JP6074279B2 - 芳香族ヨウ素化合物の塩素化法 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族クロロヨード化合物を製造する方法に関する。
芳香族ハロゲン化合物は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称することがある)や電子写真感光体などの製造中間体として、あるいは医薬中間体として極めて有用な化合物である。
中でも、有機EL分野は盛んに研究がなされており、成長分野であるとともに、多くの課題を残している。実用化に向けた課題の一つとして、長時間の駆動に伴う発光輝度の減衰の抑制が挙げられる。例えば、有機EL素子を構成する各種有機化合物の純度が、発光効率の低下や、発光輝度の減衰に強く影響を及ぼすことが知られている(例えば、特許文献1参照)。そこでは、有機EL素子を構成する有機化合物に含まれる不純物としてハロゲン元素が挙げられており、質量濃度を50ppmに抑えることで、発光輝度及び発光効率が高く、寿命が長くなることが報告されている。また、有機EL素子を構成する有機化合物に含まれる不純物として、ハロゲン含有有機化合物が挙げられ、その濃度を1000ppm未満、0ppm以上とすることで、長期間の駆動に伴う発光輝度の減衰を抑え、耐久性を向上することが知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、クロスカップリング反応で副生する不純物の含有量を0.5%以下とすることで、初期輝度が高く、長期駆動に伴う発光輝度の減衰が少なくなることが知られている(例えば、特許文献3参照)。これらのことから、本分野においては、不純物の管理が極めて厳しいことが分かる。
さらに、有機EL分野は近年、材料の機能を高めるため、その構造が複雑化する傾向にある。特に、分子内に非対称な構造を有するものがいくつか提案されている(例えば、特許文献4参照)。これらの製造にあたって、ジクロロ、ジブロモ、ジヨードなどの同種ハロゲン化合物を原料に用いる方法では、反応性に差がなく、基質の当量の制御のみで効率的に非対称化合物を得るのは困難であった。このようなことから、非対称構造有する材料の製造にあたっては、原料化合物の官能基の反応性の差を利用した合成法が広く用いられている。中でも、最も反応性に差が出る化合物である、芳香族クロロヨード化合物が重要な合成中間体として用いられている。
このような芳香族クロロヨード化合物の合成法として、芳香族ヨード化合物を塩素化する方法が考えられる。一般的な芳香族化合物の塩素化方法として、塩化アルミニウムの存在下、塩化スルフリルを使用し、添加剤にジフェニルスルフィドを用いる方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法を芳香族ヨード化合物に用いた場合には、ヨウ素が塩素に置き換えられた不純物が生成するといった問題が生じる。このような不純物を含有する化合物を高度な不純物管理が求められる有機EL用途で使用するには、精製を繰り返す必要があり、大幅な収率の低下が想定されるため効率的とは言い難い。
再表2005−084083号公報 特許第3290432号公報 特開2002−373786号公報 再表2010−044130号公報
J. Org. Chem., 1985, 50, 2145-2148
本発明の課題は、芳香族ヨード化合物を塩素化して芳香族クロロヨード化合物を合成するにあたり、従来の問題点を解決し、不純物の少ない芳香族クロロヨード化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、芳香族ヨード化合物を、特定の硫黄化合物及びルイス酸触媒の存在下、塩化スルフリルを用いて塩素化することにより、特に、ヨウ素が塩素で置き換えられた不純物を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
下記一般式(1):
Figure 0006074279

(式中、Arは、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の1価の基である)
で示される芳香族ヨード化合物を、チタン、鉄、ガリウム及びアンチモンから選択される少なくとも1種の金属を含むルイス酸触媒、及び下記一般式(3):
Figure 0006074279

(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数2〜20のヘテロアリール基であり、Xは、−S−又は−S−S−であるが、但し、Xが−S−の場合、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい)
で示される硫黄化合物の存在下、塩化スルフリルを用いて塩素化することを特徴とする、
下記一般式(2):
Figure 0006074279

(式中、Arは、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の2価の基である)
で示される芳香族クロロヨード化合物の製造方法。
本発明の製法によれば、有機合成、特に電子材料などの合成中間体として有用な芳香族クロロヨード化合物の製造に際し、特に、ヨウ素が塩素に置き換えられた不純物の生成を抑制することができる。したがって、芳香族クロロヨード化合物を工業的に利用可能な方法で、効率的に得ることが可能である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1):
Figure 0006074279

(式中、Arは、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の1価の基である)
で示される芳香族ヨード化合物を、チタン、鉄、ガリウム及びアンチモンから選択される少なくとも1種の金属を含むルイス酸触媒、及び下記一般式(3):
Figure 0006074279

(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数2〜20のヘテロアリール基であり、Xは、−S−又は−S−S−であるが、但し、Xが−S−の場合、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい)
で示される硫黄化合物の存在下、塩化スルフリルを用いて塩素化し、
下記一般式(2):
Figure 0006074279

(式中、Arは、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の2価の基である)
で示される芳香族クロロヨード化合物を得るものである。
本発明において、「芳香族炭化水素環」とは、少なくとも1個の芳香環を含む、炭素数6〜20の単環式、縮合多環式又は環集合炭化水素を意味し、例えば、ベンゼン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アントラセン、ピレン、インデン、フルオレン、アセナフチレン、フェナントレン、フェナレン、ビフェニル、ビナフチル又はターフェニルなどが挙げられる。また、これらは、反応に関与しない、一以上の任意の置換基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルキル基などが挙げられる。
本発明において、「芳香族ヘテロ環」とは、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、少なくとも1個の芳香環を含む、炭素数2〜20の単環式、縮合多環式又は環集合炭化水素を意味し、具体例としては、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、アゼピン、キノリン、インドリジン、シンノリン、プリン、カルボリン、フェナントロリン、イミダゾピリミジン、ビピリジン、ビキノリン及びフェニルピリジンなどが挙げられる。また、これらは、反応に関与しない、一以上の任意の置換基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルキル基などが挙げられる。
本発明において「炭素数1〜12のアルキル基」は、単独で又は他の用語との組み合わせにおいて、炭素数1〜12の、直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどが挙げられる。したがって、本発明において「炭素数1〜12のアルコキシ基」は、基−ORであって、Rが、上記で定義したとおりの炭素数1〜12のアルキル基を意味する。
本発明において「炭素数3〜12のシクロアルキル」は、単独で又は他の用語との組み合わせにおいて、炭素数3〜12の、環状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどが挙げられる。
本発明において「炭素数2〜12のアルケニル」は、単独で又は他の用語との組み合わせにおいて、炭素数2〜12の、直鎖状又は分岐状の脂肪族不飽和炭化水素の一価の基を意味し、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、ヘキセニル、ドデセニルなどが挙げられる。
本発明において、「炭素数6〜20のアリール」は、上記「芳香族炭化水素環」の一価の基と同義であり、両者は互換可能に使用することができる。同様に「炭素数2〜20のヘテロアリール」は、上記「芳香族ヘテロ環」の一価の基と同義であり、両者は互換可能に使用することができる。
本発明で用いる一般式(1)で示される芳香族ヨード化合物は、Sigma-Aldrich Co.などの試薬供給業者から市販されているか、又は当業者に公知のいずれかの方法により合成することができ、その製法は特に限定されない。具体的には、対応する芳香族化合物に過ヨウ素酸二水和物とヨウ素を作用させること(例えば、Org. Synth., 1988, 6, 700参照)などにより得ることができる。
本発明で用いる塩化スルフリルは、一般式(1)の芳香族ヨード化合物1モルに対して、1.0〜5.0モルの範囲で使用するのが好ましく、反応率の観点から1.0〜2.0モルの範囲で使用することがより好ましい。
本発明で使用するルイス酸触媒は、チタン、鉄、ガリウム及びアンチモンから選択される少なくとも1種の金属を含むものであり、チタン、鉄、ガリウム及びアンチモンから選択される少なくとも1種の金属のハロゲン化物、特に、塩化物(塩化チタン、塩化鉄、塩化ガリウム及び塩化アンチモン)であるのが好ましい。これらの化合物を単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。具体的には、塩化チタン(IV)、塩化鉄(II)若しくは塩化鉄(III)、塩化ガリウム(III)、又は塩化アンチモン(III)若しくは塩化アンチモン(V)が挙げられるが、三価金属のルイス酸触媒、塩化アンチモン(III)、塩化鉄(III)又は塩化ガリウム(III)が好ましく、不純物抑制の観点から、塩化アンチモン(III)を用いることがより好ましい。ルイス酸触媒の使用量は、芳香族ヨード化合物1モルに対して、0.001〜0.5モル使用するのが好ましく、反応率の観点から0.005〜0.3モルの範囲で使用することがより好ましい。
本発明で使用する硫黄化合物は、一般式(3):
Figure 0006074279

(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数2〜20のヘテロアリール基であり、Xは、−S−又は−S−S−であるが、但し、Xが−S−の場合、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい)
で示される硫黄化合物である。R及びRが、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Xが、−S−又は−S−S−であるが、但し、Xが−S−の場合、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい、一般式(3)で示される硫黄化合物が好ましい。
すなわち、好ましい硫黄化合物は、一般式(3a);
Figure 0006074279

(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であるが、但し、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい)
で示されるチオール又はスルフィド化合物、あるいは一般式(3b):
Figure 0006074279

(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基である)
で示されるジスルフィド化合物などの硫黄化合物であり、これらの化合物を単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
具体的には、エタンチオール、ヘキサンチオール、ドデカンチオール、ベンゼンチオール、p−メチルベンゼンチオール、1−もしくは2−ナフタレンチオールなどのチオール化合物;ジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−t−ブチルスルフィド、ジ−n−ヘキシルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド(DPS)、フェニルp−トリルスルフィドなどのスルフィド化合物;ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−t−ブチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド(DPDS)などのジスルフィド化合物が挙げられる。
前記硫黄化合物は、芳香族ヨード化合物1モルに対して、0.001〜0.5モルの範囲で使用するのが好ましく、反応率の観点から0.005〜0.3モルの範囲で使用することがより好ましい。
本発明の反応には溶媒を使用してもよい。使用する溶媒は、反応不活性な溶媒であれば特に限定されず、所望する反応温度に応じて適宣選択される。溶媒は単独で、又は2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。具体的には、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、エチレンジクロリド、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、一般式(1)の芳香族ヨード化合物1gに対して、0.5〜20倍量(重量基準)、好ましくは1〜10倍量である。
本発明の反応温度は−20〜50℃の範囲が好ましい。反応温度は、副反応を制御する観点から−10〜30℃の範囲が好ましい。
本発明の反応時間は、使用する出発物質の量や種類、溶媒の有無やその種類、反応温度などの条件によって適宜設定することができる。1〜48時間が好ましく、より好ましくは2〜24時間である。
反応終了後、得られた反応溶液は通常の方法で後処理を行うことができる。後処理の方法としては、特に限定はされないが、例えば水、酸性水溶液(塩酸水溶液など)及び/又はアルカリ性水溶液(水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液など)で得られた反応溶液の洗浄を行い、触媒及び無機塩などを反応系内から除去する処理などが挙げられる。さらに所望により、目的の芳香族クロロヨード化合物の性質に従い、蒸留、再結晶、クロマトグラフィーなどの慣用の精製手段に付してもよい。
以下に、本発明の態様を明らかにするために実施例を示すが、本発明はここに示す実施例の内容のみに限定されるものではない。
実施例、比較例で得られた反応液の純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)により分析し、面積百分率より算出した。測定条件は以下の通りである。
装置:GC−2010(島津製作所)
カラム:Ultra1 19091A−112LTM(アジレントテクノロジー)
カラム温度:50℃→[10℃/分で昇温]→280℃
インジェクション温度:300℃
キャリアガス:ヘリウム
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
[実施例1]
1−ヨードナフタレン1g(3.9mmol;東京化成工業社製)、塩化アンチモン(III)0.02g(0.078mmol;和光純薬工業社製)及びジフェニルスルフィド(DPS)0.015g(0.078mmol;和光純薬工業社製)をエチレンジクロリド5gに溶解させ、次いで塩化スルフリル0.8g(5.85mmol;和光純薬工業社製)を加えた後、20〜25℃で2時間反応を行った。反応終了後、10重量%塩酸水溶液を加えて、しばらく撹拌した後、有機層を分離した。次いで、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、有機層を分離した。得られた反応液中の目的物(モノクロロ−1−ヨードナフタレン)の純度及び副生物(特に、原料化合物のヨウ素が塩素に置き換えられたモノクロロ体及び/又はその塩素化反応物であるジクロロ体を、以下、「ハロ置換体」と称す)の含有量をGCにより分析した。結果を表1に示す。
[実施例2〜3]
塩化アンチモン(III)を、それぞれ塩化鉄(III)及び塩化ガリウム(III)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。結果を表1に示す。
[実施例4〜5]
塩化アンチモン(III)を、それぞれ塩化アンチモン(V)及び塩化チタン(IV)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。結果を表1に示す。
[比較例1]
塩化アンチモン(III)を、塩化アルミニウム(III)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。結果を表1に示す。
[比較例2]
ルイス酸触媒を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。結果を表1に示す。
[実施例6〜7]
ジフェニルスルフィド(DPS)を、それぞれジフェニルジスルフィド(DPDS)及びジ−n−ブチルスルフィド(n−BuS)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。結果を表1に示す。
[実施例8〜9]
ジフェニルスルフィド(DPS)を、それぞれドデカンチオール(C1225SH)及びベンゼンチオール(PhSH)に、さらに反応時間を19時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。結果を表1に示す。
[比較例3]
硫黄化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、反応液を得た。反応終了後の反応液を分析した結果、目的物は得られていなかった。
Figure 0006074279
[実施例10]
3−ヨードチオフェン1g(4.76mmol;東京化成工業社製)、塩化アンチモン(III)0.02g(0.095mmol;和光純薬工業社製)及びジフェニルスルフィド0.018g(0.095mmol;和光純薬工業社製)をエチレンジクロリド5gに溶解させ、次いで塩化スルフリル0.83g(6.19mmol;和光純薬工業社製)を加えた後、20〜25℃で4時間反応を行った。反応終了後、10重量%塩酸水溶液を加えて、しばらく撹拌した後、有機層を分離した。次いで、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、有機層を分離した。得られた反応液中の目的物の純度及び副生物の含有量をGCにより分析した。2−クロロ−4−ヨードチオフェン:83.54%、ハロ置換体(副生物):0.00%であった。
[比較例4]
塩化アンチモン(III)を用いなかったこと以外は、実施例10と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。2−クロロ−4−ヨードチオフェン:78.60%、ハロ置換体(副生物):0.74%であった。
[実施例11]
2−ヨードジベンゾフラン1g(3.4mmol)、塩化アンチモン(III)0.015g(0.068mmol;和光純薬工業社製)及びジフェニルスルフィド0.013g(0.068mmol;和光純薬工業社製)をエチレンジクロリド5gに溶解させ、次いで塩化スルフリル0.6g(4.44mmol;和光純薬工業社製)を加えた後、20〜25℃で24時間反応を行った。反応終了後、10重量%塩酸水溶液を加えて、しばらく撹拌した後、有機層を分離した。次いで、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、有機層を分離した。得られた反応液中の目的物の純度及び副生物の含有量をGCにより分析した。4−クロロ−9−ヨードジベンゾフラン:75.07%、ハロ置換体(副生物):0.11%であった。
[比較例5]
塩化アンチモン(III)を、塩化アルミニウム(III)に変更した以外は、実施例11と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。得られた反応液の純度は、4−クロロ−9−ヨードジベンゾフラン:72.83%、ハロ置換体(副生物):0.59%であった。
[比較例6]
塩化アンチモン(III)を用いなかったこと以外は、実施例11と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。得られた反応液の純度は、4−クロロ−9−ヨードジベンゾフラン:65.32%、ハロ置換体(副生物):0.85%であった。
[実施例12]
m−ヨードトルエン1g(4.59mmol;マナック社製)、塩化アンチモン(III)0.021g(0.09mmol;和光純薬工業社製)及びジフェニルスルフィド0.017g(0.09mmol;和光純薬工業社製)をエチレンジクロリド5gに溶解させ、次いで塩化スルフリル0.74g(5.5mmol;和光純薬工業社製)を加えた後、20〜25℃で6時間反応を行った。反応終了後、10重量%塩酸水溶液を加えて、しばらく撹拌した後、有機層を分離した。次いで、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、有機層を分離した。得られた反応液中の目的物の純度及び副生物の含有量をGCにより分析した。モノクロロ−3−ヨードトルエン:92.10%、ハロ置換体(副生物):0.10%であった。
[比較例7]
塩化アンチモン(III)を用いなかったこと、反応時間を24時間としたこと以外は、実施例12と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。得られた反応液の純度は、モノクロロ−3−ヨードトルエン:88.88%、ハロ置換体(副生物):1.69%であった。
[実施例13]
4−ヨードビフェニル1g(3.57mmol;マナック社製)、塩化アンチモン(III)0.016g(0.07mmol;和光純薬工業社製)及びジフェニルスルフィド0.013g(0.07mmol;和光純薬工業社製)をエチレンジクロリド5gに溶解させ、次いで塩化スルフリル0.53g(3.9mmol;和光純薬工業社製)を加えた後、20〜25℃で5時間反応を行った。反応終了後、10重量%塩酸水溶液を加えて、しばらく撹拌した後、有機層を分離した。次いで、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、有機層を分離した。得られた反応液中の目的物の純度及び副生物の含有量をGCにより分析した。4−クロロ−4′−ヨードビフェニル:90.55%、ハロ置換体(副生物):0.06%であった。
[比較例8]
塩化アンチモン(III)を用いなかったこと、反応時間を24時間としたこと以外は、実施例13と同様の操作を行い、反応液を得、分析した。得られた反応液の純度は、4−クロロ−4′−ヨードビフェニル:86.36%、ハロ置換体(副生物):1.87%であった。
本発明の製造方法によれば、電子材料及び有機合成中間体として有用な芳香族クロロヨード化合物を、不純物の生成を抑制することのできる、工業的に利用可能な方法で、効率的に合成することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0006074279

    (式中、Arは、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の1価の基である)
    で示される芳香族ヨード化合物を、チタン、鉄、ガリウム及びアンチモンから選択される少なくとも1種の金属を含むルイス酸触媒、及び下記一般式(3):
    Figure 0006074279

    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数2〜20のヘテロアリール基であり、Xは、−S−又は−S−S−であるが、但し、Xが−S−の場合、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい)
    で示される硫黄化合物の存在下、塩化スルフリルを用いて塩素化することを特徴とする、
    下記一般式(2):
    Figure 0006074279

    (式中、Arは、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の2価の基である)
    で示される芳香族クロロヨード化合物の製造方法。
  2. ルイス酸触媒が、チタン、鉄、ガリウム及びアンチモンから選択される少なくとも1種の金属の塩化物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. ルイス酸触媒が、塩化チタン(IV)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化ガリウム(III)、塩化アンチモン(III)及び塩化アンチモン(V)から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ルイス酸触媒が、塩化アンチモン(III)である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 硫黄化合物が、下記一般式(3a):
    Figure 0006074279

    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であるが、但し、R及びRのいずれか一方は水素原子であってもよい)
    で示されるチオール又はスルフィド化合物、あるいは下記一般式(3b):
    Figure 0006074279

    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基である)
    で示されるジスルフィド化合物から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 硫黄化合物が、ジフェニルスルフィドである、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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