JP3924498B2 - マイクロメータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロメータに関する。
【0002】
【背景技術】
被測定物の被測定部位の長さを測定する測定器としてマイクロメータが知られている。
このマイクロメータは、U字状のアームを有するフレームと、フレームの一端に設けられたアンビルと、フレームの他端に螺合されてアンビルに対して進退可能に設けられたスピンドルとを備えて構成されている。このような構成において、アンビルとスピンドルとの間に被測定物を挟持するときのスピンドル進退量から被測定物の大きさを測定することができる。
測定精度を維持するため、一般にマイクロメータにおいては、被測定物をアンビルとスピンドルとで挟持した際、フレーム、アンビルおよびスピンドルがスピンドルの押圧力で変形しない剛性を有していなければならない。剛性を有する材料として鋳物などの合金によりフレーム、アンビルおよびスピンドルが形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属を所望の形態に機械加工するには大変な時間と費用を必要とする。フレーム、アンビルおよびスピンドルは精密加工を経て製造されるため、生産ラインの複雑化や高コストなどの問題が生じる。
【0004】
測定精度を維持するためには、線膨張を一定の範囲内に抑える必要がある。例えば、フレームやスピンドルの熱膨張は測定誤差に繋がる。そこで、従来のマイクロメータでは測定条件として、例えば、温度を20±10度に制限することによって線膨張による誤差を抑えている。しかしながら、過酷な測定環境においては、線膨張による測定誤差を生じるという問題がある。
マイクロメータは手で握って操作する測定器である。そのため、手の熱による温度分布によって線膨張の差異が生じ、測定誤差に繋がりやすいという問題がある。
【0005】
アンビルとスピンドルで被測定物を挟持した場合、スピンドルの押圧力が強いと、やはりアンビル、フレームおよびスピンドルが変形され、測定誤差が生じるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、従来の問題を解消し、簡便に製造でき、測定精度が向上され、軽量で、かつ、耐用年数が長いマイクロメータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマイクロメータは、U字状のアームを有するフレームと、前記フレームの一端に設けられたアンビルと、前記フレームの他端に前記アンビルに対して進退可能に設けられたスピンドルとを備えたマイクロメータにおいて、前記アンビルは、前記フレームとともにナノスケール物質を含む合成樹脂によって一体成形されていることを特徴とする。
【0008】
一般に合成樹脂は、脆弱で線膨張率が大きいものであるが、ナノスケール物質(例えば、カーボンナノファイバ)を合成樹脂の母材(例えば、ポリスチレン)に添加し、適宜諸条件を設定すると、剛性の強化、線膨張の抑制、耐摩耗性能の向上、摩擦係数の低下、熱伝導率の向上などの効果が得られる。この理由は正確には分かっていないが、ナノスケール物質が合成樹脂内でネットワークを築くことに基づくとされている。
【0009】
よって、このナノスケール物質を含んだ合成樹脂でフレームを形成すると、フレームの剛性が強化される。よって、被測定物をアンビルとスピンドルとで挟持した場合でも、スピンドルの押圧力でフレームが変形することがない。その結果、マイクロメータの測定精度を向上させることができる。剛性が強化されることから、フレームを薄型化することができる。
【0010】
線膨張係数を小さくすることが可能なので、線膨張による誤差を排除し精密な測定を行うことができる。線膨張係数が小さければ、測定の温度に制限を受けることなく過酷な条件でも精密な測定を行うことができる。
熱伝導率がよいので、フレームを手で握って測定する場合でも、手の熱が瞬時に拡散し、場所による膨張の差異を生じることがない。よって、手で握って使用しても手の熱による測定誤差を生じることがなく、精密な測定を行うことができる。
【0011】
摩擦係数が小さく、耐摩耗性が向上されれば、例えば、フレームとスピンドルとが螺合されていた場合でも、摩耗が少なく耐用年数の長いマイクロメータとすることができる。
合成樹脂であるので、フレームを軽くすることができる。よってマイクロメータを軽くすることができるので、持ち運び易く操作しやすいマイクロメータとすることができる。合成樹脂であるので、金属に比べて手になじみやすく金属アレルギーなどの心配もない。
【0012】
アンビルがフレームとともにナノスケール物質を含む合成樹脂によって一体成形されることにより、部品点数および組立工程を削減し低コスト化を図ることができる。また、アンビルがフレームと一体成形されることにより、取り付け誤差が排除され、測定精度が向上される。
アンビルがナノスケール物質を含んだ合成樹脂で形成されると、剛性が強化される。よって、被測定物をアンビルとスピンドルとで挟持した場合でも、アンビルが押圧力で変形することがない。その結果、アンビルの変形による測定誤差を排除し、測定精度を向上させることができる。
【0013】
マイクロメータが目盛式である場合には、前記フレームに螺合されて回転により軸方向進退可能なスピンドルと、前記フレームに前記スピンドルの進退方向に沿って設けられた主尺目盛と、前記フレームの外側に設けられ前記スピンドルと一体回転するシンブルと、前記シンブルの回転円周に沿って設けられた副尺目盛とを備え、前記主尺目盛および前記副尺目盛の少なくともいずれか一方は、前記フレームまたは前記シンブルとともにナノスケール物質を含む合成樹脂による射出成形によって形成されていることが好ましい。
【0014】
このように、主尺目盛および副尺目盛が射出成形によって、フレームやシンブルとともに形成されることにより、簡便に目盛を形成することができる。ナノスケール物質を含む合成樹脂は、型転写性がよく成形性能に優れているため、射出成形でも精密な目盛を形成することができる。よって、製造工程を簡略化し、低コスト化を図ることができる。従来は、フレームやシンブルを形成したのち、機械加工によって目盛を刻んでいたために、フレームやシンブルに歪みが生じる可能性もあった。しかし、フレームやシンブルがナノスケール物質を含む合成樹脂で目盛とともに射出成形されれば、射出成形後に、目盛の加工を含めてフレームやシンブルに機械加工を施す必要がない。よって、歪みのない精密なフレーム、シンブルとすることができ、測定精度を向上させることができる。
【0015】
デジタル式のマイクロメータである場合には、フレームに軸方向進退自在に設けられたスピンドルを備えるマイクロメータにおいて、前記スピンドルは、軸方向に沿って導電部と非導電部が交互に形成された電極パターンを有するスケールを備え、前記スケールは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によって形成されていることが好ましい。
【0016】
ナノスケール物質を添加し、適宜諸条件を設定することにより、合成樹脂に導電性または絶縁性を付与することができる。そこで、例えば、スピンドルをナノスケール物質を含む合成樹脂で絶縁体として射出成形した後、さらに、ナノスケール物質を含んだ合成樹脂で導電性を有する電極を二重成形してもよい。すると、スケールを簡便に、かつ、低コストで製造することができる。スピンドルとは別個に形成したスケールを貼り付ける場合に比べて、スピンドルにスケールを直接設ける構成であれば、電極が剥離したり、電極にそりが生じることがないので、測定精度を精密に保つことができる。
【0017】
本発明のマイクロメータは、U字状のアームを有するフレームと、前記フレームの一端に設けられたアンビルと、前記フレームの他端に前記アンビルに対して進退可能に設けられたスピンドルとを備えたマイクロメータにおいて、前記アンビルは、前記フレームとともにナノスケール物質を含む合成樹脂によって一体成形され、前記フレームに螺合されて回転により軸方向進退可能なスピンドルと、前記フレームに前記スピンドルの進退方向に沿って設けられた主尺目盛と、前記フレームの外側に設けられ前記スピンドルと一体回転するシンブルと、前記シンブルの回転円周に沿って設けられた副尺目盛とを備え、前記主尺目盛および前記副尺目盛の少なくともいずれか一方は、前記フレームまたは前記シンブルとともにナノスケール物質を含む合成樹脂による射出成形によって形成され、前記スピンドルは、軸方向に沿って導電部と非導電部が交互に形成された電極パターンを有するスケールを備え、前記スケールは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によって形成されていることを特徴とする。
【0018】
前記フレームは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によって形成されることが好ましい。
【0019】
ナノスケール物質を含んだ合成樹脂は、成形性能が優れ、型転写性がよく、射出成形であっても精密な成形ができる。さらに、射出成形後に機械加工や表面仕上げなども必要ない。より精密な表面仕上げを行う場合でも、その仕上げ工程を短縮することができる。よって、フレームを射出成形で形成すれば、簡便に製造することができる。その結果、生産ラインや製造工程を簡素化することができ、低コスト化を図ることができる。
このとき、フレームに雌ねじを刻むような場合には、この雌ねじも射出成形によって形成してもよい。ナノスケール物質を含む合成樹脂であれば、精密なねじ状を形成することができる。
【0020】
デジタル式マイクロメータである場合には、内部に電気回路を有するケース体を備え、前記ケース体は、ナノスケール物質を含む合成樹脂により形成されていることが好ましい。
【0021】
このような構成によれば、ナノスケール物質を含んだ合成樹脂で形成された導電性を有するケース体に電気回路を収納することによって、このケース体が電磁シールドとなる。よって、内部の電気回路を外部磁界および外部電界から遮蔽することができる。その結果、電気回路の損傷や誤作動を防止することができ、測定精度を精密に保つことができる。
【0022】
以上において、前記ナノスケール物質は、カーボンナノファイバまたはカーボンナノチューブに代表されるカーボンナノスケール物質のいずれかであることが好ましい。
【0023】
カーボンナノスケール物質とは、カーボンナノファイバを代表として、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素原子によって構成されるナノスケール物質を意味する。このようなカーボンナノスケール物質を合成樹脂(例えば、ポリスチレン)などの母材に添加すると、剛性の強化、線膨張の抑制、耐摩耗性能の向上、摩擦係数の低下、熱伝導率の向上などの効果が得られる。その他、適宜諸条件を設定すると、導電性、絶縁性を付与することもできる。よって、このようなカーボンナノスケール物質を含んだ合成樹脂を用いて、マイクロメータの構成部材、例えば、フレーム、アンビル、スピンドル等を形成することにより、マイクロメータの性能を向上させることができる。合成樹脂であるので、射出成形によって成形することができる。その結果、製造工程を簡略化することができ、低コスト化に繋げることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1に、本発明のマイクロメータの第1実施形態として目盛式のマイクロメータを示す。
このマイクロメータ1は、U字状のアーム111を有するフレーム11と、フレーム11の一端側に設けられたアンビル112に向かって軸方向に進退可能にフレーム11の他端側に設けられたスピンドル12と、このスピンドル12と一体回転可能にフレーム11の外側に設けられたシンブル13とを備えて構成されている。
【0025】
フレーム11は、U字状のアーム111の一端に設けられたアンビル112と、アーム111の他端側に設けられ内部にスピンドル12が挿通されるスリーブ113とを備えて構成されている。このスリーブ113の内周には雌ねじ(不図示)が設けられスピンドル12と螺合されている。スリーブ113の外表面にはスピンドル12が進退する軸方向に沿って主尺目盛114が設けられている。フレーム11は、U字状のアーム111、アンビル112およびスリーブ113を含めてナノスケール物質としてカーボンナノファイバを含んだポリスチレンによる合成樹脂によって射出成形されている。射出成形の際に、スリーブ113の主尺目盛114および雌ねじも同時に形成される。
【0026】
スピンドル12は、スリーブ113の雌ねじに螺合する雄ねじ(不図示)を有し、スリーブ113に螺合されている。スピンドル12は螺合回転によってアンビル112に向かって進退する。スピンドル12は、雄ねじを含めてカーボンナノファイバを含んだ合成樹脂によって射出成形される。
シンブル13は、スリーブ113の外側を筒状に覆う円筒形状である。シンブル13の一端側外表面には円周を等分する副尺目盛131が設けられている。シンブル13の他端側はスピンドル12に固定され、シンブル13とスピンドル12は一体回転する構成である。
シンブル13は、副尺目盛131を含めてカーボンナノファイバを含む合成樹脂によって射出成形される。
【0027】
このような構成によれば、次の効果を奏することができる。
(1)フレーム11、スピンドル12およびシンブル13は、カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂によって形成されているので、剛性の強化、線膨張の抑制、耐摩耗性の向上、摩擦係数の低下、熱伝導率の向上などの効果がある。
【0028】
(2)フレーム11およびアンビル112がカーボンナノファイバを含んだ合成樹脂で一体成形され、スピンドル12がカーボンナノファイバを含んだ合成樹脂で形成されている。よって、フレーム11、アンビル112およびスピンドル12の剛性が強化される。その結果、被測定物をアンビル112とスピンドル12で挟持したときに、フレーム11、アンビル112およびスピンドル12が変形することがなく、測定精度が向上される。また、フレーム11、アンビル112およびスピンドル12の剛性が強化されるので、強度を維持したまま、フレーム11を薄くしたり、アンビル112およびスピンドル12の径を小さくすることができる。よって、マイクロメータを小型化することができる。
【0029】
(3)線膨張係数を小さくできれば、フレーム11、アンビル112およびスピンドル12の線膨張による誤差を排除し精密な測定を行うことができる。線膨張係数が小さいので、測定の温度に制限を受けることなく高温や低温など過酷な条件でも精密な測定を行うことができる。
(4)熱伝導率がよいので、フレーム11やシンブル13を手で握って測定する場合でも、手の熱が瞬時に拡散し、場所による膨張の差異を生じることがない。よって、手で握って使用しても手の熱による測定誤差を生じることがなく、精密な測定を行うことができる。
【0030】
(5)合成樹脂であるので、フレーム11、スピンドル12およびシンブル13を軽くすることができる。よってマイクロメータ1を軽くすることができるので、持ち運び易く操作しやすいマイクロメータ1とすることができる。合成樹脂であるので、金属に比べて手になじみやすく金属アレルギーなどの心配もない。
【0031】
(6)アンビル112をフレーム11と一体成形することにより、部品点数を削減することができる。また、アンビル112をフレーム11に一体成形することにより、取り付け誤差などを生じることがなく、測定精度を向上させることができる。
(7)カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂は、成形性能に優れ、型転写性がよい。よって、アンビル112、主尺目盛114および雌ねじを含めて射出成形によりフレーム11を一体成形することができる。シンブル13の副尺目盛131を射出成形によって一体成形することができる。スピンドル12を雄ねじを含めて射出成形によって形成することができる。このとき、射出成形後に機械加工などを施す必要がない。よって、製造工程が簡略化され、低コスト化を図ることができる。さらに、主尺目盛114、副尺目盛131、スピンドル12の雄ねじおよびスリーブ113の雌ねじを精密に形成することができる。その結果、測定精度を向上させることができる。
【0032】
(8)カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂は、摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れている。よって、フレーム11の雌ねじとスピンドル12の雄ねじとの螺合が摩耗されることを抑えることができる。よって、耐用年数が長く、測定精度を維持することができる。
【0033】
(第2実施形態)
本発明のマイクロメータの第2実施形態としてデジタル式のマイクロメータについて説明する。基本的な構成は、第1実施形態と同様であるが、第2実施形態が第1実施形態と異なるのは次の点である。
図2に、第2実施形態のスピンドル12を示す。このスピンドルには、軸方向に沿って静電容量式のスケール121が設けられている。このスケール121は、電極パターンとして導電部121Aと絶縁部121Bがスピンドル12の軸方向に沿って所定のピッチで形成されている。絶縁部121Bは、スピンドル12自体であり、すなわち、カーボンナノファイバを含む合成樹脂でスピンドル12が絶縁体として射出成形により形成されたものである。導電部121Aはスピンドル12を射出成形した後、カーボンナノファイバを含む合成樹脂で導電性が付与されたものが、スピンドル12上の面一に二重成形されたものである。
【0034】
フレーム11のスリーブ113内には、スピンドル12のスケール121と静電容量結合してスピンドル12の進退量を検出する検出ヘッド14と、この検出ヘッドからの検出値を演算処理する電気回路15とが設けられている。ここで、フレーム11は電気回路15に対してケース体となり、カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂で形成され導電性を有する。
【0035】
このような構成によれば、第1実施形態の効果(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)と同様の効果に加えて、次の効果を奏することができる。(9)フレーム11が導電性を有するので、フレーム11が電磁シールドとなり、内部の電気回路15が外部の磁界および電界から遮蔽される。その結果、フレーム11内の電気回路15が保護されるので、破損や誤作動を防ぐことができ、測定精度を精密に保つことができる。
【0036】
(10)スピンドル12が絶縁体であるので、外部から静電気がスピンドル12を伝わってフレーム11内に浸入することがない。例えば、帯電した被測定物にこのスピンドル12を当接させても、電気がスピンドル12を伝わって内部の電気回路15に侵入することがない。よって、電気回路15の破損や誤作動を防ぎ、測定精度を保つことができる。
(11)スケール121の電極パターンを、直接スピンドル12に形成している。つまり、カーボンナノファイバを含む合成樹脂で絶縁体としてスピンドル12を射出成形した後、さらに、カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂で導電性を有する電極を二重成形している。よって、スケール121を簡便に、かつ、低コストで製造することができる。さらに、スピンドル12とは別個に形成したスケールを貼り付ける場合に比べて、電極が剥離したり、電極にそりが生じることがなく、測定精度を精密に保つことができる。
【0037】
尚、本発明のマイクロメータは、上記実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態においては、フレーム11、シンブル13およびスピンドル12がすべてカーボンナノファイバを含んだ合成樹脂によって形成されているが、必ずしもすべてカーボンナノファイバを含んだ合成樹脂で形成される必要はない。例えば、フレーム11のみがカーボンナノファイアバを含んだ合成樹脂で形成されていてもよい。さらに、アンビル112をフレーム11と別体として設けてもよい。この場合でも、カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂の性質によりマイクロメータの性能を向上させることができる。
【0038】
上記第1実施形態において、フレーム11の主尺目盛114およびシンブル13の副尺目盛131はいずれもフレーム11、シンブル13とともに射出成形によって形成されたが、必ずしも射出成形によって主尺目盛114、副尺目盛131を形成する必要はない。例えば、フレーム11、シンブル13を射出成形したのち、レーザーマーキングで目盛を形成してもよい。カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂は、金属的な剛性を備えているので、射出成形後に機械加工することができるからである。
スピンドル12の雄ねじ、スリーブ113の雌ねじは、射出成形によって形成されなくても、機械加工によって形成されてもよい。
【0039】
第2実施形態において、スピンドル12のスケール121はフレーム11内に収まるように形成されているが、スクール121が形成された部分を摺動部として用いて、スピンドル12が摺動されたときにスケール121がフレーム11の外部へ露出する構成でもよい。スケール121がカーボンナノファイバを含む合成樹脂で形成されていれば、耐摩耗性、摺動性に優れるので、スケール121が摺動部となってもよいからである。このような構成によれば、スピンドル12の長さを短くすることができ、その結果、マイクロメータ1を小型化することができる。
【0040】
ナノスケール物質としては、カーボンナノファイバに限らず、カーボンナノチューブ、フラーレンなど炭素原子を主要構成要素とするナノスケール物質を用いることができる。
合成樹脂の母材としては、ポリスチレンやポリカーボネイトなどを用いることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のマイクロメータによれば、簡便に製造でき、測定精度が向上され、軽量で、かつ耐用年数が長いという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロメータの第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明のマイクロメータの第2実施形態におけるスピンドルを示す図である。
【符号の説明】
1 マイクロメータ
11 フレーム
12 スピンドル
13 シンブル
15 電気回路
111 アーム
112 アンビル
113 スリーブ
114 主尺目盛
121 スケール
121A 導電部
121B 絶縁部
131 副尺目盛

Claims (7)

  1. U字状のアームを有するフレームと、前記フレームの一端に設けられたアンビルと、前記フレームの他端に前記アンビルに対して進退可能に設けられたスピンドルとを備えたマイクロメータにおいて、
    記アンビルは、前記フレームとともにナノスケール物質を含む合成樹脂によって一体成形されていることを特徴とするマイクロメータ。
  2. U字状のアームを有するフレームと、前記フレームの一端に設けられたアンビルと、前記フレームの他端に前記アンビルに対して進退可能に設けられたスピンドルとを備えたマイクロメータにおいて、
    前記フレームに螺合されて回転により軸方向進退可能なスピンドルと、前記フレームに前記スピンドルの進退方向に沿って設けられた主尺目盛と、前記フレームの外側に設けられ前記スピンドルと一体回転するシンブルと、前記シンブルの回転円周に沿って設けられた副尺目盛とを備え、
    前記主尺目盛および前記副尺目盛の少なくともいずれか一方は、前記フレームまたは前記シンブルとともにナノスケール物質を含む合成樹脂による射出成形によって形成されていることを特徴とするマイクロメータ。
  3. フレームに軸方向進退自在に設けられたスピンドルを備えるマイクロメータにおいて、
    前記スピンドルは、軸方向に沿って導電部と非導電部が交互に形成された電極パターンを有するスケールを備え、
    前記スケールは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によって形成されていることを特徴とするマイクロメータ。
  4. U字状のアームを有するフレームと、前記フレームの一端に設けられたアンビルと、前記フレームの他端に前記アンビルに対して進退可能に設けられたスピンドルとを備えたマイクロメータにおいて、
    前記アンビルは、前記フレームとともにナノスケール物質を含む合成樹脂によって一体成形され、
    前記フレームに螺合されて回転により軸方向進退可能なスピンドルと、前記フレームに前記スピンドルの進退方向に沿って設けられた主尺目盛と、前記フレームの外側に設けられ前記スピンドルと一体回転するシンブルと、前記シンブルの回転円周に沿って設けられた副尺目盛とを備え、
    前記主尺目盛および前記副尺目盛の少なくともいずれか一方は、前記フレームまたは前記シンブルとともにナノスケール物質を含む合成樹脂による射出成形によって形成され、
    前記スピンドルは、軸方向に沿って導電部と非導電部が交互に形成された電極パターンを有するスケールを備え、
    前記スケールは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によって形成されていることを特徴とするマイクロメータ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロメータにおいて、
    前記フレームは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によって形成されていることを特徴とするマイクロメータ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロメータにおいて、
    内部に電気回路を有するケース体を備え、
    前記ケース体は、ナノスケール物質を含む合成樹脂により形成されていることを特徴とするマイクロメータ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロメータにおいて、前記ナノスケール物質は、カーボンナノファイバまたはカーボンナノチューブに代表されるカーボンナノスケール物質のいずれかであることを特徴とするマイクロメータ。
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