JP6082974B2 - 有機膜の製造方法と有機elパネルの製造方法 - Google Patents

有機膜の製造方法と有機elパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機膜の製造方法と有機ELパネルの製造方法に関し、特にウエットプロセスで機能膜を形成する技術に関する。
有機ELパネルやTFT基板等のデバイスにおいては、特定の機能を発揮するための有機膜が用いられる。このような有機膜の例としては、有機ELパネルにおける有機発光層や、TFT基板における有機半導体層等が挙げられる。
現在、パネルや基板の大型化が進み、有機膜を効率よく形成する手法として、有機材料を含むインクをインクジェット法等のウエットプロセスで塗布して形成する試みがなされている。ウエットプロセスでは有機膜を目的位置に塗り分ける際の位置精度が基本的に基板サイズに依存せず、パネルの大型化への技術的障壁が比較的低いというメリットがある。
代表的なインクジェット法によるウエットプロセスでは、開口部を有するように隔壁を設けた塗布対象基板を作業テーブルに載置し、塗布対象基板に対してインクヘッドを相対的に走査する。そしてインクヘッドのノズルより開口部にインクを滴下する(特許文献1を参照)。この滴下したインクの溶媒を蒸発させることで、開口部内に機能膜を形成することができる。
特開2005−166485号公報 特開2000−208254号公報
有機ELパネルやTFT基板等のデバイスにおいて、有機膜の機能を十分に発揮させるためには、膜厚が均一な有機膜を形成することが重要である。
ところが現在のウエットプロセスで有機膜を形成する場合、乾燥時に粘度が高まり易いインクを用いると、膜厚が均一な有機膜を形成することが難しい場合がある。
本発明は、乾燥時に粘度が高まり易いインクをウエットプロセスで塗布し、有機膜を製造する場合において、均一な膜厚を有する有機膜の製造を期待できる有機膜の製造方法と有機ELパネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様における有機膜の製造方法は、基材の第1領域に対し、第1有機材料と第1溶媒とを含み、増粘率が3.3以上のインクの第1インクを塗布する第1塗布ステップと、前記第1インク中の前記第1溶媒を大気圧未満の第1気圧下で蒸発させ、前記第1インクを乾燥させて第1有機膜を形成する第1乾燥ステップとを有する有機膜の製造方法とする。
但し前記増粘率は、インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
本発明の一態様に係る有機膜の製造方法によれば、乾燥時に粘度が高まり易いインクを用いてウエットプロセスで有機膜を製造する場合において、均一な膜厚の有機膜の製造を期待できる有機膜の製造方法を提供することができる。
実施の形態に係る有機ELパネル30の概略構成を示す断面図と正面図である。 有機ELパネル30の製造ステップを示す図である。 有機ELパネル30の製造工程を示す断面図である。 有機ELパネル30の製造工程を示す断面図である。 ウエットプロセスの各ステップを示す図である。 インク乾燥時の様子(従来例)を示す断面図である。 インク乾燥時の様子(従来例)を示す断面図である。 インク乾燥時の様子(実施の形態)を示す断面図である。 AFMで測定した有機発光層の膜形状(比較例1)を示すグラフである。 有機発光層の各部位における発光輝度(比較例1)を測定したグラフである。 AFMで測定した有機発光層の膜形状(比較例2)を示すグラフである。 有機発光層の各部位における発光輝度(比較例2)を測定したグラフである。 AFMで測定した有機発光層の膜形状(実施例)を示すグラフである。 有機発光層の各部位における発光輝度(実施例)を測定したグラフである。 インクの増粘率と、各乾燥ステップで形成される有機膜の膜厚比との関係を示すグラフである。 インクの粘度とインクの溶質濃度との関係を示すグラフである。 変形例に係るパネル30Aの構成を示す断面図である。 パネル30Aの製造工程を示す断面図である。
<発明の態様>
本発明の一態様における有機膜の製造方法は、基材の第1領域に対し、第1有機材料と第1溶媒とを含み、増粘率が3.3以上のインクの第1インクを塗布する第1塗布ステップと、前記第1インク中の前記第1溶媒を大気圧未満の第1気圧下で蒸発させ、前記第1インクを乾燥させて第1有機膜を形成する第1乾燥ステップとを有する。
但し前記増粘率は、インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
ここで本発明の別態様として、前記第1乾燥ステップでは、減圧装置内にて前記第1溶媒を蒸発させることもできる。
また、本発明の別態様として、
前記第1乾燥ステップでは、前記第1溶媒の乾燥時間を2分以上10分以下とすることもできる。
また、本発明の別態様として、前記第1乾燥ステップでは、前記第1気圧を0.01Pa以上1013hPa未満の範囲とすることもできる。
また、本発明の別態様として、前記基材の前記第1領域と異なる第2領域に対し、第2有機材料と第2溶媒とを含み、前記増粘率が3.2以下の第2インクを塗布する第2塗布ステップと、前記第2インク中の前記第2溶媒を大気圧以上の第2気圧下で蒸発させ、前記第2インクを乾燥させて第2有機膜を形成する第2乾燥ステップとを有することもできる。
また、本発明の別態様として、前記第2乾燥ステップでは、前記第2溶媒の乾燥時間を20分以上とすることもできる。
また、本発明の別態様として、前記第2気圧を1013hPa以上2000hPa以下の範囲とすることもできる。
また、本発明の別態様として、前記第1塗布ステップ前において、
前記基材の前記第1領域に対し、第3有機材料と第3溶媒とを含む第3インクを塗布する第3塗布ステップと、前記第3インクの前記増粘率が3.2以下である場合には大気圧以上の気圧下で前記溶媒を蒸発させて第3有機膜を形成し、前記第3インクの前記増粘率が3.3以上のインクである場合には大気圧未満の気圧下で前記溶媒を蒸発させて第3有機膜を形成する第3乾燥ステップとを有することもできる。
また、本発明の別態様として、前記増粘率が3.3以上のインクのインクに含まれる前記有機材料の分子量は、前記増粘率が3.2以下のインクに含まれる前記有機材料の分子量よりも高分子量とすることもできる。
また、本発明の一態様における有機膜の製造方法は、基材に対し、有機材料と溶媒を含むインクを塗布するインク塗布ステップと、前記塗布した前記インク中の前記溶媒を乾燥させて有機膜を形成する乾燥ステップとを有する有機膜の製造方法であって、前記乾燥ステップでは、前記インクの増粘率が3.2以下である第1の場合には大気圧以上の気圧下で前記溶媒を乾燥し、前記インクの増粘率が3.3以上のインクである第2の場合には大気圧未満の気圧下で前記溶媒を乾燥する。
但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が乾燥前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、乾燥前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
また、本発明の一態様における有機ELパネルの製造方法は、基板の表面に複数の第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記基板の表面に、前記各第1電極の形成位置に合わせて複数の開口部を有する隔壁を形成する隔壁形成ステップと、前記各開口部の内部に有機材料と溶媒とを含むインクを塗布し、前記溶媒を蒸発させて有機発光層を形成する有機発光層形成ステップと、前記有機膜の上に第2電極を形成する第2電極形成ステップとを有する有機ELパネルの製造方法であって、前記有機発光層形成ステップは、前記開口部の内、第1開口部の内部に対し、第1有機材料と第1溶媒とを含み、増粘率が3.3以上のインクの第1インクを塗布する第1インク塗布ステップと、前記第1インク中の前記第1溶媒を大気圧未満の第1気圧下で蒸発させ、前記第1インクを乾燥させて第1有機膜を形成する第1インク乾燥ステップとを有する。
但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
ここで本発明の別の態様として、前記第1インク乾燥ステップでは、減圧装置内にて前記第1溶媒を蒸発させることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1インク乾燥ステップでは、前記第1溶媒の乾燥時間を2分以上10分以下とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1インク乾燥ステップでは、前記第1気圧を0.01Pa以上1013hPa未満の範囲とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記有機発光層形成ステップは、前記開口部の内、前記第1開口部と異なる第2開口部の内部に対し、第2有機材料と第2溶媒とを含み、増粘率が3.2以下の第2インクを塗布する第2インク塗布ステップと、前記第2インク中の前記第2溶媒を大気圧以上の第2気圧下で蒸発させ、前記第2インクを乾燥させて第2有機膜を形成する第2インク乾燥ステップとを有することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2インク乾燥ステップでは、前記第2気圧を1013hPa以上2000hPa以下の範囲とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2インク乾燥ステップでは、前記第2溶媒の乾燥時間を20分以上とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1インクに含まれる前記有機材料の分子量は、前記第2インクに含まれる前記有機材料の分子量よりも高分子量とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記隔壁形成ステップと前記有機発光層形成ステップとの間に、前記各開口部の内部に第3有機材料と第3溶媒とを含む第3インクを塗布し、第3溶媒を蒸発させて有機機能層を形成する有機機能層形成ステップを有し、前記有機機能層形成ステップでは、前記第3インクの前記増粘率が3.2以下である第1の場合には大気圧以上の第1気圧下で前記溶媒を蒸発させ、前記第3インクの前記増粘率が3.3以上のインクである第2の場合には大気圧未満の第2気圧下で前記溶媒を蒸発させることもできる。
また、本発明の一態様における有機ELパネルの製造方法は、基板の表面に複数の第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記基板の表面に、前記各第1電極の形成位置に合わせて複数の開口部を有する隔壁を形成する隔壁形成ステップと、前記各開口部の内部に有機機能材料と溶媒とを含むインクを塗布して有機機能層を形成する有機機能層形成ステップと、前記有機機能層の上に有機発光層を形成する有機発光層形成ステップと、前記有機膜の上に第2電極を形成する第2電極形成ステップとを有する有機ELパネルの製造方法であって、前記有機機能層形成ステップでは、前記インクの前記増粘率が3.2以下である場合には大気圧以上の第1気圧下で前記溶媒を蒸発させ、前記インクの前記増粘率が3.3以上のインクである場合には大気圧未満の第2気圧下で前記溶媒を蒸発させる。
但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
また、本発明の一態様における有機膜の製造方法は、基材に対し、有機材料と溶媒を含むインクを塗布するインク塗布ステップと、前記塗布した前記インク中の前記溶媒を乾燥させて有機膜を形成する乾燥ステップとを有する有機膜の製造方法であって、前記乾燥ステップでは、前記インクの増粘率に応じて、前記溶媒を乾燥させる雰囲気中の気圧を設定する。
但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が乾燥前のインクの初期有機材料濃度よりも高濃度に達したときのインク粘度μと、乾燥前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
<発明に至った経緯>
本願発明者らはウエットプロセスを用いた有機膜の製造方法について継続した研究を行ったところ、基材に塗布したインクの乾燥ステップが有機膜の膜形状を考慮する上で重要であり、インクを乾燥させる乾燥ステップをどのように実施するかによって有機膜の膜形状が変化することを見出した。
一般的なインクの乾燥ステップとしては、基材に対して1種または複数種のインクを塗布した場合、いずれも各インクを一括して大気圧下で自然乾燥するか、或いは各インクを一括して減圧雰囲気下で強制乾燥する方法が採られている。しかしながら、基材に複数種のインクを塗布して異なる種類の有機膜を同時期に形成する場合、物性や特性の異なる複数のインクに対して画一的な乾燥ステップを実施すると、各インクが経る個々の乾燥過程の違いより、形成される各有機膜の膜形状がばらつくことが分かった。
この点について本願発明者らがさらに検討したところ、インクの物性のうち、乾燥過程におけるインクの増粘率の違いが有機膜の膜形状に大きく影響するとの知見を得た。そこで本発明の一態様における有機膜の製造方法では、乾燥ステップにおいて、インクの増粘率に応じて、前記溶媒を乾燥させる雰囲気中の気圧を設定するものとした。
尚、ここで言うインクの「増粘率」とは、インク中の有機材料濃度が塗布前(乾燥前)のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前(乾燥前)の初期インク粘度μ0との比μ/μ0を指す。本願発明者らの行った実験により、インクの増粘率が3.3以上のインクか3.2以下かでインクの乾燥ステップを異ならせることが有効であることが分かった。以下、増粘率が3.3以上のインクを「高増粘率インク」、増粘率が3.2以下のインクを「低増粘率のインク」と称する。
具体的に、本発明の一態様における有機膜の製造方法では、高増粘率インク(第1インク)を基材の第1領域に塗布する場合において、高増粘率インクを大気圧未満の第1気圧下に置き、第1インク中の溶媒(第1溶媒)を蒸発乾燥させることで、溶媒蒸発速度を比較的速く設定する。これにより流動性の低いインクの対流速度を速め、インク中の有機材料(第1有機材料)を広く拡散させて局所的な堆積を防止することで、有機膜の膜厚を均一に図ることができる。
本発明の一形態における有機膜の製造方法は、以上の技術思想に至ったものであり、乾燥時に粘度が高まり易い高増粘率のインクを基材に塗布し、有機膜を形成する場合であっても、膜厚を均一にして、平坦な膜形状の各有機膜を形成することが可能である。
また、本発明の別の形態における有機膜の製造方法では、第2有機材料と第2溶媒を含む低増粘率インク(第2インク)を基材に塗布した場合、低増粘率インクを大気圧以上の第2気圧下に置き、第2溶媒を蒸発乾燥させることで、溶媒蒸発速度を比較的緩やかに設定する。これにより、低増粘率インクの不要な対流を抑制し、低増粘率インクが過度に移動して第2有機材料が局所的に堆積するのを防止することで、膜厚が均一な有機膜を得ることができる。
尚、増粘率が3.2超3.3未満のインクに関しては、大気圧以上、大気圧未満のいずれの気圧下で乾燥させても比較的均一な膜形状となることが分かっている。
<実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(有機ELパネル30)
図1(a)、図1(b)に有機ELパネル30(以下、単に「パネル30」と称する。)の構成を示す。図1(a)は、パネル30のXZ断面図である。図1(b)はパネル30を構成するEL基板10の1画素周辺部分を示すXY正面図である。
パネル30では、図1(a)に示すように、赤(R)色、青(B)色、緑(G)色の各発光色の有機EL素子100R、100G、100Bが、基板1の隔壁5で区画された各領域に対して配設される。有機EL素子100R、100G、100Bは、パネル30全体ではY方向に同色で配列され、XY方向にマトリクス状に配設されている。パネル30において有機EL素子100R、100G、100Bの各々はサブピクセルを構成する。また、隣接する3つの有機EL素子100R、100G、100Bが1組となり、1画素(ピクセル)を構成する。
尚、X方向に沿って、例えば1画素毎や数画素毎にバスバー(補助配線)領域を設けることもある。
図1(a)に示すように、パネル30はEL基板10とカラーフィルター(CF)基板20とを対向配置させてなる。
EL基板10は、基板1と、平坦化膜2と、その上面に同順に積層された第1電極(ここでは陽極)3と、ホール注入層4とを有する。さらにホール注入層4の上には、隣接する隔壁(バンク)5の間に、有機発光層6R、6G、6Bと、電子輸送層7と、第2電極(ここでは陰極8)と、封止層9とを有する。
CF基板20は、ベース基板11と、ブラックマトリクス(BM)12と、CF層13R、13G、13Bとを有する。
パネル30において、陽極3、電極被覆層3、有機発光層6R、6G、6B、CF層13R、13G、13Bは、有機EL素子100R、100G、100B毎に対応して個別に形成される。ホール注入層4、電子輸送層7、陰極8、封止層9は基板1の平面全体にわたり一様に形成される。
尚、パネル30では陽極3を可視光反射材料で構成し、陰極2を可視光透過材料で構成することで、有機EL素子100R、100G、100Bをトップエミッション型としている。
パネル30の利用形態の例としては、パネル30を不図示の駆動制御部及び駆動回路と接続し、オーディオ装置と組み合わせたテレビジョンシステムの一部とすることができる。パネル30は液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトを必要としないので薄型化に適しており、システムデザイン設計という観点から優れた特性を発揮する。
以下、パネル30の各構成要素を述べる。
[基板1]
基板1は有機EL素子100R、100G、100Bの基材となる部分であり、基板本体の表面に公知のTFT(薄膜トランジスタ)を含むTFT配線部が形成されてなる。
[平坦化膜2]
平坦化膜2は、絶縁性材料からなり、基板1の表面(TFT配線部側)を外部より絶縁且つ平坦化する目的で設けられる。尚、陽極3の直下に対応する位置には、陽極3をTFT配線部と電気接続するためのコンタクトホール(不図示)が存在する。
[陽極3]
陽極3は、有機発光層6R、6G、6B側にホールを供給する目的で、平坦化膜2の表面に設けられる。本実施の形態では、有機EL素子100R、100G、100Bをトップエミッション型とするため、陽極3に可視光反射特性を持たせている。
[ホール注入層4]
ホール注入層(HIL)4は有機発光層6側にホールを注入する際の注入効率を高める目的で配設される。
[隔壁5]
隔壁5は絶縁性材料からなり、図1(b)に示すように、Y方向を長軸方向、X方向を短軸方向とする複数の開口部101R、101G、101Bを有するように形成される。開口部101R、101G、101Bは、パネル30においてXY方向にマトリクス状に配列され、サブピクセルを区画する井桁構造をなすように存在している。尚、図1(b)のEL基板10では開口部101R、101G、101Bの形状と配置を示すため、EL基板10の電子輸送層7、陰極8、封止層9を省略している。
[有機発光層6R、6G、6B]
有機発光層(EML)6R、6G、6Bは基板1に形成された有機膜(機能膜)の一つであって、駆動時に陽極3側から供給されるホールと、陰極8側から供給される電子とを再結合することで発光する。有機EL素子100R、100G、100Bの有機発光層6R、6G、6Bは、同順に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の有機発光材料を含んで構成されている。
[電子輸送層7]
電子輸送層(ETL)7は、有機発光層6R、6G、6B側へ電子を輸送する輸送効率を高める目的で配設される。
[陰極8]
陰極8は、有機発光層6R、6G、6B側に電子を供給する目的で配設された電極であり、有機発光層6の発光を透過させるために可視光透過性を有する。
[封止層9]
封止層9は、有機発光層6R、6G、6Bが水分や空気等の不純物に触れて劣化するのを抑制する目的で配設される。
[ベース基板11]
ベース基板11はCF基板20の基材であり、有機EL素子100R、100G、100Bの発光を透過させる透明部材で構成される。
[BM12]
BM12は各隔壁5の頂部の位置に合わせて設けられた黒色層であり、パネル30の表示面への外光の照り返しや外光の入射を防止し、表示コントラストを向上させる目的で配設される。
[CF層13R、13G、13B]
CF層13R、13G、13Bは、各有機発光層6R、6G、6Bからの発光色をそれぞれ一定の発光波長に調整して外部に取り出す目的で配設される。
<パネル30の製造方法>
次に、パネル30の製造方法を図2−図4の断面図及び図5の製造ステップ図を用いて例示する。
(EL基板10の作製)
[基板1、平坦化膜2、陽極3、ホール注入層4、隔壁5の形成]
基板本体にTFT配線部を形成し、基板1を準備する。
基板1の表面に、スピンコート法等に基づき、一様に絶縁性樹脂材料を配設する。公知のフォトレジスト及びフォトエッチング法(以下、単に「PR/PE法」と称する。)に基づき、絶縁性樹脂材料をパターニングすることにより、平坦化膜2(厚さ4μm)を形成する(図2(a))。このとき各陽極3が形成される直下の位置に対応して、平坦化膜2中にTFT配線部に至るコンタクトホールを存在させる。
次に、平坦化膜2の表面に、スパッタリング法や真空蒸着法に基づいてAg材料等からなる金属薄膜を成膜する。これをPR/PE法でパターニングすることにより、基板1上一定間隔ごとに複数の陽極3(厚み150nm)を形成する。このとき、陽極3がコンタクトホールを通じてTFT配線部と電気接続されるようにする。
尚、陽極3は上記のように単層構造とする他、Ag材料等からなる金属薄膜を形成し、金属薄膜の上にプラズマ蒸着法等でITO等からなる透明導電膜(厚み110nm)を積層した2層構造としても構成できる。
次に、陽極3を形成した平坦化膜2の表面全体にわたり、スパッタリング法等に基づき、遷移金属薄膜を形成する。遷移金属薄膜を酸化することでホール注入層4(厚み40nm)を成膜する(図2(b))。
ホール注入層4の表面に対し、スピンコート法等に基づき、有機材料を含む隔壁材料層を一様に配設する。PR/PE法に基づき現像処理とベーク処理とを順次実施し、不要な隔壁材料層を除去することで、一定のパターニング形状を有する隔壁5(高さ1μm)を形成する(図2(c))。
尚、形成後の隔壁5の表面に対し、振動エネルギーが458−472kJ/mol程度の紫外線を照射して隔壁材料層の残渣を分解除去してもよい。紫外線照射には例えば主波長254nm(振動エネルギー472kJ/mol)に主な放射強度を有する低圧水銀ランプを用いることができる。また隔壁5の表面に紫外線照射を行うことで、紫外線照射した領域のインクに対する付着性を向上(撥液性を低減)させることもできる。
尚、隔壁材料層に無機材料を用いることもできる。この場合は有機材料を用いる場合と同様に隔壁材料層を塗布方法で配設できる。無機材料からなる隔壁材料層のパターニングは、一例としてエッチング液(TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロキシオキサイド)等を用いて現像処理して行う。
[有機発光層6R、6G、6Bの形成]
次に、ウエットプロセスにより、基材(基板1)上の第1領域(開口部101B)及び第2領域(開口部101R、101G)の各内部に、それぞれ一定の発光色の有機発光材料と溶媒とを含む各インクを塗布する。その後、各インクの溶媒を蒸発乾燥させ、有機発光層6R、6G、6B(厚さ40−90nm)を形成する。ウエットプロセスとしては、グラビア印刷法やインクジェット法等が挙げられる。
ここで本実施の形態では、各インクの増粘率が予め用意した基準値(=3)以上か未満かによって、各インクの乾燥ステップを区別して実施する点に特徴を有する。
以下、有機発光層6R、6G、6Bをウエットプロセスで形成する方法を説明する。図5に、有機発光層6R、6G、6Bを形成するためのウエットプロセスの各ステップを示す。
(i)概要
本実施の形態におけるウエットプロセスの概要は、まず開口部101Bの内部に高増粘率インクを塗布し(第1インク塗布ステップS1)、これを大気圧未満の気圧下(減圧雰囲気下)にて強制乾燥させる(第1インク乾燥ステップS2)。高増粘率インクを比較的低気圧下で乾燥させることで溶媒蒸発速度を速め、且つ、高増粘率インクの対流速度を速める。これにより乾燥過程で粘度が急速に増加し、流動性が低下しても、溶質(有機発光材料)を開口部101B内に広く拡散させ、膜厚が均一で膜形状が平坦な有機膜(有機発光層6B)を形成する。
次に、開口部101R、101Gの各内部に低増粘率インクを塗布し(第2インク塗布ステップS3)、これを大気圧以上の気圧下にて自然乾燥させる(第2インク乾燥ステップS4)。低増粘率インクを比較的高気圧下で乾燥させることで溶媒蒸発速度と溶媒蒸発に伴うインクの対流速度とを緩やかに抑える。これにより開口部101R、101G内における溶質(有機発光材料)の局所的な堆積を防ぎ、膜厚が均一で膜形状が平坦な有機膜(有機発光層6R、6G)を形成する。
尚、「溶媒蒸発速度」とは、各開口部内のインクにおける溶媒の平均蒸発速度を指す。
以下、ステップ毎に、図6−図8の断面図を用いて詳細を説明する。
(ii)第1インク塗布ステップS1及び第1インク乾燥ステップS2
次に、高増粘率インクを大気圧下で自然乾燥させた場合の様子を図6(a)、図6(b)のXZ断面図に模式的に示す。
図6(a)に示すように、一般に開口部(ここでは101B)内にインクを塗布した場合、溶媒蒸気濃度(溶媒密度)は、開口部両端部領域(隣接する隔壁5の近傍領域)で低く、開口部中央領域(隔壁5より遠い領域)で高くなる。溶媒の蒸発乾燥は溶媒密度の小さい開口部両端部領域から始まるため、蒸発する溶媒を補おうとして開口部内中央領域から開口部端部に向けてインクの対流が発生する。蒸発する溶媒の密度差により、蒸発乾燥中の開口部端部領域における溶媒蒸発速度V1は、開口部中央領域における溶媒蒸発速度V3よりも速くなる。従って溶媒の多くは開口部中央領域から開口部端部領域に向けて対流速度V2で対流し、その後、溶媒蒸発速度V1で蒸発乾燥していく(図6(a))。
ここで開口部(ここでは101B)内に高増粘率インク6BX´を塗布し、これを大気圧下で自然乾燥させた場合、開口部中央領域では溶媒蒸発速度V3、開口部両端部領域では溶媒蒸発速度V1で溶媒がそれぞれ蒸発する。高増粘率インク6BX´の流動性は低いため、溶媒蒸発速度V1に比べて対流速度V2は非常に小さい(V1>>V2)。このため溶媒蒸発の進行に伴い、開口部両端部領域では開口部中央領域に比べて溶質が不足する。形成された有機発光層6B´では、開口部中央領域での厚みd1が開口部両端部領域での各厚みd2、d3より厚くなった凹型断面形状となり、膜厚が不均一になる(図7(b))。
これに対して本実施の形態では、第1インク塗布ステップS1で開口部(ここでは101B)内に高増粘率インク6BXを塗布し(図8(a))、その後、第1インク乾燥ステップS2で大気圧未満の気圧下(減圧雰囲気下)にて高増粘率インク6BXを強制乾燥させる。これにより溶媒蒸発速度Vaを速めて溶媒蒸発速度Va、Vc間の速度差を小さくし、且つ、対流速度Vbを速める。
その結果、開口部101B内で高増粘率インク6BXを広く拡散でき、開口部中央領域での溶質の過度の堆積を防止できるとともに、開口部両端部領域での溶質の不足を解消できる。従って第1インク乾燥ステップS2と同様に、開口部中央領域の厚みD1と、開口部両端部領域での各厚みD2、D3との差を抑えて膜厚が均一な有機発光層6Bを形成することができる(図8(b))。
(iii)第2インク塗布ステップS3及び第2インク乾燥ステップS4
図7(a)、図7(b)のXZ断面図に、低増粘率インクを減圧下で強制乾燥させた場合の様子を模式的に示す。
低増粘率インク6RX´を塗布して強制乾燥させた場合、低増粘率インク6RX´は流動性が高いため、開口部中央領域の溶媒蒸発速度V4、開口部両端部領域の溶媒蒸発速度V6及び対流速度V5がいずれも比較的速く、対流速度V5と溶媒蒸発速度V4との速度差が相当に小さい(ほぼV4=V5)。このため溶媒蒸発の進行に伴い、開口部端部領域では溶質(有機発光材料)が集まり、反対に開口部中央領域では溶質が不足する。形成された有機発光層6R´では、開口部中央領域における厚みd4が開口部両端部領域における各厚みd5、d6より薄くなった凸形断面形状となり、膜厚が不均一になる(図7(b))。
そこで本実施の形態では、第2インク塗布ステップS3において低増粘率インク6RX、6GXをそれぞれ開口部101R、101G内に塗布した後(図8(a))、第1インク乾燥ステップS4において、大気圧以上の気圧下で低増粘率インク6RX、6GXを自然乾燥させる(図8(b))。これにより第2インク乾燥ステップS4では、図8(a)に示す溶媒蒸発速度Va、Vcと対流速度Vbのうち、特に溶媒蒸発速度Vaと対流速度Vbを緩やかに保つ。
その結果、開口部101R、101G内における低増粘率インク6RX、6GXの過度の移動を低減でき、図8(b)のように、開口部端部領域で溶質が堆積するのを防止できる。よって、開口部中央領域での厚みD1と、開口部両端部領域での各厚みD2、D3との差を抑え、有機発光層6R、6Gの全体の膜厚を均一にできる。
尚、第1インク塗布ステップS1及び第1インク乾燥ステップS2の両ステップと、第2インク塗布ステップS3及び第2インク乾燥ステップS4の両ステップの順は図5の流れと逆の順(すなわち、S3、S4、S1、S2の順)としてもよい。
(iv)具体的な設定例
以下、各ステップS1−S4を適用したウエットプロセスの具体的な設定例を示す。
まず、有機発光層6Bを構成する有機発光材料(第1有機材料)を溶質とし、これを沸点170〜300℃程度の高沸点溶剤(第1溶媒)に溶解して第1インク(高増粘率インク6BX)を調整する。
また、有機発光層6R、6Gをそれぞれ構成する有機発光材料(第2有機材料)を溶質とし、これを上記した高沸点溶剤(第2溶媒)に溶解して、第2インク(低増粘率インク6RX、6GX)を調整する。
尚、インクの増粘率としては、例えば有機発光材料の分子量によって決定される。有機発光材料を構成する分子の分子量が高いほど、増粘率が高くなる傾向が見られる。
次に、隔壁5を形成した基板1(図2(c)参照)を公知のインクジェット装置の作業テーブルに載置する。インクジェット装置に調整した高増粘率インク6BXを充填し、第1インク塗布ステップS1として、インクジェット法に基づき、開口部101B内に高増粘率インク6BXを滴下して塗布する(図2(d))。
その後20分程度時間経過したら、第1インク乾燥ステップS2を実施する。基板1を減圧装置(真空乾燥機等)のチャンバー内部に載置し、ドライポンプ、メカニカルブースターポンプ等を利用して雰囲気を大気圧(1013hPa)未満の第1気圧まで減圧し、溶媒を蒸発させる。このときの気圧としては0.01Pa以上大気圧(1013hPa)未満の範囲が好ましく、一例として1Pa程度に設定できる。減圧下で強制乾燥を実施する時間は、チャンバー内の圧力が飽和するまでの時間とし、例えば2分以上10分以下の範囲に設定できる。
以上の第2インク乾燥ステップS2を終えると、膜厚が均一な有機発光層6Bを形成できる。
次に、第2インク塗布ステップS3として、S1と同様にインクジェット法に基づき、開口部101R内に低増粘率インク6RX、開口部101G内に低増粘率インク6GXをそれぞれ滴下して塗布する(図2(e))。
次に、第2インク乾燥ステップS4として、低増粘率インク6RX、6GXを大気中または不活性ガス雰囲気(N2雰囲気等)中で、大気圧以上の第2気圧下にて20分以上放置し、緩やかに溶媒を蒸発させる。このときの気圧としては大気圧(1013hPa)以上2000hPa以下が好ましく、一例として大気圧(1013hPa程度)を例示できる。これにより、膜厚が均一な有機発光層6R、6Gが形成される(図2(d))。尚、減圧装置のチャンバー内において第2インク乾燥ステップS4を実施することもできる。外気と遮断されたチャンバー内で溶媒を蒸発させれば、乾燥中の有機発光層6R、6Gに雰囲気中の不純物が付着するのを防止できる。
尚、第1インク乾燥ステップS2または第2インク乾燥ステップS4の少なくともいずれか終了後に、有機発光層6R、6G、6Bのいずれかを加熱してベーク処理を実施することもできる。
尚、上記インクの構成例では、6RX、6GXを低増粘率のインクとし、6BXを高増粘率のインクとしたが、当然ながらインクの組成を変更することで、6RX、6GX、6BXのいずれかを低増粘率とし、その他を高増粘率とすることもできる。
また第1インク乾燥ステップS2では、高増粘率インク6BXを完全に乾燥させることが望ましいが、これは必須ではない。高増粘率インク6BXの乾燥が不完全であっても、溶質の流動が停止しており、有機膜の形状が固定していれば、第2インク塗布ステップS3に移行することができる。
なお、インクの増粘率が3.2超3.3未満の範囲であれば、乾燥ステップにおける雰囲気圧は限定されず、大気圧未満或いは大気圧以上のいずれであってもよい。
[電子輸送層7、陰極8、封止層9の形成]
次に、真空蒸着法等に基づき、真空クラスタ内で有機発光層6R、6G、6Bの上面及び隔壁5の表面にわたり、電子輸送層7(厚さ35nm)を形成する(図3(a))。
電子輸送層7の上面に、真空蒸着法等に基づき、陰極8(厚さ100nm)を形成する。以上でEL基板中間体10Xが完成する(図3(b))。
その後、真空蒸着法等に基づき、陰極8の上面に封止層9(厚さ1μm)を形成する。これによりEL基板10が完成する(図1(a))。
(CF基板20の作製)
ベース基板11の表面に対し、黒色材料及び樹脂材料を含むブラックマトリクス材料を一様に配設する。PE/RE法に基づき、一定間隔毎にBM12をパターニング形成する(図4(a))。このときBM12の位置は、EL基板10の隔壁5の頂部と対向する位置に合わせる(図1(a)参照)。
次に、隣接するBM12同士の間隙に対し、カラーフィルター材料を含むインクを塗布し、これを乾燥させることでCF層13R、13G、13Bを形成する(図4(b))。
以上でCF基板20が完成する。
(パネル30の完成)
上記完成させたEL基板10とCF基板20とを、シール材を用いて貼り合わせる。これによりパネル30が完成する。
なお、EL基板10とCF基板20とをシール材にて貼り合わせた後は、公知のスクライブ・ブレイク工程を実施し、パネルを一定サイズ毎に切り分けることもできる。
<考察>
本発明の有機膜の製造方法が奏する効果を各種実験により調べ、実験結果を考察した。
以下、第1インク乾燥ステップS2を「強制乾燥」、第2インク乾燥ステップS4を「自然乾燥」と称する。
(1)有機膜の膜形状と有機EL素子の発光特性について
図9は、高増粘率インクを開口部内に塗布し、大気圧下で自然乾燥させて形成した有機発光層(比較例1)について、原子間力顕微鏡(AFM)で観察したXZ断面図である。図10は、有機発光層(比較例1)を備える有機EL素子を駆動させた際の発光輝度分布図である。
図9に示すように、高増粘率インクを大気圧下で自然乾燥させると、開口部中央領域の膜厚t1が隔壁に近い領域の各膜厚t2、t2´(膜厚t1の位置から開口部両端部領域までの距離の1/2の位置の膜厚)に比べて厚くなり(t1>t2(t2´))、全体として上方に凸形の断面形状を持つ有機発光層が形成される。この有機発光層を発光させた場合は図10のように、有機発光層の厚みが薄い膜厚t2(t2´)付近の領域に電界が集中し、開口部両端部領域で相対的に輝度が明るくなり、これ以外の領域では相対的に輝度が暗くなる。これにより輝度ムラが生じて発光特性が低くなる。また膜厚t2(t2´)が薄い領域に過度に電界が集中すると電流密度が高くなり、この領域で有機発光層の劣化を招くおそれもある。
次に図11は、低増粘率インクを開口部内に塗布し、減圧雰囲気下で強制乾燥させて形成した有機発光層(比較例2)について、AFMで観察したXZ断面図である。図12は、有機発光層(比較例2)を備える有機EL素子を駆動させた際の発光輝度分布図である。有機発光素子の駆動条件は比較例1と同様に設定している。
図11に示すように、低増粘率インクを減圧雰囲気下で強制乾燥させると、開口部中央領域の膜厚t1が開口部両端部領域の膜厚t2(t2´)に比べて薄くなり(t1<t2(t2´))、全体として下方に凹形の断面形状を持つ有機発光層が形成される。この有機発光層を発光させた場合は図12のように、有機発光層の厚みが薄い膜厚t1付近の開口部中央領域に電界が集中し、相対的に輝度が明るくなる。一方、膜厚t2(t2´)付近の開口部両端部領域では電界が低くなり、相対的に輝度も暗くなる。従って、この場合も輝度ムラが生じ、発光特性が低くなるほか、膜厚t1付近の電界集中部分で有機発光層が劣化するおそれもある。
図13は、高増粘率インクを開口部内に塗布し、減圧雰囲気下で強制乾燥させて形成した有機発光層(実施例1)について、原子間力顕微鏡(AFM)で観察したXZ断面図である。図14は、有機発光層(実施例1)を備える有機EL素子を駆動させた際の発光輝度分布図である。
図13に示すように、高増粘率インクを減圧雰囲気下で強制乾燥させ、蒸発速度を促進させることで、インクの対流速度が促進され、開口部中央領域における溶質の堆積を防止できる。このように対流速度と溶媒蒸発速度のバランスを取った結果、開口部内全体にわたり、均一な膜厚(ほぼt1=t2(t2´))を持つ平坦な有機発光層を形成できる。
このような実施例1の有機発光層を持つ有機EL素子を駆動させた場合、図14に示すように、開口部全体にわたり均一な発光輝度が得られ、輝度ムラの発生を防止した優れた発光特性となる。
尚、図示しないが、低増粘率インクを自然乾燥させた場合は、溶媒蒸発速度を緩やかに保つことで、インクの対流速度と溶媒蒸発速度のバランスを取ることができる。その結果、不要な溶質の移動を低減できるため、図13のように開口部内全体にわたって均一な膜厚(ほぼt1=t2)を持つ平坦な有機発光層が形成される。従って、この場合も図14のように輝度ムラの少ない優れた発光特性が得られる。
このような実施例の各有機発光層を備える有機EL素子を用いて有機ELパネルを構成すれば、インクの増粘率の差異に起因する輝度ムラの発生を防止し、良好な画像表示性能を発揮できる有機ELパネルを期待できる。
(2)有機膜の膜形状とインクの増粘率について
(i)
インクの増粘率とインクの乾燥ステップの違いとが有機膜の形状に及ぼす影響を調べるため、以下の考察を行った。
まず、基板の開口部内に低増粘率のインクを塗布し、自然乾燥させたときの有機膜の膜形状を定義した。すなわち図11に示す有機膜の膜断面形状(凹形状)を、膜厚比t1/t2<1(膜厚比t1/t2を%表記した場合は100%未満)を満足する形状と定義した(定義1)。但し隔壁高さは700nm、t1は隔壁中央高さの側面位置より開口部中央領域側に7.5μm離れた位置の膜厚とする。
一方、基板の開口部内に高増粘率のインクを塗布し、強制乾燥させたときの有機膜の膜形状を定義した。すなわち図9に示す有機膜の膜断面形状(凸形状)を、膜厚比t1/t2>1(膜厚比t1/t2を%表記した場合は100%超)を満足する形状と定義した(定義2)。隔壁高さ及びt1の定義は図11と同様である。
このような定義1、2に基づけば、膜厚が均一で膜平坦性が高い有機膜は、膜厚比t1/t2(%)が100%か、100%にできるだけ近い形状であると言える。
尚、パネル30の商品性能を考慮すると、実際には膜厚比t1/t2(%)は90%以上100%以下の範囲にあることが望ましい。
(ii)
次に、各増粘率を有する複数のインクをそれぞれ基板の開口部内に塗布し、溶媒を自然乾燥または強制乾燥させ、これにより形成した各有機膜の膜厚比t1/t2をAFMにより測定した。
本実験には以下の各有機発光材料と、溶媒(シクロヘキシルベンゼン、メトキシトルエンの混合溶媒)とを含むインクを用いた。インク粘度は濃度0.4%以上2.0%程度の間で適宜調整した。
インクNo.1:分岐型1、4−フェニレンジアミン含有高分子化合物(増粘率μ/μ0=1.5)
インクNo.2:特開2010−192121号公報第0155段落に記載の芳香族化合物(増粘率μ/μ0=1.8)
インクNo.3:メトキシ−エチル−ヘキソキシ ポリフェニレンビニレン(MEH/PPV、増粘率μ/μ0=4.0)
また、インクの各乾燥条件は以下の通りに設定した。
自然乾燥条件:インク塗布後、大気圧(1013hPa)下にて乾燥温度25℃(室温)、乾燥時間20分で乾燥させた。
強制乾燥条件:インク塗布後、減圧装置内で雰囲気圧を大気圧から減圧雰囲気(1Pa)まで20分掛けて減圧し、1Paにて乾燥温度室25℃(室温)、乾燥時間20分で乾燥させた。
このときの測定結果を図15のグラフに示す。
(iii)
図15のグラフに示した結果を見ると、インク増粘率が比較的低い場合(増粘率1.5のインクNo.1、増粘率1.8のインクNo.2)、インクを強制乾燥した場合は膜厚比t1/t2(%)が100%を大きく下回り、断面形状が凹形状の有機膜が形成される。しかしながらインクを自然乾燥した場合は膜厚比t1/t2(%)が100%に近づき、膜厚が均一方向に向かうことを確認できる。これは溶媒の蒸発速度及びインクの対流速度を緩やかにしたことで、溶質の有機発光材料が開口部両端部領域に多く堆積するのが防止されたためであると考えられる。
一方、インクの増粘率が比較的高い場合(増粘率4.0のインクNo.3)、インクを自然乾燥した場合は膜厚比t1/t2(%)が100%を大きく上回り、断面形状が凸形状の有機膜が形成される。これに対し、インクを強制乾燥した場合には膜厚比t1/t2(%)が100%に近づき、膜厚の均一化の効果が見られる。この結果が得られた理由として、溶媒蒸発速度を促進し、インクの対流速度を向上させたことで、溶質の有機発光材料が開口部中央領域に多く堆積するのが抑制されたことが考えられる。
尚、図15のグラフによれば、インク増粘率が3.2超3.3未満の範囲であれば、インクの乾燥ステップとして自然乾燥または強制乾燥のいずれを選択しても、膜厚の均一性が大きく低下する恐れは小さいと言える。
しかしながら、インク増粘率が3.2超3.3未満の範囲より離れると、乾燥ステップとして自然乾燥または強制乾燥のいずれを選択するかで、膜厚の均一性が大きく変動する。膜厚の均一性の観点からは、増粘率が3.3以上であれば強制乾燥が優れ、増粘率が3.2以下であれば自然乾燥が優れている。
よって図15のグラフによれば、増粘率が3.2以下のインクを塗布した場合には自然乾燥を実施し、増粘率が3.3以上のインクのインクを塗布した場合には強制乾燥を実施すれば、いずれの場合も膜厚比が1に近くなり、膜厚が均一で平坦な有機膜が得られると考えられる。図15のように、乾燥形態の選択による効果は、増粘率が3を離れるほど顕著に表れる。
尚、インク中の有機発光材料の初期濃度が高いと、一般に増粘率が高くなる傾向が見られる。ここで図16は、各粘度を有するインク(a)〜(d)とインク濃度との関係を示すグラフである。インク粘度ηは、一例として粘度計AR−G2(TA Instruments社製)を使用して測定した。図16に示すように、いずれのインクもインク濃度(有機発光材料の濃度)の上昇に伴い、粘度の上昇速度が速まっているのが確認できる。この結果より、一般にインクの初期濃度を比較的高くすれば増粘率を高められると推測できる。
以上の実験より、有機膜の製造方法の乾燥ステップにおいて、インクの増粘率に応じて、前記溶媒を乾燥させる雰囲気中の気圧を設定すれば、膜厚が均一で平坦な有機膜が得られることが確認された。
<変形例>
次に、第1有機膜及び第2有機膜の各々と重なるように第3有機膜を形成する場合として、有機発光層6B(第1有機膜)及び有機発光層6R、6G(第2有機膜)を形成する開口部101R、101G、101Bの内部に有機機能層(第3有機膜)を形成する例を示す。
図17は、上記実施の形態の変形例に係るパネル30Aの構成を示す断面図である。パネル30との違いは、EL基板10Aにおいて、ホール注入層4と有機発光層6R、6G、6Bとの各間に、有機機能層の一例としてホール輸送層(HTL)14を形成した点にある。
図18にパネル30Aの製造工程を示す。
パネル30Aの製造工程では、隔壁5を形成した後(図2(c)参照)、各開口部101R、101G、101Bに対し、第3有機材料(ホール輸送材料)と第3溶媒(1,3−dimethyl−2−imidazolidinone(DMI))とを含む第3インク(インク14X)を塗布する(図18(a))。その後、インク14Xが低増粘率である場合には、自然乾燥にて溶媒蒸発させる。或いはインク14Xが高増粘率である場合には、強制乾燥にて溶媒蒸発させる。これにより、増粘率がいずれの場合にも膜厚が均一なホール輸送層14が形成される(図18(b))。
次に、ホール輸送層14の表面に対し、上記実施の形態で示したように、有機発光材料と溶媒とを含むインク6RX、6GX、6BXを塗布する(図18(c))。低増粘率インク6RX、6GXについては自然乾燥にて溶媒蒸発させ、高増粘率インク6BXについては強制乾燥させる。これにより、膜厚が均一な各有機発光層6R、6G、6Bが形成される(図18(d))。
このような変形例に係る有機膜の製造方法によれば、実施の形態で奏される効果に加え、均一な膜厚のホール輸送層14を形成することで、ホール輸送効率のばらつきを抑えるとともに、有機発光層6R、6G、6Bの膜形状が下層のホール輸送層14の膜形状によって変動するのを防止する効果も期待できる。
なお、有機機能層はホール輸送層に限定されず、ウエットプロセスで塗布して形成可能なその他公知の中間層(IL)であってもよい。
<パネル30の各構成材料>
以下、パネル30の各構成要素の材料を例示する。
[基板1の材料]
基板1は絶縁性の基板本体の上に、TFT配線部を形成して構成される。基板本体の材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料等が挙げられる。一方、TFT配線部は、有機EL素子100R、100G、100Bをアクティブマトリクス駆動方式で駆動するための配線(駆動TFT及びスイッチングTFT等の薄膜トランジスタ、電源線、信号線を含む配線)を有するように形成する。TFTはアモルファスTFTを利用できる。TFT配線部の材料としては公知の金属材料及び絶縁材料、半導体材料等を用いることができる。
[平坦化膜2の材料]
平坦化膜2の材料としては、耐熱性及び絶縁性に優れる樹脂材料、例えばポリイミド系樹脂またはアクリル系樹脂等が挙げられる。
[陽極3の材料]
陽極3の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、Ag(銀)、APC(銀−パラジウム−銅合金)、ARA(銀−ルビジウム−金合金)、MoCr(モリブデン−クロム合金)、NiCr(ニッケル−クロム合金)等が挙げられる。これらの材料を用いて単層または複数層構造をなすように構成する。有機EL素子100R、100G、100Bをトップエミッション型とする場合、陽極3は可視光反射特性を有する材料で構成する。
[ホール注入層4の材料]
ホール注入層4の材料としては、例えばAg(銀)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)等の遷移金属の酸化物が挙げられる。或いは、金属窒化物、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物)等の有機材料を用いることもできる。
[隔壁5の材料]
隔壁5の材料としては、絶縁性を有する有機材料が挙げられる。例えば紫外線硬化樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック系フェノール樹脂等を含むフッ素成分化合物等が挙げられる。尚、隔壁5の材料には、エッチング処理、ベーク処理等に対する耐性や、その他の工程で使用するインクへの耐性が求められる。従って、有機溶剤に対して耐性を有し、変形や変質を生じにくい材料が望ましい。このため有機材料のうち、フッ素化ポリオレフィン系樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素化ポリアクリル樹脂等のフッ素樹脂を含む感光性レジスト材料が好適である。また市販されているフッ素樹脂としては、例えば特表2002−543469号公報に記載されたフッ素含有ポリマー(フルオロエチレンとビニルエーテルとの共重合体である旭硝子株式会社製「ルミフロン(登録商標)」が挙げられる。
[ホール輸送層14の材料]
ホール輸送層の材料としては、高分子材料または低分子材料のいずれを用いてもよく、例えば湿式印刷法で成膜できる。上層である有機発光層を形成する際に、有機発光層の材料と混ざらないよう、ホール輸送層の材料は、架橋剤を含むことが好ましい。ホール輸送層の材料としては、フルオレン部位とトリアリールアミン部位とを含む共重合体や、低分子量のトリアリールアミン誘導体を例示できる。架橋剤の例としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。この場合、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)や、その誘導体(共重合体など)で形成されていることが好適である。
[有機発光層6R、6G、6Bの材料]
有機発光層6R、6G、6Bの有機発光材料としては、公知の有機高分子材料を利用できる。例えば、特開平5−163488号公報に記載されたオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等が挙げられる。
尚、有機発光層6R、6G、6Bをウエットプロセスで形成するためのインクは、上記有機発光材料と、高沸点溶剤(溶媒)とを含むように構成する。高沸点溶剤としては、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、デカハイドロナフタレン、メチルベンゾエート、アセトフェノン、フェニルベンゼン、ベンジルアルコール、テトラハイドロナフタレン、イソフォロン、n−ドデカン、ジシクロヘキシル、p−キシレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、複数の溶剤を混合したもの、あるいは上記の高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを混合して用いてもよい。
[電子輸送層7の材料]
電子輸送層7の材料としては、例えばバリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、或いはこれらの組み合わせ等を挙げることができる。
[陰極8の材料]
陰極8の材料としては、例えばITOやIZO等の透明導電性材料が挙げられる。その他、アルカリ金属材料やアルカリ土類金属材料、またはアルカリ金属ハロゲン化物やアルカリ土類金属ハロゲン化物を含む層と銀を含む層とを積層して陰極8を構成できる。銀を含む層は、銀のみで構成してもよいし、銀合金で構成してもよい。尚、銀を含む層の上から透明度の高い材料を用いて屈折率調整層を設け、陰極8の光取り出し効率を上げることもできる。有機EL素子100R、100G、100Bをトップエミッション型とする場合、陰極8は可視光透過性(好ましくは可視光透過率が80%以上の特性)を有する材料で構成する。
[封止層9の材料]
封止層9の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、炭素含有酸化シリコン(SiOC)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)等の材料を挙げられる。
[ベース基板11の材料]
ベース基板11の材料としては、例えば基板1の基板本体と同様の材料、すなわち無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス等の各種ガラス材料の他、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料等が挙げられる。
[BM12の材料]
BM12の材料としては、光吸収性及び遮光性に優れる黒色顔料と、紫外線硬化樹脂材料との混合材料が挙げられる。
[CF層13R、13G、13Bの材料]
CF層13R、13G、13Bの材料としては、透明樹脂材料とRGBいずれかの発光材料(カラーフィルター材料)を含む材料を用いることができる。
<その他の事項>
パネル30、30Aでは、有機発光層6R、6G、6Bの下方に陽極3、有機発光層6R、6G、6Bの上方に陰極8を配設したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば陽極3と陰極8の位置を逆に配設することもできる。陽極3と陰極8の位置を逆に配設する構成でトップエミッション型とする場合、陰極8を反射電極層とし、陽極3を透明電極層とする必要がある。
またパネル30、30Aでは、RGB各発光色に対応する各有機発光層6R、6G、6Bを形成したが、パネル30上にはRGB以外の組み合わせの各発光色の有機発光層や、単色発光型の有機発光層を形成してもよい。
またパネル30、30Aでは、隔壁5の構造として、いわゆるピクセルバンク構造を例示した。しかしながら隔壁の構造はこれに限定されず、Y方向を長手方向として複数の隔壁をストライプ状に形成する、いわゆるラインバンク構造としてもよい。
有機膜を形成する基材は平板状の基板に限定されず、球状体や直方体等であってもよい。
本発明は、例えば家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等として用いられる有機ELパネルの製造方法に好適に利用可能である。
1 TFT基板(基材)
2 平坦化膜
3 陽極(第1電極)
4 ホール注入層
5 隔壁(バンク)
6 有機発光層
6RX、6GX、6BX 有機発光材料と溶媒とを含むインク
7 電子輸送層
8 陰極(第2電極)
9 封止層
10、10A EL基板
10X EL基板中間体
11 ベース基板
12 ブラックマトリクス(BM)
13R、13G、13B カラーフィルター(CF)層
14 ホール輸送層(HTL)
14X ホール輸送材料と溶媒とを含むインク
20 CF基板
30、30A 有機ELパネル
100R、100G、100B 有機EL素子
101R、101G、101B 開口部

Claims (21)

  1. 基材の第1領域に対し、第1有機材料と第1溶媒とを含み、増粘率が3.3以上のインクの第1インクを塗布する第1塗布ステップと、
    前記第1インク中の前記第1溶媒を大気圧未満の第1気圧下で蒸発させ、前記第1インクを乾燥させて第1有機膜を形成する第1乾燥ステップとを有する
    有機膜の製造方法。
    但し前記増粘率は、インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
  2. 前記第1乾燥ステップでは、減圧装置内にて前記第1溶媒を蒸発させる
    請求項1に記載の有機膜の製造方法。
  3. 前記第1乾燥ステップでは、前記第1溶媒の乾燥時間を2分以上10分以下とする
    請求項1または2に記載の有機膜の製造方法。
  4. 前記第1乾燥ステップでは、前記第1気圧を0.01Pa以上1013hPa未満の範囲とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  5. 前記基材の前記第1領域と異なる第2領域に対し、第2有機材料と第2溶媒とを含み、前記増粘率が3.2以下の第2インクを塗布する第2塗布ステップと、
    前記第2インク中の前記第2溶媒を大気圧以上の第2気圧下で蒸発させ、前記第2インクを乾燥させて第2有機膜を形成する第2乾燥ステップとを有する
    請求項1〜4のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  6. 前記第2乾燥ステップでは、前記第2溶媒の乾燥時間を20分以上とする
    請求項5に記載の有機膜の製造方法。
  7. 前記第2気圧を1013hPa以上2000hPa以下の範囲とする
    請求項5または6に記載の有機膜の製造方法。
  8. 前記第1塗布ステップ前において、
    前記基材の前記第1領域に対し、第3有機材料と第3溶媒とを含む第3インクを塗布する第3塗布ステップと、
    前記第3インクの前記増粘率が3.2以下である場合には大気圧以上の気圧下で前記溶媒を蒸発させて第3有機膜を形成し、前記第3インクの前記増粘率が3.3以上のインクである場合には大気圧未満の気圧下で前記溶媒を蒸発させて第3有機膜を形成する第3乾燥ステップとを有する
    請求項1〜4のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  9. 前記増粘率が3.3以上のインクのインクに含まれる前記有機材料の分子量は、前記増粘率が3.2以下のインクに含まれる前記有機材料の分子量よりも高分子量である
    請求項5〜8のいずれかに記載の有機膜の製造方法。
  10. 基材に対し、有機材料と溶媒を含むインクを塗布するインク塗布ステップと、前記塗布した前記インク中の前記溶媒を乾燥させて有機膜を形成する乾燥ステップとを有する有機膜の製造方法であって、
    前記乾燥ステップでは、
    前記インクの増粘率が3.2以下である第1の場合には大気圧以上の気圧下で前記溶媒を乾燥し、
    前記インクの増粘率が3.3以上のインクである第2の場合には大気圧未満の気圧下で前記溶媒を乾燥する
    有機膜の製造方法。
    但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が乾燥前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、乾燥前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
  11. 基板の表面に複数の第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記基板の表面に、前記各第1電極の形成位置に合わせて複数の開口部を有する隔壁を形成する隔壁形成ステップと、前記各開口部の内部に有機材料と溶媒とを含むインクを塗布し、前記溶媒を蒸発させて有機発光層を形成する有機発光層形成ステップと、前記有機発光層の上に第2電極を形成する第2電極形成ステップとを有する有機ELパネルの製造方法であって、
    前記有機発光層形成ステップは、
    前記開口部の内、第1開口部の内部に対し、第1有機材料と第1溶媒とを含み、増粘率が3.3以上のインクの第1インクを塗布する第1インク塗布ステップと、
    前記第1インク中の前記第1溶媒を大気圧未満の第1気圧下で蒸発させ、前記第1インクを乾燥させて第1有機膜を形成する第1インク乾燥ステップとを有する
    有機ELパネルの製造方法。
    但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
  12. 前記第1インク乾燥ステップでは、減圧装置内にて前記第1溶媒を蒸発させる
    請求項11に記載の有機ELパネルの製造方法。
  13. 前記第1インク乾燥ステップでは、前記第1溶媒の乾燥時間を2分以上10分以下とする
    請求項11または12に記載の有機ELパネルの製造方法。
  14. 前記第1インク乾燥ステップでは、前記第1気圧を0.01Pa以上1013hPa未満の範囲とする
    請求項11〜13のいずれかに記載の有機ELパネルの製造方法。
  15. 前記有機発光層形成ステップは、
    前記開口部の内、前記第1開口部と異なる第2開口部の内部に対し、第2有機材料と第2溶媒とを含み、増粘率が3.2以下の第2インクを塗布する第2インク塗布ステップと、
    前記第2インク中の前記第2溶媒を大気圧以上の第2気圧下で蒸発させ、前記第2インクを乾燥させて第2有機膜を形成する第2インク乾燥ステップとを有する
    請求項10〜13のいずれかに記載の有機ELパネルの製造方法。
  16. 前記第2インク乾燥ステップでは、前記第2気圧を1013hPa以上2000hPa以下の範囲とする
    請求項15に記載の有機ELパネルの製造方法。
  17. 前記第2インク乾燥ステップでは、前記第2溶媒の乾燥時間を20分以上とする
    請求項15または16に記載の有機ELパネルの製造方法。
  18. 前記第1インクに含まれる前記有機材料の分子量は、前記第2インクに含まれる前記有機材料の分子量よりも高分子量である
    請求項15〜17のいずれかに記載の有機ELパネルの製造方法。
  19. 前記隔壁形成ステップと前記有機発光層形成ステップとの間に、前記各開口部の内部に第3有機材料と第3溶媒とを含む第3インクを塗布し、第3溶媒を蒸発させて有機機能層を形成する有機機能層形成ステップを有し、
    前記有機機能層形成ステップでは、
    前記第3インクの前記増粘率が3.3以上のインクである第1の場合には大気圧未満の第1気圧下で前記溶媒を蒸発させ、
    前記第3インクの前記増粘率が3.2以下である第の場合には大気圧以上の第気圧下で前記溶媒を蒸発させ
    請求項11〜18のいずれかに記載の有機ELパネルの製造方法。
  20. 基板の表面に複数の第1電極を形成する第1電極形成ステップと、前記基板の表面に、前記各第1電極の形成位置に合わせて複数の開口部を有する隔壁を形成する隔壁形成ステップと、前記各開口部の内部に有機機能材料と溶媒とを含むインクを塗布して有機機能層を形成する有機機能層形成ステップと、前記有機機能層の上に有機発光層を形成する有機発光層形成ステップと、前記有機膜の上に第2電極を形成する第2電極形成ステップとを有する有機ELパネルの製造方法であって、
    前記有機機能層形成ステップでは、
    前記インクの前記増粘率が3.3以上のインクである場合には大気圧未満の第1気圧下で前記溶媒を蒸発させ、
    前記インクの前記増粘率が3.2以下である場合には大気圧以上の第気圧下で前記溶媒を蒸発させ
    有機ELパネルの製造方法。
    但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が塗布前のインクの初期有機材料濃度の2倍に達したときのインク粘度μと、塗布前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
  21. 基材に対し、有機材料と溶媒を含むインクを塗布するインク塗布ステップと、前記塗布した前記インク中の前記溶媒を乾燥させて有機膜を形成する乾燥ステップとを有する有機膜の製造方法であって、
    前記乾燥ステップでは、
    前記インクの増粘率に応じて、前記溶媒を乾燥させる雰囲気中の気圧を設定し、
    前記増粘率に応じた雰囲気中の気圧設定は、1.5〜3.2の範囲の増粘率において、自然乾燥による気圧に設定し、3.3〜4.0の範囲の増粘率において強制乾燥による気圧に設定し、3.2〜3.3の範囲の増粘率において、自然乾燥又は強制乾燥の何れかによる気圧に設定することでなされる
    有機膜の製造方法。
    但し前記増粘率は、前記インク中の有機材料濃度が乾燥前のインクの初期有機材料濃度よりも高濃度に達したときのインク粘度μと、乾燥前の初期インク粘度μ0との比μ/μ0とする。
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