JP6836966B2 - 変速機の同期装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に用いられる変速機の同期装置に関する。
変速機の回転軸に相対回転自在に支持した変速ギヤを該回転軸に結合するダブルコーン型の同期装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ダブルコーン型の同期装置では、ブロッキングリングが、アウターリング、インナーリング及び中間リングの三つの部材から構成される。そして、アウターリングの内周面に設けた摩擦部材を中間リングの外周面に当接させ、インナーリングの外周面に設けた摩擦部材を中間リングの内周面に当接させる。これにより、回転軸からハブに伝達される回転と変速ギヤやこれに噛合うドグギヤの回転とを同期させる同期トルクを発生させる。
ところで、このような、ダブルコーン型の同期装置において、ブロッキングリングのうち、アウターリング及びインナーリングはハブによって回転される一方、中間リングはドグギヤによって回転される。このため、同期装置が変速ギヤと回転軸とを同期させない状態であるオフギヤ状態にある場合、アウターリングと中間リング又は中間リングとインナーリングは、それぞれ相対的に回転している。
ここで、ブロッキングリングは、ハブ又はドグギヤに対して係合されているため、移動が一定程度規制されている。しかしながら、特に、ハブとアウターリングとは周方向に隙間を有する状態で係合されているため、当該隙間の範囲で、アウターリングが自由に振れ回る。そして、アウターリングの振れ回りにより、アウターリングが回転軸の軸方向に対して倒れると、アウターリングと中間リングとが接触し摩擦が生ずる。すると、摩擦による摺動抵抗によって動力伝達効率の低下を招くおそれがある。また、アウターリングと中間リングの耐久性に影響を与えるおそれがある。なお、このような場合、アウターリングと中間リングの耐久性を確保するには、ハブとアウターリングとの接触面にそれらの磨耗を低減するための表面処理などの加工が必要となる。これにより、装置の製造工程の増加につながるという問題があった。
特開2015−200376号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、オフギヤ状態でのブロッキングリングにおける摩擦を抑制し、摺動抵抗の低減を図ることができると共に耐久性の高い変速機の同期装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかる変速機の同期装置は、回転軸(入力軸11)に相対回転可能に支持された変速ギヤ(24)と、回転軸(11)に結合されたハブ(51)と、ハブ(51)に対して回転軸(11)の軸方向に沿って移動可能にスプライン結合されたスリーブ(52)と、ハブ(51)と変速ギヤ(24)との間に配置されて、スリーブ(52)の移動に伴いハブ(51)と変速ギヤ(24)との摩擦係合を可能にするブロッキングリング(53)と、を備え、ブロッキングリング(53)は、径方向の外側に配置されて、スリーブ(52)に噛合可能なドグ歯(57a)を外周に有するアウターリング(57)と、径方向の内側に配置されてアウターリング(57)と相対回転不能に係合するインナーリング(58)と、アウターリング(57)及びインナーリング(58)の径方向中間に配置され、アウターリング(57)の内周面及びインナーリング(58)の外周面に摺接する中間リング(59)と、で構成されており、アウターリング(57)は、該アウターリング(57)の外周に形成される爪部(57c)が、ハブ(51)に形成される切欠部(51d)に対して周方向の隙間を有して係合することで、ハブ(51)に対して移動を規制され、切欠部(51d)において爪部(57c)に接触しうる爪接触部(51e)と爪部(57c)とは、爪部(57c)と爪接触部(51e)が接触した状態で、爪部(57c)が軸方向において少なくともハブ(51)から離れる方へ移動することを規制する移動規制機構(60,60A,70)を有することを特徴とする。
このように、アウターリングの爪部とハブの爪接触部とが接触した状態で、爪部が軸方向において少なくともハブから離れる方への移動を規制する移動規制機構を有することとすると、アウターリングが軸方向でハブから離れる方へ(すなわち、中間リングの方へ)移動することが規制される。よって、アウターリングと中間リングとの間の摩擦を抑制できる。これにより、オフギヤ状態でのブロッキングリングにおける摩擦を抑制することができ、摺動抵抗の低減を図ることができると共に耐久性の高い変速機の同期装置を提供することができる。また、ハブの爪接触部やアウターリングの爪部の形状を加工し、爪部がハブから離れる方への移動を規制するように構成すればよいため、簡単な構成で上記効果を得ることができる。また、この構成によれば、ハブとアウターリングとの接触面にそれらの磨耗を低減するための表面処理などの加工が不要となるので、装置の製造工程を増加させずに済むようになる。
また、上記変速機の同期装置において、移動規制機構(60,60A)は、爪接触部(51e)に形成され切欠部(51d)の内側に突出する移動規制部(61,61A)と、爪部(57c)における移動規制部(61,61A)を向く面に形成されハブ(51)に向かって次第に移動規制部(61,61A)に近づく方へ傾斜している斜面部(65)と、を有することを特徴としてもよい。
また、上記変速機の同期装置において、移動規制部(61A)の斜面部(65)と接触する面は、爪部(57c)の斜面部(65)と同じ方へ傾斜する傾斜面であることを特徴としてもよい。
このように、爪接触部に、爪部の周方向側面が接触する位置に突出する移動規制部を形成し、爪部に、ハブに向かって次第に移動規制部に近づく方へ傾斜している斜面部を形成することで、これら移動規制部と傾斜部との接触によりアウターリングの爪部が軸方向でハブから離れる方への移動が確実に規制される。
また、上記変速機の同期装置において、移動規制機構(70)は、爪接触部(51e)に配置されハブ(51)の周方向に移動可能な係止部材(72)と、係止部材(72)を爪部(57c)側に付勢する付勢部材(73)と、爪部(57c)に形成され係止部材(72)が嵌合する係止溝(75)と、を有することを特徴としてもよい。
このように、ハブの周方向に移動可能な係止部材を付勢部材により爪部側に付勢し、且つ爪部に係止溝が形成されることで、アウターリングの爪部とハブの爪接触部とが接触した状態において、付勢部材が係止溝に嵌合する。これにより、ハブの爪接触部とアウターリングの爪部とが係止される。また、係止部材と係止溝との互いの嵌合により係止することで、軸方向のみならず径方向のアウターリングの移動をも規制する。このため、アウターリングの軸倒れや振れ回りをより効果的に規制する。
また、上記変速機の同期装置において、移動規制機構(60,60A)の移動規制部(61,61A)は、切欠部(51d)の周方向の両側の内面それぞれに形成されており、斜面部(65)は、爪部(57c)の周方向の両側の外面それぞれに形成されていてよい。あるいは、移動規制機構(70)の係止部材(72)及び付勢部材(73)は、切欠部(51d)の周方向の両側の内面それぞれに配置されており、係止溝(75)は、爪部(57c)の周方向の両側の外面それぞれに形成されていてよい。
この構成によれば、爪部の周方向の両側それぞれに上記の移動規制機構が設けられていることで、ハブ(回転軸)及びアウターリングが周方向の一方と他方のどちらに回転する際にも移動規制機構による摩擦の抑制効果を得ることができる。
また、上記変速機の同期装置において、切欠部(51d)は、ハブ(51)の周方向に所定角度ごとに複数箇所形成され、爪部(57c)は、アウターリング(57)の周方向に所定角度ごとに複数箇所形成され、移動規制機構(60,60A,70)は、切欠部(51d)及び爪部(57c)の全てに形成されることを特徴としてもよい。
このように、周方向に所定角度ごとに移動規制機構を形成すると、アウターリングのハブに対する軸方向の移動(ハブから離れる方への移動)を均等に規制することができる。これにより、アウターリングのハブに対する軸倒れ(軸方向が傾くこと)をより効果的に抑制することができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる変速機の同期装置によれば、オフギヤ状態でのブロッキングリングにおける摩擦を抑制し、摺動抵抗の低減を図ることができると共に同期装置の耐久性を高めることができる。
第1実施形態の変速機の同期装置を示す側断面図である。 ハブ、ブロッキングリング及びドグギヤの分解斜視図である。 第1実施形態の移動規制機構の説明図である。 第1実施形態の移動規制機構の動作説明図である。 第1実施形態の変形例の移動規制機構の説明図である。 第2実施形態の移動規制機構の説明図であり、(a)は径方向外側から見た図、(b)は(a)のA視図である。 第2実施形態の移動規制機構の動作説明図であり、(a)は径方向外側から見た図、(b)は(a)のB視図である。
〔第1実施形態〕
以下、添付図面を参照して本発明の第1実施形態を詳細に説明する。図1は、第1実施形態の変速機の同期装置S(シンクロメッシュ装置)を示す側断面図である。以下の説明で軸方向、径方向というときは、入力軸11の軸方向及び径方向を指し、右、左というときは、図1に示す状態での入力軸11の軸方向に沿った右方向、左方向を指すものとする。
図1に示す同期装置Sは、車両用のマニュアルトランスミッションが備える所定の変速段用の同期装置Sである。同期装置Sの軸方向には、左右の両側それぞれに異なる変速段の変速ギヤ24及び変速ギヤ25が配置される。そして、同期装置Sには、上記異なる変速段に対応した同期結合機構が、左右の両側それぞれに備えられる。ここで、上記異なる変速段に対応した同期結合機構は、軸方向で対称なほぼ同一の構成である。このため、以下ではその一方の同期結合機構の構成及び動作を中心に説明する。
同期装置Sは、入力軸11に軸方向移動不能及び相対回転不能にスプライン結合されたハブ51と、ハブ51の外周に軸方向摺動自在かつ相対回転不能にスプライン結合されたスリーブ52と、ハブ51の右側面に配置されたブロッキングリング53を有する。本実施形態の同期装置Sはダブルコーン式のものである。すなわち、ブロッキングリング53は、径方向外側に位置するアウターリング57と、径方向内側に位置するインナーリング58と、アウターリング57及びインナーリング58間に挟まれた中間リング59とを備える。
また、ハブ51とブロッキングリング53との間には、シンクロナイザスプリング54が配置され、ブロッキングリング53と変速ギヤ24との間には、変速ギヤ24の左端近傍にスプライン結合されたドグギヤ55が配置される。
同期装置Sの右側に配置された変速ギヤ24は、入力軸11にニードルベアリング56を介して相対回転自在に支持されており、その右端側に歯面を有する歯面部(不図示)が形成され、その左端側に径方向外側に突出する当接部24bが形成され、歯面部及び当接部24b間に、それらよりも小径の円筒部24cが形成される。
次に、ハブ51、ブロッキングリング53、ドグギヤ55の関係を説明する。図2は、ハブ51、ブロッキングリング53及びドグギヤ55の分解斜視図である。図2に示すように、同期装置Sのハブ51は、内周に形成されて入力軸11に結合するスプライン歯51aと、外周に形成されてスリーブ52の外周のスプライン歯52a(図1参照)に噛合するスプライン歯51bと、左右の軸方向端面に60゜間隔で形成された複数の凹部51cと、外周部に120゜間隔で切り欠くように形成された複数(本実施形態では3個)の切欠部51dと、切欠部51dに形成されアウターリング57の爪部57cに接触しうる爪接触部51eとを備える。
なお、本実施形態では、切欠部51dを、ハブ51の外周部に120°間隔で形成したが、この角度に限るものではない。すなわち、ハブ51の外周部に、所定角度ごとに均等に形成すればよい。また、本実施形態では、爪接触部51eを、全ての切欠部51dに形成したが、必ずしもこの構成に限るものではなく、切欠部51dの少なくとも一つに形成することとしてもよい。
ブロッキングリング53のうち、アウターリング57は、外周面に突設されるドグ歯57aを有し、ドグ歯57aは、スリーブ52のスプライン歯52aに噛合可能に形成される。また、アウターリング57の内周面に形成される摩擦部材57bは、中間リング59の外周面に当接する。また、アウターリング57の外周面には、複数(本実施形態では3個)の爪部57cが、120°間隔で突設される。爪部57cの個数は、ハブ51の爪接触部51eの個数と同数である。
爪部57cは、ハブ51の切欠部51dに周方向の隙間を有して係合する。このように、切欠部51dと爪部57cとが係合した場合であっても、切欠部51dと爪部57cとの間には周方向の隙間がある。このため、アウターリング57は、ハブ51に対して所定角度だけ相対回転することが許容される。
なお、本実施形態では、爪部57cを、アウターリング57の外周面において周方向に120°間隔で形成したが、この角度に限るものではない。すなわち、アウターリング57の外周面に、所定角度ごとに均等に形成すればよい。
ブロッキングリング53のうち、インナーリング58は、外周面に形成される摩擦部材58aを有し、摩擦部材58aは、中間リング59の内周面に当接する。また、インナーリング58のハブ51側の端部には、所定間隔で突設された複数の凸部58bを備える。
ブロッキングリング53のうち、中間リング59は、アウターリング57の摩擦部材57b及びインナーリング58の摩擦部材58aにそれぞれ接触する平滑な外周面及び内周面を備えている。また、中間リング59は、ドグギヤ55側の端部に120゜間隔で形成された複数(本実施形態では3個)の凸部59aを備える。
ドグギヤ55は、外周面に突設されるドグ歯55aを有し、ドグ歯55aは、スリーブ52のスプライン歯52aに噛合可能に形成される。また、ドグギヤ55の内周面にはスプライン歯55bが形成され、スプライン歯55bは、変速ギヤ24のスプライン歯24d(図1参照)と噛合する。このため、ドグギヤ55は、変速ギヤ24に相対回転不能かつ軸方向移動不能にスプライン結合する。また、ドグギヤ55は、中間リング59側に開口する係合穴55cが120°間隔で形成され、係合穴55cには、中間リング59の凸部59aが係合する。なお、係合穴55cは、凹部であっても貫通孔としてもよいが、凹部よりも貫通孔の方が、加工が容易でありかつ軽量化を図れるため、好ましい。
次に、上述の構成の同期装置Sの同期作用について説明する。中立状態(図1の状態)にあるスリーブ52を、不図示のシフトフォークで例えば右方向に駆動する。すると、スリーブ52は、スプライン歯52aをハブ51のスプライン歯51bに案内されながら移動する。そして、スリーブ52のスプライン歯52aの歯先に押圧されたシンクロナイザスプリング54の荷重がブロッキングリング53に伝達される。すると、ブロッキングリング53が変速ギヤ24に向けて付勢される。
スリーブ52が更に右方向に移動すると、スリーブ52のスプライン歯52aの歯先とブロッキングリング53のアウターリング57のドグ歯57aの歯先とが当接する。すると、アウターリング57の摩擦部材57bと中間リング59の外周面とが圧接するとともに、インナーリング58の摩擦部材58aと中間リング59の内周面とが圧接して摩擦力による同期トルクが発生する。そして、中間リング59の回転が凸部59a及び係合穴55cを介してドグギヤ55に伝達され、前記同期トルクによりスリーブ52の回転(即ち入力軸11の回転)に変速ギヤ24の回転が同期し、スリーブ52のスプライン歯52aがアウターリング57のドグ歯57aを掻き分けることが可能になる。
スリーブ52の回転が変速ギヤ24の回転に完全に同期すると前記同期トルクが消滅する。スリーブ52が更に移動すると、スリーブ52のスプライン歯52aがアウターリング57のドグ歯57aを掻き分けて、スリーブ52及びアウターリング57が一体に結合され、更にスリーブ52のスプライン歯52aが変速ギヤ24と一体のドグギヤ55のドグ歯55aを掻き分けて係合する。これにより、変速が完了する。
次に、第1実施形態におけるハブ51とアウターリング57との移動規制機構60を説明する。図3は、第1実施形態の移動規制機構60の説明図である。図3に示すように、本実施形態の移動規制機構60は、ハブ51の切欠部51dに形成された移動規制部61と、アウターリング57の爪部57cに形成された斜面部65と、により構成される。
移動規制部61は、ハブ51の切欠部51dにおいて、爪部57cと接触しうる位置である爪接触部51eに形成される。詳細には、移動規制部61は、切欠部51dの周方向の両側の内面それぞれに形成されており、切欠部51dの内側、すなわち爪部57c側に突出する突起状に形成される。一方、爪部57cの斜面部65は、爪部57cにおける切欠部51dに当接する位置、具体的には移動規制部61を向く面(周方向の両側それぞれの外面)に形成されている。この斜面部65は、軸方向でハブ51に向かって(すなわち、図3の左側に向かって)次第に移動規制部61に近づく方へ傾斜している傾斜面として形成される。これにより、爪部57cは、ハブ51に向かって次第に周方向の幅が広くなるように形成される。
移動規制機構60の動作を説明する。図4は、第1実施形態の移動規制機構60の動作説明図である。図4に示すように、同期装置Sがオフギヤ状態(中立状態)の場合、ハブ51の回転によってハブ51の切欠部51d(の周方向の一方の内面)がアウターリング57の爪部57cに当接してこれを押圧することで、アウターリング57がハブ51の回転に伴い一体に回転する。このとき、アウターリング57の爪部57cの一方の斜面部65が切欠部51dの一方の爪接触部51eに(押し当てられた状態で)接触する。
この状態において、爪部57cは、ハブ51に対して周方向には移動しない。また、爪部57cの斜面部65と爪接触部51eの移動規制部61とが周方向の力で互いが押し当てられた状態で接触していることで、ハブ51の切欠部51dから爪部57c及びアウターリング57に対してこれらを軸方向でハブ51側へ引き込む向きの力が生じる。その結果、爪部57c及びアウターリング57が軸方向においてハブ51から離れる方(図の左方)へ移動することが規制された状態となる。
なお、上述の実施形態において、移動規制部61を点形状の突起状の構成としたが、これに限るものではない。図5は、第1実施形態の変形例の移動規制機構60Aの説明図である。例えば、図5に示すように、爪部57cの斜面部65と接触する面を、傾斜面状に形成した移動規制部61Aとしてもよい。移動規制部61Aの傾斜面は、爪部57cの斜面部65の傾斜に沿うように(爪部57cの斜面部65と同じ向きに傾斜するように)構成すると、接触面が広くなるため好ましい。
以上の構成により、本実施形態に係る変速機の同期装置Sによれば、アウターリング57の爪部57cとハブ51の爪接触部51eとが接触した状態で、爪部57cが軸方向において少なくともハブ51から離れる方への移動することを規制する移動規制機構60,60Aを有する。すると、アウターリング57が軸方向で中間リング59の方へ移動することを抑制するため、アウターリング57と中間リング59との間の摩擦を抑制する。これにより、ブロッキングリング53における摩擦を抑制することができ、摺動抵抗の低減を図ることができると共に耐久性の高い変速機の同期装置Sを提供することができる。また、ハブ51の爪接触部51eやアウターリング57の爪部57cの形状を加工し、爪部57cがハブ51から離れる方への移動を規制するように構成すればよいため、簡単な構成で上記効果を得ることができる。
また、爪接触部51eに、爪部57cの周方向側面(外側面)が接触する位置に突出する移動規制部61,61Aを形成し、爪部57cの周方向側面に、軸方向でハブ51に向かって次第に移動規制部61,61Aに近づく方へ傾斜している斜面部65を形成することで、アウターリング57の爪部57cが軸方向且つハブ51から離れる方へ移動することが確実に規制される。
また、移動規制機構60,60Aの移動規制部61,61Aは、切欠部51dの周方向の両側の内面それぞれに形成されており、斜面部65は、爪部57cの周方向の両側の外面それぞれに形成されている。
この構成によれば、爪部57cの周方向の両側それぞれに上記の移動規制機構60,60Aが設けられていることで、ハブ51(入力軸11)及びアウターリング57が周方向の一方と他方のどちらに回転する際にも移動規制機構60,60Aによる摩擦の抑制効果を得ることができる。
また、切欠部51dが、ハブ51の周方向に所定角度ごとに複数箇所形成され、爪部57cが、アウターリング57の周方向に所定角度ごとに複数箇所形成され、移動規制機構60,60Aを、切欠部51d及び爪部57cの全てに形成されることとする。このように、周方向に所定角度ごとに移動規制機構60,60Aを形成すると、アウターリング57のハブ51に対する軸方向の移動を均等に規制することができる。これにより、アウターリング57のハブ51に対する軸倒れ(アウターリング57の回転中心軸がハブ51の回転中心軸に対して傾くこと)を効果的に抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明を省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態におけるハブ51とアウターリング57とに設けた移動規制機構70を説明する。図6は、第2実施形態の移動規制機構70の説明図であり、(a)は径方向外側から見た図、(b)は(a)のA視図である。図6に示すように、本実施形態の移動規制機構70は、ハブ51の切欠部51dに形成されたディテント機構71と、アウターリング57の爪部57cに形成された係止溝75と、により構成される。
ディテント機構71は、ハブ51における切欠部51dの周方向の内面に形成した窪み(凹部)に挿入されてハブ51の周方向に移動可能な半円状(半球状)の係止部材72と、窪み内に配置されて係止部材72を窪みから突出する向き(爪部57c側)に付勢する付勢部材73とを有する。なお、詳細な図示及び説明は省略するが、付勢部材73で窪みから突出する方へ付勢されている係止部材72は、その一部のみが窪み(切欠部51dの内面)から突出した状態で停止するように構成されている。これにより、係止部材72は、付勢部材73で爪部57c側へ付勢される。一方、係止溝75は、爪部57cにおける切欠部51dに当接する位置に形成される。詳細には、係止溝75は、爪部57cの周方向の両側の外面それぞれに形成されており、ディテント機構71の係止部材72が嵌合するような形状(半球面形状)の凹部となっている。
なお、本実施形態においては、係止溝75の形状が、半球面形状の凹部となっており、係止部材72が嵌合することで切欠部51dに対する爪部57cの径方向及び軸方向の相対移動を規制する構造となっているが、これに限るものではない。すなわち、係止溝75の形状は、少なくとも軸方向における係止部材72の移動を規制する構造であれば、アウターリング57の軸倒れを抑制できる。このため、アウターリング57の軸倒れ抑制の観点からは、必ずしも係止部材72の移動を径方向において規制する必要はない。したがって、例えば上記以外にも、図示は省略するが、係止溝75は、断面が半円弧状で径方向に沿って直線状に延びる細長い溝などとすることも可能である。
移動規制機構70の動作を説明する。図7は、第2実施形態の移動規制機構70の動作説明図であり、(a)は径方向外側から見た図、(b)は(a)のB視図である。図7に示すように、同期装置Sがオフギヤ状態(中立状態)の場合、第1実施形態と同様、ハブ51の回転によってハブ51の切欠部51d(の周方向の一方の内面)がアウターリング57の爪部57cに当接してこれを押圧することで、アウターリング57がハブ51の回転に伴い一体に回転する。このとき、アウターリング57の爪部57cの一方の斜面部65が切欠部51dの一方の爪接触部51eに(押し当てられた状態で)接触する。
この状態において、爪部57cは、ハブ51に対して周方向には移動しない。また、爪部57cと爪接触部51eとが接触した状態において、爪部57cの係止溝75に爪接触部51eのディテント機構71の係止部材72が嵌合する。これにより、爪部57cは、ハブ51に対する軸方向の移動も規制されることになる。
以上の構成により、本実施形態によれば、ハブ51の周方向に移動可能な係止部材72を、付勢部材73により、爪部57c側に付勢し、且つ爪部57cに係止溝75が形成されることで、アウターリング57の爪部57cとハブ51の爪接触部51eとが接触した状態において、付勢部材73が係止溝75に嵌合する。これにより、ハブ51の爪接触部51eとアウターリング57の爪部57cとが係止される。また、係止部材72と係止溝75との互いの嵌合により係止することで、軸方向のみならず径方向のアウターリング57の移動をも規制する。これにより、アウターリング57の軸倒れや振れ回りをより効果的に規制する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。また、上記移動規制機構において、ハブ(切欠部)側の移動規制構造とアウターリング(爪部)側の移動規制構造とを逆の構成としてもよい。
S…同期装置
11…入力軸
24…変速ギヤ
51…ハブ
51d…切欠部
51e…爪接触部
52…スリーブ
52a…スプライン歯
53…ブロッキングリング
55…ドグギヤ
55a…ドグ歯
55b…スプライン歯
55c…係合穴
56…ニードルベアリング
57…アウターリング
57a…ドグ歯
57b…摩擦部材
57c…爪部
58…インナーリング
58a…摩擦部材
58b…凸部
59…中間リング
59a…凸部
60…移動規制機構
60A…移動規制機構
61…移動規制部
61A…移動規制部
65…斜面部
70…移動規制機構
71…ディテント機構
72…係止部材
73…付勢部材
75…係止溝

Claims (6)

  1. 回転軸に相対回転可能に支持された変速ギヤと、
    前記回転軸に結合されたハブと、
    前記ハブに対して前記回転軸の軸方向に沿って移動可能にスプライン結合されたスリーブと、
    前記ハブと前記変速ギヤとの間に配置されて、前記スリーブの移動に伴い前記ハブと前記変速ギヤとの摩擦係合を可能にするブロッキングリングと、
    を備え、
    前記ブロッキングリングは、
    径方向の外側に配置されて、前記スリーブに噛合可能なドグ歯を外周に有するアウターリングと、
    径方向の内側に配置されて前記アウターリングと相対回転不能に係合するインナーリングと、
    前記アウターリング及び前記インナーリングの径方向中間に配置され、前記アウターリングの内周面及び前記インナーリングの外周面に摺接する中間リングと、で構成されており、
    前記アウターリングは、該アウターリングの外周に形成される爪部が、前記ハブに形成される切欠部に対して周方向の隙間を有して係合することで、前記ハブに対して移動を規制され、
    前記切欠部において前記爪部に接触しうる爪接触部と前記爪部とは、前記爪部と前記爪接触部が接触した状態で、前記爪部が軸方向において少なくとも前記ハブから離れる方へ移動することを規制する移動規制機構を有し、
    前記移動規制機構は、
    前記爪接触部に配置され前記ハブの周方向に移動可能な係止部材と、
    前記係止部材を爪部側に付勢する付勢部材と、
    前記爪部に形成され前記係止部材が嵌合する係止溝と、を有する
    ことを特徴とする変速機の同期装置。
  2. 前記移動規制機構は、
    前記爪接触部に形成され前記切欠部の内側に突出する移動規制部と、
    前記爪部における前記移動規制部を向く面に形成され前記ハブに向かって次第に前記移動規制部に近づく方へ傾斜している斜面部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の同期装置。
  3. 前記移動規制部の前記斜面部と接触する面は、前記斜面部と同じ方へ傾斜する傾斜面である
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速機の同期装置。
  4. 前記移動規制部は、前記切欠部の周方向の両側の内面それぞれに形成されており、前記斜面部は、前記爪部の周方向の両側の外面それぞれに形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の変速機の同期装置。
  5. 前記係止部材及び前記付勢部材は、前記切欠部の周方向の両側の内面それぞれに配置されており、前記係止溝は、前記爪部の周方向の両側の外面それぞれに形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の変速機の同期装置。
  6. 前記切欠部は、前記ハブの周方向に所定角度ごとに複数箇所形成され、
    前記爪部は、前記アウターリングの周方向に前記所定角度ごとに複数箇所形成され、
    前記移動規制機構は、前記切欠部及び前記爪部の全てに形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の変速機の同期装置。
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