノマーを除去する。
その後、エステル化触媒を投入し、昇温し、常圧下にて反応させ、更に減圧下にて反応を行う。
その後、エステル化触媒を投入し、昇温し、常圧下にて反応させ、更に減圧下にて反応を行う。
次に、冷却したのち、減圧下にて反応させることによりハイブリッド樹脂である結晶性ポリエステル樹脂が得られる。
(結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製)
上記合成例で得られた、結晶性ポリエステル樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に撹拌しつつ、溶解させる。次に、この溶解液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この溶解液を撹拌しながら、水を滴下混合することで乳化液を調製する。
次いで、この乳化液から溶媒を蒸留除去することで、結晶性ポリエステル樹脂が分散された水系分散液を調製できる。
上記合成例で得られた、結晶性ポリエステル樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に撹拌しつつ、溶解させる。次に、この溶解液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この溶解液を撹拌しながら、水を滴下混合することで乳化液を調製する。
次いで、この乳化液から溶媒を蒸留除去することで、結晶性ポリエステル樹脂が分散された水系分散液を調製できる。
<非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製>
(非晶性ポリエステル樹脂の合成)
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸、フマル酸、エステル化触媒(例えば、オクチル酸スズ。)を入れ、縮重合反応させ、さらに、減圧下で反応させ、冷却した後、例えば、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてアクリル酸、スチレン単量体としてスチレン、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてブチルアクリレート、重合開始剤(例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド。)混合物を滴下し、滴下後、付加重合反応させた後、昇温し、減圧下で保持した後、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物、スチレン単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体を除去することにより、ビニル樹脂セグメントと結晶性ポリエステル樹脂セグメントが結合してなる非晶性ポリエステル樹脂を合成する。
(非晶性ポリエステル樹脂の合成)
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸、フマル酸、エステル化触媒(例えば、オクチル酸スズ。)を入れ、縮重合反応させ、さらに、減圧下で反応させ、冷却した後、例えば、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物としてアクリル酸、スチレン単量体としてスチレン、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてブチルアクリレート、重合開始剤(例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド。)混合物を滴下し、滴下後、付加重合反応させた後、昇温し、減圧下で保持した後、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物、スチレン単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体を除去することにより、ビニル樹脂セグメントと結晶性ポリエステル樹脂セグメントが結合してなる非晶性ポリエステル樹脂を合成する。
(非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製)
上記合成例で得られた、非晶性ポリエステル樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に撹拌しつつ溶解させる。次に、この溶解液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この溶解液を撹拌しながら、水を滴下混合することで乳化液を調製する。
上記合成例で得られた、非晶性ポリエステル樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に撹拌しつつ溶解させる。次に、この溶解液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この溶解液を撹拌しながら、水を滴下混合することで乳化液を調製する。
次いで、この乳化液から溶媒を蒸留除去することで、非晶性ポリエステル樹脂が分散された水系分散液を調製できる。
<イエロートナーの製造>
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液、イオン交換水を投入した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを調整する。
その後、着色剤微粒子の水系分散液を投入し、次いで、塩化マグネシウム水溶液を添加し混合液を調製する。この混合液を昇温し、結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を添加して凝集を進行させる。所望の粒径になった時点で、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を投入し、塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた後、加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させる。その後、冷却する。
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液、イオン交換水を投入した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを調整する。
その後、着色剤微粒子の水系分散液を投入し、次いで、塩化マグネシウム水溶液を添加し混合液を調製する。この混合液を昇温し、結晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を添加して凝集を進行させる。所望の粒径になった時点で、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を投入し、塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた後、加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させる。その後、冷却する。
次いで、固液分離し、洗浄したのち、乾燥させることにより、イエロートナー粒子が得られる。
得られたトナー粒子に外添剤を添加することにより、イエロートナーを製造できる。
得られたトナー粒子に外添剤を添加することにより、イエロートナーを製造できる。
(イエロー現像剤の製造方法)
上記イエロートナーに対して、公知のフェライトキャリアを添加して混合することにより、イエロー現像剤を製造できる。
上記イエロートナーに対して、公知のフェライトキャリアを添加して混合することにより、イエロー現像剤を製造できる。
[電子写真画像形成方法]
電子写真画像形成方法は、上述の複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する。
以下に、これらの工程について説明する。
電子写真画像形成方法は、上述の複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する。
以下に、これらの工程について説明する。
<帯電工程>
本工程では、電子写真感光体を帯電させる。帯電させる方法は、特に限定されず、例えば、帯電ローラーによって電子写真感光体の帯電が行われる帯電ローラー方式など、公知の方法でよい。
本工程では、電子写真感光体を帯電させる。帯電させる方法は、特に限定されず、例えば、帯電ローラーによって電子写真感光体の帯電が行われる帯電ローラー方式など、公知の方法でよい。
[露光工程]
本工程では、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に静電潜像を形成する。
電子写真感光体としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリシラン又はフタロポリメチンなどの有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、例えば、電子写真感光体の表面を帯電工程において一様に帯電させ、露光手段により電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行われる。
露光手段としては、特に限定されず、電子写真方式において一般的に使用されているものを用いることができる。
本工程では、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に静電潜像を形成する。
電子写真感光体としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリシラン又はフタロポリメチンなどの有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、例えば、電子写真感光体の表面を帯電工程において一様に帯電させ、露光手段により電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行われる。
露光手段としては、特に限定されず、電子写真方式において一般的に使用されているものを用いることができる。
[現像工程]
現像工程は、静電潜像を、本発明に係るトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、トナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラーとからなる現像手段を用いて行われる。
具体的には、現像手段においては、例えば、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、電子写真感光体(静電潜像担持体)近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって電子写真感光体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて電子写真感光体の表面にトナー像が形成される。
現像工程は、静電潜像を、本発明に係るトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、トナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラーとからなる現像手段を用いて行われる。
具体的には、現像手段においては、例えば、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、電子写真感光体(静電潜像担持体)近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって電子写真感光体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて電子写真感光体の表面にトナー像が形成される。
[転写工程]
本工程では、トナー像を画像支持体に転写する。
トナー像の画像支持体への転写は、トナー像を画像支持体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体を用い、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、このトナー像を画像支持体上に2次転写する態様の他、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に形成されたトナー像を直接画像支持体に転写する態様などによって行うこともできる。
画像支持体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
本工程では、トナー像を画像支持体に転写する。
トナー像の画像支持体への転写は、トナー像を画像支持体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体を用い、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、このトナー像を画像支持体上に2次転写する態様の他、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に形成されたトナー像を直接画像支持体に転写する態様などによって行うこともできる。
画像支持体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
[クリーニング工程]
本工程では、現像ローラー、感光体、中間転写体などの現像剤担持体上には、画像形成に使用されなかった又は転写されずに残った液体現像剤を現像剤担持体上から除去する。
クリーニングの方法は、特に限定されないが、先端が感光体に当接して設けられた、感光体表面を擦過するブレードが用いられる方法であることが好ましい。
本工程では、現像ローラー、感光体、中間転写体などの現像剤担持体上には、画像形成に使用されなかった又は転写されずに残った液体現像剤を現像剤担持体上から除去する。
クリーニングの方法は、特に限定されないが、先端が感光体に当接して設けられた、感光体表面を擦過するブレードが用いられる方法であることが好ましい。
≪静電荷像現像用フルカラートナーセット≫
静電荷像現像用フルカラートナーセットとは、上記着色剤を用いた複数色のトナーから構成されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーの少なくとも4色のトナーから構成されることが好ましい。
静電荷像現像用フルカラートナーセットとは、上記着色剤を用いた複数色のトナーから構成されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーの少なくとも4色のトナーから構成されることが好ましい。
なお、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセット(以下、単に「トナーセット」ともいう。)においては、上記のトナーを好適に使用することができる。
すなわち、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットは、複数色のトナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーセットであって、複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内である。
すなわち、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットは、複数色のトナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーセットであって、複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内である。
例えば、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットにおいては、非晶性ビニル重合体が、スチレン・アクリル系樹脂であり、当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することがより優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。]
また、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットにおいては、一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことが更に優れた低温定着性・耐熱性を得ることができるため好ましい。
また、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットにおいては、複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を、50〜80質量%の範囲内で含有することがドキュメントオフセット性がより向上するため好ましい。
また、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットにおいては、前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることが低温定着性がより向上するため好ましい。
また、本発明に係る静電荷像現像用フルカラートナーセットにおいては、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることが低温定着性がより向上するため好ましい。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[トナーセット1の作製方法:実施例1]
≪イエロートナー〔Y−1〕の製造方法≫
<着色剤微粒子の水系分散液〔Y〕の調製>
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、着色剤として「C.I.ピグメントイエロー74」420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、イエロー着色剤の微粒子が分散されてなる着色剤微粒子の水系分散液〔Y〕を調製した。この分散液における着色剤微粒子の粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ、182nmであった。
≪イエロートナー〔Y−1〕の製造方法≫
<着色剤微粒子の水系分散液〔Y〕の調製>
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、着色剤として「C.I.ピグメントイエロー74」420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、イエロー着色剤の微粒子が分散されてなる着色剤微粒子の水系分散液〔Y〕を調製した。この分散液における着色剤微粒子の粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ、182nmであった。
<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>
(第1重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部及びイオン交換水3Lを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記
・スチレン(St) 480質量部
・n−ブチルアクリレート(BA) 250質量部
・メタクリル酸(MAA) 68質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(1)を調製した。
(第1重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部及びイオン交換水3Lを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記
・スチレン(St) 480質量部
・n−ブチルアクリレート(BA) 250質量部
・メタクリル酸(MAA) 68質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(1)を調製した。
(第2重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3Lに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記の樹脂微粒子の分散液(1)280質量部と、下記
・スチレン(St) 256質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート(表1に記載のアクリルエステル)
115質量部
・メタクリル酸(MAA) 21質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 5質量部
・離型剤(ベヘニルベヘネート(融点73℃)) 120質量部
からなる単量体及び離型剤を90℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3Lに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記の樹脂微粒子の分散液(1)280質量部と、下記
・スチレン(St) 256質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート(表1に記載のアクリルエステル)
115質量部
・メタクリル酸(MAA) 21質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 5質量部
・離型剤(ベヘニルベヘネート(融点73℃)) 120質量部
からなる単量体及び離型剤を90℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200mLに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(2)を調製した。
(第3重合)
上記樹脂微粒子の分散液(2)にイオン交換水400mLを添加しよく混合したのち、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400mLに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、下記
・スチレン(St) 435質量部
・n−ブチルアクリレート(BA) 157質量部
・メタクリル酸(MAA) 41質量部
・n−オクチルメルカプタン 13質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕を調製した。この離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕中において、樹脂微粒子の体積基準のメジアン径が220nm、ガラス転移温度(Tg)が55℃、重量平均分子量(Mw)が38000であった。
上記樹脂微粒子の分散液(2)にイオン交換水400mLを添加しよく混合したのち、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400mLに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、下記
・スチレン(St) 435質量部
・n−ブチルアクリレート(BA) 157質量部
・メタクリル酸(MAA) 41質量部
・n−オクチルメルカプタン 13質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕を調製した。この離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕中において、樹脂微粒子の体積基準のメジアン径が220nm、ガラス転移温度(Tg)が55℃、重量平均分子量(Mw)が38000であった。
<結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕の調製>
(結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の合成)
両反応性モノマーを含む、下記の付加重合系樹脂(スチレン・アクリル樹脂:StAc)セグメントの原料モノマー及びラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
・スチレン 34質量部
・n−ブチルアクリレート 12質量部
・アクリル酸 2質量部
・重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 7質量部
(結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の合成)
両反応性モノマーを含む、下記の付加重合系樹脂(スチレン・アクリル樹脂:StAc)セグメントの原料モノマー及びラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
・スチレン 34質量部
・n−ブチルアクリレート 12質量部
・アクリル酸 2質量部
・重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 7質量部
また、下記の重縮合系樹脂(結晶性ポリエステル樹脂:CPEs)セグメントの原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
・セバシン酸 281質量部
・1,12−ドデカンジオール 283質量部
・セバシン酸 281質量部
・1,12−ドデカンジオール 283質量部
次いで、撹拌下で、滴下ロートに入れた付加重合系樹脂(スチレン・アクリル樹脂:StAc)セグメントの原料モノマー及びラジカル重合開始剤を90分かけて滴下し、60分間熟成を行ったのち、減圧下(8kPa)にて未反応の付加重合モノマーを除去した。なお、このとき除去されたモノマー量は、上記の樹脂の原料モノマー比に対してごく微量であった。
その後、エステル化触媒としてオルトチタン酸テトラブチル(Ti(OBu)4)を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、更に減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次に、200℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることによりハイブリッド樹脂である結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕を得た。ハイブリッド樹脂である結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕は、その全量に対して、スチレン・アクリル樹脂セグメントの含有量が8質量%であり、また、スチレン・アクリル樹脂セグメントに結晶性ポリエステル樹脂セグメントがグラフト化した形態の樹脂であった。また、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の数平均分子量(Mn)は9000、融点(Tc)は76℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕の調製)
上記合成例で得られた、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、70℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液に、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.5質量部を添加した。この溶解液を撹拌器を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、70℃に温めた水252質量部を70分間にわたって滴下混合した。滴下の途中で容器内の液は白濁化し、全量滴下後に均一に乳化状の状態を得た。この乳化液の油滴の粒径をレーザ回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、体積平均粒径は123nmであった。
上記合成例で得られた、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、70℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液に、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.5質量部を添加した。この溶解液を撹拌器を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、70℃に温めた水252質量部を70分間にわたって滴下混合した。滴下の途中で容器内の液は白濁化し、全量滴下後に均一に乳化状の状態を得た。この乳化液の油滴の粒径をレーザ回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、体積平均粒径は123nmであった。
次いで、この乳化液を70℃で保温したまま、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、15kPa(150mbar)に減圧下で3時間撹拌することでメチルエチルケトンを蒸留除去し、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕を調製した。上記粒度分布測定器にて測定した結果、上記分散液に含まれる粒子は、体積平均粒径が75nmであった。
<非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の調製>
(非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の合成)
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
500質量部
・テレフタル酸 117質量部
・フマル酸 82質量部
・エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
・アクリル酸 10質量部
・スチレン 6質量部
・n−ブチルアクリレート 1質量部
・重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、ビニル系重合セグメントとポリエステル系重合セグメントが結合してなる非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の合成)
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
500質量部
・テレフタル酸 117質量部
・フマル酸 82質量部
・エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
・アクリル酸 10質量部
・スチレン 6質量部
・n−ブチルアクリレート 1質量部
・重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、ビニル系重合セグメントとポリエステル系重合セグメントが結合してなる非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の調製)
上記合成例で得られた、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、30℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液に、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.5質量部を添加した。この溶解液を撹拌器を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、30℃の水252質量部を70分間にわたって滴下混合した。滴下の途中で容器内の液は白濁化し、全量滴下後に均一に乳化状の状態を得た。この乳化液の油滴の粒径をレーザ回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、体積平均粒径は186nmであった。
上記合成例で得られた、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、30℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液に、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.5質量部を添加した。この溶解液を撹拌器を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、30℃の水252質量部を70分間にわたって滴下混合した。滴下の途中で容器内の液は白濁化し、全量滴下後に均一に乳化状の状態を得た。この乳化液の油滴の粒径をレーザ回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、体積平均粒径は186nmであった。
次いで、この乳化液を70℃で加温し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、15kPa(150mbar)に減圧下で3時間撹拌することでメチルエチルケトンを蒸留除去し、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕を調製した。上記粒度分布測定器にて測定した結果、上記分散液に含まれる粒子は、体積平均粒径が159nmであった。
<イエロートナー〔Y−1〕の製造>
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕231質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した(液温は25℃。)。
その後、着色剤微粒子の水系分散液〔Y〕23質量部(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム30質量部をイオン交換水30質量部に溶解した水溶液を、撹拌下の反応容器中の混合液に、30℃において10分間かけて添加した。この混合液を80℃まで昇温し、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕30質量部(固形分換算)、を10分間かけて添加して凝集を進行させた。「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.0μmになった時点で、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕60質量部(固形分換算)を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕231質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した(液温は25℃。)。
その後、着色剤微粒子の水系分散液〔Y〕23質量部(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム30質量部をイオン交換水30質量部に溶解した水溶液を、撹拌下の反応容器中の混合液に、30℃において10分間かけて添加した。この混合液を80℃まで昇温し、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕30質量部(固形分換算)、を10分間かけて添加して凝集を進行させた。「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.0μmになった時点で、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕60質量部(固形分換算)を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。
さらに、80℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/minの冷却速度で30℃に冷却した。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、40℃で24時間乾燥させることにより、イエロートナー粒子を得た。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、40℃で24時間乾燥させることにより、イエロートナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、外添剤として疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにより回転翼周速35mm/sec、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去する外添剤処理を施すことにより、イエロートナー〔Y−1〕を製造した。
≪イエロー現像剤〔Y−1〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−1〕に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、イエロー現像剤〔Y−1〕を製造した。
イエロートナー〔Y−1〕に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、イエロー現像剤〔Y−1〕を製造した。
≪マゼンタ現像剤〔M−1〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントレッド122を用い、かつ、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のように処方した離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液〔WV10〕を用いた以外は同様にして、マゼンタ現像剤〔M−1〕を製造した。
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントレッド122を用い、かつ、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のように処方した離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液〔WV10〕を用いた以外は同様にして、マゼンタ現像剤〔M−1〕を製造した。
≪シアン現像剤〔C−1〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントブルー18:3を用い、かつ、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のように処方した離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液〔WV9〕を用いた以外は同様にして、シアン現像剤〔C−1〕を製造した。
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントブルー18:3を用い、かつ、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のように処方した離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液〔WV9〕を用いた以外は同様にして、シアン現像剤〔C−1〕を製造した。
≪ブラック現像剤〔Bk−1〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにカーボンブラックを用い、かつ、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のように処方した離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液〔WV9〕を用いた以外は同様にして、ブラック現像剤〔Bk−1〕を製造した。
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにカーボンブラックを用い、かつ、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のように処方した離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液〔WV9〕を用いた以外は同様にして、ブラック現像剤〔Bk−1〕を製造した。
[トナーセット2〜13の作製方法:実施例2〜9、比較例1〜4]
各トナーセットに用いるイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色トナーは、表2の組み合わせに従って作製した。
各トナーセットに用いるイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色トナーは、表2の組み合わせに従って作製した。
≪イエロートナー〔Y−2〕〜〔Y−8〕、〔Y−10〕、〔Y−12〕、〔Y−13〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表3に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、イエロートナー〔Y−2〕〜〔Y−8〕、〔Y−10〕、〔Y−12〕、〔Y−13〕を得た。
なお、イエロートナー〔Y−8〕においては、イエロートナー〔Y−1〕の製造において、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕を使用しておらず、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕が含有されていない。
また、イエロートナー〔Y−10〕においては、イエロートナー〔Y−1〕の製造において、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕を使用しておらず、非晶性ポリエステル樹脂〔c1〕が含有されていない。
また、表3に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表3に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、イエロートナー〔Y−2〕〜〔Y−8〕、〔Y−10〕、〔Y−12〕、〔Y−13〕を得た。
なお、イエロートナー〔Y−8〕においては、イエロートナー〔Y−1〕の製造において、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕を使用しておらず、非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕が含有されていない。
また、イエロートナー〔Y−10〕においては、イエロートナー〔Y−1〕の製造において、結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕を使用しておらず、非晶性ポリエステル樹脂〔c1〕が含有されていない。
また、表3に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液におけるスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の量を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
≪イエロートナー〔Y−9〕の製造方法≫
<非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕の調製>
離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の製造において、第2重合の離型剤を使用しないこと以外は同様にして、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を得た。
<非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕の調製>
離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の製造において、第2重合の離型剤を使用しないこと以外は同様にして、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を得た。
<離型剤〔w1〕の水系分散液〔W1〕の調製>
離型剤(ベヘニルベヘネート)〔w1〕72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、78℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液を撹拌器を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、78℃に温めた水252質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散することにより、乳化液を得た。
離型剤(ベヘニルベヘネート)〔w1〕72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、78℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液を撹拌器を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、78℃に温めた水252質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散することにより、乳化液を得た。
次いで、この乳化液を70℃で加温し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、15kPa(150mbar)に減圧下で3時間撹拌することでメチルエチルケトンを蒸留除去し、離型剤(ベヘニルベヘネート)〔w1〕が分散された水系分散液〔W1〕」を調製した。上記分散液に含まれる粒子の粒径をレーザ回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、体積平均粒径は170nmであった。
<イエロートナー〔Y−9〕の製造>
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕と離型剤〔w1〕の水系分散液〔W1〕を、さらに、イエロートナー〔Y−1〕の製造における非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりに非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を、それぞれ表3に記載の添加量(固形分換算)で処方した以外は同様にして、イエロートナー〔Y−9〕を得た。
イエロートナー〔Y−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の代わりに非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕と離型剤〔w1〕の水系分散液〔W1〕を、さらに、イエロートナー〔Y−1〕の製造における非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりに非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を、それぞれ表3に記載の添加量(固形分換算)で処方した以外は同様にして、イエロートナー〔Y−9〕を得た。
≪イエロートナー〔Y−11〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表3に記載の処方に従って同様にして、イエロートナー〔Y−11〕を得た。
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表3に記載の処方に従って同様にして、イエロートナー〔Y−11〕を得た。
≪マゼンタトナー〔M−2〕〜〔M−7〕、〔M−9〕、〔M−11〕の製造方法≫
マゼンタートナー〔M−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表4に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔M−2〕〜〔M−7〕、〔M−9〕、〔M−11〕を得た。なお、表4に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、上記「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
マゼンタートナー〔M−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表4に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、マゼンタトナー〔M−2〕〜〔M−7〕、〔M−9〕、〔M−11〕を得た。なお、表4に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、上記「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
≪マゼンタトナー〔M−8〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントレッド122を、非晶性ポリエステル〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりにモノマー比率を適宜変更して酸価を調整した非晶性ポリエステル〔a2〕の水系分散液〔A2〕を用いた以外は同様にして、マゼンタトナー〔M−8〕を製造した。
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントレッド122を、非晶性ポリエステル〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりにモノマー比率を適宜変更して酸価を調整した非晶性ポリエステル〔a2〕の水系分散液〔A2〕を用いた以外は同様にして、マゼンタトナー〔M−8〕を製造した。
≪マゼンタトナー〔M−10〕の製造方法≫
マゼンタトナー〔M−8〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表4に記載の処方に従って同様にして、マゼンタトナー〔M−10〕を得た。
マゼンタトナー〔M−8〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表4に記載の処方に従って同様にして、マゼンタトナー〔M−10〕を得た。
≪シアントナー〔C−2〕〜〔C−7〕、〔C−9〕、〔C−11〕の製造方法≫
シアントナー〔C−1〕の製造において離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表5に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、シアントナー〔C−2〕〜〔C−7〕、〔C−9〕、〔C−11〕を得た。なお、表5に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、上記「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
シアントナー〔C−1〕の製造において離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表5に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、シアントナー〔C−2〕〜〔C−7〕、〔C−9〕、〔C−11〕を得た。なお、表5に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、上記「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
≪シアントナー〔C−8〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントブルー18:3を、非晶性ポリエステル〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりにモノマー比率を適宜変更して酸価を調整した非晶性ポリエステル〔a3〕の水系分散液〔A3〕を用いた以外は同様にして、シアントナー〔C−8〕を製造した。
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントブルー18:3を、非晶性ポリエステル〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりにモノマー比率を適宜変更して酸価を調整した非晶性ポリエステル〔a3〕の水系分散液〔A3〕を用いた以外は同様にして、シアントナー〔C−8〕を製造した。
≪シアントナー〔C−10〕の製造方法≫
シアントナー〔C−8〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表5に記載の処方に従って同様にして、シアントナー〔C−10〕を得た。
シアントナー〔C−8〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表5に記載の処方に従って同様にして、シアントナー〔C−10〕を得た。
≪ブラックトナー〔Bk−2〕〜〔Bk−6〕、〔Bk−8〕の製造方法≫
ブラックトナー〔Bk−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表6に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、ブラックトナー〔Bk−2〕〜〔Bk−6〕、〔Bk−8〕を得た。なお、表6に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、上記「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
ブラックトナー〔Bk−1〕の製造において、離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液の種類及び添加量並びに結晶性ポリエステル樹脂〔c1〕の水系分散液〔C1〕及び非晶性ポリエステル樹脂〔a1〕の水系分散液〔A1〕の添加量を表6に記載の処方に変えたこと以外は同様にして、ブラックトナー〔Bk−2〕〜〔Bk−6〕、〔Bk−8〕を得た。なお、表6に記載の離型剤含有非晶性ビニル重合体の水系分散液は、上記「<離型剤含有非晶性ビニル重合体〔wv1〕の水系分散液〔WV1〕の調製>」において、第2重合におけるアクリルエステル種及び第3重合に使用する単量体混合液を表1に記載のようにした以外は同様にして調製した。
≪ブラックトナー〔Bk−7〕の製造方法≫
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにカーボンブラックを、非晶性ポリエステル〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりにモノマー比率を適宜変更して酸価を調整した非晶性ポリエステル〔a3〕の水系分散液〔A3〕を用いたこと以外は同様にして、ブラックトナー〔Bk−7〕を製造した。
イエロートナー〔Y−9〕の製造において、着色剤をC.I.ピグメントイエロー74の代わりにカーボンブラックを、非晶性ポリエステル〔a1〕の水系分散液〔A1〕の代わりにモノマー比率を適宜変更して酸価を調整した非晶性ポリエステル〔a3〕の水系分散液〔A3〕を用いたこと以外は同様にして、ブラックトナー〔Bk−7〕を製造した。
≪ブラックトナー〔Bk−9〕の製造方法≫
ブラックトナー〔Bk−7〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表6に記載の処方に従って同様にして、ブラックトナー〔Bk−9〕を得た。
ブラックトナー〔Bk−7〕の製造において、非晶性ビニル重合体〔v1〕の水系分散液〔V1〕を使用しないこと以外は表6に記載の処方に従って同様にして、ブラックトナー〔Bk−9〕を得た。
[酸価差]
(酸価)
酸価とは、試料1g中に存在するカルボキシ基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。酸価は、JIS K0070−1992に準じて測定する。
(酸価)
酸価とは、試料1g中に存在するカルボキシ基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。酸価は、JIS K0070−1992に準じて測定する。
(1)試薬の準備
(a)フェノールフタレイン溶液
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mLに溶解し、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
(a)フェノールフタレイン溶液
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mLに溶解し、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
(b)水酸化カリウム溶液
特級水酸化カリウム7gを5mLのイオン交換水に溶解し、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとした。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。
特級水酸化カリウム7gを5mLのイオン交換水に溶解し、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとした。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。
(c)水酸化カリウム溶液のファクター
水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1mol/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求めた。
水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1mol/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求めた。
(d)塩酸溶液
前記0.1mol/L塩酸は、JIS K8001−1998に準じて調製されたものを用いた。
前記0.1mol/L塩酸は、JIS K8001−1998に準じて調製されたものを用いた。
(2)操作
(a)本試験
トナー2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解した。
次いで、指示薬として、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。なお滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒続いたときとした。
(a)本試験
トナー2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解した。
次いで、指示薬として、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。なお滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒続いたときとした。
(b)空試験
試料を用いない(すなわち、トルエン:エタノール(2:1)の混合液のみとする)以外は、同様の滴定を行った。
試料を用いない(すなわち、トルエン:エタノール(2:1)の混合液のみとする)以外は、同様の滴定を行った。
(3)得られた結果を下記式に代入して酸価を算出した。
A=[(C−D)×f×5.611]/S
ここで、
A:酸価(mgKOH/g)
C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
D:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
f:0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
5.611:水酸化カリウムのモル質量56.11(g/mol)×(1/10)
S:試料の質量(g)である。
A=[(C−D)×f×5.611]/S
ここで、
A:酸価(mgKOH/g)
C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
D:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
f:0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
5.611:水酸化カリウムのモル質量56.11(g/mol)×(1/10)
S:試料の質量(g)である。
このようにして求められたトナーセットにおける、各色のトナーの酸価から、酸価差を計算した。
[評価方法]
上記トナーセット1〜13について、下記評価を行った。結果を表7に示す。なお、表7において、各色トナー酸価のY/M/C/Kとは、イエロートナー/マゼンタトナー/シアントナー/ブラックトナーのトナー酸価値(mgKOH/g)を表す。
<低温定着性>
複写機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ(株)製)において、定着装置を、定着用ヒートローラの表面温度を100〜210℃の範囲で変更することができるように改造したものに上記トナーセットからなる現像剤を装填した。A4サイズの普通紙(坪量80g/m2)上に、トナー付着量11mg/10cm2のベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を85℃から5℃刻みで増加させるよう変更しながら130℃まで繰り返し行った。
上記トナーセット1〜13について、下記評価を行った。結果を表7に示す。なお、表7において、各色トナー酸価のY/M/C/Kとは、イエロートナー/マゼンタトナー/シアントナー/ブラックトナーのトナー酸価値(mgKOH/g)を表す。
<低温定着性>
複写機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ(株)製)において、定着装置を、定着用ヒートローラの表面温度を100〜210℃の範囲で変更することができるように改造したものに上記トナーセットからなる現像剤を装填した。A4サイズの普通紙(坪量80g/m2)上に、トナー付着量11mg/10cm2のベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を85℃から5℃刻みで増加させるよう変更しながら130℃まで繰り返し行った。
次いで、各定着温度の定着実験において得られたプリント物を、折り機で前記ベタ画像に荷重をかけるように折り、これに0.35MPaの圧縮空気を吹き付け、折り目を下記のランク基準に示す5段階にランク付けし、ランク3となる定着実験のうち最も定着温度の低い定着実験における定着温度を、下限定着温度として評価した。
(折り目のランク基準)
ランク5:全く折れ目なし
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
ランク1:大きな剥離あり
ランク5:全く折れ目なし
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
ランク1:大きな剥離あり
(定着温度の評価基準)
◎:下限定着温度が105℃以下
○:下限定着温度が105℃より大きく、118℃以下
△:下限定着温度が118℃より大きく、120℃以下
×:下限定着温度が120℃より大きい
なお、下限定着温度は、低ければ低い程、低温定着性に優れることを意味しており、下限定着温度が120℃以下であれば実用上問題ないため、合格と判定する。
◎:下限定着温度が105℃以下
○:下限定着温度が105℃より大きく、118℃以下
△:下限定着温度が118℃より大きく、120℃以下
×:下限定着温度が120℃より大きい
なお、下限定着温度は、低ければ低い程、低温定着性に優れることを意味しており、下限定着温度が120℃以下であれば実用上問題ないため、合格と判定する。
<耐熱性>
トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り蓋を閉めて、振とう機「タップデンサーKYT−2000」(セイシン企業社製)を用い、室温で600回振とうした後、蓋を取った状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmとなる振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式によりトナー凝集率を算出した。
トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り蓋を閉めて、振とう機「タップデンサーKYT−2000」(セイシン企業社製)を用い、室温で600回振とうした後、蓋を取った状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmとなる振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式によりトナー凝集率を算出した。
トナー凝集率(質量%)=(篩上の残存トナー質量(g)/0.5(g))×100
この試験を、湿度は35%RHのまま、試験温度を0.1℃ずつ上げながら、トナー凝集率が50質量%を超えるまで繰り返し行った。トナー凝集率が50質量%を超えない最大の試験温度(限界耐熱保管温度)を、耐熱性の指標とした。
(評価基準)
◎:限界耐熱保管温度が60℃以上
○:限界耐熱保管温度が57℃以上60℃未満
△:限界耐熱保管温度が56℃以上57℃未満
×:限界耐熱保管温度が56℃未満
なお、限界耐熱保管温度は、56℃以上である場合を合格と判定する。
◎:限界耐熱保管温度が60℃以上
○:限界耐熱保管温度が57℃以上60℃未満
△:限界耐熱保管温度が56℃以上57℃未満
×:限界耐熱保管温度が56℃未満
なお、限界耐熱保管温度は、56℃以上である場合を合格と判定する。
<ドキュメントオフセット性(画像保存性)>
上記トナーセットを採用した複写機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ(株)製)に対して専用フィニッシャー「FS−608」(コニカミノルタ(株)製)を装填したものを用い、中綴じ印刷100部(1部5枚)の自動製品作製テストを50回繰り返して行った。この自動製品作製テストにおいては、1ページ当りの画素率を50%に設定し、また画像記録シート(転写紙)としては、坪量64g/m2の紙を用いた。作製した中綴じ印刷物を室温となるまで自然冷却した後、当該中綴じ印刷物の全ページを目視して確認し、最も可視画像の画像欠損度の大きいページについて、以下に示す基準によって評価を行った。この評価基準においては、ランク3〜4が合格と判断される。
上記トナーセットを採用した複写機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ(株)製)に対して専用フィニッシャー「FS−608」(コニカミノルタ(株)製)を装填したものを用い、中綴じ印刷100部(1部5枚)の自動製品作製テストを50回繰り返して行った。この自動製品作製テストにおいては、1ページ当りの画素率を50%に設定し、また画像記録シート(転写紙)としては、坪量64g/m2の紙を用いた。作製した中綴じ印刷物を室温となるまで自然冷却した後、当該中綴じ印刷物の全ページを目視して確認し、最も可視画像の画像欠損度の大きいページについて、以下に示す基準によって評価を行った。この評価基準においては、ランク3〜4が合格と判断される。
(評価基準)
ランク1:画像部においては白抜けなどの画像欠損が生じ、また非画像部においても明らかな画像移行が生じており、耐ドキュメントオフセット性が極めて不良である
ランク2:紙揃えに乱れが生じて一部のページに画像がやや傾いた状態で小口が裁断されている又は例えば画像部の所々に画像接着の痕跡としての微小な光沢むらの発生があるなど、実用上大きな問題とはならないレベルの画像欠損及び画像移行が生じている
ランク3:互いに画像部が重なりあったページをめくる際にパリッと音がするものの、画像部及び非画像部に通常の使用において、実用上の問題となるような画像欠損及び画像移行がなく、耐ドキュメントオフセット性が良好である
ランク4:画像部及び非画像部ともに全く画像欠損及び画像移行がなく、耐ドキュメントオフセット性が極めて良好である
ランク1:画像部においては白抜けなどの画像欠損が生じ、また非画像部においても明らかな画像移行が生じており、耐ドキュメントオフセット性が極めて不良である
ランク2:紙揃えに乱れが生じて一部のページに画像がやや傾いた状態で小口が裁断されている又は例えば画像部の所々に画像接着の痕跡としての微小な光沢むらの発生があるなど、実用上大きな問題とはならないレベルの画像欠損及び画像移行が生じている
ランク3:互いに画像部が重なりあったページをめくる際にパリッと音がするものの、画像部及び非画像部に通常の使用において、実用上の問題となるような画像欠損及び画像移行がなく、耐ドキュメントオフセット性が良好である
ランク4:画像部及び非画像部ともに全く画像欠損及び画像移行がなく、耐ドキュメントオフセット性が極めて良好である
<色域>
得られた各ベタパッチ定着画像について、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて、2002色パッチのL*a*b*を測定し、各実施例及び比較例におけるベタパッチ定着画像の組み合わせにおける色域体積率を算出し、Japan Colorの色域体積率を100%として表した。
得られた各ベタパッチ定着画像について、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて、2002色パッチのL*a*b*を測定し、各実施例及び比較例におけるベタパッチ定着画像の組み合わせにおける色域体積率を算出し、Japan Colorの色域体積率を100%として表した。
(評価基準)
◎:色域体積率が110%以上
○:色域体積率が105%以上110%未満
×:色域体積率が105%未満
なお、色域体積率が105%以上である場合を合格レベルとして色再現性を評価した。
◎:色域体積率が110%以上
○:色域体積率が105%以上110%未満
×:色域体積率が105%未満
なお、色域体積率が105%以上である場合を合格レベルとして色再現性を評価した。
<帯電環境差>
キャリア19gとトナー1gを20mLガラス製容器に入れ、低温低湿環境(10℃、20%RH)、高温高湿環境(30℃、80%)でそれぞれ12時間調湿し、毎分200回、振り角度45度、アーム50cmで20分間、それぞれの環境下で振った後、図1の測定装置を用いて帯電量を測定した。
キャリア19gとトナー1gを20mLガラス製容器に入れ、低温低湿環境(10℃、20%RH)、高温高湿環境(30℃、80%)でそれぞれ12時間調湿し、毎分200回、振り角度45度、アーム50cmで20分間、それぞれの環境下で振った後、図1の測定装置を用いて帯電量を測定した。
図1において36、37は平行平板電極、38は可変容量コンデンサー、39、40は電源、42はパソコン、43、44は抵抗、45はバッファー、46は二成分現像剤、47はA/D変換、を示す。
測定は、平行平板(アルミ)電極36、37の間に二成分現像剤46を50mg摺動させながら配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像した際に現像領域に供給されたトナーの電荷量と質量を測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/g)を求め、その値を帯電量とした。
測定は、平行平板(アルミ)電極36、37の間に二成分現像剤46を50mg摺動させながら配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像した際に現像領域に供給されたトナーの電荷量と質量を測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/g)を求め、その値を帯電量とした。
(評価基準)
低温低湿環境での帯電量と高温高湿環境での帯電量の差により、下記のようにランク評価した。
◎:10μC/g未満(優良)
○:10μC/g以上〜15μC/g未満(良好)
△:15μC/g以上〜20μC/g未満(実用可)
×:20μC/g以上(実用不可)
なお、20μC/g未満を合格とした。
低温低湿環境での帯電量と高温高湿環境での帯電量の差により、下記のようにランク評価した。
◎:10μC/g未満(優良)
○:10μC/g以上〜15μC/g未満(良好)
△:15μC/g以上〜20μC/g未満(実用可)
×:20μC/g以上(実用不可)
なお、20μC/g未満を合格とした。
[まとめ]
表7より、本発明によれば、各色トナーの酸価差、特にイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーのカラートナー間で酸価差を設けることで、低温定着性と耐熱性に優れ、かつ、ドキュメントオフセット性、色域、帯電環境安定性に優れた電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセットを提供することができることが示された。
表7より、本発明によれば、各色トナーの酸価差、特にイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーのカラートナー間で酸価差を設けることで、低温定着性と耐熱性に優れ、かつ、ドキュメントオフセット性、色域、帯電環境安定性に優れた電子写真画像形成方法及び静電荷像現像用フルカラートナーセットを提供することができることが示された。
36、37 平行平板電極
38 可変容量コンデンサー
39、40 電源
42 パソコン
43、44 抵抗
45 バッファー
46 二成分現像剤
47 A/D変換
38 可変容量コンデンサー
39、40 電源
42 パソコン
43、44 抵抗
45 バッファー
46 二成分現像剤
47 A/D変換
Claims (12)
- 複数色のトナーを使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、
前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、
前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、
各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であり、
カラートナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする電子写真画像形成方法。 - 前記非晶性ビニル重合体が、スチレン・アクリル系樹脂であり、
当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。] - 前記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を、50〜80質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂が、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真画像形成方法。
- 複数色のトナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーセットであって、
前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及び結晶性樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、少なくともビニル系単量体を用いて形成される非晶性ビニル重合体からなり、
前記トナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を10〜90質量%の範囲内で含有し、
各色トナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であり、
カラートナーの酸価差の最大値が、1〜10mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする静電荷像現像用フルカラートナーセット。 - 前記非晶性ビニル重合体が、スチレン・アクリル系樹脂であり、
当該スチレン・アクリル系樹脂が、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
一般式(1) H2C=CR1−COOR2
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数6〜22の範囲内のアルキル基を表す。] - 前記一般式(1)中R2が、炭素数6〜22の範囲内の分岐アルキル基を表すことを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
- 前記複数色のトナーのそれぞれに含まれるトナー粒子が、前記非晶性ビニル重合体を、50〜80質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
- 前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂が、非結晶性樹脂セグメントが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項11に記載の静電荷像現像用フルカラートナーセット。
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