JP6078309B2 - ヒートパイプ、気液相充填ヒートパイプの製造方法 - Google Patents

ヒートパイプ、気液相充填ヒートパイプの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒートパイプ、及びこのヒートパイプ内に気相の作動流体及び液相の作動流体が充填されている気液相充填ヒートパイプの製造方法に関する。
ヒートパイプ内に気相の作動流体(以下、気相流体とする)及び液相の作動流体(以下、液相流体とする)が充填されている気液相充填ヒートパイプが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。このようなヒートパイプは、一般的に、以下の手順で製造される。
まず、流体の出入口が二つ形成されているヒートパイプ本体を製造する。次に、このヒートパイプ本体の一方の出入口を真空引きしつつ、他方の出入口から液相流体を流し込む。そして、ヒートパイプ本体内の液相流体の容量が予め定められた容量になると、ヒートパイプ本体の各出入口をプラグ等で封止する。以上で気液相充填ヒートパイプが完成する。
その他、関連する技術としては、以下の特許文献1に記載されているものがある。この気液相充填ヒートパイプ装置は、蒸発器及び凝縮器を有するヒートパイプ本体と、ヒートパイプ本体内で発生した不凝縮ガス(例えば、水素)を排出する不凝縮ガス排出装置と、を備えている。不凝縮ガス排出装置は、凝縮器の下部ヘッダから上方に延びる不凝縮ガス分離管と、この不凝縮ガス分離管の先に設けられている不凝縮ガス吸収装置と、不凝縮ガス吸収装置からの不凝縮ガスの放出を制御する第一及び第二制御弁と、を備えている。
この技術において、ヒートパイプ本体で熱交換が行われている際、基本的に、不凝縮ガス吸収装置の上流側に配置されている第一制御弁は開状態で、下流側に配置されている第二制御弁は閉状態である。このため、ヒートパイプ本体内で発生した不凝縮ガスは不凝縮ガス分離管及び第一制御弁を経て不凝縮ガス吸収装置に貯められ、第二制御弁を経て外部に放出されない。この気液相充填ヒートパイプ装置では、以上の状態が規定時間以上になると、第一制御弁が閉状態になり、第二制御弁が開状態になって、不凝縮ガス吸収装置に貯められた不凝縮ガスが外部に放出される。
実用新案登録第1827495号公報
従来の気液相充填ヒートパイプの製造方法では、前述したように、ヒートパイプ本体を製造した後、真空ポンプ等を準備して、ヒートパイプ本体内の真空度を管理しつつ、ヒートパイプ本体内に液相流体を所定量入れ、その後、ヒートパイプ本体の各出入口をプラグ等で封止している。このため、従来の製造方法では、ヒートパイプ本体を製造してから、気液相充填ヒートパイプが完成するまでに、手間がかかり、製造コストがかさむという問題点がある。
また、上記のようなヒートパイプは、蒸発器を熱源側に配置し、該熱源側の空間を冷却するために用いられるが、メンテナンス性の観点からは、経年劣化を軽減させるために、作動流体が常に循環するのではなく熱源側の空間の冷却を図る際にのみ循環することが好ましい。
そこで、本発明は、気液相充填ヒートパイプの製造の手間を軽減でき、製造コストを抑えることができる気液相充填ヒートパイプの製造方法、及びこれに好適なヒートパイプを提供することを目的とする。
また、本発明は、メンテナンス性の向上を図ることができるヒートパイプ、及び該ヒートパイプを有する原子力プラントを提供することを目的とする。
上記問題点を解決するための発明に係る気液相充填ヒートパイプの製造方法は、
液化している作動流体である液相流体を外部と熱交換させることで該液相流体を気化させる蒸発器と、気化した該作動流体である気相流体を外部と熱交換させることで該気相流体を液化させる凝縮器と、該気相流体を該蒸発器から該凝縮器に導く気相流体管と、該液相流体を該凝縮器から該蒸発器に導く液相流体管と、を備えているヒートパイプ本体を製造する本体製造工程と、前記凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行する条件を放出条件とし、該放出条件を満たすと、前記凝縮器中の上部を大気開放して、該凝縮器から前記気相流体を大気に放出し、該蒸発器内での前記液相流体の沸騰進行が予め定められた程度まで進行したことを放出完了条件とし、該放出完了条件を満たすと、該凝縮器からの前記気相流体の大気放出を止める作動流体調節器を、前記ヒートパイプ本体に取り付ける調節器取付工程と、前記ヒートパイプ本体内に前記液相流体を充填する充填工程と、前記液相流体が充填された前記ヒートパイプ本体の前記蒸発器を外部から加熱する加熱工程と、を実行し、
前記放出条件は、前記凝縮器内の圧力であって、該凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行すると想定される第一規定圧力以上であることであり、前記放出完了条件は、該凝縮器内の圧力であって、該第一規定圧力よりも低い第二規定圧力未満であることであり、前記作動流体調節器は、弁ケーシングと、弁ケーシング内の開位置と閉位置との間で移動可能に配置された弁体と、前記凝縮器内の圧力に応じて変位又は変形するパイロット部材とを有する圧力調節弁であり、前記パイロット部材は、前記凝縮器内の圧力が前記第一規定圧力以上になると、前記弁体を前記開位置に移動させ、該凝縮器内の圧力が前記第二規定圧力未満になると、該弁体を前記閉位置に移動させる、ことを特徴とする。
当該製造方法では、大気圧下でヒートパイプ本体内に液相流体を充填し、その後、液相流体が充填されているヒートパイプ本体を放置しておけば、熱発生領域内で熱が発生して、この領域内に配置されている蒸発器が加熱されると、ヒートパイプ本体内は自動的に気相流体及び液相流体で満たされた状態になり、気液相充填ヒートパイプが完成する。
よって、当該製造方法では、気液相充填ヒートパイプの製造の手間を軽減でき、製造コストを抑えることができる。また、当該製造方法では、電源が断たれているときに加熱工程が実行されても、作動流体調節器である圧力調節弁が開閉動作するので、気液相充填ヒートパイプを製造することができる。
ここで、前記気液相充填ヒートパイプの製造方法において、前記充填工程では、前記ヒートパイプ本体内に前記液相流体を満充填してもよい。
ヒートパイプ本体内に液相流体を満充填すると、ヒートパイプ本体内に不凝縮性ガスが存在しなくなる。このため、完成後の気液相充填ヒートパイプにおける熱交換性能を高めることができる。
また、前記気液相充填ヒートパイプの製造方法において、両端部が開口しているダクトで前記凝縮器の周りを覆うダクト設置工程を実行してもよい。
凝縮器をダクトで覆うと、このダクトによるドラフト効果により、ダクト内を流れる空気流量が増加し、凝縮器に接する空気流量を増加させることができる。よって、当該製造方法では、気液相充填ヒートパイプの熱交換性能を高めることができる。
また、前記気液相充填ヒートパイプの製造方法において、前記液相流体は、水であってもよい。
水は他の冷媒よりも価格が安い。このため、当該製造方法では、気液相充填ヒートパイプの製造コストを抑えることができる。さらに、当該製造方法では、大気放出した作動流体による大気汚染を避けることができる。
さらに、前記気液相充填ヒートパイプの製造方法において、前記液相流体は、脱気水であることが好ましい。
これによって、不凝縮ガスの発生を極力低減することができ、溶存ガスである不凝縮ガスが後に溜まってしまうことを回避できる。
上記問題点を解決するための発明に係るヒートパイプは、
液化している作動流体である液相流体を外部と熱交換させることで該液相流体を気化させる蒸発器と、気化した前記作動流体である気相流体を外部と熱交換させることで該気相流体を液化させる凝縮器と、前記気相流体を前記蒸発器から前記凝縮器に導く気相流体管と、前記液相流体を前記凝縮器から前記蒸発器に導く液相流体管と、前記凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行する条件を放出条件とし、該放出条件を満たすと、前記凝縮器中の上部を大気開放して、該凝縮器から前記気相流体を大気に放出し、該蒸発器内での前記液相流体の沸騰進行が予め定められた程度まで進行したことを放出完了条件とし、該放出完了条件を満たすと、該凝縮器からの前記気相流体の大気放出を止める作動流体調節器と、を備え、
前記放出条件は、前記凝縮器内の圧力であって、該凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行すると想定される第一規定圧力以上であることであり、前記放出完了条件は、該凝縮器内の圧力であって、該第一規定圧力よりも低い第二規定圧力未満であることであり、前記作動流体調節器は、弁ケーシングと、弁ケーシング内の開位置と閉位置との間で移動可能に配置された弁体と、前記凝縮器内の圧力に応じて変位又は変形するパイロット部材とを有する圧力調節弁であり、前記パイロット部材は、前記凝縮器内の圧力が前記第一規定圧力以上になると、前記弁体を前記開位置に移動させ、該凝縮器内の圧力が前記第二規定圧力未満になると、該弁体を前記閉位置に移動させる、ことを特徴とする。
当該ヒートパイプを用いることで、気液相充填ヒートパイプの製造の手間を軽減でき、製造コストを抑えることができる。
また、上記問題点を解決するための発明に係るヒートパイプ装置は、
前記ヒートパイプと、筒状を成し、両端部が開口して、前記凝縮器を覆うダクトと、を備えていることを特徴とする。
当該ヒートパイプ装置では、凝縮器をダクトで覆うと、このダクトによるドラフト効果により、ダクト内を流れる空気流量が増加し、凝縮器に接する空気流量を増加させることができる。よって、当該ヒートパイプ装置では、完成後の気液相充填ヒートパイプの熱交換性能を高めることができる。
また、上記問題点を解決するための発明に係るヒートパイプは、第一外部流体と作動流体とを熱交換することで、該第一外部流体を冷却する第一熱交換器と、前記第一外部流体から隔てられた第二外部流体と前記作動流体を熱交換することで、前記作動流体を冷却する第二熱交換器と、前記第一熱交換器での熱交換により加熱された前記作動流体を前記第二熱交換器に導く第一流体管と、前記第二熱交換器での熱交換により冷却された前記作動流体を前記第一熱交換器に導く第二流体管と、前記第一流体管及び前記第二流体管の前記作動流体の流通を禁止する一方、前記第一外部流体が所定の温度を超えた際に前記第一流体管及び前記第二流体管の前記作動流体の流通を許可する開閉部と、を備えることを特徴とする。
これにより、第一外部流体が所定の温度を超えて該第一外部流体の冷却が必要になった場合には、開閉部が作動流体の流通を許可することで作動流体の循環が開始される。
上記ヒートパイプでは、前記開閉部は、閉状態とされることで前記作動流体の流通を禁止する一方、開状態とされることで前記作動流体の流通を許容する電磁弁を有することが好ましい。
これによって、例えば作業員が開閉部の配置箇所まで行かなくても、作動流体の流通を開始させることができる。
また、上記の電磁弁は、前記電磁弁は、通電されることで閉状態になり、非通電とされることで開状態となることが好ましい。
これによって、第一外部流体が所定の温度を超えて同時に電源が失われた場合であっても、作動流体の循環を開始させることができる。
また、上記の開閉部は、前記第一流体管及び前記第二流体管を閉塞するとともに、加熱されることで溶融する可溶材を有する可溶栓を備えることが好ましい。
これによって、第一外部流体が高温になった場合には、該第一外部流体の熱に基づいて可溶材が溶融することで、作動流体を循環させることができる。
また、上記可溶栓は、栓本体を有し、前記可溶材は、該栓本体と前記第一流体管及び前記第二流体管の内壁面との間に配置されていることが好ましい。
これによって可溶栓全体が可溶材によって形成されている場合に比べて、可溶材の量を低減させることができる。したがって、可溶材が再固化することによって流路面積が低下する不都合を抑制できる。
さらに、前記第一流体管を閉塞する前記可溶栓は、該第一流体管の前記電磁弁よりも前記第二熱交換器側に配置されており、前記第二流体管を閉塞する前記可溶栓は、該第二流体管の前記電磁弁よりも前記第一熱交換器側に配置されていることが好ましい。
これにより、可溶栓がそれぞれ第一流体管及び第二流体管における電磁弁の下流側に配置されることになるため、可溶栓が電磁弁において再固化することによる弁の閉塞を回避することができる。
また、上記開閉部は、前記第一外部流体に基づいて加熱されることで電力を発生するゼーベック素子を有し、前記電磁弁は、前記ゼーベック素子からの通電によって開状態となることが好ましい。
これによっても、第一外部流体が所定の温度を超えて該第一外部流体の冷却が必要になった場合には、電磁弁が開状態となり作動流体の循環が開始される。
さらに、前記開閉部は、前記開閉部は、圧縮気体の非供給時に前記作動流体の流通を禁止する一方、前記圧縮気体の供給時に前記作動流体の流通を許可する空圧弁を有することが好ましい。
これによっても、例えば作業員が開閉部の配置箇所まで行かなくても、作動流体の流通を開始させることができる。
また、上記空圧弁は、前記第一外部流体が前記圧縮気体として供給されることにより、開状態となることが好ましい。
高温になることで膨張した第一外部流体を、空圧弁を作動させる圧縮気体として利用することで、別途空気圧縮源等を設ける必要がない。よって、設備の複雑化、大型化を回避することができる。
さらに、前記開閉部は、前記第一外部流体に基づいて加熱されることで電力を発生するゼーベック素子を有し、前記空圧弁は、前記ゼーベック素子からの通電に基づいて前記圧縮気体が供給されることが好ましい。
これによっても、第一外部流体が所定の温度を超えて該第一外部流体の冷却が必要になった場合には、電磁弁が開状態となり作動流体の循環が開始される。
さらに、本発明に係るヒートパイプでは、前記作動流体は、前記第一熱交換器で気化されて気相流体となるとともに第二熱交換器で液化されて液相流体となり、前記第二熱交換器の上部の前記気相流体の圧力を検出する圧力検出部と、前記液相流体の残量を検出する液相残量検出部と、前記第二熱交換器の上部に設けられ、前記圧力検出部により検出された圧力が予め定められた値を超えた際に前記第二熱交換器の上部を大気開放するとともに、前記液相残量検出部により検出された前記液相流体の残量が予め定められた値を下回った際に前記第二熱交換器の上部の大気開放を停止する内圧調整弁と、を備えることが好ましい。
これによって、例えばヒートパイプの設置時に当初ヒートパイプ内に液相流体のみを充填しておき、第一熱交換器が熱を受けてヒートパイプの内圧が高くなった時点で大気開放を行い、その後、液相流体の残量が所定の値となった際に大気開放を停止することで、液相流体・気相流体が共存するヒートパイプを容易に構成することができる。
また、ヒートパイプ内の気相流体と液相流体とのバランスを常に適した状態とすることができ、ヒートパイプの内圧が過剰に大きくなってしまうことを回避することができる。
さらに、本発明に係るヒートパイプは、前記第二熱交換器の上部に設けられ、前記作動流体から分離した不凝縮ガスを収集する不凝縮ガス収集部を備えることが好ましい。
不凝縮ガス収集部が不凝縮ガスを収集することで、作動流体の流動抵抗となる得る不凝縮ガスを作動流体から容易に分離することができる。
また、本発明に係るヒートパイプでは、前記作動流体が、脱気水であることが好ましい。
これによって、不凝縮ガスの発生を極力低減することができる。
さらに、本発明に係る原子力プラントは、上記のいずれかのヒートパイプと、原子炉格納容器とを備え、前記第一熱交換器が前記原子炉格納容器の内側に配置され、前記第二熱交換器が前記原子炉格納容器の外側に配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の原子力プラントは、蒸発器及び凝縮器を有する蒸気いずれかのヒートパイプと、原子炉格納容器とを備え、前記蒸発器が前記原子炉格納容器の内側に配置され、前記凝縮器が前記原子炉格納容器の外側に配置されていることを特徴とする。
このような特徴の原子炉によれば、通常時は作動流体の循環が禁止されているため、原子炉格納容器内の放射性物質が外部に漏出してしまうことを回避できる。一方、異常時に原子炉格納容器内が高温となった際には、作動流体の循環を許容することで、原子炉格納容器内の気体、即ち、第一外部流体を冷却することができる。
本発明によれば、気液相充填ヒートパイプの製造の手間を軽減でき、製造コストを抑えることができる。
また、本発明によれば、熱源側の冷却が必要な際にのみ作動流体の循環するため、メンテナンス性を向上させることができる。
本発明に係る第一実施形態における気液相充填ヒートパイプの構成を示す説明図である。 本発明に係る第一実施形態における気液相充填ヒートパイプの製造手順を示すフローチャートである。 本発明に係る第二実施形態における気液相充填ヒートパイプの構成を示す説明図である。 本発明に係る第三実施形態における気液相充填ヒートパイプの構成を示す説明図である。 本発明に係る第一実施形態の第一変形例における気液相充填ヒートパイプ装置の構成を示す説明図である。 本発明に係る第一実施形態の第二変形例における気液相充填ヒートパイプの構成を示す説明図である。 本発明に係る第四実施形態の原子力プラントの全体構成図である。 本発明に係る第四実施形態の原子力プラントに設けられたヒートパイプの全体構成図である。 第四実施形態の変形例の可溶栓を説明する斜視図である。 本発明に係る第五実施形態の原子力プラントの全体構成図である。 本発明に係る第六実施形態の原子力プラントの全体構成図である。 本発明に係る第七実施形態の原子力プラントの全体構成図である。 本発明に係る第八実施形態の原子力プラントの全体構成図である。 本発明に係る第九実施形態の原子力プラントの全体構成図である。 第九実施形態の変形例原子力プラントの全体構成図である。
以下、本発明に係る各種実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
「第一実施形態」
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係る第一実施形態について説明する。
本実施形態の気液相充填ヒートパイプは、図1に示すように、ヒートパイプ本体10と、作動流体調節器20と、ヒートパイプ本体10内を満たしている作動流体Fと、を備えている。
ヒートパイプ本体10は、液化している作動流体F(以下、液相流体Flとする)を外部と熱交換させることで液相流体Flを気化させる蒸発器11と、気化した作動流体F(以下、気相流体Fgとする)を外部と熱交換させることで気相流体Fgを液化させる凝縮器15と、気相流体Fgを蒸発器11から凝縮器15に導く気相流体管16と、液相流体Flを凝縮器15から蒸発器11に導く液相流体管17と、を有している。
蒸発器11及び凝縮器15は、いずれも、上部ヘッダ12e,12cと、下部ヘッダ13e,13cと、上部ヘッダ12e,12cと下部ヘッダ13e,13cとを接続する複数の伝熱管14e,14cと、を有している。ヒートパイプ本体10が所定の位置に設置された際、上部ヘッダ12e,12c及び下部ヘッダ13e,13cは、互いの間隔をあけて平行になる。複数の伝熱管14e,14cは、これら上部ヘッダ12e,12cと下部ヘッダ13e,13cとを接続する。蒸発器11の上部ヘッダ12eと凝縮器15の上部ヘッダ12cとは、前述の気相流体管16により接続され、凝縮器15の下部ヘッダ13cと蒸発器11の下部ヘッダ13eとは、前述の液相流体管17により接続されている。
ヒートパイプ本体10が所定の位置に設置された際、凝縮器15は蒸発器11よりも高い位置に位置することになる。具体的には、凝縮器15の下部ヘッダ13cは、蒸発器11の上部ヘッダ12eよりも高い位置になる。
凝縮器15の上部ヘッダ12cの最上部には、内部に液相流体Flを入れるための流体入口12aが形成され、この流体入口12aはプラグ12bにより閉じられている。さらに、凝縮器15の上部ヘッダ12cの最上部には、前述の作動流体調節器20が取り付けられている。
作動流体調節器20は、本実施形態では圧力調節弁である。このため、以下では、本実施形態において作動流体調節器を圧力調節弁20と呼ぶことにする。この圧力調節弁20は、ヒートパイプ本体10内の圧力が予め定められた第一規定圧力以上になると開き、一旦、開くと、第一規定圧力より低い第二規定圧力未満になると閉じる弁である。ここで、第一規定圧力は、凝縮器15が大気開放状態であれば蒸発器11内で液相流体Flの沸騰が進行すると想定される圧力である。
このような圧力調節弁20としては、例えば、ヒートパイプ本体10内の圧力を検知する圧力計と、この圧力計で検知された圧力に応じて開閉動作する調節弁と、を有するものでもよい。なお、この調節弁は、弁ケーシングと、弁ケーシング内に配置された弁体と、弁体を移動させる弁駆動装置とを有している。また、圧力調節弁20としては、弁ケーシングと、弁ケーシング内に配置された弁体と、弁ケーシング内に配置されヒートパイプ本体10内の圧力に応じて変位又は変形するパイロット部材とを有するものであってもよい。この種の圧力調節弁20は、ヒートパイプ本体10内の圧力の変化に応じて、パイロット部材が変位又は変形すると、この変位又は変形に応じて弁体が移動する仕組みになっている。
気液相充填ヒートパイプは、圧力調節弁20が取り付けられたヒートパイプ本体10内に、液相流体Flと気相流体Fgとが充填されているものである。この気液相充填ヒートパイプは、その蒸発器11が熱発生領域R内に設置され、その凝縮器15が熱発生領域R外に凝縮器15が設置され、熱発生領域Rの徐熱装置として利用される。
気液相充填ヒートパイプが上述のように設置されているときに、熱発生領域Rで熱が発生すると、蒸発器11内の液相流体Flは熱発生領域R内の熱との熱交換で加熱されて沸騰し、気相流体Fgになる。この気相流体Flは、蒸発器11の上部ヘッダ12eから気相流体管16を経て凝縮器15の上部ヘッダ12cに導かれる。凝縮器15内に至った気相流体Flは、例えば、大気との熱交換で冷却され、液相流体Flになる。この液相流体Flは、凝縮器15の下部ヘッダ13cから液相流体管17を経て蒸発器11の下部ヘッダ13eに導かれる。以下、気液相充填ヒートパイプは、内部の作動流体Fが液相から気相へ、気相から液相への変化を繰り返して、熱発生領域R内で発生した熱を徐熱する。
このように、気液相充填ヒートパイプは、電力を用いずに、徐熱を行うことができる。
次に、図2に示すフローチャートに従って、以上で説明した気液相充填ヒートパイプの製造手順について説明する。
まず、気液相充填ヒートパイプのヒートパイプ本体10を製造し、このヒートパイプ本体10を所定の位置に設置する(S1)。ヒートパイプ本体10の蒸発器11は、前述したように、熱発生領域R内に設置され、その凝縮器15が熱発生領域R外に設置される。
次に、ヒートパイプ本体10に作動流体調節器としての圧力調節弁20を取り付ける(S2)。この圧力調節弁20は、前述したように、凝縮器15の上部ヘッダ12cの最上部に取り付けられる。なお、圧力調節弁20の取り付けは、ヒートパイプ本体10の製造後であってその設置前に行ってもよい。
次に、ヒートパイプ本体10の流体入口12aからヒートパイプ本体10内に液相流体Flを充填する(S3)。この際、ヒートパイプ本体10内に不凝縮性ガスが残らぬよう、ヒートパイプ本体10内に液相流体Flを満充填することが好ましい。但し、本実施形態において、ヒートパイプ本体10内に液相流体Flを満充填しなくてもよい。液相流体Flとしては、各種冷媒を適用できるが、ここでは、冷媒を大気に放出することを前提としているため、外部環境を考慮し、水であることが好ましい。ヒートパイプ本体10内に液相流体Flを充填すると、ヒートパイプ本体10の流体入口12aをプラグ12bで塞ぐ。
なお、作動流体F1は、脱気水であることがより好ましい。これにより、不凝縮ガスの発生を極力低減することができ、また、溶存ガスである不凝縮ガスが後に溜まってしまうことを回避できる。
前述したように、圧力調節弁20に対して定められている第一規定圧力は、凝縮器15が大気開放状態であれば蒸発器11内で液相流体Flの沸騰が進行すると想定される圧力である。このため、液相流体Flとして、水を用いる場合、第一規定圧力は大気圧よりも僅かに高い圧力となる。
なお、ここでは、流体入口12aをプラグ12bで塞いでいるが、溶接やプレス等により流体入口12aを塞いでもよい。また、ここでは、ヒートパイプ本体10に予め流体入口12aを設けておき、この流体入口12aから内部に液相流体Flを充填しているが、圧力調節弁20の取付前に、この圧力調節弁20の取付口から液相流体Flを内部に充填し、その後、圧力調節弁20をヒートパイプ本体10に取り付けてもよい。すなわち、液相流体Flの充填工程(S3)を圧力調節弁20の取付工程(S2)の前に行ってもよい。
次に、液相流体Flで満たされている蒸発器11を加熱する(S4)。この加熱は、意図的な加熱であってもよいが、熱発生領域R内で発生した熱による加熱でよい。
蒸発器11が加熱されると、ヒートパイプ本体10内の圧力は上昇する。ヒートパイプ本体10内の圧力が第一規定圧力以上になると、つまり、大気圧よりも僅かに高い圧力になると、圧力調節弁20が開く。そして、加熱により液相流体Flが沸騰により気化し、気化した液相流体Fl、つまり気相流体Frがヒートパイプ本体10内から圧力調節弁20を介して大気に放出される。気相流体Frの大気放出により、ヒートパイプ本体10内の圧力が第二規定圧力未満になると、圧力調節弁20は閉じる。この結果、ヒートパイプ本体10内は、気相流体Fg及び液相流体Flで満たされた状態になり、気液相充填ヒートパイプが完成する。
以降、この気液相充填ヒートパイプは、熱発生領域R内で発生した熱を前述したように徐熱する。なお、気液相充填ヒートパイプの完成後であっても、この気液相充填ヒートパイプにより熱発生領域R内で発生した熱を除熱している過程、つまり気液相充填ヒートパイプの作動過程では、ヒートパイプ本体10内の圧力変動に応じて、圧力調節弁20の開閉が繰り返し行われる。
ところで、ヒートパイプ本体10が金属で形成されている場合、気液界面での腐食により、不凝縮性ガスである水素ガスが発生する。また、ヒートパイプ本体10を構成する金属製パイプの製造段階でパイプ内に含有した水素がヒートパイプ本体10内に漏出することもある。このような不凝縮性ガスがヒートパイプ本体10内に溜まると、気液相充填ヒートパイプの熱交換性能が低下する。
本実施形態では、ヒートパイプ本体10内の不凝縮性ガスが増加し、ヒートパイプ本体10内の圧力が再び第一規定圧力以上になると、圧力調節弁20が開き、ヒートパイプ本体10内から、気相流体Frと共に不凝縮性ガスが大気に放出される。このため、本実施形態では、ヒートパイプ本体10内で、不凝縮性ガスの増加を抑えることができ、気液相充填ヒートパイプの熱交換性能の低下を防ぐことができる。
以上のように、本実施形態では、大気圧下でヒートパイプ本体10内に液相流体Flを充填し、その後、液相流体Flが充填されているヒートパイプ本体10を放置しておけば、熱発生領域R内で熱が発生して、蒸発器11が加熱されると、ヒートパイプ本体10内は自動的に気相流体Fg及び液相流体Flで満たされた状態になり、気液相充填ヒートパイプが完成する。
よって、本実施形態では、気液相充填ヒートパイプの製造の手間を軽減でき、製造コストを抑えることができる。また、本実施形態において、圧力調節弁20として、パイロット部材を有するものを用いることで、S4で蒸発器11が加熱されている際に電源が断たれていても、気液相充填ヒートパイプを製造することができる。
さらに、本実施形態では、前述したように、気液相充填ヒートパイプの作動過程で、ヒートパイプ本体10内に不凝縮性ガスが増大してきても、この増大を抑えることができ、不凝縮性ガスの増大による熱交換性能の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態では、気液相充填ヒートパイプの完成後であっても、ヒートパイプ本体10内の圧力変動に応じて圧力調節弁20が開閉するので、ヒートパイプ本体10内の圧力を第一規定圧力以下に抑えることができ、ヒートパイプ本体10の保護を図ることができる。
「第二実施形態」
次に、図3を参照して、本発明に係る第二実施形態について説明する。
本実施形態の気液相充填ヒートパイプは、第一実施形態と同様、ヒートパイプ本体10と、作動流体調節器20aと、ヒートパイプ本体10内を満たしている液相流体Fl及び気相流体Fgと、を備えている。但し、本実施形態の作動流体調節器20aは、第一実施形態と異なっている。そこで、以下では、この作動流体調節器20aを主として説明する。
本実施形態の作動流体調節器20aは、調節弁21と、ヒートパイプ本体10内の圧力を検知する圧力計25と、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量を検知する液容量計26と、を有している。
調節弁21は、弁ケーシング22と、弁ケーシング22内に配置された弁体(不図示)と、圧力計25で検知されたヒートパイプ本体10内の圧力及び液容量計26で検知されたヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量に応じて弁体を移動させる弁駆動装置23と、を有している。
弁駆動装置23は、ヒートパイプ本体10内の圧力が第一実施形態で説明した第一規定圧力以上になると弁体を開位置へ移動させ、その後、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量が予め定められた容量未満になってから弁体を閉位置に移動させる。但し、一旦、調節弁21が開閉した後、再び、ヒートパイプ本体10内の圧力が第一規定圧力以上になると、弁閉の条件は、ヒートパイプ本体10内の圧力が第一実施形態で説明した第二規定圧力未満になるという条件になる。すなわち、この弁駆動装置23は、一旦、弁体を開閉移動させ、再び、ヒートパイプ本体10内の圧力が第一規定圧力以上になり、弁体を開位置に移動させた後、ヒートパイプ本体10内の圧力が第二規定圧力未満になると、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量に関係なく、弁体を閉位置に移動させる。
なお、本実施形態において、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量に関する予め定められた容量は、図3に示すように、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flのレベルが蒸発器11の上部ヘッダ12eにおける最上部の位置L1以上で且つ凝縮器15の下部ヘッダ13cにおける最下部の位置L2以下の容量である。
次に、本実施形態における気液相充填ヒートパイプの製造手順について説明する。
本実施形態も、第一実施形態の気液相充填ヒートパイプの製造手順と同様、ヒートパイプ本体10の製造工程(S1)、作動流体調節器20aの取付工程(S2)、液相流体Flの充填工程(S3)、蒸発器11の加熱工程(S4)が実行される。但し、本実施形態では、蒸発器11の加熱工程(S4)での作動流体調節器20aの動作が第一実施形態と異なる。
本実施形態においても、第一実施形態と同様、蒸発器11が加熱され、ヒートパイプ本体10内の圧力が第一規定圧力以上になると、調節弁21が開き、ヒートパイプ本体10内から気相流体Frが大気に放出される。気相流体Frの大気放出により、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量が予め定められた容量未満になると、調節弁21が閉じる。調節弁21が閉じた段階で、ヒートパイプ本体10内は、気相流体Fg及び液相流体Flで満たされ、且つ気相流体Fg及び液相流体Flのそれぞれの容量が熱交換に最適な容量となり、気液相充填ヒートパイプが完成する。
以降、この気液相充填ヒートパイプは、熱発生領域R内で発生した熱を前述したように徐熱する。気液相充填ヒートパイプの完成後、気液相充填ヒートパイプの作動過程では、ヒートパイプ本体10内の圧力変動に応じて、調節弁21の開閉が繰り返し行われ、ヒートパイプ本体10内の圧力調節が実行される。
以上、本実施形態でも、第一実施形態とほぼ同様に、調節弁21が開閉するので、第一実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、蒸発器11が一旦加熱され始めると、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量が予め定められた容量未満にならない限り、調節弁21が閉じないため、第一実施形態よりも、早い時点で、気相流体Fg及び液相流体Flのそれぞれの容量を熱交換に最適な容量にすることができる。
なお、本実施形態では、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量が予め定められた容量未満になったか否かを液容量計26からの情報で認識している。しかしながら、この液容量計26の替わりに、調節弁21の上流側又は下流側に流量計を設け、調節弁21から大気に放出される気相流体Fgの流量を流量計で検知し、この流量計からの情報でヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量が予め定められた容量未満になったか否かを認識するようにしてもよい。
また、本実施形態の調節弁21が電動式の弁駆動装置23を有する場合、S4で蒸発器11が加熱されている際に電源が断たれていても、この弁駆動装置23の駆動を確保するために、電池を設けておいてもよい。
「第三実施形態」
次に、図4を参照して、本発明に係る第三実施形態について説明する。
本実施形態の気液相充填ヒートパイプは、第一実施形態及び第二実施形態と同様、ヒートパイプ本体10と、作動流体調節器20bと、ヒートパイプ本体10内を満たしている液相流体Fl及び気相流体Fgと、を備えている。但し、本実施形態の作動流体調節器20bは、第一実施形態及び第二実施形態と異なっている。そこで、以下では、この作動流体調節器20bを主として説明する。
本実施形態の作動流体調節器20bは、調節弁21と、蒸発器11の下部ヘッダ13e内の温度を検知する温度計27と、時間を計測するタイマー28と、を有している。
調節弁21は、弁ケーシング22と、弁ケーシング22内に配置された弁体(不図示)と、弁体を移動させる弁駆動装置23bと、を有している。
弁駆動装置23bは、温度計27で検知された蒸発器11の下部ヘッダ13e内の温度が予め定められた温度以上になると弁体を開位置へ移動させ、弁体を開位置に移動させてからタイマー28により計測される時間が予め定められた時間以上になると弁体を閉位置に移動させる。
なお、本実施形態において、蒸発器11の下部ヘッダ13e内の温度に関する予め定められた温度は、凝縮器15が大気開放状態であれば蒸発器11内で液相流体Flの沸騰が進行すると想定される温度である。このため、液相流体Flとして、水を用いる場合、予め定められた温度は100℃よりも僅かに高い温度となる。また、本実施形態において、予め定められた時間は、弁体が開位置に移動してから、調節弁21からの気相流体Frの大気放出により、ヒートパイプ本体10の液相流体Flの容量が、第二実施形態における予め定められた容量になると推定される時間である。但し、調節弁21からの気相流体Frの放出量は、熱発生領域R内での熱発生量により変化するため、熱発生領域R内での熱発生量が予め定められた熱発生量であるとして、予め定められた時間が定められる。
次に、本実施形態における気液相充填ヒートパイプの製造手順について説明する。
本実施形態も、第一実施形態の気液相充填ヒートパイプの製造手順と同様、ヒートパイプ本体10の製造工程(S1)、作動流体調節器20bの取付工程(S2)、液相流体Flの充填工程(S3)、蒸発器11の加熱工程(S4)が実行される。但し、本実施形態では、蒸発器11の加熱工程(S4)での作動流体調節器20bの動作が第一及び第二実施形態と異なる。
本実施形態では、蒸発器11が加熱され、蒸発器11の下部ヘッダ13e内の温度が予め定められた温度以上になると、調節弁21が開き、ヒートパイプ本体10内から気相流体Frが大気に放出される。気相流体Frの大気放出が開始されたから、予め定められた時間が経過すると、調節弁21が閉じる。調節弁21が閉じた段階で、ヒートパイプ本体10内は、気相流体Fg及び液相流体Flで満たされ、且つ気相流体Fg及び液相流体Flのそれぞれの容量が熱交換に最適な容量となり、気液相充填ヒートパイプが完成する。
以降、この気液相充填ヒートパイプは、熱発生領域R内で発生した熱を前述したように徐熱する。
以上、本実施形態でも、第一及び第二実施形態と同様に、ヒートパイプ本体10内を気相流体Fg及び液相流体Flで満すために調節弁21が開閉するので、第一及び第二実施形態と同様に、気液相充填ヒートパイプの製造の手間を軽減でき、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態でも、第二実施形態と同様、蒸発器11が一旦加熱され始めると、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量がある程度未満にならない限り、調節弁21が閉じないため、第一実施形態よりも、早い時点で、気相流体Fg及び液相流体Flのそれぞれの容量を熱交換に最適な容量にすることができる。
なお、本実施形態においても、第二実施形態と同様に、ヒートパイプ本体10内の圧力を検知する圧力計をさらに設け、一旦、調節弁21が開閉動作した後には、この調節弁21は、圧力計で検知される圧力が第一規定圧力以上になると開き、第二規定圧力未満になると閉じるようにしてもよい。
また、本実施形態の調節弁21が電動式の弁駆動装置23bを有する場合、S4で蒸発器11が加熱されている際に電源が断たれていても、この弁駆動装置23の駆動を確保するために、電池を設けておいてもよい。
「第一変形例」
次に、図5を参照して、以上の実施形態の第一変形例について説明する。
本変形例は、第一実施形態における気液相充填ヒートパイプの凝縮器15をダクト30で覆ったものである。本変形例では、この気液相充填ヒートパイプとダクト30とで、気液相充填ヒートパイプ装置を構成している。
ダクト30は、筒状を成し、両端部が開口している。このダクト30は、一方の端部が凝縮器15の下方に位置し、他方の端部が凝縮器15の上方に位置するよう、その軸線が上下方向をむくように設置される。なお、ここでは、ダクト30を形成する筒の下端を開口しているが、筒を形成する側周壁上の下部に開口を形成してもよい。
以上のように、凝縮器15をダクト30で覆うと、このダクト30によるドラフト効果により、ダクト30内を流れる空気流量が増加し、凝縮器15に接する空気流量を増加させることができる。よって、本実施形態では、気液相充填ヒートパイプの熱交換性能を高めることができる。
なお、本変形例は、第一実施形態における気液相充填ヒートパイプの凝縮器15をダクト30で覆ったものであるが、第二及び第三実施形態における気液相充填ヒートパイプの凝縮器15をダクト30で覆ってもよい。
「第二変形例」
次に、図6を参照して、以上の実施形態の第二変形例について説明する。
本変形例は、第一実施形態における気液相充填ヒートパイプの凝縮器15を水Wが満たされているピット(又はプール)35内に設置したものである。
以上の各実施形態及び変形例は、いずれも、気液相充填ヒートパイプの凝縮器15は大気に晒され、この大気と内部の気相流体Flと間で熱交換を行わせるものである。しかしながら、以上の各実施形態及び変形例において、気液相充填ヒートパイプの凝縮器15を大気に晒さらす必要はなく、本変形例のよう、凝縮器15を水Wが満たされているピット(又はプール)35内に設置し、この水Wと内部の気相流体Flとの間で熱交換を行わせるようにしてもよい。
「その他の変形例」
以上の各実施形態の作動流体調節器20,20a,20bでは、凝縮器15が大気開放状態であれば蒸発器11内で液相流体Flの沸騰が進行する条件を放出条件とし、この放出条件を満たすと、凝縮器15中の上部を大気開放して、凝縮器15から気相流体Fgを大気に放出している。さらに、以上の各実施形態及び各変形例の作動流体調節器20,20a,20bでは、気相流体Fgの大気放出後、蒸発器11内での液相流体Flの沸騰進行が予め定められた程度まで進行したことを放出完了条件とし、この放出完了条件を満たすと、凝縮器15からの気相流体Fgの大気放出を止めている。
具体的に、第一実施形態では、ヒートパイプ本体10内の圧力に関する第一規定圧力を放出条件とし、この第一規定圧力よりも低い第二規定圧力を放出完了条件としている。また、第二実施形態では、ヒートパイプ本体10内の圧力に関する第一規定圧力を放出条件とし、ヒートパイプ本体10内の液相流体Flの容量に関する予め定められた容量を放出完了条件としている。さらに、第三実施形態では、蒸発器11内の温度に関する予め定められた温度を放出条件とし、凝縮器15を大気開放してからの時間に関する予め定められた時間を放出完了条件としている。
しかしながら、複数の放出条件のうちの一の放出条件と複数の放出完了条件のうちの一の放出完了条件との組み合わせは、以上の実施形態に例示したものに限るものではなく、これらの組み合わせを適宜変更することができる。例えば、第三実施形態の放出完了条件として、第二実施形態の放出完了条件を採用してもよい。
また、以上の実施形態において、作動流体調節器は、放出完了条件を一旦満たして、凝縮器15からの気相流体の大気放出を止めた後、放出条件を満たしても、凝縮器中の上部を大気開放しない、つまり、調節弁が開かないものであってもよい。このように、調節弁が一旦開閉した後、再び、調節弁が開かないようにすることで、ヒートパイプ本体内の液相流体の容量減少を抑えることができる。
「第四実施形態」
以下、本発明の第四実施形態について、図7及び図8を参照して詳細に説明する。
図7に示す原子力プラント100は、原子炉4と、蒸気発生器103と、原子炉格納容器104と、ヒートパイプ110とを備えている。
この原子力プラント100は、例えば原子炉101として加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を用いた発電プラントである。原子炉101は、原子炉冷却材及び中性子減速材として軽水を使用しており、この軽水を一次冷却材として用いる。原子炉101は、一次冷却材(一次冷却水)を、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水として、冷却水配管102を介して蒸気発生器103に送出する。
蒸気発生器103では、高温高圧の一次冷却水の熱を二次冷却材(二次冷却水)に伝え、二次冷却水を水蒸気とする。この水蒸気は、蒸気タービンに送られて該蒸気タービンを駆動する。蒸気タービンの出力軸には発電機の入力軸が連結されているので、蒸気タービンによって駆動された発電機は、電力を発生する。
これら原子炉101及び蒸気発生器103は、原子炉格納容器104内に格納されている。
この原子炉格納容器104は、原子炉101及び蒸気発生器103が格納された内部空間と外部空間とを隔離しており、耐圧性の高い材料から構成されている。
図8に示すように、ヒートパイプ110は、蒸発器(第一熱交換器)120、凝縮器(第二熱交換器)130、第一流体管140及び第二流体管150を有するヒートパイプ本体115と、開閉部160と、圧力検出部180と、液相残量検出部187と、内圧調整弁182と、内圧調整弁制御部183と、を有している。
蒸発器120は、原子炉格納容器104内の容器内雰囲気(第一外部流体)とヒートパイプ110内を流通する作動流体とを熱交換することで、容器内雰囲気を冷却する。一方、凝縮器130は、原子炉格納容器104外の容器外雰囲気(第二外部流体)と作動流体とを熱交換することで、作動流体を冷却する。
蒸発器120は、原子炉格納容器104内に配置されており、より詳細には、原子炉格納容器104内における原子炉101及び蒸気発生器103の上方、かつ、原子炉格納容器104の内壁面の近傍に配置されている。
この蒸発器120は、蒸発器用上部ヘッダ121と、蒸発器用下部ヘッダ122と、蒸発器用電熱管123とを備えている。
蒸発器用上部ヘッダ121及び蒸発器用下部ヘッダ122はそれぞれ水平方向に延びる管状の部材であって、上下方向に間隔をあけて、かつ、蒸発器用上部ヘッダ121の方が蒸発器用下部ヘッダ122よりも上方に位置するように互いに平行に配置されている。
蒸発器用電熱管123は、蒸発器用上部ヘッダ121と及び蒸発器用下部ヘッダ122とを上下に接続する配管であって、上下方向に延びるように、かつ、水平方向に間隔をあけて複数が設けられている。この蒸発器用電熱管123によって、蒸発器用上部ヘッダ121と蒸発器用下部ヘッダ122とは、その内部が連通状態とされている。
凝縮器130は、原子炉格納容器104の外部に配置されており、本実施形態では、蒸発器120よりも上方に配置されている。
この凝縮器130は、凝縮器用上部ヘッダ131と、凝縮器用下部ヘッダ132と、凝縮器用伝熱管133とを備えている。
凝縮器用上部ヘッダ131及び凝縮器用下部ヘッダ132はそれぞれ水平方向に延びる管状の部材であって、上下方向に間隔をあけて、かつ、凝縮器用上部ヘッダ131の方が凝縮器用下部ヘッダ132よりも上方に位置するように互いに平行に配置されている。凝縮器用上部ヘッダ131は、蒸発器用上部ヘッダ121よりも上方に配置されており、凝縮器用下部ヘッダ132は、凝縮器用下部ヘッダ132よりも上方に配置されている。
凝縮器用伝熱管133は、凝縮器用上部ヘッダ131及び凝縮器用下部ヘッダ132とを上下に接続する配管であって、上下方向に延びるように、かつ、水平方向に間隔をあけて複数が設けられている。この凝縮器用伝熱管133によって、凝縮器用上部ヘッダ131と凝縮器用下部ヘッダ132とは、その内部が連通状態とされている。
第一流体管140は、蒸発器120の蒸発器用上部ヘッダ121と凝縮器130の凝縮器用上部ヘッダ131とを接続する配管である。即ち、第一流体管140は、その一端が蒸発器用上部ヘッダ121の延在方向の端部に接続されており、他端が凝縮器用上部ヘッダ131の延在方向の端部に接続されている。これによって、蒸発器用上部ヘッダ121と凝縮器用上部ヘッダ131とは、その内部が互いに連通状態とされている。
第二流体管150は、蒸発器120の蒸発器用下部ヘッダ122と凝縮器130の凝縮器用下部ヘッダ132とを接続する配管である。即ち、第二流体管150は、その一端が蒸発器用下部ヘッダ122の延在方向の端部に接続されており、他端が凝縮器用下部ヘッダ132の延在方向の端部に接続されている。これによって、蒸発器用下部ヘッダ122と凝縮器用下部ヘッダ132とは、その内部が互いに連通状態とされている。
このような蒸発器120、凝縮器130、第一流体管140及び第二流体管150からなるヒートパイプ本体115内には、蒸発器120、凝縮器130、第一流体管140及び第二流体管150の内部が連通状態とされることで、これら内部に封止される作動流体の循環流路が形成される。この作動流体としては、例えば水やエタノール、メタノール等が用いられる。作動流体としては、液体中に溶存する酸素や窒素等の溶存気体を予め除去した脱気水を用いることが好ましい。
ヒートパイプ110内に封止された作動流体がその流通を許容された際には、蒸発器120、第一流体管140、凝縮器130、第二流体管150を順次流通し、蒸発器120及び凝縮器130での蒸発、凝縮を繰り返す。
蒸発器120では、作動流体が蒸発器用電熱管123を流通する過程で容器内雰囲気と熱交換することで蒸発する。即ち、液相状態の作動流体が、容器内雰囲気によって加熱されることで蒸発して気相流体となる。
一方、凝縮器130では、気相作動流体が凝縮器用伝熱管133を流通する過程で容器外雰囲気と熱交換することで凝縮する。即ち、気相状態の作動流体が、容器外雰囲気によって冷却されることで凝縮して液相流体となる。
開閉部160A,160B(160)は、第一流体管140及び第二流体管150にそれぞれ設けられており、原子力プラント100の通常稼働時には第一流体管140及び第二流体管150の作動流体の流通を禁止する一方、異常時に原子炉格納容器104の容器内雰囲気が所定の温度を超えた際に第一流体管140及び第二流体管150の作動流体の流通を許可する。
この開閉部160は、電磁弁161と可溶栓163とを備えている。
電磁弁161は、外部系統の電源162からの通電・非通電に応じて、作動流体の流通を禁止する閉状態と、作動流体の流通を許可する開状態とに切り替わる弁である。本実施形態の電磁弁161は、通電されることによって閉状態となり、非通電とされることによって開状態となるように構成されている。
このような電磁弁161は、第一流体管140及び第二流体管150にそれぞれ設けられている。
可溶栓163は、第一流体管140及び第二流体管150それぞれを閉塞するように設けられている。この可溶栓163は、加熱されることで要する可溶材164から形成されている。可溶材164としては、例えば100℃程度で溶融する材料を用いることが好ましく、例えばプラスチック、炭酸水素カリウム、硝酸鉄、ナフタレン、ビフェニル等を用いることができる。
この可溶栓163は、第一流体管140及び第二流体管150を閉塞可能であれば、例えば板状、球状、多面体状、塊状等、種々の形状のものを採用することができる。
なお、第一流体管140を閉塞する可溶栓163は、該第一流体管140に設けられた電磁弁161よりも凝縮器130側に設けられている。また、第二流体管150を閉塞する可溶栓163は、該第二流体管150に設けられた電磁弁161よりも蒸発器120側に設けられている。即ち、各可溶栓163は、第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通方向の下流側に設けられている。
圧力検出部180は、ヒートパイプ本体115内の内圧を検出する圧力検出計等のセンサである。本実施形態の圧力検出部180は、凝縮器130における凝縮器用上部ヘッダ131に設けられており、この凝縮器用上部ヘッダ131内の気相流体の圧力を検出し、内圧情報として出力する。
液相残量検出部187は、ヒートパイプ本体115内の液相流体の残量を検出する。即ち、この液相残量検出部187は、ヒートパイプ本体115内の液相流体の重量、流位、導通等を測定することにより、これらの値から液相流体の残量を検出する。本実施形態の液相残量検出部187は、第二流体管150に設けられており、該第二流体管150を流通する液相流体の重量、流位、導通等の値から該液相流体の残量を検出し、液相残量情報として出力する。
内圧調整弁182は、ヒートパイプ本体115内の内圧を調整する弁である。この内圧調整弁182は、凝縮器130の凝縮器用上部ヘッダ131に設けられており、該凝縮器用上部ヘッダ131の内外を連通させることで大気開放する開状態と、該大気開放を停止する閉状態との間で切替可能とされている。
なお、内圧調整弁182には、逆止機能を有していることが好ましい。即ち、この内圧調整弁182は、ヒートパイプ110の内側から外側に向かっての流通を許容する一方、外側から内側に向かっての流通を禁止する機能を有していることが好ましい。
内圧調整弁制御部183は、内圧調整弁182を制御する。この内圧調整弁制御部183は、圧力検出部180から入力される内圧情報と、液相残量検出部187から入力される液相残量情報とに基づいて、内圧調整弁182に開放信号又は閉塞信号を出力する。
即ち、内圧調整弁制御部183は、内圧情報が予め定めた圧力値を超えた際(例えば内圧情報が大気圧を超えた際)には、内圧調整弁182に開放信号を出力する。この開放信号の入力により、内圧調整弁182は開状態となり凝縮器用上部ヘッダ131を大気開放する。
一方、内圧調整弁制御部183は、液相残量情報が予め定めた液相残量値を下回った際に、内圧調整弁182に閉塞信号を出力する。この閉塞信号の入力により、内圧調整弁182は閉状態となり凝縮器用上部ヘッダ131の大気開放が停止される。
次に、以上のような構成のヒートパイプ110及び原子力プラント100では、該原子力プラント100の通常稼働時には、開閉部160における電磁弁161が閉状態とされるとともに、可溶栓163が第一流体管140及び第二流体管150を閉塞することで、ヒートパイプ110内の作動流体の流通が禁止される。
即ち、電磁弁161は電源162から通電が行われることで閉状態が維持され、可溶栓163は作動流体の温度が平常温度であるために溶融することなく第一流体管140及び第二流体管150を閉塞する。
ここで、例えば原子力プラント100で全交流電源損失(SBO:Station Black Out)等の異常が起こった場合には、原子炉4及び蒸気発生器103での適切な冷却が行われなくなった結果、一次冷却水や二次冷却水が蒸気として原子炉格納容器104内の容器内雰囲気に漏出し、容器内雰囲気が高温となる可能性がある。また、この際、外部系統からの電力供給が停止することにより、電磁弁161への電源162から通電が停止される。
この通電の停止により、非通電となった電磁弁161は閉状態から開状態に移行する。一方、容器内雰囲気の温度上昇によって、可溶栓163が加熱されると、該可溶栓163が溶融することで可溶栓163による第一流体管140及び第二流体管150の閉塞状態が解除される。
このような電磁弁161の開状態への移行及び可溶栓163の溶融によって初めて、第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通が許可される。
これによって、ヒートパイプ110内で作動流体が循環流通することで、原子炉格納容器104の容器内雰囲気の冷却が行われる。即ち、蒸発器120の蒸発器用下部ヘッダ122で液相流体とされている作動流体は、蒸発器用電熱管123を流通する過程で該蒸発器用電熱管123の外部の容器内雰囲気と熱交換をする。即ち、容器内雰囲気の熱が液相流体に伝達されることで、液相流体は気相流体へと相変化する。これによって、容器外雰囲気が冷却される。そして、このような気相流体が、蒸発器用上部ヘッダ121、第一流体管140及び凝縮器用上部ヘッダ131を介して凝縮器用伝熱管133内へと到達すると、該凝縮器用伝熱管133内の気相流体が容器外雰囲気と熱交換する。即ち、気相流体の熱が容器外雰囲気に伝達されることで、気相流体は冷却され、その結果液相流体へと相変化する。そして、このような液相流体が凝縮器用下部ヘッダ132、第二流体管150及び蒸発器用下部ヘッダ122を介して蒸発器用電熱管123に到達することで、上記同様、容器内雰囲気の冷却が行われる。以降は、順次上記のサイクルを繰り返すことで、容器内雰囲気の冷却が継続的に行われる。
以上のように本実施形態のヒートパイプ110及び原子力プラント100によれば、容器内雰囲気が所定の温度を超えて該容器内雰囲気の冷却が必要になった場合には、開閉部160が作動流体の流通を許可することで作動流体の循環が開始される。
これによって、熱源側である内部雰囲気の冷却が必要な際にのみ作動流体が循環されることになるため、常時作動流体が流通する場合に比べて経年劣化を低減させることができる。これにより、ヒートパイプ110のメンテナンス性を向上させることができる。
また、原子力プラント100の通常稼働時は、蒸発器120と凝縮器130とが開閉部160によって分離され、即ち、ヒートパイプ本体115内の作動流体の流通路においても原子炉格納容器104の内外が隔離された状態となる。これによって、原子炉格納容器104内の放射性物質等が外部に漏出することを確実に防止できる。
また、開閉部160が電磁弁161を有しているため、例えば作業員が開閉部160の配置箇所まで行かなくても、作動流体の流通を開始させることができる。したがって、全交流電源損失時に放射能漏れが懸念される場合であっても、安全に作動流体の流通を開始させることができる。
さらに電磁弁161は、通電されることで閉状態になる一方、非通電とされることで開状態となるため、電磁弁161へ通電が停止される全交流電源損失時に作動流体の流通を確実に開始することができる。
また、開閉部160は電磁弁161に加えて可溶栓163を有しているため、容器内雰囲気が高温になって初めて作動流体の流通を開始させることができる。したがって、容器内雰囲気が高温となり該容器内雰囲気の冷却が必要な際にのみ、作動流体を冷却させることができる。
一方、電磁弁161と可溶栓163とを併用した場合には、系統電力の停電時や電磁弁161の誤作動による作動流体の流通開始を回避することができる。
ここで、仮に可溶栓163が第一流体管140及び第二流体管150において電磁弁161の上流側に設けられている場合、溶融した可溶栓163が下流側の電磁弁161内で再固化することにより、第一流体管140及び第二流体管150が閉塞され得る。この場合、容器内雰囲気の冷却が必要な際に当該冷却を行うことができなくなる。
これに対して、本実施形態では、可溶栓163がそれぞれ第一流体管140及び第二流体管150における電磁弁161の下流側に配置されるため、可溶栓163が電磁弁161において再固化することによる弁の閉塞を回避することができる。
なお、可溶栓163の下流側に可溶栓163回収用のポケットを設けておけば、当該ポケットにより容易に可溶栓163を回収することができる。
また、本実施形態では例えばヒートパイプ110の設置時に当初ヒートパイプ本体115内に液相流体のみを充填しておき、蒸発器120が熱を受けてヒートパイプ本体115の内圧が高くなった時点で内圧調整弁182による大気開放を行い、その後、液相流体の残量が所定の値となった際に大気開放を停止することで、液相流体・気相流体が共存するヒートパイプ110を容易に構成することができる。即ち、例えば真空引き等の作業を行う必要がないため、製造工程の簡略化を図ることができる。
さらに、内圧調整弁182の存在により、ヒートパイプ本体115内の気相流体と液相流体とのバランスを常に適した状態とすることができ、ヒートパイプ本体115の内圧が過剰に大きくなってしまうことを回避することができる。また、作動流体中の不凝縮ガスを当該内圧調整弁182を介して外部に排出することができる。
また、作動流体として脱気水を採用した場合には、酸素や窒素等の不凝縮ガスの発生を極力低減することができる。これによって、ヒートパイプ本体115内での作動流体の流通が円滑に行われるため、容器内雰囲気の冷却を確実に行うことができる。
なお、第四実施形態の変形例として、可溶栓163を例えば図9に示すような構成のものを採用してもよい。
即ち、第四実施形態の第一流体管140及び第二流体管150は、その延在方向に直交する断面形状が四角形状をなしており、可溶栓163が栓本体165と可溶材164とを備えている。
栓本体165は、第一流体管140及び第二流体管150の内壁面の断面積よりも一回り小さい形状をなしている。そして、可溶材164は、このような栓本体165の外縁と第一流体管140及び第二流体管150の内壁面との間に配置されており、即ち、栓本体165と内壁面との間の間隙を埋めるように配置されている。これによって、可溶栓163による第一流体管140及び第二流体管150の閉塞状態が維持されている。
この変形例に係る可溶栓163も、第一実施形態と同様、容器内雰囲気の温度上昇に伴って可溶材164が溶融することで、第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通を許容する。即ち、可溶栓163における可溶材164の部分のみが溶融することで栓本体165が作動流体とともに流れていき、該可溶栓163が存在した部分における閉塞状態が解除される。
これによって可溶栓163全体が可溶材164によって形成されている場合に比べて、可溶材164の量を低減させることができる。したがって、可溶材164が再固化することによって流路面積が低下する不都合を抑制できる。
「第五実施形態」
次に本発明の第五実施形態について、図10を参照して説明する。この第五実施形態のヒートパイプ110は、電磁弁161に代えて空圧弁166を有している点で第四実施形態と相違する。
即ち、本実施形態のヒートパイプ110の開閉部160は、空圧弁166と可溶栓163とを有している。
空圧弁166は、空気等の圧縮気体が貯留された圧縮気体源167からの圧縮気体の供給によって開状態となるとともに、圧縮気体が非供給の際には閉状態となる弁である。この空圧弁166は、開状態となることによって第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通を許可する一方、閉状態となることによって第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通を遮断して該流通を禁止する。
このような空圧弁166では、該空圧弁166と圧縮気体源167との間に設けられた図示しないバルブをスイッチ操作によって開放することにより、圧縮気体源167から空圧弁166への圧縮気体の供給が許可される。これによって、原子炉格納容器104内の容器内雰囲気の冷却が必要になった際には、図示しないバルブを作業者が操作することで空圧弁166に圧縮気体が供給される。これによって、空圧弁166による第一流体管140及び第二流体管150の閉塞状態が解除されるため、さらに可溶栓163の可溶材164が溶融することで、ヒートパイプ110内での作動流体の流通が開始される。
これによって、例えば作業員が開閉部160の配置箇所まで行かなくても、作動流体の流通を開始させることが可能となる。また、バルブの操作によって、全交流電源停止時であっても、空圧弁166を遠隔操作で開放状態とすることで、容器内雰囲気の冷却を図ることが可能となる。
「第六実施形態」
次に本発明の第六実施形態について、図11を参照して説明する。この第六実施形態のヒートパイプ110は、電磁弁161に代えて電磁空圧弁168を有している点で第四実施形態と相違する。
即ち、本実施形態のヒートパイプ110の開閉部160は、電磁空圧弁168と可溶栓163とを有している。
電磁空圧弁168は、通電時かつ圧縮気体の供給時に開状態となる一方、非通電かつ圧縮気体の非供給時に閉状態となる。この電磁空圧弁168は、開状態となることによって第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通を許可する一方、閉状態となることによって第一流体管140及び第二流体管150における作動流体の流通を遮断して該流通を禁止する。
なお、電磁空圧弁168は、電磁弁161と空圧弁166との両方の機能を備えたものであり、本実施形態のヒートパイプ110は、換言すれば電磁弁161と空圧弁166との双方を有したものである。
このような電磁空圧弁168は、通電用のスイッチが操作されることで例えば非常用電源(電源162)からの通電が行われるとともに、圧縮気体供給量のスイッチが操作されることで圧縮気体源167と電磁空圧弁168との間の図示しないバルブが開放され、電磁空圧弁168に圧縮気体が供給される。
これによって、例えば作業員が開閉部160の配置箇所まで行かなくても、作動流体の流通を開始させることが可能となる。
電磁空圧弁168の通電用のスイッチ及び圧縮気体供給用のスイッチは、それぞれ作業者がアクセスし易い場所に設けられていることが好ましい。これによって、作業者がヒートパイプ110の設置場所に近づかなくとも、ヒートパイプ110を作動させることが可能となる。
「第七実施形態」
次に本発明の第七実施形態について、図12を参照して説明する。この第七実施形態のヒートパイプ110は、電磁弁161に代えて空圧弁166を有しており、さらに、蒸気導入部169を備えている点で第四実施形態と相違する。
即ち、第七実施形態の開閉部160は、空圧弁166と、可溶栓163と、蒸気導入部169とを備えている。
空圧弁166は、上記同様、圧縮気体の供給によって開状態となる弁である。
蒸気導入部169は、原子炉格納容器104内に設けられており、例えば異常時に原子炉格納容器104内に充満する蒸気を空圧弁166に導く役割を有している。即ち、この蒸気導入部169には、原子炉格納容器104内の蒸気が導入され、導入された蒸気を配管を介して空圧弁166に供給する。そして、この空圧弁166は当該蒸気が圧縮気体として作用することで、閉状態から開状態へと移行する。これによって、第一流体管140及び第二流体管150の空圧弁166における閉塞状態が解除され、作動流体の流通が開始される。
本実施形態によれば、高温になることで膨張した容器内雰囲気の蒸気を、空圧弁166を作動させる圧縮気体として利用することで、別途空気圧縮源等を設ける必要がない。よって、異常時におけるヒートパイプ110の作動の自動化を図りながら、設備の複雑化、大型化を回避することができる。
「第八実施形態」
次に本発明の第八実施形態について、図13(a)を参照して説明する。この第八地実施形態のヒートパイプ110は、電源にかえてゼーベック素子170を備えている点で第四実施形態と相違する。
ゼーベック素子170は、異なる金属又は半導体からなる2つの部材により構成された素子であって、2つの部材に生じる温度差によって電力を発生させる素子である。本実施形態では、異なる部材の一方が第一流体管140又は第二流体管150の外周面に設けられており、他方が該一方の部材に積層されるように設けられている。
このゼーベック素子170は、電磁弁制御部171に接続されており、ゼーベック素子170で発生した電力は電磁弁制御部171に送られるようになっている。電磁弁制御部171は、ゼーベック素子170で発生した電力の総和が予め定めた所定の値を超えた段階において、電磁弁161を閉状態から開状態にする。即ち、電磁弁制御部171はゼーベック素子170の発電に基づいて、電磁弁161を開状態にする。
これによって、容器内雰囲気が高温となり、これに基づいて第一流体管140及び第二流体管150の温度が上がった場合には、これら第一流体管140及び第二流体管150に設けられたゼーベック素子170で電力が発生し、当該電力に基づいて電磁弁161が開状態となる。したがって、容器内雰囲気が高温となった場合にのみ、自動的に電磁弁161を開状態とすることができる。
なお、第八実施形態の変形例として、図13(b)に示すように、電磁弁161に代えて空圧弁166を用いてもよい。この場合、ゼーベック素子170で生じる電力は空圧弁制御部172に送られ、該空圧弁制御部172は当該電力に基づいて、例えば空圧弁166に圧縮気体を供給するためのバルブを開状態とする。これによって、空圧弁166に圧縮気体が送られることで、空圧弁166が開状態とされ、ヒートパイプ本体115における作動流体の流通が許容される。
この場合も上記同様、容器内雰囲気が高温となった場合にのみ、自動的に電磁弁161を開状態とすることができる。
「第九実施形態」
次に本発明の第九実施形態について、図14を参照して説明する。この第九地実施形態のヒートパイプ110は、不凝縮ガス収集部184を備える点で第四実施形態と相違する。
この不凝縮ガス収集部184は、作動流体から分離した酸素や窒素等の不凝縮ガスを収集する役割を有している。不凝縮ガス収集部184は、凝縮器130における凝縮器用上部ヘッダ131に、該凝縮器用上部ヘッダ131の延在方向に間隔をあけて一対が設けられている。この不凝縮ガス収集部184は、凝縮用上部ヘッダの一部が上方に向かって膨出するようにして形成されている。また、本実施形態では、一対の不凝縮ガスのそれぞれに内圧調整弁182が設けられている。
本実施形態では不凝縮ガス収集部184によって、作動流体中の溶存酸素や溶存水素が気化することで生じるこれら酸素や水素等の不凝縮ガスを収集することができる。即ち、例えば100℃以上の温度域においては、不凝縮ガスは密度が気相流体としての蒸気より小さいため上昇しようとする。この性質によって、作動流体が気相流体として凝縮器130の凝縮器用上部ヘッダ131を流通している際に、該気相流体から分離した不凝縮ガスが上方に位置する不凝縮ガス収集部184に導入される。
このように不凝縮ガス収集部184が不凝縮ガスを収集することで、作動流体の流動抵抗となる得る不凝縮ガスを作動流体から容易に分離することができる。これによって、ヒートパイプ110の除熱能力の低下を抑制することができる。
なお、第九実施形態の変形例として、例えば図15に示すように、凝縮器用上部ヘッダ131の延在方向全域にわたって不凝縮ガス収集部185を設けてもよい。これによっても効率的に不凝縮ガスを収集することができる。なお、この不凝縮ガス収集部185は、例えば水平方向に間隔をあけて配置された連通部を介して凝縮器用上部ヘッダ131と連通状態とされていてもよいし、水平方向にわたって延びる連通部を介して凝縮器用上部ヘッダ131と連通状態とされていてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、開閉部160として、電磁弁161のみを備えた構成であってもよいし、可溶栓163のみ、空圧弁166のみをそれぞれ備えた構成であってもよい。
さらに、第四〜第九実施形態では、気相流体及び液相流体と相変化する作動流体について説明したが、作動流体が液相流体として循環するものであってもよい。この場合、蒸発器120を第一熱交換器として該第一熱交換器で作動流体が加熱され、凝縮器130を第二熱交換器として該第二熱交換器で作動流体が冷却される。これによっても、容器内雰囲気の冷却を行うことができる。
10 ヒートパイプ本体
11 蒸発器
150 凝縮器
17 気相流体管
20 作動流体調節器(圧力調節弁)
20b 作動流体調節器
20c 作動流体調節器
25 圧力計
26 液容量計
27 温度計
28 タイマー
30 ダクト
35 ピット
100 原子力プラント
101 原子炉
102 冷却水配管
103 蒸気発生器
104 原子炉格納容器
110 ヒートパイプ
115 ヒートパイプ本体
120 蒸発器
121 蒸発器用上部ヘッダ
122 蒸発器用下部ヘッダ
123 蒸発器用伝熱管
130 凝縮器
131 凝縮器用上部ヘッダ
132 凝縮器用下部ヘッダ
133 凝縮器用伝熱管
140 第一流体管
150 第二流体管
160 開閉部
160A 開閉部
160B 開閉部
161 電磁弁
162 電源
163 可溶栓
164 可溶材
165 栓本体
166 空圧弁
167 圧縮空気源
168 電磁空圧弁
169 蒸気導入部
170 ゼーベック素子
171 電磁弁制御部
172 空圧弁制御部
180 圧力検出部
182 内圧調整弁
183 内圧調整弁制御部
184 不凝縮ガス収集部
185 不凝縮ガス収集部
187 液相残量検出部

Claims (8)

  1. 液化している作動流体である液相流体を外部と熱交換させることで該液相流体を気化させる蒸発器と、気化した該作動流体である気相流体を外部と熱交換させることで該気相流体を液化させる凝縮器と、該気相流体を該蒸発器から該凝縮器に導く気相流体管と、該液相流体を該凝縮器から該蒸発器に導く液相流体管と、を備えているヒートパイプ本体を製造する本体製造工程と、
    前記凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行する条件を放出条件とし、該放出条件を満たすと、前記凝縮器中の上部を大気開放して、該凝縮器から前記気相流体を大気に放出し、該蒸発器内での前記液相流体の沸騰進行が予め定められた程度まで進行したことを放出完了条件とし、該放出完了条件を満たすと、該凝縮器からの前記気相流体の大気放出を止める作動流体調節器を、前記ヒートパイプ本体に取り付ける調節器取付工程と、
    前記ヒートパイプ本体内に前記液相流体を充填する充填工程と、
    前記液相流体が充填された前記ヒートパイプ本体の前記蒸発器を外部から加熱する加熱工程と、
    を実行し、
    前記放出条件は、前記凝縮器内の圧力であって、該凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行すると想定される第一規定圧力以上であることであり、前記放出完了条件は、該凝縮器内の圧力であって、該第一規定圧力よりも低い第二規定圧力未満であることであり、
    前記作動流体調節器は、弁ケーシングと、弁ケーシング内の開位置と閉位置との間で移動可能に配置された弁体と、前記凝縮器内の圧力に応じて変位又は変形するパイロット部材とを有する圧力調節弁であり、
    前記パイロット部材は、前記凝縮器内の圧力が前記第一規定圧力以上になると、前記弁体を前記開位置に移動させ、該凝縮器内の圧力が前記第二規定圧力未満になると、該弁体を前記閉位置に移動させる、
    ことを特徴とする気液相充填ヒートパイプの製造方法。
  2. 請求項1に記載の気液相充填ヒートパイプの製造方法において、
    前記充填工程では、前記ヒートパイプ本体内に前記液相流体を満充填する、
    ことを特徴とする気液相充填ヒートパイプの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の気液相充填ヒートパイプの製造方法において、
    両端部が開口しているダクトで前記凝縮器の周りを覆うダクト設置工程を実行する、
    ことを特徴とする気液相充填ヒートパイプの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の気液相充填ヒートパイプの製造方法において、
    前記液相流体は、水である、
    ことを特徴とする気液相充填ヒートパイプの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の気液相充填ヒートパイプの製造方法において、
    前記液相流体は、脱気水である、
    ことを特徴とする気液相充填ヒートパイプの製造方法。
  6. 液化している作動流体である液相流体を外部と熱交換させることで該液相流体を気化させる蒸発器と、
    気化した前記作動流体である気相流体を外部と熱交換させることで該気相流体を液化させる凝縮器と、
    前記気相流体を前記蒸発器から前記凝縮器に導く気相流体管と、
    前記液相流体を前記凝縮器から前記蒸発器に導く液相流体管と、
    前記凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行する条件を放出条件とし、該放出条件を満たすと、前記凝縮器中の上部を大気開放して、該凝縮器から前記気相流体を大気に放出し、該蒸発器内での前記液相流体の沸騰進行が予め定められた程度まで進行したことを放出完了条件とし、該放出完了条件を満たすと、該凝縮器からの前記気相流体の大気放出を止める作動流体調節器と、
    を備え、
    前記放出条件は、前記凝縮器内の圧力であって、該凝縮器が大気開放状態であれば前記蒸発器内で前記液相流体の沸騰が進行すると想定される第一規定圧力以上であることであり、前記放出完了条件は、該凝縮器内の圧力であって、該第一規定圧力よりも低い第二規定圧力未満であることであり、
    前記作動流体調節器は、弁ケーシングと、弁ケーシング内の開位置と閉位置との間で移動可能に配置された弁体と、前記凝縮器内の圧力に応じて変位又は変形するパイロット部材とを有する圧力調節弁であり、
    前記パイロット部材は、前記凝縮器内の圧力が前記第一規定圧力以上になると、前記弁体を前記開位置に移動させ、該凝縮器内の圧力が前記第二規定圧力未満になると、該弁体を前記閉位置に移動させる、
    ことを特徴とするヒートパイプ。
  7. 請求項6に記載のヒートパイプと、
    筒状を成し、両端部が開口して、前記凝縮器を覆うダクトと、
    を備えていることを特徴とするヒートパイプ装置。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載のヒートパイプと、
    原子炉格納容器とを備え、
    前記蒸発器が前記原子炉格納容器の内側に配置され、
    前記凝縮器が前記原子炉格納容器の外側に配置されていることを特徴とする原子力プラント。
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