JP6085352B2 - ヘキサナール曝露特異的メチル化マーカー遺伝子およびそれを用いた確認方法 - Google Patents

ヘキサナール曝露特異的メチル化マーカー遺伝子およびそれを用いた確認方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヘキサナールに対する曝露の有無を確認するためのメチル化マーカー及びそれを用いた確認方法に関するもので、より詳細には、ヘキサナールに対する曝露に特異的なメチル化バイオマーカーおよびそれを用いたヘキサナールに対する曝露の有無を確認する方法に関するものである。
エピジェネティクスは、DNA塩基配列の変化をもたらさずに遺伝子発現の調節に変化が起こる現象で、DNAメチル化は、DNAメチル転移酵素によってDNAのシトシン塩基にメチル基が転移される症状であり、microRNA、ヒストンタンパク質の変形(メチル化、アセチル化)、ヌクレオソームポジショニングと共にエピジェネティクスの重要な要因として知られている。DNAメチル化は、特定の遺伝子のプロモーター部位が過剰メチル化(ハイパーメチレーション)されると前記遺伝子の発現が抑制され、逆に低メチル化(ハイポメチレーション)されると遺伝子の発現が増加する。DNAメチル化は、原核生物では、外部遺伝子の侵入から保護してくれる役割をし、真核生物では、発達過程で遺伝子の発現を調節してくれる重要な役割を果たしている。それを含みDNAメチル化は、発生と発達、染色体の安定性、X染色体の不活性化、外部寄生遺伝体の発現抑制、ゲノムインプリンティングなど正常細胞の機能に大きく関与し、組織特異的遺伝子活性、疾病と関連した遺伝子の発現増加または抑制にも影響を与えることが明らかになっている。メチル化のメカニズムは、癌の発病、細胞老化、臓器の成長などに重要な影響を及ぼしており、それにより、メチル化関連の研究は、癌の発生、老化などの生命現象の因果関係の究明に重要な役割をするだけでなく、将来、発生および分化や幹細胞を用いた細胞治療剤の開発などの研究にも適用し得るバイオ研究の重要な分野として定着することが予想される。したがって、メチル化マーカーの発掘は、癌を含む様々な病気の早期診断、予後予測のモニタリング、治療および事後管理などに大きく寄与するところに意義がある。
最近の急激な技術開発によって、ゲノム全体のメチル化分析が試みられており、それにより、これまで知られていない新しいものを含め、全般的なメチル化機能の研究が可能になるものと考えられている。特に高分解能のマイクロアレイと高速次世代塩基配列分析などの技術は、より多くの疾病におけるメチル化全般にわたる研究を可能にし、疾病誘発過程に対する新たな知識を提供し、それを通じた新しい診断マーカーおよび治療標的の発掘を可能にするだけでなく、メチル化マーカーは、特定の環境有害物質の曝露予測にも有用であると考えられている。今までは環境有害物質の曝露に伴う遺伝子(mRNA)変化の様相とそれに伴う病気との関連性に関した研究が主に進められてきたが、最近、DNAメチル化との関連性に対する関心が高まるにつれて、いくつかの研究においてベンゼン、ヒ素またはRDXなどの有害物質と屋外および室内の空気汚染源の曝露に伴うメチル化の変化を観察し、特異的な変化を示すメチル化遺伝子を有害物質に対するマーカーとして提示した(非特許文献1〜3)。
また、発掘されたメチル化遺伝子は、曝露を予測するためのマーカーとしてだけでなく、環境有害物質による毒性機序を予測するためのマーカーとしても有用に用いることができる。このようにメチル化マーカーの環境有害物質の曝露および毒性機序の予測における役割が非常に重要であるにもかかわらず、現在のDNAメチル化関連の研究は、主に疾病診断用マーカーの発掘に限定されており、様々な環境中に放出される可能性が非常に大きな揮発性有機化合物類のような有害物質の曝露による遺伝子メチル化の変化に対する研究は不足している。また、後天的な遺伝学的変化は、遺伝子の発現のような遺伝的変化の多様性に比べてその程度が大きくないので、多数のマーカーが必要な遺伝子発現プロファイリングに比べてただ一つのDNAメチル化やマイクロRNAのような後天的ゲノムマーカーでも疾病や有害物質の曝露を早期に診断することができるという利点だけでなく、非侵襲的な方法で診断することができるという利点がある。
室内空気汚染は、実際の室内での生活時間が一日のうちの90%以上を占めており、汚染源の流入によって汚染される場合は、簡単には浄化されず、人体の健康に致命的な要因として知られている。室内汚染の主な原因物質としては、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、二酸化窒素(NO2)、オゾン(O3)、微細塵(PM)、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOCs)などがある。
ヘキサナール(Hexanal)は、揮発性有機化合物(VOCs)の代表的な物質であるアルデヒド類の一つであり、室内の空気汚染源の主な物質として知られており(非特許文献4)、実生活で用いる家具、織物、塗料、カーペットをはじめ、食品調理過程で発生する煙にも多様に含まれている。体内の曝露はほとんど呼吸を介してなされ、呼吸を通じた曝露は、血管を通じて急速に全身に伝えられることになる。体内に曝露した場合、頭痛、めまい、発作、昏睡状態などの神経疾患を招来するだけでなく、吐き気、腹痛、嘔吐および下痢などの胃腸関係の機能障害を起こすと報告されている。また、呼吸器の上気道および粘膜はもちろん、目や皮膚組織に影響を与えることが報告されており、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、COPD)および肺癌患者の診断のためのマーカーとして使用されるように、肺疾患と密接に関連ある物質として報告されている(非特許文献5、6)。アルデヒド類の中でもホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの研究報告は、多く進められているが、ヘキサナールを含むその他の低級脂肪族飽和アルデヒドの研究は、十分には行われていない状況であり、ヘキサナールに対する汚染度および危険度の検討も不十分であるのが実情である。ヘキサナールの人間に対する危険性にもかかわらず、人体での危険度の評価データが十分ではなく、曝露に対する検索方法もまたGC-MS(Gas Chromatography-Mass Spectrometer)またはHPLC(High Performance Liquid Chromatography)などの古典的な方法に限定されている。GC-MSまたはHPLC方法などを用いれば定量は可能であるが、分析するための適正条件を設定しなければならず、高価な装備などが必要である。したがって、より速く、より簡単にスクリーニング方法、例えばプライマーを用いたリアルタイムPCR(Real-time polymerase chain reaction)またはDNAマイクロアレイチップなどで、迅速な危険性評価を通じて人体での毒性作用、遺伝子発現の有無などを検索することができる分子的指標を発掘して活用し、ヘキサナールの曝露に対する適切な対策および管理を行なうことが重要な課題といえる。
DNAチップ技術の発達により、最近の研究は、癌やその他の疾病または特定の刺激に伴うDNAメチル化様相変化の特徴を分析する方向から行われている。それらの分析方法は、メチル化(methylation)された配列とそうでない配列の差異を用いて、制限酵素を用いる方法(HELP)と、抗5-メチルシトシン抗体を用いた免疫沈降方法(MIRA、MeDIP)そして亜硫酸水素ナトリウム(sodium bisulfite)を用いた配列分析方法などの様々な方法が最近になって開発され用いられている。それらの中で、一回の実験で数千個の遺伝子メチル化の様相を確認し、それらの機能を研究するためのゲノム・ワイドエクスプレッション(genome-wide expression)の研究、すなわちマイクロアレイ分析が主に行われている。
マイクロアレイは、cDNA(complementary DNA)や20〜25塩基対長のオリゴヌクレオチドのセットをガラスに集積化したものである。cDNAマイクロアレイは、学校内の研究室やAgilent,Genomic Solutionsなどの会社で、チップ上にcDNA収集物を機械的に固定化したり、インクジェット方法を用いて生産している。オリゴヌクレオチドマイクロアレイは、Affymetrix社のフォトエッチング工程を用いて、チップ上で直接合成する方法で作られており、Agilent社などでは、合成されたオリゴヌクレオチドを固定化する方法で生産している(非特許文献7)。遺伝子のメチル化分析のためには、組織などの試料からメチル化されたDNAのみを得て、マイクロアレイのオリゴヌクレオチドと交雑反応を行なう。得られたDNAは、蛍光または同位元素で標識化する。
最近、DNAマクロアレイ技術を用いた高度な技法であるトキシコゲノミクス(Toxicogenomics)研究などと組み合わせてハイスループット(high throughput)に薬品及新医薬の候補物質はもちろん、代表的な環境汚染物質をはじめ、すべての化学物質による特定の組織や細胞株でのDNAメチル化の変化パターンの分析、定量的な分析が可能となった。それにより、特定の細胞内で特定の遺伝子のメチル化の様相を分析することにより、薬物の副作用と環境汚染物質の有害作用と関連する遺伝子の発掘が可能であり、それにより環境汚染物質の有害作用と薬物の作用と副作用に伴う分子的メカニズムを理解できるようになり、さらに毒性および副作用を誘発する物質の検索および確認が可能になるだろう。
そこで、本発明者らは、ラットの39万以上の遺伝子プロモーター部位が集積されたオリゴマイクロアレイを用いてヘキサナールのDNAメチル化プロファイルを、実際にヘキサナールを曝露させたFischer 344(SD系)ラットの肺組織で観察および分析して、環境中でヘキサナールの曝露によって濃度依存的に変化するメチル化DNAを発掘し、ヘキサナール曝露時のメチル化変化の有無を検出することができるバイオマーカー及びそれを用いた曝露の有無を確認する方法を確立し、本発明を完成した。
Baccarelli A. and Bollati V., Current Opinion in Pediatrics, 2009年、第21巻、p.243-251 Carmen J. Marsit, The journal of experimental biology, 2015年、第218巻、p.71-79 Hyang-Min Byun et al., Methods in molecular biology, 2015年、第1265巻、p.271-283 Nigel Bruce et al., Indoor Air Pollution in Developing Countries:A Major Environmental and Public Health Challenge、Bulletin of the World Health Organization, 2000年、第78巻、p.9 Massimo Corradi et al., Aldehydes in exhaled breath Condensate of patients with chronic obstructive pulmonary disease, American journal of respiratory and critical care medicine, 2003年、第167巻、p.1380-1386 Patricia Fuchs et al., Breath gas aldehydes as biomarkersof lung cancer,International Journal of Cancer, 2010年、第126巻、p.2663-2670 Sellheyer,K. et al., Journal of the American Academy Of Dermatology, 2004年、第51巻、p.681-692
本発明の目的は、ヘキサナールの曝露によって濃度依存的に変化するメチル化遺伝子及びヘキサナール曝露時のメチル化変化の有無を検出することができるバイオマーカーを用いたヘキサナールの曝露の有無を確認する方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、ヘキサナールの曝露によって濃度依存的にメチル化程度の変化を起こすことを特徴とする全36種の遺伝子のプロモーター部位を含むヘキサナールに対する曝露の有無の確認用バイオマーカーを提供する。
また、本発明は、前記バイオマーカー遺伝子配列のプロモーター部位を含むオリゴヌクレオチドまたはその相補鎖分子が集積されたヘキサナールに対する曝露の有無の確認用DNAのメチル化マイクロアレイチップを提供する。
また、本発明は、前記バイオマーカーを用いたヘキサナールのDNAメチル化変化の有無を確認する方法を提供する。
併せて、本発明は、ヘキサナールのDNAメチル化パターンの変化の有無の確認用検索キットを提供する。
本発明は、ヘキサナールの曝露に特異遺伝子のプロモーター部位を含むバイオマーカーを提供することにより、ヘキサナールの曝露のモニタリングおよび危険性判定のための情報を提供する効果がある。本発明に係るヘキサナールの曝露に特異的バイオマーカーとマイクロアレイチップ、検索キットおよびバイオマーカーのメチル化の検出方法を用いれば、ヘキサナールの曝露を早期にモニタリングおよび判定が可能で、通常の方法に比べて正確に曝露をモニタリングすることができて有用であり、ヘキサナールによって惹起される毒性作用の機序を究明するためのツールとして用いることができる。
DNAメチル化マイクロアレイチップを用いてヘキサナール(Hexanal)を曝露したFischer 344(SD系)ラットの肺組織の全体DNAメチル化変化の様相をクラスタリング分析方法で分析した結果を示す図である。 ヘキサナールの3種類の曝露濃度によって共通にメチル化発現の変化を示す遺伝子をクラスタリング分析方法で分析した結果を示す図である。 ヘキサナールの曝露によって濃度依存的にメチル化の様相が変化する36種の遺伝子プローブのメチル化変化の様相をクラスタリング分析方法で分析した結果を示す図である。 ヘキサナールの曝露によって濃度依存的メチル化の様相が変化する36種の遺伝子プローブのメチル化変化の様相をラインプロット分析方法で分析した結果を示す図である。
本明細書において特段の定義が記載されていない限り、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野で熟練した専門家によって通常的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に、本明細書で使用される命名法は、当技術分野でよく知られており、一般的に使用されるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ヘキサナールの曝露によって濃度依存的に特異的メチル化変化を起こすことを特徴とする全36種の遺伝子(PRKCSH、PCCA、OLR5、KLK1C9、TMEM174、RGD1306227、PRUNE、ADH4、SDCCAG3、OLR407、OLR500、PRAMEL6、HGF、RGD1564345、SLCO1A2、PLAG1、CCNC、NACA、SLC39A5、OLR1084、OLR1085、JRK、MYO5A、TRAIP、CRYGB、OLR1389、CCZ1、PLA2G1B、USF1、INPP5J、DDX41、PSMA2、FUNDC2、DTWD2、SLC12A2、OLR1696)のプロモーター部位を含むヘキサナールに対するDNAメチル化変化の有無の確認用のバイオマーカーまたは組成物に関するものである。
本発明において、前記バイオマーカーは、p-value <0.05で有意に変化が見られたメチル化DNAであり、ヘキサナールの曝露によって濃度依存的にメチル化の変化が3.0倍以上に増加または減少したプロモーター部位を含む遺伝子で構成されている。
本発明は、下記のように構成された群から選択されることを特徴とするバイオマーカーを提供する:
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001106806(PRKCSH,protein kinase C substrate 80K-H)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_019330(PCCA,propionyl-coenzyme A carboxylase,alpha polypeptide)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000112(OLR5,olfactory receptor 5)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_175759(KLK1C9,kallikrein 1-related peptidase C9)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001024298(TMEM174,transmembrane protein 174)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001014037(RGD1306227,similar to 4833420G17Rik protein)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001007697(PRUNE,prune homolog(Drosophila))、遺伝子登録番号(GenBank)NM_017270(ADH4,alcohol dehydrogenase 4(class II),pi polypeptide)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001013135(SDCCAG3、serologically defined colon cancer antigen 3)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000828(OLR407,olfactory receptor 407)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000680(OLR500,olfactory receptor 500)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109342(PRAMEL6, preferentially expressed antigen in melanoma-like 6)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_017017(HGF,hepatocyte growth factor)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001077681(RGD1564345,similar to RIKEN cDNA 4921511H03)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_131906(SLCO1A2,solute carrier organic anion transporter family、member 1A2)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001008316(PLAG1,pleiomorphic adenoma gene 1)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001100472(CCNC,cyclin C)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001198580 (NACA、nascent polypeptide-associated complex alpha subunit)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108728(SLC39A5,solute carrier family 39(metal ion transporter),member 5)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000709(OLR1084,olfactory receptor 1084)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000420(OLR1085,olfactory receptor 1085)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001104612(JRK,jerky homolog(mouse))、遺伝子登録番号(GenBank)NM_022178(MYO5A,myosin VA)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109004(TRAIP,TRAF-interacting protein)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109875(CRYGB、crystallin、gamma B)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000000(OLR1389、olfactory receptor 1389)、遺伝子登録番号(GenBank) NM_001014126(CCZ1、CCZ1 vacuolar protein trafficking and biogenesis associated homolog(S. cerevisiae))、遺伝子登録番号(GenBank)NM_031585(PLA2G1B、phospholipase A2,group IB,pancreas)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_031777(USF1,upstream transcription factor 1)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_133562(INPP5J,inositol polyphosphate-5-phosphatase J)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108046(DDX41,DEAD(Asp-Glu-Ala-Asp)box polypeptide 41)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_017279(PSMA2,proteasome(prosome、macropain)subunit ,alpha type 2)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001135757(FUNDC2,FUN14 domain containing 2)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108431(DTWD2,DTW domain containing 2)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_031798(SLC12A2,solute carrier family 12(sodium/potassium/chloride transporters),member 2)、遺伝子登録番号(GenBank)NM_206850(OLR1696,olfactory receptor 1696)。
本発明者らはヘキサナールの曝露に対するDNAメチル化の有無の確認用バイオマーカーを発掘するために、既存の確保したin vivo実験手法をベースにヘキサナール吸入曝露実験を行なった。ヘキサナールの曝露濃度は、従来の文献で報告されたアルデヒドを用いたラットモデルの曝露実験結果と、ヘキサナールの物理化学的特性による飽和濃度、ガス発生器の特徴などを考慮して選定し(表1参照)、曝露方法は、鼻部曝露吸引装置(Nose-only inhalation chamber)を用いてFisher 344(SD系)ラットに1日1回、1回あたり約4時間、5週間吸入させた。対照群の物質は、フィルターを通過させた清浄な空気(filtered clean air)を使用した。
以後、前記の濃度でヘキサナールを曝露させて、対照群と実験群ラットの肺組織からメチル化DNAのみを特異的に分離して全ゲノム増幅(whole genome amplification)をしながら蛍光物質(Cy5)で標識し、input DNAの場合はCy3で標識した。前記蛍光標識されたDNAをAgilent customized rat methylation microarray(400K)(Agilent、米国)とハイブリダイゼーションし、蛍光画像をスキャンしてDNAのメチル化様相の差異を分析した。分析時に非曝露群に比べて有意にメチル化の変化を示したDNAに対してunpaired Welch's t-testを通じてメチル化の変化が3.0倍以上に増加または減少(p-value <0.05)したプロモーター部位16,586個を選別した(図1参照)。低濃度処理群では、661個(過剰メチル化:537個、低メチル化:124個)、中濃度処理群では、4,181個(過剰メチル化:3306個、低メチル化:875個)、高濃度処理群では、11,744個(過剰メチル化:8,153個、低メチル化:3,591個)の部位がヘキサナール曝露によってメチル化することが確認できた(表2参照)。3種類の曝露濃度で共通して発現が変化したメチル化遺伝子プロモーター部位79個(過剰メチル化:75個、低メチル化:4個)と、それに対応するメチル化遺伝子73種を選別し、(図2、表3参照)、それらの遺伝子の中でラインプロット分析方法を用いて、濃度依存メチル化発現パターンを示す遺伝子36種も選別した(図3及び図4を参照)。それらのメチル化遺伝子は、ヘキサナール曝露時の毒性と関連しているという報告はない。
また、本発明は、前記バイオマーカーDNAプロモーター部位配列の全部または一部を含むオリゴヌクレオチドまたはその相補鎖分子と厳格な条件の下で、ハイブリダイゼーションすることができるプローブが固定されているヘキサナール特異的曝露の有無の確認用DNAメチル化マイクロアレイチップを提供する。
本発明において、3種類の濃度のヘキサナール曝露によって濃度依存的なメチル化発現の変化を示す36種の遺伝子のプロモーター部位を含む領域は、下記のように配列番号1〜配列番号36で構成されていることが好ましい:
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001106806(PRKCSH、protein kinase C substrate 80K-H)のプロモーター部位は、配列番号1の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_019330(PCCA、propionyl-coenzyme A carboxylase、alpha polypeptide)のプロモーター部位は、配列番号2の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000112(OLR5、olfactory receptor 5)のプロモーター部位は、配列番号3の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_175759(KLK1C9、kallikrein 1-related peptidase C9)のプロモーター部位は、配列番号4の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001024298(TMEM174、transmembrane protein 174)のプロモーター部位は、配列番号5の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001014037(RGD1306227、similar to 4833420G17Rik protein)のプロモーター部位は、配列番号6の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001007697(PRUNE、prune homolog(Drosophila))のプロモーター部位は、配列番号7の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_017270(ADH4、alcohol dehydrogenase 4(class II)、pi polypeptide)のプロモーター部位は、配列番号8の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001013135(SDCCAG3、serologically defined colon cancer antigen 3)のプロモーター部位は、配列番号9の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000828(OLR407、olfactory receptor 407)のプロモーター部位は、配列番号10の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000680(OLR500、olfactory receptor 500)のプロモーター部位は、配列番号11の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109342(PRAMEL6、preferentially expressed antigen in melanoma-like 6)のプロモーター部位は、配列番号12の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_017017(HGF、hepatocyte growth factor)のプロモーター部位は、配列番号13の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001077681(RGD1564345、similar to RIKEN cDNA 4921511H03)のプロモーター部位は、配列番号14の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_131906(SLCO1A2、solute carrier organic anion transporter family、member 1A2)のプロモーター部位は、配列番号15の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001008316(PLAG1、pleiomorphic adenoma gene 1)のプロモーター部位は、配列番号16の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001100472(CCNC、cyclin C)のプロモーター部位は、配列番号17の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001198580(NACA、nascent polypeptide-associated complex alpha subunit)のプロモーター部位は、配列番号18の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108728(SLC39A5、solute carrier family 39(metal ion transporter)、member 5)のプロモーター部位は、配列番号19の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000709(OLR1084、olfactory receptor 1084)のプロモーター部位は、配列番号20の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000420(OLR1085、olfactory receptor 1085)のプロモーター部位は、配列番号21の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001104612(JRK、jerky homolog(mouse))のプロモーター部位は、配列番号22の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_022178(MYO5A、myosin VA)のプロモーター部位は、配列番号23の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109004(TRAIP、TRAF-interacting protein)のプロモーター部位は、配列番号24の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109875(CRYGB、crystallin、gamma B)のプロモーター部位は、配列番号25の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000000(OLR1389、olfactory receptor 1389)のプロモーター部位は、配列番号26の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001014126(CCZ1、CCZ1 vacuolar protein trafficking and biogenesis associated homolog(S. cerevisiae))のプロモーター部位は、配列番号27の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_031585(PLA2G1B、phospholipase A2、group IB、pancreas)のプロモーター部位は、配列番号28の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_031777(USF1、upstream transcription factor 1)のプロモーター部位は、配列番号29の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_133562(INPP5J、inositol polyphosphate-5-phosphatase J)のプロモーター部位は、配列番号30の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108046(DDX41、DEAD(Asp-Glu-Ala-Asp)box polypeptide 41)のプロモーター部位は、配列番号31の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_017279(PSMA2、proteasome(prosome、macropain)subunit、alpha type 2)のプロモーター部位は、配列番号32の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001135757(FUNDC2、FUN14 domain containing 2)のプロモーター部位は、配列番号33の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108431(DTWD2、DTW domain containing 2)のプロモーター部位は、配列番号34の塩基配列;
遺伝子登録番号(GenBank)NM_031798(SLC12A2、solute carrier family 12(sodium / potassium / chloride transporters)、member 2)のプロモーター部位は、配列番号35の塩基配列;および
遺伝子登録番号(GenBank)NM_206850(OLR1696、olfactory receptor 1696)のプロモーター部位は、配列番号36の塩基配列。
本発明のヘキサナール検索用DNAのメチル化マイクロアレイチップは、当業者によく知られている方法で作製することができる。
前記マイクロアレイチップを作製する方法は、下記の通りである。前記検出されたバイオマーカーをプローブDNA分子として用いて、チップの基板上に固定化させるためにインクジェット方式などを用いることが好ましいが、それに限定されるものではなく、本発明の好ましい実施例では、SurePrint inkjet micro droppingマイクロアレイを用いた。
前記DNAマイクロアレイチップの基板は、エポキシ、アミノシラン、ポリ-L-リジンおよびアルデヒドからなる群から選択される1つの活性基がコーティングされたものが好ましいが、それに限定されるものではない。
また、前記基板は、スライドガラス、プラスチック、金属、シリコン、ナイロン膜、およびニトロセルロース膜からなる群から選択され得るが、それに限定されるものではなく、本発明の好ましい実施例では、エポキシがコーティングされたスライドグラスを用いた。
また、本発明は、前記バイオマーカーを用いたヘキサナールの曝露に対するDNAメチル化様相変化の有無を確認する方法を提供する。
本発明は、下記のような過程を含むヘキサナールの曝露に対するDNAメチル化様相変化の有無を確認する方法を提供する:
1)ヘキサナールを曝露させた実験群と正常対照群の肺組織でメチル化DNAのみを特異的に分離する工程;
2)工程1)の実験群と対照群を蛍光物質で標識する工程;
3)工程2)の蛍光物質で標識されたDNAを、前記DNAメチル化マイクロアレイチップとハイブリダイゼーションさせる工程;
4)工程3)の反応したDNAメチル化マイクロアレイチップを分析する工程;および
5)工程4)の分析したデータから、前記DNAメチル化マイクロアレイチップに集積された遺伝子のメチル化変化の程度を対照群と比較して確認する工程を含むヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無を確認する方法。
前記曝露の有無を確認する方法において、工程1)の肺組織はFischer 344(SD系)ラットを用いることが好ましいが、それに限定されるものではなく、ラットの肺組織であれば、すべて使用可能である。
前記曝露の有無を確認する方法において、工程2)の蛍光物質は、Cy3-dUTP、Cy5-dUTPおよびdNTPs(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)からなる群から選択されることが好ましいが、それに限定されるものではなく、当業者に知られている蛍光物質はすべて使用可能である。
前記曝露の有無を確認する方法において、工程3)のDNAメチル化マイクロアレイチップは、Agilent社のcustomized rat methylation microarray(400K)(Agilent、米国)を用いることが好ましいが、それに限定されるものではなく、ラットゲノム中で本発明において、前記メチル化の様相が変化したDNAが搭載されたマイクロアレイチップであれば使用可能で、前記本発明者が作製したDNAメチル化マイクロアレイチップを用いることが最も好ましい。
また、工程4)の分析方法は、Agilent Feature Extraction software(Agilent Technology、米国)、Agilent GeneSpring GX 12.6.1(Agilent technology、米国)を用いることが好ましいが、それに限定されるものではなく、当業者に知られている分析ソフトウェアを用いてもよい。
また、本発明は、ヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無の確認用のキットを提供する。
本発明は、前記本発明で作製したDNAメチル化マイクロアレイチップを含むヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無の確認用のキットを提供する。
前記キットは、さらに、ラット肺組織を含むことが好ましいが、それに限定されない。
ラット肺組織は、Fischer 344(SD系)であることが好ましいが、それに限定されるものではなく、ラットの肺組織であれば、すべて使用可能である。
前記キットにさらに、蛍光物質を含むことができ、前記蛍光物質は、ストレプトアビジン-アルカリ脱リン酵素接合物質(strepavidin-like phosphatease conjugate)、化学蛍光物質(chemiflurorensce)および化学発光物質(chemiluminescent)からなる群から選択されることが好ましいが、それに限定されるものではなく、本発明の好ましい実施例では、Cy3およびCy5を用いた。
前記キットにさらに反応試薬を含むことができ、前記反応試薬は、ハイブリダイゼーションに用いられる緩衝溶液、蛍光染色剤の化学的誘導剤のような標識試薬、洗浄緩衝液などで構成され得るが、それに限定されるものではなく、当業者に知られているDNAメチル化マイクロアレイチップのハイブリダイゼーション反応に必要な反応試薬はすべて含ませることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
但し、下記の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>動物モデル選定、化学物質曝露および肺組織試料収得
<1-1>ラットモデル選定
本発明者らは、従来の研究と報告を通じてヘキサナール曝露実験のための適正な動物モデルとしてFischer 344(SD系)ラットを選定した。
<1-2>曝露濃度の選定及び化学物質の処理
既存の文献で報告されたアルデヒドを用いたラットモデルの曝露実験結果とヘキサナールの物理化学的特性による飽和濃度、ガス発生器の特徴を考慮して曝露濃度を600ppm、1000ppm、1500ppmに選定した(表1)。曝露方法は、鼻部曝露吸引装置(Nose-only inhalation chamber)を用いて反復吸引方式を選択して、5週間吸入させた。対照物質は、filtered clean airを用いて、1日1回、1回あたり約4時間曝露して、試験物質であるヘキサナールもまた1日1回、1回あたり約4時間、合計20回曝露させた。
<1-3>肺組織試料収得
ラットから摘出した肺組織を重量測定した後、DNA抽出に適切な量にカットしてクライオチューブに収得した。得られた肺組織は、液体窒素を用いてsnap frozenした後、-80℃で保管した。
<実施例2>マイクロアレイ実験
<2-1>ゲノム(Genomic)DNAの分離
ヘキサナール曝露群と非曝露群の肺組織からのDNA分離は、Qiagen社のQIAamp DNAミニキットを用いて精製した。各全体DNA試料の濃度は、分光光度計であるNanoDrop ND 1000 分光光度計(NanoDrop Technologies Inc.,米国)を用いて測定し、純度はアガロースゲル電気泳動で確認した。
<2-2>ゲノム(Genomic)DNAの断片化
オリゴマイクロアレイ分析のために、前記実施例<2-1>で得られたヘキサナール曝露群と非曝露群全体DNAからメチル化DNAのみを特異的に抽出しなければならない。ここで、ゲノムDNAのサイズが200bp〜1000bp程度が適当なので、超音波均質粉砕機(Sonic Dismembrator)を用いて、20sec「ON」20sec「OFF」4回を1サイクルとして、3サイクル行なって、DNAを200bp〜1,000bpに切断した。DNAの大きさを確認するためにアガロースゲル電気泳動を行なった。
<2-3>メチル化DNA免疫沈降法
メチル化DNAのみを特異的に抽出するために免疫沈降法を用いた。Invitrogen社のMethylMiner(登録商標)Methylated DNA Enrichment Kitを用いて、メーカーの指示方法にしたがって実験を行なった。免疫沈降法は、ビーズ(beads)の原理によって行なわれ、実施例<2-2>で得られた断片化DNAをbeadsと混合して、室温で1時間反応させるか、4℃で一晩中反応させた。反応しないnon-captured DNAは、洗浄工程を反復して削除させてNaClでメチル化したDNAを溶出(elution)させた後、最終的にフェノールクロロホルムでDNAのみを抽出した。このように抽出されたメチル化DNAをメチル化特異プライマーを用いてPCRした後、アガロースゲル電気泳動により、最適の状態であることを確認した。
<2-4>標識されたDNAの製造
GenomePlex Complete Whole Genome Amplification(WGA)Kit(Sigma、米国)を用いてメーカーの方法に従って増幅して用いた。増幅されたDNAとメチル化DNA 4μgをInvitrogen社Bioprime labeling kitを用いて、メーカーの方法に従って標識化した。メチル化DNAはCy5-dUTPで、DNAサンプルは、Cy3-dUTPで標識化し、50μlのmaster mix(dNTPs-dATP、dGTP、dCTP; 120μM、dTTP; 60μM、Cy5-dUTP or Cy3-dUTP; 60μM )を用いて標識化た。標識化したサンプルは、精製した後、ND-1000分光光度計(NanoDrop Technologies,Inc.,Wilmington,DE)用いて濃度を測定した。
<2-5>ハイブリダイゼーション反応
標識されたDNAとメチル化DNAを精製過程を経て2.5〜5μg程度用いてAgilent 10x blockingとAgilent 2x hyb buffer入れてよく混ぜた後、95℃で3分間変性(denature)した後、37℃で30分間反応させる。チップに入れて65℃で40時間(2x formats)Agilent Hybridizationオーブンでハイブリダイゼーション反応を行なった。40時間後にAgilent Technology社の方法に従って洗浄工程を行なった。メチル化DNAマイクロアレイチップには、customized rat methylation microarray(400K)(Agilent,米国)を用いた。
<2-6>蛍光イメージの獲得
スライド上のハイブリダイゼーションイメージは、Agilent DNA microarray scanner(Agilent technology,米国)でスキャンし、抽出されたデータは、Agilent Feature Extraction software(Agilent technology,米国)とGeneSpring GX 12(Agilent technology,米国)を用いてnormalizationを経て、各DNAのメチル化変化の様相を分析した。
その結果、図1に示したようにオリゴチップ上に存在する約39万個の遺伝子プロモーター部位を含むプローブの中で、非曝露群に比べてヘキサナール曝露群グループで有意にメチル化様相の変化を示した遺伝子プローブに対してunpaired Welch's t-testを通じて有意にメチル化の変化が3.0倍以上に増加または減少した(p-value <0.05)プロモーター部位16,586個を選別した(図1)。
それらの中で、曝露濃度別に発現変化したメチル化遺伝子プロモーターの部位は、以下の表2のとおりである。低濃度処理群では、661個(過剰メチル化:537個、低メチル化:124個)、中濃度処理群では、4,181個(過剰メチル化:3306個、低メチル化:875個)、高濃度処理群では、11,744個(過剰メチル化:8,153個、低メチル化:3,591個)の部位がヘキサナール曝露によってメチル化することが確認できた(表2)。
また、図2および表3に示したように、3種類の曝露濃度で共通して発現が変化したメチル化遺伝子プロモーター部位79個(過剰メチル化:75個、低メチル化:4個)と、それに対応するメチル化遺伝子73種を選別し、(図2および表3)、表4に示したように、それらの遺伝子の中でライン-プロット分析方法を用いて、濃度依存メチル化発現パターンを示す遺伝子36種も選別した(図3、図4および表4 )。
それらのメチル化遺伝子は、ヘキサナールの曝露時の毒性と関連しているという報告はない。

Claims (5)

  1. 遺伝子登録番号(GenBank)NM_001106806(PRKCSH,protein kinase C substrate 80K-H)のプロモーター部位を構成する、配列番号1の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_019330(PCCA,propionyl-coenzyme A carboxylase,alpha polypeptide)のプロモーター部位を構成する、配列番号2の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000112(OLR5,olfactory receptor 5)のプロモーター部位を構成する、配列番号3の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_175759(KLK1C9,kallikrein 1-related peptidase C9)のプロモーター部位を構成する、配列番号4の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001024298(TMEM174,transmembrane protein 174)のプロモーター部位を構成する、配列番号5の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001014037(RGD1306227,similar to 4833420G17Rik protein)のプロモーター部位を構成する、配列番号6の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001007697(PRUNE,prune homolog(Drosophila))のプロモーター部位を構成する、配列番号7の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_017270(ADH4,alcohol dehydrogenase 4(class II),pi polypeptide)のプロモーター部位を構成する、配列番号8の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001013135(SDCCAG3,serologically defined colon cancer antigen 3)のプロモーター部位を構成する、配列番号9の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000828(OLR407,olfactory receptor 407)のプロモーター部位を構成する、配列番号10の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000680(OLR500,olfactory receptor 500)のプロモーター部位を構成する、配列番号11の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109342(PRAMEL6,preferentially expressed antigen in melanoma-like 6)のプロモーター部位を構成する、配列番号12の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_017017(HGF,hepatocyte growth factor)のプロモーター部位を構成する、配列番号13の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001077681(RGD1564345,similar to RIKEN cDNA 4921511H03)のプロモーター部位を構成する、配列番号14の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_131906(SLCO1A2,solute carrier organic anion transporter family,member 1A2)のプロモーター部位を構成する、配列番号15の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001008316(PLAG1,pleiomorphic adenoma gene 1)のプロモーター部位を構成する、配列番号16の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001100472(CCNC,cyclin C)のプロモーター部位を構成する、配列番号17の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001198580(NACA,nascent polypeptide-associated complex alpha subunit)のプロモーター部位を構成する、配列番号18の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108728(SLC39A5,solute carrier family 39(metal ion transporter),member 5)のプロモーター部位を構成する、配列番号19の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000709(OLR1084,olfactory receptor 1084)のプロモーター部位を構成する、配列番号20の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000420(OLR1085,olfactory receptor 1085)のプロモーター部位を構成する、配列番号21の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001104612(JRK,jerky homolog(mouse))のプロモーター部位を構成する、配列番号22の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_022178(MYO5A,myosin VA)のプロモーター部位を構成する、配列番号23の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109004(TRAIP,TRAF-interacting protein)のプロモーター部位を構成する、配列番号24の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001109875(CRYGB,crystallin,gamma B)のプロモーター部位を構成する、配列番号25の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001000000(OLR1389,olfactory receptor 1389)のプロモーター部位を構成する、配列番号26の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001014126(CCZ1,CCZ1 vacuolar protein trafficking and biogenesis associated homolog(S. cerevisiae))のプロモーター部位を構成する、配列番号27の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_031585(PLA2G1B,phospholipase A2,group IB,pancreas)のプロモーター部位を構成する、配列番号28の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_031777(USF1,upstream transcription factor 1)のプロモーター部位を構成する、配列番号29の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_133562(INPP5J,inositol polyphosphate-5-phosphatase J)のプロモーター部位を構成する、配列番号30の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108046(DDX41,DEAD(Asp-Glu-Ala-Asp)box polypeptide 41)のプロモーター部位を構成する、配列番号31の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_017279(PSMA2,proteasome(prosome,macropain)subunit,alpha type 2)のプロモーター部位を構成する、配列番号32の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001135757(FUNDC2,FUN14 domain containing 2)のプロモーター部位を構成する、配列番号33の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_001108431(DTWD2,DTW domain containing 2)のプロモーター部位を構成する、配列番号34の塩基配列;
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_031798(SLC12A2,solute carrier family 12(sodium / potassium / chloride transporters),member 2)のプロモーター部位を構成する、配列番号35の塩基配列;および
    遺伝子登録番号(GenBank)NM_206850(OLR1696,olfactory receptor 1696)のプロモーター部位を構成する、配列番号36の塩基配列
    からなる群から選択される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたはその相補鎖分子が集積された、ラットの肺組織のヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無の確認用マイクロアレイチップ。
  2. 1)ヘキサナールを曝露させた実験群と正常対照群のラットの肺組織でメチル化DNAのみを特異的に分離する工程;
    2)工程1)の実験群と対照群から分離されたDNAを蛍光物質で標識する工程;
    3)工程2)の蛍光物質で標識されたDNAを、請求項1のDNAメチル化マイクロアレイチップとハイブリダイゼーションさせる工程;
    4)工程3)の反応したDNAメチル化マイクロアレイチップを分析する工程;および
    5)工程4)の分析したデータから、前記DNAメチル化マイクロアレイチップに集積された遺伝子のメチル化の変化の程度を対照群と比較して確認する工程とを含む、ヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無を確認する方法。
  3. 前記ラットが、Fischer 344(SD系)ラットであることを特徴とする、請求項2に記載のヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無を確認する方法。
  4. 工程2)の蛍光物質が、Cy3-dUTP、Cy5-dUTPおよびdNTPs(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)からなる群から選択して用いられることを特徴とする、請求項2または3に記載のヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無を確認する方法。
  5. 請求項1に記載のDNAメチル化マイクロアレイチップを含むことを特徴とする、ラットの肺組織のヘキサナール曝露に対するDNAメチル化変化の有無を確認するためのキット。
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