JP6084364B2 - 測定器 - Google Patents

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Description

本発明は測定器に関する。具体的には、タッチパネルを備えた測定器に関する。
距離、長さ、角度などを測定する電子式の測定器が種々知られている。例えば、ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、などがある(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。高機能化の要請に応じ、測定器に様々な機能を持たせるようになってきている。
便利になってきている一方で様々な課題も生じてきている。
特開2003−344003号公報 特開2003−344002号公報 国際公開WO01/055667号
従来、電子式の測定器では、機械的な押しボタン式のスイッチを設けている。しかし、ノギスやマイクロメータといったスモールツールでは大きさの制限もあるため、スイッチの数を多くすることも難しい。
一方、少ない数のスイッチで様々な機能の選択操作を行うとなると、複雑な操作をユーザに強いることになる。例えば、スイッチを押す順番や時間(例えば長押し)を様々に組み合わせるなど、各種の機能や測定モードごとにスイッチ操作を用意することになる。ユーザとしてはこのような複雑な手順を覚えたり、指定された通りにスイッチを押したりするなどは面倒なことであり、測定効率も下がってしまうことになる。したがって、測定器の大きさと使い易さを考慮して、測定器に付加する機能を制限せざるを得ないということになる。
また、機械的なスイッチを設けるには、スイッチ用の孔が必要である。すると、密閉性を確保するのが難しくなり、密閉性を保つためにパッキンを設けるとコストアップが生じる。また、押しボタンを表面に設けると、全体的に厚みが厚くなってしまうという問題もある。
また、小さな測定器の表面上にスイッチを設けるスペースをとるとなると、その分、表示部を設けるスペースが小さくなってしまうという問題もある。
本発明の測定器は、
外部からの物理的接触による入力を受け付けるとともに表示機能を有するタッチパネル表示部を備えた
ことを特徴とする。
本発明では、
前記タッチパネル表示部は、
当該測定器で測定する際の詳細な入力操作を行うための複数の操作アイコンと、当該測定器による測定結果と、を表示する
ことが好ましい。
本発明では、
測定対象物または測定方法の違いに応じた複数の測定モードが予め用意されており、
前記複数の測定モードに対応した前記複数の操作アイコンがそれぞれ用意され、
前記タッチパネル表示部に表示された前記複数の操作アイコンを選んでタッチすることにより、測定モードの選択が可能になっている
ことが好ましい。
本発明では、
測定対象物または測定方法の違いに応じたいくつかの測定モードが予め用意されており、
前記複数の操作アイコンは、前記測定モードごとにグループ化および階層化され、選択された測定モードに応じた一群の操作アイコンをタッチパネル表示部のモード選択メニュー画面に表示する
ことが好ましい。
本発明では、
ユーザが測定器を使用する向きに応じて、タッチパネル表示部の表示の向きが変更可能である
ことが好ましい。
本発明では、
当該測定器が有する機械式押しボタンスイッチは一つ以下である
ことが好ましい。
本発明では、
当該測定器は、機械式押しボタンスイッチを有していない
ことが好ましい。
本発明では、
さらに、太陽電池を有する
ことが好ましい。
本発明では、
前記測定器は、ダイヤルゲージ、ノギスおよびマイクロメータのうちのいずれかである
ことが好ましい。
本発明では、
前記測定器は、ハイトゲージである
ことが好ましい。
このような構成によれば、タッチパネル表示部を採用したので、操作性および視認性をともに向上させることができる。
ダイヤルゲージの正面図。 ダイヤルゲージの横向き使用状態を示す図。 表示向きを変更する操作を説明するための図。 表示向きを変更する操作を説明するための図。 表示アイコンを選択する操作を説明するための図。 表示アイコンを選択する操作を説明するための図。 表示アイコンを選択する操作を説明するための図。 ダイヤルゲージに測定治具を取り付けた状態を示す図。 ダイヤルゲージに測定治具を取り付けた状態を示す図。 ダイヤルゲージに測定治具を取り付けた状態を示す図。 ダイヤルゲージに測定治具を取り付けた状態を示す図。 測定治具を用いてワークを測定する様子を示す図。 測定治具を用いてワークを測定する様子を示す図。 測定治具を用いてワークを測定する様子を示す図。 測定治具を用いてワークを測定する様子を示す図。 測定治具を用いてワークを測定する様子を示す図。 測定治具に応じた各種の演算式を示す図。 測定治具の選択操作を説明するための図。 測定治具の選択操作を説明するための図。 測定治具の選択操作を説明するための図。 変形例1として、モジュールの積層構造を示す図。 測定器としてのマイクロメータを示す図。 マイクロメータの表示向きを変更した状態を示す図。 マイクロメータを右手で使用している状態を示す図。 マイクロメータを左手で使用している状態を示す図。 タッチパネル部の回転動作を示す図。 測定器としてのノギスを示す図。 測定器としてのハイトゲージを示す図。 ハイトゲージの表示操作部の正面図。 様々なタイプの測定治具の例を示す図。 様々な測定項目を示す図。 測定項目の選択画面を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態として、タッチパネル表示部を有するダイヤルゲージ100を説明する。
図1は、ダイヤルゲージ100の正面図である。
ダイヤルゲージ100は、筐体部110と、スピンドル120と、タッチパネル表示部130と、を備える。
筐体部110は、全体として円筒形状であり、円形の正面板111と、円形の裏面板と、筒状の側板と、を有する。(なお、図は正面図であるので、裏面板と側板とは図面上に表れていない。)
これら正面板111、裏面板および側板によって、電子回路を収納する収納空間が筐体部110の内部に画成されている。
電子回路としては、スピンドル120の移動量を検出するエンコーダ、各種演算手段、タッチパネル表示部130からの入力操作を検出する入力検出手段、タッチパネル表示部130の表示を駆動する表示駆動手段、などがある。
スピンドル120は、筐体部110の側板を貫通し、軸方向に移動可能に設けられている。スピンドル120の移動量は、エンコーダによって検出され、各種演算処理が加えられた後、タッチパネル表示部130に表示される。
タッチパネル表示部130は、筐体部110の正面板111に設けられている。
タッチパネル表示部130のフロント透明板131の面積でいうと、フロント透明板131の面積は、正面板111の面積の約80%以上を占めている。タッチパネル表示部130の額縁132の部分を除いても、表示に使用できる面積は、正面板111の面積の約70%以上を占める。
また、タッチパネル表示部130が正面板111のほとんどの面積を占めており、正面板111にはその他の押しボタンなどは設けられていない。これは、タッチパネル表示部130をタッチすることによって入力操作を行うので、操作用の機械式押しボタンは必要無いからである。
(表示向きの変更操作)
次に、タッチパネル表示部130を用いた入力操作例と、入力操作による表示の遷移例と、を説明する。
図1の状態では、ダイヤルゲージ100を縦に使用しているので、タッチパネル表示部130の表示も縦向きである。
ここで、ダイヤルゲージ100のようなスモールツールでは、向きを変えて使用する場面も多い。例えば、図2のように、ダイヤルゲージ100自体を横向きにして使用したい場合がしばしばある。このような場合に表示方向を切り換えるには、次のように入力操作を行う。
図3Aは、ダイヤルゲージ100を縦向きに使用している場合の表示状態である。
タッチパネル表示部130には、中央部に大きく測定結果141が表示されることに加えて、アイコン142、143、144が表示されている。
この図3Aの表示画面を、"メイン表示画面"と称する。
メイン表示画面は、測定作業時に使用するものであって、中央部に測定結果141が表示されるものである。
ここでは、タッチパネル表示部130の表示領域の下部に三つのアイコン142、143、144が表示されている。すなわち、電源操作のためのON/OFFアイコン142と、モード選択のためのMODEアイコン143と、ゼロセットのためのORIGINアイコン144と、が表示されている。
ここで、表示画面の切り換えを行うため、MODEアイコン143をタッチする。すると、表示画面は、図3Bのモード選択メニューの画面に遷移する。
モード選択メニュー画面には、各種のモードが用意されている。
ここでは、オートオン/オフ選択143A、表示アイコン選択143B、表示分解能選択143C、表示方向切り替え143D、文字サイズ選択143E、が用意されている。すべてのメニューを一つの画面に収められない場合には、次の画面を用意しておき、画面切り換え用の次アイコン143Fを用意しておく。
そして、"表示方向切り替え"143Dをタッチして選択する。すると、図2のように、表示方向が縦から横に切り替わる。
タッチパネル表示部130を採用したことにより表示画面が従来に比べて格段に大きくなったことから、縦向きでも横向きでも測定値を表示することができるようになった。そして、タッチパネル表示部130によるタッチ入力操作が可能になったので、表示向きを替えるような操作も極めて簡単である。
(表示アイコンの選択操作)
さらに、図3Aでは、三つのアイコン142、143、144をメイン表示画面に表示していたが、測定態様によっては、もっと多くのアイコンを表示させて、測定作業中に各種の機能を使用したい場合がある。
このような場合には、図4Aのように、モード選択メニュー画面において"表示アイコン選択"143Bをタッチする。すると、図4Bのように、表示アイコンを選択するメニュー画面に遷移する。ここで、画面に表示させたいアイコンを選んでタッチする。すると、図4Cのように、選んだアイコンをメイン表示画面に表示させることができる。
(測定治具の選択操作)
さらに、ダイヤルゲージ100には様々なアタッチメント(測定治具)150A、150B、150C、150Dを付けることによって、様々なワーク(被測定物)に対応した測定を行うことができる。
いくつか例を挙げる。
例えば、ダイヤルゲージ100を隙間ゲージとして用いることができる。
図5Aの測定治具150では測定子121Aが円錐になっており、図5Bでは測定子121Bが球になっている。このような測定子121A、121Bを用いることにより、例えば、図6Aや図6Bのように、リベット穴を測定することができる。ダイヤルゲージ100による測定量Xを所定の演算式で換算することより、口元径Dや皿もみ深さHを求めることができる。
または、ダイヤルゲージ100を馬乗りゲージとして用いることができる。
図5Cの測定治具150Cは、内面が直線的な二股となっており、図5Dの測定治具150Dは、ワークに接触する接触子が球となっている。このような測定治具150C、150Dを使用することにより、例えば、図6C、図6D、図6Eのように、曲率を持ったワークを測定することができる。ダイヤルゲージ100による測定量Xを所定の演算式で換算することにより、ワークの曲率半径Rを求めることができる。
ここで、図7に示すように、それぞれの測定治具150A−150Dに応じて演算式(1)−(6)が用意され、各演算式(1)−(6)の係数A、B、Cが設定されている。よって、測定治具150A−150Dを取り替えた場合には、どの測定治具150A−150Dを用いているのかをダイヤルゲージ100に設定入力しなければならない。
一方、使用している測定治具150A−150Dの種類をダイヤルゲージ100に設定しておきさえすれば、ダイヤルゲージ100の演算機能が自動的に換算演算を実行する。
すると、タッチパネル表示部130には換算値として口元径D、皿もみ深さHあるいは曲率半径Rが表示されるようになる。
したがって、ユーザが自分で測定値から換算して口元径D、皿もみ深さHあるいは曲率半径Rを求める手間は不要になる。
測定治具150A−150Dの種別の選択にあたっては、図8Aのモード選択メニューの中から"ゲージ選択メニュー"を選ぶ。そして、図5Dの球付きの馬乗りゲージ150Dを使用する場合であれば、図8Bで馬乗りゲージを選択し、続いて、図8Cのように脚が球であることを選択する。
このようにして表示メニューの中から使用したい測定治具150A−150Dを簡単に選択することができる。
このような第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)タッチパネル表示部130を採用したことにより、機械式押しボタンを無くすことができた。これにより、厚みを薄くする、部品点数を減らす、重量を軽くする、などの効果を得ることができる。例えば、押しボタンのストロークをとる必要がないので、その分、筐体部110の厚みを薄くすることができる。手に持って使用するスモールツールとして、薄化、小型化、軽量化は使用感の向上に直結する。
(2)タッチパネル表示部130を採用したことにより、機械式押しボタンが無くなることから、密閉性を高めることができる。すなわち、正面板111には、押しボタンを組み付ける孔を設ける必要がない。これにより、防塵、防水構造とすることができ、過酷な環境での使用にも耐久性、信頼性の点で優れた効果を発揮することができる。
(3)正面板111の大部分をタッチパネル表示部130としたので、表示面積が大きくなり、視認性が向上する。測定値を大きく表示させれば、数値の誤読が無くなる。また、表示面積が大きければ、測定結果以外にも必要な各種の情報を同時に表示できるようになる。従って、測定機能が高度で複雑になったとしても、使いやすい測定器とすることができる。
(4)タッチパネル表示部130を採用したことにより、操作性が格段に向上する。
ダイヤルゲージ100に各種様々な測定治具150A−150Dを取り付けることによって様々な箇所を測定できるようになるが、測定値をユーザが一つ一つ換算するとなると手間が掛かりすぎる。ダイヤルゲージ100に内蔵している演算回路で演算させることはできるのであるが、少ない押しボタンを使って、どの治具を使用しているのか、どの換算式を使用するか、をダイヤルゲージ100に設定するのは面倒な作業となっていた。
この点、本実施形態では、タッチパネル表示部130による入力操作が可能であるので、タッチ操作で順に画面を切り替えながら項目を選んでいけば、直感的な簡単な操作で入力作業を行うことができる。
従前のごとく取扱説明書を細かく読んで複雑な手順で設定入力をすることに比べれば、本実施形態は格別に優れた操作性を発揮でき、測定作業の簡易化および迅速化に貢献できる。
(5)さらに、表示の向きを縦から横に変えるなど、視認性、使いやすさに配慮した機能を付加することもできる。
表示の向きを変えるといったことは、使いやすさの点では大切である。
しかし、従来の測定器の表示部は7セグメント表示素子を複数桁分並べたものであったため、表示の向きを替えるにしても天地を逆にする程度のことしかできなかった。
この点、本実施形態ではタッチパネル表示部を採用しているので、ドットマトリクス表示を利用して表示内容はもちろん表示の向きも自由自在に替えることができるようになる。
そして、押しボタンを廃止した分タッチパネル表示部の面積が広くなったので縦向きでも横向きでも見やすいように文字や数値を表示することができる。
さらに、タッチパネル表示部130による簡単操作であれば、表示の向きを変更するといった設定作業も簡単にできるようになる。
(変形例1)
上記実施形態に、さらに、太陽光発電のためのソーラーパネルを組み込んでもよい。
図9は、モジュールの積層構造を模式的に表した図である。
上から順に、タッチパネル表示部210、半透明反射シート220、太陽光発電ユニット230、電子回路モジュール240、が積層されている。
ここで、タッチパネル表示部210は、タッチパネル211と液晶表示パネル212とで構成されているが、液晶表示パネル212に変えて有機ELパネルなどの他の表示装置を利用してもよい。
半透明反射シート220については、削除することもでき、表示装置の種類や、表示の見やすさなどを考慮して適宜選択すればよい。
また、太陽光発電ユニット230は、発電装置としてのソーラーパネル(太陽電池)231と、蓄電池ユニット232と、で構成されているが、蓄電池ユニット232を配置する場所は、ソーラーパネル231の背面でなくてもよく、蓄電池を組み込む場所は自由に選択できる。
このようにソーラーパネル231をタッチパネル表示部210の背面側に組み込む。
ここで、タッチパネル表示部210を採用すると、押しボタンを廃止して、タッチパネル表示部210の面積を広くできることは第1実施形態で既に説明した通りである。したがって、タッチパネル表示部の背面にあるソーラーパネルの受光面積を格段に広くすることができる。すなわち、タッチパネル表示部210とソーラーパネル231とを合わせて使用することにより、視認性の向上に加えて、発電機能の向上も図ることができる。
タッチパネル表示部210を採用すると、従来よりも消費電力が増大する恐れもあるが、その分は、太陽光発電によって補うことができることになる。
スモールツールでは小型化、軽量化の要請があるので大きなバッテリを組み込むことには限度がある。
この点、タッチパネル表示部210とソーラーパネル231との組み合わせは、スモールツールに使用すると格別の効果があるといえる。
なお、上記では、ソーラーパネル231をタッチパネル表示部210の背面側に組み込む例を示したが、太陽電池をタッチパネル表示部の正面側に配設してもよい。太陽電池が透明であり、かつ、タッチ入力の妨げにならなければ、タッチパネル表示部の領域を含み、測定器の外側面の広い範囲に渡って太陽電池を設けてもよい。
従来の測定器のように複数の押しボタンがあると筐体部の外側面の広い範囲に渡って太陽電池を設けることは製造上難しかった。
この点、タッチパネル表示部のようにフラットな表面であれば、その上に太陽電池を設けることも可能である。そして、これにより太陽電池による発電量を増大させることができる。
(変形例2)
上記第1実施形態ではダイヤルゲージ100を例にしたが、スモールツールとしては、マイクロメータやノギスなどがあり、これらにもタッチパネル表示部は適用できる。
図10は、タッチパネル表示部330を有するマイクロメータ300の例である。
マイクロメータ300は、本体フレーム310と、スピンドル340と、シンブル350と、を備える。
本体フレーム310は、U字状のアーム部320と、アンビル321と、スリーブ322と、タッチパネル表示部330と、を有する。
U型アーム部320の一端にアンビル321が設けられており、U型アーム320の他端にスリーブ322が設けられている。スピンドル340は、スリーブ322に螺合されており(螺子は不図示)、回転によって軸方向に進退可能になっている。スピンドル340がスリーブ322から最も突き出た時には、スピンドル340とアンビル321とが突き当たるようになっており、ワークをスピンドル340とアンビル321との間に挟むことによってワークの厚みや幅を測定することができる。シンブル350は、本体フレーム310の外側で回転可能に設けられており、スピンドル340と一体回転するようになっている。
さらに、タッチパネル表示部330が本体フレーム310の外側面に配置されている。
シンブル350を回転させるとスピンドル340が回転し、スピンドル340がアンビル321に対して進退する。スピンドル340の進退量はタッチパネル表示部330に表示される。
このマイクロメータ300においても、タッチパネル表示部330を採用したことによって機械式の押しボタンを無くすことができ、タッチパネル表示部330の表示面積を大きくとることができる。
具体的には、タッチパネル表示部330は、U型アーム部320の他端側に配置されている。
このとき、スリーブ322の長さを最大限に活用してタッチパネル表示部330の横幅Lを広く確保している。
また、U型アーム部320の他端側においてU字の谷の深さを利用することにより、タッチパネル表示部330の縦幅Hを長く確保している。
このとき、本体フレーム310には押しボタンを設けないので、タッチパネル表示部330の面積を最大限広くとることができる。
また、マイクロメータ300を使用するにあたっても、縦向きや横向きなど方向を変えて使用することが求められる(図11参照)。この場合、上記第1実施形態と同じようにして、表示の向きを変える操作は容易なことである。
さらに、マイクロメータ300にあっては、図12のように右手で使用したい場合と、図13のように左手で使用したい場合と、がある。
なお、図12、図13に示すマイクロメータでは、タッチパネル表示部330をスリーブ322の側面に設けている点が図10、図11のマイクロメータと異なっている。
このような場合に、図14に示すように、スリーブ322を回転軸としてタッチパネル表示部330を回転可能に設けておけば、右手で使用する場合(図12)でも左手で使用する場合(図13)にも表示内容を見やすくできる。
ここで、スリーブ322を回転軸としてタッチパネル表示部330を回転させると、タッチパネル表示部330の天地が逆になることになる。
このような場合でも、タッチパネル表示部330の表示の向きを天地逆にするように表示の向きを変えることは、第1実施形態で説明したように、タッチパネル表示部330による入力操作を利用すれば容易なことである。
次に、タッチパネル表示部を有するノギスの例を図15に示す。
ノギス400は、よく知られているように、本尺410と、本尺410の長手方向に沿ってスライド可能に設けられたスライダ420と、タッチパネル表示部430と、を備えている。
本尺410の長手の一端側には、外側測定ジョー411と、内側測定ジョー412と、が設けられている。
スライダ420は、本尺410に沿ってスライドするスライダ本体421を有し、スライダ本体421の一端側には、外側測定ジョー422と内側測定ジョー423とが設けられている。さらに、タッチパネル表示部430が、スライダ本体421の外側面に配置されている。本尺410の測定ジョー411、412とスライダ420の測定ジョー422、423との間にワークを挟むと、そのときのスライダ420の移動量がタッチパネル表示部430に表示される。
このようなノギス400においても、タッチパネル表示部430を採用したことによって機械式押しボタンを無くすことができ、タッチパネル表示部430の表示面積を大きくとることができる。具体的には、タッチパネル表示部430は、スライダ本体421の正面側の側面の約80%を占める程度の面積を確保することができている。
このような変形例2としてのマイクロメータ300やノギス400にあっても、タッチパネル表示部330、430を採用したことにより、第1実施形態の効果(1)から(5)を奏することができる。
さらに、ダイヤルゲージ100、マイクロメータ300およびノギス400といった多品種を考えることにより、次の効果を奏することができる。
(6)タッチパネル表示部を利用すると、測定器の種類ごとにボタンの数や配置などを考える必要は無くなる。すなわち、ダイヤルゲージ100でも、マイクロメータ300でも、ノギス400でも、品種の違いがあってもボタンの数や配置の違いを考えなくてもよい。
また、測定項目を多種多様に選択できるような高機能品であろうと、単純な測定しかできない低機能品であろうと、ボタンを付加したりする必要はないのであり、単に内部の設定プログラムを変えるだけである。
(なお、押しボタンを設けたとしてもせいぜい電源ボタンぐらいである。さらに、何らかの操作(例えばスピンドルの移動)によって自動的に電源ONになるようにしておけば、電源ボタンも不要になる。)
そして、種類は違っても、スモールツールであれば大きさはおおよそいくつかのパターンに統一されてくるので、表示部のサイズもいくつかのパターンに統一されてくる。
このように考えると、タッチパネル表示部を採用することにより、ダイヤルゲージ100、マイクロメータ300およびノギス400といった多機能多品種に渡ってタッチパネル表示部という部品を共通化することができる。
このように、複数の種類の測定器でタッチパネル表示部を共通化してしまえば、部品種類を減らすことができ、製造コスト、組み立てコストを低減させることができる。
多機能多品種に渡る複数の測定器を製造する場合には大きな利点となる。
さらに、修理等のメンテナンスまで考えると、部品を共通化できるメリットは大きい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。
第2実施形態は、ハイトゲージの例である。
ハイトゲージ500は、図16に示すように、ベース510と、支柱511と、スライダ512と、測定子513と、グリップ部514と、表示操作部520と、を備えている。
この構成において、スライダ512は支柱511に沿って上下方向へ昇降可能に設けられており、スライダ512の移動とともに測定子513が一体的に上下方向に移動する構成である。
支柱511において、スライダ512が設けられている側とは反対側に表示操作部520が設けられているところ、第2実施形態としては、表示操作部520の表示面の全面がタッチパネル表示部530となっている点に特徴を有する。
図17は、表示操作部520の正面図であり、メイン表示画面の一例を示してある。
表示操作部520は、正面から見たときに、その約80%がタッチパネル表示部530となっている。タッチパネル表示部530をタッチすることで入力操作ができるので、入力操作用の押しボタンは設けられていない。(ただし、電源ボタン540は押しボタンである。)
メイン表示画面における表示項目の配置を簡単に説明する。
メイン表示画面において、上半分は、測定結果等の数値531をはっきりと表示するための領域である。
そして、下半分には、測定作業に使用するコマンドを入力するためのアイコンが配置されている。
中段には、測定項目を示す三つのアイコン532と、ゼロセット用のアイコン533と、が配置されている。さらに、下段には、十字方向の操作534、エンター535、プリセット536、データホールド537、キャンセル538、モード選択539、のための各アイコンが配置されている。
(測定治具と測定項目の選択操作)
ハイトゲージ500に様々なアタッチメント(測定治具)を付けることによって、様々なワーク(被測定物)の様々な箇所に対応した測定を行うことができる。
図18は、様々なタイプの測定治具550の例である。
測定治具550によっては偏心していたり、接触球の半径が異なったりするので、測定に使用する測定治具550をハイトゲージ500に設定する必要がある。
このような場合でも、測定治具550の種類がどんなに多いとしても、第1実施形態で説明したように、ゲージ選択のメニュー画面で測定治具を簡単に選ぶことができる。
さらに、図19は、様々な測定項目の例である。
例えば、ワークWの外側の幅を測定するとする。
この場合、外側の上面Wtの高さと、外側の下面Wlの高さと、の差Hを測定する。
このような測定にあたって、ハイトゲージ500に予め測定項目として、"ワークの外側の幅"を設定しておく。すると、内部の演算回路が自動的に上面Wt高さと下面Wl高さとの差Hを算出し、結果をメイン表示画面に表示させる。
そこで、ユーザとしては、測定項目の設定操作を行うことになるが、このような設定作業も容易に行える。
例えば、図19のように、測定内容が一目で分かるような絵文字アイコン532を作っておく。
例えば、アイコン532Aのように、線の上下を矢印で挟んでおけば、外側の幅が測定対象であることが直感的に分かる。
また、アイコン532Bのように、円の中に直径を示す矢線を配しておけば、孔の内径が測定項目であることが直感的にわかる。
測定項目の選択画面では、図20のように、測定項目を表す絵文字アイコン532を並べて配置しておけばよい。
ユーザは次回の測定で使用する、または、頻繁に使用する測定項目の絵文字アイコン532をタッチしていくつか選択する。
このように選択されたアイコン532を、例えば、図17のようにメイン表示画面の中段に表示するようにする。そして、実際に測定作業にあたって、ユーザが測定項目の絵文字アイコン532を選んでタッチすればよい。
このように表示操作部520をタッチパネルとしたので、多種多様で複雑な機能でも直感的に簡単に使いこなすことができる。特に、絵文字アイコンをタッチするような操作方法は、面倒な一連のコマンドを入力する操作に比べて格段に簡単である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記実施形態および変形例においては、タッチパネル表示部の採用によって押しボタンを削除できる例を示したが、必要に応じて押しボタンが設けられていてもよいことはもちろんである。
表示の向きを変えるに当たってユーザが表示方向を切り替える操作を行う例を示したが、鉛直方向の検出に応じて表示方向が自動的に変更調整されるようにしてもよい。
またさらに、表示の向きを変えるにあたっては、縦横変更や天地反転に限らず、ドットマトリクス表示を用いた表示方式である利点を活かし、任意の向き(角度)に変更できるようになっていてもよい。
100・・・ダイヤルゲージ、110・・・筐体部、111・・・正面板、120・・・スピンドル、121A、121B・・・測定子、130・・・タッチパネル表示部、131・・・フロント透明板、132・・・額縁、150A、150B、150C、150D・・・測定治具、210・・・タッチパネル表示部、211・・・タッチパネル、212・・・液晶表示パネル、220・・・半透明反射シート、230・・・太陽光発電ユニット、231・・・ソーラーパネル、232・・・蓄電池ユニット、240・・・電子回路モジュール、300・・・マイクロメータ、310・・・本体フレーム、320・・・U字状アーム部、321・・・アンビル、322・・・スリーブ、330・・・タッチパネル表示部、340・・・スピンドル、350・・・シンブル、400・・・ノギス、410・・・本尺、411・・・外側測定ジョー、411・・・測定ジョー、412・・・内側測定ジョー、420・・・スライダ、421・・・スライダ本体、422・・・外側測定ジョー、422・・・測定ジョー、423・・・内側測定ジョー、430・・・タッチパネル表示部、500・・・ハイトゲージ、510・・・ベース、511・・・支柱、512・・・スライダ、513・・・測定子、514・・・グリップ部、520・・・表示操作部、530・・・タッチパネル表示部、540・・・電源ボタン。

Claims (12)

  1. 被測定物と接触する測定子と、
    外部からの物理的接触による入力を受け付け、かつ、前記測定子の移動量を表示する機能を有するタッチパネル表示部と、を備え、
    被測定物の測定すべき寸法の種類に応じた形状を有する測定治具を、本体に取り付け可能であり、
    前記本体に前記測定治具が取り付けられた場合、前記測定治具に対応する被測定物の測定すべき寸法の種類に応じて前記測定子の移動量が換算され、換算された値が前記タッチパネル表示部に表示される、
    ことを特徴とする測定器。
  2. 請求項1に記載の測定器において、
    前記タッチパネル表示部は、
    当該測定器で測定する際の詳細な入力操作を行うための複数の操作アイコンと、当該測定器による測定結果と、を表示する
    ことを特徴とする測定器。
  3. 請求項2に記載の測定器において、
    測定対象物または測定方法の違いに応じた複数の測定モードが予め用意されており、
    前記複数の測定モードに対応した前記複数の操作アイコンがそれぞれ用意され、
    前記タッチパネル表示部に表示された前記複数の操作アイコンを選んでタッチすることにより、測定モードの選択が可能になっている
    ことを特徴とする測定器。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の測定器において、
    測定対象物または測定方法の違いに応じたいくつかの測定モードが予め用意されており、
    前記複数の操作アイコンは、前記測定モードごとにグループ化および階層化され、選択された測定モードに応じた一群の操作アイコンをタッチパネル表示部のモード選択メニュー画面に表示する
    ことを特徴とする測定器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の測定器において、
    ユーザが測定器を使用する向きに応じて、タッチパネル表示部の表示の向きが変更可能である
    ことを特徴とする測定器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の測定器において、
    当該測定器が有する機械式押しボタンスイッチは一つ以下である
    ことを特徴とする測定器。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の測定器において、
    当該測定器は、機械式押しボタンスイッチを有していない
    ことを特徴とする測定器。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の測定器において、
    さらに、太陽電池を有する
    ことを特徴とする測定器。
  9. 請求項8に記載の測定器において、
    前記太陽電池は、前記タッチパネル表示部の背面側に設けられている
    ことを特徴とする測定器。
  10. 請求項8に記載の測定器において、
    前記太陽電池は、前記タッチパネル表示部の正面側に設けられている
    ことを特徴とする測定器。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の測定器において、
    前記測定器は、ダイヤルゲージ、ノギスおよびマイクロメータのうちのいずれかである
    ことを特徴とする測定器。
  12. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の測定器において、
    前記測定器は、ハイトゲージである
    ことを特徴とする測定器。
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