JP6081380B2 - レーザ走査型観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パルスレーザを被検体に照射し、被検体からの光を受光して得た検出信号のサンプリングを行うレーザ走査型顕微鏡やレーザ走査型内視鏡等のレーザ走査型観察装置に関する。
一般に、レーザ走査型顕微鏡は、例えば、図1に示すように、レーザ光を発振する光源51と、光源51からのレーザ光と被検体59からの光とを分離するハーフミラー52と、レーザ光をX、Y方向に走査するガルバノミラー53と、レーザ光を被検体59に照射する対物レンズ54と、被検体59からの光から散乱光等を除去して焦点位置だけの光を抽出するピンホール55と、ピンホール55を通過した光を受光する受光素子56と、受光素子56にて光電変換されたアナログの電気信号が供給される画像処理部57を有して構成される。画像処理部57は、独立した発振器などにより任意に定めたサンプリングクロックによって、供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を図示しないメモリに記憶する。そして、メモリに記憶したデジタル信号を用いてレーザ光の走査に同期した画像を構成し、構成した画像をモニタディスプレイ58上に表示する。
レーザ走査型顕微鏡におけるレーザ光には、一般的には連続発振型のレーザが用いられる。しかしながら、近年、研究対象となる被検体の多様化から様々な波長のレーザ光が使用され、モード同期法等によりパルス発振させるものも多い。そして、例えば、被検体からの多光子蛍光を検出するために、モード同期超短パルスレーザが利用されるようになっている。
パルス光を用いた走査型顕微鏡では、被検体にパルス光を照射し、被検体からの光を光検出部で受光し、光検出部が出力した検出信号をサンプリングし、サンプリングした検出信号の強度を画素値として画像を構成する。ここで、被検体からの光を受光して得られる検出信号は、時間の経過とともに光強度が減衰した信号となる。
従って、検出信号の強度が最大となるときに、検出部からの検出信号をサンプリングすれば、最も検出感度の高い画像が得られることになる。
しかし、パルスレーザを用いたレーザ走査型顕微鏡は、一般的には、パルスレーザとサンプリングクロックが同期しておらず、強度が最大となるときの検出信号をサンプリングするとは限らない。このため、検出信号の強度が最大となるときの画像を生成できずに、画像が暗くなるといった問題が起こり得る。
しかるに、次の特許文献1には、例えば、図2に示すように、パルスレーザを発振するパルスレーザ発振手段としてのレーザ装置61と、被検体70からの光を受光し電気信号を出力する光検出部としての光電変換部62と、光検出部62からの電気信号をサンプリングするサンプリング手段としてのA/D変換部63と、サンプリング手段63がサンプリングしたデータを蓄積するメモリ64と、パルスレーザの発振を検出するレーザ発振検出部65により検出されたレーザ発振信号に応答して、パルスレーザの発振に同期した同期信号を出力する同期信号発生手段としてのレーザ発振同期信号発生回路部66を備えるとともに、同期信号を任意の時間遅延させ、トリガ信号を出力する遅延回路部67と、遅延回路部67が遅延させる同期信号の遅延時間Δtを与えるための外部入力回路68を備え、サンプリング手段63が遅延回路部67からのトリガ信号をサンプリングクロックとして用いてサンプリングを行うようにしたレーザ走査型顕微鏡が記載されている。そして、特許文献1には、多光子蛍光検出において、検出信号を効率よく得るために、レーザの発振モードに同期したサンプリングを行う手法が提案されている。なお、図2中、69はメモリ64に蓄積された検出信号により構成される画像を表示する画像表示部である。
特許文献1に記載のレーザ走査型顕微鏡では、光電変換後の検出信号とトリガ信号を時間的に比較し検出信号のピークとトリガ信号のタイミングが一致するように、又は、画像が最も明るくなるように、外部入力回路68から入力する遅延時間の値を変えることによって、強度が最大となるときの検出信号をサンプリングするタイミングを調整することができるようになっている。
特許第4667571号公報
特許文献1に記載のレーザ走査型顕微鏡のように、外部入力回路68からの遅延時間の入力により、検出信号をサンプリングするタイミングが検出信号の強度が最大となるタイミングとなるように調整すれば、検出感度の高い画像が得られることになる。
しかし、実際には、個々の製品バラツキ、温度や湿度等の観察環境の違い、被検体の種類や状態の違い等により、検出信号の強度が最大となるタイミングが、個々のレーザ走査顕微鏡において異なってくる。
しかるに、特許文献1に記載のレーザ走査顕微鏡は、外部入力回路68から入力する際の遅延時間として、観察条件等の違いに対応して最適な時間を自動的に検出する手段を備えていない。このため、特許文献1に記載のレーザ走査顕微鏡では、観察条件等が変わると、外部入力回路68からの遅延時間の入力により、検出信号をサンプリングするタイミングが検出信号の強度が最大となるタイミングとなるように調整をするのが煩雑化し時間がかかってしまう。
また、特許文献1に記載のレーザ走査型顕微鏡は、検出信号をサンプリングするタイミングを、検出信号の強度が最大となることに着眼してタイミング調整を行っているが、画質を向上させる点に着眼してはタイミング調整を行っていない。レーザ走査型顕微鏡において、検出信号に基づいて構成される画像の画質を向上するためには、検出信号の強度のみでなく、コントラストやノイズを考慮して画像を構成することが必要である。
また、レーザの発振モードは数十MHzと高速であるため、微弱な蛍光を検出した信号は、高速応答、低ノイズで高倍率の増幅器により増幅する必要がある。高速応答の増幅器としては、AC結合型増幅器が知られている。AC結合型増幅器を用いると、低ノイズで高倍率に増幅できる。
しかしながら、AC結合型増幅器を用いると、出力信号はDC成分が除去されたものとなるため、増幅された検出信号の大きさ(波高値)が、本来の波高値の半分の値になってしまい、隣接波の波高値の影響を受けるという問題があった。そのため、微弱な蛍光については、サンプリングした検出信号の強度を正しく得ることが難しく、検出信号に基づいて構成される画像の画質に悪影響が及び易い。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、異なる観察条件に対して、煩雑な調整をすることなく、画像構成に最適なタイミングで検出信号をサンプリングすることができ、さらには、検出信号のコントラストを最大化し、暗ノイズを差し引く等して、画質を向上させることの可能なレーザ走査型観察装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、AC結合型増幅器を用いても、検出信号の強度を大きく検出でき、画質を向上させることの可能なレーザ走査型顕微鏡装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるレーザ走査型観察装置は、被検体を照射するためのパルスレーザを発振するパルスレーザ発振手段と、前記被検体からの光を受光し、検出信号を出力する光検出部と、前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知し、該パルスレーザの発振に同期した同期信号を出力する同期信号発生手段と、前記同期信号発生手段が出力した前記同期信号を任意の時間遅延させ、トリガ信号を出力する遅延回路部と、前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期して、前記光検出部が出力した検出信号をサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリング手段がサンプリングした前記検出信号を蓄積するメモリ部と、を備えたレーザ走査型観察装置において、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を、該同期信号の1周期以内に少なくとも2以上の段階に設定可能な多段遅延設定部と、前記多段遅延設定部が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期し、前記サンプリング手段によりサンプリングされ前記メモリ部に蓄積された、各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、画像構成に最適な遅延段階を判定する判定部と、を備え、前記多段遅延設定部は、前記判定部が判定した前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間として設定し、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を該画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間に固定して観察を行えるようにしたことを特徴としている。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記判定部は、前記メモリ部に蓄えられた各遅延段階での前記検出信号の強度データが最大となる遅延段階を、前記画像構成に最適な遅延段階として判定する。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、更に、前記多段遅延設定部及び前記判定部による前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間の設定処理を新規に行わせる、遅延設定スイッチを備える。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、更に、前記パルスレーザ発振手段から発振される前記パルスレーザの前記被検体への照射のONとOFFとを切り替えるON−OFF切替部を備え、前記判定部は、前記画像構成に最適な遅延段階の判定に際し、前記ON−OFF切替部がONのときとOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いる。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記判定部は、更に、前記ON−OFF切替部がONのときとOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、該検出信号のコントラスト値を計算する。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記判定部は、更に、前記ON−OFF切替部がOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、暗ノイズを検出する。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、更に、前記パルスレーザ発振手段から発振された前記パルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、前記パルスレーザ発振手段から発振される該パルスレーザの周期を逓倍した周期にして該パルスレーザを前記被検体へ照射する遅延光路部を有するとともに、前記ON−OFF切替部を、前記遅延光路部において分岐された少なくとも1つの光路上に備え、前記パルスレーザ発振手段からの該パルスレーザの発振の1周期以内に前記ON−OFF切替部のONとOFFとが切り替わるようにする。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記同期信号発生手段と前記遅延回路部とで、前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知した信号を前記パルスレーザ発振手段の発振モードに同期するサンプリングクロックを出力するサンプリングクロック発生手段をなし、更に、前記光検出部が出力した検出信号を増幅して出力するAC結合型増幅器を有し、前記サンプリング手段は、前記サンプリングクロック発生手段が出力したサンプリングクロックに同期して、前記AC結合型増幅器が増幅して出力した検出信号をサンプリングし、更に、前記サンプリング手段がサンプリングした検出信号を用いて画像構成用の信号値を出力する処理部を有するレーザ走査型顕微鏡装置であって、前記サンプリング手段は、2系統のAD変換手段を有し、前記処理部は、前記サンプリング手段がサンプリングした前記検出信号を蓄積する前記メモリ部と前記判定部とからなる、前記2系統のAD変換手段の夫々におけるサンプリングのタイミングの遅延量を前記夫々の系統ごとに調整して設定可能な遅延量設定手段と、前記遅延量設定手段によって設定されたタイミングでサンプリングされた前記2系統のAD変換手段からの検出信号の差分を画像構成用の信号値として出力する差分演算部を有する。
また、本発明のレーザ走査型顕微鏡装置においては、好ましくは、前記遅延量設定手段は、前記2系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、互いにパルスレーザの発振周波数の半周期分ずれるように調整する。
また、本発明のレーザ走査型顕微鏡装置においては、好ましくは、前記遅延量設定手段は、前記2系統のAD変換手段のうち、第1の系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、該第1の系統のAD変換手段からの検出信号が最大となるように調整し、且つ、第2の系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、該第2の系統のAD変換手段からの検出信号が最小となるように調整する。
本発明によれば、異なる観察条件に対して、煩雑な調整をすることなく、画像構成に最適なタイミングで検出信号をサンプリングすることができ、さらには、検出信号のコントラストを最大化し、暗ノイズを差し引く等して、画質を向上させることの可能なレーザ走査型観察装置が得られる。
また、本発明によれば、AC結合型増幅器を用いても、検出信号の強度を大きく検出でき、画質を向上させることの可能なレーザ走査型顕微鏡装置が得られる。
従来の一般的なレーザ走査型顕微鏡の構成例を示す説明図である。 特許文献1に記載のレーザ走査型顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。 光検出器が出力した検出信号をAC結合型増幅器で増幅するタイプのレーザ走査型顕微鏡の概略構成並びにパルスレーザの発振波形、光検出部で光電変換して出力される電流信号の波形及びAC結合型増幅器で増幅された電圧信号の波形を概念的に示す説明図である。 本発明のレーザ走査型顕微鏡装置における、AC結合型増幅器で増幅された電圧信号を用いた画像構成用信号の出力処理を概念的に示す説明図である。 本発明の第1実施形態にかかるレーザ走査型観察装置の概略構成を示すブロック図である。 図5のレーザ走査型観察装置における検出部で光電変換して出力される電気信号と、パルスレーザの発振に同期した同期信号、及び同期信号を遅延させるタイミングの一例を示す説明図である。 図5のレーザ走査型観察装置におけるパルスレーザの発振、光検出部が光電変換して出力した電気信号、パルスレーザの発振に同期した同期信号、同期信号から所定の時間遅延して出力されるトリガ信号(サンプリングクロック)のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 図5のレーザ走査型観察装置における、検出信号をサンプリングするタイミングを最適化する遅延時間の設定手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態にかかるレーザ走査型観察装置の概略構成を示すブロック図である。 図9のレーザ走査型観察装置におけるパルスレーザの発振、光検出部が光電変換して出力した電気信号、パルスレーザの発振に同期した同期信号、同期信号から所定の時間遅延して出力されるトリガ信号(サンプリングクロック)のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 本発明の第3実施形態にかかるレーザ走査型観察装置の概略構成を示すブロック図である。 図11のレーザ走査型観察装置に備わる遅延光路部の一例を示す説明図である。 図11のレーザ走査型観察装置における図12の遅延光路部により生じるパルスレーザの時間遅延を示す説明図で、(a)は遅延光路部の第1の光路を通るパルスレーザ、(b)は遅延光路部の第2の光路を通って時間遅延を生じたパルスレーザ、(c)は遅延光路部の第3の光路を通って時間遅延を生じたパルスレーザ、(d)は遅延光路部の第4の光路を通って時間遅延を生じたパルスレーザ、(e)は遅延光路部の第1〜第4の光路を通ることより、逓倍化した周期を形成したパルス列を示す図である。 本発明の第4実施形態にかかるレーザ走査型顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 図14のレーザ走査型顕微鏡装置における要部構成を示すブロック図である。 図14のレーザ走査型顕微鏡装置におけるパルスレーザの発振、光検出部が光電変換して出力した電気信号、パルスレーザの発振に同期した同期信号、同期信号から所定の時間遅延して出力される第1の系統のAD変換手段でサンプリングさせるためのサンプリングクロック、同期信号から所定の時間遅延して出力される第2の系統のAD変換手段でサンプリングさせるためのサンプリングクロックのタイミングチャートの一例を示す説明図である。 図14のレーザ走査型顕微鏡装置における、2系統のAD変換手段の夫々で検出信号をサンプリングするタイミングを最適化する遅延時間の設定手順の一例を示すフローチャートである。 上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)に備わるサンプリングクロック発生手段における、サンプリングクロックに用いられるモニタ信号等に含まれるノイズを低減するための概略構成を示すブロック図である。 図18のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のサンプリングクロック発生手段に備わる素子の組み合わせの例を示す説明図で、(a)はその一例を示す図、(b)は他の例を示す図、(c)はさらに他の例を示す図である。 図18のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)を用いたパルスレーザの発振からサンプリングクロックの発生までに発せられる夫々の光の波形を示す説明図で、(a)はパルスレーザ発振手段により発振されたパルスレーザの光の波形を示す図、(b)はパルスレーザ発振手段がパルスレーザを発振したときにパルスレーザ発振手段から発せられるモニタ信号の波形を示す図、(c)は(b)のモニタ信号が同期信号発生手段に備わる高倍率アンプ及び帯域フィルタを経由後の波形を示す図、(d)は(c)の信号が遅延回路部に備わるクロック素子に入力後、クロック素子から発振したサンプリングクロックの波形を示す図である。 上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)に備わるサンプリングクロック発生手段における、PLL機能を有するクロック手段が、PLL機能で追従可能な周波数範囲を超える広い周波数範囲を連続させて追従させることができるようにするための概略構成を示すブロック図である。 PLL機能を有するクロック素子の概略構成を示す説明図で、(a)はPLL発振器の基本構成を示すブロック図、(b)はPLL周波数シンセサイザの基本構成を示すブロック図である。 図21のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のサンプリングクロック発生手段の構成を示すブロック図である。 図21のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のサンプリングクロック発生手段におけるロック状態探査制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 図21のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるサンプリングクロック発生手段におけるロック状態探査制御処理手順の他の例を示すフローチャートである。 上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)における、画素に対するレーザの照射時間が変動しても、煩雑な操作をすることなく、画素ごとの明るさのバラツキをなくして、画質を向上させることができるようにするための概略構成を示すブロック図である。 レーザ走査型顕微鏡装置における走査手段による被検体に対するレーザの照射点を、共振現象を利用して走査する状態を概念的に示す説明図である。 図27に示すレーザ走査型顕微鏡装置におけるレーザの照射点の走査位置に対する走査速度及び加算されるサンプリングされた検出信号のデータ数を示す説明図で、(a)はレーザの照射点の動きを概念的に示す図、(b)は(a)のレーザの照射点の動きを時間に対する走査位置で示すグラフ、(c)は(a)のレーザの照射点の動きを時間に対する走査速度で示すグラフ、(d)は画像化範囲内における所定の走査点に対応した時間に対する加算されるサンプリングされた検出信号のデータ数を示すグラフである。 図26のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)の要部構成を示す説明図である。 除数2〜16を2の累乗分の1の分数を加算した式で表示した例を示す説明図である。 図29に示す除算回路の構成例を示す説明図で、(a)は2の累乗で除算した結果を2進表示で1ビット右へシフトしたレジスタを示す説明図、(b)は除数に応じて(a)のレジスタを組み合せて加算した例を示す説明図である。 図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるサンプリングクロック、サンプリングされた検出信号、ピクセルクロック、累積加算される検出信号データ、累積加算カウンタ、累積加算された検出信号データ、累積加算カウント数、累積加算された検出信号データを累積加算カウント数で除算した1画素あたりの検出信号の平均値を示すタイミングチャートである。
実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明のレーザ走査型観察装置は、被検体を照射するためのパルスレーザを発振するパルスレーザ発振手段と、前記被検体からの光を受光し、検出信号を出力する光検出部と、前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知し、該パルスレーザの発振に同期した同期信号を出力する同期信号発生手段と、前記同期信号発生手段が出力した前記同期信号を任意の時間遅延させ、トリガ信号を出力する遅延回路部と、前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期して、前記光検出部が出力した検出信号をサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリング手段がサンプリングした前記検出信号を蓄積するメモリ部と、を備えたレーザ走査型観察装置において、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を、該同期信号の1周期以内に少なくとも2以上の段階に設定可能な多段遅延設定部と、前記多段遅延設定部が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期し、前記サンプリング手段によりサンプリングされ前記メモリ部に蓄積された、各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、画像構成に最適な遅延段階を判定する判定部と、を備え、前記多段遅延設定部は、前記判定部が判定した前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間として設定し、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を該画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間に固定して観察を行えるようにしている。
本発明のレーザ走査型観察装置のように、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を、該同期信号の1周期以内に少なくとも2以上の段階に設定可能な多段遅延設定部を備えれば、検出信号を少なくとも2通り以上のタイミングでサンプリングすることができ、製品バラツキ、観察環境の違い、被検体の種類や状態の違い等により検出信号の強度が最大となるタイミングが、設計上のタイミングと異なっていても、より高精度に、検出信号のサンプリングに最適なタイミングを選択できる。
また、前記多段遅延設定部が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期し、前記サンプリング手段によりサンプリングされ前記メモリ部に蓄積された、各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、画像構成に最適な遅延段階を判定する判定部を備えれば、検出信号のサンプリングに最適なタイミングを自動的に選択することができる。
また、前記多段遅延設定部を、前記判定部が判定した前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間として設定し、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を該画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間に固定して観察を行えるように構成すれば、判定部で選択したサンプリングに最適なタイミングで、検出信号を自動的にサンプリングすることができる。
このため、本発明のレーザ走査型観察装置によれば、異なる観察条件に対して、煩雑な調整をすることなく、画像構成に最適なタイミングで検出信号をサンプリングすることができる。
なお、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記判定部は、前記メモリ部に蓄えられた各遅延段階での前記検出信号の強度データが最大となる遅延段階を、前記画像構成に最適な遅延段階として判定する。
また、本発明のレーザ走査型観察装置において、更に、前記多段遅延設定部及び前記判定部による前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間の設定処理を新規に行わせる、遅延設定スイッチを備えれば、例えば、実験室や被検体等の観察条件を変えたときであっても、操作者が簡単な操作をするだけで、検出信号を画像構成に最適なタイミングでサンプリングすることができる。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、更に、前記パルスレーザ発振手段から発振される前記パルスレーザの前記被検体への照射のONとOFFとを切り替えるON−OFF切替部を備え、前記判定部は、前記画像構成に最適な遅延段階の判定に際し、前記ON−OFF切替部がONのときとOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いる。
このようにすれば、パルスレーザが被検体へ照射されていないときの検出信号の強度も検出することが可能となり、コントラスト値や暗ノイズ等、検出信号の強度以外の要因を加えて判定した画質の向上に最適なサンプリングタイミングに調整することができ、さらには、画像を構成する際に暗ノイズを除去することで、画質をより一層向上させることができるようになる。
なお、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記判定部は、更に、前記ON−OFF切替部がONのときとOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、該検出信号のコントラスト値を計算する。
このようにすれば、コントラストが最大化する検出信号のタイミングを画像構成に最適なタイミングとして判定することが可能となり、画質を向上させることができる。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記判定部は、更に、前記ON−OFF切替部がOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、暗ノイズを検出する。
このようにすれば、サンプリングタイミングの調整と併行して、各タイミング設定時の暗ノイズ値を計測し、画像を構成する際に、その暗ノイズを除去して画質をより一層向上させることが可能となる。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、更に、前記パルスレーザ発振手段から発振された前記パルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、前記パルスレーザ発振手段から発振される該パルスレーザの周期を逓倍した周期にして該パルスレーザを前記被検体へ照射する遅延光路部を有するとともに、前記ON−OFF切替部を、前記遅延光路部において分岐された少なくとも1つの光路上に備え、前記パルスレーザ発振手段からの該パルスレーザの発振の1周期以内に前記ON−OFF切替部のONとOFFとが切り替わるようにする。
このようにすれば、被検体へのレーザ照射のON−OFF切替を高速に行うことが可能となるとともに、画像構成に最適なタイミングで検出信号をサンプリングするための一連の処理を高速に行うことができ、フレーム間処理等において、サンプリングタイミングを最適化させて、動画の解像度を向上させることが可能となる。
なお、本願のレーザ走査型観察装置には、例えば、レーザ走査型顕微鏡やレーザ走査型内視鏡が含まれる。また、被検体からの光としては、例えば、反射光、蛍光、散乱光等が該当する。
また、本発明のレーザ走査型観察装置においては、好ましくは、前記同期信号発生手段と前記遅延回路部とで、前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知した信号を前記パルスレーザ発振手段の発振モードに同期するサンプリングクロックを出力するサンプリングクロック発生手段をなし、更に、前記光検出部が出力した検出信号を増幅して出力するAC結合型増幅器を有し、前記サンプリング手段は、前記サンプリングクロック発生手段が出力したサンプリングクロックに同期して、前記AC結合型増幅器が増幅して出力した検出信号をサンプリングし、更に、前記サンプリング手段がサンプリングした検出信号を用いて画像構成用の信号値を出力する処理部を有するレーザ走査型顕微鏡装置であって、前記サンプリング手段は、2系統のAD変換手段を有し、前記処理部は、前記サンプリング手段がサンプリングした前記検出信号を蓄積する前記メモリ部と前記判定部とからなる、前記2系統のAD変換手段の夫々におけるサンプリングのタイミングの遅延量を前記夫々の系統ごとに調整して設定可能な遅延量設定手段と、前記遅延量設定手段によって設定されたタイミングでサンプリングされた前記2系統のAD変換手段からの検出信号の差分を画像構成用の信号値として出力する差分演算部を有する。
光検出器が出力した検出信号をAC結合型増幅器で増幅するタイプのレーザ走査型顕微鏡では、例えば、図3に示すように、サンプル(被検体)にレーザを照射し、サンプルからの光を光検出部で電流信号に変換し、AC結合型増幅器で増幅して電圧信号を出力する。そして、出力された信号をサンプリングし、サンプリングした信号に対し所定の画像化処理を施して画像信号を出力する。
ここで、光検出器で出力した検出信号(電流信号)をAC結合型増幅器で増幅して電圧信号として出力すると、出力信号はDC成分が除去されたものとなる。このため、増幅された検出信号の大きさ(波高値)が、本来の波高値の半分の値になってしまう。
増幅された検出信号の大きさが本来の波高値の半分の値になると、例えば、微弱な蛍光を検出するような場合、隣接波の波高値の影響を大きく受けて、画質の精度が低下するおそれがある。
そこで、増幅された検出信号の大きさを2倍にすることも考えられるが、図3に概念的に示すように、検出信号は、形成する一つの波形ごとに大きさのバラツキがあり、しかも、AC結合型増幅器で増幅出力されることによって除去されるDC成分は平均値である。このため、各波形における検出信号の信号値を2倍しても、本来の波高値との誤差が大きくなり、精度の高い画質を得ることが難しい。
しかるに、本発明のレーザ走査型顕微鏡装置のように、サンプリング手段が、2系統のAD変換手段を有し、処理部が、2系統のAD変換手段の夫々におけるサンプリングのタイミングの遅延量を夫々の系統ごとに調整して設定可能な遅延量設定手段と、前記遅延量設定手段によって設定されたタイミングでサンプリングされた2系統のAD変換手段からの検出信号の差分を画像構成用の信号値として出力する差分演算部を有すれば、図4に示すように、第1の系統のAD変換手段が、AC結合型増幅器で増幅して出力された電圧信号の波形がピークとなるタイミングでサンプリングするとともに、第2の系統のAD変換手段が、AC結合型増幅器で増幅して出力された電圧信号の波形がディップとなるタイミングでサンプリングし、差分演算部が、夫々の系統でサンプリングされた信号の差分を取ることによって、AC結合型増幅器で増幅された検出信号の大きさ(波高値)が、本来の波高値の半分の値となっても、本来の波高値を得ることができる。その結果、例えば、微弱な蛍光を検出するような場合であっても、隣接波の波高値の影響が小さくなり、画質の精度が向上する。
また、本発明のレーザ走査型顕微鏡装置においては、好ましくは、前記遅延量設定手段は、前記2系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、互いにパルスレーザの発振周波数の半周期分ずれるように調整する。
このようにすれば、例えば、第1の系統のAD変換手段がAC結合型増幅器で増幅して出力された電圧信号の波形が略ピークとなるタイミングでサンプリングし易くなるとともに、第2の系統のAD変換手段がAC結合型増幅器で増幅して出力された電圧信号の波形が略ディップとなるタイミングでサンプリングし易くなる。
なお、本発明のレーザ走査型顕微鏡装置においては、好ましくは、前記遅延量設定手段は、前記2系統のAD変換手段のうち、第1の系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、該第1の系統のAD変換手段からの検出信号が最大となるように調整し、且つ、第2の系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、該第2の系統のAD変換手段からの検出信号が最小となるように調整する。
このようにすれば、AC結合型増幅器で増幅されて出力される検出信号を用いても、本来の波高値を高精度に得ることができ、画質の精度を一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
第1実施形態
図5は本発明の第1実施形態にかかるレーザ走査型観察装置の概略構成を示すブロック図である。図6は図5のレーザ走査型観察装置における検出部で光電変換して出力される電気信号と、パルスレーザの発振に同期した同期信号、及び同期信号を遅延させるタイミングの一例を示す説明図である。図7は図5のレーザ走査型観察装置におけるパルスレーザの発振、光検出部が光電変換して出力した電気信号、パルスレーザの発振に同期した同期信号、同期信号から所定の時間遅延して出力されるトリガ信号(サンプリングクロック)のタイミングチャートの一例を示す説明図である。図8は図5のレーザ走査型観察装置における、検出信号を読み出すタイミングを最適化する遅延時間の設定手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のレーザ走査型観察装置は、図5に示すように、パルスレーザ発振手段11と、光検出部12と、同期信号発生手段13と、遅延回路部14と、サンプリング手段15と、メモリ部16と、多段遅延設定部17と、判定部18と、遅延設定スイッチ19を有している。なお、図5中、20はメモリ部16から取り出したデジタル信号の強度を画素値としてデジタル画像を構成する画像構成部、30は被検体(サンプル)である。
パルスレーザ発振手段11は、被検体30を照射するためのパルスレーザを発振するレーザ装置で構成されている。
光検出部12は、例えば、フォトディテクタ、フォトマルチプライヤ、CCDイメージャ、CMOSイメージャなどで構成され、パルスレーザ発振手段11から発振されたパルスレーザを被検体30に照射したときの被検体30からの光を受光し、光電変換してアナログの電気信号を検出信号として出力する。なお、光検出部12は、I/V変換器や増幅器による信号変換機能を内蔵したものでもよい。
同期信号発生手段13は、例えば、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振と同期した電気信号として出力されるトリガ出力信号、あるいはパルスレーザの一部を例えばフォトディテクタやフォトマルチプライヤなどにより光電変換した電気信号を用いてパルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知し、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振と同期したクロック信号を出力する。
遅延回路部14は、同期信号発生手段13が出力したクロック信号を、任意の時間として、多段遅延設定部17から与えられた遅延時間(Δt)遅延させ、トリガ信号を出力する。遅延回路部14は、例えば、遅延素子を複数組み合わせて所望の遅延時間を選択可能に構成してもよいし、ソフトウェアやFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いてデジタル信号処理にて、所望の遅延時間だけ遅延させたトリガ信号を出力させるように構成してもよい。
そして、同期信号発生手段13と遅延回路部14とで、サンプリングクロック発生手段24を構成し、サンプリングクロック発生手段24は、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号をパルスレーザ発振手段11の発振モードに同期するサンプリングクロックを出力する。
サンプリング手段15は、遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期し、光検出部12が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換してサンプリングする機能を備えたA/D変換部で構成されている。
メモリ部16は、処理部25に備えられており、サンプリング手段15がサンプリングしたデジタル信号を蓄積(記憶)する。
多段遅延設定部17は、遅延回路部14が遅延させるクロック信号の遅延時間(Δt)を、クロック信号の1周期以内に少なくとも2以上の段階に設定する制御を行う。遅延回路部14は、多段遅延設定部17からの制御信号によってクロック信号の遅延時間が変化する構成となっている。なお、多段遅延設定部17からの制御信号は、アナログ信号・デジタル信号のいずれでも構わない。また、多段遅延設定部17は、遅延設定時に遅延回路部14に設定する遅延段階の数及び遅延時間は、製造段階で設定されたものでもよいし、図示省略した外部入力手段を介して任意に設定することができるように構成されていてもよい。
判定部18は、処理部25に備えられており、多段遅延設定部17が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期し、サンプリング手段15によりサンプリングされメモリ部16に蓄積(記憶)された、各遅延段階でのデジタル信号の強度データを比較し、画像構成に最適な遅延段階(遅延時間)を判定する。
詳しくは、判定部18は、例えば、図6に示すように、メモリ部16に蓄積(記憶)された検出信号を、多段遅延設定部17が設定した遅延段階(図6の例では、Δt1、Δt2、Δt3、Δt4)ごとに比較し、画像構成に最も適した遅延段階(検出信号をサンプリングするタイミング)を判定し、判定結果の遅延段階(例えば、図6の例において、多段遅延設定部17が設定した遅延段階のうちで最も検出信号の強度が大きい遅延段階Δt2)を伝える信号を、多段遅延設定部17へ送出する。
多段遅延設定部17は、判定部18が判定した画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、遅延回路部14が遅延させるクロック信号の遅延時間として設定する。
遅延設定スイッチ19は、操作者の操作により、随時、多段遅延設定部17及び判定部18による画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間の設定処理を新規に行わせることができるように構成されている。
このように構成された第1実施形態のレーザ走査型観察装置における遅延時間の設定手順を、図8を用いて説明する。
操作者が遅延設定スイッチ19をONにする(ステップS1)。すると、多段遅延設定部17及び判定部18が、遅延段階の設定処理を新規に開始する。
詳しくは、多段遅延設定部17が、設定されるべき複数段階の遅延段階Δtn(nは自然数)を遅延回路部14に設定する(ステップS3)。すると、遅延回路部14は、同期信号発生手段13が出力した同期信号を、多段遅延設定部17により設定された遅延段階Δtnに相当する時間、遅延させ、トリガ信号を出力する。
次いで、サンプリング手段15が、遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期して、光検出部12が出力したデジタルの検出信号をサンプリングする。そして、メモリ部16が、サンプリング手段15がサンプリングした検出信号を蓄積(記憶)する(ステップS4)。
これらステップS3〜ステップS4の処理を、遅延段階Δtnが最終段階に到達するまで繰り返す(ステップS5,S6)。
遅延段階Δtnが最終段階に到達したとき、判定部18が、メモリ部16に蓄積された各遅延段階での検出信号の強度データを比較し、検出信号の強度が最大となる遅延段階n_maxを、画像構成に最適な遅延段階として判定する(ステップS7)。
次いで、多段遅延設定部17が、判定部18が判定した画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、遅延回路部14が遅延させるクロック信号の遅延時間Δtn_maxとして設定する(ステップS8)。これにより、多段遅延設定部17、判定部18による遅延段階設定処理が終了する。これ以降の観察においては、遅延回路部14は、観察に最適な遅延時間(例えばΔt2)に設定が固定される。
第1実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、遅延回路部14が遅延させる同期信号の遅延時間を、同期信号の1周期以内に少なくとも2以上の段階に設定可能な多段遅延設定部17を備えたので、遅延時間(Δt)をパルスレーザ発振の周期内(言い換えれば、クロック信号の1周期以内)で少なくとも2通り以上に変化させるので、光電変換した電気信号の波形を、少なくとも2通り以上のタイミングでサンプリングすることができる。その結果、製品バラツキ、観察環境の違い、被検体30の種類や状態の違い等により検出信号の強度が最大となるタイミングが、設計上のタイミングと異なっていても、より高精度に、検出信号のサンプリングに最適なタイミングを選択できる。
また、本実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、多段遅延設定部17が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期し、サンプリング手段15によりサンプリングされメモリ部16に蓄積された、各遅延段階での検出信号の強度データを用いて、画像構成に最適な遅延段階を判定する判定部18を備えたので、検出に最適なタイミングを自動的に選択することができる。
また、多段遅延設定部17を、判定部18が判定した画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、遅延回路部14が遅延させる同期信号の遅延時間として設定し、遅延回路部14が遅延させる同期信号の遅延時間を画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間に固定して観察を行えるように構成したので、判定部18で選択した検出に最適なタイミングで、検出信号を自動的にサンプリングすることができる。
このため、本実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、異なる観察条件に対して、操作者は、煩雑な調整をすることなく、画像構成に最適なタイミングで検出信号をサンプリングすることができる。
また、本実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、多段遅延設定部17及び判定部18による画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間の設定処理を新規に行わせる、遅延設定スイッチ19を備えたので、例えば、実験室や被検体等の観察条件を変えたときであっても、操作者が簡単な操作をするだけで、検出信号を画像構成に最適なタイミングでサンプリングすることができる。
第2実施形態
図9は本発明の第2実施形態にかかるレーザ走査型観察装置の概略構成を示すブロック図である。図10は図9のレーザ走査型観察装置におけるパルスレーザの発振、光検出部が光電変換して出力した電気信号、パルスレーザの発振に同期した同期信号、同期信号から所定の時間遅延して出力されるトリガ信号(サンプリングクロック)のタイミングチャートの一例を示す説明図である。なお、図5と構成が同じものについては、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態のレーザ走査型観察装置は、図9に示すように、図5に示した第1実施形態のレーザ走査型観察装置の構成に加えて、パルスレーザ発振手段11に、ON−OFF切替部21を備え、ON−OFF切替部21のOFF時に、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの被検体30への照射を一時停止し、その間にも光検出部12による光電変換を続けることができるように構成されている。
ON−OFF切替部21は、例えば、シャッタ等、光の遮断と光の通過とを切り替え可能な遮光部材で構成されており、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの被検体30への照射のONとOFFとを切り替える。
判定部18は、画像構成に最適な遅延段階の判定に際し、ON−OFF切替部21がONのときとOFFのときの多段遅延設定部17が設定した各遅延段階での検出信号の強度データを用いる。
詳しくは、判定部18は、更に、ON−OFF切替部21がONのときとOFFのときの多段遅延設定部17が設定した各遅延段階での検出信号の強度データを用いて、検出信号のコントラスト値を計算する。
コントラストの算出式としては、例えば、{(S_on)−(S_off)}/{(S_on)+(S_off)}や、(S_on)/(S_off)などの一般的な式を用いる。ただし、S_onはON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度、S_offはON−OFF切替部21がOFFのときの検出信号の強度である。
ここで、第2実施形態における判定部18の処理を、例えば、多段遅延設定部が遅延段階Δt1、Δt2の2段階の遅延段階を設定した場合について、更に詳しく説明する。
遅延段階Δt1におけるON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度をS_onΔt1、OFFのときの検出信号の強度をS_offΔt1、遅延段階Δt2におけるON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度をS_onΔt2、OFFのときの検出信号の強度をS_offΔt2とする。また、便宜上、ON−OFF切替部21がONのときの遅延段階tn1における検出信号の強度が遅延段階tn2における検出信号の強度に比べて大きい(S_onΔt2<S_onΔt1である場合)ものとする。
第1実施形態のレーザ走査型観察装置では、判定部18は、ON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度が最大となる遅延段階Δt1を画像構成に最適な遅延段階として判定するように構成されている。
これに対し、第2実施形態のレーザ走査型観察装置では、判定部18は、ON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度が最大となる遅延段階を、直ちに画像構成に最適な遅延段階として判定するのではなく、例えば、コントラストが最大となる遅延段階も判定要因に加えて、画像構成に最適な遅延段階を判定する。
例えば、ON−OFF切替部21がOFFのときの遅延段階Δt1における検出信号の強度と遅延段階Δt2における検出信号の強度とに差が生じない(S_offΔt1=S_offΔt2)場合、遅延段階Δt1での検出信号のコントラスト(S_onΔt1)/(S_offΔt1)は、遅延段階Δt2での検出信号のコントラスト(S_onΔt2)/(S_offΔt2)に比べて大きくなる。この場合は、判定部18は、第1実施形態のレーザ走査型観察装置と同様、ON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度が最大となる遅延段階を、画像構成に最適な遅延段階として判定する。
これに対し、例えば、ON−OFF切替部21がOFFのときの遅延段階Δt1における検出信号の強度が遅延段階Δt2における検出信号の強度に比べて大きい(S_offΔt2<S_offΔt1)場合、遅延段階Δt1での検出信号のコントラスト(S_onΔt1)/(S_offΔt1)は、遅延段階Δt2での検出信号のコントラスト(S_onΔt2)/(S_offΔt2)に比べて必ずしも大きくなるとは限らない。
即ち、この場合、ON−OFF切替部21がOFFのときの遅延段階Δt1においては、その直前のON−OFF切替部21がONのときのパルスレーザの照射による検出信号の強度が完全に減衰しきっていないものと考えられる。残存している検出信号の強度にON−OFF切替部21がONのときのパルスレーザの照射による検出信号の強度が重なることにより、検出信号の強度は大きくなるが、コントラストは弱くなる。このため、この遅延段階の信号強度を用いても必ずしも最適な画像を構成するとは限らない。
そして、遅延段階Δt1での検出信号のコントラスト(S_onΔt1)/(S_offΔt1)は、遅延段階Δt2での検出信号のコントラスト(S_onΔt2)/(S_offΔt2)に比べて小さくなる場合がある。この場合、ON−OFF切替部21がOFFのときの遅延段階Δt2においては、遅延段階Δt1に比べて、その直前のON−OFF切替部21がONのときのパルスレーザの照射による検出信号の強度がより一層減衰しているものと考えられる。
このため、遅延段階Δt2において、遅延段階Δt1に比べて、ON−OFF切替部21がONのときの検出信号の強度は小さくても、コントラストが強く、この遅延段階の信号強度を用いた方が最適な画像を構成しうる場合が生じうる。
そこで、第2実施形態のレーザ走査型観察装置では、例えば、判定部18は、ON−OFF切替部21がOFFのときの遅延段階Δt1における検出信号の強度が遅延段階Δt2における検出信号の強度に比べて大きい(S_offΔt2<S_offΔt1)場合、遅延段階Δt1、Δt2のコントラストを比較し、コントラスト大きい方の遅延段階を画像構成に最適な遅延段階として判定するように構成されている。
さらに、光検出部12が出力する検出信号には、パルスレーザの入射によらない、元々、光検出部12に存在する暗電流がノイズとして含まれている。
ここで、サンプリングした検出信号を用いて画像を構成する際に、暗電流を除去すれば、より一層画質を向上させることができることになる。
そこで、判定部18は、更に、ON−OFF切替部21がOFFのときの多段遅延設定部17が設定した各遅延段階での検出信号の強度データを用いて、暗ノイズを検出する。
このように、第2実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、ON−OFF切替部21を備えたので、被検体30にパルスレーザが照射されていないときの、光検出部12により光電変換された電気信号も検出信号としてサンプリングすることが可能となる。また、判定部18では、検出信号の強度の比較だけでなく、パルスレーザの被検体30への照射がONのときとOFFのときの検出信号のコントラストの算出が可能となる。その結果、コントラスト値や暗ノイズ等、検出信号の強度以外の要因を加えて判定した画質の向上に最適なサンプリングタイミングに調整することができる。
また、第2実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、パルスレーザの被検体30への照射がOFFのときの信号値を得ることができるので、非照明時のノイズである暗ノイズの検出も行うことができる。
即ち、サンプリングタイミングの調節と併行して、各タイミング設定時の暗ノイズ値を計測することができる。その結果、画像構成部20にて画像を構成する際に、そのノイズを除去することが可能となり、画質をより一層向上させることが可能となる。
第3実施形態
図11は本発明の第3実施形態にかかるレーザ走査型観察装置の概略構成を示すブロック図である。図12は図11のレーザ走査型観察装置に備わる遅延光路部の一例を示す説明図である。図13は図11のレーザ走査型観察装置における図12の遅延光路部により生じるパルスレーザの時間遅延を示す説明図で、(a)は遅延光路部の第1の光路を通るパルスレーザ、(b)は遅延光路部の第2の光路を通って時間遅延を生じたパルスレーザ、(c)は遅延光路部の第3の光路を通って時間遅延を生じたパルスレーザ、(d)は遅延光路部の第4の光路を通って時間遅延を生じたパルスレーザ、(e)は遅延光路部の第1〜第4の光路を通ることより、逓倍化した周期を形成したパルス列を示す図である。
本実施形態のレーザ走査型観察装置は、図11に示すように、図9に示した第2実施形態のレーザ走査型観察装置の構成に加えて、更に、遅延光路部22を有するとともに、ON−OFF切替部21を、遅延光路部22において分岐された少なくとも1つの光路上に備え、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振の1周期以内にパルスレーザの被検体30への照射のONとOFFとが切り替わるように構成されている。
遅延光路部22は、パルスレーザ発振手段11から発振されたパルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの周期を逓倍した周期にしてパルスレーザを被検体30へ照射するように構成されている。
ここで、遅延光路部22の詳細な構成について図12を用いて説明する。図12は遅延光路部の一例を示す説明図である。なお、図12の例では、遅延光路部22が光路長の異なる4つの光路を備えている。
図12の例の遅延光路部22は、ビームスプリッタ22aと、ミラー22b,22cと、ビームスプリッタ22dと、ミラー22e,22fと、ビームスプリッタ22gを備えている。
ビームスプリッタ22aは、パルスレーザを光路長の異なる2光路(光路A,光路B)に分岐する。ミラー22b,22cは、ビームスプリッタ22aにより分岐された一方の光路(光路B)を通るパルスレーザを他方の光路(光路A)を通るパルスレーザに対し角度2θ偏向するとともに、光路Aと光路Bとの間で光路長差Lが生じるように、光路Bを通るパルスレーザを遅延させるように配置されている。ビームスプリッタ22dは、ビームスプリッタ22aにより分岐された2光路(光路A,光路B)を通るパルスレーザを合波するとともにさらに光路長の異なる2つの光路に分岐する。ミラー22e,22fは、ビームスプリッタ22dにより分岐された一方の光路(光路D)を通るパルスレーザを他方の光路(光路C)を通るパルスレーザに対し角度θ偏向するとともに、光路Cと光路Dとの間で光路長差2Lが生じるように、光路Dを通るパルスレーザを遅延させるように配置されている。ビームスプリッタ22gは、2光路(光路C,光路D)を通るパルスレーザを合波する。
このように構成された第3実施形態のレーザ走査型観察装置に特有の作用効果を、遅延光路部22が図12のように構成された場合について説明する。
パルスレーザ発振手段11より発振されたパルスレーザは、光路A−光路Cを通るパルスレーザP0、光路B−光路Cを通るパルスレーザP1、光路A−光路Dを通るパルスレーザP2、光路B−光路Dを通るパルスレーザP3に分岐される。そして、ここで、パルスレーザの速度をcとすると、パルスレーザP0を基準として、パルスレーザP1は、L/c遅れ、且つ、角度2θ偏向した光となり、パルスレーザP2は、2L/c遅れ、且つ、角度θ偏向した光となり、パルスレーザP3は、3L/c遅れ、且つ、角度3θ偏向した光となる。ここで、光路長差Lをパルスレーザ発振手段11の繰り返し周波数Rに対してL/c=1/4Rを満足するように構成すると、レーザパルス発振手段11から発振されたパルスレーザは、図13(e)に示すように繰り替し周波数4Rに逓倍した周期となって時間多重され、且つ、偏向角度の間隔θで空間多重された光となって被検体30を照射する。
このため、本実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、パルスレーザを1回の発振で4つのパルスレーザに多重化できるため、単位時間当たりの信号取得量が多くなり、画像生成処理を高速化できる。
その結果、一連のフローを高速に行えるため、ユーザが意識することなく、フレーム間処理等において、サンプリングタイミングを最適化させることが可能となる。
また、本実施形態のレーザ走査型観察装置によれば、ON−OFF切替部21を、遅延光路部22において分岐された少なくとも1つの光路上に備えたので、1回のON−OFF切替によって一部の光路のみを遮ることにより、レーザ照射のON−OFF切替を高速に行うことが可能となる。即ち、パルスレーザ発振の1周期の間に、被検体30へのレーザ照射のON−OFF切替を複数回行うことが可能となる。また、多重化されるパルスレーザについてのコントラストや暗ノイズを検出し、構成される画像の質を向上させることができる。
なお、図12の遅延光路部22は一例にすぎず、異なる光路での光路長の違いから、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの周期を逓倍した周期にしてパルスレーザを被検体30へ照射する構成であれば、どのような構成でもよい。例えば、本件出願人の出願によるWO/2011052248公開公報に記載のその他の構成を用いてもよい。
第4実施形態
図14は本発明の第4実施形態にかかるレーザ走査型顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。図15は図14のレーザ走査型顕微鏡装置における要部構成を示すブロック図である。図16は図14のレーザ走査型顕微鏡装置におけるパルスレーザの発振、光検出部が光電変換して出力した電気信号、パルスレーザの発振に同期した同期信号、同期信号から所定の時間遅延して出力される第1の系統のAD変換手段でサンプリングさせるためのサンプリングクロック、同期信号から所定の時間遅延して出力される第2の系統のAD変換手段でサンプリングさせるためのサンプリングクロックのタイミングチャートの一例を示す説明図である。図17は図14のレーザ走査型顕微鏡装置における、2系統のAD変換手段の夫々で検出信号をサンプリングするタイミングを最適化する遅延時間の設定手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置は、図14に示すように、パルスレーザ発振手段11と、光検出部12と、AC結合型増幅器23と、サンプリングクロック発生手段24と、サンプリング手段15’と、処理部25と、多段遅延設定部17を有している。なお、図14中、20は処理部25に備わる画像構成用メモリ部25b(図15参照)から取り出したデジタル信号の強度を画素値としてデジタル画像を構成する画像構成部、30は被検体(サンプル)である。
パルスレーザ発振手段11、光検出部12は、第1実施形態〜第3実施形態の走査型観察装置におけるパルスレーザ発振手段11、光検出部12と略同様に構成されている。
サンプリングクロック発生手段24は、同期信号発生手段13と遅延回路部14を有している。
同期信号発生手段13、遅延回路部14は、第1実施形態〜第3実施形態の走査型観察装置における同期信号発生手段13、遅延回路部14と略同様に構成されている。
多段遅延設定部17は、第1実施形態〜第3実施形態の走査型観察装置における多段遅延設定部17と略同様に構成されている。
AC結合型増幅器23は、光検出部12が出力した電流信号を増幅し、電圧信号として出力する。
サンプリング手段15’は、遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期し、光検出部12が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換してサンプリングする機能を2系統備えたA/D変換手段15a’を有して構成されている。
処理部25は、図15に示すように、差分演算部25aと画像構成用メモリ部25bと、遅延量設定手段25cを有している。
差分演算部25aは、遅延量設定手段25cによって設定されたタイミングでサンプリングされた2系統のAD変換手段15a’からの検出信号(S1n_max、S2n_min:n_max、n_minは自然数)の差分を画像構成用の信号値として出力する。
画像構成用メモリ部25bは、差分演算部25aが出力した2系統のAD変換手段15a’からの検出信号の差分(|S1n_max−S2n_min|)を蓄積(記憶)する。
遅延量設定手段25cは、変換信号用メモリ部25c−1と判定部25c−2を有している。
変換信号用メモリ部25c−1は、2系統のAD変換手段15a’からの検出信号(S1n、S2n:nは自然数)を蓄積(記憶)する。
判定部25c−2は、多段遅延設定部17が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期し、2系統のAD変換手段15a’の夫々にサンプリングされ、変換信号用メモリ部25c−1に蓄積(記憶)された、各遅延段階でのデジタル信号の強度データを夫々の系統ごとに比較し、画像構成に最適な遅延段階(遅延時間)を判定する。
詳しくは、判定部25c−2は、例えば、図17に示すように、第1系統及び第2系統の夫々において、変換信号用メモリ部25c−1に蓄積(記憶)された検出信号を、多段遅延設定部17が設定した遅延段階ごとに比較し、画像構成に最も適した遅延段階(第1系統及び第2系統の夫々におけるAD変換手段15a’が検出信号をサンプリングするタイミング)を判定し、判定結果の遅延段階(例えば、図17の例において、第1系統のサンプリングタイミングとして、多段遅延設定部17が設定した遅延段階のうちで最も検出信号の強度が大きい遅延段階Δtn_maxと、第2系統のサンプリングタイミングとして、多段遅延設定部17が設定した遅延段階のうちで最も検出信号の強度が小さい遅延段階Δtn_min)を伝える信号を、多段遅延設定部17へ送出する。
このような構成により、遅延量設定手段25cは、2系統のAD変換手段15a’の夫々におけるサンプリングのタイミングの遅延量を夫々の系統ごとに調整して設定する。
なお、図17の例では、最も検出信号の強度が大きい遅延段階Δtn_maxと最も検出信号の強度が小さい遅延段階Δtn_minとを、2系統のAD変換手段15a’のサンプリングのタイミングとして調整して設定するようにしたが、遅延量設定手段25cは、2系統のAD変換手段15a’のサンプリングのタイミングの遅延量を、互いにパルスレーザの発振周波数の半周期分ずれるように調整して設定するようにしてもよい。
多段遅延設定部17は、判定部25c−2が判定した画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、遅延回路部14が遅延させるクロック信号の遅延時間として設定する。
なお、本実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置では、さらに図示しない遅延設定スイッチが多段遅延設定部17及び判定部25c−2に接続されており、操作者の操作により、随時、多段遅延設定部17及び判定部25c−2による画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間の設定処理を新規に行わせることができるように構成されている。
このように構成された第4実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置おける遅延時間の設定手順を、図17を用いて説明する。
操作者が図示しない遅延設定スイッチをONにする(ステップS11)。すると、多段遅延設定部17及び判定部25c−2が、2つの系統のサンプリングタイミングについて、夫々の系統ごとに、遅延段階の設定処理を新規に開始する。
詳しくは、多段遅延設定部17が、設定されるべき複数段階の遅延段階Δtn(nは自然数)を遅延回路部14に設定する(ステップS131、S132)。すると、遅延回路部14は、同期信号発生手段13が出力した同期信号を、多段遅延設定部17により設定された遅延段階Δtnに相当する時間、遅延させ、トリガ信号を出力する。
第1系統及び第2系統のAD変換手段15a’は、夫々、遅延回路部14が出力したトリガ信号に同期して、光検出部12が出力したデジタルの検出信号をサンプリングする。そして、処理部25の変換信号用メモリ部25c−1が、第1系統及び第2系統のAD変換手段15a’によりサンプリングされた検出信号を蓄積(記憶)する(ステップS141、S142)。
これらステップS131、S132〜ステップS141、S142の処理を、遅延段階Δtnが最終段階に到達するまで繰り返す(ステップS151,S152、S161,S162)。
遅延段階Δtnが最終段階に到達したとき、判定部25c−2が、変換信号用メモリ部25c−1に蓄積された各遅延段階での検出信号の強度データを比較する。そして、判定部25c−2は、第1系統では、検出信号の強度が最大となる遅延段階n_maxを、画像構成に最適な遅延段階として判定する(ステップS171)。また、判定部25c−2は、第2系統では、検出信号の強度が最小となる遅延段階n_minを、画像構成に最適な遅延段階として判定する(ステップS172)。
次いで、多段遅延設定部17が、判定部25c−2が判定した画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、遅延回路部14が遅延させるクロック信号の遅延時間Δtn#max、Δtn#minとして設定する(ステップS181、S182)。これにより、多段遅延設定部17、判定部25c−2による遅延段階設定処理が終了する。これ以降の観察においては、遅延回路部14は、観察に最適な遅延時間(図16の例では、第1系統ではΔt1、第2系統ではΔt2)に設定が固定される。
AD変換手段15a’は、夫々の系統において、遅延回路部14に固定された夫々の遅延時間(Δt1、Δt2)に基づくサンプリングクロックに同期して、光検出部12が出力し、AC結合型増幅器23が増幅して出力したアナログの検出信号をデジタル信号に変換する。
差分演算部25aは、夫々の系統においてAD変換手段15a’により変換された夫々の検出信号の差分を演算し、画像構成用の信号値として出力する。出力された画像構成用の信号値は画像構成用メモリ部25bに蓄積(記憶)される。
画像構成部20は、画像構成用メモリ部25bから取り出したデジタル信号の強度を画素値としてデジタル画像を構成する。
第4実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置によれば、サンプリング手段15’が、パルスレーザの発振周波数に同期してサンプリングする、2系統のAD変換手段15a’を有し、処理部16が、2系統のAD変換手段15a’の夫々におけるサンプリングのタイミングの遅延量を夫々の系統ごとに調整して設定可能な遅延量設定手段25cと、遅延量設定手段25cによって設定されたタイミングでサンプリングされた2系統のAD変換手段15a’からの検出信号の差分を画像構成用の信号値として出力する差分演算部25aを有したので、第1の系統のAD変換手段15a’として、AC結合型増幅器23で増幅して出力された電圧信号の波形がピークとなるタイミングでサンプリングするとともに、第2の系統のAD変換手段15a’として、AC結合型増幅器23で増幅して出力された電圧信号の波形がディップとなるタイミングでサンプリングし、夫々の系統でサンプリングした信号の差分を取ることによって、AC結合型増幅器23で増幅された検出信号の大きさ(波高値)が、本来の波高値の半分の値となっても、本来の波高値を得ることができる。その結果、例えば、微弱な蛍光を検出するような場合であっても、隣接波の波高値の影響が小さくなり、画質の精度が向上する。
また、第4実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置によれば、遅延量設定手段25cは、2系統のAD変換手段15a’のうち、第1の系統のAD変換手段15a’のサンプリングのタイミングの遅延量を、第1の系統のAD変換手段15a’からの検出信号が最大となるように調整し、且つ、第2の系統のAD変換手段15a’のサンプリングのタイミングの遅延量を、第2の系統のAD変換手段15a’からの検出信号が最小となるように調整するようにしたので、AC結合型増幅器23で増幅されて出力される検出信号を用いても、本来の波高値を高精度に得ることができ、画質の精度を一層向上させることができる。
また、第4実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置においては、遅延量設定手段25cは、2系統のAD変換手段15a’のサンプリングのタイミングの遅延量を、互いにパルスレーザの発振周波数の半周期分ずれるように調整してもよい。
このようにすれば、例えば、第1の系統のAD変換手段15a’がAC結合型増幅器23で増幅して出力された電圧信号の波形が略ピークとなるタイミングでサンプリングし易くなるとともに、第2の系統のAD変換手段15a’がAC結合型増幅器23で増幅して出力された電圧信号の波形が略ディップとなるタイミングでサンプリングし易くなる。
なお、第4実施形態のレーザ走査型顕微鏡装置は、第1実施形態〜第3実施形態のレーザ走査型観察装置と同様、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの被検体への照射のONとOFFとを切り替えるON−OFF切替部を備えて、サンプリングタイミングを間引いて検出するようにした構成や、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、パルスレーザ発振手段11から発振される該パルスレーザの周期を逓倍した周期にして該パルスレーザを被検体30へ照射する遅延光路部(図示省略)を有し、サンプリングタイミングを逓倍化する構成であっても勿論よい。この場合において、レーザ走査型顕微鏡における処理部25は、好ましくは、サンプリングクロックの逓倍や分周にも対応可能に構成される。
以上、本発明のレーザ走査型観察装置の実施形態について説明したが、上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)は、好ましくは、更に、図18に示すように、サンプリングクロック発生手段24が、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号を整形するクロック素子24cを備えるとともに、高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bを有し、高倍率アンプ24a及び帯域フィルタ24bが、パルスレーザの発振を検知したモニタ信号等から高調波成分などのパルスレーザの発振周波数以外の所定周波数成分を除去した信号をクロック素子24cに送出するように構成されている。そして、これにより、サンプリングクロックとして、パルスレーザに同期するようなモニタ信号等を用いても、サンプリングクロックに用いられるモニタ信号等に含まれるノイズを低減して、蛍光等の検出信号のサンプリングを高精度に行うことができるようになっている。
蛍光等による検出波形のピークを確実に検出するためには、レーザ光源の発振モードに同期するようなサンプリングクロックを用いることが必要である。
しかるに、従来、上述した特許文献1や特開2007−102235号公報に記載のレーザ走査型顕微鏡のように、パルスレーザ発振器からのモニタ信号又は出力レーザ光をハーフミラーで微小量を取り出し光検出器で検出した時間波形信号を、クロック素子を用いて整形することが行われている。
しかし、上記モニタ信号等のパルスレーザの発振を検知した信号には、実際には多くのノイズ成分が含まれている。ノイズ成分が含まれたそのままの信号波形をサンプリングクロックの信号波形として用いるのは、サンプリングクロックとしては実用に適さない。
即ち、パルスレーザの発振を検知した信号のそのままの信号波形は、例えば、ノイズを原因とするピーク波形が不定期で現れたり、パルスのピークがダブルピークになったりする。このため、上記モニタ信号等のそのままの信号波形をクロック素子で整形しても、クロック素子が動作しなかったり、サンプリング手段によるサンプリングのタイミングがずれる等、蛍光等の検出波形のピークを検出することが難しく、光検出部が出力した検出信号をサンプリングするためのサンプリングクロックとしては使用できない。
図18に示す構成は、このような従来の問題点を鑑みて、光検出部が出力した検出信号のサンプリングを行うためのサンプリングクロックとして、パルスレーザに同期するようなモニタ信号等を用いても、サンプリングクロックに用いられるモニタ信号等に含まれるノイズを低減して、蛍光等の検出信号のサンプリングを高精度に行うことの可能なレーザ走査型顕微鏡とすることを目的としたものである。
図18は上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)に備わるサンプリングクロック発生手段における、サンプリングクロックに用いられるモニタ信号等に含まれるノイズを低減するための概略構成を示すブロック図である。図19は図18のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のサンプリングクロック発生手段に備わる素子の組み合わせの例を示す説明図で、(a)はその一例を示す図、(b)は他の例を示す図、(c)はさらに他の例を示す図である。図20は図18のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)を用いたパルスレーザの発振からサンプリングクロックの発生までに発せられる夫々の光の波形を示す説明図で、(a)はパルスレーザ発振手段により発振されたパルスレーザの光の波形を示す図、(b)はパルスレーザ発振手段がパルスレーザを発振したときにパルスレーザ発振手段から発せられるモニタ信号の波形を示す図、(c)は(b)のモニタ信号が同期信号発生手段に備わる高倍率アンプ及び帯域フィルタを経由後の波形を示す図、(d)は(c)の信号が遅延回路部に備わるクロック素子に入力後、クロック素子から発振したサンプリングクロックの波形を示す図である。
サンプリングクロック発生手段24は、例えば、図19(a)に示すように、高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bと、クロック素子24cを備えている。
帯域フィルタ24bは、高倍率アンプ24aの周波数特性に合わせて、LPF、BPF、HPFのいずれか又はこれらのフィルタの組合せで構成されている。なお、図19では説明の便宜上、帯域フィルタ24bをBPFで構成されたものとして示してある。
そして、高倍率アンプ24a及び帯域フィルタ24bは、例えば、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振と同期した電気信号として出力されるトリガ出力信号、あるいはパルスレーザの一部を例えばフォトディテクタやフォトマルチプライヤなどにより光電変換した電気信号など、モニタ信号もしくは出力レーザ光を検出した時間波形信号を用いてパルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号から、例えば、高調波成分などのパルスレーザの発振周波数以外の所定周波数成分を除去する。
クロック素子24cは、発振子若しくはPLL素子またはこれらの組合せで構成されており、高倍率アンプ24a及び帯域フィルタ24bを経た信号を整形し、クロック信号を出力する。
また、クロック素子24cは、ジッタ除去機能を有している。
さらに、クロック素子24cは、広帯域な出力帯域幅を有している。例えば、パルスレーザ発振手段11によるパルスレーザの発振周波数が80MHzである場合、発振周期数の1/1000から1000倍の周波数(数KHzから数GHz)を出力可能に構成されている。
なお、クロック素子24cは、例えば、図19(b)に示すように、ジッタ除去機能を有する第1のクロック素子24c1と、広帯域な出力帯域幅を有する第2のクロック素子24c2とをカスケード接続した構成であってもよい。
また、高倍率アンプ24a及び帯域フィルタ24bは、例えば、図19(c)に示すように、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号(モニタ信号又は出力レーザ光を検出した時間波形信号など)のノイズレベルに対応した、夫々異なる倍率及び透過帯域を持つ複数組の高倍率アンプ24a1(2n)(nは自然数)と帯域フィルタ24b1(2n)(nは自然数)の組合せを、多段配列して備えるとともに、検知した信号のノイズレベルに対応して、検知した信号に最適な倍率及び透過帯域を持つ高倍率アンプ24a1(n)と帯域フィルタ24b1(n)の組合せを通るように、検知した信号の導電路を切り替える切り替え部24dを備えた構成としてもよい。
このようにサンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるパルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号(モニタ信号又は出力レーザ光を検出した時間波形信号など)を整形してサンプリングクロックとして出力する手順を、図20を用いて説明する。
サンプリングクロック発生手段24は、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振と同期した電気信号として出力されるトリガ出力信号、あるいはパルスレーザの一部を例えばフォトディテクタやフォトマルチプライヤなどにより光電変換した電気信号などにより、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振(図20(a)参照)を検知する。検知したときの信号(モニタ信号もしくは出力レーザ光を検出した時間波形信号)は、図20(b)に示すように、パルスレーザの発振周波数成分と高調波成分などのパルスレーザの発振周波数以外の複数の周波数成分とが混在した状態となっている。
この信号を高倍率アンプ24a及び帯域フィルタ24bを通過させる。すると、図20(c)に示すように、ノイズとなる高調波成分などのパルスレーザの発振周波数以外の複数の周波数成分が除去される。この段階では、信号にはジッタとして小さな波形が残っている。
次いで、クロック素子24cを通過させる。すると、図20(d)に示すように信号の小さな波形が除去された状態に整形される。
サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)によれば、サンプリングクロック発生手段24が、高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bを有し、高倍率アンプ24a及び帯域フィルタ24bが、パルスレーザの発振を検知した信号から高調波成分などのパルスレーザの発振周波数以外の所定周波数成分を除去した信号をクロック素子24cに送出するようにしたので、サンプリングクロックの精度が高まり、パルスレーザに同期させた例えば蛍光等の検出信号のAD変換によるサンプリングを高精度に行うことができる。
また、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)によれば、サンプリングクロック発生手段24に備わるクロック素子24c(24c1)が、ジッタ除去機能を有するので、帯域フィルタ24bだけでは、除去しきれないジッタを、クロック素子24c(24c1)を介して除去することができ、高精度なサンプリングクロックが得られる。
なお、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)における検出信号の検出方法としては、例えば、4倍速等の光学系を用いサンプリングタイミングを逓倍化して検出信号を検出する方法や、サンプリングタイミングを間引いて検出信号を検出する方法等も考えられる。このため、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるクロック素子24cとしては、好ましくは、サンプリングクロックの逓倍や分周にも対応可能に構成されたクロック素子を用いる。
また、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、サンプリングクロック発生手段24に備わるクロック素子24cが、広帯域な出力帯域幅を有する。
例えば、パルスレーザ発振手段11によるパルスレーザの発振周波数が80MHzである場合、発振周波数の1/1000から1000倍(数KHzから数GHz)の出力帯域幅を有するクロック素子が好適である。
また、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)において、図19(b)に示すように、サンプリングクロック発生手段24に備わるクロック素子24cを、ジッタ除去機能を有する第1のクロック素子24c1と、広帯域な出力帯域幅を有する第2のクロック素子24c2とをカスケード接続して構成すれば、ジッタ除去機能を有するクロック素子と広帯域な出力帯域幅を有するクロック素子の夫々の選択の幅を広げて高機能化及び低コスト化を図ることができる。
また、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、パルスレーザの発振周波数が、70〜90MHzである。また、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、例えば、帯域フィルタ24bの透過帯域が、好ましくは、10KHz〜発振周波数×1.2程度である。
さらにまた、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)において、図19(c)に示すように、サンプリングクロック発生手段24が、パルスレーザの発振を検知した信号(モニタ信号又は出力レーザ光を検出した時間波形信号など)のノイズレベルに対応した、夫々異なる倍率及び透過帯域を持つ複数組の高倍率アンプ24a1nと帯域フィルタ24b1nとの組合せを、多段配列して備えるとともに、パルスレーザの発振を検知した信号のノイズレベルに対応して、検知した信号に最適な倍率及び透過帯域を持つ高倍率アンプと帯域フィルタの組合せに検知した信号の導電路を切り替える切り替え部24dを備えれば、検知した信号のノイズレベルに応じて、より高精度にノイズを除去したサンプリングクロックを得ることができ、より高精度な蛍光等の検出を行うことができる。
そして、サンプリングクロック発生手段24が図18に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、同期信号発生手段13が、図19(a)に示した高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bと、クロック素子24c、あるいは、図19(b)に示した高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bと、第1のクロック素子24c1、あるいは、図19(c)に示した高倍率アンプ24a1nと帯域フィルタ24b1nの組合せと、クロック素子24cを備えている。そして、例えば、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振と同期した電気信号として出力されるトリガ出力信号、あるいはパルスレーザの一部を例えばフォトディテクタやフォトマルチプライヤなどにより光電変換した電気信号を用いてパルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知し、高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bを介して、検知した信号からノイズを除去し、クロック素子24cを介して、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振と同期したクロック信号を出力する。
なお、同期信号発生手段13は、図19(b)に示した高倍率アンプ24aと、帯域フィルタ24bと、第1のクロック素子24c1を備えた構成とした場合、遅延回路部14は、第2のクロック素子24c2を備えた構成とするとよい。
なお、図18〜図20を用いて説明したレーザ走査型顕微鏡に特徴的な構成は、上記各実施形態を前提としたものに限定されるものではない。
また、上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)は、好ましくは、更に、例えば、図21に示すように、サンプリングクロック発生手段24が、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号をクロック信号へ変換する、PLL機能を有するクロック手段24−aと、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して、PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に設定変更可能な周波数範囲設定手段24−bを有する。そして、これにより、PLL機能を有するクロック手段24−aが、PLL機能で追従可能な周波数範囲を超える広い周波数範囲を連続させて追従させることができるようになっている。
レーザ走査型顕微鏡で使用されるモード同期超短パルスレーザは、温湿度変化や使用する波長の変更により、発振周波数が変化する。このような発振周波数の変化に適応するためには、PLL周波数シンセサイザなどのPLL機能を備えた高精度なクロック素子を用いることが望まれる。
PLL機能を備えたクロック素子は、外部からの操作によって設定された比較信号の周波数に基づき、外部からの入力基準信号に対し、出力信号の位相差が一定となるようにフィードバック制御をかけてクロック信号を発振させる。このため、PLL機能を備えたクロック素子を用いると、パルスレーザの発振周波数が変化してもそれに同期したサンプリングクロックが得られる。
しかし、PLL周波数シンセサイザなどの高精度なクロック素子に用いられるPLL機能は、一般的で安価なものでは外部からの操作によって設定された比較信号の周波数に対して±10ppm程度の周波数範囲しか追従できない。
そのため、モード同期超短パルスレーザの発振周波数が変化したときに、変化した発振周波数がクロック素子の追従可能な周波数範囲を超えて、クロック素子のロック状態が外れてしまうことが起こり得る。
ロック状態が外れたクロック素子をロック状態にするためには、クロック素子のPLL機能が追従する周波数範囲を設定し直す操作を行う必要があるので、ロック状態が外れると、その都度、撮影を中断しなければならず操作が煩雑化する。
図21に示す構成は、このような従来の問題点を鑑みて、モード同期超短パルスレーザの発振周波数がPLL機能で追従可能な周波数範囲を超えて変化しても、撮影を中断してクロック素子のPLL機能が追従する周波数範囲を設定し直す操作を行うことなくクロック素子をロック状態にして、レーザ光源の発振モードに同期するサンプリングクロックを得ることの可能なレーザ走査型顕微鏡とすることを目的としたものである。
図21は上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)に備わるサンプリングクロック発生手段における、PLL機能を有するクロック手段が、PLL機能で追従可能な周波数範囲を超える広い周波数範囲を連続させて追従させることができるようにするための概略構成を示すブロック図である。図22はPLL機能を有するクロック素子の概略構成を示す説明図で、(a)はPLL発振器の基本構成を示すブロック図、(b)はPLL周波数シンセサイザの基本構成を示すブロック図である。図23は図21のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のサンプリングクロック発生手段の構成を示すブロック図である。図24は図21のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のサンプリングクロック発生手段におけるロック状態探査制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図25は図21のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるサンプリングクロック発生手段におけるロック状態探査制御処理手順の他の例を示すフローチャートである。
ここで、PLL機能を有するクロック手段について図22を用いて説明する。
PLL機能を有するクロック手段は、位相周波数比較器(PFD:Phase Frequency Detector)と、ループフィルタと、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)(又は電圧制御水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator))を備えた、PLL発振器(図22(a)参照)や、PLL周波数シンセサイザ(図22(b)参照)として構成されている。
位相周波数比較器(PFD)は、外部から入力される基準信号と、比較信号との位相を比較し、それらの位相差成分をパルス状の位相差信号として出力する。ループフィルタは、ローパスフィルタ(LPF)などのフィルタで構成され、位相周波数比較器(PFD)から出力されたパルス状の位相差信号から交流成分をカットして直流化した制御電圧を出力する。電圧制御発振器(VCO)は、ループフィルタから出力された制御電圧に基づいて出力周波数を制御する。
そして、PLL機能を有するクロック手段では、外部から入力される基準信号と電圧制御発振器(VCO)からの出力信号との位相差が一定の状態(ロック状態)となるように、電圧制御発振器(VCO)からの出力信号を位相周波数比較器(PFD)にフィードバックする。なお、図22(b)に示すようなPLL周波数シンセサイザは、図22(a)の構成においてフィードバックするループ回路上に1/Nの分周器を備え、分周器により電圧制御発振器(VCO)からの出力信号の1/Nの周波数を比較信号として出力することで、電圧制御発振器(VCO)からの出力信号の周波数を、外部から入力される基準信号の周波数のN倍にする。
また、PLL機能を有するクロック手段においては、外部から入力される基準信号とのフィードバック制御に際し、手動操作によって比較信号の周波数(図22(b)のPLL周波数シンセサイザでは、分周器の分周数N)を設定する。
しかるに、従来、PLL機能を有するクロック手段では、外部から入力される基準信号に追従できる周波数範囲が、外部からの操作によって設定された比較信号の周波数の±10ppm程度しかなかった。例えば、外部からの操作によって設定された比較信号の周波数が100MHzである場合のPLL機能において追従できる周波数範囲は、±1KHz程度である。
このため、レーザ走査型顕微鏡で使用されるモード同期超短パルスレーザの発振モードに同期するようなサンプリングクロックを得るためにPLL機能を有するクロック手段を用いた場合において、外部から入力される基準信号であるモード同期超短パルスレーザの発振周波数が変化したときに、変化した発振周波数がクロック素子の追従可能な周波数範囲(設定した周波数±10ppm)を超えて、クロック素子のロック状態が外れてしまう(即ち、外部から入力される基準信号と電圧制御発振器(VCO)からの出力信号との位相差が一定の状態とならない。)ことが起こり得る。
ロック状態が外れたクロック素子をロック状態にするためには、モード同期超短パルスレーザの発振周波数に追従可能な比較信号の周波数範囲を、設定し直す必要があるが、従来、追従可能な周波数範囲の設定操作は手動で行わなければならず、撮影を中断せざるを得なかった。
サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のように、サンプリングクロック発生手段24が、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号をクロック信号へ変換する、PLL機能を有するクロック手段24−aと、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して、PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に設定変更可能な周波数範囲設定手段24−bを有すれば、パルスレーザの発振周波数が大きく変化してPLL機能で追従可能な周波数範囲(設定した周波数の±10ppm)を超えてPLL機能を有するクロック手段24−aにおけるロック状態が外れても、周波数範囲設定手段24−bが、PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に設定変更することで、PLL機能を有するクロック手段24−aに対し、PLL機能で追従可能な周波数範囲(設定した周波数の±10ppm)を超える広い周波数範囲を連続させて追従させることができ、撮影を中断してクロック手段24−aのPLL機能が追従する周波数範囲を設定し直す操作を行うことなくクロック手段24−aをロック状態にして、レーザ光源の発振モードに同期するサンプリングクロックを得ることが可能となる。
また、サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、サンプリングクロック発生手段24は、さらに、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知するロック状態検知手段24−dと、所定の周波数範囲を所定の周波数刻みで掃引して、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定した、PLL機能が追従する周波数範囲を変更させる周波数範囲掃引手段24−cと、周波数範囲掃引手段24−cにより所定の周波数範囲を掃引され、周波数範囲設定手段24−bにより変更されたPLL機能が追従する周波数範囲を、PLL機能を有するクロック手段24−aが追従中に、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知したときに、周波数範囲掃引手段24−cによる掃引及び周波数範囲設定手段24−bによる周波数範囲の設定変更を終了させるロック状態探査制御手段24−eを有する。
このようにすれば、PLL機能が追従する周波数範囲を設定し直す操作を行うことなく、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を効率よく得ることができる。
また、サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、ロック状態探査制御手段24−eは、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知後にアンロック状態を検知したとき、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知したときの周波数に基づき、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定した、PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に再設定させる。
このようにすれば、PLL機能を有するクロック手段24−aがロック状態からアンロック状態となっても、PLL機能が追従する周波数範囲を手動で設定し直す操作を行うことなく、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を効率よく得ることができる。
また、サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、周波数範囲設定手段24−bは、70MHz〜100MHzの周波数を、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定変更可能である。
さらに、サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、周波数範囲掃引手段24−cは、±10MHzの周波数範囲を1KHz刻みで掃引する。
このようにすれば、外部から入力される基準信号に追従できる周波数範囲が、外部からの操作によって設定された比較信号の周波数に対して±10ppm程度しかない、例えば、外部からの操作によって設定された比較信号の周波数が100MHzである場合のPLL機能において追従できる周波数範囲が、±1KHz程度しかないPLL機能を有するクロック手段24−aであっても、周波数範囲設定手段24−bが、周波数範囲掃引手段24−cにより掃引された±10MHzの周波数範囲を±1KHz刻みで、PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に設定変更することにより、PLL機能を有するクロック手段24−aに対し、PLL機能で追従可能な周波数範囲(設定した周波数の±10ppm程度であって、例えば±1KHz)を超える広い周波数範囲(10MHz)を連続させて追従させることができ、撮影を中断してクロック手段24−aのPLL機能が追従する周波数範囲を設定し直す操作を行うことなくクロック手段24−aをロック状態にして、レーザ光源の発振モードに同期するサンプリングクロックを得ることができる。
そして、サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、サンプリングクロック発生手段24は、例えば、図23に示すように、PLL機能を有するクロック手段24−aと、周波数範囲設定手段24−bと、周波数範囲掃引手段24−cと、ロック状態検知手段24−dと、ロック状態探査制御手段24−eを備えている。
PLL機能を有するクロック手段24−aは、例えば、図22(a)に示すようなPLL発振器や、図22(b)に示すようなPLL周波数シンセサイザで構成されており、パルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号を外部から入力される基準信号として、例えば電圧制御発振器(VCO)からの出力信号などの比較信号との位相差が一定の状態(ロック状態)となるように、フィードバック制御しながらクロック信号へ変換する。また、PLL機能を有するクロック手段24−aは、外部の制御素子(CPUやFPGA(Field-Programmable Gate Array)など)を介して比較信号の周波数が調整できるように構成されている。
周波数範囲設定手段24−bは、外部の制御素子(CPUやFPGAなど)に設けられていて、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して、PLL機能が追従する周波数範囲(例えば、図22(a)に示す電圧制御発振器(VCO)の出力信号の周波数や、図22(b)に示す分周器の分周数として設定する周波数の±10ppm程度)を自動的に設定変更可能に構成されている。
周波数範囲掃引手段24−cは、外部の制御素子(CPUやFPGAなど)に設けられていて、所定の周波数範囲(例えば、±10MHz)を所定の周波数刻み(例えば、1KHz)で掃引して、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定した、PLL機能が追従する周波数範囲を変更させるように構成されている。
ロック状態検知手段24−dは、PLL機能を有するクロック手段24−aに設けられていて、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知するように構成されている。なお、図21及び図23では、便宜上、ロック状態検知手段24−dを、PLL機能を有するクロック手段24−aとは別個に示してある。
ロック状態探査制御手段24−eは、外部の制御素子(CPUやFPGAなど)に設けられていて、周波数範囲掃引手段24−cにより所定の周波数範囲を掃引され、周波数範囲設定手段24−bにより変更されたPLL機能が追従する周波数範囲を、PLL機能を有するクロック手段24−aが追従中に、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知したときに、周波数範囲掃引手段24−cによる掃引及び周波数範囲設定手段24−bによる周波数範囲の設定変更を終了させるように構成されている。
また、ロック状態探査制御手段24−eは、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知後にアンロック状態を検知したとき、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知したときの周波数に基づき、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定した、PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に再設定させるようにも構成されている。
このようにサンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるパルスレーザ発振手段11からのパルスレーザの発振を検知した信号(モニタ信号又は出力レーザ光を検出した時間波形信号など)を整形してサンプリングクロックとして出力するときのサンプリングクロック発生手段24におけるロック状態探査制御処理手順を、図24及び図25を用いて説明する。
電源投入時・使用開始時・パルスレーザの波長変更時・ユーザが設定周波数を指定変更時等には、ロック状態探査制御手段24−eが、周波数範囲掃引手段24−cに所定の周波数範囲を所定の周波数刻みで掃引させて、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定した、PLL機能が追従する周波数範囲を設定変更させながら、PLL機能を有するクロック手段24−aがロック状態となる周波数を探査する。
ここでは、電源を投入後にPLL機能を有するクロック手段24−aがロック状態となるまでの探査制御処理手順について図24を用いて説明する。
サンプリングクロック発生手段24の電源が投入された(ステップS21)後、周波数範囲設定手段24−bに対し、図示しない外部操作手段を介して、PLL機能が追従する周波数範囲の開始値fstart(ここでは、70MHzとする。)を初期設定する。周波数範囲の開始値fstartが設定されると、設定された周波数範囲の開始値fstartに周波数範囲掃引手段24−cが掃引する周波数の範囲(ここでは、±10MHzとする。)が加わることによって、周波数範囲設定手段24−bがPLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定すべき周波数範囲の終了値fend(ここでは、70MHz±10MHz)が定まる。周波数範囲設定手段24−bは、初期設定されている周波数の開始値fstartを、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定すべき周波数fとする(ステップS22)。そして、周波数範囲設定手段24−bは、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して周波数fを設定する(ステップS23)。
PLL機能を有するクロック手段24−aは、入力された基準信号であるパルスレーザの発振を検知した信号と比較信号との位相差が一定の状態(ロック状態)となることを目指して、設定された周波数の±10ppm程度の周波数範囲(ここでは、±1kHzとする。)を追従してフィードバック制御する。
PLL機能を有するクロック手段24−aが追従中に、ロック状態検知手段24−dが、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態の有無を検知する(ステップS24)。
ロック状態検知手段24−dが、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知したとき、ロック状態探査制御手段24−eは、周波数範囲掃引手段24−cによる掃引及び周波数範囲設定手段24−bによる周波数範囲の設定変更を終了させる。そして、光検出部12は撮影を開始する(ステップS28)。
ロック状態検知手段24−dが、PLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知しないとき、ロック状態探査制御手段24−eは、PLL機能を有するクロック手段24−aに設定した周波数fが周波数範囲の終了値fend(ここでは、70MHz±10MHz)に到達しているか否かをチェックする(ステップS25)。
ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知せず、且つ、PLL機能を有するクロック手段24−aに設定した周波数fが周波数範囲の終了値fend(ここでは、70MHz±10MHz)に到達したとき、図示しないエラー告知手段が、エラーメッセージを告知する(ステップS27)。
ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知せず、且つ、PLL機能を有するクロック手段24−aに設定した周波数fが周波数範囲の終了値fend(ここでは、70MHz±10MHz)に到達していないとき、周波数範囲掃引手段24−cが、PLL機能を有するクロック手段24−aに設定されている周波数fに1KHz加えた周波数(f+1KHz)を掃引し、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定すべき新たな周波数fとして再設定させる(ステップS26)。以後、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知するか、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知せず、且つ、PLL機能を有するクロック手段24−aに設定した周波数fが周波数範囲の終了値fend(ここでは、70MHz±10MHz)に到達するまで、ステップS23〜ステップS26の探査制御処理を繰り返す。
次に、PLL機能を有するクロック手段24−aがロック状態となった後にアンロック状態となった場合において、再度ロック状態となるまでの探査制御処理手順について図25を用いて説明する。
ロック状態探査制御手段24−eは、ロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知したときの周波数fに基づき、周波数範囲設定手段24−bに対し、PLL機能が追従する周波数範囲の開始値fstartを再設定させる(ステップS31)。ここでは、便宜上、周波数fが80MHzのときにロック状態検知手段24−dがPLL機能を有するクロック手段24−aのロック状態を検知していたものとする。設定周波数の開始値fstartが再設定されると、再設定された周波数範囲の開始値fstartに周波数範囲掃引手段24−cが掃引する周波数の範囲(ここでは、±10MHz)が加わることによって、周波数範囲設定手段24−bがPLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定すべき周波数範囲の終了値fend(ここでは、80MHz±10MHz)が定まる。
周波数範囲設定手段24−bは、再設定した設定周波数の開始値fstartを、PLL機能を有するクロック手段24−aに対して設定すべき周波数fとする(ステップS12)。以下は、図24に示したステップS23〜S28と略同様の探査制御処理を行う(ステップS33〜ステップS38)。
なお、サンプリングクロック発生手段24が図21に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)は、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの被検体への照射のONとOFFとを切り替えるON−OFF切替部を備えて、サンプリングタイミングを間引いて検出するようにした構成や、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、パルスレーザ発振手段11から発振される該パルスレーザの周期を逓倍した周期にして該パルスレーザを被検体30へ照射する遅延光路部を有し、サンプリングタイミングを逓倍化する構成の場合において、レーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるPLL機能を有するクロック手段24−aとしては、好ましくは、サンプリングクロックの逓倍や分周にも対応可能に構成されたクロック手段を用いる。
なお、図21〜図25を用いて説明したレーザ走査型顕微鏡に特徴的な構成は、上記各実施形態を前提としたものに限定されるものではない。
また、上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)は、好ましくは、更に、例えば、図26に示すように、レーザ発振手段11が、被検体30を照射するためのレーザを発振するレーザ光源11−1とレーザ光源11−1から発振されたレーザの被検体への照射点を、共振現象を利用して走査可能な走査手段11−2とを備え、更に、走査手段11−2が走査する照射点の切替えに同期して照射点に対応する画素位置の切り替わりを判別し、画素位置の切り替わるタイミングのトリガをピクセルクロックとして出力するピクセルクロック発生手段27を有するレーザ走査型顕微鏡装置であって、サンプリングクロック発生手段24は、ピクセルクロック発生手段27が第n番目のピクセルクロックを出力後、第n+1番目のピクセルクロックを出力するまでの間に、複数回のサンプリングクロックを出力し、処理部25は、累積加算ブロック25−1と除算ブロック25−2を有し、累積加算ブロック25−1は、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n番目のピクセルクロックが入力された後、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの間に、サンプリング手段15(15’)によって複数回A/D変換されたデジタルデータを累積加算すると同時に、当該累積加算回数をカウントし、第n+1番目のピクセルクロックの入力タイミングに同期して、当該第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの、累積加算したデジタルデータとカウントした累積加算回数を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算ブロック25−1におけるデジタルデータの累積加算領域及び累積加算回数のカウント領域を初期状態にリセットし、除算ブロック25−2は、累積加算ブロック25−1より送出された当該累積加算されたデジタルデータに対し当該累積加算回数を除数として除算演算を行うように構成されている。そして、これにより、画素に対するレーザの照射時間が変動しても、煩雑な操作をすることなく、画素ごとの明るさのバラツキをなくして、画質を向上させることができるようになっている。
一般に、レーザ走査型顕微鏡では、ガルバノミラーなどの走査手段の角度を変えることによってレーザ光の照射点を走査させている。
また、画像化する際、1画素に相当する箇所に一定時間レーザを照射し、戻り光(反射光/拡散光/蛍光)を検出することにより、当該画素位置での画素値を決定する。
従来、レーザ走査型顕微鏡における画素値の決定手法としては、蛍光検出において、光検出器からの微弱信号をS/N良く画素値化するために、例えば、特許第4407423号公報に記載のレーザ顕微鏡のように電気回路上で、検出信号を積分する手法がとられている。そして、積分回路では、(照射点に対応する画素位置の切替わりタイミングのトリガをなす)ピクセルクロック毎に検出信号の積分とリセットの動作が繰り返される。
ところで、走査式の撮影において、ガルバノミラーの動作速度を上げて撮影を高速化させたい場合、一定速度での走査よりも、共振現象を利用した走査の方がより高速化できる。
しかしながら、共振現象を利用した走査では、走査速度は一定ではなくサイン関数となる。このため、画素ごとに、露光時間や検出信号のサンプリング回数及び積分時間が一定でなくなる。その結果、共振現象を利用した走査で被検体を露光することによって、検出し、加算したデータをそのまま画素値として画像化すると、走査速度が速い照射点に対応した画素位置の画像は暗く、走査速度が遅い照射点に対応した画素位置の画像は明るくなり、被検体の画像の明るさにバラツキが生じるという問題があった。
走査速度の違いに応じた画素ごとの明るさのムラを解消するための方法として、露光時間が長い画素については、露光時間の短い画素と同じ時間だけ検出信号の積分処理を行って、それより長い露光時間分の検出信号は破棄するという手法もあるが、それでは、その分の検出信号が無駄になる上、積分回数が少なくなる。検出信号には微弱なノイズが含まれており、積分回数が多ければ、検出信号に含まれるノイズが平均化されるので、検出信号のノイズを高精度に除去し易くなる。しかし、積分回数が少ないと検出信号に含まれるノイズに偏りが生じ易くなるため、検出信号のノイズを高精度には除去し難くなる。このため、上記のような露光時間の短い画素よりも長い時間の検出信号を破棄する手法では、露光時間が長い画素について検出信号に含まれるノイズを高精度に除去する機会が奪われてしまう。
また、一定速度の走査で被検体を撮影する方式においても、走査速度の設定を変更する都度、露光されて検出したデータを積算する量(サンプリング回数や、検出信号の積分回数)の設定をその都度変更しなければならず、操作が煩雑化するという問題があった。
図26の構成は、このような従来の問題点に鑑みて、画素に対するレーザの照射時間が変動しても、煩雑な操作をすることなく、画素ごとの明るさのバラツキをなくして、画質を向上させることの可能なレーザ走査型顕微鏡装置とすることを目的としたものである。
図26は上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)における、画素に対するレーザの照射時間が変動しても、煩雑な操作をすることなく、画素ごとの明るさのバラツキをなくして、画質を向上させることができるようにするための概略構成を示すブロック図である。図27はレーザ走査型顕微鏡装置における走査手段による被検体に対するレーザの照射点を、共振現象を利用して走査する状態を概念的に示す説明図である。図28は図27に示すレーザ走査型顕微鏡装置におけるレーザの照射点の走査位置に対する走査速度及び加算されるサンプリングされた検出信号のデータ数を示す説明図で、(a)はレーザの照射点の動きを概念的に示す図、(b)は(a)のレーザの照射点の動きを時間に対する走査位置で示すグラフ、(c)は(a)のレーザの照射点の動きを時間に対する走査速度で示すグラフ、(d)は画像化範囲内における所定の走査点に対応した時間に対する加算されるサンプリングされた検出信号のデータ数を示すグラフである。図29は図26のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)の要部構成を示す説明図である。図30は除数2〜16を2の累乗分の1の分数を加算した式で表示した例を示す説明図である。図31は図29に示す除算回路の構成例を示す説明図で、(a)は2の累乗で除算した結果を2進表示で1ビット右へシフトしたレジスタを示す説明図、(b)は除数に応じて(a)のレジスタを組み合せて加算した例を示す説明図である。図32は図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるサンプリングクロック、サンプリングされた検出信号、ピクセルクロック、累積加算される検出信号データ、累積加算カウンタ、累積加算された検出信号データ、累積加算カウント数、累積加算された検出信号データを累積加算カウント数で除算した1画素あたりの検出信号の平均値を示すタイミングチャートである。
レーザ走査型顕微鏡装置は、図27に示すように、ガルバノミラーなどの走査手段の角度を変えることによってレーザ光源から発振されたレーザ光の照射点(レーザスポット)を走査させている。画像化する際、1画素に相当する箇所に一定時間レーザを照射し、戻り光(反射光/拡散光/蛍光)を検出することにより、当該画素位置での画素値を決定する。
光検出器からの微弱信号をS/N良く画素値化するために、検出した信号は積分される。
しかるに、走査手段が共振現象を利用して走査を行う場合、走査速度は一定ではなくサイン関数となる。例えば、図28(a)に示すように走査手段がX方向を往復するように照射点を走査する場合、走査位置は、図28(b)に示すように時間tの経過とともに、照射点X0と照射点X1の間を往復する。ここで、走査位置がX方向における画像化範囲の境界点P1から境界点P2へ向かって移動するときの走査速度は、図28(c)に示すように境界点P1から中間点P1.5に向かうにしたがって大きくなり、中間点P1.5で最大となった後、境界点P2に向かうにしたがって小さくなり、変換点P3において略ゼロとなる。境界点P4から境界点P5へ向かって移動するときの走査速度、境界点P7から境界点P8へ向かって移動するときの走査速度、境界点P10から境界点P11へ向かって移動するときの走査速度も境界点P1から境界点P2へ向かって移動するときの走査速度と同様である。
このように、画像化範囲を移動する照射点の走査速度は、画素位置ごとに変化する。一方、検出信号のサンプリングは一定のタイミングで行われる。このため、画素ごとに、露光時間や検出信号のサンプリング回数及び積分時間が一定でなくなる。
例えば、図28(c)に示すような画素位置ごとに走査速度の異なる走査手段を用いて照射点を走査しながら、被検体を露光することによって、検出したデータをそのまま画素値として画像化すると、図28(d)に示すように、走査速度が速くなるにつれて当該画素位置での加算される検出データ数が少なくなり、走査速度が遅くなるにつれて当該画素位置での加算される検出データ数が多くなる。そして、図28の例では、画像化範囲内において加算される検出信号のデータ数は、境界点P1,P2,P4,P5,P7,P8,・・・で最大となり、中間点P1.5,P4.5,P7.5,P10.5で最小となる。
このため、検出信号を加算したデータをそのまま画像化すると、走査速度が速い照射点に対応した画素位置の画像は暗く、走査速度が遅い照射点に対応した画素位置の画像は明るくなり、被検体の画像の明るさにバラツキが生じることになる。
図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)のように、累積加算ブロック25−1が、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n番目のピクセルクロックが入力された後、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの間に、サンプリング手段15(15’)によって複数回A/D変換されたデジタルデータを累積加算すると同時に、当該累積加算回数をカウントし、第n+1番目のピクセルクロックの入力タイミングに同期して、当該第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの、累積加算したデジタルデータとカウントした累積加算回数を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算ブロック25−1におけるデジタルデータの累積加算領域及び累積加算回数のカウント領域を初期状態にリセットすると共に、除算ブロック25−2が、累積加算ブロック25−1より送出された当該累積加算されたデジタルデータに対し当該累積加算回数を除数として除算演算を行うようにすれば、画素ごとに異なる走査速度に応じて累積加算された検出信号の平均値が1サンプリングあたりの画素値として得られる。このため、走査手段11−2による走査速度が走査位置によって異なっても、画素ごとの明るさのバラツキをなくすことができる。しかも、検出した全ての検出信号を無駄にせずに済み、検出信号に含まれるノイズが平均化されることによって、検出信号のノイズを高精度に除去し易くなる。また、共振現象を利用しないで、走査範囲全体で一定速度となるように走査手段の走査速度を設定する場合においても、走査速度の設定を変更する都度、露光データを積算する量の設定を変更する必要がなくなる。
また、図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、除算ブロック25−2は、限定された除数に対応した除算回路を有する。
また、図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)においては、好ましくは、除算回路が、ビットシフト回路の組合せのみで構築されている。
このようにすれば、回路規模の巨大化を避けることができる。
そして、図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)は、図26に示すように、レーザ発振手段11が、レーザ光源11−1と走査手段としてのガルバノミラー11−2とを備え、更に、画素位置判別回路26と、ピクセルクロック発生手段27を有している。なお、図26中、20’は処理部25が構築した画素値に基づいてデジタル画像表示するする画像表示部である。
レーザ光源11−1は、被検体30を照射するためのレーザを発振する。
ガルバノミラー11−2は、レーザ光源11−1から発振されたレーザの被検体30への照射点を、共振現象を利用して走査可能に構成されている。
画素位置判別回路26は、ガルバノミラー11−2が走査する照射点の切替えに同期して照射点に対応する画素位置の切り替わりを判別する。
ピクセルクロック発生手段27は、画素位置判別回路26により判別された画素位置の切り替わるタイミングのトリガをピクセルクロックとして出力する。
サンプリングクロック発生手段24は、ピクセルクロック発生手段27が第n番目のピクセルクロックを出力後、第n+1番目のピクセルクロックを出力するまでの間に、複数回のサンプリングクロックを出力するように設定されている。
処理部25は、累積加算ブロック25−1と、除算ブロック25−2を有している。
累積加算ブロック25−1は、図29に示すように、累積加算器25−1aと、累積加算カウンタ25―bとで構成されている。
累積加算器25−1aは、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n番目のピクセルクロックが入力された後、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの間に、サンプリング手段15(15’)によって複数回A/D変換されたデジタルデータを累積加算する。
累積加算カウンタ25−bは、累積加算器25−1aによるデジタルデータの累積加算回数をカウントする。
また、累積加算器25−1a、累積加算カウンタ25−1bは、第n+1番目のピクセルクロックが入力されたタイミングに同期して、当該第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの累積加算したデジタルデータとカウントした累積加算回数を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算ブロック25−1におけるデジタルデータの累積加算領域及び累積加算回数のカウント領域を初期状態にリセットする。
除算ブロック25−2は、累積加算ブロック25−1より送出された当該累積加算されたデジタルデータに対し当該累積加算回数を除数として除算演算を行う除算回路で構成されている。
ここで、除算ブロック25−2の具体的な構成例を図30及び図31を用いて説明する。
例えば、除数2〜16を2の累乗分の1の分数を加算した式で表わすと、図30のように、2の1乗分の1の分数から2の12乗分の1の分数までで示される。また、夫々の2の累乗分の1の分数の位置を合わせ、夫々の位置をビットに置き換えると、2で除算することは、2進表示で1ビット右側へシフトすることに相当することがわかる。
そこで、入力信号に対して2進表示で1ビット右へシフトしたレジスタ(ビットシフト回路)を生成しておき、除数に応じて、それらのレジスタを組み合わせて加算すれば、除算結果が得られることになる。
図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)では、除算ブロック25−2は、図31(a)に示すように入力信号に対して2進表示で1ビット右へシフトしたレジスタ(ビットシフト回路)S(1)〜S(12)を有し、除数に応じて、所定レジスタを組み合わせて加算する除算回路を有している。
例えば、入力信号が13ビットで、除数が2〜16である場合、除算回路は、図31(b)に示すように、ビットシフト回路S(1)〜S(12)を適宜組み合わせて加算することで、除算結果を得るように構成されている。
このように図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)におけるレーザの照射時間が異なる画素からの検出信号データを用いた画素値の算出処理手順を、図32を用いて説明する。
サンプリングクロック発生手段24が出力した夫々のサンプリングクロック(動作クロック)の発振に同期して、サンプリング手段15(15’)は、光検出部12が出力した夫々の検出信号をA/D変換する。図32中、検出信号“Y”,“Z”,・・・,“J”,“K”は、A/D変換後の検出信号を示している。
累積加算ブロック25−1の累積加算器25−1aは、サンプリング手段15(15’)によってA/D変換された検出信号のデジタルデータを累積加算する。また、累積加算ブロック25−1の累積加算カウンタ25−1bは、累積加算器25−1aによるデジタルデータの累積加算回数をカウントする。
ここで、累積加算ブロック25−1に、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n番目のピクセルクロックSnが入力されたとする。すると、累積加算器25−1aは、ピクセルクロックSnが入力されるまでに累積加算したデジタルデータ(図32の例では、“・・・+Y+Z”)を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算器25−1aにおけるデジタルデータの累積加算領域を初期状態(例えば、NULL)にリセットする。また、累積加算カウンタ25−1bは、ピクセルクロックSnが入力されるまでにカウントした累積加算回数(図32の例では、“N”)を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算回数のカウント領域を初期状態(例えば、“1”)にリセットする。
除算ブロック25−2は、累積加算ブロック25−1より送出された当該累積加算されたデジタルデータ“・・・+Y+Z”に対し当該累積加算回数“N”を除数として除算演算を行う。
これにより、当該画素位置における検出信号・・・,“Y”,“Z”の平均値“(・・・+Y+Z)/N”が画素値として得られる。
同様に、累積加算ブロック25−1に、ピクセルクロック発生手段27が出力した第n+1番目のピクセルクロックSn+1が入力されたとする。すると、累積加算器25−1aは、ピクセルクロックSn+1が入力されるまでに累積加算したデジタルデータ(図32の例では、“A+・・・+G”)を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算器25−1aにおけるデジタルデータの累積加算領域を初期状態(例えば、NULL)にリセットする。また、累積加算カウンタ25−1bは、ピクセルクロックSn+1が入力されるまでにカウントした累積加算回数(図32の例では、“7”)を除算ブロック25−2へ送出し、累積加算回数のカウント領域を初期状態(例えば、“1”)にリセットする。
除算ブロック25−2は、累積加算ブロック25−1より送出された当該累積加算されたデジタルデータ“A+・・・+G”に対し当該累積加算回数“7”を除数として除算演算を行う。
これにより、当該画素位置における検出信号“A”,・・・,“G”の平均値(“A+・・・+G)/7”が画素値として得られる。
ここで、上述した除数は、ピクセルクロックのn番目とn+1番目の間でのサンプリング回数である。また、図28(d)で示されるように、加算されるデータ数を決めるピクセルクロックのクロック間隔は、レーザースポットの走査速度で決まるため、加算されるデータ数と同様に有限の範囲内となる。すなわち、レーザースポットの走査速度とサンプリングタイミングの速さが決まれば、除数の範囲が決まるので、除算回路は限られた除数についてのみ除算できる構成であればよい。このように、図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)によれば、除算ブロック25−2が、限定された除数に対応した除算回路を有し、除算回路が、ビットシフト回路の組合せのみで構築されているので、回路規模の巨大化を避けることができる。
なお、図26に示すような構成を更に備えた上記各実施形態のレーザ走査型観察装置(レーザ走査型顕微鏡装置)は、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの被検体への照射のONとOFFとを切り替えるON−OFF切替部を備えて、サンプリングタイミングを間引いて検出するようにした構成や、パルスレーザ発振手段11から発振されるパルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、パルスレーザ発振手段11から発振される該パルスレーザの周期を逓倍した周期にして該パルスレーザを被検体30へ照射する遅延光路部(図示省略)を有し、サンプリングタイミングを逓倍化する構成の場合において、レーザ走査型顕微鏡装置における処理部15の累積加算ブロック25−1と除算ブロック25−2は、好ましくは、サンプリングクロックの逓倍や分周にも対応可能に構成される。
なお、図26〜図32を用いて説明したレーザ走査型顕微鏡装置に特徴的な構成は、上記各実施形態を前提としたものに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は特許請求に記載された発明の他に、以下に示すような特徴を備えている。
(1)被検体を照射するためのパルスレーザを発振するパルスレーザ発振手段と、前記被検体からの光を受光し、検出信号を出力する光検出部と、クロック素子を備え前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知した信号を前記クロック素子を用いて整形して、前記パルスレーザ発振手段の発振モードに同期するサンプリングクロックを出力するサンプリングクロック発生手段と、前記サンプリングクロック発生手段が出力したサンプリングクロックに同期して、前記光検出部が出力した検出信号をサンプリングするサンプリング手段を有するレーザ走査型顕微鏡において、前記サンプリングクロック発生手段が、高倍率アンプと、帯域フィルタを有し、前記高倍率アンプ及び前記帯域フィルタが、前記検知した信号からパルスレーザの発振周波数以外の所定周波数成分を除去した信号を前記クロック素子に送出することを特徴とするレーザ走査型顕微鏡。
(2)前記クロック素子が、ジッタ除去機能を有することを特徴とする上記(1)に記載のレーザ走査型顕微鏡。
(3)前記クロック素子が、広帯域な出力帯域幅を有することを特徴とする上記(2)に記載のレーザ走査型顕微鏡。
(4)前記クロック素子が、ジッタ除去機能を有する第1のクロック素子と、広帯域な出力帯域幅を有する第2のクロック素子とをカスケード接続して構成されていることを特徴とする上記(1)に記載のレーザ走査型顕微鏡。
(5)前記パルスレーザ発振手段が発振するパルスレーザの発振周波数が、70〜90MHzであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のレーザ走査型顕微鏡。
(6)前記帯域フィルタの透過帯域が、10KHz〜発振周波数×1.2程度であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のレーザ走査型顕微鏡。
(7)前記サンプリングクロック発生手段は、前記検知した信号のノイズレベルに対応した、夫々異なる倍率及び透過帯域を持つ複数組の前記高倍率アンプと前記帯域フィルタの組合せを、多段配列して備えるとともに、前記検知した信号のノイズレベルに対応して、該検知した信号に最適な倍率及び透過帯域を持つ高倍率アンプと帯域フィルタの組合せを通るように、該検知した信号の導電路を切り替える切り替え部を備えることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか記載のレーザ走査型顕微鏡。
(8)前記サンプリングクロック発生手段が、更に、前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知した信号をクロック信号へ変換する、PLL機能を有するクロック手段と、前記PLL機能を有するクロック手段に対して、前記PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に設定変更可能な周波数範囲設定手段を有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか記載のレーザ走査型顕微鏡。
(9)前記サンプリングクロック発生手段は、更に、前記PLL機能を有するクロック手段のロック状態を検知するロック状態検知手段と、所定の周波数範囲を所定の周波数刻みで掃引して、前記周波数範囲設定手段に対し、前記PLL機能を有するクロック手段に対して設定した、前記PLL機能が追従する周波数範囲を変更させる周波数範囲掃引手段と、前記周波数範囲掃引手段により所定の周波数範囲を掃引され、前記周波数範囲設定手段により変更された前記PLL機能が追従する周波数範囲を、前記PLL機能を有するクロック手段が追従中に、前記ロック状態検知手段が前記PLL機能を有するクロック手段のロック状態を検知したときに、前記周波数範囲掃引手段による掃引及び前記周波数範囲設定手段による周波数範囲の設定変更を終了させるロック状態探査制御手段を有することを特徴とする上記(8)に記載のレーザ走査型顕微鏡。
(10)前記ロック状態探査制御手段は、前記ロック状態検知手段が前記PLL機能を有するクロック手段のロック状態を検知後にアンロック状態を検知したとき、前記ロック状態検知手段が前記PLL機能を有するクロック手段のロック状態を検知したときの周波数に基づき、前記周波数範囲設定手段に対し、前記PLL機能を有するクロック手段に対して設定した、前記PLL機能が追従する周波数範囲を自動的に再設定させることを特徴とする上記(8)又は(9)に記載のレーザ走査型顕微鏡。
(11)前記周波数範囲設定手段は、70MHz〜100MHzの周波数を、前記PLL機能を有するクロック手段に対して設定変更可能であることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれかに記載のレーザ走査型顕微鏡。
(12)前記周波数範囲掃引手段は、±10MHzの周波数範囲を1KHz刻みで掃引することを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載のレーザ走査型顕微鏡。
(13)被検体を照射するためのレーザを発振するレーザ光源と前記レーザ光源から発振されたレーザの前記被検体への照射点を、共振現象を利用して走査可能な走査手段とを備えたレーザ発振手段と、前記被検体からの光を受光し、検出信号を出力する光検出部と、前記走査手段が走査する照射点の切替えに同期して前記照射点に対応する画素位置の切り替わりを判別する画素位置切替わり判別手段と、前記画素位置切替わり判別手段により判別された画素位置の切り替わるタイミングのトリガをピクセルクロックとして出力するピクセルクロック発生手段と、サンプリングクロックを出力するサンプリングクロック発生手段と、前記サンプリングクロック発生手段が出力したサンプリングクロックに同期して、前記光検出部が出力した検出信号をA/D変換するサンプリング手段と、前記サンプリング手段がA/D変換した検出信号を用いて画像構成用の信号値を出力する処理部を有するレーザ走査型顕微鏡装置であって、前記サンプリングクロック発生手段は、前記ピクセルクロック発生手段が第n番目のピクセルクロックを出力後、第n+1番目のピクセルクロックを出力するまでの間に、複数回のサンプリングクロックを出力し、前記処理部は、累積加算ブロックと除算ブロックを有し、前記累積加算ブロックは、前記ピクセルクロック発生手段が出力した第n番目のピクセルクロックが入力された後、該ピクセルクロック発生手段が出力した第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの間に、前記サンプリング手段によって複数回A/D変換されたデジタルデータを累積加算すると同時に、当該累積加算回数をカウントし、前記第n+1番目のピクセルクロックの入力タイミングに同期して、当該第n+1番目のピクセルクロックが入力されるまでの、累積加算したデジタルデータとカウントした累積加算回数を前記除算ブロックへ送出し、該累積加算ブロックにおけるデジタルデータの累積加算領域及び累積加算回数のカウント領域を初期状態にリセットし、前記除算ブロックは、前記累積加算ブロックより送出された当該累積加算されたデジタルデータに対し当該累積加算回数を除数として除算演算を行うことを特徴とするレーザ走査型顕微鏡装置。
(14)前記除算ブロックは、限定された除数に対応した除算回路を有することを特徴とする上記(13)に記載のレーザ走査型顕微鏡装置。
(15)前記除算回路が、ビットシフト回路の組合せのみで構築されていることを特徴とする上記(14)に記載のレーザ走査型顕微鏡装置。
本発明のレーザ走査型観察装置は、例えば、レーザ走査型顕微鏡やレーザ走査型内視鏡など、被検体にレーザパルスを照射し、その戻り光を検出し検出した強度を画素値として画像を構成することが必要とされるあらゆる分野に有用である。
11 パルスレーザ発振手段
11−1 レーザ光源
11−2 走査手段(ガルバノミラー)
12 光検出部
13 同期信号発生手段
14 遅延回路部
15、15’ サンプリング手段
15a’ AD変換手段
16 メモリ部
17 多段遅延設定部
18 判定部
19 遅延設定部
20 画像構成部
20’ 画像表示部
21 ON−OFF切替部
22 遅延光路部
22a、22d、22g ビームスプリッタ
22b、22c、22e、22f ミラー
23 AC結合型増幅器
24 サンプリングクロック発生手段
24a、24a1n 高倍率アンプ
24b、24b1n 帯域フィルタ
24c、24c1、24c2 クロック素子
24−a PLL機能を有するクロック手段
24−b 周波数範囲設定手段
24−c 周波数範囲掃引手段
24−d ロック状態検知手段
24−e ロック状態探査制御手段
25 処理部
25a 差分演算部
25b 画像構成用メモリ部
25c 遅延量設定手段
25c−1 変換信号用メモリ部
25c−2 判定部
25−1 累積加算ブロック
25−1a 累積加算器
25−1b 累積加算カウンタ
25−2 除算ブロック
26 画素位置判別回路
27 ピクセルクロック発生手段
30 被検体(サンプル)
51 光源
52 ハーフミラー
53 ガルバノミラー
54 対物レンズ
55 ピンホール
56 受光素子
57 画像処理部
58 モニタディスプレイ
59 被検体
61 レーザ装置(パルスレーザ発振手段)
62 光電変換部(光検出部)
63 A/D変換部(サンプリング手段)
64 メモリ
65 レーザ発振検出部
66 レーザ発振同期信号発生回路部(同期信号発生手段)
67 遅延回路部
68 外部入力回路
69 画像表示部
70 被検体

Claims (10)

  1. 被検体を照射するためのパルスレーザを発振するパルスレーザ発振手段と、
    前記被検体からの光を受光し、検出信号を出力する光検出部と、
    前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知し、該パルスレーザの発振に同期した同期信号を出力する同期信号発生手段と、
    前記同期信号発生手段が出力した前記同期信号を任意の時間遅延させ、トリガ信号を出力する遅延回路部と、
    前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期して、前記光検出部が出力した検出信号をサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段がサンプリングした前記検出信号を蓄積するメモリ部と、を備えたレーザ走査型観察装置において、
    前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を、該同期信号の1周期以内に少なくとも2以上の段階に設定可能な多段遅延設定部と、
    前記多段遅延設定部が設定した2以上の段階の遅延時間に応じて前記遅延回路部が出力した前記トリガ信号に同期し、前記サンプリング手段によりサンプリングされ前記メモリ部に蓄積された、各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、画像構成に最適な遅延段階を判定する判定部と、を備え、
    前記多段遅延設定部は、前記判定部が判定した前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間を、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間として設定し、前記遅延回路部が遅延させる前記同期信号の遅延時間を該画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間に固定して観察を行えるようにしたことを特徴とするレーザ走査型観察装置。
  2. 前記判定部は、前記メモリ部に蓄えられた各遅延段階での前記検出信号の強度データが最大となる遅延段階を、前記画像構成に最適な遅延段階として判定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査型観察装置。
  3. 更に、前記多段遅延設定部及び前記判定部による前記画像構成に最適な遅延段階に対応した遅延時間の設定処理を新規に行わせる、遅延設定スイッチを備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査型観察装置。
  4. 更に、前記パルスレーザ発振手段から発振される前記パルスレーザの前記被検体への照射のONとOFFとを切り替えるON−OFF切替部を備え、
    前記判定部は、前記画像構成に最適な遅延段階の判定に際し、前記ON−OFF切替部がONのときとOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ走査型観察装置。
  5. 前記判定部は、更に、前記ON−OFF切替部がONのときとOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、該検出信号のコントラスト値を計算することを特徴とする、請求項4に記載のレーザ走査型観察装置。
  6. 前記判定部は、更に、前記ON−OFF切替部がOFFのときの前記多段遅延設定部が設定した各遅延段階での前記検出信号の強度データを用いて、暗ノイズを検出することを特徴とする、請求項4又は5に記載のレーザ走査型観察装置。
  7. 更に、前記パルスレーザ発振手段から発振された前記パルスレーザの光路を少なくとも2以上に分岐し、異なる光路での光路長の違いから、前記パルスレーザ発振手段から発振される該パルスレーザの周期を逓倍した周期にして該パルスレーザを前記被検体へ照射する遅延光路部を有するとともに、
    前記ON−OFF切替部を、前記遅延光路部において分岐された少なくとも1つの光路上に備え、
    前記パルスレーザ発振手段からの該パルスレーザの発振の1周期以内に前記ON−OFF切替部のONとOFFとが切り替わるようにしたことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のレーザ走査型観察装置。
  8. 前記同期信号発生手段と前記遅延回路部とで、前記パルスレーザ発振手段からの前記パルスレーザの発振を検知した信号を前記パルスレーザ発振手段の発振モードに同期するサンプリングクロックを出力するサンプリングクロック発生手段をなし、
    更に、前記光検出部が出力した検出信号を増幅して出力するAC結合型増幅器を有し、
    前記サンプリング手段は、前記サンプリングクロック発生手段が出力したサンプリングクロックに同期して、前記AC結合型増幅器が増幅して出力した検出信号をサンプリングし、
    更に、前記サンプリング手段がサンプリングした検出信号を用いて画像構成用の信号値を出力する処理部を有するレーザ走査型顕微鏡装置であって、
    前記サンプリング手段は、2系統のAD変換手段を有し、
    前記処理部は、前記サンプリング手段がサンプリングした前記検出信号を蓄積する前記メモリ部と前記判定部とからなる、前記2系統のAD変換手段の夫々におけるサンプリングのタイミングの遅延量を前記夫々の系統ごとに調整して設定可能な遅延量設定手段と、前記遅延量設定手段によって設定されたタイミングでサンプリングされた前記2系統のAD変換手段からの検出信号の差分を画像構成用の信号値として出力する差分演算部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレーザ走査型観察装置。
  9. 前記遅延量設定手段は、前記2系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、互いにパルスレーザの発振周波数の半周期分ずれるように調整することを特徴とする請求項8に記載のレーザ走査型顕微鏡装置。
  10. 前記遅延量設定手段は、
    前記2系統のAD変換手段のうち、第1の系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、該第1の系統のAD変換手段からの検出信号が最大となるように調整し、且つ、第2の系統のAD変換手段のサンプリングのタイミングの遅延量を、該第2の系統のAD変換手段からの検出信号が最小となるように調整することを特徴とする請求項8に記載のレーザ走査型顕微鏡装置。
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