JP6082264B2 - 導光レンズ及び灯具 - Google Patents

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本発明は、導光レンズ及び灯具に関する。
従来、車両などの灯具として、図2に示すような灯具100が用いられている(例えば特許文献1参照)。この灯具100は、光源101とアウターレンズ102との間に導光レンズ103を有している。
導光レンズ103は、光源101から出射された光を配光制御しつつ前方のアウターレンズ102へ照射するものであり、入射面105、側方反射面106、前方反射面107及び出射面108を有している。
このうち、入射面105は、導光レンズ103の左右方向中央の後部に設けられた凸面であり、光源101から出射された光を平行光にして導光レンズ103内に入射させるようになっている。
側方反射面106は、入射面105の前方で光軸Axに対し45度の角度で左右方向に傾斜して設けられた左右一対の平面であり、入射面105から導光レンズ103内に入射した光を、光軸Axを境に左右方向の両側へ内部反射させるようになっている。
前方反射面107は、導光レンズ103の後面のうち、側方反射面106の左右両側部分にそれぞれ設けられている。これら前方反射面107は、光軸Axから左右方向へ離れるにつれて前方に位置するように傾斜するとともに、略階段状に形成されている。これにより、前方反射面107は、側方反射面106で左右方向へ内部反射された光を、前方へ内部反射させるようになっている。
出射面108は、前後方向に交差する平面状に形成されており、前方反射面107で内部反射された光を通過させ前方へ出射するようになっている。この前方反射面107には、出射光を左右方向へ拡散させるためのレンズカット109が施されており、光源101や側方反射面106の前方領域、つまり灯具の光軸に近い領域からも光が出射されるよう、左右方向の内側へ光を屈折させて前方へ出射するようになっている。
特開2005‐158362号公報
しかしながら、特許文献1の導光レンズ103では、光源101からの光を側方反射面106で左右に分けた後、その一部を出射面108のレンズカット109で屈折させて光源101の前方に戻すため、灯具の光軸に近い領域で光量が少なくなってしまい、均一な照射ができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、均一な照射を行うことのできる導光レンズ及び灯具の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
灯具に具備されるとともに、光源から出射される光を前記灯具の前方に向かって照射する導光レンズにおいて、
前記光源から出射される光を平行光にしつつ、当該導光レンズ内に入射させる入射面と、
前記入射面の対向部分に設けられ、前記入射面から当該導光レンズ内に入射した光を、前記灯具の前後方向と略直交する直交方向へ内部反射させる側方反射面と、
当該導光レンズの後面のうち、前記前後方向に対して前記側方反射面の側方に位置する部分に設けられ、前記側方反射面で内部反射された光を前記灯具の前方へ内部反射させる前方反射面と、
当該導光レンズの前面のうち、前記前方反射面の前方に位置する部分に設けられ、前記前方反射面で内部反射された光を当該導光レンズの前方へ出射させる出射面と、
を備え、
前記出射面は、
前記側方反射面と前記前方反射面とを結んだ方向に沿って、前記前後方向に平行な複数の平行面と、当該前後方向に交差する複数の交差面とが交互に設けられることで、断面視鋸歯状に形成されるとともに、
全体として、前記灯具の光軸に近い部分ほど前記前後方向において前記光源の近くに位置するよう、前記前後方向に対して傾斜して形成されており、
複数の前記交差面は、
前記側方反射面から最も遠い面で前記前後方向に直交し、前記側方反射面に近い面ほど前記光軸の反対側に向くよう配設されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導光レンズにおいて、
前記複数の交差面のうち、前記側方反射面に最も近い面は、
前記前後方向と60°で交差することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の導光レンズにおいて、
前記前後方向と略直交する前記直交方向に長尺に形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の導光レンズにおいて、
前記光源よりも前記灯具の前方に配設されるとともに、
前記入射面を後面に、前記側方反射面を前面に有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、灯具において、
請求項1〜4の何れか一項に記載の導光レンズと、
前記導光レンズよりも当該灯具の後方に配設された前記光源と、
を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の灯具において、
前記導光レンズよりも当該灯具の前方に配設されて、前記導光レンズから出射された光を透過させるアウターレンズを備え、
前記アウターレンズには、
前記導光レンズから出射された光を、前記直交方向に拡散させるためのレンズカットが、当該直交方向に複数施されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、側方反射面と前方反射面とを結んだ方向に沿って、前後方向に平行な複数の平行面と、当該前後方向に交差する複数の交差面とが交互に設けられることで出射面が断面視鋸歯状に形成されており、複数の交差面は側方反射面から最も遠い面で前後方向に直交し、側方反射面に近い面ほど灯具の光軸の反対側に向くよう配設されているので、光軸に近い位置で出射面の各交差面から出射される光は、それぞれ光軸の側に屈折し、灯具の光軸に近い領域を照射することとなる。また、出射面は全体として、灯具の光軸に近い部分ほど前後方向において光源の近くに位置するよう、前後方向に対して傾斜して形成されるので、光軸から離れた位置の交差面から出射される光であっても、光軸に近い領域を確実に照射することとなる。従って、光軸に近い領域を従来よりも広い領域からの出射光で照射することができるので、光軸に近い領域と、その他の領域との光量の差を無くし、均一な照射を行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、アウターレンズには、導光レンズから出射された光を前記所定方向に拡散させるためのレンズカットが当該所定方向に複数施ているので、この所定方向に沿った光量むらを無くし、いっそう均一な照射を行うことができる。
車両用灯具ユニットを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 従来の灯具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、それぞれ、車両用灯具ユニットが装備された車両の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」である。従って、後ろから前に見て(いわゆる運転手の視点で見て)、左右の向きを定める。
<車両用灯具ユニットの構成>
図1は、本実施形態における車両用灯具ユニット1を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
これらの図に示すように、車両用灯具ユニット1は、左右方向に配列された2つの灯具2を有している。
各灯具2は、左右方向に長尺で上下方向に短尺な正面視矩形状の灯具であり、前後方向に平行な光軸Axに沿って光源20と、アウターレンズ21と、導光レンズ3とを備えている。
このうち、光源20は、光を出射するものであり、本実施の形態においてはLEDとなっている。この光源20は、アウターレンズ21及び導光レンズ3よりも後方に配設されている。
アウターレンズ21は、導光レンズ3よりも前方に配設されて、導光レンズ3から出射された光を透過させるレンズである。このアウターレンズ21には、導光レンズ3から出射された光を所定方向(本実施の形態においては左右方向)に拡散させるためのレンズカット210が当該所定方向(左右方向)に複数施されている。なお、本実施の形態においては、左右方向に並んで配設された2つの灯具2のアウターレンズ21同士は、一体的に形成されている。
導光レンズ3は、光源20から出射される光を灯具2の前方に向かって照射するものであり、前後方向において光源20とアウターレンズ21との間に配設されている。
この導光レンズ3は、左右方向に長尺に形成されており、入射面30、側方反射面31、前方反射面32及び出射面33を備えている。
入射面30は、光源20から出射される光を平行光にしつつ、当該導光レンズ3内に入射させる面である。この入射面30は、導光レンズ3の後面における左右方向の中央部分に設けられており、導光レンズ3の後面から後方に膨出した形状となっている。
側方反射面31は、入射面30から当該導光レンズ3内に入射した光を、灯具2の前後方向と略直交する直交方向へ内部反射させる面である。ここで、この「直交方向」は、上下方向及び左右方向の何れであっても良いが、導光レンズ3の長尺方向と一致することが好ましく、本実施の形態においては左右方向となっている。
この側方反射面31は、光軸Axを含み左右方向に直交する平面を境界面として対をなして形成されている。より具体的には、側方反射面31は、上述の境界面に対し45度の角度で左右方向の両側へ個別に傾斜し、境界面から左右方向へ離れるにつれて前方に位置するよう形成されている。
以上の側方反射面31は、入射面30の対向部分、より具体的には、導光レンズ3の前面における左右方向の中央部分に設けられている。
前方反射面32は、側方反射面31で内部反射された光を灯具2の前方へ内部反射させる面である。この前方反射面32は、導光レンズ3の後面のうち、側方反射面31の左右に位置する部分に対をなして設けられており、互いに平行な複数の段面32aを有する階段状に形成されている。各前方反射面32の段面32aは、光軸Axから左右方向へ離れるにつれて段階的に前方に位置するとともに、一対の側方反射面31のうち、自身に近い側の側方反射面31に略平行な平面状に形成されており、側方反射面31で左右方向へ内部反射された光を、前方へ個別に内部反射させるようになっている。なお、この前方反射面32は、前後方向に対して側方反射面31の側方に位置する部分であれば、他の位置に設けられていても良く、例えば側方反射面31が入射面30からの光を上下方向に内部反射させる場合には、導光レンズ3の後面のうち側方反射面31の上下に位置する部分に設けられていても良い。
出射面33は、前方反射面32で内部反射された光を導光レンズ3の前方へ出射させる面であり、導光レンズ3の前面のうち、前方反射面32の前方に位置する部分に設けられている。
この出射面33は、側方反射面31と前方反射面32とを結んだ方向、つまり左右方向に沿って、前後方向に平行な複数の平行面330と、当該前後方向に交差する複数の交差面331とが交互に設けられることで、断面視鋸歯状に形成されるとともに、全体として、灯具2の光軸Axに近い部分ほど前後方向において光源20の近くに位置するよう、前後方向に対して傾斜して形成されている。なお、本実施の形態においては、出射面33のうち、光軸Axに最も近い部分では、出射面33とアウターレンズ21との距離は約3mmとなっており、光軸Axから最も遠い部分では、出射面33とアウターレンズ21との距離は約19mmとなっている。
ここで、複数の交差面331は、側方反射面31から最も遠い面、つまり最も前側の面で前後方向に直交し、側方反射面31に近い面ほど光軸Axの反対側に向くよう配設されている。より具体的には、本実施の形態においては、複数の交差面331のうち、側方反射面31に最も近い面、つまり最も後側の面は、前後方向と60°で交差している。
<作用・効果>
続いて、灯具2の作用効果について説明する。
まず、光源20が点灯すると、その光が入射面30から導光レンズ3内に入射する。このとき、光源20からの光は、前後方向に略沿った平行光とされる。
次に、導光レンズ3内に入射した光は、一対の側方反射面31によって左右方向の両側へ分岐するように内部反射される。
次に、側方反射面31によって内部反射された光は、前方反射面32における複数の段面32aによって前方へ内部反射された後、出射面33から出射される。
このとき、前後方向に平行な複数の平行面330と、当該前後方向に交差する複数の交差面331とが左右方向に沿って交互に設けられることで出射面33が断面視鋸歯状に形成されており、複数の交差面331は側方反射面31から最も遠い面で前後方向に直交し、側方反射面31に近い面ほど灯具2の光軸Axの反対側に向くよう配設されているので、光軸Axに近い位置で出射面33の各交差面331から出射される光は、それぞれ光軸Axの側に屈折し、光軸Axに近い領域を照射することとなる。また、出射面33は全体として、灯具2の光軸Axに近い部分ほど前後方向において光源20の近くに位置するよう前後方向に対して傾斜して形成されるので、光軸Axから離れた位置の交差面331から出射される光であっても、光軸Axに近い領域を確実に照射することとなる。これにより、光軸Axに近い領域が、従来よりも広い領域からの出射光で照射されることとなる。
そして、出射面33から出射された光は、アウターレンズ21のレンズカット210によって左右方向に拡散され、灯具2の前方を照射する。
以上のように、本実施形態の灯具2によれば、光軸Axに近い領域を従来よりも広い領域からの出射光で照射することができるので、光軸Axに近い領域と、その他の領域との光量の差を無くし、均一な照射を行うことができる。
また、アウターレンズ21には、導光レンズ3から出射された光を左右方向に拡散させるためのレンズカット210が左右方向に複数施されているので、左右方向に沿った光量むらを無くし、いっそう均一な照射を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
例えば、上記の実施形態においては、前方に向いた光源20の前方に導光レンズ3が配設されることとして説明したが、上向きに配設された光源20の上方、或いは下向きに配設された光源20の下方に配設されることとしても良い。この場合には、入射面30は導光レンズ3の下面または上面に設けられ、側方反射面31は導光レンズ3の前面及び後面の何れかに設けられる。
また、灯具2や、その導光レンズ3を正面視矩形状として説明したが、正面視において湾曲した弧状としても良い。
2 灯具
3 導光レンズ
20 光源
21 アウターレンズ
30 入射面
31 側方反射面
32 前方反射面
33 出射面
210 レンズカット
330 平行面
331 交差面
Ax 光軸

Claims (6)

  1. 灯具に具備されるとともに、光源から出射される光を前記灯具の前方に向かって照射する導光レンズにおいて、
    前記光源から出射される光を平行光にしつつ、当該導光レンズ内に入射させる入射面と、
    前記入射面の対向部分に設けられ、前記入射面から当該導光レンズ内に入射した光を、前記灯具の前後方向と略直交する直交方向へ内部反射させる側方反射面と、
    当該導光レンズの後面のうち、前記前後方向に対して前記側方反射面の側方に位置する部分に設けられ、前記側方反射面で内部反射された光を前記灯具の前方へ内部反射させる前方反射面と、
    当該導光レンズの前面のうち、前記前方反射面の前方に位置する部分に設けられ、前記前方反射面で内部反射された光を当該導光レンズの前方へ出射させる出射面と、
    を備え、
    前記出射面は、
    前記側方反射面と前記前方反射面とを結んだ方向に沿って、前記前後方向に平行な複数の平行面と、当該前後方向に交差する複数の交差面とが交互に設けられることで、断面視鋸歯状に形成されるとともに、
    全体として、前記灯具の光軸に近い部分ほど前記前後方向において前記光源の近くに位置するよう、前記前後方向に対して傾斜して形成されており、
    複数の前記交差面は、
    前記側方反射面から最も遠い面で前記前後方向に直交し、前記側方反射面に近い面ほど前記光軸の反対側に向くよう配設されていることを特徴とする導光レンズ。
  2. 請求項1に記載の導光レンズにおいて、
    前記複数の交差面のうち、前記側方反射面に最も近い面は、
    前記前後方向と60°で交差することを特徴とする導光レンズ。
  3. 請求項1または2に記載の導光レンズにおいて、
    前記前後方向と略直交する前記直交方向に長尺に形成されたことを特徴とする導光レンズ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の導光レンズにおいて、
    前記光源よりも前記灯具の前方に配設されるとともに、
    前記入射面を後面に、前記側方反射面を前面に有することを特徴とする導光レンズ。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の導光レンズと、
    前記導光レンズよりも当該灯具の後方に配設された前記光源と、
    を備えることを特徴とする灯具。
  6. 請求項5に記載の灯具において、
    前記導光レンズよりも当該灯具の前方に配設されて、前記導光レンズから出射された光を透過させるアウターレンズを備え、
    前記アウターレンズには、
    前記導光レンズから出射された光を、前記直交方向に拡散させるためのレンズカットが、当該直交方向に複数施されていることを特徴とする灯具。
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