JP6082978B2 - 車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法 - Google Patents

車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、スリップ状態にある車輪の車輪速度を低下させる車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法に関する。
トラクション制御を実行可能な制御装置では、各車輪の車輪速度のうち最も低速となる車輪速度である最低車輪速度又はこの最低車輪速度に準じた値に基準速度が決定され、この基準速度と各車輪の車輪速度との差分が演算される。そして、差分が判定値以上となる車輪がある場合には、当該車輪がスリップ状態であると判定され、各車輪のうち少なくともスリップ状態の車輪の車輪速度を低下させるトラクション制御が実行される。
ここで、車輪速度は、車輪毎に設けられる車輪速度センサから出力される検出信号に基づいて演算される。そのため、車輪速度センサに故障などの異常が発生すると、異常な車輪速度センサに対応する車輪の車輪速度は、実際の車輪速度と比較して極端に低い値(具体的には、「0(零)」又は「0(零)に近い値」)に演算されるおそれがある。この場合、こうした車輪速度は、他の車輪の車輪速度よりも小さい値となるため、最低車輪速度となる。その結果、基準速度が不必要に小さい値となり、スリップ状態の車輪があるか否かの判定精度が低下する。
そこで、特許文献1に記載の制御装置にあっては、異常な車輪速度センサがあるか否かを判定する異常判定処理が行われる。そして、この異常判定処理によって異常な車輪速度センサがあると判定されていないときには基準速度が最低車輪速度に応じた値に決定される一方で、異常な車輪速度センサがあると判定されたときには基準速度が最低車輪速度の次に低速の車輪速度に応じた値に決定される。これにより、何れか一つの車輪速度センサが異常になった場合であっても、基準速度が不必要に小さい値となることが回避される。その結果、こうした基準速度を用いることによりスリップ状態の車輪があるか否かを適切に判定することができるようになる。
特開2000−344086号公報
上記のような異常判定処理の一例を説明する。例えば、各車輪のうち何れか一つの車輪の車輪速度のみが「0(零)」になると、この状態の継続時間が計測される。そして、継続時間が所定の判定期間を経過すると、当該車輪用の車輪速度センサが異常であると判定される。
こうした異常判定処理による判定精度を高めるためには、上記の判定期間を長くすることが好ましい。しかしながら、何れか一つの車輪の車輪速度のみが「0(零)」となることで異常判定処理が開始されてから当該車輪用の車輪速度センサが異常であると判定されるまでの期間では、基準速度は、最低車輪速度に応じた値に決定されるため、「0(零)」又は「0(零)」に近い値となる。したがって、異常判定処理の実行中では、実際にはスリップ状態の車輪がないにも拘わらず、トラクション制御が不必要に開始されるおそれが依然としてある。
こうしたトラクション制御の不必要な開始を回避する方法としては、異常判定処理の実行中でのトラクション制御の開始を禁止する方法が考えられる。しかし、この場合、異常判定処理中に車輪のスリップが実際に発生したときには、トラクション制御の開始に遅れが生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、複数の車輪のうち一つの車輪の車輪速度を正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切なタイミングで開始させることができる車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
車両のトラクション制御装置は、少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用され、前記車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も低速の車輪速度を最低車輪速度(Vwmin)としたとき、同最低車輪速度(Vwmin)に応じた値に基準速度(Vb)を決定し(S14)、車輪速度(Vw)から同基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態の車輪を検出し(S15)、同スリップ状態の車輪に対してその車輪速度を低下させるトラクション制御を実行する車両のトラクション制御装置において、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち、2番目に低速の車輪速度(Vwmidl)である第1の車輪の車輪速度と、前記最低車輪速度(Vwmin)以外であって且つ前記第1の車輪の車輪速度よりも高速となる第2の車輪の車輪速度との速度差が他の基準速度(Vth)を超えているとき(S13:YES)には前記トラクション制御の実行を許可し(S16)、前記速度差が前記他の基準速度(Vth)以下であるとき(S13:NO)には前記トラクション制御の実行を禁止する(S17)ようにした。
各車輪(FL,FR,RL,RR)のうち何れか一つの車輪の車輪速度を車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)の異常などによって正確に演算できない場合、当該車輪速度は「0(零)」又は「0(零)」に近い値となる。この場合、最低車輪速度(Vwmin)に応じて決定される基準速度(Vb)が「0(零)」又は「0(零)」に近い値となるため、正確に演算できている他の車輪を、実際にはスリップ状態ではないにも拘わらずスリップ状態であると誤検出するおそれがある。
この点、上記構成によれば、こうした場合であっても、第1の車輪の車輪速度と第2の車輪の車輪速度との速度差が他の基準速度(Vth)以下であるときでは、トラクション制御の実行が禁止される。これは、上記の速度差が他の基準速度(Vth)以下であると、第1の車輪の車輪速度と第2の車輪の車輪速度とがあまり乖離していない可能性が高く、第1及び第2の各車輪がともにスリップ状態ではない可能性が高いためである。そのため、何れか一つの車輪の車輪速度が正確に演算できないことに起因したトラクション制御の不必要な実行が抑制される。
その一方で、上記の速度差が他の基準速度(Vth)を超えているときは、第1の車輪の車輪速度と第2の車輪の車輪速度とが大きく乖離しており、第2の車輪がスリップ状態である可能性がある。そのため、上記の速度差が他の基準速度(Vth)を超えているときには、スリップ状態の車輪が検出されると、トラクション制御が開始される。
したがって、複数の車輪のうち一つの車輪の車輪速度を正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
上記車両のトラクション制御装置において、車両は、4つ以上の車輪(FL,FR,RL,RR)を有することが好ましい。
スリップ状態の車輪がある場合には、スリップ状態ではない車輪の車輪速度を第1の車輪の車輪速度とすることにより、スリップ状態の車輪があることを検出しやすくなる。そこで、上記構成では、3番目に低速の車輪速度や3番目に低速の車輪速度よりも高速の車輪速度の車輪よりも、スリップ状態ではない可能性が高い車輪の車輪速度である2番目に低速の車輪速度(Vwmidl)が第1の車輪の車輪速度とされる。そのため、各車輪のうち一部の車輪がスリップ状態である場合には、上記の速度差が他の基準速度(Vth)を超えやすくなるため、トラクション制御が開始されやすくなる。したがって、何れか一つの車輪の車輪速度(Vw)を正確に演算できていないとしても、トラクション制御を実行させることができるようになる。
また、前記第2の車輪の車輪速度を、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も高速の車輪速度(Vwmax)とすることが好ましい。
スリップ状態の車輪がある場合、最も高速の車輪速度(Vwmax)の車輪がスリップ状態に陥っている可能性が高いため、当該最も高速の車輪速度(Vwmax)が第2の車輪の車輪速度とされる。そのため、スリップ状態の車輪がある場合には、上記の速度差が他の基準速度(Vth)を超えやすくなるため、トラクション制御が開始されやすくなる。したがって、何れか一つの車輪の車輪速度(Vw)を正確に演算できていないとしても、トラクション制御を実行させることができるようになる。
また、上記車両のトラクション制御装置において、前記他の基準速度(Vth)を、車両の旋回時に生じうる内輪の車輪速度と外輪の車輪速度との速度差である内外輪差よりも大きい値とする。
上記構成によれば、何れの車輪もスリップ状態ではない場合には、車両旋回に伴って内外輪差が大きくなっても、第1の車輪の車輪速度と第2の車輪の車輪速度との速度差が他の基準速度(Vth)を超えにくくなる。その結果、何れか一つの車輪の車輪速度(Vw)を正確に演算できない場合に、トラクション制御が不必要に開始されることを抑制できるようになる。
車両のトラクション制御方法は、少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用され、前記車両に設けられている制御装置(30)に、前記車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も低速の車輪速度を最低車輪速度(Vwmin)としたとき、同最低車輪速度(Vwmin)に応じた値に基準速度(Vb)を決定させる基準速度決定ステップ(S14)と、車輪速度(Vw)から前記基準速度(Vb)を差しひいた値に基づいてスリップ状態になる車輪を検出させる検出ステップ(S15)と、検出したスリップ状態にある車輪の車輪速度を低下させるトラクション制御を実行するステップと、を実行させる車両のトラクション制御方法において、前記制御装置(30)に、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち、2番目に低速の車輪速度(Vwmidl)である第1の車輪の車輪速度と、前記最低車輪速度(Vwmin)以外であって且つ前記第1の車輪の車輪速度よりも高速となる第2の車輪の車輪速度との速度差が他の基準速度(Vth)を超えているときには前記トラクション制御の実行を許可させ、前記速度差が前記他の基準速度(Vth)以下であるときには前記トラクション制御の実行を禁止させる判定ステップ(S13)と、前記他の基準速度(Vth)を、車両の旋回時に生じうる内輪の車輪速度と外輪の車輪速度との速度差である内外輪差よりも大きい値とするステップと、をさらに実行させるようにした。
上記構成によれば、上記車両のトラクション制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
トラクション制御装置の一実施形態を搭載する車両の構成を示す概略構成図。 トラクション制御の開始タイミングを決定するために実行される処理ルーチンを示すフローチャート。 (a),(b)は、正確に車輪速度が演算されない車輪がある場合でのトラクション制御の誤作動が防止される様子を示すタイミングチャート。 (a),(b)は、全ての車輪の車輪速度が正確に演算される場合にトラクション制御が適切に開始される様子を示すタイミングチャート。
以下、4つの駆動輪を有する車両のトラクション制御装置の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、運転者によるアクセルペダル11の操作量であるアクセル操作量に基づいた駆動トルクを出力する駆動源の一例としてのエンジン12と、このエンジン12の出力軸に接続される自動変速機13とが設けられている。そして、自動変速機13から出力された駆動トルクは、前輪用のディファレンシャルギヤ14を介して各前輪FL,FRと、後輪用のディファレンシャルギヤ15を介して各後輪RL,RRとに伝達される。
車両の制動装置20には、運転者によるブレーキペダル21の操作態様に応じたブレーキ液圧を発生する液圧発生装置22と、車輪FL,FR,RL,RR毎に個別に設けられたブレーキ装置23a,23b,23c,23dに連結されたブレーキアクチュエータ24とが設けられている。また、制動装置20には、運転者によるブレーキペダル21の操作状況(オンかオフか)に応じた検出信号を出力するブレーキスイッチSW1が設けられている。
ブレーキアクチュエータ24は、運転者がブレーキペダル21を操作しない場合であっても各車輪FL,FR,RL,RRに対して制動トルクを付与できるように構成されている。例えば、ブレーキアクチュエータ24は、液圧発生装置22側のブレーキ液圧と、ブレーキ装置23a,23b,23c,23dに設けられたホイールシリンダ内のブレーキ液圧との間に差圧を発生させるための差圧調整弁と、ホイールシリンダ内にブレーキ液を供給するための電動ポンプとを備えている。また、ブレーキアクチュエータ24には、各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を個別に調整するための各種弁が設けられている。つまり、本実施形態のブレーキアクチュエータ24は、各車輪FL,FR,RL,RRに対する制動トルクを個別に調整可能である。
次に、本実施形態の制御装置30について説明する。
図1に示すように、トラクション制御装置の一例としての制御装置30には、アクセル開度センサSE1及びブレーキスイッチSW1に加え、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwを検出するための車輪速度センサSE2,SE3,SE4,SE5が電気的に接続されている。こうした制御装置30は、エンジン12の制御を司るエンジン用ECU及びブレーキアクチュエータ24を司るブレーキ用ECUなどの複数のECU(電子制御装置)を備えている。これら各ECUは、CPU、ROM及びRAMなどで構築されるマイクロコンピュータを有している。そして、制御装置30は、各種センサから出力される検出信号に基づき車両の挙動を推定し、エンジン12及びブレーキアクチュエータ24などを適宜制御することにより車両の挙動を制御する。
ところで、本実施形態の制御装置30は、スリップ状態の車輪に対する制動トルクを調整し、この車輪の車輪速度Vwを低下させるトラクション制御を実行するようになっている。このトラクション制御は、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwから基準速度Vbを差し引いた差分に基づいて開始タイミングが決定される。具体的には、上記の差分が開始判定値である第2比較速度Vstart以上となる車輪がある場合には、当該車輪がスリップ状態であると判定され、スリップ状態の車輪に対してトラクション制御が開始される。
ここで、上記の基準速度Vbは、通常、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwのうち、最も低速の車輪速度である最低車輪速度Vwminに決定される。そして、車輪速度センサSE2〜SE5の何れのセンサに異常などが発生した場合、当該センサに対応する車輪の車輪速度Vwは、正確に演算されないため、実際の車輪速度と比較して極めて小さい値(「0(零)」又は「0(零)」に近い値)になる。なお、車輪速度Vwを正確に演算できない場合としては、車輪速度Vwの演算を行うECUに、車輪の回転速度に応じた適切な波形の信号が入力されない場合などが挙げられる。
こうした場合、最低車輪速度Vwminは、正確に演算できていない車輪の車輪速度Vw(「0(零)」又は「0(零)」に近い値)になる。そのため、基準速度Vbも極めて小さい値となり、実際にはスリップ状態の車輪がないにも拘わらず、スリップ状態の車輪があると誤判定され、トラクション制御が不必要に開始されるおそれがある。そこで、本実施形態では、こうした場合におけるトラクション制御の不必要な開始を抑制するために、トラクション制御の開始条件を新たに一つ加えるようにした。
次に、図2に示すフローチャートを参照し、本実施形態の制御装置30が実行する処理ルーチンについて説明する。
図2に示す処理ルーチンは、予め設定された所定周期毎に実行される処理ルーチンである。そして、ステップS11において、制御装置30は、車輪速度センサSE2〜SE5からの検出信号に基づき演算された各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwを取得する。次のステップS12において、制御装置30は、最高車輪速度Vwmax、第3低速車輪速度Vwmidh、第2低速車輪速度Vwmidl及び最低車輪速度Vwminを決定する。具体的には、ステップS11で取得した各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwのうち、最も低速の車輪速度が最低車輪速度Vwminとされ、2番目に低速の車輪速度が第2低速車輪速度Vwmidlとされる。また、3番目に低速の車輪速度が第3低速車輪速度Vwmidhとされ、最も高速の車輪速度が最高車輪速度Vwmaxとされる。
次のステップS13において、制御装置30は、最高車輪速度Vwmaxから第2低速車輪速度Vwmidlを差し引いた速度差を演算し、この速度差が他の基準速度の一例としての第1比較速度Vthを超えているか否かを判定する。本実施形態では、第2低速車輪速度Vwmidlが、最低車輪速度Vwmin以外の「第1の車輪の車輪速度」に相当し、最高車輪速度Vwmaxが、最低車輪速度Vwmin以外であって且つ第1の車輪の車輪速度(第2低速車輪速度Vwmidl)よりも高速となる「第2の車輪の車輪速度」に相当する。したがって、本実施形態では、ステップS13が、一部の車輪がスリップ状態であるか否かを判定させる「判定ステップ」に相当する。
なお、第1比較速度Vthは、本実施形態の車両が旋回する際に発生しうる内輪の車輪速度と外輪の車輪速度との速度差(いわゆる内外輪差)の最大値又はこの最大値よりも大きい値に予め設定されている。これは、スリップ状態の車輪がない状態で車両が旋回する場合には、上記速度差(=最高車輪速度Vwmax−第2低速車輪速度Vwmidl)が第1比較速度Vthを超えにくくするためである。
そして、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vthを超えている場合(ステップS13:YES)には、スリップ状態の車輪があると判定できるため、制御装置30はその処理を次のステップS14に移行する。一方、速度差が第1比較速度Vth以下である場合(ステップS13:NO)には、スリップ状態の車輪がない可能性が高いため、制御装置30はその処理を後述するステップS17に移行する。
ステップS14において、制御装置30は、基準速度Vbを最低車輪速度Vwminとする。したがって、本実施形態では、ステップS14が、最低車輪速度Vwminに応じた値に基準速度Vbを決定させる「基準速度決定ステップ」に相当する。次のステップS15において、制御装置30は、車輪速度Vwから基準速度Vbを差し引いた差分を車輪FL,FR,RL,RR毎に演算し、差分が第2比較速度Vstartを超えている車輪があるか否かを判定する。このステップS15では、差分が第2比較速度Vstartを超えている車輪がスリップ状態であると判定される。すなわち、スリップ状態の車輪が検出される。この点で、本実施形態では、ステップS15が、「検出ステップ」に相当する。
そして、差分が第2比較速度Vstartを超えている車輪がある場合(ステップS15:YES)には、制御装置30は、その処理を次のステップS16に移行する。一方、差分が第2比較速度Vstartを超えている車輪がない場合(ステップS15:NO)には、制御装置30は、その処理をステップS17に移行する。
ステップS16において、制御装置30は、上記差分(=車輪速度Vw−基準速度Vb)が第2比較速度Vstartを超えている車輪、即ちスリップ状態の車輪に対応する開始判定フラグFLGをオンとする。この開始判定フラグFLGは、車輪FL,FR,RL,RR毎に設けられている。そのため、例えば左前輪FLのみがスリップ状態であるときには、左前輪FL用の開始判定フラグFLGがオンとされ、他の車輪FR,RL,RR用の各開始判定フラグFLGはオフとされる。そして、ステップS16の処理が終了すると、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。
また、処理がステップS17に移行する場合とは、スリップ状態の車輪がない場合又はスリップ状態の車輪がない可能性が高い場合である。そのため、ステップS17において、制御装置30は、全ての車輪FL,FR,RL,RR用の開始判定フラグFLGをオフとする。その後、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。
そして、制御装置30は、図2に示す処理ルーチンの実行後で、各車輪FL,FR,RL,RR用の開始判定フラグFLGを参照し、開始判定フラグFLGがオンとなっている車輪に対してトラクション制御を開始する。また、制御装置30は、トラクション制御の実行中においてトラクション制御の終了条件が成立した場合、トラクション制御を終了する。
次に、図3に示すタイミングチャートを参照して、正確に車輪速度Vwが演算されない車輪がある状態で車両が加速する際の動作について説明する。前提として、車輪速度センサSE2の異常に起因して左前輪FLの車輪速度Vwのみを正確に演算できないものとする。また、演算された各車輪速度Vwのうち、右後輪RRの車輪速度Vwが最も高速であり、左後輪RLの車輪速度Vwが3番目に低速であり、右前輪FRの車輪速度Vwが2番目に低速であるものとする。そして、加速途中で右後輪RRがスリップ状態に陥るものとする。
なお、図3(a)では各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwの変化を示し、図3(b)ではトラクション制御の開始タイミングを示している。特に図3(b)では、図2に示す処理ルーチンからステップS13の判定処理を省略した処理ルーチンが行われる比較例の車両でのトラクション制御の開始タイミングを二点鎖線で示している。
図3(a)に示すように、運転者によるアクセル操作によって車両が走行し始めると、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度Vwは、車両の車体速度が高速化するに連れて速くなる。しかし、左前輪FLの車輪速度Vwを正確に演算できないため、最低車輪速度Vwminは左前輪FLの車輪速度Vw(=0(零))となり、結果として、基準速度Vbが「0(零)」となる。なお、この場合、右後輪RRの車輪速度Vwが最高車輪速度Vwmaxとなるとともに、左後輪RLの車輪速度Vwが第3低速車輪速度Vwmidhとなり、さらに右前輪FRの車輪速度Vwが第2低速車輪速度Vwmidlとなる。
そして、左前輪FL以外の他の車輪FR,RL,RRの車輪速度Vwが次第に速くなり、第1のタイミングt1を経過すると、何れの車輪もスリップ状態ではないにも拘わらず、最高車輪速度Vwmaxである右後輪RRの車輪速度Vwから基準速度Vbを差し引いた差分が、第2比較速度Vstartを超える。
ここで、図3(b)にて二点鎖線で示すように、比較例の場合においては、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vth以上であるか否かの判定処理が行われない。そのため、第1のタイミングt1で右後輪RRに対して制動トルクを付与するトラクション制御が開始される。しかし、図3(a)にて破線で示すように、左前輪FLの実際の車輪速度は、右後輪RRの車輪速度Vw(最高車輪速度Vwmax)よりも僅かに小さい値であるだけである。つまり、何れの車輪FL,FR,RL,RRもスリップすることなく車両が加速しているにも拘わらず、第1のタイミングt1から右後輪RRに対してその車輪速度Vwを低下させるべくトラクション制御が開始される。
これに対し、本実施形態では、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vth以上であるか否かの判定処理が行われる。したがって、第1のタイミングt1では、上記の速度差は第1比較速度Vth未満であるため、トラクション制御は開始されない。
ただし、その後、例えば右後輪RRがスリップし始め、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vth以上になると、そのタイミングからトラクション制御が開始され、右後輪RRに対して制動トルクが付与されるようになる。
次に、図4に示すタイミングチャートを参照して、全ての車輪の車輪速度Vwが正確に演算される場合に加速スリップ輪が発生したときの車両の動作を説明する。
図4(a)に示すように、車両は第2のタイミングt2までは何れの車輪もスリップすることなく走行している。その後、第2のタイミングt2が経過すると、右後輪RRがスリップし始め、右後輪RRの車輪速度Vw、即ち最高車輪速度Vwmaxが急激に高速化する。すると、その後の第3のタイミングt3に達すると、右後輪RRの車輪速度Vw(=Vwmax)から基準速度Vbを差し引いた差分は第2比較速度Vstartを超える。また、この第3のタイミングt3では、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vthを超えている。そのため、右後輪RRに対するトラクション制御が、第3のタイミングt3から開始される。
すると、右後輪RRに対して制動トルクが付与されるようになるため、右後輪RRの車輪速度Vwは低下される。そして、第4のタイミングt4において、右後輪RRのスリップ状態が解消されてトラクション制御の終了条件が成立すると、例えば、右後輪RRの車輪速度Vw(=Vwmax)から基準速度Vbを差し引いた速度差が所定の終了判定値Vendを下回ると、右後輪RRに対するトラクション制御が終了される。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各車輪FL,FR,RL,RRのうち何れか一つの車輪の車輪速度Vwを車輪速度センサSE2〜SE5の異常などによって正確に演算できない場合、当該車輪速度Vwは「0(零)」又は「0(零)」に近い値となる。この場合、最低車輪速度Vwminに応じて決定される基準速度Vbが「0(零)」又は「0(零)」に近い値となるため、車輪速度Vwを正確に演算できている他の車輪を、実際にはスリップ状態ではないにも拘わらず、スリップ状態であると誤検出するおそれがある。
この点、本実施形態では、何れか一つの車輪の車輪速度Vwを正確に演算できない場合であっても、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vth以下であるときでは、トラクション制御の実行が禁止される。これは、上記の速度差が第1比較速度Vth以下であると、車輪速度Vwを正確に演算できている他の各車輪の車輪速度があまり乖離していない可能性が高く、他の各車輪がスリップ状態ではない可能性が高いためである。そのため、何れか一つの車輪の車輪速度Vwのみが正確に演算できないことに起因したトラクション制御の不必要な実行が抑制される。
その一方で、上記の速度差が第1比較速度Vthを超えているときは、少なくとも最高車輪速度Vwmaxの車輪がスリップ状態である可能性がある。そのため、上記の速度差が第1比較速度Vthを超えているときには、スリップ状態の車輪が検出されると、トラクション制御が開始される。
したがって、複数の車輪FL,FR,RL,RRのうち何れか一つの車輪の車輪速度Vwを正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切なタイミングで開始させることができるようになる。一方で、複数の車輪FL,FR,RL,RRのうち全ての車輪の車輪速度Vwが正確に演算できているときにも、従来と同じようにトラクション制御を適切なタイミングで開始させることができるようになる。
(2)スリップ状態の車輪がある場合には、スリップ状態ではない車輪の車輪速度Vwを第1の車輪の車輪速度とすることにより、スリップ状態の車輪があることを検出しやすくなる。そこで、本実施形態では、第3低速車輪速度Vwmidhよりもスリップ状態ではない可能性が高い第2低速車輪速度Vwmidlが第1の車輪の車輪速度とされる。そのため、各車輪FL,FR,RL,RRのうち一部の車輪がスリップ状態である場合には、上記の速度差が第1比較速度Vthを超えやすくなるため、トラクション制御が開始されやすくなる。したがって、何れか一つの車輪の車輪速度Vwを正確に演算できていないとしても、トラクション制御を実行させることができるようになる。
(3)スリップ状態の車輪がある場合には、最もスリップ状態に陥っている可能性の高い車輪の車輪速度Vwを第2の車輪の車輪速度とすることにより、スリップ状態の車輪があるか否かの判定精度が高くなる。そこで、本実施形態では、最高車輪速度Vwmaxを第2の車輪の車輪速度とした。これにより、スリップ状態の車輪がある場合には、第3低速車輪速度Vwmidhを第2の車輪の車輪速度とする場合と比較して、上記の速度差が第1比較速度Vthを超えやすくなるため、トラクション制御が開始されやすくなる。したがって、何れか一つの車輪の車輪速度Vwを正確に演算できていないとしても、トラクション制御を実行させることができるようになる。
(4)何れの車輪FL,FR,RL,RRもスリップ状態ではない場合には、車両旋回に伴って内外輪差が大きくなっても、最高車輪速度Vwmaxと第2低速車輪速度Vwmidlとの速度差が第1比較速度Vthを超えないように、第1比較速度Vthを予め決定した。その結果、何れか一つの車輪の車輪速度Vwを正確に演算できない場合に、トラクション制御が不必要に開始されることを抑制できるようになる。
(5)本実施形態では、ステップS15の判定処理に加え、ステップS13の判定処理を新たに実行するようにした。これにより、従来のように異常判定処理を行わなくても、何れか一つの車輪の車輪速度Vwを正確に演算できなくなったことに起因したトラクション制御の不必要な実行を抑制することができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第1比較速度Vthを、車両の走行状態に応じて可変としてもよい。例えば、車両が旋回しているときには、車両が直進しているときよりも第1比較速度Vthを大きい値としてもよい。また、車両の旋回時であっても、内外輪差が大きくなるような旋回を車両がしているときには、内外輪差があまり発生しない旋回を車両がしているときよりも第1比較速度Vthを大きい値としてもよい。
このように制御構成を採用することにより、何れか一つの車輪の車輪速度Vwのみを正確に演算できていない状態であっても、全ての車輪の車輪速度Vwを正確に演算できている状態であっても、車輪がスリップ状態に陥った場合には、第1比較速度Vthが一定値である場合よりも、最高車輪速度Vwmaxから第2低速車輪速度Vwmidlを差し引いた差分が第1比較速度Vthを超えやすくなる。したがって、トラクション制御をより適切なタイミングで開始させることが可能となる。
なお、この場合、車両のヨーレート、車両の横方向加速度及びステアリングホイールの操舵角などに基づき、第1比較速度Vthを決定することが好ましい。
・第2の車輪の車輪速度は、第1の車輪の車輪速度とされる車輪速度よりも高速の車輪速度であれば、最高車輪速度Vwmax以外の他の車輪速度であってもよい。例えば、第2低速車輪速度Vwmidlが第1の車輪の車輪速度である場合には、第2の車輪の車輪速度を、第3低速車輪速度Vwmidhとしてもよい。
・第1の車輪の車輪速度は、第2の車輪の車輪速度とされる車輪速度よりも低速の車輪速度であれば、第2低速車輪速度Vwmidl以外の他の車輪速度であってもよい。例えば、最高車輪速度Vwmaxが第2の車輪の車輪速度である場合には、第1の車輪の車輪速度を、第3低速車輪速度Vwmidhとしてもよい。
・車両は6つ以上の車輪を有する車両であってもよい。この場合、第1の車輪の車輪速度と第2の車輪の車輪速度との間に少なくとも1つの車輪速度(第3の車輪の車輪速度)があるように、第1の車輪の車輪速度及び第2の車輪の車輪速度を決定することが好ましい。この制御構成を採用することにより、第1の車輪の車輪速度の次に高速の車輪速度が第2の車輪の車輪速度である場合と比較して、第2の車輪の車輪速度から第1の車輪の車輪速度を差し引いた差分が大きくなりやすい。したがって、スリップ状態の車輪がある場合には、トラクション制御の実行が許可されやすくなる。
・基準速度Vbは、最低車輪速度Vwminに応じた値であれば、最低車輪速度Vwminとは異なる値であってもよい。例えば、基準速度Vbは、最低車輪速度Vwminに所定のゲイン値(例えば、1.2)を掛け合わせた値であったり、最低車輪速度Vwminに所定のオフセット値を加算した値であったり、最低車輪速度Vwminと第2低速車輪速度Vwmidlとの平均値であったりしてもよい。
・図2に示す処理ルーチンでは、ステップS13の判定処理よりも先にステップS15の判定処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS15の判定結果が「YES」の場合にステップS13の判定処理が行われることとなる。
・トラクション制御は、エンジン12からの駆動トルクを調整する制御を含むものであれば、制動制御を含まない制御であってもよい。また、トラクション制御は、制動制御だけではなく、エンジン12からの駆動トルクを調整する制御を含む制御であってもよい。
・制御装置30は、異常判定処理を行ってもよい。
・車両は、各車輪FL,FR,RL,RRのうち、前輪FL,FR又は後輪RL,RRにのみエンジン12からの駆動トルクが伝達される、いわゆる2輪駆動車であってもよい。
・また、車両は、少なくとも3つの車輪を有する車両であれば、4つ以外の任意数の車輪を有する車両であってもよい。例えば、車両は、3輪自動車であってもよいし、6つ以上の車輪を有する車両(トラックやバスなどの大型車両)であってもよい。
・車両は、エンジン12とは異なる駆動源(例えば、モータ)を備えた車両であってもよいし、駆動源としてエンジン12及びモータを備えるハイブリッド車両であってもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)車両は、4つ以上の車輪(FL,FR,RL,RR)を有しており、前記第2の車輪の車輪速度を、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も高速の車輪速度(Vwmax)とすることが好ましい。
(ロ)車両は、6つ以上の車輪を有しており、前記各車輪の車輪速度(Vw)は、前記第1の車輪の車輪速度及び前記第2の車輪の車輪速度に加え、前記第1の車輪の車輪速度よりも高速であるとともに前記第2の車輪の車輪速度よりも低速である第3の車輪の車輪速度を含むことが好ましい。
上記構成によれば、第1の車輪の車輪速度の次に第2の車輪の車輪速度が低速である場合と比較して、第1の車輪の車輪速度と第2の車輪の車輪速度との速度差が大きくなりやすい。そのため、第1の車輪以外の少なくとも一部の車輪がスリップ状態にあるときには、上記の速度差が他の基準速度(Vth)を超えやすくなる。そのため、何れか一つの車輪の車輪速度(Vw)を正確に演算できない状態であっても、全ての車輪速度(Vw)を正確に演算できる状態であっても、スリップ状態の車輪がある場合には、トラクション制御を適切に開始させることができるようになる。
30…車両のトラクション制御装置の一例としての制御装置、FL,FR,RL,RR…車輪、Vb…基準速度、Vw…車輪速度、Vwmax…第2の車輪の車輪速度の一例としての最高車輪速度、Vwmidh…第3低速車輪速度、Vwmidl…第1の車輪の車輪速度の一例としての第2低速車輪速度、Vwmin…最低車輪速度、Vth…他の基準速度の一例としての第1比較速度、Vstart…第2比較速度。

Claims (3)

  1. 少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用され、
    前記車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も低速の車輪速度を最低車輪速度(Vwmin)としたとき、同最低車輪速度(Vwmin)に応じた値に基準速度(Vb)を決定し(S14)、車輪速度(Vw)から同基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態の車輪を検出し(S15)、同スリップ状態の車輪に対してその車輪速度を低下させるトラクション制御を実行する車両のトラクション制御装置において、
    前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち、2番目に低速の車輪速度(Vwmidl)である第1の車輪の車輪速度と、前記最低車輪速度(Vwmin)以外であって且つ前記第1の車輪の車輪速度よりも高速となる第2の車輪の車輪速度との速度差が他の基準速度(Vth)を超えているとき(S13:YES)には前記トラクション制御の実行を許可し(S16)、前記速度差が前記他の基準速度(Vth)以下であるとき(S13:NO)には前記トラクション制御の実行を禁止するようになっており(S17)
    前記他の基準速度(Vth)を、車両の旋回時に生じうる内輪の車輪速度と外輪の車輪速度との速度差である内外輪差よりも大きい値とする
    ことを特徴とする車両のトラクション制御装置。
  2. 前記第2の車輪の車輪速度を、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も高速の車輪速度(Vwmax)とする
    請求項に記載の車両のトラクション制御装置。
  3. 少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用され、
    前記車両に設けられている制御装置(30)に、
    前記車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち最も低速の車輪速度を最低車輪速度(Vwmin)としたとき、同最低車輪速度(Vwmin)に応じた値に基準速度(Vb)を決定させる基準速度決定ステップ(S14)と、
    輪速度(Vw)から前記基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態になる車輪を検出させる検出ステップ(S15)と
    検出したスリップ状態にある車輪の車輪速度を低下させるトラクション制御を実行するステップと、を実行させる車両のトラクション制御方法において、
    前記制御装置(30)に、
    前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(Vw)のうち、2番目に低速の車輪速度(Vwmidl)である第1の車輪の車輪速度と、前記最低車輪速度(Vwmin)以外であって且つ前記第1の車輪の車輪速度よりも高速となる第2の車輪の車輪速度との速度差が他の基準速度(Vth)を超えているときには前記トラクション制御の実行を許可させ、前記速度差が前記他の基準速度(Vth)以下であるときには前記トラクション制御の実行を禁止させる判定ステップ(S13)と、
    前記他の基準速度(Vth)を、車両の旋回時に生じうる内輪の車輪速度と外輪の車輪速度との速度差である内外輪差よりも大きい値とするステップと、をさらに実行させる
    ことを特徴とする車両のトラクション制御方法。
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