JP2018531258A6 - 有機ハロゲン化物の調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、ジクロロイソシアヌル酸(DCCA)またはその組み合わせから選択される塩素化剤および臭素化剤を用いて、有機塩化物、有機臭化物およびその混合物をその対応するカルボン酸から調製する、ハロ脱炭酸方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、ジクロロイソシアヌル酸(DCCA)またはその任意の組み合わせから選択される塩素化剤と臭素化剤とを用いて、有機塩化物、有機臭化物およびその混合物をその対応するカルボン酸から調製する、ハロ脱炭酸方法を提供する。本発明はさらに、カルボン酸と、臭素化剤と、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、ジクロロイソシアヌル酸(DCCA)またはその組み合わせから選択される塩素化剤とを含む、組成物を提供する。
有機臭化物および有機塩化物は、医薬品、農業、消毒剤、消火剤および染料などの多数の用途に商業的に用いられている安定な化合物である。有機ハロゲン化物は、他の市販の有機化合物を生産するための化学的中間体として多数の工業的用途に広く用いられてきた(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2012,v.6,331−358;v.8,483−519)。
カルボン酸は、有機合成に広く用いられている安価な原材料である。このため、ハロゲンによる置換を同時に実施するカルボン酸の酸化的脱炭酸(ハロ脱炭酸)は、有機ハロゲン化物の位置選択的合成に極めて有用な代替法となる。
ハンスディーカー反応(Tetrahedron 1971,v.27,5323)はハロ脱炭酸反応の1つであり、不活性溶媒中、有機カルボン酸の無水銀塩を分子の臭素または塩素で処理するものである(Tetrahedron 1971,v.27,5323)。ただ、この反応は、未反応の酸を回収する微量の水の存在に対して極めて感受性が高い。ハンスディーカー反応を実施するまた別の方法に、銀塩の代わりに有機カルボン酸とBr/HgOの混合物を用いるものがある(J.Org.Chem.1965,v.30,415)。
したがって、ハンスディーカー反応および/またはその変法は銀塩および水銀塩などの重金属塩を用いるものであることから、製薬産業にはそのような方法が不利であるのは明らかである。
バートンのハロ脱炭酸方法(Bartonら,Tetrahedron 1985,v.41,3901;1987,v.43,4321)は、有機カルボン酸をN−ヒドロキシピリジン−2−チオンのエステルに変換させるものである。XをClまたはBrとするXCClによってチオヒドロキサム酸エステルがハロゲン化される。この反応の副生成物としてチオピリジンが生成する。
カルボン酸をその対応する臭化物に変換する方法としてほかにも、カルボン酸を(ジアセトキシヨード)ベンゼンおよび臭素源の臭素またはLiBrで処理するものがある(Tetrahedron 2000,v.56,2703;Synlett 2011,1563)。ただ、この反応は、反応副生成物であるヨードベンゼンから所望の生成物を分離するのが困難である。
ハロゲン源としてCuBrおよびCuClを用いる芳香族カルボン酸のブロモ脱炭酸およびクロロ脱炭酸がWuら(Tetrahedron Letters 2010,v.51,6646)およびLiuら(Tetrahedron Letters 2013,v.54,3079)により開発されているが、この反応にも重金属を使用する。
ブロモ脱炭酸のまた別の例に、試薬系I−KBrを電子が豊富なアレーンカルボン酸のブロモ脱炭酸に用いるものがある(Synlett 2014,v.25,2508)。ただ、この方法は、特定の臭素化フェノールエーテル誘導体の調製に限定される。
N−ブロモアミドおよびN−クロロアミド、例えばN−ブロモスクシンイミド(Chem.Pharm.Bull.2002,v.50,941)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(Bioorg.Med.Chem.2008,v.16,10001;Bioorg.Med.Chem.Lett.2011,v.21,3227;Tetrahedron 2014,v.70,318)、ジブロモイソシアヌル酸(Monatsh.Chem.1968,v.99,815;1969,v.100,42 & 1977,v.108,1067)、トリブロモイソシアヌル酸(Synlett 2013,v.24,603)、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)(JOC 1970,v.35,719)N−クロロスクシンイミド(NCS)(ACS Med.Chem.Lett.2010,v.1,30;Chem.Pharm.Bull.2002,v.50,941;Org.Proc.R&D 2010,14,1254)などは、カルボキシル基がメタ位にある芳香族カルボン酸の求電子ハロゲン化に有用な試薬である。しかし、これらの試薬はハロ脱炭酸反応への使用に制約がある。
例えば、N−ブロモスクシンイミドとアレーンカルボン酸、主に電子が豊富なアレーンカルボン酸との反応ではブロモアレーンが生じる(IN803DEL1999;JOC 2009,v.74,8874;Tetrahedron Lett.2007,v.48,5429)。アリールアクリル酸およびアリールプロピオル酸とN−ハロスクシンイミド(JOC 2002,v.67,7861)およびトリハロイソシアヌル酸(J.Braz.Chem.Soc.2013,v.24,213)との反応では、アリールハロゲン化ビニルおよびアリールハロゲン化エチニルが生じる。上記の反応はいずれも、ラジカル開始剤やUV可視光線照射による開始を必要としないヘテロリシス反応である。
したがって、カルボン酸R−COHからその対応するハロゲン化物R−Xへの変換は、かなり困難な転換であると言える。ハロ脱炭酸に新たな戦略を開発する必要がある。
一実施形態では、本発明は、スキーム1:
Figure 2018531258
によって表される、化学式(2A)のカルボン酸から化学式(1A)の有機ハロゲン化物を調製する方法に関するものであり、本方法は、カルボン酸(2A)とクロロイソシアヌル酸および臭素化剤とを反応させて有機ハロゲン化物(1A)を得ることを含む、ラジカルハロ脱炭酸反応を含み;
前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸またはその任意の組み合わせであり;
Aは、アレーン、アルカン、シクロアルカンまたは飽和複素環であり;
nは1以上の整数であり;
XはClまたはBrであり;n>1である場合、Xは同じであっても異なっていてもよく;
kは0以上の整数であり;
YはClまたはBrであり;k>1である場合、Yは同じであっても異なっていてもよく;
mは0以上の整数であり;
Qは、それぞれ独立してF、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFであるか;任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、前記Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;(2A)のいずれか1つのRがカルボキシル基COOHである場合、(1A)のそれぞれのRはBrまたはClであり;
前記化学式(1A)の構造内の前記X、前記Yおよび前記Qの位置は、前記化学式(2A)の構造内の前記COOH、前記Brおよび前記Qの同じ位置にそれぞれ対応する。
一実施形態では、本発明は、化学式(2B)のアレーンカルボン酸
Figure 2018531258
から化学式(1B)のハロアレーン
Figure 2018531258
を調製する方法に関するものであり、本方法は、(2B)とクロロイソシアヌル酸および臭素化剤とを反応させてハロアレーン(1B)を得ることを含む、ラジカルハロ脱炭酸反応を含み;
前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸またはその任意の組み合わせであり
XはClまたはBrであり;
、Q、Q、QおよびQは、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、R、COOH、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFから選択されるか;QおよびQ、QおよびQ、QおよびQ、またはQおよびQのいずれか2つが互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrであり;
(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つが臭素(Br)である場合、(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrである。
一実施形態では、本発明は、カルボン酸(2A)
Figure 2018531258
と、クロロイソシアヌル酸と、臭素化剤とを含み、電磁波照射時に有機ハロゲン化物(1A)
Figure 2018531258
を生じる放射線感応性組成物に関するものであり、
前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸またはその任意の組み合わせであり;
Aは、アレーン、分岐鎖アルカン、シクロアルカンまたは飽和複素環であり;
nは1以上の整数であり;
mは0以上の整数であり;
XはClまたはBrであり;n>1である場合、Xは同じであっても異なっていてもよく;
kは0以上の整数であり;
YはClまたはBrであり;k>1である場合、Yは同じであっても異なっていてもよく;
Qは、それぞれ独立してF、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)OMe、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFであるか;任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
(2A)のいずれか1つのRがカルボキシル基COOHである場合、(1A)のそれぞれのRはBrまたはClであり;
前記化学式(1A)の構造内の前記Brおよび前記Qの位置は、前記化学式(2A)の構造内の前記COOHおよび前記Qの同じ位置にそれぞれ対応する。
一実施形態では、本発明の方法および組成物は臭素化剤を含む。別の実施形態では、臭素化剤は、Br(臭素)、臭化物アニオンもしくは多臭化物アニオンと有機カチオンもしくは無機カチオンとを含む塩またはその任意の組み合わせである。
一実施形態では、本発明の方法を有機溶媒または無機溶媒の存在下で実施し、本発明の組成物は、有機溶媒または無機溶媒を含む。別の実施形態では、無機溶媒は、CO、SO、SOClまたはその組み合わせである。別の実施形態では、溶媒は、CHCN、CHNO、エステル、炭化水素溶媒もしくはハロカーボン溶媒またはその組み合わせである。別の実施形態では、炭化水素溶媒はCである。別の実施形態では、ハロカーボン溶媒は、CHCl、Cl(CHCl、CHCl、CCl、CCl、o−CCl、BrCCl、CHBr、CFCl、CFCCl、ClCFCFCl、BrCFCFClBr、CFCClBr、CFCHBrCl、CF、CCF、4−ClCCF、2,4−ClCFまたはその任意の組み合わせである。
一実施形態では、本発明の方法および組成物は、電磁波照射を含み、さらに電磁波照射を受ける。別の実施形態では、電磁波照射は、マイクロ波照射、赤外線照射、紫外線照射もしくは可視光線照射またはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、電磁波照射は可視光線照射である。別の実施形態では、前記可視光線の光源は、日光、蛍光灯、発光ダイオード、白熱灯またはその任意の組み合わせである。
一実施形態では、本発明の方法および組成物は、臭素化剤と、化学式(2A)または(2B)のカルボン酸化合物とを含む。別の実施形態では、臭素化剤/(前記カルボン酸化合物の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜4である。
一実施形態では、本発明の方法および組成物は、クロロイソシアヌル酸と、化学式(2A)または(2B)のカルボン酸化合物とを含む。別の実施形態では、クロロイソシアヌル酸/(カルボン酸化合物のカルボキシル基)のモル比は0.1〜2である。
別の実施形態では、本発明の方法を約−20℃〜約200℃の温度で実施する。別の実施形態では、本発明の方法を約0℃〜約150℃の温度で実施する。
別の実施形態では、本発明の方法をラジカル開始剤の存在下で実施する。別の実施形態では、ラジカル開始剤は、アゾ化合物または有機過酸化物である。
以下の詳細な説明では、本発明が十全に理解されるよう具体的な詳細を多数記載する。ただし、当業者には、本発明がこれらの具体的な詳細がなくても実施され得ることが理解されよう。別の例では、本発明が不明瞭にならないよう周知の方法、手順および成分については詳細に記載していない。
一実施形態では、本発明は、スキーム1:
Figure 2018531258
によって表される、化学式(2A)のカルボン酸から化学式(1A)の有機ハロゲン化物の調製方法に関するものであり、本方法は、カルボン酸(2A)とクロロイソシアヌル酸および臭素化剤とを反応させて有機ハロゲン化物(1A)を得ることを含む、ラジカルハロ脱炭酸反応を含み;
前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸またはその任意の組み合わせであり;
Aは、アレーン、アルカン、シクロアルカンまたは飽和複素環であり;
nは1以上の整数であり;
mは0以上の整数であり;
XはClまたはBrであり;n>1である場合、Xは同じであっても異なっていてもよく;
kは0以上の整数であり;
YはClまたはBrであり;k>1である場合、Yは同じであっても異なっていてもよく;
Qは、それぞれ独立してF、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFであるか;任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、前記Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;(2A)のいずれか1つのRがカルボキシル基COOHである場合、(1A)のそれぞれのRはBrまたはClであり;
前記化学式(1A)の構造内の前記X、前記Yおよび前記Qの位置は、前記化学式(2A)の構造内の前記COOH、前記Brおよび前記Qの同じ位置にそれぞれ対応する。
一実施形態では、本発明は、スキーム2:
Figure 2018531258
によって表される、化学式(2B)のカルボン酸から化学式(1B)の有機ハロゲン化物を調製する方法に関するものであり、本方法は、(2B)とクロロイソシアヌル酸および臭素化剤とを反応させてハロアレーン(1B)を得ることを含む、ラジカルハロ脱炭酸反応を含み;
前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸またはその任意の組み合わせであり、
XはClまたはBrであり;
、Q、Q、QおよびQは、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、R、COOH、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFから選択されるか;QおよびQ、QおよびQ、QおよびQ、またはQおよびQのいずれか2つが互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール,アルキル,シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
は、それぞれ独立して、F,Cl,Br,COOH,アシル,アリール,アルキル,シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrであり;
(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つが臭素(Br)である場合、(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrである。
一実施形態では、本発明の方法で生成する有機ハロゲン化物(1A)または(1B)は、各化合物の塩化物と臭化物の混合物である。別の実施形態では、化学式(1A)の有機ハロゲン化物は、X基が異なる化学式(1A)の有機ハロゲン化物生成物の混合物であり、kが0と異なる場合、有機ハロゲン化物生成物は任意選択で、異なるY基も有する。別の実施形態では、化学式(1B)の有機ハロゲン化物は、X基が異なる有機ハロゲン化物生成物の混合物であり、Q、Q、Q、Q、QがClまたはBrである場合、有機ハロゲン化物生成物は任意選択で、異なるハロ基(ClまたはBr)の混合物である。
一実施形態では、スキーム1の有機ハロゲン化物(1A)とカルボン酸(2A)のAはアレーンである。別の実施形態では、スキーム1の有機ハロゲン化物(1A)とカルボン酸(2A)のAはアルカンである。別の実施形態では、スキーム1の有機ハロゲン化物(1A)とカルボン酸(2A)のAは直鎖アルカンである。別の実施形態では、スキーム1の有機ハロゲン化物(1A)とカルボン酸(2A)のAは分岐鎖アルカンである。別の実施形態では、スキーム1の有機ハロゲン化物(1A)とカルボン酸(2A)のAはシクロアルカンである。別の実施形態では、スキーム1の有機ハロゲン化物(1A)とカルボン酸(2A)のAは飽和複素環である。
一実施形態では、Aは1つまたは複数の置換基Qで置換されており(スキーム1において);Qは、それぞれ独立してF、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFであるか;任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。
別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してClである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してFである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してBrである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してCNである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してCFである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してCClである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してアシル基である。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してSOである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してSOである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してC(O)Rである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してC(O)ORである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してC(O)OMeである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してCOClである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してアミドである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してC(O)N(Rである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してOCFである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してRである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してアルキルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してt−Buである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してシクロアルキルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してヘテロシクリルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してORである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してOMeである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してSRである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してSMeである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してアセチルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してベンゾイルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してメシルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してトシルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してNOである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN(R である。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してO−アシルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してOC(O)Rである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してアセトキシである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してOSOである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してメシルオキシである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してトシルオキシである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してS−アシルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してSC(O)Rである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN(R)アシルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN(R)C(O)Rである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN(R)SOである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN(アシル)である。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN[C(O)R]SOである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してサッカリニルである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してN[C(O)Rである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してフタルイミドである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してアリールである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してCである。別の実施形態では、Qはそれぞれ独立してCである。別の実施形態では、2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の複素環を形成する。別の実施形態では。2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、ジヒドロフラン−2,5−ジオンを形成する。別の実施形態では、2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、ピロリジン−2,5−ジオンを形成する。別の実施形態では、m>1である場合、Q置換基は同じものである。別の実施形態では、m>1である場合、Q置換基は異なるものである。
一実施形態では、スキーム1の有機臭化物(1A)とカルボン酸(2A)のAはベンゼンである。別の実施形態では、Aはシクロアルカンである。別の実施形態では、Aは飽和複素環である。
別の実施形態では、スキーム1の有機臭化物(1A)とカルボン酸(2A)のAはアルカンである。別の実施形態では、アルカン鎖は直鎖状である。別の実施形態では、アルカン鎖は分岐鎖状である。
一実施形態では、スキーム1のカルボン酸(2A)およびスキーム2のカルボン酸(2B)はECH(Z)−COOHではなく、式中、Eはアシル、CO2Z'、SOZ'、S(Z') またはN(Z') であり、ZおよびZ'はそれぞれ独立して、水素、アルキルまたはアリールである。別の実施形態では、スキーム1のカルボン酸(2A)およびスキーム2のカルボン酸(2B)は、ZCH=CH−COOHでもZC≡C−COOHでもなく、式中、Zは水素、アルキルまたはアリールであり、アルキルとアリールは任意選択で置換されている。
別の実施形態では、スキーム1のAは不飽和複素環ではない。別の実施形態では、スキーム1のAは、アルケンでもアルキンでもない。別の実施形態では、スキーム1のAは、シクロアルケンでもシクロアルキンでもない。別の実施形態では、スキーム1のQは、OH基、NH基、NHR基、NR基のいずれでもない。
別の実施形態では、Q、Q、Q、Qおよび/またはQのうちの少なくとも1つが、F、Cl、Br、CF、CCl、CN、COOH、C(O)OMe、NO、フタルイミド、OCFであり、かつ/あるいはQおよびQ、QおよびQ、QおよびQ、またはQおよびQのいずれか2つが互いに結合して、ジヒドロフラン−2,5−ジオン環またはピロリジン−2,5−ジオン環を形成する。
別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがNOである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがCFである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがCNである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがClである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがFである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがBrである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがフタルイミドである。別の実施形態では、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つがC(O)OMeである。
一実施形態では、スキーム2の化学式(1B)と(2B)のQはFである。別の実施形態では、QはHである。別の実施形態では、QはCFである。別の実施形態では、QはClである。別の実施形態では、QはBrである。別の実施形態では、QはNOである。別の実施形態では、QはCOMe。別の実施形態では、Qはフタルイミドである。
一実施形態では、スキーム2の化学式(1B)と(2B)のQはHである。別の実施形態では、QはFである。別の実施形態では、QはCFである。別の実施形態では、QはClである。別の実施形態では、QはBrである。別の実施形態では、QはCNである。別の実施形態では、QはNOである。別の実施形態では、QはCOMeである。別の実施形態では、QはCOOHである。
一実施形態では、スキーム2の化学式(1B)と(2B)のQはHである。別の実施形態では、QはCNである。別の実施形態では、QはClである。別の実施形態では、QはBrである。別の実施形態では、QはFである。別の実施形態では、QはCFである。別の実施形態では、QはNOである。別の実施形態では、QはCOMeである。別の実施形態では、QはCOOHである。
一実施形態では、スキーム2の化学式(1B)と(2B)のQはHである。別の実施形態では、QはFである。別の実施形態では、QはCFである。別の実施形態では、QはCNである。別の実施形態では、QはClである。別の実施形態では、QはNOである。
一実施形態では、スキーム2の化学式(1B)と(2B)のQはHである。別の実施形態では、QはFである。別の実施形態では、QはCFである。別の実施形態では、QはCNである。別の実施形態では、QはClである。
一実施形態では、スキーム2の化学式(1B)および(2B)のQおよびQが互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の複素環を形成する。別の実施形態では、複素環はジヒドロフラン−2,5−ジオンである。別の実施形態では、複素環はピロリジン−2,5−ジオンである。別の実施形態では、複素環はアルキルで置換されている。別の実施形態では、アルキルはt−Buである。
一実施形態では,スキーム1ならびに化合物(1A)および(1B)のXは、BrまたはClである。別の実施形態では、XはClである。別の実施形態では、XはBrである。
一実施形態では、スキーム1ならびに化合物(1A)のYは、BrまたはClである。別の実施形態では、YはClである。別の実施形態では、YはBrである。
別の実施形態では、化学式(1A)または(1B)の化合物は、ClおよびBrをともに含む。別の実施形態では、方法スキーム1またはスキーム2により化学式(1A)または(1B)の生成物の混合物が得られ、各生成物はハロ基が異なる。
一実施形態では、スキーム1ならびに化合物(1A)および(2A)のmは、0以上の整数である。別の実施形態では、mは0である。別の実施形態では、mは1である。別の実施形態では、mは2である。別の実施形態では、mは3である。別の実施形態では、m>1である場合、Qは異なっていても同じであってもよい。
一実施形態では、スキーム1の化合物(1A)、(2A)のnは、1以上の整数である。別の実施形態では、nは1〜5である。別の実施形態では、nは1〜3である。別の実施形態では、nは1または2である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。一実施形態では、n>1である場合、Xは同じであっても異なっていてもよい。
一実施形態では、スキーム1ならびに化合物(1A)および(2A)のkは、0以上の整数である。別の実施形態では、kは0である。別の実施形態では、kは1である。別の実施形態では、kは2である。別の実施形態では、kは3である。別の実施形態では、k>1である場合、Yは同じであっても異なっていてもよい。
一実施形態では、本発明は、有機ハロゲン化物をその対応するカルボン酸から調製する方法であって、カルボン酸とクロロイソシアヌル酸および臭素化剤とのラジカルハロ脱炭酸反応を含み、前記カルボン酸が、下の表2、3、4および7に挙げるカルボン酸から選択される、方法に関する。
一実施形態では、Aがアルカン、シクロアルカンまたは飽和複素環である場合、有機ハロゲン化物(1A)のXおよびYは臭素原子である。
一実施形態では、Qがニトロ基である場合、有機ハロゲン化物(1A)のXは臭素原子である。一実施形態では、Q、Q、Q、Q、Qのうちのいずれか1つがニトロ基である場合、有機ハロゲン化物(1B)のXは臭素原子である。
一実施形態では、Qがニトロ基と異なる場合、有機ハロゲン化物(1A)のXは塩素原子である。一実施形態では、置換基Q、Q、Q、QおよびQがいずれもニトロ基でない場合、有機ハロゲン化物(1B)のXは塩素原子である。
一実施形態では、アレーンカルボン酸(2B)のQ、Q、Q、QまたはQのいずれか1つがBrである場合、ハロアレーン(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、QまたはQはClである。
一実施形態では、スキーム1および2によって表される本発明の方法は、ラジカル機序を有する。別の実施形態では、ラジカル反応を促進する因子はいずれも本発明の方法を促進し得る。ラジカル反応を促進する因子には、加熱、電磁波照射、ラジカル開始剤の添加がある。
一実施形態では、本発明の方法および組成物はクロロイソシアヌル酸を含む。別の実施形態では、クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、ジクロロイソシアヌル酸(DCCA)、その塩またはその任意の組み合わせである。
一実施形態では、本発明の方法および本発明の組成物は、臭素化剤を利用し含むものである。別の実施形態では、臭素化剤は、臭素、臭化物アニオンもしくは多臭化物アニオンと有機カチオンもしくは無機カチオンとを含む塩またはその任意の組み合わせである。
別の実施形態では、カチオンは置換もしくは非置換オニウムイオンである。「オニウム」という用語は、一実施形態では、窒素族、カルコゲン族およびハロゲン族の単核親水素化物にヒドロンを付加することによって誘導されるカチオン(その対イオンを有する)を指す。オニウムの非限定的な例としては、[NHアンモニウム、[OHオキソニウム、[PHホスホニウム、[SHスルホニウム、[AsHアルソニウム、[SeHセレノニウム、[BrHブロモニウム、[SbHスチボニウム、[TeHテルロニウム、[IHヨードニウム、[BiHビスムトニウムが挙げられる。
置換オニウムは、上記の親イオンが一価の基または2つもしくは3つの遊離原子価によって置換されたものを指す。例えば、[SMeトリメチルスルホニウム(第三級スルホニウムイオン)、[MePPhメチルトリフェニルホスホニウム(第四級ホスホニウムイオン)、[HNEtトリエチルアンモニウム(第三級アンモニウムイオン)、[NPrテトラプロピルアンモニウム(第四級アンモニウムイオン)、[RC=NRイミニウムイオンがある。
一実施形態では、本明細書で使用される「カチオン」という用語は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、遷移金属カチオンまたは非置換オニウムカチオンを指す。別の実施形態では、無機カチオンはLiである。別の実施形態では、無機カチオンはNaである。別の実施形態では、無機カチオンはKである。別の実施形態では、無機カチオンはRbである。別の実施形態では、無機カチオンはCsである。別の実施形態では、無機カチオンはZn2+である。別の実施形態では、無機カチオンはCu2+である。別の実施形態では、無機カチオンはアンモニウムカチオン[NHである。
一実施形態では、本明細書で使用される「有機カチオン」という用語は、置換オニウムカチオンを指す。別の実施形態では、置換オニウムカチオンは、置換アンモニウムカチオン、置換ホスホニウムカチオン、置換オキソニウムカチオン、置換スルホニウムカチオン、置換アルソニウムカチオン、置換セレノニウムカチオン、置換テルロニウムカチオン、置換ヨードニウムカチオン、任意のその他のオニウムカチオンまたはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、置換アンモニウムカチオンは、置換または非置換グアニジニウムカチオン、置換または非置換ピリジニウムカチオン、置換または非置換アミジニウムカチオン、置換または非置換第四級アンモニウムカチオン[NR4]、置換または非置換第三級アンモニウムカチオン[HNR3]である。別の実施形態では、置換ホスホニウムカチオンは、置換または非置換第四級ホスホニウムカチオン[PR4]であり、式中、Rはアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、第四級アンモニウムカチオン[NR4]は、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウム、ジアルキルジアリールアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウムまたはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、第四級アンモニウムカチオン[NR4]の非限定的な例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリメチルオクチルアミニウム、セチルトリメチルアンモニウムまたはその任意の組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、第四級ホスホニウムカチオン[PR4]は、テトラアルキルホスホニウム、アルキルトリアリールホスホニウム、ベンジルトリアリールホスホニウム、ベンジルトリアルキルホスホニウムまたはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、第四級ホスホニウムカチオン[PR4]の非限定的な例としては、テトラフェニルホスホニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウム、ベンジルトリブチルホスホニウムカチオンまたはその任意の組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、スルホニウムカチオンは、置換もしくは非置換第三級スルホニウムカチオン、置換もしくは非置換スルホキソニウムイオン、置換もしくは非置換チオピリリウムイオンまたは置換もしくは非置換チウロニウムイオンあるいはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、置換オキソニウムカチオンは、置換もしくは非置換第三級オキソニウムカチオン、置換もしくは非置換ピリリウムカチオンまたはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、本明細書で言及される置換カチオンは、ハロゲン化物、ニトリル、ニトロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミド、カルボン酸、アシルまたはその任意の組み合わせで置換されている。
一実施形態では、本明細書で使用される「多臭化物アニオン」という用語は、3つ以上の臭素原子を含む分子もしくはイオンまたは式[Brq−のイオンを指し、式中、pは、少なくとも3である整数であり、qは、少なくとも1でありかつp/2以下である整数である。別の実施形態では、pは3〜24の整数であり、qは1または2である。別の実施形態では、pは、3、5、7、9、11または13であり、qは1である。別の実施形態では、pは、4、8、20または24であり、qは2である。
別の実施形態では、臭素化剤は、Br、BuNBr、BuNBrまたはその任意の組み合わせである。
「アルキル」は、一実施形態では、任意の炭素原子から水素原子を1個除去することによってアルカンから誘導される一価の基C2n+1−を指す。一実施形態では、アルキル基は炭素を1〜20個有する。アルキルの例としては、特に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、オクチル、イソオクチルなどが挙げられる。
「アルカン」という用語は、一般式C2n+2を有し、したがって、完全に水素原子と飽和炭素原子とからなる、非環状で分岐鎖状または非分岐鎖状の炭化水素を指す。アルカンの例としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、ネオペンタン、n−オクタン、イソオクタンなどが挙げられる。
「アレーン」は、単環式および多環式の芳香族炭化水素を指す。アレーンの非限定的な例には、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンなどがある。
「アリール」基は、環状炭素原子から水素原子を1個除去することによってアレーンから誘導される一価の基を指す。アリール基の非限定的な例には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどがある。
「シクロアルキル」は、環炭素原子から水素を1個除去することによってシクロアルカンから誘導される一価の基を指す。シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロブチル、ノルボルニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
「シクロアルカン」は単環式または多環式の飽和炭化水素を指す。シクロアルカンの一般化学式はC2(n+1−g)となり、式中、n=C原子の数、g=分子中の環の数である。
「ヘテロシクリル」は、単環式または多環式の複素環化合物の任意の環原子から水素原子を1個除去することによって形成される一価の基を指す。
「複素環」は、炭素と、水素と、環のうちの1つの窒素、硫黄、酸素、リンまたはその組み合わせのうちの少なくとも1つとからなる、単環式または多環式の複素環化合物を指す。一実施形態では、複素環化合物は2〜7個の融合環からなる。単環式飽和複素環化合物の非限定的な例には、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピペリジン、オキサン、チアン、アゼパン、オキセパン、チエパン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、ジオキソラン、ピペラジン、モルホリン、ジオキサン、ホモピペラジンがある。飽和二環式複素環化合物の非限定的な例には、キヌクリジン、7−オキサノルボルナン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−オキサビシクロ[3.1.1]ヘプタン、3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、オクタヒドロインドール、オクタヒドロ−2−ベンゾフランがある。
「アミド」は、一実施形態では、酸性のヒドロキシル基がアミノ基または置換アミノ基に置き換わったオキソ酸の誘導体を指す。一般に所与の窒素上にアシル基を1つまたは2つ有する化合物が含まれ、それぞれ第一級アミドおよび第二級アミドと命名され得る。
「アシル」基とは、オキソ酸から1つまたは複数のヒドロキシル基を除去することによって形成されるものおよびアシル基などの類似体のことである。例えば、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−C≡N、−S(=O)R、−S(=O)OR、−NOがある。アシル基の非限定的な例としては、アセチル−C(O)Me、ベンゾイル−C(O)Ph、C(O)OMe、−C(=O)Cl、メシルMeSO−、トシル4−MeCSOが挙げられる。
「カルボン酸」は、一実施形態では、構造RC(=O)OHを有するオキソ酸を指す。
別の実施形態では、スキーム1および2によって表されるハロ脱炭酸反応を室温で実施する。別の実施形態では、反応を冷却下で実施する。別の実施形態では、ハロ脱炭酸反応を熱により開始する。別の実施形態では、ハロ脱炭酸反応をさらに熱に曝す。別の実施形態では、ハロ脱炭酸反応を−20℃〜200℃の温度で実施する。別の実施形態では、本発明の方法を約0℃〜約150℃の温度で実施する。
別の実施形態では、本発明の方法は、反応にラジカル開始剤を使用することをさらに含む。別の実施形態では、ラジカル開始剤はアゾ化合物または有機過酸化物である。別の実施形態では、アゾ化合物はアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)または1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)である。別の実施形態では、有機過酸化物は過酸化ベンゾイルである。
別の実施形態では、実施例1〜14に記載される方法に従って化学式(1A)および/または(1B)のブロモアレーンを調製する。
一実施形態では、スキーム1および2によって表される本発明の方法を電磁波照射下で実施する。別の実施形態では、電磁波は、可視光線、赤外線、紫外線、マイクロ波またはその任意の組み合わせである。
別の実施形態では、可視光線の光源は、日光、蛍光灯、発光ダイオード、白熱灯またはその任意の組み合わせである。
「照射」という用語は、一実施形態では、線、波または粒子の形態で照射または伝達されるエネルギーを指す。電磁波照射は、電荷の加速により生じる電場と磁場によるエネルギーの波からなる放射線を指す。超音波は、周波数が20キロヘルツ(20,000ヘルツ)を上回る周期的な機械的振動を指す。紫外線照射は波長100〜400nmの電磁放射を指す。可視光線照射(光、可視光線)は波長400〜780nmの電磁波照射を指す。赤外線照射は波長780〜20000nmの電磁波照射を指す。マイクロ波照射は波長2〜1000mmの電磁波照射を指す。
電磁波照射の光源となる装置としては、水銀灯、キセノン灯、炭素カーボンアーク灯、白熱灯、タングステン灯、蛍光灯、発光ダイオードおよび日光などが挙げられる。
タングステン灯は、細いフィラメントワイヤ(通常、ウォルフラム製)にそれが極めて高温になるまで電流を流すことによって光を発生させる白熱灯である。タングステン灯には多くの場合、ヨウ素および臭素などのハロゲンガスが充填されており、それによりフィラメントがより高温でより効率的に機能する。
発光ダイオード(LED)は、p領域(負電荷よりも正電荷の方が数が多い)から分離されたn領域(正電荷よりも電子の方が数が多い)を含む半導体(多くの場合、ガリウムとヒ素とリンまたはガリウムと窒素を組み合わせたもの)を指す。電圧を加えると、電荷が移動し、電荷再結合が起こるたびに紫外線、可視光線または赤外線が発生する。LEDはインコヒーレントな単色光を発するが、通常、波長範囲が極めて狭いものとなる。
別の実施形態では、有機溶媒または無機溶媒の存在下で本発明の方法を実施し、本発明の組成物は有機溶媒または無機溶媒を含む。別の実施形態では、無機溶媒は、CO、SO、SOClまたはその組み合わせである。別の実施形態では、有機溶媒は、CHCN、CHNO、エステル、炭化水素溶媒もしくはハロカーボン溶媒またはその組み合わせである。別の実施形態では、ハロカーボン溶媒は、CHCl、Cl(CHCl、CHCl、CCl、CCl、o−CCl、BrCCl、CHBr、CFCl、CFCCl、ClCFCFCl、BrCFCFClBr、CFCClBr、CFCHBrCl、CF、CCF、4−ClCCF、2,4−ClCFまたはその任意の組み合わせである。別の実施形態では、溶媒はCHClである。別の実施形態では、溶媒は極性溶媒である。別の実施形態では、溶媒は非極性溶媒である。別の実施形態では、溶媒は炭化水素である。別の実施形態では、溶媒はベンゼンC(PhH)である。別の実施形態では、溶媒はアセトニトリルCHCN(MeCN)である。別の実施形態では、溶媒は酢酸エチルEtOAcである。別の実施形態では、溶媒はハロカーボンである。別の実施形態では、溶媒はCClである。別の実施形態では、溶媒はクロロホルムCHClである。別の実施形態では、溶媒はBrCClである。別の実施形態では、溶媒はCHBrである。別の実施形態では、溶媒はCFClである。別の実施形態では、溶媒はCFCClである。別の実施形態では、溶媒はClCFCFClである。別の実施形態では、溶媒はBrCFCFClBrである。別の実施形態では、溶媒はCFCClBrである。別の実施形態では、溶媒はハロタンCFCHBrClである。別の実施形態では、溶媒はCFである。別の実施形態では、溶媒はクロロベンゼンCCl(PhCl)である。別の実施形態では、溶媒はベンゾトリフルオリドCCF(PhCF)である。別の実施形態では、溶媒は4−ClCCFである。別の実施形態では、溶媒は1,2−ジクロロエタンCl(CHCl(DCE)である。別の実施形態では、溶媒はオルト−ジクロロベンゼンo−CClである。別の実施形態では、溶媒はジクロロメタンCHCl(DCM)である。別の実施形態では、溶媒は2,4−ジクロロベンゾトリフルオリド2,4−ClCFである。別の実施形態では、ハロカーボン溶媒中でブロモ脱炭酸方法を実施するのが好ましい。別の実施形態では、BrCCl、CHCl、CHBr、CFCHBrClまたはその任意の組み合わせの中でブロモ脱炭酸方法を実施するのが好ましい。
「炭化水素溶媒」という用語は、炭素元素と水素元素とからなる任意の溶媒を指す。炭化水素溶媒の非限定的な例には、シクロヘキサン,ヘプタン,ペンタン,ヘキサンまたはベンゼンCがある。
「ハロカーボン溶媒」という用語は、1つまたは複数の炭素が1つまたは複数のハロゲン(フッ素、塩素または臭素)と共有結合した任意の溶媒を指す。ハロカーボン溶媒の非限定的な例には、クロロホルムCHCl、ジクロロメタンCHCl(DCM)、ブロモトリクロロメタンBrCCl、クロロベンゼンCCl(PhCl)、オルト−ジクロロベンゼンo−CCl、1,2−ジクロロエタンCl(CHCl(DCE)、四塩化炭素CCl、1,3−ジクロロプロパンCl(CHCl、1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタンFCClCClF、1,1,2−トリクロロエタンCHClCHCl、トリクロロエチレンClC=CHCl、ペルクロロエチレンClC=CCl、ブロモベンゼンCBr、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、ジブロモメタンCHBr、2−ブロモ−2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタンCFCHBrCl(ハロタン)、1,2−ジブロモエタンBr(CHBr、ベンゾトリフルオリドCCF(PhCF)、2,4−ジクロロベンゾトリフルオリド2,4−ClCFがある。
一実施形態では、スキーム1および2によって表される本発明の方法を電磁波照射の存在下で実施する。別の実施形態では、反応時間が短いほど塩化物に対して得られる臭化物生成物の量が多くなる。別の実施形態では、反応時間が長いほど臭化物に対して得られる塩化物生成物の量が多くなる。一実施形態では、本発明の方法を実施する時間を1時間未満にすると、主要な生成物は臭化物となる。別の実施形態では、本発明の方法を実施する時間を3時間超にすると、主要な生成物は塩化物となる。
一実施形態では、有機ハロゲン化物または化学式(1A)もしくは(1B)の化合物の生成後、ろ過、洗浄、クロマトグラフィー、晶析またはその任意の組み合わせによって、反応混合物から有機ハロゲン化物を単離する。一実施形態では、R−Xの生成後、ろ過、洗浄、クロマトグラフィー、晶析またはその任意の組み合わせによって、反応混合物からR−Xを単離する。別の実施形態では、ろ過とそれに続く段階によって、化学式(1A)または(1B)の化合物を反応混合物から単離する。別の実施形態では、洗浄段階は、還元剤水溶液での洗浄と、それに続く塩基水溶液での洗浄とを含む。別の実施形態では、洗浄段階は、塩基水溶液での洗浄と、それに続く還元剤水溶液での洗浄とを含む。別の実施形態では、洗浄段階は、還元剤水溶液および塩基での洗浄を含む。
一実施形態では、洗浄段階によって、化学式(1A)もしくは(1B)の臭化化合物、塩化化合物またはその混合物を単離する。
別の実施形態では、洗浄段階は反応混合物を還元剤で処理することを含み、ここでは、過剰のクロロイソシアヌル酸を非極性有機溶媒に不溶性のシアヌル酸に変換し、それにより有機相から除去することができる。別の実施形態では、還元剤水溶液は、還元剤を含む水溶液を指す。還元剤の非限定的な例には、NaSO、NaHSO、Na、NaBH/NaOHまたはその組み合わせがある。別の実施形態では、還元剤を1〜10%w/wの濃度で水に加えて還元剤水溶液を得る。
一実施形態では、本発明の方法は、還元剤水溶液での洗浄段階を含むハロ脱炭酸に関するものである。別の実施形態では、洗浄段階の後、ヨウ化カリウムデンプン紙試験を実施してブロモ試薬の痕跡を確認する。「ヨウ化カリウムデンプン紙試験」(SPT)は、酢酸水溶液[1:1;v/v]で湿らせたヨウ化デンプン試験紙を指す。別の実施形態では、試験が陽性の場合、反応混合物にさらに還元剤水溶液を加える。
別の実施形態では、洗浄段階は、生成物を弱塩基水溶液で洗浄することを含み、ここでは、未反応のカルボン酸を塩基水溶液で洗浄することにより有機相から除去する。別の実施形態では、水相を酸性化することによりカルボン酸を回収する。別の実施形態では、塩基水溶液は、塩基を含む水溶液を指す。塩基の非限定的な例には、NaHCO、NaOH、NaCO、KOH、NaSOまたはその組み合わせがある。別の実施形態では、塩基を1〜10%w/wの濃度で水に加えて塩基水溶液を得る。
別の実施形態では、塩基水溶液での洗浄段階の前に還元剤水溶液での洗浄段階を実施する。別の実施形態では、還元剤水溶液での洗浄段階の前に塩基水溶液での洗浄段階を実施する。別の実施形態では、洗浄段階は、還元剤水溶液および塩基で洗浄することを含む。
このような還元剤水溶液と塩基の組み合わせとしては、還元剤と塩基の特性を併せもつ塩基性還元剤であるNaSOおよびNaBH/NaOHが挙げられる。
別の実施形態では、反応混合物の有機溶媒を有機相に用いて本発明の洗浄段階を実施する。別の実施形態では、(a)反応混合物の有機溶媒、(b)有機溶媒の混合物、または(c)異なる有機溶媒を有機相に用いて、塩基水溶液での洗浄段階と還元剤水溶液での洗浄段階を別個に実施する。洗浄段階の有機相に使用する有機溶媒の非限定的な例には、炭化水素溶媒、ハロカーボン溶媒またはエステル、例えばシクロヘキサン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、1,3−ジクロロプロパン、1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン、1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチルまたは酢酸ブチルなどがある。
一実施形態では、洗浄段階の後、水相を酸または酸水溶液で処理して固体のシアヌル酸を沈殿させる。
一実施形態では、ハロ脱炭酸反応の有機ハロゲン化物生成物は、有機相に可溶性であり、水相には可溶性でない。別の実施形態では、標準的な有機溶媒抽出による後処理によって粗有機臭化物を反応混合物から単離する。
一実施形態では、有機相から溶媒を除去することにより、残渣として粗物質の所望のハロゲン化物(1A)もしくは(1B)(式中、XがBrまたはClである)またはその混合物が得られる。別の実施形態では、残渣は純粋な所望のハロゲン化物(1A)または(1B)である。別の実施形態では、残渣は純粋な所望の臭化物(1A)または(1B)(式中、XがBrである)である。別の実施形態では、残渣は純粋な所望の塩化物(1A)または(1B)(式中、XがClである)である。別の実施形態では、残渣の晶析、精留またはクロマトグラフィーによりハロゲン化物を精製する。
別の実施形態では、単離および精製は乾燥段階をさらに含む。別の実施形態では、精製はクロマトグラフィーをさらに含む。
一実施形態では、本発明の方法は、純粋な有機ハロゲン化物の調製方法を提供する。別の実施形態では、本発明の方法は、純粋な有機塩化物の調製方法を提供する。別の実施形態では、本発明の方法は、純粋な有機臭化物の調製方法を提供する。別の実施形態では、本発明の方法は、有機塩化物と有機臭化物の混合物の調製方法を提供する。
別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は92%以上の純度を指す。別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は約95%以上の純度を指す。別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は約90%以上の純度を指す。別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は約85%以上の純度を指す。別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は約99%以上の純度を指す。別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は約98%以上の純度を指す。別の実施形態では、「純粋なハロゲン化物」、「純粋な塩化物」または「純粋な臭化物」は約97%以上の純度を指す。
一実施形態では、本発明は、本発明の方法に従って調製され、純度が約99%以上であり、化学式(1A)または(1B)によって表される有機ハロゲン化物化合物に関するものである。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法に従って調製され、純度が約98%以上であり、化学式(1A)または(1B)によって表される有機ハロゲン化物化合物に関するものである。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法に従って調製され、純度が約90%以上であり、化学式(1A)または(1B)によって表される有機ハロゲン化物化合物に関するものである。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法に従って調製され、純度が約95%以上であり、化学式(1A)または(1B)によって表される有機ハロゲン化物化合物に関するものである。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法に従って調製され、純度が約85%以上であり、化学式(1A)または(1B)によって表される有機ハロゲン化物化合物に関するものである。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法に従って調製され、純度が約97%以上であり、化学式(1A)または(1B)によって表される有機ハロゲン化物化合物に関するものである。別の実施形態では、XはClである。別の実施形態では、XはBrである。
一実施形態では、スキーム1および2によって表される本発明の方法により60%以上の収率が得られる。別の実施形態では、本発明の方法により70%以上の収率が得られる。別の実施形態では、本発明の方法により80%以上の収率が得られる。別の実施形態では、本発明の方法により85%以上の収率が得られる。別の実施形態では、本発明の方法により90%以上の収率が得られる。別の実施形態では、本発明の方法により95%以上の収率が得られる。
一実施形態では、本発明は、カルボン酸、クロロイソシアヌル酸および臭素化剤を特定のモル比で含む、方法および組成物に関するものである。
一実施形態では、クロロイソシアヌル酸:(前記化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜2である。別の実施形態では、クロロイソシアヌル酸:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は1〜2である。別の実施形態では、クロロイソシアヌル酸:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜1である。別の実施形態では、クロロイソシアヌル酸:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は1である。別の実施形態では、クロロイソシアヌル酸:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は1〜1.5である。
一実施形態では、本発明による方法の反応混合物は、臭素化剤をさらに含む。別の実施形態では、臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜4である。別の実施形態では、臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は1〜4である。別の実施形態では、臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜2である。別の実施形態では、臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜1である。別の実施形態では、臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は1〜2である。別の実施形態では、臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は1〜3である。
一実施形態では、本発明は、カルボン酸(2A)
Figure 2018531258
と、クロロイソシアヌル酸と、臭素化剤とを含み、電磁波照射時に有機ハロゲン化物(1A)
Figure 2018531258
を生じる放射線感応性組成物に関するものであり、
前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸またはその任意の組み合わせであり;
Aは、アレーン、分岐鎖アルカン、シクロアルカンまたは飽和複素環であり;
nは1以上の整数であり;
XはClまたはBrであり;n>1である場合、Xは同じであっても異なっていてもよく;
kは0以上の整数であり;
YはClまたはBrであり;k>1である場合、Yは同じであっても異なっていてもよく;
mは0以上の整数であり;
Qは、それぞれ独立してF、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)OMe、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFであるか;任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
(2A)のいずれか1つのRがカルボキシル基COOHである場合、(1A)のそれぞれのRはBrまたはClであり;
前記化学式(1A)の構造内の前記Brおよび前記Qの位置は、前記化学式(2A)の構造内の前記COOHおよび前記Qの同じ位置にそれぞれ対応する。
別の実施形態では、本発明は、カルボン酸とクロロイソシアヌル酸と臭素化剤とを含み;前記カルボン酸が化合物(2B):
Figure 2018531258
の構造によって表され、電磁波照射時に有機ハロゲン化物(1B)
Figure 2018531258
を生じる、放射線感応性組成物に関するものであり、
XはClまたはBrであり;
、Q、Q、QおよびQは、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、R、COOH、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、CFから選択されるか;QおよびQ、QおよびQ、QおよびQまたはQおよびQのいずれか2つが互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の炭素環または複素環を形成し;
はそれぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、Rは任意選択で、1つまたは複数の置換基Rで置換されており;
はそれぞれ独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrであり;
(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つが臭素(Br)である場合、(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrである。
本発明のハロ脱炭酸反応の機序
いかなる特定の機序にも理論にも束縛されるものではないが、本発明による方法は以下のように説明されると考えられる:
i.化学反応式(1):
クロロイソシアヌル酸+臭素化剤→ブロモイソシアヌル酸+塩素化剤 (1)
に従い、臭素化剤とクロロイソシアヌル酸との反応によりブロモイソシアヌル酸および塩素化剤が生じる。
ii.化学反応式(2):
Figure 2018531258
に従い、カルボン酸R−COHが化学反応式(1)のブロモイソシアヌル酸で臭素化されて対応する次亜臭素酸アシルR−COBrが生じる。
iii.化学反応式(3):
R−COBr→R・+CO+Br・ (3)
に従い、次亜臭素酸アシルR−COBrのホモリシス分解により炭素中心フリーラジカルR・が生じる。
iv.化学反応式(4):
R・+臭素原子供与体→R−Br (4)
に従い、R・が最も近くにある臭素原子供与体から臭素原子を取り出して、臭化物R−Brが生じ、ここでは、臭素原子供与体はBr・(化学反応式(3))、臭素化剤(Br、Br )またはハロカーボン溶媒(例えば、BrCCl、CFCHBrCl)から選択される。
v.任意選択で、化学反応式(5):
R−Br+塩素化剤→R−Cl+臭素化剤 (5)
に従い、塩素化剤(化学反応式1)による臭化物R−Brのクロロ脱臭素化が起こって対応する塩化物R−Clが生じ、臭素化剤が回収される。
考えられる別の機序として、化学反応化学式(1A):
Figure 2018531258
によるアリール−カルボン酸のハロ脱炭酸を以下に示す。
i.化学反応化学式(2A):
クロロイソシアヌル酸+Br→ブロモイソシアヌル酸+BrCl (2a)
に従い、分子臭素(臭素化剤)とクロロイソシアヌル酸との反応により一塩化臭素BrCl(塩素化剤)およびブロモイソシアヌル酸が生じる。
ii.化学反応式(3a):
Figure 2018531258
に従い、アリール−カルボン酸Ar−COHがブロモイソシアヌル酸で臭素化されて次亜臭素酸アロイルAr−COBrが生じる。
iii.化学反応式(4a):
Ar−COBr→Ar・+CO+Br・ (4a)
に従い、次亜臭素酸アロイルAr−COBrのホモリシス分解により炭素中心フリーラジカルAr・が生じる。
iv.化学反応式(5a):
Ar・+臭素原子供与体→Ar−Br (5a)
に従い、Ar・が最も近くにある臭素原子供与体から臭素原子を取り出して、臭化アリールAr−Brが生じ、ここでは、臭素原子供与体はBr・(化学反応式(4a))、臭素化剤(Br、Br )、BrCl(化学反応式2a)またはハロカーボン溶媒(例えば、BrCCl、CFCHBrCl)から選択される。
v.任意選択で、化学反応式(6a):
Ar−Br+BrCl→Ar−Cl+Br (6a)
に従い、一塩化臭素(塩素化剤)による臭化アリールAr−Brのラジカルクロロ脱臭素化が起こって塩化アリールAr−Clが生じ、分子臭素(臭素化剤)が回収される。
アルカン酸のハロ脱炭酸反応の機序として化学反応化学式(1B):
Figure 2018531258
によるものを以下に説明する。
i.化学反応化学式(2B):
クロロイソシアヌル酸+BuNBr→ブロモイソシアヌル酸+BuNCl+Br (2b)
に従い、テトラブチルアンモニウムトリブロミド(臭素化剤)とクロロイソシアヌル酸との反応によりテトラブチルアンモニウムクロリド(塩素化剤)、臭素(臭素化剤)およびブロモイソシアヌル酸が生じる。
ii.化学反応式(3b):
Figure 2018531258
に従い、ブロモイソシアヌル酸によるアルカン酸R−COHの臭素化により次亜臭素酸アシルR−COBrが生じる。
iii.化学反応式(4b):
R−COBr→R・+CO+Br・ (4b)
に従い、次亜臭素酸アシルR−COBrのホモリシス分解により炭素中心フリーラジカルR・が生じる。
iv.化学反応式(5b):
R・+臭素原子供与体→R−Br (5b)
に従い、R・が最も近くにある臭素原子供与体から臭素原子を取り出して臭化アルキルR−Brが生じる。
v.任意選択で、化学反応式(6b):
R−Br+BuNCl→R−Cl+BuNBr (6b)
に従い、テトラブチルアンモニウムクロリド(塩素化剤)による臭化アルキルR−Brのクロロ脱臭素化が起こって塩化アルキルR−Clが生じ、テトラブチルアンモニウムブロミド(臭素化剤)が回収される。
上に示した考えられる機序は、複雑な実際の方法の大まかなスキームにすぎないことに留意するべきである。
ハロ脱炭酸反応のラジカル鎖機序を示すものの1つが、機序を診断する手段として2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)炭素中心ラジカルスカベンジャーを用いることによるものである。ハロ脱炭酸反応の最初の反応混合物にラジカル鎖阻害剤のTEMPOを添加することによって反応が阻害される。TEMPOの添加によるハロ脱炭酸反応の阻害は、反応がラジカル鎖機序を有することを示している。
本発明では、カルボン酸R−COHと塩素化剤(例えば、トリクロロイソシアヌル酸またはジクロロイソシアヌル酸などのクロロイソシアヌル酸)と臭素化剤の混合物に光化学エネルギーおよび/または熱エネルギーを加えることによって炭素中心フリーラジカルR・を得る。光化学エネルギーは反応速度を増大させるものである。
本明細書で使用される「約」という用語は、当業者によって決定され、数値を測定または決定する方法、すなわち、測定系の限界に一部依存する特定の数値に許容される誤差範囲内を意味する。例えば、「約」は、当該技術分野における実施1回当たり1ないしそれ以上の標準偏差以内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の数値の最大約5%、最大約10%または最大約20%の範囲を意味し得る。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をさらに十全に説明するために記載するものである。ただし、これらは決して本発明の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例
実験の詳細:
試薬:特に明記されない限り、試薬および溶媒はいずれも、Sigma−Aldrich社、Alfa Aesar社、Acros Organics社およびTCI社から購入したものである。
技術:いずれの反応も非火力乾燥ガラス器中、窒素雰囲気下で実施した。反応混合物の照射には、反応フラスコ付近に取り付けた3WのLED温白色灯を用いた。変換はH NMRによって判定し、単離生成物の収率はH NMRで純度が95%超の生成物を指す。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、標準的技術(J.Org.Chem.1978,v.43、2923)に従い63〜200μmのシリカゲル60を用いて実施した。
分析方法:水素炎イオン化検出器(FID)を備えたShimadzu GC−2010ガスクロマトグラフに、膜厚0.25μmのメチル5%フェニルシリコーン固定相を有する30m×0.25mmのQuadrexキャピラリーカラムを用いて、GC分析を実施した。TLC分析には、Merck社のプレコートTLCプレート(ガラスプレートにシリカゲル60 F−254を0.25mmコートしたもの)を用いた。Bruker AM−400(400MHzでH、100MHzで13C)機器に溶媒のCDCl(特に明記されない限り)を用いてNMRスペクトルを記録した。データについては、内部TMSに対してppmで表した化学シフト、多重度、Hzで表した結合定数のほか積分値を報告する。文献に記載されている化合物については、そのH NMRスペクトルおよび/または13C NMRスペクトルを既に報告されているデータと比較することによって特徴を明らかにした。新規な化合物については、高分解能質量スペクトルによりさらに特徴を明らかにした。
以下の略号を用いる:
Alk=アルキル
Ar=アリール
CPT=N−クロロフタルイミド
CTAB=セチルトリメチルアンモニウムブロミド
d=二重項
DCCA=ジクロロイソシアヌル酸
DCE=1,2−ジクロロエタン
DCDMH=1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
DCM=ジクロロメタン
FL=蛍光室内照明
hν=可視光線照射
LL=LED灯照射
m=多重項
N−クロロアミド=塩素原子が窒素原子と直接結合しているクロロアミド
NCS=N−クロロスクシンイミド
NCSac=N−クロロサッカリン
NL=暗所
rt=室温
s=一重線
SDS=ドデシル硫酸ナトリウム
t=三重項
TL=タングステン灯照射
TCCA=トリクロロイソシアヌル酸
Δ=加熱
実施例1
o−クロロ安息香酸のクロロ脱炭酸
Figure 2018531258
o−クロロ安息香酸(0.16g、1mmol)、TCCA(0.24g、1mmol)、Br(0.64g、4mmol)およびDCM(10mL)の混合物を蛍光室内光照射下、rtで24時間攪拌した。反応混合物を1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドでろ過し、真空下で濃縮した。残渣をペンタンに溶かし、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドでろ過し、真空下で濃縮して、o−ジクロロベンゼン(0.12g、80%)を得た。
実施例2
2−ニトロ安息香酸のブロモ脱炭酸
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(10℃に冷却)を装着した丸底フラスコに2−ニトロ安息香酸(0.6mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(4mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射(FL)下で油浴中、磁力により攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。内部標準に1,2,4−トリクロロベンゼンを用いたガスクロマトグラフィー(GC)により2−ブロモニトロベンゼンの収率を求めた。反応の結果を表1に示す:
Figure 2018531258
量はいずれも2−ニトロ安息香酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。
収率はGCにより分析した2−ブロモニトロベンゼンに基づくものである。
光の不在下で反応を実施した。
実施例3
57mmolにスケールアップした2−ニトロ安息香酸のブロモ脱炭酸
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(10℃に冷却)を装着した250mL丸底フラスコに2−ニトロ安息香酸(57.1mmol)、TCCA(57.1mmol)、Br(114mmol)およびBrCCl(95mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射下、120℃の油浴中で18時間攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、2−ブロモニトロベンゼン10.6g(92%)を得た。
実施例4
ニトロアレーンカルボン酸のブロモ脱炭酸
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(10℃に冷却)を装着した25mL丸底フラスコにニトロアレーンカルボン酸ArCOH(1.8mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(8mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射(FL)下、油浴中で攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して、ブロモニトロアレーンArBrを得た。得られた生成物には、副生成物として対応するクロロニトロアレーンArClが1〜5%含まれていた。結果を表2に示す。
Figure 2018531258
量はいずれもニトロアレーンカルボン酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。
ブロモニトロアレーンArBrの単離収率。
シリカゲルを用いたクロマトグラフィーで生成物を精製した後に収率を求めた。
CClとCHClが4:1(v/v)の混合物を溶媒に用いた。
登録1:1−ブロモ−2−ニトロベンゼン H NMR:δ7.85−7.8(m,1H),7.75−7.7(m,1H),7.5−7.4(m,2H)ppm;13C NMR:δ149.8,135.1,133.3,128.4,125.6,114.4ppm。
登録2:1−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロベンゼン H NMR:δ7.84(dd,J=8,1Hz,1H),7.72(dd,J=8,1Hz,1H),7.30(t,J=8Hz,1H)ppm;13C NMRδ149.7,137.0,128.2,127.2,125.5,123.9ppm。
登録3:1−ブロモ−4−クロロ−2−ニトロベンゼン H NMRδ7.81(d,J=2Hz,1H),7.67(d,J=9Hz,1H),7.41(dd,J=9,2Hz,1H)ppm;13C NMR:δ150,136,134.3,133.4,125.7,112.5ppm。
登録4:2−ブロモ−4−クロロ−1−ニトロベンゼン H NMRδ7.83(d,J=9Hz,1H),7.71(d,J=2Hz,1H),7.44(dd,J=9,2Hz,1H)ppm;13C NMR:δ148,139.2,134.7,128.5,126.7,115.5ppm。
登録5:1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン H NMRδ7.94(d,J=2Hz,1H),7.59(d,J=9Hz,1H),7.54(dd,J=9,2Hz,1H)ppm;13C NMR:δ150,136.3,136.2,128.5,121.5,113.2ppm。
登録6:1−ブロモ−2,4−ジニトロベンゼン H NMR:δ8.64(d,J=3Hz,1H),8.29(dd,J=9,3Hz,1H),8.02(d,1H,J=9Hz)ppm;13C NMRδ149.7,147.0,136.6,127.3,121.9ppm。
登録7:1−ブロモ−3−ニトロベンゼン H NMR:δ8.29(t,J=2Hz,1H),8.13(ddd,J=8,2,1Hz,1H),7.81(ddd,J=8,2,1Hz,1H),7.44(t,J=8Hz,1H)ppm;13C NMR:δ148.6,137.5,130.6,126.5,122.7,122.1ppm。
登録8:4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン H NMR:δ8.16(dd,J=7,2Hz,1H),7.76(ddd,J=9,4,3Hz,1H),7.23(dd,J=10,9Hz,1H)ppm;13C NMR:δ154.6(d,JCF=265.9),138.6(d,JCF=8Hz),137.8,128.8(d,JCF=3Hz),120.2(d,JCF=22Hz),116.7(d,JCF=4Hz)ppm。19F NMR:δ−122.2ppm。
登録9:1−ブロモ−3−クロロ−2−ニトロベンゼン H NMR:δ7.58(dd,J=8,1Hz,1H),7.47(dd,J=8,1Hz,1H),7.32(t,J=8Hz,1H)ppm;13C NMR:δ150.0,132.15,131.6,129.7,126.3,113.9ppm。
登録10:4−ブロモ−1−クロロ−2−ニトロベンゼン H NMRδ8.00(d,J=2Hz,1H),7.64(dd,J=9,2Hz,1H),7.43(d,J=9Hz,1H)ppm;13C NMRδ148.3,136.2,133.1,128.5,126.2,120.7ppm。
登録11:1−ブロモ−2,5−ジクロロ−3−ニトロベンゼン H NMR:δ7.83(d,J=2Hz,1H),7.72(d,J=2Hz,1H)ppm;13C NMRδ149.4,136.5,133.7,126.07,126.06,124.2ppm。
登録12:1−ブロモ−4−ニトロベンゼン H NMR:δ8.08(d,J=9Hz,1H),7.67(d,J=9Hz,1H)ppm;13C NMR:δ147.1,132.7,130.1,125.1ppm。
登録13:4−ブロモ−1−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン H NMR:δ8.5(d,J=2Hz,1H),8.26(dd,J=9,2Hz,1H),7.96(d,J=9Hz,1H)ppm;13C NMRδ146.9,136.5,131.8(q,JCF=33Hz),127.7(d,JCF=1Hz),127.5,123.2(q,JCF=6Hz),122(q,JCF=274Hz)ppm;19F NMR:δ−66.4ppm。
登録14:1−ブロモ−2−フルオロ−4−ニトロベンゼン H NMRδ7.99−7.91(m,2H),7.78(dd,J=9,7Hz,1H)ppm;13C NMR:δ158(d,JCF=252Hz),147.9(d,JCF=7Hz),134.3,120.2(d,JCF=4Hz),117.3(d,JCF=21Hz),112.1(d,JCF=27Hz)ppm;19F NMRδ−105.0ppm。
登録15:1−ブロモ−2−クロロ−4−ニトロベンゼン H NMR:δ8.26(d,J=2Hz,1H),7.97(dd,J=9,2Hz,1H),7.80(d,J=9Hz,1H)ppm;13C NMR:δ147.3,135.8,134.4,130.3,125.1,122.5ppm。
実施例5
4−メトキシ−2−ニトロ安息香酸のハロ脱炭酸
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(10℃に冷却)を装着した25mL丸底フラスコに4−メトキシ−2−ニトロ安息香酸(304mg、1.54mmol)、TCCA(357mg、1.54mmol)、Br(492mg、3.08mmol)およびBrCCl(8mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射下、120℃の油浴中で18時間攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン/DCM)により残渣を精製して、4−ブロモ−3−ニトロアニソールと4−クロロ−3−ニトロアニソールの混合物(GCにより250mg、82:18)を得た。
実施例6
ニトロアレーンジカルボン酸のブロモ脱炭酸
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(10℃に冷却)を装着した丸底フラスコにニトロアレーンジカルボン酸NO(COH)(0.95mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(8mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射下、120℃の油浴中で攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。得られたジブロモニトロアレーンNOBrは純度95〜99%(GCによる)であり、対応する一塩素化生成物NOBrClを1〜5%含有すると思われる。結果を表3に示す。
Figure 2018531258
量はいずれもニトロアレーンジカルボン酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。
ジブロモニトロアレーンNOBrの単離収率。
登録1:1,2−ジブロモ−3−ニトロベンゼン H NMR:δ7.84(d,J=8Hz,1H),7.63(d,J=8Hz,1H),7.33(t,J=8Hz,1H)ppm;13C NMR:δ152.1,136.6,129.0,128.0,123.5,117.3ppm。
登録2:1,2−ジブロモ−4−ニトロベンゼン H NMR:δ8.42(d,J=2Hz,1H),8.00(dd,J=9,2Hz,1H),7.80(d,J=9Hz,1H)ppm;13C NMR:147.2,134.3,132.8,128.5,125.8,123.1ppm。
登録3:1,3−ジブロモ−5−ニトロベンゼン H NMR:δ8.30(s,2H),8.00(s,1H)ppm;13C NMR:δ149.0,140.0,125.6,123.5ppm。
実施例7
臭素化段階でのハロ脱炭酸の阻害
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(10℃に冷却)を装着した丸底フラスコにアレーンカルボン酸ArCOH(0.95mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(8mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射(FL)下、油浴中で攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。H NMRおよび13C NMRにより残渣の特徴を明らかにした。結果を表4に示す。
Figure 2018531258
量はいずれもアレーンカルボン酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。
実施例8
N−クロロアミドおよび臭素化剤によって誘起される安息香酸のラジカルクロロ脱炭酸
Figure 2018531258
安息香酸(0.8mmol)、N−クロロアミド、臭素化剤および溶媒(4mL)で満たしたガラス製圧力管を蛍光室内光照射(FL)下、油浴中で磁力により攪拌し加熱した。内部標準に1−クロロ−2−フルオロベンゼンを用いたガスクロマトグラフィー(GC)によりクロロベンゼンの収率を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2018531258
量はいずれも安息香酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。DCDMHは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインである。CPTはN−クロロフタルイミドである。NCSacはN−クロロサッカリンである。GCにより分析したクロロベンゼン。
実施例9
安息香酸のクロロ脱炭酸。反応条件の最適化。
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(−10℃に冷却)を装着した丸底フラスコに安息香酸(0.8mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(4mL)を入れた。混合物を蛍光室内光照射(FL)下、油浴中で磁力により攪拌し加熱した。内部標準に1−クロロ−2−フルオロベンゼンを用いたガスクロマトグラフィー(GC)によりクロロベンゼンおよびブロモベンゼンの収率を求めた。結果を表6に示す。
Figure 2018531258
量はいずれも安息香酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。
ガラス製圧力管内で反応を実施した。
実施例10
アレーンカルボン酸のクロロ脱炭酸反応の範囲の検討
Figure 2018531258
ジムロート冷却器(−10℃に冷却)を装着した丸底フラスコにアレーンカルボン酸(1.8mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(8mL)を入れた。混合物を3WのLED温白色灯照射(LL)または蛍光室内光照射(FL)の下、油浴中で磁力により攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸留により溶媒を除去した。揮発性の生成物の場合、内部標準を用いたガスクロマトグラフィー(GC)により収率を求めた。結果を表7に示す。
Figure 2018531258
量はいずれも安息香酸に対するモル/モルである。油浴温度はセ氏温度である。
ガラス製圧力管内で反応を実施した。GCにより生成物を分析した。
登録4:1,4−ジクロロ−2−フルオロベンゼン H NMR:δ7.30(m,1H),7.15(dd,1H,J=9,2Hz),7.43(d,1H,J=2Hz),7.10(m,1H)ppm;13C NMR:δ158.0(d,JCF=252Hz),133.3(d,JCF=9Hz),131.2,125.2(d,JCF=4Hz),119.8(d,JCF=18Hz),117.4(d,JCF=24Hz)ppm;19F NMR:δ−115.3ppm。
登録5:1−クロロ−2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン H NMR:δ7.61(m,1H),7.52(m,1H),7.20(m,1H)ppm;13C NMRδ155.7(dq,JCF=259,2Hz),134.6,125.6(m),124.7(d,JCF=5Hz),123.0(d,JCF=17Hz),122.3(qd,JCF=273,1.5Hz),120.2(qd,JCF=33,12Hz)ppm;19F NMR:δ−64.7(d,JFF=13Hz),−119.0(q,JFF=13Hz)ppm。
登録6:2−クロロ−4−フルオロ−1−(トリフルオロメチル)ベンゼン H NMR:δ7.69(dd,1H,J=9,6Hz),7.25(dd,1H,J=8,2Hz),7.07(m,1H)ppm;13C NMR:δ164.4(d,JCF=256Hz),134.3(m),129.5(dq,JCF=11,5Hz),124.8(qd,JCF=32,4Hz),122.8(q,JCF=273Hz),119.3(d,JCF=25Hz),114.1(d,JCF=22Hz)ppm;19F NMRδ−65.2,−108.8ppm。
登録8:1−クロロ−3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン H NMR:δ7.43(s,1H),7.29(m,1H),7.25(m,1H)ppm;13C NMR:δ162.7(d,JCF=253Hz),136.4(d,JCF=10Hz),133.8(qd,JCF=34,9Hz),122.8(qd,JCF=273,4Hz),121.9(dq,JCF=4,4Hz),119.9(d,JCF=24Hz),111.7(dq,JCF=25,4Hz)ppm;19F NMR:δ−66.2,−111.3ppm。
登録11:2−クロロ−1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン H NMR:δ7.90(d,2H,J=8Hz),7.51(t,1H,J=8Hz)ppm;13C NMR:δ131.7(m),131.1(q,JCF=32Hz),131.0(q,JCF=5Hz),127.0,122.5(q,JCF=274Hz)ppm;19F NMR:δ−66.5ppm。
登録13:1−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン H NMR:δ7.81(s,2H),7.78(s,1H)ppm;13C NMR:δ136.2,133.4(q,JCF=34Hz),129.3(d,JCF=3Hz),122.7(q,JCF=273Hz),120.9(sept,JCF=4Hz)ppm;19F NMR:δ−66.2ppm。
登録15:1,2−ジクロロベンゼン H NMR:δ7.40(dd,2H,J=6,4Hz),7.19(dd,2H,J=6,4Hz)ppm;13C NMR:δ132.6,130.6,127.8ppm。
登録16:1,2,4−トリクロロベンゼン H NMR:δ7.43(d,1H,J=2Hz),7.34(d,1H,J=9Hz),7.16(dd,1H,J=9,2Hz)ppm;13C NMR:δ133.5,133.1,131.2,131.1,130.3,128.0ppm。
登録17:1,2,3,5−テトラクロロベンゼン H NMR:δ7.35(s,2H)ppm;13C NMR:δ134.8,132.8,130.4,128.7ppm。
登録18:1,3−ジクロロベンゼン H NMR:δ7.26−7.12(m,1H),7.13−7.09(m,3H)ppm;13C NMR:δ135.1,130.6,128.8,127.0ppm。
登録20:1,4−ジクロロベンゼン H NMR:δ7.27(s,1H);13C NMRδ132.6,129.9ppm。
登録21:3−クロロベンゾニトリル H NMR:δ7.64−7.61(m,1H),7.60−7.56(m,1H),7.56−7.53(m,1H),7.42(t,1H,J=8Hz)ppm;13C NMR:δ134.9,133.1,131.7,130.4,130.2,117.3,113.8ppm。
登録22:4−クロロベンゾニトリル H NMR:δ7.59(d,1H,J=9Hz),7.43(d,1H,J=9Hz)ppm;13C NMR:δ139.2,133.2,129.5,117.8,110.6ppm。
登録23:4−クロロフタル酸無水物 H NMR:δ7.99(d,1H,J=8Hz),7.96(s,1H),7.90(d,1H,J=8Hz)ppm;13C NMR:δ161.7,161.5,143.0,136.5,132.8,129.3,126.9,125.8ppm。
実施例11
o−ブロモ安息香酸のクロロ脱炭酸
Figure 2018531258
o−ブロモ安息香酸(1.8mmol)、TCCA(3.6mmol)、Br(3.6mmol)およびCCl(8mL)で満たしたガラス製圧力管をLED温白色灯照射下、100℃の油浴中で18時間、磁力により攪拌し加熱した。冷却した反応混合物を短いシリカゲルパッドでろ過し、1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸留により溶媒を除去して、GCによる収率95%、純度95%のo−ジクロロベンゼンを得た。
実施例12
ラウリン酸のハロ脱炭酸
Figure 2018531258
ラウリン酸(0.5mmol)、ロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(4mL)の混合物を蛍光室内光照射(FL)下で攪拌した。一定分量の反応混合物を1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性シリカゲルパッドでろ過した。内部標準に1,2,4,5−テトラクロロベンゼンを用いたガスクロマトグラフィー(GC)により1−ブロモウンデカンおよび1−クロロウンデカンの収率を求めた。結果を表8に示す。
Figure 2018531258
量はいずれもラウリン酸に対するモル/モルである。
実施例13
4−クロロフェニル酢酸のハロ脱炭酸
Figure 2018531258
4−クロロフェニル酢酸(1mmol)、クロロイソシアヌル酸、臭素化剤および溶媒(6mL)の混合物を蛍光室内光照射(FL)下で攪拌した。一定分量の反応混合物を1M NaSO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性シリカゲルパッドでろ過した。内部標準に1,2,4−トリクロロベンゼンを用いたガスクロマトグラフィー(GC)により4−クロロベンジルブロミド、4−クロロベンジルクロリドおよび4−クロロベンザルブロミドの収率を求めた。結果を表9に示す。
Figure 2018531258
量はいずれも4−クロロフェニル酢酸に対するモル/モルである。
実施例14
比較例
A. IN803DEL1999に開示されているヘテロリシス反応条件下でN−クロロスクシンイミド(NCS)を用いてアレーンカルボン酸をクロロ脱炭酸する試み
Figure 2018531258
蛍光室内光(FL)下で反応を実施した。
実施例14A−1. 触媒にテトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテートを用いて安息香酸をクロロ脱炭酸する試み
Figure 2018531258
安息香酸(0.44g、3.60mmol)、N−クロロスクシンイミドNCS(0.46g、3.44mmol)、テトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテート[NBu]OAc(0.24g、0.67mmol)および1,2−ジクロロエタンDCE(6mL)の混合物をrtで24時間攪拌した。反応混合物を1M NaSO水溶液(2×10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドでろ過した。得られたろ液にクロロベンゼンは含まれていなかった(GCデータ、内部標準に1−クロロ−2−フルオロベンゼンを用いた)。
実施例14A−2. 触媒にテトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテートを用いてp−トルイル酸をクロロ脱炭酸する試み
Figure 2018531258
p−トルイル酸(0.48g、3.52mmol)、N−クロロスクシンイミドNCS(0.46g、3.44mmol)、テトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテート[NBu]OAc(0.24g、0.67mmol)および1,2−ジクロロエタンDCE(6mL)の混合物をrtで24時間攪拌した。反応混合物を1M NaSO水溶液(2×10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドでろ過した。得られたろ液にp−クロロトルエンは含まれていなかった(GCデータ、内部標準にo−ジクロロベンゼンを用いた)。
実施例14A−3. 触媒にテトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテートを用いてp−アニス酸をクロロ脱炭酸する試み
Figure 2018531258
p−アニス酸(0.52g、3.42mmol)、N−クロロスクシンイミドNCS(0.46g、3.44mmol)、テトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテートを[NBu]OAcF(0.24g、0.67mmol)および1,2−ジクロロエタンDCE(6mL)の混合物をrtで24時間攪拌した。反応混合物を1M NaSO水溶液(2×10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドでろ過した。得られたろ液にp−クロロアニソールは含まれていなかった(GCデータ、内部標準に1,2,4−トリクロロベンゼンを用いた)。
B. J.Dispersion Sci.Technol.2007,v.28,613に開示されているヘテロリシス反応条件下でN−クロロスクシンイミド(NCS)を用いてアレーンカルボン酸をクロロ脱炭酸する試み
実施例14B−1:触媒にセチルトリメチルアンモニウムブロミドを用いて2−ブロモ安息香酸をクロロ脱炭酸する試み
Figure 2018531258
2−ブロモ安息香酸(0.20g、1.0mmol)、N−クロロスクシンイミドNCS(0.20g、1.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブロミドCTAB(1.82g、5.0mmol)および1,2−ジクロロエタンDCE(10mL)の混合物を還流条件下、暗所で3時間攪拌した。冷却した反応混合物を1M NaSO水溶液(2×5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドでろ過し、真空下で濃縮して、2−クロロエチル2−ブロモベンゾアート2−BrCCO(CHCl(0.27g、100%)を得た。H NMR:δ7.85(d,J=7Hz,1H),7.64(d,J=7Hz,1H),7.38−7.28(m,2H)4.56(t,J=6Hz,2H),3.80(t,J=6Hz,2H)ppm。
実施例14B−2:触媒にドデシル硫酸ナトリウムを用いて2−ブロモ安息香酸をクロロ脱炭酸する試み
Figure 2018531258
2−ブロモ安息香酸(0.20g、1mmol)、N−クロロスクシンイミドNCS(0.20g、1.5mmol)、ドデシル硫酸ナトリウムSDS(1.44g、5.0mmol)および1,2−ジクロロエタンDCE(10mL)の混合物を還流条件下、暗所で3時間攪拌した。冷却後、反応混合物を1M NaSO水溶液(2×5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、短い中性アルミナパッドろ過し、真空下で濃縮した。H NMRにより判定したところ、残渣(15mg)に1−ブロモ−2−クロロベンゼンは含まれていなかった。
本明細書には本発明の特定の特徴が説明および記載されているが、当業者には修正、置換、改変および等価物が多数思いつくであろう。このため、添付の「特許請求の範囲」は、本発明の真の趣旨の範囲内にあるそのような修正および改変をすべて包含することを意図するものであることが理解されるべきである。
本明細書には本発明の特定の特徴が説明および記載されているが、当業者には修正、置換、改変および等価物が多数思いつくであろう。このため、添付の「特許請求の範囲」は、本発明の真の趣旨の範囲内にあるそのような修正および改変をすべて包含することを意図するものであることが理解されるべきである。

Claims (57)

  1. 下記のスキーム1によって表される、化学式(2A)のカルボン酸から化学式(1A)の有機ハロゲン化物を調製する方法であって、
    Figure 2018531258
    カルボン酸(2A)を、クロロイソシアヌル酸および臭素化剤とラジカルハロ脱炭酸反応させて、有機ハロゲン化物(1A)を生成するステップを含み;
    前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、またはそれらの任意の組み合わせであり;
    Aは、アレーン、アルカン、シクロアルカン、または飽和複素環であり;
    nは、1以上の整数であり;
    Xは、ClまたはBrであり;n>1である場合、Xは、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    kは、0以上の整数であり;
    Yは、ClまたはBrであり;k>1である場合、Yは、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    mは、0以上の整数であり;
    各Qは、互いに独立して、F、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、またはCFから選択されるか;あるいは、任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の、炭素環または複素環を形成し;
    各Rは、互いに独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;Rは、任意選択で、1または複数の置換基Rで置換され;
    各Rは、互いに独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
    化学式(2A)におけるRのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、化学式(1A)における個々のRは、BrまたはClであり;
    化学式(1A)における前記X、前記Yおよび前記Qの位置は、化学式(2A)における前記COOH、前記Brおよび前記Qの位置にそれぞれ対応する、方法。
  2. Aはアレーンである、請求項1に記載の方法。
  3. Aはベンゼンである、請求項1に記載の方法。
  4. 化学式(1A)の有機ハロゲン化物は、X基が異なる化学式(1A)の有機ハロゲン化物生成物の混合物であり、kが0ではない場合、前記有機ハロゲン化物生成物は、任意選択で、異なるY基も有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記有機ハロゲン化物(1A)のXおよびYは、Aがアルカン、シクロアルカン、または飽和複素環である場合、臭素原子である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記有機ハロゲン化物は、下記の化学式(1B)で表されるハロアレーンであり;
    Figure 2018531258
    前記カルボン酸は、下記の化学式(2B)で表されるアレーンカルボン酸であり;
    Figure 2018531258
    Xは、ClまたはBrであり;
    、Q、Q、QおよびQは、互いに独立して、H、F、Cl、Br、R、COOH、アシル、C(O)R、アセチル、ベンゾイル、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、またはCFから選択されるか;あるいは、QおよびQ、QおよびQ、QおよびQ、またはQおよびQのうちのいずれか2つが互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の、炭素環または複素環を形成し;
    各Rは、互いに独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;Rは、任意選択で、1または複数の置換基Rで置換され;
    各Rは、互いに独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
    化学式(2B)におけるQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、化学式(1B)における個々のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrであり;
    化学式(2B)におけるQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つが臭素(Br)である場合、化学式(1B)の個々のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrである、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記置換基Q、Q、Q、QまたはQのうちのいずれか1つがニトロ基である場合、XはBrである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記置換基Q、Q、Q、QおよびQがいずれもニトロ基でない場合、XはClである、請求項6に記載の方法。
  9. アレーンカルボン酸(2B)のQ、Q、Q、QまたはQのうちのいずれか1つがBrである場合、ハロアレーン(1B)における個々のQ、Q、Q、QまたはQはClである、請求項8に記載の方法。
  10. 、Q、Q、Qおよび/またはQのうちの少なくとも1つは、F、Cl、Br、CF、CCl、CN、COOH、C(O)OMe、NO、またはOCFであり、および/または、QおよびQ、QおよびQ、QおよびQ、またはQおよびQのうちのいずれか2つが互いに結合して、ジヒドロフラン−2,5−ジオン環、またはピロリジン−2,5−ジオン環を形成する、請求項6に記載の方法。
  11. 前記クロロイソシアヌル酸:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)の比は0.1〜2である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記臭素化剤は、Br(臭素)、臭化物アニオンもしくは多臭化物アニオンと有機カチオンもしくは無機カチオンとを含む塩、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記多臭化物アニオンは、下記の化学式で表されるイオンであり、
    [Brq−
    化学式中、pは、3以上の整数であり、qは、1以上かつp/2以下の整数である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記カチオンは、置換もしくは非置換オニウムイオンである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記オニウムイオンは、置換もしくは非置換アンモニウムイオン、置換もしくは非置換オキソニウムイオン、置換もしくは非置換ホスホニウムイオン、置換もしくは非置換スルホニウムイオン、置換もしくは非置換アルソニウムイオン、置換もしくは非置換セレノニウムイオン、置換もしくは非置換テルロニウムイオン、置換もしくは非置換ヨードニウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記アンモニウムイオンは、第三級もしくは第四級アンモニウムイオン、置換もしくは非置換ピリジニウムイオン、置換もしくは非置換アミジニウムイオン、置換もしくは非置換グアニジニウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ホスホニウムイオンは、第四級ホスホニウムイオンである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記スルホニウムイオンは、置換もしくは非置換第三級スルホニウムイオン、置換もしくは非置換スルホキソニウムイオン、置換もしくは非置換チオピリリウムイオン、置換もしくは非置換チウロニウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項15に記載の方法。
  19. 前記オキソニウムイオンは、置換もしくは非置換第三級オキソニウムイオン、置換もしくは非置換ピリリウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項15に記載の方法。
  20. 前記第四級アンモニウムは、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウム、またはトリアルキルベンジルアンモニウムである、請求項16に記載の方法。
  21. 前記臭素化剤:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜4である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記反応を有機溶媒または無機溶媒の存在下で実施する、請求項1に記載の方法。
  23. 前記無機溶媒は、SOCl、SO、またはCOであり、
    前記有機溶媒は、CHCN、CHNO、エステル、炭化水素溶媒、ハロカーボン溶媒、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記炭化水素溶媒は、Cであり、
    前記ハロカーボン溶媒は、CHCl、Cl(CHCl、CHCl、CCl、CCl、o−CCl、BrCCl、CHBr、CFCl、CFCCl、ClCFCFCl、BrCFCFClBr、CFCClBr、CFCHBrCl、CF、CCF、4−ClCCF、2,4−ClCF、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記反応を−20℃〜200℃の温度で実施する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記反応を0℃〜150℃の温度で実施する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ラジカル反応を促進するため、反応混合物に電磁波照射を実施する、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記電磁波照射は、マイクロ波照射、赤外線照射、紫外線照射、可視光線照射、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記電磁波照射は可視光線照射である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記可視光線の光源は、日光、蛍光灯、発光ダイオード、白熱灯、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記反応をラジカル開始剤の存在下で実施する、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記ラジカル開始剤は、アゾ化合物または有機過酸化物である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記アゾ化合物は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、または1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記有機過酸化物は過酸化ベンゾイルである、請求項32に記載の方法。
  35. 下記の化学式(2A)で表されるカルボン酸と、クロロイソシアヌル酸と、臭素化剤とを含み、
    Figure 2018531258
    電磁波の照射を受けたときに、下記の化学式(1A)で表される有機臭化物を生成する放射線感応性組成物であって、
    Figure 2018531258
    前記クロロイソシアヌル酸は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、またはそれらの任意の組み合わせであり;
    Aは、アレーン、分岐鎖アルカン、シクロアルカン、または飽和複素環であり;
    nは、1以上の整数であり;
    Xは、ClまたはBrであり;n>1である場合、Xは、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    kは、0以上の整数であり;
    Yは、ClまたはBrであり;k>1である場合、Yは、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    mは、0以上の整数であり;
    各Qは、互いに独立して、F、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)OMe、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、またはCFから選択されるか;あるいは、任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の、炭素環または複素環を形成し;
    各Rは、互いに独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;Rは、任意選択で、1または複数の置換基Rで置換され;
    各Rは、互いに独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
    化学式(2A)におけるRのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、化学式(1A)における個々のRは、BrまたはClであり;
    化学式(1A)における前記Brおよび前記Qの位置は、化学式(2A)における前記COOHおよび前記Qの位置にそれぞれ対応する、組成物。
  36. Aがアルカン、シクロアルカン、または飽和複素環である場合、前記有機ハロゲン化物(1A)のXおよびYは臭素原子である、請求項35に記載の組成物。
  37. Aはアレーンである、請求項35に記載の組成物。
  38. Aはベンゼンである、請求項35に記載の組成物。
  39. 前記カルボン酸は、下記の化学式(2B)で表されるアレーンカルボン酸であり、
    Figure 2018531258
    前記有機ハロゲンは、下記の化学式(1B)で表されるハロアレーンであり、
    Figure 2018531258
    Xは、ClまたはBrであり;
    、Q、Q、QおよびQは、互いに独立して、H、F、Cl、Br、R、COOH、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、またはCFから選択されるか;あるいは、QおよびQ、QおよびQ、QおよびQ、またはQおよびQのうちのいずれか2つが互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の、炭素環または複素環を形成し;
    各Rは、互いに独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;Rは、任意選択で、1または複数の置換基Rで置換され;
    各Rは、互いに独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
    化学式(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、化学式(1B)における個々のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrであり;
    化学式(2B)のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRのうちのいずれか1つが臭素(Br)である場合、化学式(1B)における個々のQ、Q、Q、Q、Qおよび/またはRは、ClまたはBrである、
    請求項35に記載の組成物。
  40. 前記置換基Q、Q、Q、QまたはQのいずれか1つがニトロである場合、XはBrである、請求項39に記載の組成物。
  41. 前記置換基Q、Q、Q、QおよびQがいずれもニトロ基でない場合、XはClである、請求項39に記載の組成物。
  42. アレーンカルボン酸(2B)のQ、Q、Q、QまたはQのいずれか1つがBrである場合、ハロアレーン(1B)のそれぞれのQ、Q、Q、QまたはQはClである、請求項41に記載の組成物。
  43. 前記クロロイソシアヌル酸:(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比は0.1〜2である、請求項35に記載の組成物。
  44. 前記臭素化剤は、Br(臭素)、臭化物アニオンもしくは多臭化物アニオンと有機カチオンもしくは無機カチオンとを含む塩、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項35に記載の組成物。
  45. 前記多臭化物アニオンは、下記の化学式で表されるイオンであり、
    [Brq−
    化学式中、pは、3以上の整数であり、qは、1以上かつp/2以下の整数である、請求項44に記載の組成物。
  46. 前記カチオンは、置換または非置換オニウムイオンである、請求項45に記載の組成物。
  47. 前記オニウムイオンは、置換もしくは非置換アンモニウムイオン、置換もしくは非置換オキソニウムイオン、置換もしくは非置換ホスホニウムイオン、置換もしくは非置換スルホニウムイオン、置換もしくは非置換アルソニウムイオン、置換もしくは非置換セレノニウムイオン、置換もしくは非置換テルロニウムイオン、置換もしくは非置換ヨードニウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項46に記載の組成物。
  48. 前記アンモニウムイオンは、置換もしくは非置換第四級もしくは第三級アンモニウムイオン、置換もしくは非置換ピリジニウムイオン、置換もしくは非置換アミジニウムイオン、置換もしくは非置換グアニジニウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせであるか;あるいは、
    前記ホスホニウムイオンは、置換もしくは非置換第四級ホスホニウムイオンであるか;あるいは、
    前記スルホニウムイオンは、置換もしくは非置換第三級スルホニウムイオン、置換もしくは非置換スルホキソニウムイオン、置換もしくは非置換チオピリリウムイオン、置換もしくは非置換チウロニウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせであるか;あるいは、
    前記オキソニウムイオンは、置換もしくは非置換第三級オキソニウムイオン、置換もしくは非置換ピリリウムイオン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項47に記載の組成物。
  49. 前記第四級アンモニウムは、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウム、またはトリアルキルベンジルアンモニウムである、請求項48に記載の組成物。
  50. 前記臭素化剤/(化学式(2A)のカルボン酸の各カルボキシル基)のモル比が0.1〜4である、請求項35に記載の組成物。
  51. 有機溶媒、無機溶媒、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項35に記載の組成物。
  52. 前記無機溶媒は、SOCl、SO、またはCOであり、
    前記有機溶媒は、CHCN、CHNO、エステル、炭化水素溶媒もしくはハロカーボン溶媒、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項51に記載の組成物。
  53. 前記炭化水素溶媒は、Cであり、
    前記ハロカーボン溶媒は、CHCl、Cl(CHCl、CHCl、CCl、CCl、o−CCl、BrCCl、CHBr、CFCl、CFCCl、ClCFCFCl、BrCFCFClBr、CFCClBr、CFCHBrCl、CF、CCF、4−ClCCF、2,4−ClCF、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項52に記載の組成物。
  54. 前記照射を−20℃〜200℃の温度で実施する、請求項35に記載の組成物。
  55. 前記照射を0℃〜150℃の温度で実施する、請求項54に記載の組成物。
  56. 電磁波照射は、マイクロ波照射、赤外線照射、紫外線照射、可視光線照射、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項35に記載の組成物。
  57. 請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法によって調製された、下記の化学式(1A)で表される有機ハロゲン化物を含む組成物であって、
    Figure 2018531258
    Aは、アレーン、アルカン、シクロアルカン、または飽和複素環であり;
    nは、1以上の整数であり;
    Xは、ClまたはBrであり;n>1である場合、Xは、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    kは、0以上の整数であり;
    Yは、ClまたはBrであり;k>1である場合、Yは、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    mは、0以上の整数であり;
    各Qは、互いに独立して、F、Cl、Br、R、アシル、C(O)R、C(O)OR、C(O)Cl、C(O)N(R、CN、SO、SO、NO、N(R 、OR、OCF、O−アシル、OC(O)R、OSO、SR、S−アシル、SC(O)R、N(R)アシル、N(R)C(O)R、N(R)SO、N(アシル)、N[C(O)R]SO、N[C(O)R、またはCFから選択されるか;あるいは、任意の2つの隣接するQ置換基が互いに結合して、5員もしくは6員の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の、炭素環または複素環を形成し;
    各Rは、互いに独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;Rは、任意選択で、1または複数の置換基Rで置換され;
    各Rは、互いに独立して、F、Cl、Br、COOH、アシル、アリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり;
    (2A)におけるRのいずれか1つがカルボキシル基COOHである場合、(1A)における個々のRは、BrまたはClであり;
    化学式(1A)における前記X、前記Yおよび前記Qの位置は、化学式(2A)における前記COOH、前記Brおよび前記Qの位置にそれぞれ対応する、組成物。
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