JP6077803B2 - 作業機械の安全装置 - Google Patents
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Description
(1)再開条件の設定
作業機械が、作業員の接近を認識して駆動を停止した後、どのように作業機械の駆動を再開させるかについての具体的な手順が明らかでない。
(2)超音波送受信の正確性
特許文献1の図1によれば、第二の超音波送受信ユニットを、作業員の腰回りに携行しているところ、作業員が屈んだりする場合に、作業員自身の身体が障害物となって超音波の送受信が正確に行われない可能性がある。
(3)誤作動の懸念
二台の作業機械が接近している場合であって、一方の作業機械の監視範囲内に属し、他方の監視範囲内に属していない状況下で、作業員側の超音波送受信機から発する第二の超音波が、両方の作業機械に到達してしまうと、双方とも駆動停止してしまう可能性がある。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記赤外線発信手段および電波受信手段を、第1のボックス型装置で一体化してあり、前記第1のボックス型装置を、ケーブルを介して複数連結自在として、前記作業機械の周囲に監視エリアを設定可能に構成し、前記第1のボックス型装置の連結最終端に、前記制御手段を設けてあることを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1発明又は第2発明において、前記赤外線受信手段及び電波発信手段を、第2のボックス型装置で一体化した状態で作業員のヘルメットに設けてあり、前記第2のボックス型装置は、正面、両側面および上面に送受信面を有し、かつ背面にヘルメットとの取付面を有することを特徴とする。
作業機械の停止後、作業員が安全な場所まで離れた状態が所定期間持続したことを条件として作業機械を復帰させるため、安全性を確保しつつ現場作業を再開することができる。
(2)送受信の安定化
作業員のヘルメットに赤外線受信手段及び電波発信手段を設けることにより、作業員が如何なる姿勢であっても、これらの手段の周囲が開放空間となりやすく、確実な送受信の実現に寄与しうる。
(3)誤作動の防止
作業員側に設けた電波発信機が、どの作業機械から受信した赤外線信号であるかを認識して応答するため、異なる作業機械を停止してしまう恐れがない。
本発明の作業機械の安全装置は、作業機械Aに取り付ける作業機械側ユニット1と、作業員側に取り付ける作業員側ユニット2と、を少なくとも備える。
これらのユニットが信号を送受信することによって、作業機械Aへの作業員の接近を検知する。
以下、各ユニットの詳細な構成について説明する。
作業機械側ユニット1は、作業機械Aに取り付けて、作業機械Aの周囲に監視エリアXを構築すると共に、作業機械Aの駆動を制御するための装置である。
作業機械側ユニット1は、赤外線発信手段11、電波受信手段12及び制御手段13を少なくとも含んでなる。
以下、各手段について説明する。
赤外線発信手段11は、所定出力の赤外線信号111を発信することにより、作業機械ユニット1の周囲に監視エリアXを構築する為の手段である。
赤外線発信手段11は、公知の装置を用いればよく、監視エリアXの大きさや、赤外線の指向性などの諸元に応じて、配置数、配置場所、出力などを適宜設定すればよい。
電波受信手段12は、前記作業員側ユニット2から発信する電波信号221を受信するための手段である。
電波受信手段12は、公知の装置を用いればよく、詳細な説明を省略する。
制御手段13は、作業機械Aの駆動を制御するための手段である。
より詳しくは、作業機械Aに存するアームやバケット、クローラなどの駆動部に対して、油圧供給の停止・再開機能や、作業機械Aのエンジン自体の停止・起動機能などを備えていればよい。
作業機械の駆動制御タイミングは、任意に変更可能としておくことが望ましい。特に、作業機械Aの駆動再開時期は、作業員の離脱後ただちとせずに、所定の期間経過後に行うことが、安全上望ましい。
制御手段13の具体的な実施方法は、公知の方法を用いればよい。
作業機械側ユニット1には、その他の手段として、作業機械Aを運転するオペレータに対し、視覚的又は聴覚的に報知するブザーやライトなどの警告手段14を設けておいてもよい。
これらの警告手段14は、前記制御手段13と連動し、例えば油圧供給の停止期間と同期させても良いし、電波信号221の受信期間と同期するように構成しても良い。
図2は、作業機械側ユニット1の具体例を示す図である。
赤外線発信手段11と電波受信手段12とはボックス型の装置(第1のボックス型装置)で一体化されており、発光部1aでもって、赤外線信号を発信する。当該装置の一端にはケーブル1bを延伸し、多端に前記ケーブル1bを差し込み可能な差し込み口1cを備えている。
上記構成により、一定角度の監視エリアを受け持つこの装置を複数連結することで、監視エリア作業機械Aの周囲に監視エリアXを設定することができる。
そして、このボックス型の装置の最終端には、制御手段13を少なくとも備えたコントローラを設け、該コントローラは、更に作業機械と接続しておく。
警告手段14は、前記コントローラに更に一体化してもよいし、別途作業機械Aに取り付けてもよく、図示を省略している。
この構成であれば、作業機械Aの大きさや、赤外線発信手段11や電波受信手段12の諸元に応じて、連結数を適宜増減することで、様々な条件への対応が容易となる。
作業員側ユニット2は、作業員B又は作業員Bが身につける着用品(安全ベスト、ヘルメットなど)に取り付けて、作業員Bが作業機械Aの監視エリアXに侵入したか否かを、作業機械側ユニット1に通知するための装置である。
作業員側ユニット2は、赤外線受信手段21及び電波発信手段22と、を少なくとも含んでなる。
以下、各手段について説明する。
赤外線受信手段21は、前記赤外線発信手段11からの赤外線信号111を受信するための手段である。
この赤外線信号111は所定の出力によるため、監視エリアXに作業員が侵入している状態であるときのみ、赤外線受信手段21が赤外線信号111を受信することができる。
赤外線受信手段21は、公知の装置を用いればよく、当該公知の装置の諸元に応じて、配置数、配置場所を適宜設定すればよい。
電波発信手段22は、作業機械側ユニット1へと電波信号を発信する手段である。
電波発信手段22は、前記赤外線受信手段21が、赤外線信号111を受信している間、電波信号221を発信し続ける。
つまり、電波発信手段22は、作業員Bが作業機械Aの監視エリアX内に滞在し続ける間、電波信号221を発信し続けることとなる。
電波発信手段22は、公知の装置を用いればよく、当該公知の装置の諸元に応じて、配置数、配置場所を適宜設定すればよい。
作業員側ユニット2には、その他の手段として、作業員に対し、視覚的又は聴覚的に報知するブザーやライトなどの警告手段23を設けておいてもよい。
警告手段23は、前記赤外線受信手段が、赤外線信号を受信し続ける間、作動するように構成しておくことが望ましい。
図3は、作業員側ユニットの具体例を示す図である、
本例では、作業員側ユニット2は、作業員のヘルメットに取り付ける構成としている。
作業員側ユニット2を構成する、赤外線受信手段21及び電波発信手段22及び警告手段23は、ボックス型の装置(第2のボックス型装置)で一体化している。
この作業員側ユニット2は、正面及び両側面にそれぞれ送受信面211を設けており、平面視して230°程度の指向性を実現している。
したがって、この作業員側ユニット2を、ヘルメットCの両側面にそれぞれ配置するようバンド212で連結することで、作業員が作業機械に対して如何なる向きを向いていたとしても、作業機械側ユニット2との通信が途切れるおそれはない。
また、この作業員側ユニット2は、上面にも送受信面211を設けているため、作業員Bが頭を下に向けている姿勢であっても、作業機械側ユニット1との通信が可能である。
次に、図4を参照しながら本発明の作業機械の安全装置の動作手順について説明する。
作業員Bが、作業機械Aの監視エリアXに侵入すると、作業員側ユニット2が、作業機械側ユニット1から発信した赤外線信号111を受信する。
この赤外線信号111を受信している間、作業員側ユニット2に設けた警告手段23が、作業員Bに対して、視聴覚的に警告を開始することができる。
次に、作業員側ユニット2は、前記赤外線信号111を受信している間、電波信号221を発信し続ける。
作業機械側ユニット1は、前記電波信号221を受信しつづける間、制御手段13でもって、作業機械Aの作動を停止し続ける。
作業員Bが、監視エリアXから離脱すると、作業員側ユニット2は赤外線信号111を受信しなくなるため、電波信号221の発信も行わない。
このとき、作業機械側ユニット1の制御手段13は、電波信号221が途絶えてから所定期間カウントし、所定期間経過後、作業機械Aを作動可能な状態へと復帰する。この所定期間は、五秒程度としておけばよい。
なお、所定期間のカウント中に、作業員Bの監視エリアXへの再侵入があった場合には、侵入時の動作が優先されることは言うまでもない。
作業機械側ユニット1及び作業員側ユニット2にそれぞれ設けた警告手段14,23の動作態様について説明する。
まず、作業員側ユニット2の警告手段23は、赤外線受信手段21による赤外線信号11の受信の有無と警告動作の有無を連動する形が望ましい。
すなわち、作業員側ユニット2の警告手段23は、作業員Bが監視エリアXに侵入している時のみ作動する形が望ましい。
一方、作業機械側ユニット1の警告手段14は、電波信号221が途絶えた時点で警告動作を停止しても良いし、前記した所定期間経過後まで警告動作を継続しておいてもよい。
例えば、電波信号221が途絶えた時点で警告動作を停止する場合には、作業員Bが監視エリアXに侵入している時のみ作動する形となる。すなわち、作業機械Aのオペレータは、警告が停止してから所定の間、動作できない期間を認識した上で、作業機械Aの復帰に備えればよい。
また、前記した所定期間経過後まで警告動作を継続する場合には、警告されている状態は作業機械Aの動作ができない期間であることを認識した上で、作業機械Aの復帰に備えればよい。
これらの設定は、任意に変更可能としておき、現場や作業員に応じて適宜設定変更すればよい。
赤外線信号111の到達距離と、電波信号221の到達距離は、赤外線発信手段11及び電波発信手段22の諸元によって設定されるところ、各到達距離の最大値は略同等としておくことが一般的である。
しかし、図5に示すように、二台の作業機械A(例:アスファルトを敷き詰めるバックホウA1と、バックホウA1の後方からアスファルトを転圧するロードローラA2)が近接している状況にあって、作業員が、ロードローラA2の監視範囲X2のみに侵入している状況であっても、電波信号が双方の作業機械A1,A2に到達してしまう場合もありうる。
このような場合には、赤外線信号中に、どの作業機械から発信された赤外線信号であるかを識別可能な識別情報を含めておけばよい。
そして、作業員側ユニット2では、各作業機械毎にチャンネルを設定しておき、前記識別情報に基づいて、設定されたチャンネルでもって電波信号221を発信するよう構成すればよい。
このような構成であれば、図5のように、ロードローラA2側から受けた赤外線信号111に基づいて電波信号221が発信されたとしても、バックホウ側A1の電波受信手段12では、当該電波信号221をキャンセルし、ロードローラA2側の電波受信手段12のみ通常動作することとなるから、作業機械Aの誤停止を防止することが可能となる。
11 赤外線発信手段
111 赤外線信号
12 電波受信手段
13 制御手段
14 警告手段
1a 発光部
1b ケーブル
1c 差し込み口
2 作業員側ユニット
21 赤外線受信手段
22 電波発信手段
221 電波信号
23 警告手段
A 作業機械
B 作業員
C ヘルメット
X 監視エリア
Y 電波到達エリア
Claims (3)
- オペレータが運転する作業機械に作業員が接近したことを検知する、作業機械の安全装置であって、
作業機械に取り付ける、赤外線発信手段、電波受信手段及び制御手段と、
作業員に取り付ける、赤外線受信手段及び電波発信手段と、
を少なくとも含み、
前記赤外線受信手段が前記赤外線発信手段から発信した赤外線信号を受信する間、前記電波発信手段が電波信号を発信し、
前記電波受信手段が前記電波信号を受信する間、前記制御手段が前記作業機械の駆動を強制的に停止し続け、
前記電波受信手段による前記電波信号の受信状態から未受信状態に遷移したのち、該未受信状態が所定期間続いた時に、前記制御手段が作業機械の駆動を復帰することを特徴とする、作業機械の安全装置。 - 前記赤外線発信手段および電波受信手段を、第1のボックス型装置で一体化してあり、
前記第1のボックス型装置を、ケーブルを介して複数連結自在として、前記作業機械の周囲に監視エリアを設定可能に構成し、
前記第1のボックス型装置の連結最終端に、前記制御手段を設けてあることを特徴とする、
請求項1に記載の作業機械の安全装置。 - 前記赤外線受信手段及び電波発信手段を、第2のボックス型装置で一体化した状態で作業員のヘルメットに設けてあり、
前記第2のボックス型装置は、正面、両側面および上面に送受信面を有し、かつ背面にヘルメットとの取付面を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の作業機械の安全装置。
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