JP6079376B2 - 印刷装置、印刷方法 - Google Patents
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Description
通常、縦型の印刷ヘッドでは、モノクロ印刷時には、黒インクヘッドの全てのノズル列を使用した高速な印刷を行うが、カラー印刷時には、カラーインクノズル列のバンド幅に合わせてモノクロインクノズル列で黒インクの印刷を行う。
図1は、本発明で使用する印刷装置の一種であるインクジェットプリンタの概略構成図である。同図に基づいて、印刷ヘッドと駆動方向を説明する。
印刷ヘッド10は、キャリッジモータ11により、印刷媒体12の紙送り方向と略直交(交差)する幅方向に、適宜往復駆動される。プラテンモータ13は、所定のタイミングで所定の量だけ印刷媒体12を長さ方向に紙送りしている。キャリッジモータ11による幅方向の駆動方向が主走査方向であり、プラテンモータ13による長さ方向の駆動方向が副走査方向である。
このように、本実施例の印刷ヘッドは10、副走査方向に形成された複数のノズルを、カラー印刷に使用する2以上の異なる色のカラーインクの色数で区分し、各区分に対応する各ノズル群に各カラーインクを割り当て、各ノズル群に属する複数のノズルから対応する前記各カラーインクを吐出するカラーインクノズル列10aと、当該カラーインクノズル列10aと主走査方向に並列に配列した黒インクを吐出するモノクロインクノズル列10bとを備えている。
図2は、PCでのデータ処理の流れを示すフローチャートである。
PC20は、ステップST102にて入力画像のデータを取得し、ステップST104にてインクジェットプリンタの解像度に合わせて解像度変換を行う。次のステップST106では、PC20はRGB(レッド、グリーン、ブルー)データからインクの色に対応したCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)への分版処理を行う。この分版処理において、印刷媒体ごとに最適化した対応関係が用意されており、カラーインクノズル群10a1〜10a3に供給するCMYの印刷データと、モノクロインクノズル列10bに供給するKの印刷データとが生成される。各色毎に分版した時点では多階調データであるため、ステップST108では、2値、あるいはマルチドットサイズの場合はドット径に応じたビット値となるようにハーフトーン処理を実施する。この段階で、カラーインクによる印刷のために、シアン(C)のハーフトーン結果CHT と、マゼンタ(M)のハーフトーン結果MHT と、イエロー(Y)のハーフトーン結果YHT とが生成され、黒インクによる印刷のための黒(K)のハーフトーン結果KHT が生成される。以下の処理の説明の便宜上、この段階でのハーフトーン結果を本発明における印刷データと呼ぶことにする。
カラー印刷時には、カラーインク(CMY)のハーフトーン結果CHT,MHT,YHT による印刷とともに、Kのハーフトーン結果KHT に基づいて前記モノクロインクノズル列10bによる黒インクでの印刷が行われる。ただし、CMYのハーフトーン結果CHT,MHT,YHT はそのまま利用するが、Kのハーフトーン結果KHT (黒インクの印刷データ)については、ステップST110にて、印刷データを分割して分割印刷データを生成する。言い換えると、この分割印刷データを使用することで、黒インクの印刷データに対応したインク滴の吐出を複数回の主走査方向の往路および復路を含む走査に分けて吐出することになる。なお、この分割の処理を実行する手段を印刷データ分割手段と呼ぶ。
分割処理では、図4に示すように、分割用のマスクを使用してKのハーフトーン結果KHT を用いて分割比率が25%:50%:25%となるKの分割結果(分割印刷データ)を生成する。分割用マスクとして、所定の領域あたりの生成ドットの比率が25%:50%:25%となるとともに、均一に分散させるための分割マスクDM1、分割マスクDM2、分割マスクDM3を用意してある。それぞれのデータの内容は、各ドット位置でハーフトーン結果のドットとAND処理を実行して、同ドットを分割印刷データとさせるか否かを決定するためのものである。具体的なデータとしては2値のデータ群で生成可能である。また、分割マスクDM1、分割マスクDM2、分割マスクDM3のOR処理を実行すれば所定の領域で全てのドットが生成されることになる。
K1=KHT XDM1
K2=KHT XDM2
K3=KHT XDM3
と表現できる。ここで、「X」はAND処理を表すことになる。
本実施例では、分割比率が25%:50%:25%であるから、インク滴の吐出を複数回に分けて吐出するための印刷データは、分割前後でドットの増減は生じず吐出されるインク滴が一致している。しかし、誤差の範囲で分割前後で不一致となるような略一致するものでも構わない。また、ドット径を考慮して印刷データと印刷面積の対応関係の調整を行うことが多いが、その場合のずれに相当するように、分割前後で不一致とさせても構わない。
また、K2がK1,K3よりも大きいということは、マゼンタ系に対応して分割する分割割合をシアン系とイエロー系に対応して分割する分割割合よりも大きくしていることになる。マゼンタ系およびシアン系のインクに対する分割割合を大きくすると、より効果的に反転ムラを軽減または解消しやすい。
次の6パス目では、復路への駆動となり、先に印刷されるのはYのハーフトーン結果に基づくカラーインクノズル群10a3から吐出されるイエローインク(v)であり、続いてK3のハーフトーン結果に基づくモノクロインクノズル列10bから吐出される黒インク(vi)である。
従って、副走査方向に順次紙送りして一度の紙送りに対応する印刷領域で印刷を繰り返す場合、副走査方向に隣接する印刷領域においては、あるカラーインクと黒インクの印刷順序が逆転するように、カラーインクでの印刷と、分割された黒インクでの印刷との印刷順序が決定されたことになる。
以上が印刷データ分割手段が、分割印刷データを生成する際の方針であり、また、分割印刷制御手段が、カラーインクでの印刷と分割された黒インクでの印刷とを複数回の主走査方向の往復動作で印刷させる際の印刷順序の方針である。
これは、各カラーインクノズル群のバンド幅に対応する黒インクのノズル列に対応した分割印刷データを生成しており、各カラーインクノズル群10a1〜10a3のバンド幅に合わせた分割印刷データを用い、並列に配列された各カラーインクノズル群10a1〜10a3によるバンド幅の印刷と組み合わせてモノクロインクノズル列10bで所定の印刷順序となるように複数回の主走査方向の往復動作における所定の動作時にモノクロインクノズル列で印刷させているといえる。すなわち、カラーインクのノズル群によるバンド幅の印刷とモノクロインクノズル列内の対応するノズルでの印刷とが所定の印刷順序となるように、複数回の主走査方向の往路および復路を含む走査ごとに、各バンド幅に合わせた分割印刷データを使用し、モノクロインクノズル列10b内の対応するノズルを使用して印刷させている。
図8と図9は、この領域判定の処理を模式的に示している。
図8は、印刷媒体12上に印刷される印刷イメージを示している。印刷媒体12の紙面上で左半分の領域では上方から、モノクロの文字領域1、一部カラー混じりの表領域、一部カラー混じりの文字領域2とが配置され、右半分の領域では上方から、カラーの図形領域、カラーの背景付きの文字領域3とが配置されている。また、それぞれの領域で現実に色つきの部分を斜線で示している。
すなわち、印刷領域を主走査方向に分割したときにモノクロ印刷だけの領域を検出し、モノクロ印刷だけの領域では、各カラーインクノズル群10a1〜10a3のバンド幅に制限せず、モノクロインクノズル列10bの3バンド分の全てのノズル列を使用可能として印刷している。なお、副走査方向についてはモノクロインクノズル列10bが一度に印刷可能な幅以内として設定する必要があるが、主走査方向については必ずしも一致させる必要はなく、適宜ブロックの幅を変更させることも可能である。例えば、ラスタデータを記憶する領域の容量に応じて、区切りの良い単位とすることも有効である。
上述した実施例では、主に印刷装置としての構成と作用について説明したが、その作用の手順の開示によって印刷方法としての構成と作用についても説明をしている。
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
Claims (8)
- 印刷媒体を副走査方向に搬送し、前記副走査方向と交差する主走査方向に印刷ヘッドを
往復駆動し、所定のノズルから前記印刷媒体上にカラーインクと黒インクとを吐出して印
刷を行う印刷装置であって、
前記印刷ヘッドは、
前記副走査方向に形成された複数のノズルを、カラー印刷に使用する2以上の異なる色
のカラーインクの色数で区分し、前記各区分に対応する各ノズル群に前記各カラーインク
を割り当て、前記各ノズル群に属する複数のノズルから対応する前記各カラーインクを吐
出するカラーインクノズル列と、
当該カラーインクノズル列と主走査方向に並列に配列した黒インクを吐出するモノクロ
インクノズル列とを備え、
カラー印刷時に、前記モノクロインクノズル列を使用した黒インクでの印刷のため、
黒インクの印刷データに対応したインク滴の吐出を複数回の主走査方向の往路および復
路を含む走査に分けて吐出するように印刷データを分割した分割印刷データを生成する印
刷データ分割手段と、
前記カラーインクノズル列を使用した印刷と前記カラーインクノズル列に並列に配列さ
れた前記モノクロインクノズル列を使用した印刷とを組み合わせて、前記各カラーインク
での印刷と分割された黒インクでの印刷とが所定の印刷順序となるように、前記複数回の
主走査方向の往路および復路を含む走査ごとに、前記生成された対応する分割印刷データ
を使用し、前記モノクロインクノズル列における異なる部位のノズルを使用して印刷させ
る分割印刷制御手段とを具備し、
印刷領域を主走査方向に分割したときにモノクロ印刷だけの領域を検出し、モノクロ印
刷だけの領域では、前記カラーインクのノズル群のバンド幅に制限しないで前記モノクロ
インクノズル列を使用して印刷することを特徴とする印刷装置。 - 印刷媒体を副走査方向に搬送し、前記副走査方向と交差する主走査方向に印刷ヘッドを
往復駆動し、所定のノズルから前記印刷媒体上にカラーインクと黒インクとを吐出して印
刷を行う印刷装置であって、
前記印刷ヘッドは、
前記副走査方向に形成された複数のノズルを、カラー印刷に使用する2以上の異なる色
のカラーインクの色数で区分し、前記各区分に対応する各ノズル群に前記各カラーインク
を割り当て、前記各ノズル群に属する複数のノズルから対応する前記各カラーインクを吐
出するカラーインクノズル列と、
当該カラーインクノズル列と主走査方向に並列に配列した黒インクを吐出するモノクロ
インクノズル列とを備え、
カラー印刷時に、前記モノクロインクノズル列を使用した黒インクでの印刷のため、
黒インクの印刷データに対応したインク滴の吐出を複数回の主走査方向の往路および復
路を含む走査に分けて吐出するように印刷データを分割した分割印刷データを生成する印
刷データ分割手段と、
前記カラーインクノズル列を使用した印刷と前記カラーインクノズル列に並列に配列さ
れた前記モノクロインクノズル列を使用した印刷とを組み合わせて、前記各カラーインク
での印刷と分割された黒インクでの印刷とが所定の印刷順序となるように、前記複数回の
主走査方向の往路および復路を含む走査ごとに、前記生成された対応する分割印刷データ
を使用し、前記モノクロインクノズル列における異なる部位のノズルを使用して印刷させ
る分割印刷制御手段とを具備し、
前記カラーインクは、シアン系とマゼンタ系とイエロー系とを含み、前記印刷データ分
割手段は、マゼンタ系およびシアン系に分割する分割割合をイエロー系に分割する分割割
合よりも大きくすることを特徴とする印刷装置。 - 前記カラーインクノズル列は、3以上の奇数色のカラーインクが割り当てられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記分割印刷制御手段は、副走査方向に順次搬送して一度の紙送りに対応する印刷領域
で印刷を繰り返す場合、副走査方向に隣接する印刷領域においては、あるカラーインクと
黒インクの印刷順序が逆転するように、前記各カラーインクでの印刷と分割された黒イン
クでの印刷との印刷順序を決定し、
前記印刷データ分割手段は、相互に印刷順序が逆転することになる往路の分割印刷デー
タと復路の分割印刷データにおける、分割前の印刷データに対する分割の割合が、略一致
するように分割させることを特徴とする請求項1〜 請求項3のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記印刷データ分割手段は、インク滴の吐出を複数回に分けて吐出するように分割印刷
データを生成する際に、吐出されるインク滴が分割の前後で略一致させることを特徴とす
る請求項1〜 請求項4のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記印刷データ分割手段は、前記各カラーインクの各ノズル群で形成される印刷の幅で
ある各バンド幅に対応する前記モノクロインクノズル列内のノズルに対応した前記分割印
刷データを生成し、
前記分割印刷制御手段は、前記カラーインクのノズル群によるバンド幅の印刷と前記モ
ノクロインクノズル列内の対応するノズルでの印刷とが所定の印刷順序となるように、前
記複数回の主走査方向の往路および復路を含む走査ごとに、前記各バンド幅に合わせた前
記分割印刷データを使用し、前記モノクロインクノズル列内の対応するノズルを使用して
印刷させることを特徴とする請求項1〜 請求項5のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記カラーインクノズル列は、3色のカラーインクに対応してそれぞれが1バンドずつ
を印刷する3個のカラーインクのノズル群を直列に配列して構成され、前記モノクロイン
クノズル列は、それぞれのカラーインクのノズル群で印刷する3バンドの範囲にノズル列
を配列して構成されていることを特徴とする請求項1〜 請求項6のいずれかに記載の印刷装置。 - 副走査方向に形成された複数のノズルを、カラー印刷に使用する2以上の異なる色のカ
ラーインクの色数で区分し、前記各区分に対応する各ノズル群に前記各カラーインクを割
り当て、前記各ノズル群に属する複数のノズルから対応する前記各カラーインクを吐出す
るカラーインクノズル列と、当該カラーインクノズル列と主走査方向に並列に配列した黒
インクを吐出するモノクロインクノズル列とを備えた印刷ヘッドを使用し、印刷媒体を副
走査方向に搬送し、前記副走査方向と交差する主走査方向に印刷ヘッドを往復駆動し、所
定のノズルから前記印刷媒体上にカラーインクと黒インクとを吐出して印刷を行う印刷方
法であって、
カラー印刷時に、前記モノクロインクノズル列を使用した黒インクでの印刷のため、
黒インクの印刷データに対応したインク滴の吐出を複数回の主走査方向の往路および復
路を含む走査に分けて吐出するように印刷データを分割した分割印刷データを生成し、
前記カラーインクノズル列を使用した印刷と前記カラーインクノズル列に並列に配列さ
れた前記モノクロインクノズル列を使用した印刷とを組み合わせて、前記各カラーインク
での印刷と分割された黒インクでの印刷とが所定の印刷順序となるように、前記複数回の
主走査方向の往路および復路を含む走査ごとに、前記生成された対応する分割印刷データ
を使用し、前記モノクロインクノズル列における異なる部位のノズルを使用して印刷し、
印刷領域を主走査方向に分割したときにモノクロ印刷だけの領域を検出し、モノクロ印
刷だけの領域では、前記カラーインクのノズル群のバンド幅に制限しないで前記モノクロ
インクノズル列を使用して印刷することを特徴とする印刷方法。
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