JP6036115B2 - 車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法 - Google Patents

車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法 Download PDF

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本発明は、スリップ状態にある車輪の車輪速度を低下させる車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法に関する。
トラクション制御を実行可能な制御装置では、各車輪の車輪速度のうち最も低速となる車輪速度である最低車輪速度又はこの最低車輪速度に準じた値に基準速度が決定され、この基準速度と各車輪の車輪速度との差分が演算される。そして、差分が判定値以上となる車輪がある場合には、当該車輪がスリップ状態であると判定され、各車輪のうち少なくともスリップ状態の車輪の車輪速度を低下させるトラクション制御が実行される。
ここで、車輪速度は、車輪毎に設けられる車輪速度センサから出力される検出信号に基づいて演算される。そのため、車輪速度センサに故障などの異常が発生すると、異常な車輪速度センサに対応する車輪の車輪速度は、実際の車輪速度と比較して極端に低い値(具体的には、「0(零)」又は「0(零)に近い値」)に演算されるおそれがある。この場合、こうした車輪速度は、他の車輪の車輪速度よりも小さい値となるため、最低車輪速度となる。その結果、基準速度が不必要に小さい値となり、スリップ状態の車輪があるか否かの判定精度が低下する。
そこで、特許文献1に記載の制御装置にあっては、異常な車輪速度センサがあるか否かを判定する異常判定処理が行われる。そして、この異常判定処理によって異常な車輪速度センサがあると判定されていないときには基準速度が最低車輪速度に応じた値に決定される一方で、異常な車輪速度センサがあると判定されたときには基準速度が最低車輪速度の次に低速の車輪速度に応じた値に決定される。これにより、何れか一つの車輪速度センサが異常になった場合であっても、基準速度が不必要に小さい値となることが回避される。その結果、こうした基準速度を用いることによりスリップ状態の車輪があるか否かを適切に判定することができるようになる。
特開2000−344086号公報
ところで、上記のような異常判定処理のうち一部の異常判定処理は、高精度に行うために、トラクション制御などの走行支援制御の実行によって車輪速度を調整しているときには行われない。そのため、トラクション制御の実行中に何れか一つの車輪速度センサに異常が生じて当該センサに対応する車輪の車輪速度が実際の車輪速度と比較して極端に低い値に演算されるようになると、当該車輪速度が最低車輪速度となり、こうした最低車輪速度に応じて決定される基準速度が「0(零)」又は「0(零)」に近い値とされる。この場合、トラクション制御の実行によって車輪のスリップ状態が解消傾向を示すようになっても上記の差分(=車輪速度−基準速度)が小さくなりにくく、トラクション制御の終了タイミングに遅れが生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、トラクション制御の実施中に、複数の車輪のうち一つの車輪の車輪速度を正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切に終了させることができる車両のトラクション制御装置及び車両のトラクション制御方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
車両のトラクション制御装置は、少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用されるものであって、車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(VW、VWFL,VWFR,VWRL,VWRR)から基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態にある車輪を検出し、同スリップ状態にある車輪に対してその車輪速度(VW)を低下させるトラクション制御(S17)を実行する制御装置を前提としている。そして、アクセル操作が行われている状況下(S15:YES)で各車輪(FL,FR,RL,RR)のうち一つの車輪の車輪速度(VW)が他の車輪の車輪速度よりも低い所定の異常速度以下となる状態の継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上であるとき(S32、S33:YES)には、基準速度(Vb)を、各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度のうち最も低速の車輪速度である最低車輪速度(VWmin)及び最も高速の車輪速度である最高車輪速度(VWmax)以外の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)ようにした。なお、最低車輪速度(VWmin)及び最高車輪速度(VWmax)以外の車輪速度は、2番目に低速の車輪速度(VWmidl)である。
運転者によってアクセル操作が行われている場合、全ての車輪(特に、駆動輪)が回転している可能性が高い。そのため、運転者によるアクセル操作中に演算された車輪速度(VW)が他の車輪の車輪速度よりも低速の所定の異常速度以下となる車輪がある場合には、車輪速度センサの異常などに起因して車輪速度(VW)を正確に演算できていない可能性がある。
そこで、上記構成では、アクセル操作が行われている状況下で各車輪(FL,FR,RL,RR)のうち一つの車輪(以下、「特定車輪」ともいう。)の車輪速度(VW)が上記の異常速度以下である場合には、この状態の継続する時間、即ち継続時間(CT1、CT2)が計測される。そして、継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上になると、特定車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できていない可能性があると判断できるため、基準速度(Vb)は、2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定される。言い換えると、従来のような異常判定処理によって特定車輪に対応する車輪速度センサが異常であると判定されなくても(又は判定される前に)、基準速度(Vb)を、最低車輪速度(VWmin)に応じた値よりも大きい値にすることができるようになる。
これにより、特定車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できていない可能性がある場合であっても基準速度(Vb)を最低車輪速度(VWmin)に応じた値に決定する場合と比較して、トラクション制御の実行によってスリップ状態が解消傾向を示すようになると、スリップ状態にあった車輪の差分(=車輪速度(VW)−基準速度(Vb))が小さくなりやすい。そのため、スリップ状態にあった車輪に対するトラクション制御が不要となった場合には、トラクション制御が終了されるようになる。したがって、トラクション制御の実行中に、複数の車輪(FL,FR,RL,RR)のうち一つの車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
なお、トラクション制御は、スリップ状態にある車輪に対する制動トルクを調整する制動制御を含んだ制御であってもよい。例えば、一の車輪が窪みなどに入って車両がスタック状態に陥ると、一の車輪以外の他の車輪がスリップ状態に陥っている可能性が高く、トラクション制御の実行によって他の車輪に制動トルクが付与されるようになる。すると、制動トルクが付与されていない一の車輪に付与される駆動トルクが大きくなり、一の車輪は回転しやすくなる。そのため、全ての車輪が回転するようになり、実際の車輪速度が上記の異常速度以下となる車輪はないはずである。もしこうした状態で演算される車輪速度(VW)が上記の異常速度以下となる車輪があるとすると、同車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できていない可能性がある。そこで、制動制御を含むトラクション制御の実行中(S26:YES)に上記継続時間(CT1)が規定期間(CTTh1)以上になったとき(S32:YES)には、基準速度(Vb)を、2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)ことが好ましい。
これにより、制動制御を含むトラクション制御の実行中に、何れか一つの車輪の車輪速度(VW)が正確に演算できなくなったとしても、基準速度(Vb)が最低車輪速度(VWmin)に応じた値よりも大きい値に決定されるようになる。その結果、実行中のトラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
また、車両の走行中にあっては、全ての車輪(FL,FR,RL,RR)が回転しているはずであり、この状態で何れか一つの車輪の車輪速度(VW)が上記の異常速度以下に演算される場合は、当該車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できていない可能性が高い。そこで、2番目に低速の車輪速度(VWmidl)が規定速度(VTh)以上である間(S29:YES)に上記の継続時間(CT2)が規定期間(CTTh2)以上になったとき(S33:YES)には、基準速度(Vb)を、2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)ことが好ましい。これによれば、車両の走行中にトラクション制御が開始され、このトラクション制御の実行中に何れか一つの車輪の車輪速度(VW)が異常速度以下に演算された場合には、継続時間(CT2)が規定期間(CTTh2)以上であるときに、基準速度(Vb)が最低車輪速度(VWmin)に応じた値よりも大きい値に決定されるようになる。その結果、実行中のトラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
もし仮に、全ての車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(VW、VWFL,VWFR,VWRL,VWRR)を正確に演算できていたとすると、最低車輪速度(VWmin)の次に低速の車輪速度(VWmidl)が、実際には最も低速の車輪速度である可能性が高い。また、最低車輪速度(VWmin)の次に低速の車輪速度(VWmidl)は、実際には最も低速の車輪速度ではないとしても、実際には最も低速の車輪速度に近い値となる。そこで、上記の継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上になったとき(S32、S33:YES)には、基準速度(Vb)を、最低車輪速度(VWmin)の次に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)ことが好ましい。
これにより、何れか一つの車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できなくなったとしても、基準速度(Vb)を、実際の最低車輪速度に近い値に決定することができるようになる。なお、ここでいう「実際の最低車輪速度」とは、全ての車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(VW、VWFL,VWFR,VWRL,VWRR)を正確に演算できている場合における最低車輪速度のことである。その結果、何れか一つの車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できなくなったとしても、当該車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できる場合と近い態様で、トラクション制御を実行することが可能となる。
ところで、上記の継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)未満であるとき(S32、S33:NO)には、基準速度(Vb)を最低車輪速度(VWmin)に応じた値に決定するようにしてもよい(S32,S36)。この場合、継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上になったとき(S32、S33:YES)には、基準速度(Vb)を、最低車輪速度(VWmin)に応じた値から、2番目に低速の車輪速度(VWmidl、VWmidh)に応じた値に向けて次第に変化させ、その後、2番目に低速の車輪速度(VWmidl、VWmidh)に応じた値とする(S35,S36)ことが好ましい。
上記構成によれば、上記継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)に達したときに基準速度(Vb)が一気に変わることを抑制できる。その結果、トラクション制御時における制御量を緩やかに変化させることできる。
ちなみに、車輪速度センサに異常が生じた場合には、当該センサに対応する車輪の車輪速度が全く演算されない状態になりやすい。そこで、上記の異常速度を「0(零)」とすることで、広い条件下で車輪速度を正確に演算できていない車輪を検出することが可能となる。
また、車輪速度センサの故障の状態によっては散発的に何らかの車輪速度が演算されることもあり得る。このような場合には、車輪速度が各車輪(FR,FL,RR,RL)の車輪速度のうち2番目に低速の車輪速度(VWmidl)から所定の偏差を引いた速度としてもよい。このように異常速度を設定しても、車輪速度を正確に演算できていない車輪を検出することが可能となる。
また、車両のトラクション制御方法は、少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用される方法であって、車両に設けられている制御装置(30)に、車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(VW、VWFL,VWFR,VWRL,VWRR)から基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態にある車輪を検出させ、同スリップ状態にある車輪に対してその車輪速度(VW)を低下させるトラクション制御ステップ(S17)を実行させる方法を前提としている。そして、こうしたトラクション制御方法において制御装置(30)に、アクセル操作が行われている状況下で各車輪(FL,FR,RL,RR)のうち一つの車輪の車輪速度(VW)が「0(零)」となる状態の継続時間(CT1、CT2)を計測させる計測ステップ(S27、S31)と、計測した継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上であるとき(S32、S33:YES)に、基準速度(Vb)を、各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度のうち2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定させる決定ステップ(S35,S36)と、をさらに実行させるようにした。
上記構成によれば、上記車両のトラクション制御装置と同等の作用・効果を得ることができる。
トラクション制御装置の一実施形態である制御装置が搭載される車両を示す概略構成図。 トラクション制御を実行可能な制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 基準速度決定処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)〜(c)は、トラクション制御の実行中に右前輪の車輪速度が正確に演算できなくなった場合に各種パラメータが変化する様子を示すタイミングチャート。
以下、4つの駆動輪を有する車両のトラクション制御装置の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、運転者によるアクセルペダル11の操作量であるアクセル操作量に基づいた駆動トルクを出力する駆動源の一例としてのエンジン12と、このエンジン12の出力軸に接続される自動変速機13とが設けられている。そして、自動変速機13から出力された駆動トルクは、前輪用のディファレンシャルギヤ14を介して各前輪FL,FRと、後輪用のディファレンシャルギヤ15を介して各後輪RL,RRとに伝達される。
車両の制動装置20には、運転者によるブレーキペダル21の操作態様に応じたブレーキ液圧を発生する液圧発生装置22と、車輪FL,FR,RL,RR毎に個別に設けられたブレーキ装置23a,23b,23c,23dに連結されたブレーキアクチュエータ24とが設けられている。また、制動装置20には、運転者によるブレーキペダル21の操作状況(オンかオフか)に応じた検出信号を出力するブレーキスイッチSW1が設けられている。
ブレーキアクチュエータ24は、運転者がブレーキペダル21を操作しない場合であっても各車輪FL,FR,RL,RRに対して制動トルクを付与できるように構成されている。例えば、ブレーキアクチュエータ24は、液圧発生装置22側のブレーキ液圧と、ブレーキ装置23a,23b,23c,23dに設けられたホイールシリンダ内のブレーキ液圧との間に差圧を発生させるための差圧調整弁と、ホイールシリンダ内にブレーキ液を供給するための電動ポンプとを備えている。また、ブレーキアクチュエータ24には、各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を個別に調整するための各種弁が設けられている。つまり、本実施形態のブレーキアクチュエータ24は、各車輪FL,FR,RL,RRに対する制動トルクを個別に調整可能である。
次に、本実施形態の制御装置30について説明する。
図1に示すように、トラクション制御装置の一例としての制御装置30には、アクセル開度センサSE1及びブレーキスイッチSW1に加え、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを検出するための車輪速度センサSE2,SE3,SE4,SE5が電気的に接続されている。こうした制御装置30は、エンジン12の制御を司るエンジン用ECU及びブレーキアクチュエータ24を司るブレーキ用ECUなどの複数のECU(電子制御装置)を備えている。これら各ECUは、CPU、ROM及びRAMなどで構築されるマイクロコンピュータを有している。そして、制御装置30は、各種センサから出力される検出信号に基づき車両の挙動を推定し、エンジン12及びブレーキアクチュエータ24などを適宜制御することにより車両の挙動を制御する。
ところで、本実施形態の制御装置30は、スリップ状態の車輪に対する制動トルク及び駆動トルクの少なくとも一方を調整し、この車輪の車輪速度VWを低下させるトラクション制御を実行するようになっている。すなわち、車輪の車輪速度VWから基準速度Vbを差し引いた差分に基づいてスリップ状態の車輪があるか否かが判定され、スリップ状態の車輪がある場合にトラクション制御が開始される。具体的には、上記の差分が所定の開始判定値以上となる車輪がある場合には、当該車輪がスリップ状態であると判定され、トラクション制御が開始される。
また、トラクション制御の開始後においても、上記の差分に基づいて車輪のスリップ状態が監視され、全ての車輪FL,FR,RL,RRのスリップ状態が解消されたと判定できると、トラクション制御が終了される。具体的には、上記の差分が所定の終了判定値未満になった場合には、車輪のスリップ状態が解消されたと判定され、トラクション制御が終了される。なお、終了判定値は、上記の開始判定値と同一値であってもよいし、開始判定値よりも小さい値であってもよい。
ここで、車輪速度センサに異常などが発生し、異常となった車輪速度センサに対応する車輪の車輪速度VWが、実際の車輪速度と比較して極めて小さい値(「0(零)」又は「0(零)」に近い値)になったとする。なお、このように車輪速度VWを正確に演算できない場合としては、車輪速度VWの演算を行うECUに、車輪の回転速度に応じた適切な波形の信号が入力されない場合などが挙げられる。
例えば、トラクション制御の開始前に、車輪速度VWを正確に演算できない車輪(以下、「異常車輪」ともいう。)があると判定できた場合には、異常車輪以外の他の車輪の車輪速度VWに基づき基準速度Vbを決定することにより、トラクション制御が適切なタイミングで開始されるようになる。そして、この場合、車輪のスリップ状態が解消された後においては、トラクション制御が適切なタイミングで終了されるようになる。
しかし、異常車輪があるか否かを判定する異常判定処理は、基本的には車輪速度センサの故障診断を行うための処理であるため、一部の異常判定処理はトラクション制御に代表されるように制動トルクや駆動トルクを調整することにより車輪速度などを制御する走行支援装置の実行中には実行されない。そのため、トラクション制御中に、各車輪FL,FR,RL,RRのうち少なくとも一つの車輪が異常車輪になった場合、基準速度Vbは、異常車輪の車輪速度(=「0(零)」)又はこの車輪速度に準じた値になる。その結果、トラクション制御によって車輪のスリップ状態が解消傾向を示すようになっても車輪FL,FR,RL,RR毎に演算される車輪速度VWと基準速度Vbとの差分が小さくなりにくいため、トラクション制御の終了タイミングに遅れが生じることとなる。
そこで、本実施形態では、運転者に車両を走行させる意志があったり、車両を発進させる意志があったりする状況で、各車輪FL,FR,RL,RRのうち何れか一つの車輪の車輪速度を正確に演算できていない可能性があるか否かが判定される。そして、何れか一つの車輪の車輪速度を正確に演算できていない可能性があると判定した場合には、この車輪の車輪速度以外の他の車輪速度に基づいて基準速度Vbが決定され、この基準速度Vbを用いてトラクション制御時における制御量やトラクション制御の終了タイミングが決定される。
そこで次に、図2及び図3に示すフローチャートを参照して、本実施形態の制御装置30が実行する処理ルーチンについて説明する。
図2に示す処理ルーチンは、予め設定された所定周期毎に実行される処理ルーチンである。この処理ルーチンにおいて、制御装置30は、各車輪速度センサSE2〜SE5からの検出信号に基づき演算された各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを取得する(ステップS11)。続いて、制御装置30は、最低車輪速度VWmin、第2低速車輪速度VWmidl、第3低速車輪速度VWmidh及び最高車輪速度VWmaxを決定する(ステップS12)。具体的には、ステップS11で取得した各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWのうち、最も低速の車輪速度が最低車輪速度VWminとされ、2番目に低速の車輪速度が第2低速車輪速度VWmidlとされる。また、3番目に低速の車輪速度が第3低速車輪速度VWmidhとされ、最も高速の車輪速度が最高車輪速度VWmaxとされる。
そして、制御装置30は、トラクション制御などの走行支援制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS13)。走行支援制御が実行されていない場合(ステップS13:NO)、制御装置30は、上記の異常判定処理を実行する(ステップS14)。
すなわち、異常判定処理において、制御装置30は、車両が走行しているにも拘わらず車輪速度VWが「0(零)」と演算された車輪があるか否かを判定し、車輪速度VWが「0(零)」となる車輪がない場合には異常判定処理を終了する。一方、車輪速度VWが「0(零)」となる車輪が一つでもある場合、制御装置30は、当該車輪の車輪速度VWが「0(零)」となる状態の継続時間を計測する。そして、計測する継続時間が予め設定された異常判定閾値(例えば、1分)以上になった場合、上記の異常車輪があると判断できるため、制御装置30は、異常判定フラグにオンをセットし、異常判定処理を終了する。その一方で、上記の継続時間が異常判定閾値未満である場合、異常車輪があると未だ判断できないため、制御装置30は、異常判定フラグをオフのままとし、異常判定処理を終了する。なお、異常判定フラグは、異常車輪があると判定(又は推定)できているときにはオンにセットされ、異常車輪があると判定(又は推定)できていないときにはオフにセットされるフラグである。
異常判定処理が終了すると、制御装置30は、その処理を次のステップS15の処理に移行する。その一方で、走行支援制御が実行されている場合(ステップS13:YES)、制御装置30は、異常判定処理を行うことなく、その処理を次のステップS15の処理に移行する。
ステップS15において、制御装置30は、アクセルペダル11が操作中、即ちアクセル操作中であるか否かを判定する。そして、アクセル操作中ではない場合(ステップS15:NO)、制御装置30は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、アクセル操作中である場合(ステップS15:YES)、制御装置30は、詳しくは図3で後述する基準速度決定処理を行う(ステップS16)。この基準速度決定処理では、各車輪FL,FR,RL,RRのスリップ状態を推定する際に用いられる基準速度Vbが決定される。
続いて、制御装置30は、スリップ状態の車輪がある場合には、このスリップ状態の車輪に制動トルクを付与することにより、この車輪の車輪速度VWを低下させるトラクション制御を実行するトラクション処理を行い(ステップS17)、本処理ルーチンを一旦終了する。したがって、本実施形態では、ステップS17が、上記の差分によってスリップ状態にある車輪を検出させ、このスリップ状態にある車輪に対してその車輪速度VWを低下させるトラクション制御を実行させる「トラクション制御ステップ」に相当する。また、本実施形態のトラクション制御は、スリップ状態の車輪に対して制動トルクを付与する制動制御を含んでいる。
次に、上記ステップS16の基準速度決定処理(基準速度決定処理ルーチン)について詳述する。
図3に示す基準速度決定処理ルーチンにおいて、制御装置30は、上記の異常フラグFLG1がオフであるか否かを判定する(ステップS21)。異常フラグFLG1がオンである場合(ステップS21:NO)、異常車輪があると既に判定されているため、制御装置30は、後述する第1継続カウンタCT1及び第2継続カウンタCT2を「0(零)」にリセットする(ステップS22)。続いて、制御装置30は、後述する補正ゲインGを「1」とし(ステップS23)、その処理を後述するステップS35に移行する。
一方、異常フラグFLG1がオフである場合(ステップS21:YES)、異常判定処理によって異常車輪があると判定されていないため、制御装置30は、車輪速度VWが「0(零)」となる車輪があるか否かを判定する(ステップS24)。ここでは、他の車輪の車輪速度よりも低い所定の異常速度以下となる車輪速度の車輪があるか否かが判定される。すなわち、本実施形態では、異常速度が「0(零)」に設定されている。
車輪速度VWが「0(零)」となる車輪がない場合(ステップS24:NO)、全ての車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを正確に演算できていると判断できるため、制御装置30は、第1継続カウンタCT1及び第2継続カウンタCT2を「0(零)」にリセットし(ステップS25)、その処理を後述するステップS34に移行する。一方、車輪速度VWが「0(零)」となる車輪がある場合(ステップS24:YES)、制御装置30は、トラクション制御が実行中であるか否かを示す制御開始フラグFLG2がオンであるか否かを判定する(ステップS26)。この制御開始フラグFLG2は、トラクション制御の実行中にはオンにセットされ、トラクション制御が実行されていないときにはオフにセットされるフラグである。
制御開始フラグFLG2がオンである場合(ステップS26:YES)、制御装置30は、以下に示す3つ条件が全て成立している状態の継続時間に相当する第1継続カウンタCT1を「1」だけインクリメントし(ステップS27)、その処理を後述するステップS29に移行する。したがって、本実施形態では、ステップS27が、以下に示す3つの条件が全て成立している状態の継続時間を計測させる「計測ステップ」に相当する。
・トラクション制御の実行中であること。
・アクセル操作が行われていること。
・各車輪FL,FR,RL,RRのうち何れか一つの車輪の車輪速度VWのみが異常速度(本実施形態では「0(零)」)以下であること。
一方、制御開始フラグFLG2がオフである場合(ステップS26:NO)、トラクション制御が実行されていないため、制御装置30は、第1継続カウンタCT1を「0(零)」にリセットし(ステップS28)、その処理を後述するステップS29に移行する。
ステップS29において、制御装置30は、上記ステップS12で決定した第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth(例えば、30km/h)以上であるか否かを判定する。第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth未満である場合(ステップS29:NO)、車両が低速走行しているために各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度が低速であると判断できるため、制御装置30は、第2継続カウンタCT2を「0(零)」にリセットし(ステップS30)、その処理を後述するステップS32に移行する。
一方、第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth以上である場合(ステップS29:YES)、車両が比較的高速で走行しているにも拘わらず、最低車輪速度VWminのみが極端に小さい値であると判定できるため、制御装置30は、以下に示す3つの条件が全て成立している状態の継続時間に相当する第2継続カウンタCT2を「1」だけインクリメントする(ステップS31)。したがって、本実施形態では、ステップS31が、以下に示す3つの条件が全て成立している状態の継続時間を計測させる「計測ステップ」に相当する。その後、制御装置30は、その処理を次のステップS32に移行する。
・第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth以上であること。
・アクセル操作が行われていること。
・各車輪FL,FR,RL,RRのうち何れか一つの車輪の車輪速度VWのみが異常速度(本実施形態では「0(零)」)以下であること。
ステップS32において、制御装置30は、ステップS27で更新した第1継続カウンタCT1が規定期間(例えば、0.5秒)に相当する第1のカウント判定値CTTh1以上であるか否かを判定する。第1継続カウンタCT1が第1のカウント判定値CTTh1未満である場合(ステップS32:NO)、制御装置30は、その処理を次のステップS33に移行する。一方、第1継続カウンタCT1が第1のカウント判定値CTTh1以上である場合(ステップS32:YES)、制御装置30は、その処理を後述するステップS35に移行する。
ステップS33において、制御装置30は、ステップS31で更新した第2継続カウンタCT2が規定期間(例えば、0.5秒)に相当する第2のカウント判定値CTTh2以上であるか否かを判定する。第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2未満である場合(ステップS33:NO)、制御装置30は、その処理を次のステップS34に移行する。一方、第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2以上である場合(ステップS33:YES)、制御装置30は、その処理を後述するステップS35に移行する。すなわち、本実施形態では、第1継続カウンタCT1が第1のカウント判定値CTTh1以上である場合、及び第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2以上である場合のうち少なくとも一方が成立する場合には処理がステップS35に移行される。一方、第1継続カウンタCT1が第1のカウント判定値CTTh1未満であるとともに第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2未満である場合には処理がステップS34に移行される。
ステップS34において、基準速度Vbを最低車輪速度VWminとするために、制御装置30は、補正ゲインGを「0(零)」とする。そして、制御装置30は、その処理を後述するステップS36に移行する。
ステップS35において、制御装置30は、補正ゲインGを、その時点の補正ゲインGに「0.1」を加算した値、及び「1」のうち小さい方の値とする。すなわち、補正ゲインGは、「1」未満である場合、「0.1」づつ大きい値に設定される。その後、制御装置30は、その処理を次のステップS36に移行する。
ステップS36において、制御装置30は、以下に示す関係式(式1)に、上記ステップS12で決定した最低車輪速度VWmin及び第2低速車輪速度VWmidlと、その時点の補正ゲインGとを代入することにより、基準速度Vbを決定する。すなわち、補正ゲインGが「1」である場合には基準速度Vbが第2低速車輪速度VWmidlとなり、補正ゲインGが「0(零)」である場合には基準速度Vbが最低車輪速度VWminとなる。したがって、本実施形態では、ステップS35,S36により、計測した継続時間が規定期間以上になったときに基準速度Vbを第2低速車輪速度VWmidlに応じた値に決定させる「決定ステップ」に構成される。その後、制御装置30は、基準速度決定処理ルーチンを終了する。
Vb=G・VWmidl+(1−G)・VWmin ・・・(式1)
次に、図4に示すタイミングチャートを参照して、トラクション制御の実行中における車両の動作の一例について説明する。前提として、トラクション制御の実行中に、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWのうち右前輪FRの車輪速度のみが「0(零)」になり、右前輪FR以外の他の車輪の車輪速度は規定速度Vthを超えているものとする。なお、以降の説明においては、左前輪FLの車輪速度を「車輪速度VWFL」と示し、右前輪FRの車輪速度を「車輪速度VWFR」と示し、左後輪RLの車輪速度を「車輪速度VWRL」と示し、右後輪RRの車輪速度を「車輪速度VWRR」と示すものとする。
始めに、運転者によるアクセル操作を伴う車両走行中にトラクション制御が開始される場合について説明する。
図4(a),(b),(c)に示すように、トラクション制御が未だ開始されていない第1のタイミングt1では、車輪速度VWFRが最低車輪速度VWminとなる。この状態では、異常判定処理によって異常車輪があると判定されていないため、基準速度Vbが最低車輪速度VWmin(=右前輪FRの車輪速度VWFR)となる。
その後の第2のタイミングt2で右前輪FR用の車輪速度センサSE3に異常が発生すると、右前輪FR以外の他の車輪FL,RL,RRの車輪速度VWFL,VWRL,VWRRは規定速度Vth以上であるにも拘わらず、右前輪FRの車輪速度VWFRのみが「0(零)」となる。すると、アクセル操作中であるとともに、第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth以上であって、さらに何れか一つの車輪の車輪速度のみが「0(零)」になるという状態が成立するため、第2継続カウンタCT2の計測が開始される。
このように最低車輪速度VWminが「0(零)」になっても、第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2に達する第3のタイミングt3になるまでの間、基準速度Vbは「0(零)」となる。
そして、第2のタイミングt2と第3のタイミングt3の間となる第21のタイミングt21で、トラクション制御の開始条件が成立すると、トラクション制御が開始される。すると、アクセル操作中であるとともに、トラクション制御中であって、さらに何れか一つの車輪の車輪速度のみが「0(零)」になるという状態が成立するため、第1継続カウンタCT1の計測が開始される。
その後、第3のタイミングt3が経過すると、第1継続カウンタCT1が第1のカウント判定値CTTh1に達する前に、第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2に達する。すると、右前輪FRの車輪速度VWFRが異常である可能性がありと判断できるため、上記関係式(式1)に基づいて基準速度Vbが決定されるようになる。すなわち、第3のタイミングt3以降では、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminから第2低速車輪速度VWmidlに向けて次第に大きくなる。そして、第4のタイミングt4で上記補正ゲインGが「1」となるため、基準速度Vbは第2低速車輪速度VWmidlとなる。
すると、第4のタイミングt4以降においては、車輪速度VWFL,VWFR,VWRL,VWRRから第2低速車輪速度VWmidlを差し引いた差分が大きいほど、車輪FL,FR,RL,RRに対して大きな制動トルクが付与されるようになる。その後の第5のタイミングt5で、スリップ状態にある車輪に対する制動トルクの付与によって、全ての車輪FL,FR,RL,RRの上記差分が終了判定値未満になる。すると、車輪のスリップ状態が解消されたと判断できるため、トラクション制御が終了される。
次に、アクセル操作の開始による発進時に車両がスタック状態となったためにトラクション制御が開始された場合について説明する。
車両がスタック状態になると、エンジン12からの駆動トルクが伝達される駆動輪(この場合、全ての車輪FL,FR,RL,RR)が空回りするようになり、この状態を解消すべくトラクション制御が開始される。すると、制動トルクが各車輪FL,FR,RL,RRに付与されるようになり、各車輪FL,FR,RL,RRは、エンジン12から伝達される駆動トルクを路面に伝達しやすくなる。その結果、車両が発進するようになる。すると、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWFL,VWFR,VWRL,VWRRは、車両の車体速度に応じた値となるはずである。
しかし、右前輪FR用の車輪速度センサSE3に異常が発生していると、右前輪FRは車両の発進に伴い実際には回転しているにも拘わらず、演算される右前輪FRの車輪速度VWFRが「0(零)」になる。このとき、他の車輪FL,RL,RR用の車輪速度センサSE2,SE4,SE5は正常であるため、演算される他の車輪FL,RL,RRの車輪速度VWFL,VWRL,VWRRは、他の車輪FL,RL,RRの回転に応じた値となる。なお、この状態では最低車輪速度VWminは車輪速度VWFRとされ、第2低速車輪速度VWmidlは車輪速度VWFL,VWRL,VWRRのうち最も低速の車輪速度とされる。
そして、このように右前輪FRの車輪速度VWFRのみが「0(零)」になると、上記第1継続カウンタCT1の計測が開始される。そして、アクセル操作中であるとともに、トラクション制御の実行中であって、さらに何れか一つの車輪の車輪速度のみが「0(零)」になるという状態が継続され、第1継続カウンタCT1が第1のカウント判定値CTTh1以上になると、右前輪FRの車輪速度VWFRが異常である可能性がありと判断できる。すると、上記関係式(式1)に基づいて基準速度Vbが決定されるようになる。その後にスリップ状態にある車輪に対する制動トルクの付与によって、全ての車輪FL,FR,RL,RRの上記差分が終了判定値未満になると、車輪のスリップ状態が解消されたと判断でき、トラクション制御が終了される。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)運転者によってアクセル操作が行われている場合、全ての車輪FL,FR,RL,RRが回転している可能性が高い。そのため、運転者によるアクセル操作中に演算された車輪速度VWが「0(零)」となる車輪がある場合には、車輪速度センサの異常などに起因して車輪速度VWを正確に演算できていない可能性がある。なお、ここでいう「センサの異常」とは、センサの故障だけではなく、接触不良などに起因してセンサから適切な信号を一時的に出力できない状態も含んでいる。
そこで、本実施形態では、アクセル操作が行われている状況下で各車輪FL,FR,RL,RRのうち一つの車輪(以下、「特定車輪」ともいう。)の車輪速度VWのみが「0(零)」である場合には、この状態の継続する時間、即ち継続時間が計測される。そして、継続時間が規定期間以上になると、特定車輪の車輪速度を正確に演算できていない可能性があると判断できるため、基準速度Vbは、最低車輪速度VWmin及び最高車輪速度VWmax以外の車輪速度に決定される。言い換えると、異常判定処理によって特定車輪に対応する車輪速度センサが異常であると判定されなくても(又は判定される前に)、基準速度Vbを、最低車輪速度VWminよりも大きい値にすることができるようになる。
これにより、特定車輪の車輪速度を正確に演算できていない可能性がある場合であっても基準速度Vbを最低車輪速度VWmin(=0(零))に決定する場合と比較して、トラクション制御の実行によってスリップ状態が解消傾向を示すようになると、スリップ状態にあった車輪の差分が小さくなりやすくなる。そのため、スリップ状態にあった車輪に対するトラクション制御が不要となった場合には、トラクション制御が終了されるようになる。したがって、トラクション制御の実行中に、複数の車輪FL,FR,RL,RRのうち一つの車輪の車輪速度VWを正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
(2)例えば、右前輪FRが窪みなどに入ったためにスタック状態に陥ると、右前輪FR以外の他の車輪FL,RL,RRがスリップ状態になるため、これらスリップ状態の車輪FL,RL,RRにはトラクション制御の実行によって制動トルクが付与されるようになる。すると、制動トルクが付与されていない右前輪FRにエンジン12から伝達される駆動トルクが大きくなるため、右後輪RRは回転するようになる。その結果、全ての車輪FL,RL,RRが回転するようになり、実際の車輪速度が「0(零)」となる車輪はないはずである。もしこうした状態で演算される車輪の車輪速度VWが「0(零)」になっているとすると、当該車輪の車輪速度VWを正確に演算できていない可能性がある。
そこで、アクセル操作中であること、トラクション制御中であること、及び上記特定車輪の車輪速度のみが「0(零)」である状態が成立している間、第1継続カウンタCT1が継続時間に相当する値として更新される。そして、第1継続カウンタCT1が規定期間に相当する第1のカウント判定値CTTh1以上になると、特定車輪の車輪速度のみが正確に演算できていない可能性があると判断できるため、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminよりも大きい値となる。その結果、基準速度Vbが最低車輪速度VWminで有り続ける場合と比較して、上記の差分は、車輪のスリップ状態に近い値となる。その結果、車輪のスリップ状態が解消されると、トラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
(3)また、車両の走行中にあっては、全ての車輪FL,FR,RL,RRが回転しているはずであり、この状態で何れか一つの車輪の車輪速度VWのみが「0(零)」に演算される場合は、当該車輪の車輪速度VWを正確に演算できていない可能性が高い。そこで、アクセル操作中であること、第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth以上であること、及び上記特定車輪の車輪速度VWのみが「0(零)」である状態が成立している間、第2継続カウンタCT2が継続時間に相当する値として更新される。そして、第2継続カウンタCT2が規定期間に相当する第2のカウント判定値CTTh2以上になると、特定車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない可能性があると判断できるため、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminよりも大きい値となる。その結果、基準速度Vbが最低車輪速度VWminで有り続ける場合と比較して、上記の差分は、車輪のスリップ状態に近い値となる。その結果、車輪のスリップ状態が解消されると、トラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
(4)また、本実施形態では、アクセル操作中であること、第2低速車輪速度VWmidlが規定速度Vth以上であること、及び上記特定車輪の車輪速度のみが「0(零)」である状態の継続時間が規定期間を超えると、トラクション制御の実行前であっても、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminよりも大きい値となる。そのため、異常判定処理によって異常車輪があると判定される前にトラクション制御が不必要に開始される可能性を低くすることができるようになる。
(5)本実施形態では、特定車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない可能性があると判断されると、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminの次に低速の第2低速車輪速度VWmidlとされる。もし特定車輪の車輪速度VWも正確に演算できているとすると、この第2低速車輪速度VWmidlは、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWのうち最も低速である可能性がある。また、第2低速車輪速度VWmidlは、実際には最も低速の車輪速度ではないとしても、実際には最も低速の車輪速度に近い値となる。つまり、第2低速車輪速度VWmidlに応じた基準速度Vbを用いて各車輪FL,FR,RL,RRの差分を演算すると、こうした差分は、各車輪FL,FR,RL,RRのスリップ状態を比較的正確に表している可能性が高い。したがって、特定車輪の車輪速度VWのみを正確に演算できなくなったとしても、全ての車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを正確に演算できる場合と近い態様で、トラクション制御を実行することが可能となる。
(6)特定車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない可能性があると判定されると、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminから第2低速車輪速度VWmidlに徐々に近づくこととなる。そのため、基準速度が最低車輪速度VWminから第2低速車輪速度VWmidlに一気に切り替る場合と比較して、トラクション制御中における各種制御量の急激な変化を抑制することができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・特定車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない可能性があると判定された場合には、基準速度Vbを最低車輪速度VWminから第2低速車輪速度VWmidlに一気に切り替えてもよい。
・特定車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない可能性があると判定されていない場合、基準速度Vbを、最低車輪速度VWminに応じた値であれば、最低車輪速度VWmin以外の値としてもよい。例えば、基準速度Vbは、最低車輪速度VWminに所定のゲイン値(例えば、1.2)を掛け合わせた値であったり、最低車輪速度VWminに所定のオフセット値を加算した値であったりしてもよい。
・特定車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない可能性があると判定された場合、基準速度Vbは、第2低速車輪速度VWmidlに応じた値であれば、第2低速車輪速度VWmidl以外の任意の値であってもよい。例えば、基準速度Vbは、第2低速車輪速度VWmidlに所定のゲイン値(例えば、0.9や1.2)を掛け合わせた値であってもよいし、第2低速車輪速度VWmidlと第3低速車輪速度VWmidhとの間の値であってもよい。
また、基準速度Vbを、最低車輪速度VWmin及び最高車輪速度VWmax以外であれば、他の車輪速度VW(例えば、第3低速車輪速度VWmidh)又は他の車輪速度VWに準じた値としてもよい。
・図2に示す処理ルーチンを、ステップS14の異常判定処理を省略した処理ルーチンとしてもよい。
・図3に示す基準速度決定処理ルーチンを、ステップS29〜S31,S33の各処理を省略した処理ルーチンとしてもよい。
・図3に示す基準速度決定処理ルーチンを、ステップS26,S27,S28,S32の各処理を省略した処理ルーチンとしてもよい。
・図3に示す基準速度決定処理ルーチンにおいて、第2継続カウンタCT2の更新が開始されている場合には、トラクション制御が実行中であっても第1継続カウンタCT1の更新を行わないようにしてもよい。この場合であっても、第2継続カウンタCT2が第2のカウント判定値CTTh2以上になると、基準速度Vbが、第2低速車輪速度VWmidlに応じた値に決定されるようになる。
・第1のカウント判定値CTTh1は、第2のカウント判定値CTTh2と同一値であってもよいし、第2のカウント判定値CTTh2と異なる値であってもよい。
・車輪FL,RL,RR毎に、第1継続カウンタCT1及び第2継続カウンタCT2を用意してもよい。そして、ステップS24では、車輪速度VWが「0(零)」であるか否かを車輪毎に判定し、車輪速度VWが「0(零)」となる車輪に対応する継続カウンタCT1,CT2を更新するようにしてもよい。そして、継続カウンタCT1,CT2がカウント判定値CTTh1,CTTh2以上となる車輪がある場合に、ステップS35の処理を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では異常速度を「0(零)」としたが、異常速度を第2低速車輪速度VWmidlから所定の偏差を差し引いた速度としてもよい。この場合、「所定の偏差」は、各車輪FL,RL,RRの車輪速度VWを正常に演算できている場合に生じ得る最低車輪速度VWminと第2低速車輪速度VWmidlとの差よりも大きい値とすることが好ましい。
車輪速度センサの故障の状態によっては散発的に何らかの車輪速度VWが演算されること、即ち車輪速度VWが「0(零)」よりも大きい値となることもあり得る。そこで、このように異常速度を設定することにより、車輪速度を正確に演算できていない車輪を検出することが可能となる。
・異常速度を、第2低速車輪速度VWmidlに「0.5」を掛け合わせた値としてもよいし、同値よりも小さい値としてもよい。
・運転者によるアクセル操作中であって、エンジン12から出力される駆動トルクが規定駆動トルク以上であるとともに、何れか一つの車輪の車輪速度VWのみが正確に演算できていない状態の継続時間が規定期間以上になったときには、基準速度Vbを、第2低速車輪速度VWmidlや第3低速車輪速度VWmidhに応じた値に決定するようにしてもよい。ただし、規定駆動トルクは、車両が発進できる駆動トルクの最低値よりも大きい値であることが好ましい。
また、このような制御構成を採用する場合にあっては、規定駆動トルクを、車両の位置する路面の勾配に応じて可変としてもよい。この場合、路面が登坂路であるときには、それ以外の路面(水平路や降坂路)であるときよりも規定駆動トルクを大きい値とすることが好ましい。また、路面が登坂路であっても、勾配が急勾配であるときには勾配が緩勾配であるときよりも規定駆動トルクを大きい値とすることが好ましい。
また、路面が降坂路であるときには、それ以外の路面(水平路や登坂路)であるときよりも規定駆動トルクを小さい値とすることが好ましい。また、路面が降坂路であっても、勾配が急勾配であるときには勾配が緩勾配であるときよりも規定駆動トルクを小さい値とすることが好ましい。
・トラクション制御は、エンジン12からの駆動トルクを調整する制御を含むものであれば、制動制御を含まない制御であってもよい。また、トラクション制御は、制動制御を含む制御であれば、エンジン12からの駆動トルクを調整する制御を含まない制御であってもよい。
・車両は、各車輪FL,FR,RL,RRのうち、前輪FL,FR又は後輪RL,RRにのみエンジン12からの駆動トルクが伝達される、いわゆる2輪駆動車であってもよい。
・また、車両は、少なくとも3つの車輪を有する車両であれば、上記実施形態で示した4つに限らず、任意数の車輪を有する車両であってもよい。例えば、車両は、3輪自動車であってもよいし、6つ以上の車輪を有する車両(トラックやバスなどの大型車両)であってもよい。
・車両は、エンジン12とは異なる駆動源(例えば、モータ)を備えた車両であってもよいし、駆動源としてエンジン12及びモータを備えるハイブリッド車両であってもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)車両の駆動源(12)から出力される駆動トルクが規定駆動トルク以上である間であって且つ前記継続時間が前記規定期間以上であるときには、前記基準速度(Vb)を、前記最低車輪速度(VWmin)及び前記最高車輪速度(VWmax)以外の車輪速度(VWmidl、VWmidh)に応じた値に決定することが好ましい。
この構成によれば、駆動源(12)から出力される駆動トルクが規定駆動トルク以上である場合には、車両が走行状態である可能性が高い。この状態で何れか一つの車輪の車輪速度(VW)が上記異常速度以下である場合とは、当該車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できていない可能性がある。そこで、駆動トルクが規定駆動トルク以上である状態が維持されている状況で上記の継続時間が規定期間以上であるときには、基準速度(Vb)が最低車輪速度(VWmin)に応じた値よりも大きい値とされる。したがって、トラクション制御の実行中に、何れか一つの車輪の車輪速度(VW)を正確に演算できなくなったとしても、トラクション制御を適切に終了させることができるようになる。
30…トラクション制御装置の一例としての制御装置、CT1…継続時間に相当する第1継続カウンタ、CT2…継続時間に相当する第2継続カウンタ、CTTh1…規定期間に相当する第1のカウント判定値、CTTh2…規定期間に相当する第2のカウント判定値、FL,FR,RL,RR…車輪、Vb…基準速度、Vth…規定速度、VW,VWFL,VWFR,VWRL,VWRR…車輪速度、VWmin…最低車輪速度、VWmidh…第3低速車輪速度、VWmidl…第2低速車輪速度、VWmax…最高車輪速度。

Claims (7)

  1. 少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用され、
    前記車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した前記車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(VW、VWFL,VWFR,VWRL,VWRR)から基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態にある車輪を検出し、同スリップ状態にある車輪に対してその車輪速度(VW)を低下させるトラクション制御(S17)を実行する車両のトラクション制御装置において、
    アクセル操作が行われている状況下(S15:YES)で前記各車輪(FL,FR,RL,RR)のうち一つの車輪の車輪速度(VW)が他の車輪の車輪速度よりも低い所定の異常速度以下となる状態の継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上であるとき(S32、S33:YES)には、
    前記基準速度(Vb)を、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度のうち2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)
    ことを特徴とする車両のトラクション制御装置。
  2. 前記トラクション制御は、スリップ状態にある車輪に対する制動トルクを調整する制動制御を含んでなり、
    前記トラクション制御の実行中(S26:YES)に前記継続時間(CT1)が前記規定期間(CTTh1)以上になったとき(S32:YES)には、前記基準速度(Vb)を、前記2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)
    請求項1に記載の車両のトラクション制御装置。
  3. 記2番目に低速の車輪速度(VWmidl)が規定速度(VTh)以上である間(S29:YES)に前記継続時間(CT2)が前記規定期間(CTTh2)以上になったとき(S33:YES)には、前記基準速度(Vb)を、前記2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定する(S35,S36)
    請求項1又は請求項2に記載の車両のトラクション制御装置。
  4. 前記継続時間(CT1、CT2)が前記規定期間(CTTh1、CTTh2)未満であるとき(S32、S33:NO)には、前記基準速度(Vb)を、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度のうち最も低速の車輪速度である最低車輪速度(VWmin)に応じた値に決定するようになっており(S34,S36)、
    前記継続時間(CT1、CT2)が前記規定期間(CTTh1、CTTh2)以上になったとき(S32、S33:YES)には、前記基準速度(Vb)を、前記最低車輪速度(VWmin)に応じた値から、前記2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に向けて次第に変化させ、その後、前記2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値とする(S35,S36)
    請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  5. 前記異常速度は、「0(零)」である
    請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  6. 前記異常速度は、前記2番目に低速の車輪速度(VWmidl)から所定の偏差を差し引いた速度である
    請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の車両のトラクション制御装置。
  7. 少なくとも3つの車輪(FL,FR,RL,RR)を有するとともに、同各車輪(FL,FR,RL,RR)に対して車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)がそれぞれ設けられている車両に適用され、
    前記車両に設けられている制御装置(30)に、
    前記車輪速度センサ(SE2,SE3,SE4,SE5)からの検出信号に基づき演算した前記車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度(VW、VWFL,VWFR,VWRL,VWRR)から基準速度(Vb)を差し引いた値に基づいてスリップ状態にある車輪を検出させ、同スリップ状態にある車輪に対してその車輪速度(VW)を低下させるトラクション制御ステップ(S17)を実行させる車両のトラクション制御方法において、
    前記制御装置(30)に、
    アクセル操作が行われている状況下で前記各車輪(FL,FR,RL,RR)のうち一つの車輪の車輪速度(VW)が他の車輪の車輪速度よりも低い所定の異常速度以下となる状態の継続時間(CT1、CT2)を計測させる計測ステップ(S27、S31)と、
    計測した継続時間(CT1、CT2)が規定期間(CTTh1、CTTh2)以上であるとき(S32、S33:YES)に、前記基準速度(Vb)を、前記各車輪(FL,FR,RL,RR)の車輪速度のうち2番目に低速の車輪速度(VWmidl)に応じた値に決定させる決定ステップ(S35,S36)と、をさらに実行させる
    ことを特徴とする車両のトラクション制御方法。
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