JP2003344004A - ダイヤルゲージ - Google Patents

ダイヤルゲージ

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JP2003344004A
JP2003344004A JP2002146635A JP2002146635A JP2003344004A JP 2003344004 A JP2003344004 A JP 2003344004A JP 2002146635 A JP2002146635 A JP 2002146635A JP 2002146635 A JP2002146635 A JP 2002146635A JP 2003344004 A JP2003344004 A JP 2003344004A
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晋 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に製造でき、測定精度が向上され、か
つ、耐用年数が長いダイヤルゲージを提供する。 【解決手段】 ケース本体11と、ケース本体11に設
けられスピンドル12を軸方向摺動自在に支持する軸受
部112とを備え、ケース本体11および軸受部112
とは、カーボンナノファイバを含む合成樹脂により一体
成形されている。部品点数が削減され、製造工程が簡略
化されることにより低コスト化を図ることができる。剛
性が強化され、線膨張係数が小さく、摺動性がよく、耐
摩耗性が向上されるので、測定精度が向上され、かつ、
耐用年数を長くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤルゲージに
関する。
【0002】
【背景技術】一般的なダイヤルゲージとして、スピンド
ルの変位量を指針の回転角によって表示する指針式のダ
イヤルゲージと、スピンドルの変位量をデジタル表示す
るデジタル式のダイヤルゲージとが知られている。指針
式ダイヤルゲージは、ケース本体と、ケース本体の外周
壁を貫通して軸方向摺動自在に支持されたスピンドル
と、スピンドルの摺動量を指針の回転角に拡大して伝達
する動力伝達機構とを備えて構成されている。ケース本
体は、スピンドルを軸方向に摺動案内する軸受としてブ
ッシュを備えている。動力伝達部材は、ラックアンドピ
ニオン等を備えた歯車列である。一方、デジタル式ダイ
ヤルゲージは、前記動力伝達機構に換えて、スピンドル
の摺動量を検出する静電容量式エンコーダと、エンコー
ダの検出値を演算処理する電気回路とを備えている。
【0003】このようなダイヤルゲージの製造工程にお
いては、ケース本体を亜鉛鋳造により成形し、これとは
別個にブッシュを摺動性、耐摩耗性の良好な材料、例え
ば、真鍮などで形成する。さらに、ケース本体にブッシ
ュを組み付ける。スピンドルは円筒研削によって形成さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケース
本体とブッシュとを別個に形成し、これを組み付けるの
で、部品点数の増加と、組立工程の増加を避けられず、
製作効率の低減と高コスト化に繋がる。金属を所望の形
態に機械加工するには、大変な時間と費用を必要とす
る。さらに、スピンドルとブッシュの摺動性を良好にす
るためにラッピングなどの加工によって摺動面の仕上が
りを精密にしなければならない。このような精密加工を
必要とするため、生産ラインの複雑化や高コスト化に繋
がるという問題がある。
【0005】ブッシュとスピンドルとの摺動を繰り返す
ことにより、やはり、摩耗するという問題がある。スピ
ンドルとブッシュとの間に潤滑剤などを使用した場合に
は、ゴミが付着しやすいという問題がある。スピンドル
が金属、例えば、ステンレス等で形成されて重量が大き
くなると、被測定物およびスピンドルが荷重によって変
形するため測定誤差に繋がるという問題がある。測定精
度を維持するためには、スピンドルを始めとするダイヤ
ルゲージの構成部品の線膨張を一定の範囲内に抑える必
要がある。そこで、従来は測定条件として、例えば、温
度を20±10度に制限することによって線膨張による
誤差を抑えている。しかしながら、高温や低温など過酷
な測定環境においては測定誤差を生じるという問題があ
る。
【0006】動力伝達部材に使用される歯車などは、一
定の剛性を維持しなければならないため、一定の厚みと
大きさを必要とする。そのため、ダイヤルゲージ自体の
大きさを小型化することが難しいという問題がある。デ
ジタル式ダイヤルゲージの場合、内部の電気回路が周囲
の磁界および電界によって誤作動もしくは破損されると
いう問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、従来の問題を解消し、簡
便に製造でき、測定精度が向上され、かつ、耐用年数が
長いダイヤルゲージを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のダイヤルゲージは、ケース本体と、スピン
ドルと、前記ケース本体に設けられ前記スピンドルを軸
方向摺動自在に支持する軸受部とを備え、前記ケース本
体および前記軸受部は、ナノスケール物質を含む合成樹
脂により一体成形されていることを特徴とする。
【0009】一般に合成樹脂は、脆弱で線膨張率が大き
いものであるが、ナノスケール物質(例えば、カーボン
ナノファイバ)を合成樹脂の母材(例えば、ポリスチレ
ン)に添加すると、剛性の強化、線膨張の抑制、耐磨耗
性能の向上、摩擦係数の低下、熱伝導率の向上などの効
果が得られる。さらに、ナノスケール物質を添加し、適
宜諸条件を設定することにより、合成樹脂に導電性また
は絶縁性を付与することができる。この理由は正確には
分かっていないが、ナノスケール物質が合成樹脂内でネ
ットワークを築くことに基づくとされている。
【0010】よって、ナノスケール物質を含む合成樹脂
によって軸受部を形成することができる。さらに、この
軸受部をケース本体とともに一体成形することにより、
ダイヤルゲージの組立に要する部品点数を削減すること
ができる。よって、ケース本体および軸受部の製造工程
が簡略化され、低コスト化を図ることができる。ナノス
ケール物質を含む合成樹脂で形成されたケース本体およ
び軸受部は、線膨張係数が小さいので、線膨張による誤
差を排除することができる。線膨張係数が小さいので、
測定の温度に制限を受けることなく高温や低温など過酷
な条件でも精密な測定を行うことができる。例えば、軸
受部の線膨張が低減されれば、スピンドルの摺動を常に
正確に案内することができる。
【0011】摩擦係数が小さいことから、摺動性がよ
く、スピンドルと軸受部とを潤滑剤なしでも円滑に摺動
させることができる。よって、汚れやゴミがつきにくい
ものとできる。耐摩耗性能が向上することから、軸受部
とスピンドルの繰り返しの摺動によっても摩耗すること
がなく、測定精度を維持することができる。剛性が強化
されることから、ケース本体を薄型化、小型化すること
も可能である。合成樹脂であるのでケース本体を軽いも
のとし、ダイヤルゲージ自体の重量を軽量化することが
できる。よって、持ち運びを始め、スタンドにダイヤル
ゲージをセットする場合など取り扱いの便が向上され
る。合成樹脂であるので、金属に比べて手になじみやす
く金属アレルギーなどの心配もない。
【0012】ナノスケール物質を含んだ合成樹脂によっ
て、ケース本体を導電性に形成することができる。する
と、デジタル表示式のダイヤルゲージでケース本体内に
電気回路を備えている場合には、ケース本体が磁気シー
ルドとして機能し内部の電気回路を保護することができ
る。よって、電気回路の誤作動や破損を防止することが
でき、その結果、測定精度を向上させることができる。
【0013】前記ケース本体および前記軸受部は、射出
成形によって形成されていることが好ましい。
【0014】射出成形によって成形することにより、機
械加工を必要としないため簡便に製造することができ
る。よって、生産ラインや製造工程を簡略化することが
でき、コストを削減することができる。ナノスケール物
質を含んだ合成樹脂は、成形性能にすぐれ、型からの転
写性がよく、射出成形であっても精密な成形が可能であ
る。型転写性が良いので、射出成形後に軸受部に表面仕
上げなどの加工を施す必要もない。
【0015】前記スピンドルは、ナノスケール物質を含
む合成樹脂の射出成形によって形成されていることが好
ましい。
【0016】このようにスピンドルがナノスケール物質
を含む合成樹脂により形成されることにより、スピンド
ルについて、剛性の強化、線膨張の抑制、耐磨耗性能の
向上、摩擦係数の低下、熱伝導率の向上などの効果が得
られる。剛性を強化しつつ、合成樹脂による軽量化を図
ることができるので、スピンドルを被測定物に当接させ
た際に、スピンドルおよび被測定物が荷重で変形するこ
とがなく、測定精度を向上させることができる。耐摩耗
性の向上、摩擦係数の低下により、潤滑剤なしでスピン
ドルと軸受部との間の摺動を円滑にできるとともに、耐
用年数を伸ばすことができる。線膨張率が小さいことか
ら、スピンドルの熱膨張を抑えることができ、高温ある
いは低温などの過酷な測定条件でも精密に測定すること
ができる。
【0017】型転写性がよいので、射出成形によってス
ピンドルを精密に形成することができ、射出成形後に研
削や表面仕上げを必要としない。よって、製造工程を簡
略化することができ、低コスト化を図ることができる。
【0018】デジタル表示式のダイヤルゲージの場合に
は、ケース本体に軸方向摺動自在に支持されたスピンド
ルを備えるダイヤルゲージにおいて、前記スピンドル
は、軸方向に沿って導電部と非導電部が交互に形成され
た電極パターンを有するスケールを備え、前記スケール
は、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射出成形によっ
て形成されていることが好ましい。
【0019】ナノスケール物質を添加し、適宜諸条件を
設定することにより、合成樹脂に導電性または絶縁性を
付与することができる。そこで、例えば、スピンドルを
ナノスケール物質を含む合成樹脂で絶縁体として射出成
形した後、さらに、ナノスケール物質を含んだ合成樹脂
で導電性を有する電極を二重成形してもよい。すると、
スケールを簡便に、かつ、低コストで製造することがで
きる。スピンドルとは別個に形成したスケールを貼り付
ける場合に比べて、スピンドルにスケールを直接設ける
構成であれば、電極が剥離したり、電極にそりが生じる
ことがないので、測定精度を精密に保つことができる。
【0020】前記ケース本体が、内部に前記スピンドル
の変位運動を伝達する動力伝達部材を備える場合には、
前記動力伝達部材は、ナノスケール物質を含む合成樹脂
の射出成形によって形成されていることが好ましい。
【0021】動力伝達部材として、例えば、ラックや歯
車列などがナノスケール物質を含む合成樹脂で形成され
ることにより、動力伝達部材の剛性、耐摩耗性が向上す
る。よって、繰り返しの使用に耐えることができる動力
伝達部材とすることができる。剛性が強化されることか
ら、剛性を維持しつつ動力伝達部材を小型化、薄型化す
ることができ、その結果、ダイヤルゲージ自体を小型
化、軽量化することができる。射出成形であれば、成形
が簡便であり、製造工程を簡略化することにより低コス
ト化を図ることができる。
【0022】以上において、前記ナノスケール物質は、
カーボンナノファイバまたはカーボンナノチューブに代
表されるカーボンナノスケール物質のいずれかであるこ
とが好ましい。
【0023】カーボンナノスケール物質とは、カーボン
ナノファイバを代表として、カーボンナノチューブ、フ
ラーレンなどの炭素原子によって構成されるナノスケー
ル物質を意味する。このようなカーボンナノスケール物
質を合成樹脂(例えば、ポリスチレン)などの母材に添
加すると、剛性の強化、線膨張の抑制、耐摩耗性能の向
上、摩擦係数の低下、熱伝導率の向上などの効果が得ら
れる。その他、導電性、絶縁性を付与することもでき
る。よって、このようなカーボンナノスケール物質を含
んだ合成樹脂を用いて、ダイヤルゲージの構成部材、例
えば、ケース本体、軸受部、スピンドル等を形成するこ
とにより、ダイヤルゲージの性能を向上させることがで
きる。合成樹脂であるので、射出成形によって成形する
ことができる。その結果、製造工程を簡略化することが
でき、低コスト化に繋げることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。 (第1実施形態)図1に本発明のダイヤルゲージとし
て、指針式のダイヤルゲージを示す。図1は、ダイヤル
ゲージの裏蓋をはずした図である。このダイヤルゲージ
1は、ケース本体11と、このケース本体11の外周壁
を貫通して軸方向摺動自在に支持されたスピンドル12
と、このスピンドル12の変位を動力伝達する動力伝達
部13と、動力伝達部13によって伝達された動力をス
ピンドル12の変位量として表示する表示部(不図示)
とを備えて構成されている。
【0025】ケース本体11は、内部に空間を有する短
円筒状であり、外側面には図1中下方に突出する筒状の
ステム111が設けられている。外側面にはスピンドル
12が摺動する貫通孔が形成され、この貫通孔がスピン
ドル12の軸を摺動案内する軸受部112となってい
る。ケース本体11は軸受部112およびステム111
を含んで、カーボンナノファイバを含む合成樹脂によっ
て一体成形されている。この成形は、射出成形による。
【0026】スピンドル12は、軸方向に沿って設けら
れたラック121と、先端に螺合された接触部122と
を備えて構成されている。このスピンドル12は、ラッ
ク121を含めてカーボンナノファイバを含んだ合成樹
脂によって一体成形されている。この成形は射出成形に
よる。
【0027】動力伝達部13は、スピンドル12のラッ
ク121から動力を伝達を伝達する動力伝達部材として
の歯車列によって構成されている。歯車列は、スピンド
ル12のラック121に噛合したピニオン131と、こ
のピニオン131と一体回転する大歯車132と、この
大歯車132に噛合して表示部の指針141を回転させ
る指針軸133と、指針軸133に噛合してバックラッ
シュを防ぐバックラッシュ防止歯車134とを備えて構
成されている。この歯車列の各歯車は、カーボンナノフ
ァイバを含んだ合成樹脂によって形成されている。この
形成は射出成形による。
【0028】このようなダイヤルゲージ1によれば、次
の効果を奏することができる。 (1)ケース本体11、スピンドル12、動力伝達部1
3が、カーボンナノファイバを含む合成樹脂によって形
成されているので、剛性が強化され、線膨張係数が小さ
く、摺動性がよく、耐摩耗性能が向上される。よって、
測定精度が向上されるとともに、耐用年数が伸びる。 (2)カーボンナノファイバを含んだ合成樹脂は、摺動
性がよく、耐摩耗性が向上されることから、ケース本体
11に軸受部112を一体的に形成することができる。
よって、軸受としてブッシュなどを別個に要する場合に
比べて、部品点数を削減し、製造工程の簡略化すること
ができる。その結果、製造効率の向上および低コスト化
を図ることができる。この際、摩擦係数が小さく摺動性
がよいので、スピンドル12と軸受部112との間に潤
滑剤などを必要としないので、ゴミなどが付着しにく
い。さらに、耐摩耗性が優れていることから、スピンド
ル12の摺動を繰り返しても軸受部112およびスピン
ドル12が摩耗することがなく、耐用年数が長く、かつ
測定精度を長きに渡って維持することができる。
【0029】(3)カーボンナノファイバを含んだ合成
樹脂は、型転写性が良いので、ケース本体11、スピン
ドル12および動力伝達部材13を射出成形によって形
成することができる。この際、ケース本体11は軸受部
112を含んで形成される。スピンドル12はラック1
21を含んで形成することができ、射出成形後に機械加
工や表面仕上げなどの加工を施す必要がない。より高度
な表面仕上げをする場合でも、その仕上げ工程を従来よ
りも短縮することができる。よって、製造工程を簡略化
し、低コスト化を図ることができる。
【0030】(4)動力伝達部13の各歯車が、カーボ
ンナノファイバを含んだ合成樹脂によって形成されてい
るので、剛性を維持したまま歯車(ピニオン131、大
歯車132、指針軸133、バックラッシュ防止歯車1
34)を小型化、薄型化することができる。よって、ダ
イヤルゲージ1自体を小型化、軽量化することができ
る。 (5)ケース本体11は、カーボンナノファイバを含ん
だ合成樹脂によって形成されているので、剛性を維持し
たまま薄型化できる。よって、ダイヤルゲージ1を小型
化、軽量化することができる。
【0031】(6)スピンドル12が、カーボンナノフ
ァイバを含んだ合成樹脂で形成されているので、剛性を
維持したままスピンドル12が軽量化される。よって、
スピンドル12が被測定物に当接した場合でも、被測定
物およびスピンドル12が荷重で変形することがなく、
測定精度が向上される。ケース本体11もカーボンナノ
ファイバを含んだ合成樹脂で形成されるので、ケース本
体11も軽量化される。その結果、ダイヤルゲージ1を
軽量化することができ、持ち運びなど取り扱いに優れた
ものとできる。
【0032】(7)線膨張係数が小さいので、高温また
は低温などの過酷な測定条件下でもスピンドル12等が
変形することがなく、精密な測定を行うことができる。 (8)ケース本体11およびスピンドル12が合成樹脂
で形成されているので、手で握った場合でも手になじみ
易く、また、金属アレルギーなどの心配もない。
【0033】(第2実施形態)図2に、本発明のダイヤ
ルゲージの第2実施形態としてデジタル式のダイヤルゲ
ージ2を示す。基本的な構成は第1実施形態と同様であ
るが、第2実施形態が第1実施形態と異なるのは次の点
である。スピンドル12には、軸方向に沿って静電容量
式のスケール123が設けられている。このスケール1
23は、電極パターンとして導電部123Aと絶縁部1
23Bがスピンドル12の軸に沿って所定のピッチで形
成されている。図3に、スピンドル12を一部破断した
拡大図を示す。絶縁部123Bは、スピンドル12自体
であり、すなわち、カーボンナノファイバを含んだ合成
樹脂でスピンドル12が絶縁体として形成されたもので
ある。導電部123Aは、スピンドル12を射出成形し
た後、カーボンナノファイバを含む合成樹脂で導電性が
付与されたものが、スピンドル12の上に二重成形され
たものである。
【0034】ケース本体11の内部には、スケール12
3の電極パターンと静電結合してスピンドル12の変位
量を検出する検出ヘッド15と、検出ヘッド15からの
検出値を演算処理する電気回路16とが設けられてい
る。演算処理された検出値は測定値として図示しない表
示部に表示される。ここで、ケース本体11は、カーボ
ンナノファイバを含んだ合成樹脂で導電性を有するもの
が使用される。
【0035】このような構成によれば、第1実施形態の
効果(1)(2)(5)(6)(7)(8)と同様の効果に加
えて、次の効果を奏することができる。 (9)ケース本体11が導電性を有するので、ケース本
体11が電磁シールドとなり、内部の電気回路16が外
部の磁界および電界から遮蔽される。その結果、ケース
本体11内部の電気回路16が保護されるので、破損や
誤作動を防ぐことができ、測定精度を精密に保つことが
できる。 (10)スピンドル12が絶縁体であるので、外部から
静電気がスピンドル12を伝わってケース本体11内に
浸入することがない。例えば、帯電した被測定物にこの
スピンドル12を当接させても、電気がスピンドル12
を伝わって内部の電気回路16に侵入することがない。
よって、電気回路16の破損や誤作動を防ぎ、測定精度
を精密に保つことができる。 (11)スケール123の電極パターンを、直接スピン
ドル12に形成している。つまり、ナノスケール物質を
含む合成樹脂で絶縁体としてスピンドル12を射出成形
した後、さらに、ナノスケール物質を含んだ合成樹脂で
導電性を有する電極を二重成形している。よって、電極
パターンを簡便に、かつ、低コストで製造することがで
きる。 (12)スピンドル12の軸を中心としてぐるりと電極
パターンが形成されているので、スピンドル12が軸中
心に回転しても、検出ヘッド15と静電結合することが
できる。よって、スピンドル12の回り止めなどを設け
る必要がない。その結果、製造工程を簡略化できるとと
もに、ダイヤルゲージ2を小型化することができる。
【0036】尚、本発明のダイヤルゲージは、上記実施
形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。第2実施形態において、スピンドル12は、軸
を中心に周囲全体に電極パターンが形成されているが、
例えば、図4に示されるようにスピンドル12の一部を
軸に沿って平面状に切り欠いて、この平面部分に電極パ
ターンを形成してもよい。このような構成によれば、検
出ヘッド15とスケール123とのギャップ保持を確実
にできるなど、検出ヘッド15とスケール123との静
電結合を確実にすることができる。
【0037】上記実施形態においては、ケース本体11
のみならず、スピンドル12、動力伝達部13もカーボ
ンナノファイバを含んだ合成樹脂によって形成されてい
るが、スピンドル12、動力伝達部13は、カーボンナ
ノファイバを含んだ合成樹脂ではなく、例えば金属で形
成されていてもよい。ケース本体11が軸受部112を
含んでカーボンナノファイバを含んだ合成樹脂で射出成
形により一体成形されていれば、部品点数の削減や製造
ラインの簡略化により低コスト化を図ることができる。
上記実施形態において、軸受部112はケース本体11
に形成されているが、スピンドル12の先端側(接触部
122側)を支持する軸受部は、ステム111に設けら
れてもよい。
【0038】上記実施形態においては、ケース本体1
1、スピンドル12および動力伝達部13は、カーボン
ナノファイバを含んだ合成樹脂によって射出成形した
後、機械加工や表面仕上げを行わないとしたが、射出成
形後に機械加工や表面仕上げを行ってもよいことはもち
ろんである。カーボンナノファイバを含む合成樹脂は、
鋼材と同等の硬度を有しているため、従来の合成樹脂に
比較して機械加工が容易である。
【0039】第2実施形態において、スピンドル12の
スケール123はケース本体11内に収まるように形成
されているが、スピンドル12が摺動されたときにスケ
ール123がケース本体11の外部へ露出する構成でも
よい。スケール123がカーボンナノファイバを含む合
成樹脂で形成されていれば、耐摩耗性、摺動性に優れる
ので、スケール123が摺動部となってもよいからであ
る。このような構成によれば、スピンドル12の長さを
短くすることができ、その結果、ダイヤルゲージ2を小
型化することができる。
【0040】ナノスケール物質としては、カーボンナノ
ファイバに限らず、カーボンナノチューブ、フラーレン
など炭素を主要構成要素とするナノスケール物質を用い
ることができる。合成樹脂の母材としては、ポリスチレ
ンやポリカーボネイトなどを用いることができる。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のダイヤル
ゲージによれば、簡便に製造でき、測定精度が向上さ
れ、かつ、耐用年数を長くすることができるという優れ
た効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤルゲージの第1実施形態として
指針式ダイヤルゲージの裏蓋をはずした図である。
【図2】本発明のダイヤルゲージの第2実施形態として
デジタル式ダイヤルゲージを示した図である。
【図3】前記第2実施形態において、スピンドルのスケ
ールを示す一部破断図である。
【図4】第2実施形態のスピンドルの変形例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1、2 ダイヤルゲージ 11 ケース本体 12 スピンドル 13 動力伝達部 16 電気回路 112 軸受部 121 ラック(動力伝達部材) 123 スケール 123A 導電部 123B 絶縁部 131 ピニオン(動力伝達部材) 132 大歯車(動力伝達部材) 133 指針軸(動力伝達部材) 134 バックラッシュ防止歯車(動力伝達部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 秀二 神奈川県川崎市高津区坂戸1−20−1 株 式会社ミツトヨ内 Fターム(参考) 2F061 AA01 DD02 DD03 DD25 FF07 FF72 GG01 HH72 HH94 JJ67 LL15 LL73 2F063 AA01 BB02 BC04 BD11 CA29 CA31 DA01 DA05 DC08 EA02 HA05 HA08 HA10 KA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース本体と、スピンドルと、前記ケー
    ス本体に設けられ前記スピンドルを軸方向摺動自在に支
    持する軸受部とを備え、 前記ケース本体および前記軸受部は、ナノスケール物質
    を含む合成樹脂により一体成形されていることを特徴と
    するダイヤルゲージ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のダイヤルゲージにおい
    て、 前記ケース本体および前記軸受部は、射出成形によって
    形成されていることを特徴とするダイヤルゲージ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のダイヤルゲー
    ジにおいて、 前記スピンドルは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の
    射出成形によって形成されていることを特徴とするダイ
    ヤルゲージ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤ
    ルゲージにおいて、 前記スピンドルは、軸方向に沿って導電部と非導電部が
    交互に形成された電極パターンを有するスケールを備
    え、 前記スケールは、ナノスケール物質を含む合成樹脂の射
    出成形によって形成されていることを特徴とするダイヤ
    ルゲージ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤ
    ルゲージにおいて、 前記ケース本体は、内部に前記スピンドルの変位運動を
    伝達する動力伝達部材を備え、 前記動力伝達部材は、ナノスケール物質を含む合成樹脂
    の射出成形によって形成されていることを特徴とするダ
    イヤルゲージ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤ
    ルゲージにおいて、前記ナノスケール物質は、カーボン
    ナノファイバまたはカーボンナノチューブに代表される
    カーボンナノスケール物質のいずれかであることを特徴
    とするダイヤルゲージ。
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