JP2017192999A - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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靖展 多和
Yasunobu Tawa
靖展 多和
正毅 淵山
Masatake Fuchiyama
正毅 淵山
将昭 鈴木
Masaaki Suzuki
将昭 鈴木
真澄 小川
Masumi Ogawa
真澄 小川
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Abstract

【課題】幅の狭い溝が形成される場合等でも加工屑を適切に排出できるワイヤ放電加工装置を提供する。【解決手段】被加工物(11)をスライスするワイヤ放電加工装置(2)であって、加工部(4a)に対して基台(26)の反対側の領域で加工部に沿って設けられ、被加工物の側面に向けて加工液を噴射することで、加工部によって被加工物に形成される溝に加工液を供給する加工液供給ノズル(42)を備え、加工液供給ノズルは、所定の供給領域(A)に向けて加工液(21a)を噴射する第1ノズル(44)と、第1ノズルに対して基台の反対側の領域から供給領域に向けて加工液(21b)を噴射する第2ノズル(46)と、を有し、第1ノズル及び第2ノズルの一方から噴射される加工液の被加工物の側面での広がりを第1ノズル及び第2ノズルの他方から噴射される加工液で抑え、供給領域への加工液の供給を促進させる。【選択図】図2

Description

本発明は、被加工物を放電加工するワイヤ放電加工装置に関する。
インゴット等の被加工物からウェーハを切り出す場合には、ワイヤソー(マルチワイヤソー)と呼ばれる加工装置を用いるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。このワイヤソーは、複数のガイドローラーに巻き掛けられたワイヤを所定の方向に送りながら被加工物に切り込ませることで、薄いウェーハを切り出す。
一方、このようなワイヤソーを用いる加工方法では、ガイドローラーに巻き掛けられたワイヤに対して砥粒を分散させたスラリーを供給し続けなければならないので、工程が煩雑である。また、被加工物に対してワイヤが直に接触するので、工程中にワイヤが切れる可能性も高かった。
これらの問題に対し、近年では、純水等の加工液に浸漬した金属製のワイヤと被加工物との間で放電させてウェーハを非接触で切り出すワイヤ放電加工装置(マルチワイヤ放電加工装置)が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このワイヤ放電加工装置は、例えば、ワイヤと被加工物との間にパルス電圧を印加し、ワイヤを所定の方向に送りながら被加工物に対して切り込ませるように動かすことで、ウェーハを非接触で切り出す。
ところで、上述のような放電加工で発生する加工屑がワイヤと被加工物との間に残留すると、続く放電の際にワイヤと被加工物とが短絡し、局所的な熱が発生してしまう。その結果、被加工物の加工精度は低下し、また、ワイヤも切れ易くなる。そこで、専用のノズルで溝内に加工液の流れを発生させて加工屑を取り除く装置や方法等が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−94755号公報 特開2011−140088号公報 特開2014−97542号公報
ところが、細いワイヤを用いて幅の狭い溝を形成する場合等には、溝内を加工液が流れ難くなり、上述の装置や方法等では必ずしも加工屑を適切に排出できない。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、幅の狭い溝が形成される場合等でも加工屑を適切に排出できるワイヤ放電加工装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、放電加工によって被加工物をスライスするワイヤ放電加工装置であって、導電性を有するワイヤが並列するように複数回巻き掛けられ、該ワイヤの走行に合わせて回転する複数のガイドローラーと、被加工物を固定する基台と、該複数のガイドローラーと該基台とを相対的に移動させて、該基台に固定された被加工物に対して並列する該ワイヤの加工部を加工送りする加工送り機構と、被加工物及び該加工部を浸漬するための加工液が貯留される加工液槽と、該加工部と該基台との間に高周波パルス電圧を印可する高周波パルス電源ユニットと、該加工部に対して該基台の反対側の領域で該加工部に沿って設けられ、被加工物の側面に向けて加工液を噴射することで、該加工部によって被加工物に形成される溝に加工液を供給する加工液供給ノズルと、を備え、該加工液供給ノズルは、所定の供給領域に向けて加工液を噴射する第1ノズルと、該第1ノズルに対して該基台の反対側の領域から該供給領域に向けて加工液を噴射する第2ノズルと、を備え、該第1ノズル及び該第2ノズルの一方から噴射される加工液の被加工物の側面での広がりを該第1ノズル及び該第2ノズルの他方から噴射される加工液で抑え、該供給領域への加工液の供給を促進させることを特徴とするワイヤ放電加工装置が提供される。
本発明の一態様において、該加工液供給ノズルは、該加工部を構成する該ワイヤの走行方向に沿って進退可能に構成されていることが好ましい。
また、本発明の一態様において、該加工液供給ノズルは、該加工送り方向及び該加工部の走行方向に直交する回転軸の周りに回転可能に構成されており、加工液の噴射方向を調整できることが好ましい。
本発明の一態様に係るワイヤ放電加工装置は、所定の供給領域に向けて加工液を噴射する第1ノズルと、第1ノズルに対して基台の反対側の領域から供給領域に向けて加工液を噴射する第2ノズルと、を含む加工液供給ノズルを備えるので、第1ノズル及び第2ノズルの一方から噴射される加工液の被加工物の側面での広がりを第1ノズル及び第2ノズルの他方から噴射される加工液で抑え、供給領域への加工液の供給を促進させることができる。つまり、本発明の一態様に係るワイヤ放電加工装置では、溝内を加工液が流れ易くなるので、幅の狭い溝が形成される場合等でも溝内の加工屑を適切に排出できる。
ワイヤ放電加工装置の構成例を模式的に示す図である。 図2(A)は、加工液供給ノズルの構成例を模式的に示す側面図であり、図2(B)は、加工液供給ノズルの構成例を模式的に示す平面図(上面図)である。 被加工物が放電加工される様子を模式的に示す斜視図である。 図4(A)は、被加工物が放電加工される様子を模式的に示す平面図(上面図)であり、図4(B)は、図4(A)の一部を拡大した拡大図である。 加工液供給ノズルから加工液が供給される様子を模式的に示す図である。 放電加工の前半で加工液供給ノズルから噴射される加工液の流れの例を模式的に示す図である。 放電加工の後半で加工液供給ノズルから噴射される加工液の流れの例を模式的に示す図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。図1は、ワイヤ放電加工装置の構成例を模式的に示す図である。図1に示すように、ワイヤ放電加工装置(マルチワイヤ放電加工装置)2は、ワイヤ4が巻回された繰り出しボビン6を支持する円柱状の繰り出しローラー8を備えている。
繰り出しローラー8の上方には、巻き取りボビン10を支持する円柱状の巻き取りローラー12が配置されている。繰り出しボビン6から繰り出されたワイヤ4は、後述する放電加工に使用された後、巻き取りボビン10に巻き取られる。ワイヤ4は、例えば、直径が50μm〜200μm程度のピアノ線等を、黄銅やタングステン、モリブデン等の材料で被覆して形成されており、被加工物11の放電加工に必要な導電性を備えている。
繰り出しローラー8の近傍には、繰り出しボビン6から繰り出されたワイヤ4を下流側へと送る第1供給ローラー14が配置されている。第1供給ローラー14の下方には、第1供給ローラー14から送られたワイヤ4を案内する円柱状の第1ガイドローラー16が配置されている。第1供給ローラー14から送られたワイヤ4は、第1ガイドローラー16に巻き掛けられて下方に案内される。この第1ガイドローラー16は、例えば、ワイヤ4の移動(走行)に合わせて回転する従動ローラーである。
第1ガイドローラー16の下方には、第1ガイドローラー16で案内されたワイヤ4を更に案内する円柱状の第2ガイドローラー18が配置されている。第1ガイドローラー16で案内されたワイヤ4は、第2ガイドローラー18に巻き掛けられて水平方向に案内される。この第2ガイドローラー18は、例えば、モーター等の回転駆動源に連結されワイヤ4を移動(走行)させる駆動ローラーである。
第2ガイドローラー18から水平方向に離れた位置には、第2ガイドローラー18で案内されたワイヤ4を更に案内する円柱状の第3ガイドローラー20が配置されている。第2ガイドローラー18で案内されたワイヤ4は、第3ガイドローラー20に巻き掛けられて上方に案内される。この第3ガイドローラー20は、例えば、ワイヤ4の移動(走行)に合わせて回転する従動ローラーである。また、第3ガイドローラー20によって上方に案内されたワイヤ4の一部は、被加工物11を加工する加工部4aとなる。
第3ガイドローラー20の上方には、第3ガイドローラー20で案内されたワイヤ4を更に案内する円柱状の第4ガイドローラー22が配置されている。第3ガイドローラー20で案内されたワイヤ4は、第4ガイドローラー22に巻き掛けられて水平方向に案内される。この第4ガイドローラー22は、例えば、モーター等の回転駆動源に連結されワイヤ4を移動(走行)させる駆動ローラーである。
第4ガイドローラー22で案内されたワイヤ4は、第1ガイドローラー16に再び巻き掛けられて第2ガイドローラー18に案内される。上述のように、第1ガイドローラー16には、既にワイヤ4が巻き掛けられているので、ここでは、第1ガイドローラー16の別の位置にワイヤ4が巻き掛けられる。具体的には、既に巻き掛けられているワイヤ4に対して第1ガイドローラー16の回転軸方向に所定の間隔をあけてワイヤ4が再度巻き掛けられる。
同様に、第1ガイドローラー16で案内されたワイヤ4は、第2ガイドローラー18に再び巻き掛けられて第3ガイドローラー20に案内される。また、第2ガイドローラー18で案内されたワイヤ4は、第3ガイドローラー20に再び巻き掛けられて第4ガイドローラー22に案内される。更に、第3ガイドローラー20で案内されたワイヤ4は、第4ガイドローラー22に再び巻き掛けられて第1ガイドローラー16に案内される。
第2ガイドローラー18、第3ガイドローラー20、及び第4ガイドローラー22にも既にワイヤ4が巻き掛けられているので、ここでも、第2ガイドローラー18、第3ガイドローラー20、又は第4ガイドローラー22の回転軸方向に所定の間隔をあけてワイヤ4が再度巻き掛けられる。第4ガイドローラー22で案内されたワイヤ4は、第1ガイドローラー16に更に巻き掛けられて第2ガイドローラー18に案内される。
このように、第1ガイドローラー16、第2ガイドローラー18、第3ガイドローラー20、及び第4ガイドローラー22(以下、ガイドローラー群とも呼ぶ。)には、回転軸方向に所定の間隔をあけてワイヤ4が複数回巻き掛けられる。これにより、第3ガイドローラー20と第4ガイドローラー22との間には複数の加工部4a(ワイヤ4)が並列されて、被加工物11から複数のウェーハを一度に切り出すことができる。
第3ガイドローラー20及び第4ガイドローラー22に巻き掛けられるワイヤ4の回転軸方向の間隔(すなわち、隣接する加工部4aの間隔)は、切り出されるウェーハの厚みに対応し、例えば、0.5mm〜1mmに設定される。ただし、ワイヤ4の回転軸方向の間隔(隣接する加工部4aの間隔)は、ウェーハの仕様等に応じて任意に変更できる。同様に、ワイヤ4を巻き掛ける回数は、被加工物11やウェーハの仕様等に応じて任意に設定される。
巻き取りローラー12の近傍には、加工に使用されたワイヤ4を下流側へと送る第2供給ローラー24が配置されている。上述のようにガイドローラー群に複数回巻き掛けられたワイヤ4は、第1ガイドローラー16で鉛直方向に案内される。第1ガイドローラー16で案内されたワイヤ4は、第2供給ローラー24に巻き掛けられて、巻き取りボビン10で巻き取られる。
第2ガイドローラー18及び第4ガイドローラー22には、モーター等の回転駆動源が連結されている。この回転駆動源で、第2ガイドローラー18及び第4ガイドローラー22を回転させれば、ワイヤ4は、所定の送り方向(走行方法)へと送られる(走行する)。なお、回転駆動源は、例えば、繰り出しローラー8、巻き取りローラー12等に連結されても良い。
加工部4aの側方には、被加工物11を固定する基台26が配置されている。基台26は、アーム状の本体28と、本体28の一端部に装着される固定部材30とを含む。被加工物11は、例えば、シリコンやSiC、ダイヤモンド(単結晶ダイヤモンド)等の材料で円柱状に形成されたインゴットであり、ワイヤ4(加工部4a)の送り方向に対して被加工物11の高さ方向(円柱の高さ方向、代表的には、結晶成長方向)が垂直になるように、導電性接着剤や半田等で固定部材30に接着される。ただし、被加工物11の種類等に特段の制限はない。
本体28の他端部には、基台26を水平方向に移動(加工送り)させる加工送り機構(加工送り手段)32が連結されている。この加工送り機構32で、基台26(被加工物11)とガイドローラー群(ワイヤ4)とを相対的に移動(加工送り)させることで、被加工物11に対してワイヤ4の加工部4aを切り込ませるように動かすことができる。
本体28には、放電加工用の高周波パルス電圧を発生する高周波パルス電源ユニット34の第1端子が接続されている。一方、第1ガイドローラー16と第4ガイドローラー22との間には、高周波パルス電源ユニット34の第2端子に接続された給電ローラー36が配置されている。この給電ローラー36は、第1ガイドローラー16と第4ガイドローラー22との間でワイヤ4に接触している。すなわち、ワイヤ4(加工部4a)には、高周波パルス電源ユニット34の第2端子が電気的に接続されている。
高周波パルス電源ユニット34は、例えば、高周波パルス電圧の発生を制御し、パルス幅や繰り返し周波数を調整するパルス調整部34aと、電圧を調整する電圧調整部34bと、を含んでいる。この高周波パルス電源ユニット34により、放電加工に必要なパルス電圧を発生できる。
第1端子に接続される基台26の本体28及び固定部材30は、例えば、カーボン、金属等の導電性材料(導電材)で構成され、被加工物11は、導電性接着剤や半田等で固定部材30に接着されている。また、給電ローラー36を介して第2端子に接続されるワイヤ4は、導電性を備えている。そのため、高周波パルス電源ユニット34で発生した高周波パルス電圧は、ワイヤ4(加工部4a)と被加工物11との間に印加される。
第2ガイドローラー18、第3ガイドローラー20、及び基台26の固定部材30を囲む位置には、加工液槽38が配置されている。加工液槽38の内部には、純水等の加工液40が貯留されており、少なくとも、ワイヤ4の加工部4a及び被加工物11が加工液40に浸漬している。
また、第2ガイドローラー18及び第4ガイドローラー22を回転させる回転駆動源、加工送り機構32、高周波パルス電源ユニット34等の各構成要素には、制御ユニット(不図示)が接続されている。この制御ユニットは、例えば、あらかじめ設定される放電加工の条件等に基づいて、上述した各構成要素の動作等を制御する。
更に、加工部4aに対して基台26の反対側の領域には、被加工物11の側面(円柱の側面)に向けて加工液を噴射するための加工液供給ノズル42が配置されている。図2(A)は、加工液供給ノズル42の構成例を模式的に示す側面図であり、図2(B)は、加工液供給ノズル42の構成例を模式的に示す平面図(上面図)である。
図1、図2(A)、及び図2(B)に示すように、加工液供給ノズル42は、ワイヤ4に接触しても導通しない樹脂等の絶縁体を用いて、加工部4aの並列する方向に伸長する棒状に形成されている。この加工液供給ノズル42は、例えば、基台26(加工部4a)側の第1ノズル部(第1ノズル)44と、基台26(加工部4a)とは反対側の第2ノズル部(第2ノズル)46と、を含んでいる。
第1ノズル部44は、第1ノズル部44側に位置する第1上面42aから下面42cまで貫通する第1流路44aを備えている。第1流路44aの下面42c側には、配管(不図示)等を通じて、加工液の供給源(不図示)が接続されており、この供給源から供給される加工液は、第1流路44aの第1上面42a側に設けられた噴射口から、上方(加工部4aの下流側)の供給領域Aに向けて噴射される。なお、この噴射口は、1mm〜3mm程度の幅に形成すると良い。
一方、第2ノズル部46は、第2ノズル部46側に位置する第2上面42bから下面42cまで貫通する第2流路46aを備えている。第2流路46aの下面42c側には、配管(不図示)等を通じて、加工液の供給源(不図示)が接続されており、この供給源から供給される加工液は、第2流路46aの第2上面42b側に設けられた噴射口から、供給領域Aに向けて噴射される。なお、この噴射口も、1mm〜3mm程度の幅に形成すると良い。
上述のように、第2ノズル部46は、第1ノズル部44対して基台26の反対側の領域に配置されている。よって、この第2ノズル部46から供給領域Aに向けて加工液を噴射できるように、第2ノズル部46の噴射方向(第2流路46a)は、第1ノズル部44の噴射方向(第1流路44a)に対して傾いている。第1流路44aに対する第2流路46aの傾きの角度θは、供給領域Aの位置等に応じて任意に設定、変更される。
このように構成された加工液供給ノズル42は、加工部4aの近傍に配置されている(加工部4aに沿って配置されている)。よって、この加工液供給ノズル42から被加工物11の側面に向けて加工液を噴射することで、加工部4aからの放電によって形成される被加工物11内の溝に加工液を供給して、加工屑の排出に適した加工液の流れを形成できる。
更に、この加工液供給ノズル42は、加工部4a(ワイヤ4)の移動(走行)する方向(走行方向)に沿って移動(進退)できるように構成されている。そのため、放電加工時の加工送りの進行に応じて加工液供給ノズル42を移動させることで、加工液供給ノズル42と被加工物11との距離を一定以下に保って、溝への供給に適した近い位置から加工液を噴射できる。
なお、この加工液供給ノズル42は、加工送りの方向(加工送り方向)及び加工部4aの移動(走行)する方向に対して直交する回転軸の周りに回転できるように構成されることが望ましい。これにより、供給領域Aを円弧状の軌跡に沿って移動させて、加工液の噴射方向を調整できる。具体的には、例えば、放電加工時の加工送りの進行に応じて加工液供給ノズル42を回転させることで、溝への供給に適した向きに加工液を噴射できるようになる。
次に、上述したワイヤ放電加工装置2を用いる被加工物11の放電加工方法について説明する。本実施形態では、高周波パルス電圧を印加しながらワイヤ4を送り(走行させ)、更に、加工液40に浸漬したワイヤ4の加工部4aに対して被加工物11を加工送りすることで、被加工物11を放電加工する。なお、ワイヤ放電加工装置2では複数の加工部4aが並列しているので、被加工物11は複数にスライスされる。
図3は、被加工物11が放電加工される様子を模式的に示す斜視図であり、図4(A)は、被加工物11が放電加工される様子を模式的に示す平面図(上面図)であり、図4(B)は、図4(A)の一部を拡大した拡大図である。被加工物11を放電加工する際には、まず、高周波パルス電源ユニット34でワイヤ4(加工部4a)と基台26(被加工物11)との間に高周波パルス電圧を印加する。また、ガイドローラー群等を回転させて、図3に示すように、ワイヤ4を所定の送り方向(走行方向)に送る(走行させる)。
次に、ワイヤ4(加工部4a)が被加工物11に切り込むように、移動機構32で被加工物11を水平方向に移動(加工送り)させる。つまり、基台26(被加工物11)とガイドローラー群(ワイヤ4)とを相対的に移動させることで、ワイヤ4の加工部4aを被加工物11に対して加工送りする。加工液40中で絶縁状態にある被加工物11とワイヤ4の加工部4aとが十分に近づくと、加工液40による絶縁が破壊されて、被加工物11と加工部4aとの間で放電が生じる。
その結果、放電に伴う熱で被加工物11の加工部4aに近接する部分が溶融される。また、加工液40の温度が急激に上昇して沸騰し、体積が膨張して被加工物11の溶融した部分を拡散(飛散)させる。このように、ワイヤ4(加工部4a)と基台26(被加工物11)との間に高周波パルス電圧を供給しながら加工送りすることで、被加工物11に対する加工部4aの移動経路に応じた溝11aを形成できる(図4(A)、図4(B))。
なお、この放電加工時には、基台26(被加工物11)とガイドローラー群(ワイヤ4)との相対的な移動の速度(加工送り速度)を、例えば、0.5μm/秒〜2μm/秒程度に設定すると良い。ただし、この速度は、任意に設定、変更できる。基台26とガイドローラー群との相対的な移動(加工送り)は、被加工物11が完全に切断されるまで続けられる。以上により、被加工物11から複数のウェーハを同時に切り出すことができる。
このような放電加工では、図4(B)に示すように、被加工物11から発生する加工屑11bが溝11a内に滞留し易い。加工屑11bを溝11a内に放置すると、被加工物11の加工精度が低下したり、ワイヤ4が切れ易くなったりする。そこで、本実施形態に係る放電加工方法では、上述した放電加工の際に、加工液供給ノズル42から加工液を供給して、加工屑の排出に適した加工液の流れを溝11a内に形成する。
図5は、加工液供給ノズル42から加工液が供給される様子を模式的に示す図である。図5では、主に、加工送りの進行に伴い変化する加工液供給ノズル42と被加工物11との位置関係を示している。図5に示すように、加工液供給ノズル42は、加工送りの進行に合わせて被加工物11の近傍をワイヤ4(加工部4a)の走行方向に沿って移動しながら加工液を噴射する。
ここで、第1ノズル部44及び第2ノズル部46から噴射する加工液の流量は、例えば、それぞれ、1L/min〜10L/min程度、代表的には、5L/min程度とする。これにより、溝11aへの供給に適した近い位置から、適切な流量の加工液を噴射できる。
図6は、放電加工の前半で加工液供給ノズル42から噴射される加工液の流れの例を模式的に示す図である。図6に示すように、放電加工の前半では、第2ノズル部46よりも第1ノズル部44が溝11aに近い。
よって、例えば、第1ノズル部44から噴射される加工液21aの被加工物11の側面での広がりは、第2ノズル部46から噴射される加工液21bの流れによって抑えられる。これにより、例えば、溝11a内に設定される供給領域Aへの加工液21aの供給を促進できる。
図7は、放電加工の後半で加工液供給ノズル42から噴射される加工液の流れの例を模式的に示す図である。図7に示すように、放電加工の後半では、前半に比べて第2ノズル部46が溝11aに近くなり、第1ノズル部44は溝11aから遠くなる。
よって、例えば、第2ノズル部46から噴射される加工液21bの被加工物11の側面での広がりは、第1ノズル部44から噴射される加工液21aの流れで抑えられる。これにより、例えば、溝11a内に設定される供給領域Aへの第2ノズル部46からの加工液21bの供給を促進させることができる。
以上のように、本実施形態に係るワイヤ放電加工装置2は、所定の供給領域Aに向けて加工液を噴射する第1ノズル部(第1ノズル)44と、第1ノズル部44に対して基台26の反対側の領域から供給領域Aに向けて加工液を噴射する第2ノズル部(第2ノズル)46と、を含む加工液供給ノズル42を備えるので、第1ノズル部44及び第2ノズル部46の一方から噴射される加工液の被加工物11の側面での広がりを第1ノズル部44及び第2ノズル部46の他方から噴射される加工液で抑え、供給領域Aへの加工液の供給を促進させることができる。つまり、本実施形態に係るワイヤ放電加工装置2では、溝11a内を加工液が流れ易くなるので、幅の狭い溝が形成される場合等でも溝内の加工屑を適切に排出できる。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、第1ノズル部(第1ノズル)44と第2ノズル部(第2ノズル)46とを含む加工液供給ノズル42について例示しているが、3個以上のノズル部(ノズル)を備える加工液供給ノズルを用いても良い。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 ワイヤ放電加工装置(マルチワイヤ放電加工装置)
4 ワイヤ
4a 加工部
6 繰り出しボビン
8 繰り出しローラー
10 巻き取りボビン
12 巻き取りローラー
14 第1供給ローラー
16 第1ガイドローラー(ガイドローラー群)
18 第2ガイドローラー(ガイドローラー群)
20 第3ガイドローラー(ガイドローラー群)
22 第4ガイドローラー(ガイドローラー群)
24 第2供給ローラー
26 基台
28 本体
30 固定部材
32 加工送り機構(加工送り手段)
34 高周波パルス電源ユニット
34a パルス調整部
34b 電圧調整部
36 給電ローラー
38 加工液槽
40 加工液
42 加工液供給ノズル
42a 第1上面
42b 第2上面
42c 下面
44 第1ノズル部(第1ノズル)
44a 第1流路
46 第2ノズル部(第2ノズル)
46a 第2流路
11 被加工物
11a 溝
11b 加工屑
21a,21b 加工液
A 供給領域

Claims (3)

  1. 放電加工によって被加工物をスライスするワイヤ放電加工装置であって、
    導電性を有するワイヤが並列するように複数回巻き掛けられ、該ワイヤの走行に合わせて回転する複数のガイドローラーと、
    被加工物を固定する基台と、
    該複数のガイドローラーと該基台とを相対的に移動させて、該基台に固定された被加工物に対して並列する該ワイヤの加工部を加工送りする加工送り機構と、
    被加工物及び該加工部を浸漬するための加工液が貯留される加工液槽と、
    該加工部と該基台との間に高周波パルス電圧を印可する高周波パルス電源ユニットと、
    該加工部に対して該基台の反対側の領域で該加工部に沿って設けられ、被加工物の側面に向けて加工液を噴射することで、該加工部によって被加工物に形成される溝に加工液を供給する加工液供給ノズルと、を備え、
    該加工液供給ノズルは、
    所定の供給領域に向けて加工液を噴射する第1ノズルと、該第1ノズルに対して該基台の反対側の領域から該供給領域に向けて加工液を噴射する第2ノズルと、を備え、
    該第1ノズル及び該第2ノズルの一方から噴射される加工液の被加工物の側面での広がりを該第1ノズル及び該第2ノズルの他方から噴射される加工液で抑え、該供給領域への加工液の供給を促進させることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 該加工液供給ノズルは、該加工部を構成する該ワイヤの走行方向に沿って進退可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 該加工液供給ノズルは、該加工送り方向及び該加工部の走行方向に直交する回転軸の周りに回転可能に構成されており、加工液の噴射方向を調整できることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワイヤ放電加工装置。
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