JP6072718B2 - ワイヤ放電加工装置、薄板の製造方法および半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置、薄板の製造方法および半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤ放電加工装置、ならびにこれを用いた薄板の製造方法および半導体ウエハの製造方法に関する。
柱状の被加工物から半導体ウエハなどの薄板をスライス加工する技術として、ワイヤ放電加工がある。ワイヤ放電加工において、被加工物に対するスライス加工の生産性を向上させるための技術が、たとえば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される放電式ワイヤソーでは、1本のワイヤ電極を複数のガイドローラ間に巻回させて並列させることによって多数の切断ワイヤ部を形成し、それぞれの切断ワイヤ部に個別に給電し、各切断ワイヤ部と被加工物との間で同時に放電を生ぜしめる。
特許文献1に開示されるような構成の放電式ワイヤソーでは、加工が進行して被加工物に形成される加工溝が深くなると、次第に加工屑が加工溝の外へ排出されにくくなり、加工屑が加工溝内に滞在するようになる。加工溝に加工屑が滞在すると、切断ワイヤ部から加工屑に対して放電する頻度が高くなるので、加工方向への放電が減少して加工速度が低下する。
また、加工方向への放電が減少して加工溝の幅方向の放電が増大すると、加工溝の幅が広がり、切断ワイヤ部間のギャップを狭くした狭ギャップ加工を行っても、被加工物1個あたりのウエハ収量が増大しにくくなる。
また、切断ワイヤ部の冷却不足によって、切断ワイヤ部の断線も起こりやすくなり、切断ワイヤ部の断線による加工面の損傷も発生しやすくなる。また、断線点で切断ワイヤ部を通線して加工を再開できても、その切断ワイヤ部の断線部分では、被加工物の除去量が大きくなる。したがって、スライスを完了した被加工物は、断線部分の損傷域まで研削加工で研削しなければならず、余計な加工時間と被加工物のロスとが発生するという問題がある。
そこで、ノズルを使用して加工液を加工部分に吹きかけることによって、加工中に発生する加工屑を加工溝の外へ排出して、ワイヤ切断部と被加工物との間に形成される極間に加工屑が滞在しないようにする技術が、たとえば特許文献2に開示されている。また、加工溝に加工液を供給する技術が、たとえば特許文献3に開示されている。
特開2000−94221号公報 特開昭54−20485号公報 国際公開第2012/070167号パンフレット
特許文献2に開示されるワイヤーカット加工装置では、加工工程が進んで加工溝が深くなるに従って、加工溝の先端まで加工液を供給することが困難となり、加工屑の排出能力が低下するという問題がある。また、加工溝の先端まで加工液を供給するために加工液の噴出圧を強くすると、切断ワイヤ部に対して局所的に加工液の圧力がかかるので、切断ワイヤ部がたわんでしまい、加工精度が低下するという問題がある。また、切断ワイヤ部が、たわみによって、被加工物の加工面に押し付けられ、短絡しやすくなるという問題がある。
また特許文献3に開示される技術は、並列する複数本のワイヤ電極によって放電加工して被加工物を薄板に同時切断するワイヤ放電加工装置における加工液供給に関する技術であり、複数本の並列するワイヤ電極の同時放電加工による薄板加工の安定化に有効であるが、以下の問題がある。
ウエハコストの低減を目的として、被加工物である半導体インゴット1個あたりのウエハ収量を増大させるために、被加工物の加工溝の幅をさらに狭くすることが求められている。形成される加工溝の幅が0.08mm〜0.14mmにもなると、加工溝の内部を通過する加工液と加工溝の内面との接触抵抗が急激に大きくなり、加工液が加工溝の内部を流れにくくなる。
特許文献3に開示されるワイヤ放電加工装置は、並列するワイヤ電極がノズル内を貫通する構造になっているので、ノズルには、加工液の出口が、被加工物側と、その反対側との両方に存在する。このノズルの構造上の特徴から、ノズルへの加工液の供給圧力を高くしても、被加工物側の反対側に位置するワイヤ電極の通過口から噴出される加工液の流量の方が増加しやすく、被加工物側の噴出口からの加工液の噴出状況は改善されにくい。したがって、加工溝の内部への加工液の流入量はあまり増大せず、加工液による極間の加工屑排出能力が不足気味になる。
また、特許文献3に開示される技術では、前述の加工溝の狭スリット化の要求に加えて、大口径化するウエハの加工において、以下の問題がある。加工されるウエハサイズが小さい場合には問題にならなかったが、大口径化するウエハの加工においては、ウエハの内部にまで加工液が十分に供給されず、加工液による加工屑の排出が行われにくい状況となっている。
大口径ウエハのスライスおよびウエハ収量増大のための狭ギャップ加工の要求において、高いウエハ加工精度を得るためには、被加工物の切断に必要なワイヤスパンを最小限に設定することが有効である。しかし、被加工物の両側に設置されるワイヤ押さえが、被加工物から離れて設置されると、ワイヤ押さえを支点として、切断ワイヤ部のワイヤスパンが長くなる。
ワイヤスパンが長くなると、複数本の切断ワイヤ部に対してワイヤ押さえを一斉に押し当てて張力を付加しても、切断ワイヤ部が、加工中に振動およびたわみを生じ易い。この加工中の切断ワイヤ部のわずかな変動が、加工溝の幅の拡大に反映される。また、切断ワイヤ部のたわみによって、ウエハの形状精度が低下する。
このようなウエハ加工性能の改善には、ワイヤスパンを被加工物の切断厚さと同程度となるように、できるだけ短く設定して、切断ワイヤ部の振動およびたわみを抑制することが効果的である。
以上のように、1本のワイヤを巻回させて構成される複数本の切断ワイヤ部の放電加工によって被加工物を同時に薄板に切断するワイヤ放電加工において、高精度な薄板加工を行うためには、加工液供給用のノズルを、被加工物に対して密着するほど近くに設置することが必要である。たとえば、加工液供給用のノズルは、ノズル先端と被加工物側面との間隙が0.1mm程度になる位置に設置することが必要である。さらに、ワイヤ押さえで支持される切断ワイヤ部のワイヤスパンは、可能な限り被加工物の切断厚さと同長とし、必要以上に長くしないことが必要である。
しかし、ノズルおよびワイヤ押さえを直列的に順に配置した場合、その配置順によって、加工溝の内部のワイヤ放電加工中の極間からの加工屑の排出能力、およびウエハの加工精度のいずれかが低下するという問題がある。
本発明の目的は、被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができるワイヤ放電加工装置、薄板の製造方法および半導体ウエハの製造方法を提供することである。
本発明のワイヤ放電加工装置は、互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させるノズルと、ワイヤ押さえ用制振ガイドローラを有し、前記複数の切断ワイヤ部を整列させて、支持するワイヤ押さえとを備え、前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部が走行する間隙を維持して重ね合わせて設置され、前記複数の切断ワイヤ部は、前記ワイヤ押さえ用制振ガイドローラに接触しながら前記間隙を通過することを特徴とする。
本発明のワイヤ放電加工装置は、互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させる2個のノズルとを備え、前記2個のノズルは、前記複数の切断ワイヤ部が通過する貫通口を有する状態で重ね合わせて設置され、前記複数の切断ワイヤ部は、前記貫通口を通過し、前記2個のノズルのうちの一つには、前記複数の切断ワイヤ部を整列させて支持する制振ガイドロッドが設けられることを特徴とする。
本発明のワイヤ放電加工装置は、互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させるノズルと、前記複数の切断ワイヤ部を整列させて、支持するワイヤ押さえとを備え、前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部を挟んで対向して配置され、前記ノズルは、前記加工液が供給される前記ノズルの内部の空間に、前記加工液の流路を屈曲させる仕切り板を備えることを特徴とする。
本発明のワイヤ放電加工装置は、互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させるノズルと、前記複数の切断ワイヤ部を整列させて、支持するワイヤ押さえとを備え、前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部を挟んで対向して配置され、前記ワイヤ押さえは、ベースと、1つ以上のワイヤ押さえ用制振ガイドローラとを備え、前記1つ以上のワイヤ押さえ用制振ガイドローラのうちの1つは、前記ワイヤ押さえの前記ベースの前記被加工物側の端部に設置され、前記切断ワイヤ部を整列させて支持することを特徴とする。
本発明の薄板の製造方法は、前記本発明のワイヤ放電加工装置を用いて、被加工物を複数枚の薄板に加工する工程を備えることを特徴とする。
本発明の半導体ウエハの製造方法は、前記本発明のワイヤ放電加工装置を用いて、半導体素材を複数枚の半導体ウエハに加工する工程を備えることを特徴とする。
本発明のワイヤ放電加工装置によれば、被加工物の加工を補助する加工液を噴出口から噴出させるノズルと、ワイヤ押さえ用制振ガイドローラを有し、ワイヤ電極によって形成される複数の切断ワイヤ部を整列させて支持するワイヤ押さえとは、複数の切断ワイヤ部が走行する間隙を維持して重ね合わせて設置され、複数の切断ワイヤ部は、ワイヤ押さえ用制振ガイドローラに接触しながら間隙を通過する。これによって、ノズルを被加工物の側面の切断される部分に近接して設置することができるので、ノズル内に構成された流路によって整流された加工液を、被加工物に形成される切断溝の直前まで誘導して、被加工物に噴出することができる。このようにして加工液を噴出することによって、切断溝の内部にまで加工液を供給しやすくなるので、加工によって生じる加工屑を切断溝の極間から容易に排出することができる。
また、ノズルに影響を与えることなく、ワイヤ押さえを被加工物に近接して設置することができるので、被加工物の両側にワイヤ押さえを設置したときに、ワイヤ押さえで支持されるワイヤスパンを、必要最小限の長さに設定することができる。また、切断ワイヤ部に作用する加工液流による外力を低減することができるので、切断ワイヤ部のたわみおよび振動を抑制することができる。これによって、被加工物を複数の箇所で同時に切断するときの加工精度および加工速度を向上させることができる。したがって、被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。
本発明のワイヤ放電加工装置によれば、被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。また、被加工物の加工を補助する加工液を噴出口から噴出させる2個のノズルは、複数の切断ワイヤ部が通過する貫通口を有する状態で重ね合わせて設置される。複数の切断ワイヤ部は、貫通口を通過する。2個のノズルの一つには、複数の切断ワイヤ部を整列させて支持する制振ガイドロッドが設けられる。これによって、切断ワイヤ部の振動を抑制することができる。したがって、放電加工される部分の極間からの加工屑の排出性を改善することができるので、切断ワイヤ部による同時薄板加工の加工精度と加工速度とを向上させることができる。
本発明のワイヤ放電加工装置によれば、被加工物の加工を補助する加工液が供給されるノズルの内部の空間に、加工液の流路を屈曲させる仕切り板を備え、加工液を噴出口から噴出させるノズルと、ワイヤ電極によって形成される複数の切断ワイヤ部を整列させて支持するワイヤ押さえとは、複数の切断ワイヤ部を挟んで対向して配置される。これによって、ノズルを被加工物の側面の切断される部分に近接して設置することができるので、ノズル内に構成された流路によって整流された加工液を、被加工物に形成される切断溝の直前まで誘導して、被加工物に噴出することができる。このようにして加工液を噴出することによって、切断溝の内部にまで加工液を供給しやすくなるので、加工によって生じる加工屑を切断溝の極間から容易に排出することができる。
また、ノズルに影響を与えることなく、ワイヤ押さえを被加工物に近接して設置することができるので、被加工物の両側にワイヤ押さえを設置したときに、ワイヤ押さえで支持されるワイヤスパンを、必要最小限の長さに設定することができる。また、切断ワイヤ部に作用する加工液流による外力を低減することができるので、切断ワイヤ部のたわみおよび振動を抑制することができる。これによって、被加工物を複数の箇所で同時に切断するときの加工精度および加工速度を向上させることができる。したがって、被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。
本発明のワイヤ放電加工装置によれば、被加工物の加工を補助する加工液を噴出口から噴出させるノズルと、ワイヤ電極によって形成される複数の切断ワイヤ部を整列させて支持するワイヤ押さえとは、複数の切断ワイヤ部を挟んで対向して配置される。これによって、ノズルを被加工物の側面の切断される部分に近接して設置することができるので、ノズル内に構成された流路によって整流された加工液を、被加工物に形成される切断溝の直前まで誘導して、被加工物に噴出することができる。このようにして加工液を噴出することによって、切断溝の内部にまで加工液を供給しやすくなるので、加工によって生じる加工屑を切断溝の極間から容易に排出することができる。
また、ノズルに影響を与えることなく、ワイヤ押さえを被加工物に近接して設置することができるので、被加工物の両側にワイヤ押さえを設置したときに、ワイヤ押さえで支持されるワイヤスパンを、必要最小限の長さに設定することができる。また、切断ワイヤ部に作用する加工液流による外力を低減することができるので、切断ワイヤ部のたわみおよび振動を抑制することができる。これによって、被加工物を複数の箇所で同時に切断するときの加工精度および加工速度を向上させることができる。したがって、被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。
また、ワイヤ押さえは、ベースと、1つ以上のワイヤ押さえ用制振ガイドローラとを備え、1つ以上のワイヤ押さえ用制振ガイドローラのうちの1つは、ワイヤ押さえのベースの被加工物側の端部に設置され、切断ワイヤ部を整列させて支持する。これによって、切断ワイヤ部を被加工物に近い位置で整列させて支持することができる。
本発明の薄板の製造方法によれば、前記本発明のワイヤ放電加工装置を用いて、被加工物が複数枚の薄板に加工される。前記本発明のワイヤ放電加工装置は、前述のように被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。したがって、前記本発明のワイヤ放電加工装置を用いることによって、薄板の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの薄板の収量を増大させることができる。
本発明の半導体ウエハの製造方法によれば、前記本発明のワイヤ放電加工装置を用いて、被加工物である半導体素材が複数枚の半導体ウエハに加工される。前記本発明のワイヤ放電加工装置は、前述のように被加工物の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。したがって、前記本発明のワイヤ放電加工装置を用いることによって、半導体ウエハの加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、半導体素材1個あたりからの半導体ウエハの収量を増大させることができる。
本発明の第1の実施の形態におけるワイヤ放電加工装置1の構成を示す斜視図である。 図1に示すワイヤ放電加工装置1のノズル19およびワイヤ押さえ21の部分を拡大して示す断面図である。 図1に示すワイヤ放電加工装置1のノズル19およびワイヤ押さえ21の部分を拡大して示す正面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるワイヤ放電加工装置2の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態におけるワイヤ放電加工装置3の構成を示す断面図である。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるワイヤ放電加工装置1の構成を示す斜視図である。ワイヤ放電加工装置1は、繰出し用のワイヤボビン(以下「繰出し用ボビン」という場合がある)11、ワイヤ電極12、複数の巻掛ガイドローラ13a,13b,13c,13d、巻取り用のワイヤボビン(以下「巻取り用ボビン」という場合がある)14、複数の制振ガイドローラ15a,15b、加工用電源16、給電子ユニット17,18、ノズル19、加工ステージ20およびワイヤ押さえ21を備えて構成される。
本実施の形態におけるワイヤ放電加工装置1では、繰出し用ボビン11から繰り出された1本のワイヤ電極12が、順次、複数の巻掛ガイドローラ13a,13b,13c,13d間を、複数回、微小な間隔を隔てて巻回されて、複数の切断ワイヤ部12aが形成されている。
すなわち、ワイヤ電極12は、複数の切断ワイヤ部12aを形成する。複数の切断ワイヤ部12aは、互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物30にそれぞれ対向する。このワイヤ電極12が巻回されて形成された切断ワイヤ部12aの間隔が、被加工物30の加工幅、すなわち切断された加工物の厚さとなる。
ワイヤ放電加工装置1は、各切断ワイヤ部12aに対して、予め定める間隔だけ離間させ、被加工物30を対向させて配置した状態で、各切断ワイヤ部12aと被加工物30との間に電圧を印加する。そして、被加工物30を各切断ワイヤ部12aに対して切断方向への加工送りを行うことによって、被加工物30を各切断ワイヤ部12aによって放電切断する。これによって、被加工物30が、同時に複数枚の薄板に加工される。
被加工物30は、柱状であり、本実施の形態では、直方体状である。被加工物30は、複数の薄板にスライスされる素材である。被加工物30としては、たとえば、スパッタリングターゲットとなるタングステンおよびモリブデンなどの金属、各種構造部材として使われる多結晶シリコンカーバイドなどのセラミックス、半導体デバイスウエハとなる単結晶シリコン、単結晶シリコンカーバイドおよびガリウムナイトライドなどの半導体素材、ならびに太陽電池ウエハとなる単結晶および多結晶シリコンなどの太陽電池素材などがある。
図1では、1本のワイヤ電極12を複数の巻掛ガイドローラ13a,13b,13c,13dに巻回した場合について示しているが、この場合に限定されない。すなわち、1本のワイヤ電極12を折り返すことによって、複数の切断ワイヤ部12aを形成可能であれば、その具体的な構成については特に限定されない。
本実施の形態においては、複数の巻掛ガイドローラ13a,13b,13c,13dは、それぞれ、各軸線31a,31b,31c,31dが延びる方向に、平行に離間して配置されている。本実施の形態では、4つの巻掛ガイドローラ13a〜13dが配置されている。以下の説明では、4つの巻掛ガイドローラ13a〜13dを区別する場合には、それぞれ「第1の巻掛ガイドローラ13a」、「第2の巻掛ガイドローラ13b」、「第3の巻掛ガイドローラ13c」、「第4の巻掛ガイドローラ13d」という。
第1の巻掛ガイドローラ13aと第2の巻掛ガイドローラ13bとは、最も高い位置に設けられる。第3の巻掛ガイドローラ13cは、第2の巻掛ガイドローラ13bの下方の最も低い位置に設けられる。第4の巻掛ガイドローラ13dは、第1の巻掛ガイドローラ13aの下方に、第3の巻掛ガイドローラ13cと並んで設けられる。
ワイヤ電極12は、第1〜第4の巻掛ガイドローラ13a〜13d間において予め定める回数を巻回された後に、巻取り用ボビン14に巻き取られる。図1に示すように、ワイヤ電極12は、第3の巻掛ガイドローラ13cと第4の巻掛ガイドローラ13dとの間の部分が、複数のワイヤ切断部12aとして、被加工物30と対向することが可能に配置されている。ワイヤ放電加工装置1では、被加工物30を加工する部分である切断ワイヤ部12aに対して、微小間隔を隔てて被加工物30を対向させて配置し、放電加工を行う。
切断ワイヤ部12aと第3の巻掛ガイドローラ13cとの間、および切断ワイヤ部12aと第4の巻掛ガイドローラ13dとの間には、ワイヤ電極12の振動を抑制するための複数の制振ガイドローラ、具体的には、2つの制振ガイドローラ15a,15bがそれぞれ配置されている。以下の説明では、2つの制振ガイドローラ15a,15bを区別する場合には、それぞれ、「第1の制振ガイドローラ15a」、「第2の制振ガイドローラ15b」という。
第1の制振ガイドローラ15aは、切断ワイヤ部12aと第3の巻掛ガイドローラ13cとの間に設けられる。第1の制振ガイドローラ15aは、その軸線の方向が、第3の巻掛ガイドローラ13cの軸線31cの延びる方向に平行になるように、第3の巻掛ガイドローラ13cから離間して配置されている。
第2の制振ガイドローラ15bは、切断ワイヤ部12aと第4の巻掛ガイドローラ13dとの間に設けられる。第2の制振ガイドローラ15bは、その軸線の方向が、第4の巻掛ガイドローラ13dの軸線31dの延びる方向に平行になるように、第4の巻掛ガイドローラ13dから離間して配置されている。
ワイヤ電極12のうち、第3の巻掛ガイドローラ13cと第1の制振ガイドローラ15aとの間の部分、および、第4の巻掛ガイドローラ13dと第2の制振ガイドローラ15bとの間の部分は、放電加工を行うための加工用電圧が印加されて電流が供給される給電ワイヤ部12b,12cとなっている。
ワイヤ電極12の給電ワイヤ部12b,12cには、加工用電源16から給電子17a,18aを介して、放電加工を行うための加工用電圧が印加されて、電流が供給される。これによって、切断ワイヤ部12aと被加工物30との間に加工用電圧が印加される。加工用電源16は、それぞれ独立して電圧を印加できる複数の加工用電源ユニット16aによって構成される。加工用電源16は、各加工用電源ユニット16aによって、パルス状の加工用電圧を発生させ、給電子17a,18aを介して、切断ワイヤ部12aと被加工物30との間に印加する。
給電子17a,18aは、複数、具体的には、ワイヤ電極12で構成される切断ワイヤ部12aの本数分が設けられる。複数の給電子17a,18aは、それぞれ絶縁され、被加工物30の両側に整列配置されて、給電子ユニット17,18を構成する。
以下の説明では、第3の巻掛ガイドローラ13cと第1の制振ガイドローラ15aとの間に配置される給電子17aを「第1の給電子17a」といい、第1の給電子17aで構成される給電子ユニット17を「第1の給電子ユニット17」という場合がある。また、第4の巻掛ガイドローラ13dと第2の制振ガイドローラ15bとの間に配置される給電子18aを「第2の給電子18a」といい、第2の給電子18aで構成される給電子ユニット18を「第2の給電子ユニット18」という場合がある。
本実施の形態では、第3の巻掛ガイドローラ13cと第1の制振ガイドローラ15aとの間に、第1の給電子17aが5つ配置されて、第1の給電子ユニット17を構成している。また、第4の巻掛ガイドローラ13dと第2の制振ガイドローラ15bとの間に、第2の給電子18aが4つ配置されて、第2の給電子ユニット18を構成している。
ワイヤ放電加工装置1は、各給電子17a,18bによって、各切断ワイヤ部12aに独立して電圧を印加できる構成となっている。このように、並列する切断ワイヤ部12aに対して、独立に電圧を印加できる複数の加工用電源ユニット16aは、ワイヤ放電加工装置1の不図示の制御装置に接続される。
各加工用電源ユニット16aは、制御装置の指示に従って、対応する給電子17a,18bを介して、対応する切断ワイヤ部12aに電圧を印加する。本実施の形態のワイヤ放電加工装置1における電圧の印加極性は、従来のワイヤ放電加工装置と同様に、必要に応じて適宜反転可能となっている。
被加工物30は、不図示の位置制御装置によって、第1〜第4の巻掛ガイドローラ13a〜13d間に巻回されたワイヤ電極12と微小間隙を隔てるように位置が制御されている。これによって、適正な放電ギャップ長が維持されている。
図2は、図1に示すワイヤ放電加工装置1のノズル19およびワイヤ押さえ21の部分を拡大して示す断面図である。図2では、ノズル19とワイヤ押さえ21とが組み合わされた状態におけるノズル19およびワイヤ押さえ21の側面方向の構成を示している。図3は、図1に示すワイヤ放電加工装置1のノズル19およびワイヤ押さえ21の部分を拡大して示す正面図である。図3では、ノズル19の噴出口側から見たノズル19およびワイヤ押さえ21の構成を示している。
ノズル19は、ノズル本体41、仕切り板42、流路高さ調整板43および底板44を備えて構成される。ノズル本体41、仕切り板42、流路高さ調整板43および底板44によって、加工液を噴出する噴出口が、ノズル19に形成されている。すなわち、ノズル19は噴出口を有する。ノズル19は、加工液が、複数の切断ワイヤ部12aに沿って、複数の切断ワイヤ部12aと被加工物30との間に形成される極間に向かうように、加工液を噴出口から噴出させる。加工液は、被加工物30の加工を補助する液体であり、噴出口から噴出されて極間に供給されることによって、極間に生じた加工屑を排出させる。
ノズル本体41には、加工液を供給するための配管接続用孔45が形成されている。配管接続用孔45は、ノズル本体41を貫通する。配管接続用孔45には、ノズル19の外部側から、加工液を供給する加工液供給配管40が接続される。
ノズル本体41には、流路高さ調整板43を介して、仕切り板42が取り付けられている。また、ノズル本体41の底面には、底板44が取り付けられている。流路高さ調整板43の厚み寸法を調整することによって、配管接続用孔45から流入する加工液のよどみ領域となる液溜まり領域、および加工液の流路の大きさが調整される。
底板44の端面のうち、加工液の噴出口側の端面は、ノズル本体41のうち、ノズル19の上面を構成する部分の噴出口側の端面よりも、被加工物30から離隔している。本実施の形態では、底板44とノズル本体41の上面部分とは、噴出口と反対側の端面の位置が一致しており、切断ワイヤ部12aの走行方向において、底板44の長さ寸法は、ノズル本体41の上面部分の長さ寸法から1mm〜数mm短くなっている。また、底板44は、仕切り板42の流路高さ調整板43に接続される端部である基端部付近の厚み寸法が、ノズル19の噴出口側に向かうに従って小さくなるように傾斜している。
ノズル本体41および底板44は、切断ワイヤ部12aが接触して短絡しないように、電気的な絶縁材料で作製されるか、または、アルマイト処理などの電気的絶縁処理が施される。
以上に述べた構成部品で組み立てられたノズル19は、仕切り板42の下方を、数百μm程度の間隙を維持して切断ワイヤ部12aが走行するように設置される。ノズル19は、図1に示すように、被加工物30の両側に配置される。被加工物30の両側に配置されたノズル19は、その加工液の噴出口と被加工物30との間隙が0.1mm程度になるように設置される。
以下の説明では、第1の制振ガイドローラ15a側に設置されるノズル19を「第1のノズル19a」といい、第2の制振ガイドローラ15b側に設置されるノズル19を「第2のノズル19b」という場合がある。また、第1および第2のノズル19a,19bを区別しない場合には、まとめて「ノズル19」という場合がある。
図2および図3に戻って、ワイヤ押さえ21は、ベース51と、ワイヤ押さえ用制振ガイドローラ52とを備えて構成される。ワイヤ押さえ用制振ガイドローラ52は、芯金となる回転ロッド53に、円筒形状のワイヤ押さえ用ガイドローラ55が、その長さ方向を回転ロッド53の回転軸33と平行になるように取り付けられる。
ワイヤ押さえ用ガイドローラ55は、窒化珪素などのセラミックス、またはウレタンゴムなどの絶縁材料によって作製される。また、ワイヤ押さえ用ガイドローラ55の表面には、切断ワイヤ部12aを掛けるためのワイヤガイド用のV字溝が、スライスするウエハの厚み寸法に応じたピッチで複数本加工されている。
ワイヤ押さえ用ガイドローラ55を嵌め込まれた回転ロッドであるワイヤ押さえ用制振ガイドローラ52は、その軸端をベース51に設置された軸受54に嵌め込まれ、回転軸33に対して自在に回転する。
軸受54は、ベース51の被加工物30側の端部に設置される。このとき、ワイヤ押さえ用ガイドローラ52の表面が、ベース51の端面からはみ出さない範囲で設計されている。
また、ベース51には、切断ワイヤ部12aが通過するための切断ワイヤ部走行用溝56が、ベース51の全長にわたってキャビティ状に形成されている。切断ワイヤ部走行用溝56の深さは、切断ワイヤ部12aが切断ワイヤ部走行用溝56を擦らない範囲で、おおよそ1mm程度の浅いものでよい。
図2では、ワイヤ押さえ用ガイドローラ52は、少なくとも1個がベース51の切断ワイヤ部12a側の端部に設置されるので、切断ワイヤ部12aを被加工物30に近い位置で整列させて支持することができる。これによって、被加工物30を挟んで対峙するもう一つのワイヤ押さえ21bのワイヤ押さえ用ガイドローラ52との間で切断ワイヤ部12aを整列し、張力を付加できればよい。したがって、1つのベース51におけるワイヤ押さえ用ガイドローラ52の個数は複数個あってもよい。
ノズル19とワイヤ押さえ21との設置について説明する。ノズル19の底板44と、ワイヤ押さえ21のワイヤ押さえ用ガイドローラ52とが向き合うように、ノズル19とワイヤ押さえ21とを重ね合わせる。このとき、ノズル19とワイヤ押さえ21との合わせ目から加工液が漏れ出さないように、ノズル19とワイヤ押さえ21とは密着され、ノズル本体41とベース51とが、たとえば、ねじ締結などによって固定され、ノズル19とワイヤ押さえ用ガイドローラ52とが一体となる構造を呈する。なお、切断ワイヤ部12aは、ベース51に加工された凹状キャビティの切断ワイヤ部走行用溝56を通過する。
さらに、ノズル19およびワイヤ押さえ21は、被加工物30の両側に設置される。設置に際しては、ノズル19の先端が被加工物30に最接近したときの被加工物30とノズル19との間隙を、たとえば0.1mm程度になるようにするとともに、切断ワイヤ部12aが切断ワイヤ部走行用溝56を通過するときに、切断ワイヤ部走行用溝56の内面に接触することなく通過するように、ワイヤ押さえ21およびノズル19の傾きを調整する。
次に、ノズル19およびワイヤ押さえ21の動作について説明する。第1〜第4の巻掛ガイドローラ13a〜13dを巻回されたワイヤ電極12は、制振ガイドローラ15a,15bによって切断ワイヤ部12aを構成する。切断ワイヤ部12aは、さらにワイヤ押さえ21に組み込まれているワイヤ押さえ用制振ガイドローラ52のワイヤガイド溝に接触しながら通過することによって張力が付加させられる。
これによって、切断ワイヤ部12aが被加工物30の両側に対峙する一対のワイヤ押さえ21の内部に組み込まれているワイヤ押さえ用制振ガイドローラ52のガイド溝に接触する位置までが、切断ワイヤ部12aのワイヤスパンとなり、被加工物30の切断加工に必要な最小長さとして設定される。
また、制振ガイドローラ15a,15bの表面のワイヤ案内溝に接触する切断ワイヤ部12aの走行速度に応じて、制振ガイドローラ15a,15bが回転する。このとき、切断ワイヤ部12aと制振ガイドローラ15a,15bのワイヤ案内溝とは、転がり摩擦の状態であり、切断ワイヤ部12aによって制振ガイドローラ15a,15bの表面が加工されることはない。したがって、案内溝の形状が長時間変化しにくく、高精度な加工を実現できる。
切断ワイヤ部12aが掛けられたワイヤ押さえ21に対して、その上方からノズル19が重なるように設置される。ワイヤ押さえ21とノズル19との重なりには、わずかに間隙部分が設けられる。この間隙部分を、切断ワイヤ部12aが、接触することなく走行する。このような状態になるようにワイヤ押さえ21とノズル19とを設置することによって、ノズル19からの加工液噴出口は、被加工物に形成される切断溝の先端に位置するように設置される。この状態で加工液をノズル19に供給すると、加工液が、加工液供給配管40を通ってノズル19の内部に流入する。
ノズル19の内部に流入した加工液は、本体84、仕切り板42、流路高さ調整板43および底板44で形成された流路に沿って整流され、底板44の終端の噴出口からノズル19の外部に噴出される。加工液がノズル19から噴出される方向には、ワイヤ放電加工された切断溝があり、さらに、加工液を切断溝の内部へ供給やすいようにノズル19の先端が傾斜している。したがって、加工液は、ノズル19の底板44の終端部の傾斜面によって切断溝を直撃し、切断溝の内部に侵入する。
また、ノズル19の底板44がノズル19の先端面より短くなっているので、切断溝の内部に侵入できなかった加工液は、被加工物30と、ノズル19の先端内部にて滞留しながらも外部ポンプによってノズル19の内部に流入されてくる加工液とによって、切断溝へ圧入されて、切断溝内部への供給量が増大する。
このような構成によれば、加工が進行して加工溝が深くなっても、ノズル80の噴出口は、常に各切断ワイヤ部12aと同軸線上にあり、各切断ワイヤ部12aに沿って極間へ向かうように加工液が噴出される。したがって、並列する複数の切断ワイヤ部12aにかかる加工液の圧力を均一にすることが容易になり、ワイヤ電極12のたわみを抑えることができる。
また、切断ワイヤ部12aがノズル19の内部を通過しないので、ノズル19の外部からノズル19に供給される加工液流が切断ワイヤ部12aを直撃することがない。これによって、切断ワイヤ部12aを振動させることがなく、ワイヤ電極12にたわみが生じることもないので、ワイヤ放電加工が安定し、加工精度が向上する。
また、加工液は、ノズル19の内部に構成される流路に沿って噴出口に導かれながら整流されるので、噴出口から噴出する際にも、切断ワイヤ部12aの走行方向に概平行に噴出され、加工液流も乱れにくい。これによって、加工液が切断ワイヤ部12aに対して外力となりにくく、噴出口82から噴出される加工液が、複数の切断ワイヤ部12aに沿って噴出しやすくなるので、より確実に加工溝の先端に加工液を吹き付けることができる。
したがって、加工溝の深さに関わらず、加工屑を安定して加工溝から容易に排出することができる。その結果、加工方向の放電が多くなり、加工速度の低下を抑制できる。それとともに、並列する複数の切断ワイヤ部12aによって一度に切り出される被加工物30の加工溝を細く、均一にすることができる。
また、ノズル19は、ワイヤ押さえ21に固定され、ワイヤ押さえ21は、不図示の剛性の高い支柱を介して加工機の定盤に固定される。したがって、常に切断ワイヤ部12aとの相対距離が一定となり、変化することはないので、加工が進行して切断溝が深くなっても、常に切断溝の同じ位置に向けて加工液を供給することができる。
また、ノズル19へ流入する加工液の圧力変動による反動によってノズル19が振動することがなく、フレキシブルに流路を可変できるノズルのように噴出口の方向が微小変化することもない。また、ノズル19内に流入する加工液が、ノズル19内で切断ワイヤ部12aを直撃することがないので、ワイヤ電極12をたわませることがなくなる。
したがって、切断ワイヤ部12aの微小振動が大幅に改善されるので、安定かつ高精度な薄板切断加工ができる。また、被加工物30を交換した場合でも、加工ごとのノズル19およびワイヤ押さえ21の設置状態のばらつきが少なくなり、繰り返し加工の精度が向上する。
被加工物30と制振ガイドローラ15a,15bとの間に設置されるノズル19によって、制振ガイドローラ15a,15b間でのみ支持される切断ワイヤ部12aのワイヤスパンは、2個のノズル19の長さ分だけ長くなり、加工中に、加工液に外力およびワイヤ走行によるワイヤ振動を発生しやすくなる。
しかし、本実施の形態では、ワイヤ押さえ21によって、切断ワイヤ部12aのワイヤスパンをより短くし、被加工物30に応じて最小限のワイヤスパンを設定することができる。このように、ワイヤ押さえ21の直上にノズル19を設置して固定することによって、ワイヤ押さえ用制振ガイドローラ52が、ノズル19の加工液噴出口および切断ワイヤ部12aを支持することと、被加工物30の側面の切断溝の直近に設置することとを両立することができるようにしている。したがって、加工溝への加工液の供給を損なうことなく、ワイヤ振動およびワイヤたわみを大幅に改善することができ、加工精度および加工速度が向上する。
切断溝の幅を狭くする切断加工を行う場合、ノズル19から被加工物30に向けて噴出される加工液は、切断溝内部に入りにくくなる。しかし、ノズル19の直下にワイヤ押さえ21を設けたことによって、下方への加工液の漏れが減少する。
さらに、切断ワイヤ部12aが走行するノズル19とワイヤ押さえ21との間隙部には、被加工物30の近傍に設置されたワイヤ押さえ用ガイドローラ52によって、切断ワイヤ部12aの走行用の間隙が一層狭くなり、加工液が切断ワイヤ部12aの走行用の間隙を通過して漏れ出すことを抑制でき、加工溝内部の極間に対して加工液を圧入しやすくなる。これによって、加工屑の極間からの排出も安定して行うことができ、ワイヤ放電加工が安定し、加工精度が向上する。
また、本実施の形態のワイヤ放電加工装置1によって、結晶シリコン、単結晶シリコンカーバイトおよびガリウムナイトライドなどの半導体素材、単結晶または多結晶シリコンなどの太陽電池素材、多結晶シリコンカーバイトなどのセラミックス、タングステンおよびモリブデンなどのスパッタリングターゲット素材を加工すると、加工速度が速くなり、加工溝幅を狭くすることができる。したがって、被加工物である1つのインゴットから、より多くの部材を得ることができる。また、一度に複数枚の薄板を高い寸法精度で切り出すことができる。
ノズル19とワイヤ押さえ21とが組み合わされ、一体となった状態で、被加工物30の近傍に設置されることによって、被加工物30に最も接近した位置で、加工液噴出機能とワイヤ押さえ機能とが発揮される。前述のノズル19とワイヤ押さえ21とが組み合わされた構造は、ノズル19が下側、ワイヤ押さえ21が上側に設置される状態でも問題はなく、切断ワイヤ部12aのワイヤスパンの短縮化とノズルの近接設置を両立させることができ、加工中のワイヤ振動の抑制と切断溝内部からの加工屑排出の効果が得られるので、薄板の同時切断加工を安定かつ高精度に行うことができる。
以上のように本実施の形態のワイヤ放電加工装置1によれば、被加工物30の加工を補助する加工液を噴出口から噴出させるノズル19と、ワイヤ電極12によって形成される複数の切断ワイヤ部12aを整列させて支持するワイヤ押さえ21とは、複数の切断ワイヤ部12aを挟んで対向して配置される。これによって、ノズル19を被加工物30の側面の切断される部分に近接して設置することができるので、ノズル19内に構成された流路によって整流された加工液を、被加工物30に形成される切断溝の直前まで誘導して、被加工物30に噴出することができる。このようにして加工液を噴出することによって、切断溝の内部にまで加工液を供給しやすくなるので、加工によって生じる加工屑を切断溝の極間から容易に排出することができる。
また、ノズル19に影響を与えることなく、ワイヤ押さえ21を被加工物30に近接して設置することができるので、被加工物30の両側にワイヤ押さえ21を設置したときに、ワイヤ押さえ21で支持されるワイヤスパンを、必要最小限の長さに設定することができる。また、切断ワイヤ部12aに作用する加工液流による外力を低減することができるので、切断ワイヤ部12aのたわみおよび振動を抑制することができる。
これによって、被加工物30を複数の箇所で同時に切断するときの加工精度および加工速度を向上させることができる。したがって、被加工物30の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物30の1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。
<第2の実施の形態>
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるワイヤ放電加工装置2の構成を示す断面図である。本実施の形態のワイヤ放電加工装置2は、前述の図1〜図3に示す第1の実施の形態におけるノズル19に代えて、図4に示すノズル60を備えること以外は、第1の実施の形態のワイヤ放電加工装置1と同様の構成を有する。図4では、図2と同様に、ワイヤ放電加工装置2のノズル60およびワイヤ押さえ21の部分を拡大して示している。
本実施の形態のワイヤ放電加工装置2は、前述の第1の実施の形態のワイヤ放電加工装置1と構成が類似しているので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施の形態では、ノズル構造の単純化を図り、構成部品の点数を減らしている。
本実施の形態におけるノズル60は、図2に示す第1の実施の形態におけるノズル19の部品の1つである仕切り板42を除いた、ノズル本体41、流路高さ調整板43および底板44によって構成される。
また、本実施の形態における流路高さ調整板43は、ノズル60の先端、すなわち、加工液が噴出する噴出口に接近するに従って、その高さ(厚さ)が増大するテーパ形状を成している。加工液の噴出口の先端側における底板44のテーパ形状と相対することによって、加工液の流路を傾斜させ、加工液が加工溝に入りやすいように、加工液を噴出口に案内して噴出させる。
本実施の形態のノズル60における配管接続用孔45の取り付け位置を噴出口から離れた位置に設定することによって、配管接続用孔45からノズル60の内部に流入した加工液がノズル60の噴出口まで流れる際の流路が長くなる。また、ノズル60の内部に一旦、貯められることによって、静圧状態に近い状態になり、ノズル60から噴出される加工液が整流される。流路高さ調整板43のテーパを大きく、または小さくすることによって、ノズル60から噴出される加工液流の状態を調整することが可能となる。
また、ノズル60とワイヤ押さえ21の組み合わせを上下反転させてもよく、加工液の供給状態と切断ワイヤ部12aのワイヤスパン短縮化において同様の効果を得ることができ、薄板切断加工の安定化と高精度化を実現することができる。
また、本実施の形態のワイヤ放電加工装置2によって、結晶シリコン、単結晶シリコンカーバイト、ガリウムナイトライドなどの半導体素材、単結晶または多結晶シリコンなどの太陽電池素材、多結晶シリコンカーバイトなどのセラミックス、タングステンおよびモリブデンなどのスパッタリングターゲット素材を加工すると、加工速度が速くなり、加工溝幅を狭くすることができる。したがって、被加工物である1つのインゴットから、より多くの部材を得ることができる。また、一度に複数枚の薄板を高い寸法精度で切り出すことができる。
加工用電源16が電圧を印加する極性は、従来のワイヤ放電加工装置と同様に、必要に応じて適宜反転可能となっている。
前述のように、被加工物30は、切断ワイヤ部12aと適正な放電ギャップが維持されるように、不図示の位置制御装置によって常に微小間隙を隔てて位置が制御されている。したがって、放電によって加工溝が形成されるにつれて、被加工物30は、切断ワイヤ部12aの方向に徐々に送り込まれて加工溝が深くなる。そして、最終的には、被加工物30が薄板状に切断加工される。
また、図1では、1本のワイヤ電極12を4本のガイドローラに巻回した場合について示しているが、この場合に限定されない。すなわち、1本のワイヤ電極12から複数の切断ワイヤ部を形成するものであれば、その具体的な構成については特に限定されない。
以上のように、本実施の形態のワイヤ放電加工装置2は、薄板の製造に有用であり、特に高い寸法精度を要求される半導体素材、太陽電池素材の製造に適している。
<第3の実施の形態>
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるワイヤ放電加工装置3の構成を示す断面図である。本実施の形態のワイヤ放電加工装置3は、前述の図1〜図3に示す第1の実施の形態におけるノズル19およびワイヤ押さえ21に代えて、図4に示す2個のノズル70A,70Bを備えること以外は、第1の実施の形態のワイヤ放電加工装置1と同様の構成を有する。図5では、図2と同様に、ワイヤ放電加工装置3のノズル70A,70Bの部分を拡大して示している。
本実施の形態のワイヤ放電加工装置3は、前述の第1の実施の形態のワイヤ放電加工装置1と構成が類似しているので、同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施の形態では、ノズル構造の単純化を図り、構成部品の点数を減らしている。
本実施の形態のワイヤ放電加工装置3は、図2に示す第1の実施の形態におけるノズル19と同様の構成を有する2個のノズル、すなわち第1のノズル70Aおよび第2のノズル70Bを備える。
第1および第2のノズル70A,70Bのうち、第2のノズル70Bは、図5に示すように上下を逆にして配置される。すなわち、第1および第2のノズル70A,70Bは、底板44を向かい合わせて配置される。
第1および第2のノズル70A,70Bを構成する2つの底板44の表面には、第1の実施の形態におけるワイヤ押さえ21と同様に、切断ワイヤ部12aを通過させるための切断ワイヤ部走行用溝56が形成されている。
第1および第2のノズル70A,70Bは、底板44を向かい合わせた状態で切断ワイヤ部走行用溝56内を切断ワイヤ部12aが通過するように、重ね合わせられる。これによって、底板44に接触しない程度の貫通口を切断ワイヤ部12aが通過し、上下のノズル70A,70Bのそれぞれの噴出口から加工液が、被加工物30に形成される切断溝に供給される。
また、第2のノズル70Bの底板44の噴出口側には、制振ガイドロッド71が設置されている。制振ガイドロッド71の表面には、各切断ワイヤ部12aを案内して支持するための複数本のV溝が、予め定めるピッチで形成されている。
第2のノズル70Bの切断ワイヤ部走行用溝56内を通過する切断ワイヤ部12aは、制振ガイドロッド71によって整列されて支持される。制振ガイドロッド71は、窒化珪素などの窒化物セラミックス、炭化珪素などの炭化物セラミックスなどから成る。制振ガイドロッド71を構成する材料は、これらに限定されるものではなく、比較的高硬度で、耐摩耗性に優れる材料であればよい。
第1および第2のノズル70A,70Bは、被加工物30を挟んで被加工物30に近接して配置される。切断ワイヤ部12aは、第1および第2のノズル70A,70Bの内部の制振ガイドロッド71間で整列されて支持される。
制振ガイドロッド71は、第2のノズル70Bの噴出口側に設置される。これによって、切断ワイヤ部12aのスパンを短くすることができる。また、加工液の噴出口を被加工物30の切断溝のすぐ近くに設置することができる。これによって、加工液が、切断ワイヤ部12aの上下方向から切断溝に向けて均等に流入するので、切断ワイヤ部12aの振動を抑制することができる。したがって、放電加工される部分の極間からの加工屑の排出性を改善することができるので、切断ワイヤ部12aによる同時薄板加工の加工精度と加工速度とを向上させることができる。
本実施の形態では、第1および第2のノズル70A,70Bの内部の構造は、図2に示す第1の実施の形態におけるノズル19と同様の構造であるが、これに限定されず、たとえば、図4に示す第2の実施の形態におけるノズル60と同様の構造でもよい。
第2の実施の形態におけるノズル60と同様の構造とすることによって、第2の実施の形態と同様に、加工液の供給状態を改善することができる。また、切断ワイヤ部12aのワイヤスパンを短縮化することができるので、被加工物30に対して、第1および第2のノズル70A,70Bを近接して設置することができる。したがって、ワイヤ放電加工装置3による薄板切断加工の安定化と高精度化とを実現することができる。
また、本実施の形態のワイヤ放電加工装置3によって、結晶シリコン、単結晶シリコンカーバイト、ガリウムナイトライドなどの半導体素材、単結晶または多結晶シリコンなどの太陽電池素材、多結晶シリコンカーバイトなどのセラミックス、タングステンおよびモリブデンなどのスパッタリングターゲット素材を加工すると、加工速度が速くなり、加工溝幅を狭くすることができる。したがって、被加工物である1つのインゴットから、より多くの部材を得ることができる。また、一度に複数枚の薄板を高い寸法精度で切り出すことができる。
加工用電源16が電圧を印加する極性は、従来のワイヤ放電加工装置と同様に、必要に応じて適宜反転可能となっている。
前述のように、被加工物30は、切断ワイヤ部12aと適正な放電ギャップが維持されるように、不図示の位置制御装置によって常に微小間隙を隔てて位置が制御されている。したがって、放電によって加工溝が形成されるにつれて、被加工物30は、切断ワイヤ部12aの方向に徐々に送り込まれて加工溝が深くなる。そして、最終的には、被加工物30が薄板状に切断加工される。
また、図1では、1本のワイヤ電極12を4本のガイドローラに巻回した場合について示しているが、この場合に限定されない。すなわち、1本のワイヤ電極12から複数の切断ワイヤ部を形成するものであれば、その具体的な構成については特に限定されない。
以上に述べた第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3は、薄板の製造に有用であり、特に、高い寸法精度を要求される半導体素材および太陽電池素材の製造に適している。
本発明の実施の一形態である薄板の製造方法は、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかによって実行される。具体的には、本発明の実施の一形態である薄板の製造方法は、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかを用いて、被加工物30を複数枚の薄板に加工する工程を備える。
この薄板の製造方法によれば、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかを用いて、被加工物30が複数枚の薄板に加工される。第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3は、前述のように被加工物30の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物30の1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。したがって、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかを用いることによって、薄板の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物30の1個あたりからの薄板の収量を増大させることができる。
また、本発明の実施の一形態である半導体ウエハの製造方法は、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかによって実行される。具体的には、本発明の実施の一形態である半導体ウエハの製造方法は、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかを用いて、半導体素材を複数枚の半導体ウエハに加工する工程を備える。
この半導体ウエハの製造方法によれば、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかを用いて、被加工物30である半導体素材が、複数枚の半導体ウエハに加工される。第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3は、前述のように被加工物30の加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、被加工物30の1個あたりからの加工物の収量を増大させることができる。したがって、第1〜第3の実施の形態のワイヤ放電加工装置1,2,3のいずれかを用いることによって、半導体ウエハの加工精度および加工速度の低下を抑制するとともに、半導体素材1個あたりからの半導体ウエハの収量を増大させることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることが可能である。また、各実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。
1 ワイヤ放電加工装置、11 繰出し用ボビン、12 ワイヤ電極、12a 切断ワイヤ部、12b,12c 給電ワイヤ部、13a,13b,13c,13d 巻掛ガイドローラ、14 巻取り用ボビン、15a,15b,51 制振ガイドローラ、16 加工用電源、16a 加工用電源ユニット、17,18 給電子ユニット、17a,18a 給電子、19,60,70A,70B ノズル、20 加工ステージ、21 ワイヤ押さえ、30 被加工物、40 加工液供給配管、41 ノズル本体、42 仕切り板、43 流路高さ調整板、44 底板、45 配管接続用孔、51 ベース、52 ワイヤ押さえ用制振ガイドローラ、53 回転ロッド、54 軸受、55 ワイヤ押さえ用ガイドローラ、56 切断ワイヤ部走行用溝、61 制振ガイドロッド。

Claims (11)

  1. 互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、
    パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、
    前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、
    前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させるノズルと、
    ワイヤ押さえ用制振ガイドローラを有し、前記複数の切断ワイヤ部を整列させて、支持するワイヤ押さえとを備え、
    前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部が走行する間隙を維持して重ね合わせて設置され、
    前記複数の切断ワイヤ部は、前記ワイヤ押さえ用制振ガイドローラに接触しながら前記間隙を通過することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、
    パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、
    前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、
    前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させる2個のノズルとを備え、
    前記2個のノズルは、前記複数の切断ワイヤ部が通過する貫通口を有する状態で重ね合わせて設置され、
    前記複数の切断ワイヤ部は、前記貫通口を通過し、
    前記2個のノズルのうちの一つには、前記複数の切断ワイヤ部を整列させて支持する制振ガイドロッドが設けられることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  3. 互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、
    パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、
    前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、
    前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させるノズルと、
    前記複数の切断ワイヤ部を整列させて、支持するワイヤ押さえとを備え、
    前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部を挟んで対向して配置され、
    前記ノズルは、前記加工液が供給される前記ノズルの内部の空間に、前記加工液の流路を屈曲させる仕切り板を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  4. 前記ノズルは、前記ノズルの上面と前記仕切り板との間に設けられ、前記ノズルの内部の空間、および前記加工液の流路の寸法を調整する調整板を備えることを特徴とする請求項3に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記ノズルは、前記ノズルに供給された前記加工液が流下する流路が、前記噴出口からの前記加工液の吐出方向に平行に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 前記ノズルの底板の前記噴出口側の端面は、前記ノズルの上面の前記噴出口側の端面よりも、前記被加工物から離隔していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 前記ワイヤ電極が巻き掛けられる複数の巻掛ガイドローラと、
    前記複数のワイヤ部に張力を付加する制振ガイドローラとを備え、
    前記ワイヤ電極は、前記複数の巻掛ガイドローラに巻き掛けられて前記複数の切断ワイヤ部を形成して、各前記巻掛ガイドローラの回転に伴って走行し、
    前記ノズルは、前記噴出口からの前記加工液の噴出方向が前記切断ワイヤ部の走行方向に平行になるように設置され、
    前記ワイヤ押さえは、前記制振ガイドローラとともに前記複数の切断ワイヤ部に張力を付加する方向に設置され、
    前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部を介して重ね合わせて使用されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 互いに離間して並列に設けられ、かつ、被加工物にそれぞれ対向する複数の切断ワイヤ部を形成するワイヤ電極と、
    パルス状の加工用電圧を発生させる加工用電源と、
    前記複数の切断ワイヤ部にそれぞれ電気的に接続され、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に前記加工用電圧を印加する複数の給電子を含む給電子ユニットと、
    前記被加工物の加工を補助する加工液を噴出する噴出口を有し、前記加工液が、前記複数の切断ワイヤ部に沿って、前記複数の切断ワイヤ部と前記被加工物との間に形成される極間に向かうように、前記加工液を前記噴出口から噴出させるノズルと、
    前記複数の切断ワイヤ部を整列させて、支持するワイヤ押さえとを備え、
    前記ノズルと前記ワイヤ押さえとは、前記複数の切断ワイヤ部を挟んで対向して配置され、
    前記ワイヤ押さえは、ベースと、1つ以上のワイヤ押さえ用制振ガイドローラとを備え、
    前記1つ以上のワイヤ押さえ用制振ガイドローラのうちの1つは、前記ワイヤ押さえの前記ベースの前記被加工物側の端部に設置され、前記切断ワイヤ部を整列させて支持することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  9. 前記ワイヤ押さえは、前記ワイヤ押さえに対向して配置される前記ノズルの前記切断ワイヤ部側の表面と、前記ベースに設置される前記ワイヤ押さえ用制振ガイドローラとの間隙が、前記ワイヤ電極の直径に略等しくなるように配置されることを特徴とする請求項8に記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置を用いて、被加工物を複数枚の薄板に加工する工程を備えることを特徴とする薄板の製造方法。
  11. 請求項1から9のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置を用いて、半導体素材を複数枚の半導体ウエハに加工する工程を備えることを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
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