JP2020009676A - 有機el表示パネル及び有機el表示パネルの製造方法 - Google Patents

有機el表示パネル及び有機el表示パネルの製造方法 Download PDF

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【課題】レーザー光を照射して機能層の一部を除去する際、レーザー光が補助電極に及ぼす影響を低減するとともに、機能層の一部を除去して補助電極と共通電極とのコンタクトを確保する。【解決手段】基板の上方に、複数の画素電極と、平面視において行及び/又は列方向に延伸してアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る1以上の補助電極とを形成し、前記複数の画素電極のそれぞれの上方に発光層を形成し、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に有機機能層を形成し、前記有機機能層に、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射して、前記補助電極の上方の前記有機機能層の一部を除去して前記補助電極の一部を露出させ、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に連続して共通電極を形成して、前記補助電極の一部と前記共通電極とを接触される。【選択図】図4

Description

本開示は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示パネル及びその製造方法に関する。
近年、デジタルテレビ等の表示装置に用いられる表示パネルとして、基板上に有機EL素子をマトリックス状に複数配列した有機EL表示パネルが実用化されている。
有機EL表示パネルでは、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子とは絶縁材料からなる絶縁層で仕切られており、カラー表示用の有機EL表示パネルにおいては、有機EL素子がRGB各色に発光する副画素を形成し、隣り合うRGBの副画素が組合わさってカラー表示における単位画素が形成されている。
有機EL素子は、一対の電極の間に有機発光材料を含む発光層が配設された基本構造を有し、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、発光層に注入されるホールと電子との再結合に伴って発光する。
トップエミッション型の有機EL素子は、基板上に画素電極、有機層(発光層を含む)、及び共通電極が順に設けられた素子構造を有する。発光層からの光は、光反射性材料からなる画素電極にて反射されるとともに、光透光性材料からなる共通電極から上方に出射される。共通電極は、基板上の表示画素部全面にわたって成膜することが多い。テレビ等大画面表示装置への利用に向けた有機EL表示パネルが大型化に伴い、共通電極の電気抵抗が増加し、給電部から遠い部分では電圧降下により電流が十分に供給されずに発光効率が低下し、これに起因して輝度ムラが発生することが懸念される。
これに対し、例えば、特許文献1では、基板上の画素電極と対向する共通電極(上部電極)の上又は下に共通電極と重畳させた状態で補助電極を長尺状に延伸させて配置し、共通電極との電気的な接続を図ることにより、共通電極の電気抵抗を低減して輝度ムラを抑制する技術が開示されている。
補助電極と共通電極との層間に機能層が存在する場合、補助電極と共通電極のコンタクト抵抗が高くなり、補助電極を設けた効果が不十分になるという問題がある。これに対し、例えば、特許文献2には、ITOからなる補助電極上に積層された有機機能層に波長450nmのレーザー光を照射して有機機能層の一部を除去し、その上から共通電極を製膜することにより、長尺状の補助電極と共通電極とのコンタクトを確保して電気的な接続を図る製造方法が開示されている。
特開2001−230086号公報 特開2007−103098号公報
ところが、レーザー光を照射して有機機能層の一部を除去する際、除去すべき機能層にレーザー光を照射すると下地となる補助電極に透過光による損傷が生じ、有機EL素子の性能が低下するという課題があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザー光を照射して機能層の一部を除去する際、レーザー光が補助電極に及ぼす影響を低減するとともに、機能層の一部を除去して補助電極と共通電極とのコンタクトを確保できる有機EL表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、基板を準備し、前記基板の上方に、複数の画素電極と、平面視において行及び/又は列方向に延伸してアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る1以上の補助電極とを形成し、前記複数の画素電極のそれぞれの上方に発光層を形成し、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に有機機能層を形成し、前記有機機能層に、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射して、前記補助電極の上方の前記有機機能層の一部を除去して前記補助電極の一部を露出させ、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に連続して共通電極を形成して、前記補助電極の一部と前記共通電極とを接触されることを特徴とする。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、レーザー光を照射して機能層の一部を除去する際に、レーザー光が補助電極に及ぼす影響を低減するとともに、機能層の一部を除去することができる。その結果、有機EL素子の性能低下を抑止するとともに、補助電極と共通電極とのコンタクトを確保し電気的な接続を図り輝度ムラを抑制することができる。
実施の形態に係る有機EL表示パネル10の一部を示す模式平面図である。 実施の形態に係る有機EL表示パネル10を、図3におけるA1−A1で切断した模式断面図である。 実施の形態に係る有機EL表示パネル10の製造工程のフローチャートである。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(c)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(c)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 有機EL表示パネル10の構成材料における光の波長と光吸収率との関係を示す実験結果である。 (a)〜(c)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(g)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 (a)〜(b)は、有機EL表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。 実施の形態1に係る有機EL表示装置1の回路構成を示す模式ブロック図である。 有機EL表示装置1に用いる有機EL表示パネル10の各副画素100seにおける回路構成を示す模式回路図である。 変形例1に係る有機EL表示パネル10Aの一部を示す模式平面図である。 変形例2に係る有機EL表示パネル10Bの一部を示す模式平面図である。 変形例3に係る有機EL表示パネル10Cの一部を示す模式平面図である。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示の態様に係る有機EL表示パネルの製造方法であって、基板を準備し、前記基板の上方に、複数の画素電極と、平面視において行及び/又は列方向に延伸してアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る1以上の補助電極とを形成し、前記複数の画素電極のそれぞれの上方に発光層を形成し、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に有機機能層を形成し、前記有機機能層に、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射して、前記補助電極の上方の前記有機機能層の一部を除去して前記補助電極の一部を露出させ、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に連続して共通電極を形成して、前記補助電極の一部と前記共通電極とを接触されることを特徴とする。
係る構成により、レーザー光を照射して機能層の一部を除去する際に、レーザー光が補助電極に及ぼす影響を低減するとともに、機能層の一部を除去することができる。これより、有機EL素子の性能低下を抑止するとともに、補助電極と共通電極とのコンタクトを確保し電気的な接続を図り輝度ムラを抑制することができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記発光層の形成においては、前記補助電極の上方には前記発光層は形成しない構成としてもよい。
係る構成により、レーザートリミングにおいて除去すべき有機機能層の層厚を減少することができるので、レーザ照射に伴い発生するデブリの量を低減でき、デブリによる後工程における封止に欠陥が生じることを抑止できる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記レーザー光はYAGレーザーの第3高調波又は第4高調波を含む構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記有機機能層は、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナンスロリン誘導体の何れかを主成分として含む構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、さらに、前記複数の前記画素電極及び前記補助電極の上方に、ホール注入層を前記画素電極及び前記補助電極と同時に外形をパターニングすることにより形成し、前記レーザー光を照射することにより、前記有機機能層の一部と重なる前記ホール注入層の部分を除去する構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記ホール注入層は、銀、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニッケルからなる群から選択される1以上の元素の酸化物を含む構成としてもよい。
係る構成により、補助電極に損傷がおよぶことを抑止しながら、レーザー光が照射された部分のホール注入層を除去して補助電極と共通電極とのコンタクトを図るとともに、画素電極上に形成された酸化物層についてはホール注入層として機能させることができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、さらに、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方にチタンの酸化物、ITO又はIZOを含む酸化物層を、前記画素電極及び前記補助電極と同時に外形をパターニングすることにより形成し、前記レーザー光を照射することにより、前記有機機能層の一部と重なる前記酸化物層の部分を除去する構成としてもよい。
係る構成により、補助電極に損傷がおよぶことを抑止しながら当該部分の酸化物を除去するとともに、画素電極上に形成された酸化物を電極保護層として機能させることができる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記機能層へのレーザー光の照射は真空雰囲気中で行われる構成としてもよい。
仮に、真空雰囲気中でレーザー加工を行わない場合には、表示パネルを形成する各種の有機材料が、大気中の酸素や水分の影響により特性が劣化するからであり、係る構成により劣化を防止できる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記発光層の形成では、前記複数の画素電極は行列状に配されて、列方向に連続する3つの前記画素電極の上方には、赤色、青色、緑色の発光する前記発光層の何れかが各色1つずつ配され、前記連続する3つの画素電極を画素電極群とするとき、前記補助電極の形成では、前記補助電極は行及び列方向に隣接する画素電極群と画素電極群との間に延伸して形成される構成としてもよい。また、前記有機機能層の一部の除去において、前記補助電極の上方に位置し長尺方向に延伸する前記有機機能層の一部が除去される構成としてもよい。 係る構成により配線抵抗を効率的に低減できる。
また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記補助電極の形成では、さらに、前記補助電極は行又は列方向に隣接する画素電極群と画素電極群との間に延伸して形成される構成としてもよい。また、別の態様では、上記の何れかの態様において、前記有機機能層の一部の除去において、前記補助電極の上方に位置し長尺方向に沿って断続的に延在する前記有機機能層の一部が除去される構成としてもよい。
係る構成により、補助電極を補助間隙に沿って延伸して形成する場合に比べて加工が容易となる。また、工程時間の短縮化が図れ、レーザー光源の消耗を低減することができる。
≪実施の形態1≫
以下、実施の形態に係る有機EL表示パネルの製造方法について図面を用いて説明する。
<表示パネル10の全体構成>
本実施の形態に係る有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」と称する)について、図面を用いて説明する。なお、図面は模式図であって、その縮尺は実際とは異なる場合がある。図1は、実施の形態に係る有機EL表示パネル10の一部を示す模式平面図であって、後述する絶縁層122より下方を視した透視図である。
表示パネル10は、有機化合物の電界発光現象を利用した有機EL表示パネルであり、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された基板100x(TFT基板)に、各々が画素を構成する複数の有機EL素子100が行列状に配され、上面より光を発するトップエミッション型の構成を有する。ここで、本明細書では、図1におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ表示パネル10における、行方向、列方向、厚み方向とする。
図1に示すように、表示パネル10は、基板100x上をマトリックス状に区画してRGB各色の発光単位を規制する列バンク522Yと行バンク122Xとが配された区画領域10eから構成されている。本明細書では、列バンク522Yと行バンク122Xとを総称して「絶縁層122」とする。区画領域10eは、列バンク522Yと行バンク122Xにより規制される各区画に有機EL素子100が形成されている領域である。
表示パネル10の区画領域10e(以後、「領域10e」とする)には、有機EL素子100に対応する単位画素100eが行列状に配されている。各単位画素100eには、有機化合物により光を発する領域である、赤色に発光する100aR、緑色に発光する100aG、青色に発光する100aB(以後、100aR、100aG、100aBを区別しない場合は、「100a」と略称する)の3種類の自己発光領域100aが形成されている。すなわち、図1に示すように行方向に並んだ自己発光領域100aR、100aG、100aBのそれぞれに対応する3つの副画素100seが1組となりカラー表示における単位画素100eを構成している。
また、図1に示すように、表示パネル10には、複数の画素電極119が基板100x上に行及び列方向にそれぞれ所定の距離だけ離れた状態で行列状に配されている。画素電極119は、平面視において矩形形状であり、光反射材料からなる。行列状に配された画素電極119は、行方向に順に並んだ3つの自己発光領域100aR、G、Bに対応する。
表示パネル10では、絶縁層122の形状は、いわゆるライン状の絶縁層形式を採用し、行方向に隣接する2つの画素電極119の行方向外縁及び外縁間に位置する基板100x上の領域上方には、各条が列方向(図1のY方向)に延伸する列バンク522Yが複数行方向に並設されている。
一方、列方向に隣接する2つの画素電極119の列方向外縁及び外縁間に位置する基板100x上の領域上方には、各条が行方向(図1のX方向)に延伸する行バンク122Xが複数列方向に並設されている。行バンク122Xが形成される領域は、画素電極119上方の発光層123において有機電界発光が生じないために非自己発光領域100bとなる。
隣り合う列バンク522Y間を間隙522zと定義し、自己発光領域100aRに対応する間隙を赤色間隙522zR、自己発光領域100aGに対応する間隙を緑色間隙522zG、自己発光領域100aBに対応する間隙を青色間隙522zB、青色間隙522zBと赤色間隙522zRとに挟まれ後述する補助電極129Yが敷設されている補助間隙522zA(以後、間隙522zR、間隙522zG、間隙522zBを区別しない場合は「間隙522z」)とする。また、非自己発光領域100bにおいて隣り合う行バンク122X間に挟まれ後述する補助電極129Xが敷設されている間隙を補助間隙122zAとする。
また、図1に示すように、表示パネル10では、複数の自己発光領域100aと非自己発光領域100bとが、間隙522zに沿って列方向に交互に並んで配されている。非自己発光領域100bには、画素電極119とTFTのソースS1とを接続する接続凹部(コンタクトホール、不図示)が設けられている。
また、図1に示すように、表示パネル10には、補助間隙522zAに、複数の補助電極129Yが基板100x上の単位画素100e間に列方向にわたって連続して配されており、平面視において補助電極129Yの上面の一部であるコンタクト部129YAは共通電極125と接触している。また、補助間隙122zAに、複数の補助電極129Xが基板100x上の単位画素100e間にわたって隣接する補助電極129Yの間に行方向に延伸して配されており、平面視において補助電極129Xの上面の一部であるコンタクト部129XAは共通電極125と接触している。本明細書では、補助電極129Yと補助電極129Xとを総称して「補助電極129」とする。
また、図1に示すように、表示パネル10では、列方向に連続する3つの画素電極119の上方には、赤色、青色、緑色の発光する発光層123の何れかが各色1つずつ配されており、単位画素100eに対応する行方向に連続する3つの画素電極119を画素電極群とし、共通電極125と接触する補助電極129X及び129Yの上面の一部を、それぞれ補助電極129X及び129Yのコンタクト部129XA、129YAと定義するとき、補助電極129X及び補助電極129Xの長尺方向に延伸するコンタクト部129XAは隣接する画素電極群と画素電極群との行方向の補助間隙122zAに沿って延伸して配されており、補助電極129Y及び補助電極129Yの長尺方向に延伸するコンタクト部129YAは隣接する画素電極群と画素電極群との列方向の間隙522zAに沿って延伸して配されている。係る構成により補助電極129の配線抵抗を効率的に低減できる。
<表示パネル10の各部構成>
表示パネル10における有機EL素子100の構成について、図2を用いて説明する。図2は、図1におけるA1−A1で切断した模式断面図である。
本実施の形態に係る表示パネル10においては、Z軸方向下方に薄膜トランジスタが形成された基板(TFT基板)が構成され、その上に有機EL素子部が構成されている。
[基板100x]
基板100xは表示パネル10の支持部材であり、基材(不図示)と、基材上に形成された薄膜トランジスタ層(不図示)とを有する。
基材は、表示パネル10の支持部材であり、平板状である。基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、ガラス材料、樹脂材料、半導体材料、絶縁層をコーティングした金属材料などを用いることができる。
TFT層は、基材上面に形成された複数のTFT及び配線(TFTのソースS1 と、対応する画素電極119を接続する)を含む複数の配線からなる。TFTは、表示パネル10の外部回路からの駆動信号に応じ、対応する画素電極119と外部電源とを電気的に接続するものであり、電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。配線は、TFT、画素電極119、外部電源、外部回路などを電気的に接続している。
[平坦化層118]
基材上及びTFT層の上面には平坦化層118が設けられている。基板100xの上面に位置する平坦化層118は、TFT層によって凹凸が存在する基板100xの上面を平坦化するとともに、配線及びTFTの間を埋め、配線及びTFTの間を電気的に絶縁している。
平坦化層118には、画素電極119と対応する画素のソースS1 に接続される配線とを接続するために、画素電極119に対応して、当該配線の上方の一部にコンタクト孔(不図示)が開設されている。
[画素電極119]
基板100xにおける領域10e上面に位置する平坦化層118上には、図2に示すように、副画素100se単位で画素電極119が設けられている。
画素電極119は、発光層123へキャリアを供給するためのものであり、例えば陽極として機能した場合は、発光層123へホールを供給する。また、表示パネル10がトップエミッション型であるため、画素電極119は光反射性を有する。画素電極119の形状は、例えば、概矩形形状をした平板状である。平坦化層118のコンタクト孔(不図示)上には、画素電極119の一部を基板100x方向に凹入された画素電極119の接続凹部(コンタクト孔(不図示))が形成されており、接続凹部の底で画素電極119と対応する画素のソースS1に接続される配線とが接続される。
[補助電極129]
補助電極129Yは、列バンク522Yの補助間隙522zA内の平坦化層118上には列方向に延伸し配されている。補助電極129Yは、ホール注入層120A及び電子輸送層124に設けられた開口GPを通して共通電極125との電気的な接続を図ることにより、共通電極125の電気抵抗を低減するための補助的な電極層である。さらに、図1に示すように、補助電極129Xが、行バンク122X間の補助間隙122zA内の平坦化層118上面に隣接する補助電極129Yの間をつなぐように行方向に延伸して配されている。補助電極129Xも、同様に、ホール注入層120A及び電子輸送層124に設けられた開口を通して共通電極125との電気的な接続を図ることにより、共通電極125の電気抵抗を低減するための補助的な電極層である。本明細書では、補助電極129Yと補助電極129Xとを区別しない場合は、補助電極129とする。
ここで、補助電極129の厚みは、給電を補助するための十分な断面積を得るために、100nm以上1000nm以下であることが好ましい。本実施の形態では、補助電極129の厚みは、例えば、400nmとした。
補助電極129の幅は発光面積を広げるためできるだけ狭い方が好ましい。少なくとも副画素100seのX方向の幅よりも狭い方が好ましい。補助電極129の幅は、30μm以上40μm以下、補助電極129がトリミングされ開口GPの幅は10μm程度が好適である。また、配線抵抗低減のために、補助電極129の幅を拡大する場合には、行方向に延伸する補助電極129Xの幅の方が、列方向に延伸する補助電極129Yの幅よりも、拡大したときに発光面積に与える影響は少ない。
[ホール注入層120]
画素電極119及上には、図2に示すように、ホール注入層120が積層されている。ホール注入層120は、画素電極119から注入されたホールをホール輸送層121へ輸送する機能を有する。
ホール注入層120は、基板100x側から順に、画素電極119上及び補助電極129上に形成された金属酸化物からなるホール注入層120Aと、後述する間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内のホール注入層120A上それぞれに積層された有機物からなるホール注入層120Bとを含む。間隙522zAでは、ホール注入層120Aの一部がトリミングされ、ホール注入層120Aには開口GPが開設されている。
本実施の形態では、後述する間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内では、ホール注入層120Bは列方向に延伸するように線状に設けられている構成を採る。補助間隙522zAには、ホール注入層120Bは設けられていない。
[バンク122]
図2に示すように、画素電極119、ホール注入層120の端縁を被覆するように絶縁物からなるバンクが形成されている。バンクには、列方向に延伸して行方向に複数並設されている列バンク522Yと、行方向に延伸して列方向に複数並設されている行バンク122Xとがある(以後、行バンク122X、列バンク522Yを区別しない場合は「バンク122」と称する)。
列バンク522Yの形状は、列方向に延伸する線状であり、行方向に平行に切った断面は、上方を先細りとする順テーパー台形状である。列バンク522Yは、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの行方向への流動を堰き止めて形成される発光層123の行方向外縁を規定するものである。列バンク522Yは、行方向の基部により行方向における各副画素100seの発光領域100aの外縁を規定する。
行バンク122Xの形状は、行方向に延伸する線状であり、列方向に平行に切った断面は上方を先細りとする順テーパー台形状である。行バンク122Xは、各列バンク522Yを貫通するようにして行方向に設けられており、各々が列バンク522Yの上面522Ybよりも低い位置に上面を有する。そのため、行バンク122Xと列バンク522Yとにより、自己発光領域100aに対応する開口が形成されている。
[ホール輸送層121]
図2に示すように、間隙522zR、522zG、522zB内におけるホール注入層120上には、ホール輸送層121が積層される。補助間隙522zAには、ホール輸送層121は設けられていない。また、行バンク122Xにおけるホール注入層120上にも、ホール輸送層121が積層される(不図示)。ホール輸送層121は、ホール注入層120Bに接触している。ホール輸送層121は、ホール注入層120から注入されたホールを発光層123へ輸送する機能を有する。
本実施の形態では、後述する間隙522z内では、ホール輸送層121は、ホール注入層120Bと同様、列方向に延伸するように線状に設けられている構成を採る。
[発光層123]
図2に示すように、ホール輸送層121上には、発光層123が積層されている。発光層123は、有機化合物からなる層であり、内部でホールと電子が再結合することで光を発する機能を有する。列バンク522Yにより規定された間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内では、発光層123は、列方向に延伸するように線状に設けられている。補助間隙522zAには、発光層123は設けられていない。赤色間隙522zR、緑色間隙522zG、青色間隙522zBには、それぞれ各色に発光する発光層123R、123G、123Bが形成されている。
各色の副画素100seにおいて、画素電極119と共通電極125との間に各色の発光層123が存在し、発光層123からの光を共振させて共通電極125側から出射させる光共振器構造が形成され、発光層123R、123G、123Bそれぞれから出射させる光の波長に応じて、発光層123上面と画素電極119上面との間の光学距離が設定され、各色に対応する光成分が強め合うように光共振器構造が形成されている。
発光層123は、画素電極119からキャリアが供給される部分のみが発光するので、層間に絶縁物である行バンク122Xが存在する範囲では、有機化合物の電界発光現象が生じない。そのため、発光層123は、行バンク122Xがない部分が自己発光領域100aとなり、行バンク122Xの側面及び上面の上方にある部分は非自己発光領域となる。
[電子輸送層124]
図2に示すように、列バンク522Y及び列バンク522Yにより規定された間隙522z内の発光層123上を被覆するように電子輸送層124が積層して形成されている。電子輸送層124については、表示パネル10の少なくとも表示領域全体に連続した状態で形成されている。電子輸送層124は、共通電極125からの電子を発光層123へ輸送するとともに、発光層123への電子の注入を制限する機能を有する。電子輸送層124は、基板100x側から順に金属酸化物又はフッ化物等からなる電子輸送層124Aと、電子輸送層124A上に積層された有機物を主成分とする電子輸送層124Bとを含む(以後において、電子輸送層124A、124Bを総称する場合は「電子輸送層124」と表記する)。間隙522zAでは、電子輸送層124の一部がトリミングされ、電子輸送層124には開口GPが開設されている。
[共通電極125]
図2に示すように、電子輸送層124上に、共通電極125が形成されている。共通電極125は、各発光層123に共通の電極となっている。共通電極125Aは、画素電極119と対になって発光層123を挟むことで通電経路を作る。共通電極125は、発光層123へキャリアを供給し、例えば陰極として機能した場合は、発光層123へ電子を供給する。
共通電極125は、基板100x側から順に金属を主成分とする共通電極125Aと、共通電極125A上に積層された金属酸化物からなる共通電極125Bとを含む(以後において、共通電極125A、125Bを総称する場合は「共通電極125」と表記する)。
なお、共通電極125A、125Bの積層順についてはは、光学調整のために125Aと125Bの順番を入れ替える構成としてもよい。
[封止層126]
共通電極125を被覆するように、封止層126が積層形成されている。封止層126は、発光層123が水分や空気などに触れて劣化することを抑制するためのものである。封止層126は、共通電極125の上面を覆うように設けられている。また、ディスプレイとして良好な光取り出し性を確保するために高い透光性を有することが必要である。
[接合層127]
封止層126のZ軸方向上方には、上部基板130のZ軸方向下側の主面にカラーフィルタ層132が形成されたカラーフィルタ基板131が配されており、接合層127により接合されている。接合層127は、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルとカラーフィルタ基板131とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。
[上部基板130]
接合層127の上に、上部基板130にカラーフィルタ層132が形成されたカラーフィルタ基板131が設置・接合されている。上部基板130には、表示パネル10がトップエミッション型であるため、例えば、カバーガラス、透明樹脂フィルムなどの光透過性材料が用いられる。また、上部基板130により、表示パネル10、剛性向上、水分や空気などの侵入防止などを図ることができる。
[カラーフィルタ層132]
上部基板130には画素の各色自己発光領域100aに対応する位置にカラーフィルタ層132が形成されている。カラーフィルタ層132は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層であり、各色画素から出射された光を透過させて、その色度を矯正する機能を有する。例えば、本例では、赤色間隙522zR内の自己発光領域100aR、緑色間隙522zG内の自己発光領域100aG、青色間隙522zB内の自己発光領域100aBの上方に、赤色、緑色、青色のフィルタ層132R、132G、132Bが各々形成されている。
[遮光層133]
上部基板130には、各画素の発光領域100a間の境界に対応する位置に遮光層133が形成されている。遮光層133は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させないために設けられる黒色樹脂層であって、例えば光吸収性及び遮光性に優れる黒色顔料を含む樹脂材料からなる。
<各部の構成材料>
図1、図2に示す各部の構成材料について、一例を示す。
[基板100x(TFT基板)]
基材100pとしては、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素基などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。
TFT層は、基材100pに形成されたTFT回路と、TFT回路上に形成された無機絶縁層(不図示)、平坦化層118とを有する。TFT回路は、基材上面に形成された電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。
TFTを構成するゲート電極、ゲート絶縁層、チャネル層、チャネル保護層、ソース電極、ドレイン電極などには公知の材料を用いることができる。
基板100xの上面に位置する平坦化層118の材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂などの有機化合物を用いることができる。
[画素電極119]
画素電極119は、金属材料から構成されている。トップエミッション型の本実施の形態に係る表示パネル10の場合には、厚みを最適に設定して光共振器構造を採用することにより出射される光の色度を調整し輝度を高めているため、画素電極119の表面部が高い反射性を有する。本実施の形態に係る表示パネル10では、画素電極119は、金属層、合金層、透明導電膜の中から選択される複数の膜を積層させた構造であってもよい。金属層としては、シート抵抗が小さく、高い光反射性を有する材料として、例えば、アルミニウム(Al)を含む金属材料から構成することができる。アルミニウム(Al)合金では、反射率が80〜95%と高く、電気抵抗率が、2.82×10-8(10nΩm)と小さく、画素電極119の材料として好適である。さらに、コスト面からアルミニウムを主成分として含む金属層、合金層を用いることが好ましい。
金属層としては、アルミニウム合金などの金属層の他、高反射率の観点から、例えば、銀や銀を含む合金等を用いることができる。
画素電極119がアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されるとき、酸化アルミニウム層が表面に形成される。
透明導電層の構成材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いることができる。
[補助電極129]
補助電極129は、共通電極125との電気的な接続を図ることにより、共通電極125の電気抵抗を低減するための補助的な電極層である。そのため、補助電極129は、シート抵抗が小さい材料として、例えば、アルミニウム(Al)を主成分として含む金属層、合金層から構成することができる。例えば、アルミニウム(Al)合金では、電気抵抗率が、2.82×10-8(10nΩm)と小さく、さらに、コスト面から補助電極129の材料として好適である。
[ホール注入層120]
ホール注入層120Aは、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)などの酸化物からなる層である。ホール注入層120Aを遷移金属の酸化物から構成する場合には、複数の酸化数をとるためこれにより複数の準位をとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
ホール注入層120Bは、上述のとおり、例えば、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料の有機高分子溶液からなる塗布膜を用いることができる。
[バンク122]
バンク122は、樹脂等の有機材料を用い形成されており絶縁性を有する。バンク122の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等があげられる。バンク122は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。より好ましくは、アクリル系樹脂を用いることが望ましい。屈折率が低くリフレクターとして好適であるからである。
あるいは、バンク122は、無機材料を用いる場合には、屈折率の観点から、例えば、酸化シリコン(SiO)を用いることが好ましい。あるいは、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの無機材料を用い形成される。
さらに、バンク122は、製造工程中において、エッチング処理、ベーク処理など施されることがあるので、それらの処理に対して過度に変形、変質などをしないような耐性の高い材料で形成されることが好ましい。
また、表面に撥水性をもたせるために、表面をフッ素処理することもできる。また、バンク122の形成にフッ素を含有した材料を用いてもよい。また、バンク122の表面に撥水性を低くするために、バンク122に紫外線照射を行う、低温でベーク処理を行ってもよい。
[ホール輸送層121]
ホール輸送層121は、例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはアミン系有機高分子であるポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物、あるいは、TFB(poly(9、9−di−n−octylfluorene−alt−(1、4−phenylene−((4−sec−butylphenyl)imino)−1、4−phenylene))などを用いることができる。
[発光層123]
発光層123は、上述のように、ホールと電子とが注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。発光層123の形成に用いる材料は、湿式印刷法を用い製膜できる発光性の有機材料を用いることが必要である。
具体的には、例えば、特許公開公報(日本国・特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
[電子輸送層124]
電子輸送層124には、電子輸送性が高い有機材料が用いられる。電子輸送層124Aは、フッ化ナトリウムで形成された層を含んでいてもよい。電子輸送層124Bに用いられる有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。
また、電子輸送層124Bは、電子輸送性が高い有機材料に、アルカリ金属、又は、アルカリ土類金属から選択されるドープ金属がドープされて形成された層を含んでいてもよい。
[共通電極125]
共通電極125Aは、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)などを薄膜化した電極を用い形成される。
共通電極125Bは、光透過性を有する導電材料が用いられる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用い形成される。
[封止層126]
封止層126は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの透光性材料を用い形成される。また、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの材料を用い形成された層の上に、アクリル樹脂、シリコン樹脂などの樹脂材料からなる封止樹脂層を設けてもよい。
封止層126は、トップエミッション型の場合においては、光透過性の材料で形成されることが必要となる。
[接合層127]
接合層127の材料は、例えば、樹脂接着剤等からなる。接合層127は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの透光性材料樹脂材料を採用することができる。
[上部基板130]
上部基板130としては、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等に透光性材料を採用することができる。
[カラーフィルタ層132]
カラーフィルタ層132としては、公知の樹脂材料(例えば市販製品として、JSR株式会社製カラーレジスト)等を採用することができる。
[遮光層133]
遮光層133としては、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料を添加してなる樹脂材料からなる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック顔料、チタンブラック顔料、金属酸化顔料、有機顔料など遮光性材料を採用することができる。
<表示パネル10の製造方法>
表示パネル10の製造方法について、図3〜10を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る有機EL表示パネル10の製造工程のフローチャートである。図4〜10における各図は、表示パネル10の製造における各工程での状態を示す図1におけるA1−A1と同じ位置で切断した模式断面図である。
[基板100xの準備]
複数のTFTや配線が形成された基板100xを準備する。基板100xは、公知のTFTの製造方法により製造することができる(図3におけるステップS1、図4(a))。
[平坦化層118の形成]
基板100xを被覆するように、上述の平坦化層118の構成材料(感光性の樹脂材料)をフォトレジストとして塗布し、表面を平坦化することにより平坦化層118を形成する(図3におけるステップS2、図4(b))。
[画素電極119、ホール注入層120Aの形成]
次に、画素電極119、ホール注入層120Aの形成を行う(図3:ステップS3)。画素電極119cを形成するための電極用の金属膜119xをスパッタリング法、真空蒸着法などの気相成長法を用い金属膜を積層して形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いパターニングすることでなされる。具体的には、先ず、平坦化層118を形成した後、平坦化層118の表面にドライエッチング処理を行い製膜前洗浄を行う。
次に、平坦化層118の表面に製膜前洗浄を行った後、画素電極119、補助電極129を形成するための画素電極用の金属膜119x気相成長法により平坦化層118の表面に製膜する(図4(c))。本例では、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなる膜をスパッタリング法により製膜する。
さらに、金属膜119xの表面に製膜前洗浄を行った後、ホール注入層120Aを形成するためのホール注入層120A用の金属層120A’を気相成長法により金属膜119xの表面に製膜する(図4(c))。本例では、タングステンをスパッタリング法により製膜する。
その後、感光性樹脂等からなるフォトレジスト層FRを塗布したのち、所定の開口部が施されたフォトマスクPMを載置し、その上から紫外線照射を行いフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する(図4(d))。次に、フォトレジスト層FRを現像によってパターニングする。
その後、パターニングされたフォトレジスト層FRを介して、金属層120A’にドライエッチング処理を施してパターニングを行い、ホール注入層120Aを形成する。
続けて、パターニングされたフォトレジスト層FR及びホール注入層120Aを介して、金属膜119xにウエットエッチング処理を施ししてパターニングを行い、画素電極119、補助電極129を形成する。
ホール注入層120Aの形成において、ドライエッチング処理を行う理由は、例えば、酸化タングステン膜からなる金属層120A’と、例えば、アルミ系合金からなる金属膜119xとはウェットエッチングレートに大きな差があるため一括に処理することが困難であるため、酸化タングステンはアルゴンガス等でのドライエッチングを使用し、アルミ合金はウェットエッチングを本実施の形態では使用したがその限りではない。
本実施の形態の製造方法では、ホール注入層120Aを所定条件で製膜及び焼成することにより、酸素欠陥構造を持つ酸化タングステンを含む酸化タングステン膜からなるホール注入層120を成膜して上述の占有準位を形成する構成としている。
最後に、フォトレジスト層FRを剥離して、外形が同一形状にパターニングされた画素電極119及びホール注入層120Aの積層体を形成する(図5(a))。
[バンク122の形成]
ホール注入層120のホール注入層120Aを形成した後、ホール注入層120Aを覆うようにバンク122を形成する。バンク122の形成では、先ず行バンク122Xを形成し、その後、間隙522zを形成するように列バンク522Yを形成する(図3:ステップS4、図5(b))。
先ず、行バンク122の形成は、先ず、ホール注入層120A上に、スピンコート法などを用い、行バンク122Xの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして行バンク122Xを形成する。
行バンク122Xのパターニングは、樹脂膜の上方にフォトマスクを利用し露光を行い、現像工程、焼成工程(約230℃、約60分)をすることによりなされる。
次に、列バンク522Yの形成工程では、ホール注入層120A上及び行バンク122X上に、スピンコート法などを用い、列バンク522Yの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、間隙522zの形成は、樹脂膜の上方にマスクを配して露光し、その後で現像することにより、樹脂膜をパターニングして間隙522zを開設して列バンク522Yを形成する。
具体的には、列バンク522Yの形成工程では、先ず、有機系の感光性樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等からなる感光性樹脂膜を形成した後、乾燥し、溶媒をある程度揮発させてから、所定の開口部が施されたフォトマスクを重ね、その上から紫外線照射を行い感光性樹脂等からなるフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する。
次に、感光性樹脂を現像、によって列バンク522Yをパターニングした絶縁層を、焼成(約230℃、約60分)することにより形成する。
ここで、ホール注入層120Aは、上述のとおり、スパッタリング法あるいは真空蒸着法などの気相成長法を用い金属(例えば、タングステン)からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用い各画素単位にパターニングされるが、行バンク122X、列バンク522Yに対する焼成工程において、金属が酸化されホール注入層120Aとして完成する。
[有機機能層の形成]
行バンク122X上を含む列バンク522Yにより規定される間隙522z内に形成されたホール注入層120A上に対して、ホール注入層120B、ホール輸送層121、発光層123を順に積層形成する(図3:ステップS5、6、図5(c)、図6(a))。
ホール注入層120Bは、インクジェット法を用い、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる。あるいは、焼成することによりなされる。補助間隙522zAには、ホール注入層120Bは設けられていない。その後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法を用い各画素単位にパターニングしてもよい。
ホール輸送層121は、インクジェット法やグラビア印刷法によるウェットプロセスを用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる、あるいは、焼成することによりなされる(図5(c))。ホール輸送層121のインクを間隙522z内に塗布する方法は、上述したホール注入層120Bにおける方法と同じである。補助間隙522zAには、ホール輸送層121は形成されない。
発光層123の形成は、インクジェット法を用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、焼成することによりなされる(図6(a))。具体的には、基板100xは、列バンク522YがY方向に沿った状態で液滴吐出装置の動作テーブル上に載置され、Y方向に沿って複数のノズル孔がライン状に配置されたインクジェットヘッド301をX方向に基板100xに対し相対的に移動しながら、各ノズル孔から列バンク522Y同士の間隙522z内に設定された着弾目標を狙ってインクの液滴18を着弾させることによって行う。ここでも。補助間隙522zAには、発光層123は形成されない。
また、この工程では、副画素形成領域となる間隙522zに、インクジェット法によりR、G、Bいずれかの有機発光層の材料を含むインク123RI、123GI、123BIをそれぞれ充填し、充填したインクを減圧下で乾燥させ、ベーク処理することによって、発光層123R、123G、123Bを形成する。このとき、発光層123のインクの塗布では、先ず、液滴吐出装置を用いて発光層123の形成するための溶液の塗布を行う。
基板100xに対して赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の何れかを形成するためのインクの塗布が終わると、次に、その基板に別の色のインクを塗布し、次にその基板に3色目のインクを塗布する工程が繰り返し行われ、3色のインクを順次塗布する。これにより、基板100x上には、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層が、図の紙面横方向に繰り返して並んで形成される。
なお、ホール注入層120のホール注入層120B、ホール輸送層121、発光層123の形成方法は上記の方法には限定されず、インクジェット法やグラビア印刷法以外の方法、例えばディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等の公知の方法によりインクを滴下・塗布しても良い。
[電子輸送層124の形成]
発光層123を形成した後、表示パネル10の発光エリア(表示領域)全面にわたって、真空蒸着法などにより電子輸送層124を形成する(図3:ステップS7、図6(b))。真空蒸着法を用いる理由は有機膜である発光層123に損傷を与えないためと、高真空化で行う真空蒸着法は成膜対象の分子が基板に向かって垂直方向に直進的に成膜される。電子輸送層124Aは、発光層123の上に、金属酸化物又はフッ化物を真空蒸着法などにより、例えば、1nm以上10nm以下の膜厚で成膜する。電子輸送層124Aの上に、有機材料と金属材料との共蒸着法により、電子輸送層124Bを、例えば10nm以上、50nm以下の膜厚で成膜する。そして、電子輸送層124全体としては、20nm以上50nm以下の膜厚で製膜する。なお、電子輸送層124A、124Bの膜厚は、一例であり、上記数値に限られるものではなく、光学的な光取り出しとして最も有利となる適切な膜厚とする。
[レーザートリミング]
補助間隙522zA内にある電子輸送層124、ホール注入層120Aの一部にレーザー光LDを照射して、電子輸送層124とホール注入層120Aの一部を除去する(図3:ステップS8、図6(c))。これにより、少なくとも補助間隙522zA内において列方向に延伸する電子輸送層124、ホール注入層120Aの一部をトリミングして開口GPを開設し、開口GPを通して補助電極129の一部を露出させる(図8(a))。具体的には、レーザー加工装置は、レーザーヘッド部(不図示)を、加工対象となる薄膜のみを選択的に除去できるようなレーザー出力と走査速度で、内部の記憶メモリ等に予め記憶されたプログラムに基づいて、薄膜付基板上にレーザー光を照射してトリミングを実行する。
このとき、レーザー加工機には公知の固体式レーザー加工機などを用いることができる。レーザー光には、波長200nm以上380nm以下の範囲から選択される半導体レーザーとして、YAGレーザー、UVレーザーなどを用いることができる。本実施の形態では、例えば、YAGレーザーの第3高調波(約355nm)、第4高調波(約266nm)を用ることができる。
また、電子輸送層124、ホール注入層120Aへのレーザー光の照射は、真空ポンプにより基板を挿入したチャンバー内を減圧して真空雰囲気中で行うことが好ましい。仮に、真空雰囲気中でレーザー加工を行わない場合に、表示パネル10を形成する各種の有機材料が、大気中の酸素や水分の影響により特性が劣化するからである。ここで、「真空」とは、表示パネル10の特性が劣化を防止できる程度(例えば、0.01Pa程度)であればよく、完全に真空にする必要はない。
レーザー加工は、被削材料はレーザー光の照射を受けた部分の温度が上昇して、その部分が固相から液相さらには気相に変化することにより除去される加工である。
補助電極129は、電子輸送層124、ホール注入層120Aのレーザートリミング際に下地層となるため、レーザー照射により損傷を受けることは好ましくない。そのため、上面に形成される切削対象材料の電子輸送層124、ホール注入層120Aよりもレーザー照射に対する耐加工性が高いことが必要である。補助電極129が、レーザー照射に対する高い耐加工性を得るためには、照射されるレーザー光の波長に対して加工対象材料よりも光吸収率が低いことが必要であり、補助電極129には電子輸送層124、ホール注入層120Aに用いる材料と比較において、照射されるレーザー光の波長に対して光吸収率が低い材料を用いることが必要となる。
補助電極129の材料に、照射されるレーザー光の波長に対して電子輸送層124、ホール注入層120Aよりも光吸収率が低い材料を選択することにより、補助電極129にレーザー照射に対する高い耐加工性を持たせ、電子輸送層124、ホール注入層120Aのレーザートリミングの際に下地層である補助電極129がレーザー照射により損傷を受けることを防止できる。
図7は、有機EL表示パネル10の構成材料における光の波長と光吸収率との関係を示す実験結果である。図7において、Aは銀、Bはアルミニウム、Cは電子輸送層124の構成材料における各波長の光の光吸収率である。図7に示すように、補助電極129の構成材料であるアルミニウムは、700nm以上900nm以下の範囲に光吸収率のピークがあり光吸収率が大きく、700nm以下の範囲では光吸収率は10%以下と小さい。これに対し、画素電極119に用いることができる銀は200nm以上380nm以下の範囲に光吸収率のピークがあり光吸収率が大きい。また、電子輸送層124の構成材料である有機物は、200nm以上380nm以下の範囲に光吸収率のピークがあり光吸収率が大きく、400nm以上の範囲では光吸収率は10%以下と小さい。また、図7には示されないが、ホール注入層120Aの構成材料である銀(Ag)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、から選択される1以上の元素の酸化物は、400nm以下の範囲の光吸収率が大きいことが知られている(例えば、特開2004−20822号公報、特開2011−34917号公報、特開2007−252974号公報、特開平8−86752号公報)。
本実施の形態では、電子輸送層124にレーザー光を照射して一部をトリミングにおいて、下地層となる補助電極129には、アルミニウムを主成分として含む金属層、合金層とする材料を用い、波長200nm以上380nm以下の光を発するレーザーを用いることにより、補助電極129が損傷を受けることを抑止するとともに、除去すべき電子輸送層124、ホール注入層120Aや、他の有機層だけをを効率的に除去することができる。その結果、切削対象物に電子輸送層124、ホール注入層120Aにレーザー光を照射してトリミングを行うときに、レーザーの照射エネルギーを従来に比べて増加することができ、切削対象物を確実に除去するとともに、数メートル/秒程度の高速なトリミングを行うことができる。
[共通電極125の形成]
電子輸送層124を形成した後、電子輸送層124を被覆するように、共通電極125を形成する(図3:ステップS9、図8(b))。共通電極125は、基板100x側から順に金属を主成分とする共通電極125Aと、共通電極125A上に積層された金属酸化物からなる共通電極125Bとを含む。
このうち、先ず、共通電極125Aは、電子輸送層124を被覆するように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、又は真空蒸着法により形成する図8(b))。本例では、共通電極125Aを真空蒸着法により銀を堆積することにより形成する構成としている。
次に、共通電極125Bは、共通電極125A上にスパッタリング法などにより形成する。本例では、共通電極125Bはスパッタリング法を用いてITO又はIZOなどの透明導電層を形成する構成としている。
共通電極125を形成することにより、補助間隙522zA内において列方向に延伸する電子輸送層124及びホール注入層120Aの一部がトリミングされてできた開口GPを通して、補助電極129の一部と共通電極125とを確実にコンタクトされることができ、補助電極129と共通電極125とを電気的な接続を確保することができる。
[封止層126の形成]
共通電極125を被覆するように、封止層126を形成する(図3:ステップS10、図8(c))。封止層126は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成できる。
[カラーフィルタ基板131の形成]
次に、カラーフィルタ基板131の製造工程を例示する。
透明な上部基板130を準備し、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料を添加してなる遮光層の材料(133X)を透明な上部基板130の一方の面に塗布する(図9(a))。
塗布した遮光層の材料の膜133´の上面に所定の開口部が施されたパターンマスクPMを重ね、その上から紫外線照射を行う(図9(b))。
その後、パターンマスクPM及び未硬化の遮光層133を除去して現像し、キュアすると、例えば、概矩形状の断面形状の遮光層133が完成する(図9(c))。
次に、遮光層133を形成した上部基板130表面に、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするカラーフィルタ層132(例えば、G)の材料132Gを塗布し(図9(d))、所定のパターンマスクPMを載置し、紫外線照射を行う(図9(e))。
その後はキュアを行い、パターンマスクPM及び未硬化のペースト132Gを除去して現像すると、カラーフィルタ層132Gが形成される(図9(f))。
この工程を各色のカラーフィルタ材料について同様に繰り返すことで、カラーフィルタ層132R、132Bを形成する(図9(g))。以上でカラーフィルタ基板131が形成される。
[カラーフィルタ基板131と背面パネルとの貼り合わせ]
次に、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルに、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの紫外線硬化型樹脂を主成分とする接合層127の材料を塗布する(図10(a))。
続いて、塗布した材料に紫外線照射を行い、背面パネルとカラーフィルタ基板131との相対的位置関係を合せた状態で両基板を貼り合わせる。このとき、両者の間にガスが入らないように注意する。その後、両基板を焼成して封止工程を完了すると、表示パネル10が完成する(図10(b))。
<効 果>
(1)表示パネル10の製造方法、表示パネル10による効果
以上、説明したように、実施の形態に係る表示パネル10の製造方法は、基板100xを準備し、基板100xの上方に、複数の画素電極119と、平面視において行及び/又は列方向に延伸してアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る1以上の補助電極129とを形成し、複数の画素電極119のそれぞれの上方に発光層123を形成し、複数の画素電極119及び補助電極129の上方に有機材料を主成分として含む電子輸送層124を形成し、電子輸送層124に、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射して、補助電極129の上方の電子輸送層124の一部を除去して補助電極129の一部を露出させ、複数の画素電極119及び補助電極129の上方に連続して共通電極125を形成して、補助電極129の一部と共通電極125とを接触されることを特徴とする。
従来、レーザー光を照射して電子輸送層124など有機機能層の一部を除去する際、除去すべき機能層にレーザー光を照射すると下地となる補助電極129に透過光による損傷が生じ、有機EL素子の性能が低下するという課題があった。レーザ光の照射により補助電極129が損傷した場合には、例えば、バリが出てバリの部分で後工程における封止に欠陥が生じて信頼性が低下したり、補助電極129の膜厚が変化して補助電極129の高抵抗化が生じたり、最悪のケースでは補助電極129が消失して断線による機能低下が生じる場合があった。
仮に、電子輸送層124とホール注入層120Aに対し、波長450nm付近のレーザー光を照射した場合には、上述のとおり、電子輸送層124の構成材料やホール注入層120Aの構成材料は、400nmより長波長での光の光吸収率が低いことから、補助電極129上面の電子輸送層124やホール注入層120Aを確実に除去することができない。
これに対し、実施の形態に係る表示パネル10の製造方法では、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射して機能層の一部を除去する際に、レーザー光がアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る補助電極129に及ぼす影響を低減するとともに、200nm以上380nm以下の範囲に光吸収率が高い有機材料からなる電子輸送層124、及び400nm以下の範囲の光吸収率が高い酸化物からなるホール注入層120Aからなる機能層の一部を確実の除去することができる。
そのため、レーザーの照射エネルギーを従来に比べて増加することができ、数メートル/秒程度の高速なパターニングを実現できる。また、有機EL素子100の性能低下を抑止するとともに、補助電極129と共通電極125とのコンタクトを確保し電気的な接続を図り、面内での電圧効果に伴う輝度ムラを低減するとともに、従来に比べて、発光効率を改善する有機EL表示パネル10を製造できる。
(2)各色の発光層123を補助電極129の上方には形成しないことによる効果
実施の形態に係る表示パネルの製造方法では、発光層123の形成においては、印刷法を用いて画素電極119にのみ発光層123を選択的に形成し、補助電極129の上方には発光層123は形成されない構成としている。
表示パネル10の製造方法では、各色の発光層123R、G、Bは印刷法によりそれぞれの副画素に対応する間隙522zR、G、Bのみに選択的に形成される構成を採る。さらに、発光層123以外に機能層であるホール注入層120B、ホール輸送層121についても、同様にる間隙522zR、G、Bのみに選択的に形成される構成を採る。したがって、補助電極129が存在する補助間隙522zAには発光層123が形成されない構成を採ることに対し、マスキング等特段の製造設備や工程を要しない。そのため、表示パネル10の製造方法では、特段の製造コスト等を要することなく発光層123を補助電極129の上方には形成しない構成を実現できる。
したがって、表示パネル10の製造方法では、特段の製造コスト等を要することなくレーザートリミングにおいて除去すべき有機機能層の層厚を減少することができるので、レーザ照射に伴い発生するデブリの量を低減でき、デブリによる後工程における封止に欠陥が生じることを抑止できる。また、レーザーか国すべき層の数が減ることにより、レーザーの照射エネルギーを低く抑えることができるため、下地の補助電極129によりダメージは与えにくくなる。
(3)画素電極119及び補助電極129と同時形成されるホール注入層120Aを確実に除去できる効果
表示パネル10の製造方法では、複数の画素電極119及び補助電極129の上方に、銀、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニッケルからなる群から選択される1以上の元素の酸化物を含むホール注入層120Aを、画素電極119及び補助電極129と同時に外形をパターニングすることにより形成し、レーザー光を照射することにより、電子輸送層124の一部と重なるホール注入層120Aの部分を除去する構成としてもよい。
上述のとおり、表示パネル10の製造方法では、機能層であるホール注入層120B、ホール輸送層121についても、同様にる間隙522zR、G、Bのみに選択的に形成される構成を採る。したがって、これらの機能層(ホール注入層120B、ホール輸送層121)が補助電極129上方に形成されることはない。
しかしながら、画素電極119上面に形成されるホール注入層120Aは、図4(c)(d)、図5(a)に示すように、ホール注入層120Aを形成するためのホール注入層120A用の金属層120A’を気相成長法により画素電極119を形成するための金属膜119xの表面に製膜した後、フォトリソグラフィ法を用いて外形が同一形状にパターニングされた画素電極119及びホール注入層120Aの積層体として形成される。
このような場合に、仮に、電子輸送層124とホール注入層120Aに対し、波長450nm付近のレーザー光を照射した場合には、上述のとおり、電子輸送層124の構成材料やホール注入層120Aの構成材料は、400nmより長波長での光の光吸収率が低いことから、補助電極129上面の電子輸送層124やホール注入層120Aを除去することができない。
これに対し、表示パネル10の製造方法では、ホール注入層120Aが画素電極119及び補助電極129の上方に、画素電極119及び補助電極129と同時にパターニングされて形成される場合でも、補助電極129の上方に形成された電子輸送層124とホール注入層120Aに対し、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射することにより、電子輸送層124と同時に、電子輸送層124の一部と重なるホール注入層120Aの部分も除去することができる。ホール注入層120Aを構成する酸化物は400nm以下の範囲の光吸収率が高く、補助電極129上の所定の部分にレーザー光を照射することにより、補助電極129に損傷がおよぶことを抑止しながら、レーザー光が照射された部分のホール注入層120Aを除去して補助電極129と共通電極125とのコンタクトを図るとともに、画素電極119上に形成された酸化物層についてはホール注入層120Aとして機能させることができる。
その結果、面内での電圧効果に伴う輝度ムラを低減するとともに、従来に比べて、発光効率を改善する高精細な有機EL表示パネル10を製造できる。
<表示装置1の回路構成>
以下では、実施の形態1に係る有機EL表示装置1(以後、「表示装置1」と称する)の回路構成について、図11を用い説明する。
図11に示すように、表示装置1は、有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」と称する)と、これに接続された駆動制御回路部20とを有して構成されている。
表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルであって、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状に配列され構成されている。駆動制御回路部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とにより構成されている。
<表示パネル10の回路構成>
表示パネル10においては、複数の単位画素100eが行列状に配されて表示領域を構成している。各単位画素100eは、3個の有機EL素子、つまり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に発行する3個の副画素100seから構成される。各副画素100seの回路構成について、図12を用い説明する。
図12は、表示装置1に用いる表示パネル10の各副画素100seに対応する有機EL素子100における回路構成を示す回路図である。
図12に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、各副画素100seが2つのトランジスタTr1、Tr2と一つのキャパシタC、及び発光部としての有機EL素子部ELとを有し構成されている。トランジスタTr1は、駆動トランジスタであり、トランジスタTr2は、スイッチングトランジスタである。
スイッチングトランジスタTr2のゲートG2は、走査ラインVscnに接続され、ソースS2 は、データラインVdatに接続されている。スイッチングトランジスタTr2 のドレインD2は、駆動トランジスタTr1のゲートG1に接続されている。
駆動トランジスタTr1のドレインD1は、電源ラインVaに接続されており、ソースS1 は、有機EL素子部ELの画素電極(アノード)に接続されている。有機EL素子部ELにおける共通電極(カソード)は、接地ラインVcatに接続されている。
なお、キャパシタCの第1端は、スイッチングトランジスタTr2のドレインD2及び駆動トランジスタTr1のゲートG1と接続され、キャパシタCの第2端は、電源ラインVaと接続されている。
表示パネル10においては、隣接する複数の副画素100se(例えば、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の発光色の3つの副画素100se)を組み合せて1つの単位画素100eを構成し、各単位画素100eが分布するように配されて画素領域を構成している。そして、各副画素100seのゲートG2からゲートラインが各々引き出され、表示パネル10の外部から接続される走査ラインVscnに接続されている。同様に、各副画素100seのソースS2からソースラインが各々引き出され表示パネル10の外部から接続されるデータラインVdatに接続されている。
また、各副画素100seの電源ラインVa及び各副画素100seの接地ラインVcatは集約されて、表示装置1の電源ライン及び接地ラインに接続されている。
<変形例>
実施の形態に係る表示パネル10を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、表示パネル10の変形例を説明する。
(1)変形例1、2、3、
変形例1に係る表示パネル10Aについて説明する。実施の形態に係る表示パネル10の製造方法では、図1に示すように、列方向に連続する3つの画素電極119の上方には、赤色、青色、緑色の発光する発光層123の何れかが各色1つずつ配し、行方向に連続する3つの画素電極119を画素電極群とするとき、補助電極129Xは隣接する画素電極群と画素電極群との行方向の補助間隙122zAに沿って延伸して形成し、補助電極129Yは隣接する画素電極群と画素電極群との列方向の補助間隙522zAに沿って延伸して形成する構成としている。そして、レーザー光の照射による電子輸送層124及びホール注入層120Aの一部の除去においては、補助電極129の上方位置し長尺方向に延伸する電子輸送層124お飛びホール注入層120Aの一部が除去されてコンタクト部129XA,129YAを形成する構成としている。
しかしながら、補助電極129の配置とコンタクト部129XA,129YAの位置については、実施の形態の態様に限定されるものでなく適宜変更した構成としてもよい。
図13は、変形例1に係る有機EL表示パネル10Aの一部を示す模式平面図である。変形例1に係る有機EL表示パネル10Aの製造方法では、電子輸送層124及びホール注入層120Aの一部の除去において、補助電極129の上方位置し長尺方向に沿って断続的に延在する電子輸送層124及びホール注入層120Aの一部が除去されることを特徴とする。その結果、補助電極129Aの形成では、補助電極のコンタクト部129XAは隣接する画素電極群と画素電極群との行の補助間隙122zA内に断続的に配置され、補助電極のコンタクト部129YAは隣接する画素電極群と画素電極群との列方向の補助間隙522zA内に断続的に配置される構成を採る。
係る構成により、形例1に係る有機EL表示パネル10Aの製造法では、補助電極129Yを補助間隙122zA、522zAに沿って延伸して形成する場合に比べて加工が容易となる。
また、工程時間の短縮化が図れ、レーザー光源の消耗を低減することができる。また、補助電極129Yは、行方向の補助間隙122zA内又は列方向の補助間隙522zA内の何れか一方に断続的に配置される構成としてもよい。さらに、工程時間の短縮化が図れ、レーザー光源の消耗を低減できる。
図14に示す変形例2に係る有機EL表示パネル10Bの一部を示す模式平面図のように、変形例2に係る有機EL表示パネル10Bの製造方法では、補助電極129Bの形成では、補助電極129BY及び補助電極129BYの長尺方向に延伸するコンタクト部129YAは隣接する画素電極群と画素電極群との列方向のすべての補助間隙522zA内に延伸して配置される構成としてもよい。あるいは、行方向のすべての補助間隙122zA内に延伸して配置される構成としてもよい。行及び列方向のすべての間隙内に補助電極129を形成する実施の形態に係る構成と比べて、工程時間の短縮化が図れレーザー光源の消耗を低減できる。
また、図15に示す変形例3に係る有機EL表示パネル10Cの一部を示す模式平面図のように、変形例3に係る有機EL表示パネル10Cの製造方法では、補助電極129Cの形成では、補助電極129CY及び補助電極129CYの長尺方向に延伸するコンタクト部129YAは隣接する画素電極群と画素電極群との列方向の補助間隙522zAの一部に延伸して配置される構成としてもよい。あるいは、行方向の一部の補助間隙122zA内に延伸して配置される構成としてもよい。行又は列方向のすべての間隙内に補助電極129を形成する変形例2に係る構成と比べて、工程時間の短縮化が図れレーザー光源の消耗を低減できる。
(2)その他の変形例
実施の形態に係る表示パネル10では、金属膜119x及びホール注入層120A用の金属層120A’を製膜した後、パターニングして画素電極119及び補助電極129の上面にホール注入層120Aを形成する構成としている。しかしながら、別の態様では、さらに、複数の画素電極119及び補助電極129の上方にチタンの酸化物、ITO又はIZOを含む酸化物層を、前記画素電極及び前記補助電極と同時に外形をパターニングすることにより形成したのち、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射することにより、電子輸送層124と同時に、電子輸送層124の一部と重なる酸化物層の部分も除去する構成としてもよい。チタンの酸化物、ITO又はIZOを含む酸化物は400nm以下の範囲の光吸収率が高く、補助電極129上の所定の部分にレーザー光を照射することにより、補助電極129に損傷がおよぶことを抑止しながら当該部分の酸化物を除去するとともに、画素電極119上に形成された酸化物を電極保護層として機能させることができる。
また、補助電極129がアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されるので、酸化アルミニウム層が表面に形成される場合がある。しかしながら、例えば、YAGレーザーの第4高調波を照射することにより、電子輸送層124と同時に、波長300nm以下にも吸収域のある酸化アルミニウム層を除去して補助電極129と共通電極125とのコンタクトを図ることができる。
実施の形態に係る表示パネル10では、補助間隙129は、補助間隙122zA及び/又は522zAに位置する構成としたが、補助間隙129が形成される位置はこれに限定されない。例えば、補助間隙129がバンク122X,522Yの上面に設けられる構成としてもよい。例えば、補助間隙129Yが列バンク522Yの頂部522Ybの上面に形成される構成としてもよい。
また、実施の形態に係る表示パネル10では、行方向に隣接する列バンク522Y間の間隙522zに配された副画素100seの発光層123が発する光の色は互いに異なる構成とし、列方向に隣接する行バンク122X間の間隙に配された副画素100seの発光層123が発する光の色は同じである構成とした。しかしながら、上記構成において、行方向に隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色は同じであり、列方向に隣接する副画素100seの発光層123が発する光の色が互いに異なる構成としてもよい。
表示パネル10では、画素100eには、赤色画素、緑色画素、青色画素の3種類があったが、本発明はこれに限られない。例えば、発光層が1種類であってもよいし、発光層が赤、緑、青、白色などに発光する4種類であってもよい。
また、上記実施の形態では、単位画素100eが、マトリクス状に並んだ構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、画素領域の間隔を1ピッチとするとき、隣り合う間隙同士で画素領域が列方向に半ピッチずれている構成に対しても効果を有する。高精細化が進む表示パネルにおいて、多少の列方向のずれは視認上判別が難しく、ある程度の幅を持った直線上(あるいは千鳥状)に膜厚むらが並んでも、視認上は帯状となる。したがって、このような場合も輝度むらが上記千鳥状に並ぶことを抑制することで、表示パネルの表示品質を向上できる。
また、上記実施の形態では、画素電極119と共通電極125の間に、ホール注入層120、ホール輸送層121、発光層123及び電子輸送層124が存在する構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、ホール注入層120、ホール輸送層121及び電子輸送層124を用いずに、画素電極119と共通電極125との間に発光層123のみが存在する構成としてもよい。また、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを備える構成や、これらの複数又は全部を同時に備える構成であってもよい。また、これらの層はすべて有機化合物からなる必要はなく、無機物などで構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、発光層123の形成方法としては、印刷法、スピンコート法、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。さらに、各構成部位の材料には、公知の材料を適宜採用することができる。
また、上記の形態では、EL素子部の下部にアノードである画素電極119が配され、TFTのソース電極に接続された配線に画素電極119を接続する構成を採用したが、EL素子部の下部に共通電極、上部にアノードが配された構成を採用することもできる。この場合には、TFTにおけるドレインに対して、下部に配されたカソードを接続することになる。
また、上記実施の形態では、一つの副画素100seに対して2つのトランジスタTr1、Tr2が設けられてなる構成を採用したが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、一つのサブピクセルに対して一つのトランジスタを備える構成でもよいし、三つ以上のトランジスタを備える構成でもよい。
さらに、上記実施の形態では、トップエミッション型のEL表示パネルを一例としたが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ボトムエミッション型の表示パネルなどに適用することもできる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本発明に係る有機EL表示パネル、及び有機EL表示装置は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの装置、又はその他表示パネルを有する様々な電子機器に広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
10 有機EL表示パネル
10e 区画領域(表示用領域)
100 有機EL素子
100e 単位画素
100se 副画素
100a 自己発光領域
100b 非自己発光領域
100x 基板(TFT基板)
118 層間絶縁層
119 画素電極
120、120A、120B ホール注入層
121 ホール輸送層
122 バンク
122X 行バンク(行絶縁層)
522Y 列バンク(列絶縁層)
522z(522zR、522zG、522zB) 間隙
123(123R、123G、123B) 発光層
124、124A、124B 電子輸送層
125、125A、125B 共通電極
128 保護層
129、129X、129Y 補助電極
129XA、129YA 補助電極のコンタクト部
126 封止層
127 接合層
130 上部基板
131 カラーフィルタ基板
132 カラーフィルタ層
133 遮光層

Claims (12)

  1. 基板を準備し、
    前記基板の上方に、複数の画素電極と、平面視において行及び/又は列方向に延伸してアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る1以上の補助電極とを形成し、
    前記複数の画素電極のそれぞれの上方に発光層を形成し、
    前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に有機機能層を形成し、
    前記有機機能層に、波長200nm以上380nm以下のレーザー光を照射して、前記補助電極の上方の前記有機機能層の一部を除去して前記補助電極の一部を露出させ、
    前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方に連続して共通電極を形成して、前記補助電極の一部と前記共通電極とを接触される
    有機EL表示パネルの製造方法。
  2. 前記発光層の形成においては、前記補助電極の上方には前記発光層は形成しない
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  3. 前記レーザー光はYAGレーザーの第3高調波又は第4高調波を含む
    請求項1又は2に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  4. 前記有機機能層は、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナンスロリン誘導体の何れかを主成分として含む
    請求項1から3の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  5. さらに、前記複数の前記画素電極及び前記補助電極の上方に、ホール注入層を前記画素電極及び前記補助電極と同時に外形をパターニングすることにより形成し、
    前記レーザー光を照射することにより、前記有機機能層の一部と重なる前記ホール注入層の部分を除去する
    請求項1から4の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  6. 前記ホール注入層は、銀、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニッケルからなる群から選択される1以上の元素の酸化物を含む
    請求項5に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  7. さらに、前記複数の画素電極及び前記補助電極の上方にチタンの酸化物、ITO又はIZOを含む酸化物層を、前記画素電極及び前記補助電極と同時に外形をパターニングすることにより形成し、
    前記レーザー光を照射することにより、前記有機機能層の一部と重なる前記酸化物層の部分を除去する
    請求項1から6の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  8. 前記機能層へのレーザー光の照射は真空雰囲気中で行われる
    請求項1から7の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  9. 前記発光層の形成では、前記複数の画素電極は行列状に配されて、
    列方向に連続する3つの前記画素電極の上方には、赤色、青色、緑色の発光する前記発光層の何れかが各色1つずつ配され、
    前記連続する3つの画素電極を画素電極群とするとき、
    前記補助電極の形成では、前記補助電極は行方向に隣接する画素電極群と画素電極群との間に延伸して形成される
    請求項1から8の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  10. 前記補助電極の形成では、さらに、前記補助電極は列方向に隣接する画素電極群と画素電極群との間に延伸して形成される
    請求項9に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  11. 前記有機機能層の一部の除去において、前記補助電極の上方に位置し長尺方向に延伸する前記有機機能層の一部が除去される
    請求項9又は10に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  12. 前記有機機能層の一部の除去において、前記補助電極の上方に位置し長尺方向に沿って断続的に延在する前記有機機能層の一部が除去される
    請求項9又は10に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
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