JP6072740B2 - トランスミッションのシンクロ装置 - Google Patents

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本発明は、外周にドグ歯を有して回転軸に相対回転自在に支持されたギヤと、前記回転軸に結合されたハブと、前記ハブに軸方向摺動自在にスプライン結合されたスリーブと、前記スリーブの内周のスプライン歯に噛合可能なドグ歯を外周に有するとともに、前記ギヤとの摩擦係合を可能にして前記ハブおよび該ギヤ間に配置されたブロッキングリングとを備えるトランスミッションのシンクロ装置に関する。
かかるトランスミッションのシンクロ装置は、例えば下記特許文献1により公知である。このシンクロ装置は、スリーブのスプライン歯の歯先がブロッキングリングのドグ歯の歯先に当たらないように、スリーブのスプライン歯の歯先の位相とブロッキングリングのドグ歯の歯先の位相とが半ピッチずれており、スプライン歯の歯先の斜面とドグ歯の歯先の斜面とが当接することで、スプライン歯がドグ歯をスムーズに掻き分けて噛合できるようになっている。
特開2001−132771号公報
しかしながら、スリーブの位相とギヤの位相との関係は偶然に左右されて自由のコントロールできないため、ブロッキングリングのドグ歯を掻き分けた後のスリーブのスプライン歯の歯先の位相が、たまたまギヤのドグ歯の歯先の位相と一致していると両者の歯先が当接してしまい、スリーブのスプライン歯がギヤのドグ歯にスムーズに噛合できなくなる場合がある。
特に、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)、AMT(オートマチック・マニュアル・トランスミッション)、無段変速機に組み合わされた副変速機等においては、シンクロ装置のスリーブがアクチュエータで駆動されるため、シンクロ装置の係合の失敗によるリトライが繰り返されると、変速応答性の低下やトルク抜けが発生して商品性を著しく低下させる懸念がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、スリーブのスプライン歯の歯先とギヤのドグ歯の歯先との当接を回避してシンクロ装置のスムーズな係合を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、外周にドグ歯を有して回転軸に相対回転自在に支持されたギヤと、前記回転軸に結合されたハブと、前記ハブに軸方向摺動自在にスプライン結合されたスリーブと、前記スリーブの内周のスプライン歯に噛合可能なドグ歯を外周に有するとともに、前記ギヤとの摩擦係合を可能にして前記ハブおよび該ギヤ間に配置されたブロッキングリングとを備え、前記スリーブのスプライン歯を前記ブロッキングリングのドグ歯および前記ギヤのドグ歯に噛合させることで、前記ギヤを前記回転軸に結合するトランスミッションのシンクロ装置であって、前記ギヤおよび前記ブロッキングリング間に軸方向摺動自在に配置され、前記ギヤのドグ歯の歯先よりも前記ハブに向けて軸方向に所定距離突出する案内歯を有するガイドリングと、前記ガイドリングおよび前記ギヤ間に配置されて該ガイドリングを前記ハブに向けて軸方向に付勢する弾性部材とを備え、前記案内歯は前記ギヤのドグ歯間に間欠的に配置され、前記案内歯の歯先の位相と前記ギヤのドグ歯の歯先の位相とは周方向にずれていることを特徴とするトランスミッションのシンクロ装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記ギヤのドグ歯および前記ガイドリングの案内歯は該ギヤに対して所定角度相対回転自在であることを特徴とするトランスミッションのシンクロ装置が提案される。
尚、実施の形態の第1ギヤ16は本発明のギヤに対応し、実施の形態の第1ブロッキングリング20は本発明のブロッキングリングに対応し、実施の形態の1ブロッキングリング20のドグ歯20aは本発明のブロッキングリングのドグ歯に対応し、実施の形態のドグ歯付きリング24のドグ歯24aは本発明のギヤのドグ歯に対応し、実施の形態のダイヤフラムスプリング33は本発明の弾性部材に対応する。
請求項1の構成によれば、シンクロ装置は、外周にドグ歯を有して回転軸に相対回転自在に支持されたギヤと、回転軸に結合されたハブと、ハブに軸方向摺動自在にスプライン結合されたスリーブと、スリーブの内周のスプライン歯に噛合可能なドグ歯を外周に有するとともに、ギヤとの摩擦係合を可能にしてハブおよび該ギヤ間に配置されたブロッキングリングとを備え、スリーブのスプライン歯をブロッキングリングのドグ歯およびギヤのドグ歯に噛合させることで、ギヤを回転軸に結合することができる。
シンクロ装置は、更にギヤおよびブロッキングリング間に軸方向摺動自在に配置され、ギヤのドグ歯の歯先よりもハブに向けて軸方向に所定距離突出する案内歯を有するガイドリングと、ガイドリングおよびギヤ間に配置されて該ガイドリングをハブに向けて軸方向に付勢する弾性部材とを備え、案内歯はギヤのドグ歯間に間欠的に配置され、案内歯の歯先の位相とギヤのドグ歯の歯先の位相とは所定位相ずれているので、スリーブのスプライン歯の歯先の位相とギヤのドグ歯の歯先の位相とが一致している場合でも、スプライン歯の歯先の位相とガイドリングの案内歯の歯先の位相とが一致しないため、スプライン歯および案内歯の当接により掻き分けトルクを発生させ、スプライン歯をギヤのドグ歯にスムーズに噛合させることができる。
またスプライン歯の歯先の位相とガイドリングの案内歯の歯先の位相とが一致している場合には、スプライン歯に案内歯を押されたガイドリングが弾性部材の付勢力に抗して後退するが、このときはスプライン歯の歯先の位相とギヤのドグ歯の歯先の位相とが一致していないため、スプライン歯をギヤのドグ歯にスムーズに噛合させることができる。
また請求項2の構成によれば、ギヤのドグ歯およびガイドリングの案内歯はギヤに対して所定角度相対回転自在であるので、回転軸に対するギヤのフリクションが大きいためにスリーブの掻き分けトルクではギヤが回転不能な場合であっても、掻き分けトルクでギヤのドグ歯およびガイドリングの案内歯をギヤに対して相対回転させることで、スリーブのスプライン歯をギヤのドグ歯に噛合させることができる。スプライン歯がギヤのドグ歯に噛合した後は、ギヤが伝達する駆動トルクでギヤのドグ歯がギヤに対して限界位置まで所定角度相対回転することで、駆動トルクの伝達は支障なく行われる。
回転軸の軸線に沿うシンクロ装置の縦断面図。 第1ギヤ、ドグ歯付きリング、固定リングおよびサークリップの分解斜視図。 第1ギヤ、ドグ歯付きリング、ガイドリングおよびダイヤフラムスプリングの分解斜視図。 図1の4−4線断面図。 シンクロ装置の作用説明図(その1)。 シンクロ装置の作用説明図(その2)。
以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、ミッションケース11にボールベアリング12を介して中空の回転軸13が回転自在に支持されており、回転軸13の外周にニードルベアリング14,15を介して相対回転自在に支持された第1ギヤ16および第2ギヤ17は、シンクロ装置Sにより回転軸13に選択的に結合可能である。
シンクロ装置Sは、第1ギヤ16および第2ギヤ17間で回転軸13にスプライン結合されたハブ18と、ハブ18の外周に軸方向摺動自在にスプライン結合されたスリーブ19と、ハブ18および第1ギヤ16間に配置された第1ブロッキングリング20と、ハブ18および第1ブロッキングリング20間に配置された第1シンクロナイザスプリング21と、ハブ18および第2ギヤ17間に配置された第2ブロッキングリング22と、ハブ18および第2ブロッキングリング22間に配置された第2シンクロナイザスプリング23とを備えており、スリーブ19の右動により第1ギヤ16が回転軸13に結合され、スリーブ19の左動により第2ギヤ17が回転軸13に結合される。
シンクロ装置Sの左半部、つまり第2ギヤ17を回転軸13に結合する部分の構造は従来周知のものであり、詳細な説明を省略する。一方、シンクロ装置Sの右半部、つまり第1ギヤ16を回転軸13に結合する部分は新規なものであり、以下に詳細な構造の説明を詳述する。
図1に示すように、スリーブ19の内周にはハブ18の外周にスプライン嵌合する多数のスプライン歯19a…が形成され、第1ブロッキングリング20の外周にはスリーブ19のスプライン歯19a…に係合可能な多数のドグ歯20a…が形成され、第1シンクロナイザスプリング21は、スリーブ19のスプライン歯19a…および第1ブロッキングリング20のドグ歯20a…間に配置される。
図1〜図4に示すように、第1ギヤ16は、回転軸13に回転自在に支持されたボス部16aと、ボス部16aから径方向外側に延びるディスク部16bと、ディスク部16bの外周に形成された多数のギヤ歯16c…とを備えており、ディスク部16bには周方向に等間隔で配置された9個の貫通孔16d…が軸方向に貫通するとともに、第1ギヤ16のハブ18と反対側の側面には貫通孔16d…の径方向外側を囲むように2個の円弧状のコイルスプリング収納凹部16e,16eが形成される。また第1ギヤ16のボス部16aには、第1ブロッキングリング20に形成したコーン面20bに当接可能なコーン面16gが形成される(図1参照)。
第1ギヤ16のハブ18側の側面に組み付けられるドグ歯付きリング24は、外周に多数のドグ歯24a…が形成された環状部24bと、環状部24bから第1ギヤ16に向かって軸方向に突出し、第1ギヤ16の9個の貫通孔16d…をそれぞれ貫通するする9個の突出部24c…とを備える。貫通孔16dの周方向寸法は突出部24cの周方向寸法よりも大きく設定されており、その寸法差の範囲でドグ歯付きリング24は第1ギヤ16に対して相対回転することができる。
第1ギヤ16のハブ18と反対側の側面に配置される環状の固定リング25はドグ歯付きリング24の9個の突出部24c…が隙間なく貫通する9個の固定孔25a…を備えており、固定孔25a…を貫通した突出部24c…の内周に形成したクリップ溝24d…にサークリップ26を装着することで、ドグ歯付きリング24および固定リング25が第1ギヤ16に軸方向移動不能に係止される。
第1ギヤ16に形成したコイルスプリング収納凹部16eの周方向両端には、それぞれ加速用コイルスプリング27および減速用コイルスプリング28が配置される。固定リング25は4個の蓋部25b…を備えており、蓋部25b…でコイルスプリング収納凹部16e,16eを覆うことで、そこに収納された加速用コイルスプリング27,27および減速用コイルスプリング28,28の脱落が防止される。また固定リング25は蓋部25b…から第1ギヤ16に向けて突出する4個のスプリング当接部25c…を備えており、これらのスプリング当接部25c…は加速用コイルスプリング27,27および減速用コイルスプリング28,28の自由端に当接する。
第1ギヤ16の2個のコイルスプリング収納凹部16e,16eに挟まれた位置には、180°の位相差で2個のディテント機構29,29が設けられる。ディテント機構29は第1ギヤ16に形成した孔16fに収納されたコイルスプリング30と、コイルスプリング30の弾発力で孔16fから突出する方向に付勢されたボール31と、固定リング25に設けられてボール31が嵌合可能な凹部25dとで構成される。ドグ歯付きリング24および固定リング25が中立位置にあるとき、ボール31,31が凹部25d,25dに嵌合してドグ歯付きリング24および固定リング25の位置を規制し、ドグ歯付きリング24および固定リング25にトルクが作用するとボール31,31がコイルスプリング30,30を圧縮して孔16f,16fの内部に押し込まれることで、ドグ歯付きリング24および固定リング25が第1ギヤ16に対して相対回転可能になる。
ドグ歯付きリング24の環状部24bの外周にガイドリング32が嵌合しており、ガイドリング32は第1ギヤ16との間に配置されたダイヤフラムスプリング33でハブ18側に向けて付勢される。ガイドリング32は120°間隔で3個の案内歯32a…を備えており、これらの案内歯32a…はドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の3個の欠歯部24e…に軸方向摺動自在に嵌合する。つまりドグ歯付きリング24のドグ歯24a…のうちの3個が、ガイドリング32の3個の案内歯32a…で置き換えられ、案内歯32a…はドグ歯24a…に対して軸方向に相対移動可能である。そしてダイヤフラムスプリング33で付勢されたガイドリング32の案内歯32a…の歯先は、ドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先よりもハブ18側に突出する。
ドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先は両刃形状に尖っているが、ガイドリング32の案内歯32a…の歯先は片刃形状に尖っており、案内歯32a…の歯先と、その両側の2個のドグ歯24a,24aの歯先との距離は異なっている(図5参照)。従って、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先に対向するとき、スプライン歯19a…の歯先は案内歯32a…の歯先ではなく斜面に対向する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、シンクロ装置Sの基本的な同期作用を説明する。図1において、図示せぬアクチュエータでハブ18に対してスリーブ19を右側に駆動すると、スリーブ19が前進する荷重が第1シンクロナイザスプリング21を介して第1ブロッキングリング20に伝達され、第1ブロッキングリング20が第1ギヤ16に向けて付勢される。スリーブ19が更に前進すると、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先と第1ブロッキングリング20のドグ歯20a…の歯先とが斜面どうしで当接し、かつ第1ギヤ16のコーン面16gと第1ブロッキングリング20のコーン面20bとが接触して摩擦力によるトルクが発生するため、前記トルクにより第1ギヤ16の回転にスリーブ19の回転(つまり回転軸13の回転)が同期し、スリーブ19のスプライン歯19a…が第1ブロッキングリング20のドグ歯20a…を掻き分けることが可能になる。
スリーブ19が更に前進すると、スリーブ19のスプライン歯19a…が第1ブロッキングリング20のドグ歯20a…を掻き分けてスリーブ19および第1ブロッキングリング20が一体に結合され、更にスリーブ19のスプライン歯19a…の歯先がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先に斜面どうしで当接する。そしてスリーブ19が更に前進すると、スリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…を掻き分け、最終的にスリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…に係合する。
以上のように、回転軸13および第1ギヤ16が相対回転する状態でスリーブ19を駆動しても、第1ギヤ16のコーン面16gと第1ブロッキングリング20のコーン面20bとの間に発生する摩擦力で回転軸13の回転およびスリーブ19の回転を同期させ、スプライン歯19a…をドグ歯付きリング24のドグ歯24a…にスムーズに係合することができる。
さて、スリーブ19のスプライン歯19a…が第1ブロッキングリング20のドグ歯20a…を掻き分け、スリーブ19および第1ギヤ16が同期して同速度で回転するとき、たまたまスリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先とが周方向に整列していると、図5(A)に示すように、両者の歯先どうしが当接してスリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…に係合不能になる可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先が周方向に整列していても、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先はガイドリング32の案内歯32a…の歯先に対して周方向にずれており、かつガイドリング32の案内歯32a…の歯先はドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先よりもハブ18側に突出しているため、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先はドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先に当接する前にガイドリング32の案内歯32a…の斜面に当接する。
その結果、スリーブ19のスプライン歯19a…に案内歯32a…の斜面を押されたガイドリング32が回転し、ガイドリング32が組み付けられたドグ歯付きリング24が第1ギヤ16と共に回転するため、図5(B)に示すように、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先との間に周方向のずれが発生し、スリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…に係合することが可能となり、シンクロ装置Sの機能が支障なく発生される。
また図5(C)に示すように、たまたまスリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とガイドリング32の案内歯32a…の歯先とが周方向に整列している場合には、前進するスリーブ19のスプライン歯19a…の歯先に案内歯32a…の歯先を押されたガイドリング32がダイヤフラムスプリング33を圧縮しながら第1ギヤ16側に後退することで、ガイドリング32に邪魔されることなくスリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…に係合することが可能となる。
尚、上述したように、たまたまスリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とガイドリング32の案内歯32a…の歯先とが周方向に整列している場合には、図5(D)に示すように、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先とは必ず周方向にずれているため、支障なく係合することができる。
スリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…を掻き分けるとき、回転軸13および第1ギヤ16は自由に相対回転できるので、つまりスリーブ19およびドグ歯付きリング24は自由に相対回転できるので、ディテント機構29,29のボール31,31は固定リング25の凹部25d,25dから離脱することなく、言い換えると、ドグ歯付きリング24は第1ギヤ16に対して中立位置に保持されたまま、第1ギヤ16はドグ歯付きリング24と一体で回転する。
その後、第1ギヤ16がトルクを伝達し始めると、車両の加速時には加速用コイルスプリング27,27を圧縮しながらディテント機構29,29のボール31,31が固定リング25の凹部25d,25dから離脱し、ドグ歯付きリング24および固定リング25が第1ギヤ16に対して一方向に相対回転し、ドグ歯付きリング24の突出部24c…が第1ギヤ16の貫通孔16d…の周方向一方の内縁に当接することで、加速方向のトルク伝達が開始される。
逆に、車両の減速時には減速用コイルスプリング28,28を圧縮しながらディテント機構29,29のボール31,31が固定リング25の凹部25d,25dから離脱し、ドグ歯付きリング24および固定リング25が第1ギヤ16に対して他方向に相対回転し、ドグ歯付きリング24の突出部24c…が第1ギヤ16の貫通孔16d…の周方向他方の内縁に当接することで、減速方向のトルク伝達が開始される。
シンクロ装置Sが作動解除して第1ギヤ16を回転軸13から切り離すと、第1ギヤ16がトルクを伝達しなくなるため、加速用コイルスプリング27,27および減速用コイルスプリング28,28の弾発力でドグ歯付きリング24が第1ギヤ16に対して中立位置に復帰し、ディテント機構29,29のボール31,31が凹部25d,25dに嵌合する。
ところで、変速機に設けられた摩擦クラッチや摩擦ブレーキが完全に係合解除せずに引きずりトルクを発生していると、シンクロ装置Sが係合解除した状態であっても、回転軸13および第1ギヤ16が自由に相対回転できず、前記引きずりトルクにより相対回転を抑制される場合がある。
具体的には、図6(A)に示すように、シンクロ装置Sのスリーブ19のスプライン歯19a…が第1ブロッキングリング20のドグ歯20a…を掻き分けた後に、更にドグ歯付きリング24のドグ歯24a…を掻き分けるとき、スリーブ19のスプライン歯19a…の歯先とドグ歯付きリング24のドグ歯24a…の歯先とが当接しなくても、前記引きずりトルクにより回転軸13および第1ギヤ16が自由に相対回転できないため、スリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…をスムーズに掻き分けることができず、シンクロ装置Sのスムーズな係合が阻害される可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、引きずりトルクにより回転軸13および第1ギヤ16が自由に相対回転できない状態でスリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…を掻き分けるとき、図6(B)に示すように、加速用コイルスプリング27,27あるいは減速用コイルスプリング28,28を圧縮しながら第1ギヤ16に対してドグ歯付きリング24が相対回転することで、スリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…を掻き分けることが可能となり、図6(C)に示すように、シンクロ装置Sの完全な係合が確保される。
第1ギヤ16に対してドグ歯付きリング24が相対回転するとき、ディテント機構29,29のボール31,31が固定リング25の凹部25d,25dから押し出されて第1ギヤ16およびドグ歯付きリング24の相対回転が許容される。また第1ギヤ16に対してドグ歯付きリング24が相対回転する方向は、スリーブ19のスプライン歯19a…とドグ歯付きリング24のドグ歯24a…とが周方向の何れの側の斜面で当接するかにより決定される。
このようにしてスリーブ19のスプライン歯19a…がドグ歯付きリング24のドグ歯24a…を掻き分けた後は、図6(D)に示すように、ドグ歯付きリング24の突出部24c…が第1ギヤ16の貫通孔16d…の周方向他方の内縁に当接する位置まで、ドグ歯付きリング24および固定リング25が第1ギヤ16に対してトルクの伝達方向に応じて相対回転し、回転軸13および第1ギヤ16間のトルク伝達が開始される。
以上のように、加速用コイルスプリング27,27および減速用コイルスプリング28,28は第1ギヤ16のディスク部16bに形成したスプリング収納凹部16e,16eに収納されて固定リング25の蓋部25b…で覆われるため、加速用コイルスプリング27,27および減速用コイルスプリング28,28第1ギヤ16の内部にコンパクトに配置してシンクロ装置Sの径方向寸法および軸方向寸法を小型化することができる。
また第1ギヤ16のディスク部16bと固定リング25との間に、加速用コイルスプリング27,27および減速用コイルスプリング28,28の付勢力に抗してドグ歯付きリング24を中立位置に安定的に保持するディテント機構29,29を備えるので、第1ギヤ16の位相およびドグ歯付きリング24の位相を常に一定の関係に保持することで、シンクロ装置Sの一層安定した作動が可能になる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、ガイドリング32の案内歯32aの数や斜面の傾斜方向は実施の形態に限定されず、適宜変更可能である。
13 回転軸
16 第1ギヤ(ギヤ)
18 ハブ
19 スリーブ
19a スプライン歯
20 第1ブロッキングリング(ブロッキングリング)
20a 第1ブロッキングリングのドグ歯(ブロッキングリングのドグ歯)
24a ドグ歯付きリングのドグ歯(ギヤのドグ歯)
32 ガイドリング
32a 案内歯
33 ダイヤフラムスプリング(弾性部材)

Claims (2)

  1. 外周にドグ歯(24a)を有して回転軸(13)に相対回転自在に支持されたギヤ(16)と、前記回転軸(13)に結合されたハブ(18)と、前記ハブ(18)に軸方向摺動自在にスプライン結合されたスリーブ(19)と、前記スリーブ(19)の内周のスプライン歯(19a)に噛合可能なドグ歯(20a)を外周に有するとともに、前記ギヤ(16)との摩擦係合を可能にして前記ハブ(18)および該ギヤ(16)間に配置されたブロッキングリング(20)とを備え、前記スリーブ(19)のスプライン歯(19a)を前記ブロッキングリング(20)のドグ歯(20a)および前記ギヤ(16)のドグ歯(24a)に噛合させることで、前記ギヤ(16)を前記回転軸(13)に結合するトランスミッションのシンクロ装置であって、
    前記ギヤ(16)および前記ブロッキングリング(20)間に軸方向摺動自在に配置され、前記ギヤ(16)のドグ歯(24a)の歯先よりも前記ハブ(18)に向けて軸方向に所定距離突出する案内歯(32a)を有するガイドリング(32)と、前記ガイドリング(32)および前記ギヤ(16)間に配置されて該ガイドリング(32)を前記ハブ(18)に向けて軸方向に付勢する弾性部材(33)とを備え、前記案内歯(32a)は前記ギヤ(16)のドグ歯(24a)間に間欠的に配置され、前記案内歯(32a)の歯先の位相と前記ギヤ(16)のドグ歯(24a)の歯先の位相とは周方向にずれていることを特徴とするトランスミッションのシンクロ装置。
  2. 前記ギヤ(16)のドグ歯(24a)および前記ガイドリング(32)の案内歯(32a)は該ギヤ(16)に対して所定角度相対回転自在であることを特徴とする、請求項1に記載のトランスミッションのシンクロ装置。
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