JP2017119331A - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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靖展 多和
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Abstract

【課題】加工屑を適切に捕獲、除去できるワイヤ放電加工装置を提供する。【解決手段】ワイヤ放電加工装置(2)であって、導電性を有するワイヤ(4)が並列するように複数回巻き掛けられる複数のガイドローラー(24,26,28,30)と、導電材で形成され、被加工物(11)を固定する基台(40)と、基台に固定された被加工物に対してワイヤの並列する加工部(4a)を加工送りする加工送り機構(46)と、被加工物及び加工部を浸漬するための加工液(54)が貯留される加工液槽(52)と、加工部と基台との間に高周波パルス電圧を印可する高周波パルス電源ユニット(48)と、各構成要素を制御する制御ユニット(74)と、被加工物から発生する加工屑(11b)を捕獲する加工屑捕獲ユニット(56)と、を含み、加工屑捕獲ユニットは、ワイヤの走行方向の下流側で加工屑を加工液とともに吸引する吸引部(62)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、被加工物を放電加工するワイヤ放電加工装置に関する。
インゴット等の被加工物からウェーハを切り出す場合には、ワイヤソー(マルチワイヤソー)と呼ばれる加工装置を用いるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。このワイヤソーは、複数のガイドローラーに巻き掛けられたワイヤを所定の方向に送りながら被加工物に切り込ませることで、薄いウェーハを切り出す。
一方、このようなワイヤソーを用いる加工方法では、ガイドローラーに巻き掛けられたワイヤに対して砥粒を分散させたスラリーを供給し続けなければならないので、工程が煩雑である。また、被加工物に対してワイヤが直に接触するので、工程中にワイヤが切れる可能性も高かった。
これらの問題に対し、近年では、加工液に浸漬した金属製のワイヤと被加工物との間で放電させてウェーハを非接触で切り出すワイヤ放電加工装置(マルチワイヤ放電加工装置)が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このワイヤ放電加工装置は、例えば、ワイヤと被加工物との間にパルス電圧を印加し、ワイヤを所定の方向に送りながら被加工物に切り込ませるように動かすことで、ウェーハを非接触で切り出す。
ところで、上述のような放電加工で発生する加工屑がワイヤと被加工物との間に残留すると、続く放電でワイヤと被加工物とが短絡し、局所的な熱が発生してしまう。その結果、被加工物の加工精度は低下し、また、ワイヤも切れ易くなる。そこで、溝内に加工液の流れを発生させて加工屑を取り除く装置や方法等が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−94755号公報 特開2011−140088号公報 特開2012−240128号公報
ところが、加工液の流れに乗って溝外に排出された加工屑は、加工液中を漂い再び溝内に流れ込むので、加工屑を溝外に排出するだけでは必ずしも上述の問題を適切に解決できない。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工屑を適切に捕獲、除去できるワイヤ放電加工装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、導電性を有するワイヤが並列に巻き掛けられ、該ワイヤの走行に合わせて回転する複数のガイドローラーと、導電材で形成され、被加工物を固定する基台と、該複数のガイドローラーと該基台とを相対的に移動させて、該基台に固定された被加工物に対して該ワイヤの並列する加工部を加工送りする加工送り機構と、被加工物及び該加工部を浸漬するための加工液が貯留される加工液槽と、該加工部と該基台との間に高周波パルス電圧を印可する高周波パルス電源ユニットと、各構成要素を制御する制御ユニットと、該高周波パルス電圧を印加しながら該ワイヤを走行させるとともに、該加工液に浸漬した被加工物に対して該加工液に浸漬した該加工部を加工送りする放電加工の際に、被加工物から発生する加工屑を捕獲する加工屑捕獲ユニットと、を備え、該加工屑捕獲ユニットは、該ワイヤの走行方向の下流側で該加工屑を該加工液とともに吸引する吸引部を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置が提供される。
本発明の一態様において、該加工屑捕獲ユニットは、該放電加工の際に剥離する該ワイヤの一部とともに該加工屑を磁力で捕獲するフィルタを更に有し、該吸引部で吸引された該加工屑を含む該加工液から該フィルタで該加工屑を分離し、得られる該加工液を再利用することが好ましい。
本発明の一態様において、該フィルタは、該磁力を発生させる電磁石を含み、該加工屑を捕獲する際には該磁力を発生し、捕獲した該加工屑を該フィルタから除去する際には該磁力を発生しないことが好ましい。
本発明の一態様に係るワイヤ放電加工装置は、被加工物から発生する加工屑を捕獲する加工屑捕獲ユニットを備え、この加工屑捕獲ユニットには、ワイヤの走行方向の下流側で加工屑を加工液とともに吸引する吸引部が設けられているので、ワイヤの走行及び吸引部の吸引によって発生する加工液の流れを利用して加工屑を適切に排出させるとともに、排出された加工屑を適切に捕獲、除去できる。
ワイヤ放電加工装置の構成例を模式的に示す図である。 加工屑捕獲ユニット等の配置を模式的に示す平面図である。 図3(A)は、フィルタの構成例を模式的に示す斜視図であり、図3(B)は、フィルタの構成例を模式的に示す一部断面側面図である。 図4(A)は、吸引用ノズルの構成例を模式的に示す底面図であり、図4(B)は、吸引用ノズルの構成例を模式的に示す一部断面側面図である。 図5(A)は、被加工物が放電加工される様子を模式的に示す平面図であり、図5(B)は、図5(A)の一部を拡大した拡大図である。 被加工物が放電加工される様子を模式的に示す側面図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。図1は、ワイヤ放電加工装置の構成例を模式的に示す図である。図1に示すように、ワイヤ放電加工装置(マルチワイヤ放電加工装置)2は、ワイヤ4が巻回された繰り出しボビン6を支持する円柱状の繰り出しローラー8を備えている。
繰り出しローラー8の上方には、巻き取りボビン10を支持する円柱状の巻き取りローラー12が配置されている。繰り出しボビン6から繰り出されたワイヤ4は、後述する放電加工に使用された後、巻き取りボビン10に巻き取られる。ワイヤ4は、例えば、直径が50μm〜200μm程度のピアノ線等を、黄銅やタングステン、モリブデン等の材料で被覆して形成されており、被加工物11の放電加工に必要な導電性を備えている。
繰り出しローラー8に隣接する位置には、繰り出しボビン6から繰り出されたワイヤ4を下流側に送る第1供給ローラー14、第2供給ローラー16、第3供給ローラー18、及び第4供給ローラー20が配置されている。また、第2供給ローラー16と第3供給ローラー18との間には、ワイヤ4の張力を調整する第1調整ローラー22が設けられている。
繰り出しボビン6から繰り出されたワイヤ4は、第1供給ローラー14、第2供給ローラー16、第1調整ローラー22、第3供給ローラー18、第4供給ローラー20の順に巻き掛けられて、下流側に送られる。
第4供給ローラー20の下方には、第4供給ローラー20から送られたワイヤ4を案内する円柱状の第1ガイドローラー24が配置されている。第4供給ローラー20から送られたワイヤ4は、第1ガイドローラー24に巻き掛けられて下方に案内される。この第1ガイドローラー24は、例えば、ワイヤ4の移動(走行)に合わせて回転する従動ローラーである。
第1ガイドローラー24の下方には、第1ガイドローラー24で案内されたワイヤ4を更に案内する円柱状の第2ガイドローラー26が配置されている。第1ガイドローラー24で案内されたワイヤ4は、第2ガイドローラー26に巻き掛けられて水平方向に案内される。この第2ガイドローラー26は、例えば、モーター等の回転駆動源に連結されワイヤ4を移動(走行)させる駆動ローラーである。
第2ガイドローラー26から水平方向に離れた位置には、第2ガイドローラー26で案内されたワイヤ4を更に案内する円柱状の第3ガイドローラー28が配置されている。第2ガイドローラー26で案内されたワイヤ4は、第3ガイドローラー28に巻き掛けられて上方に案内される。この第3ガイドローラー28は、例えば、ワイヤ4の移動(走行)に合わせて回転する従動ローラーである。また、第3ガイドローラー28によって上方に案内されたワイヤ4の一部は、被加工物11を加工する加工部4aとなる。
第3ガイドローラー28の上方には、第3ガイドローラー28で案内されたワイヤ4を更に案内する円柱状の第4ガイドローラー30が配置されている。第3ガイドローラー28で案内されたワイヤ4は、第4ガイドローラー30に巻き掛けられて水平方向に案内される。この第4ガイドローラー30は、例えば、モーター等の回転駆動源に連結されワイヤ4を移動(走行)させる駆動ローラーである。
第4ガイドローラー30で案内されたワイヤ4は、第1ガイドローラー24に再び巻き掛けられて第2ガイドローラー26に案内される。上述のように、第1ガイドローラー24には、既にワイヤ4が巻き掛けられているので、ここでは、第1ガイドローラー24の別の位置にワイヤ4が巻き掛けられる。具体的には、既に巻き掛けられているワイヤ4に対して第1ガイドローラー24の回転軸方向に所定の間隔をあけてワイヤ4が再度巻き掛けられる。
同様に、第1ガイドローラー24で案内されたワイヤ4は、第2ガイドローラー26に再び巻き掛けられて第3ガイドローラー28に案内される。また、第2ガイドローラー26で案内されたワイヤ4は、第3ガイドローラー28に再び巻き掛けられて第4ガイドローラー30に案内される。更に、第3ガイドローラー28で案内されたワイヤ4は、第4ガイドローラー30に再び巻き掛けられて第1ガイドローラー24に案内される。
第2ガイドローラー26、第3ガイドローラー28、及び第4ガイドローラー30にも既にワイヤ4が巻き掛けられているので、ここでも、第2ガイドローラー26、第3ガイドローラー28、又は第4ガイドローラー30の回転軸方向に所定の間隔をあけてワイヤ4が再度巻き掛けられる。第4ガイドローラー30で案内されたワイヤ4は、第1ガイドローラー24に更に巻き掛けられて第2ガイドローラー26に案内される。
このように、第1ガイドローラー24、第2ガイドローラー26、第3ガイドローラー28、及び第4ガイドローラー30(以下、ガイドローラー群)には、回転軸方向に所定の間隔をあけてワイヤ4が複数回巻き掛けられる。これにより、第3ガイドローラー28と第4ガイドローラー30との間には複数の加工部4aが並列されて、被加工物11から複数のウェーハを一度に切り出すことができる。
第3ガイドローラー28及び第4ガイドローラー30に巻き掛けられるワイヤ4の回転軸方向の間隔(すなわち、隣接する加工部4aの間隔)は、切り出されるウェーハの厚みに対応し、例えば、0.5mm〜1mmに設定される。ただし、ワイヤ4の回転軸方向の間隔(隣接する加工部4aの間隔)は、ウェーハの仕様等に応じて任意に変更できる。同様に、ワイヤ4を巻き掛ける回数は、被加工物11やウェーハの仕様等に応じて任意に設定される。
巻き取りローラー12に隣接する位置には、加工に使用されたワイヤ4を下流側に送る第5供給ローラー32、第6供給ローラー34、及び第7供給ローラー36が配置されている。また、第6供給ローラー34と第7供給ローラー36との間には、ワイヤ4の張力を調整する第2調整ローラー38が設けられている。
上述のようにガイドローラー群に複数回巻き掛けられたワイヤ4は、第1ガイドローラー24で鉛直方向に案内される。第1ガイドローラー24で案内されたワイヤ4は、第5供給ローラー32、第6供給ローラー34、第2調整ローラー38、第7供給ローラー36の順に巻き掛けられて、巻き取りボビン10で巻き取られる。
上述のように、第2ガイドローラー26及び第4ガイドローラー30には、モーター等の回転駆動源が連結されている。この回転駆動源で、第2ガイドローラー26及び第4ガイドローラー30を回転させれば、ワイヤ4は、所定の送り方向(走行方法)に送られる(走行する)。なお、回転駆動源は、例えば、繰り出しローラー8、巻き取りローラー12、第1調整ローラー22、第2調整ローラー38等に連結されていても良い。
加工部4aの側方には、被加工物11を固定する基台40が配置されている。基台40は、アーム状の本体42と、本体42の一端部に装着される固定部材44とを含む。被加工物11は、例えば、シリコンやSiC、ダイヤモンド(単結晶ダイヤモンド)等の材料で円柱状に形成されたインゴットであり、ワイヤ4(加工部4a)の送り方向に対して被加工物11の高さ方向(円柱の高さ方向、代表的には、結晶成長方向)が垂直になるように、導電性接着剤や半田等で固定部材44に接着される。ただし、被加工物11の種類等に特段の制限はない。
本体42の他端部には、基台40を水平方向に移動(加工送り)させる加工送り機構(加工送り手段)46が連結されている。この加工送り機構46で、基台40(被加工物11)とガイドローラー群(ワイヤ4)とを相対的に移動(加工送り)させることで、被加工物11に対してワイヤ4の加工部4aを切り込ませるように動かすことができる。
本体42には、放電加工用の高周波パルス電圧を発生する高周波パルス電源ユニット48の第1端子が接続されている。一方、第1ガイドローラー24と第4ガイドローラー30との間には、高周波パルス電源ユニット48の第2端子に接続された給電ローラー50が配置されている。この給電ローラー50は、第1ガイドローラー24と第4ガイドローラー30との間でワイヤ4に接触している。すなわち、ワイヤ4(加工部4a)には、高周波パルス電源ユニット50の第2端子が電気的に接続されている。
高周波パルス電源ユニット48は、例えば、高周波パルス電圧の発生を制御し、パルス幅や繰り返し周波数を調整するパルス調整部48aと、電圧を調整する電圧調整部48bと、を含んでいる。この高周波パルス電源ユニット48により、放電加工に必要なパルス電圧を発生できる。
第1端子に接続される基台40の本体42及び固定部材44は、例えば、カーボン、金属等の導電性材料(導電材)で構成され、被加工物11は、導電性接着剤や半田等で固定部材44に接着されている。また、給電ローラー50を介して第2端子に接続されるワイヤ4は、導電性を備えている。そのため、高周波パルス電源ユニット48で発生した高周波パルス電圧は、ワイヤ4(加工部4a)と被加工物11との間に印加される。
第2ガイドローラー26及び第3ガイドローラー28を囲む位置には、加工液槽52が配置されている。加工液槽52の内部には、純水等の加工液54が貯留されており、少なくとも、ワイヤ4の加工部4a、被加工物11、及び基台40の一部が加工液54に浸漬している。
また、加工液槽52の内部には、放電加工時に被加工物11から発生する加工屑を捕獲する加工屑捕獲ユニット(加工屑捕獲手段)56が配置されている。図2は、加工屑捕獲ユニット56等の配置を模式的に示す平面図である。図1及び図2に示すように、加工屑捕獲ユニット56は、加工液54中の加工屑等を捕獲する箱状のフィルタ(フィルタ部)58を有している。このフィルタ58は、例えば、他の構成要素と干渉しない加工液槽52の角部等に配置される。
フィルタ58の上部には、樹脂等の材料でなるチューブ(ホース)60の一端側が接続されている。チューブ60の他端側には、加工液54とともに加工屑等を吸引する吸引用ノズル(吸引部)62が設けられている。この吸引用ノズル62は、被加工物11に対してワイヤ4(加工部4a)が作用する加工点の近傍から加工屑等を除去できるように、加工部4a及び被加工物11の近傍に配置される。
図3(A)は、フィルタ58の構成例を模式的に示す斜視図であり、図3(B)は、フィルタ58の構成例を模式的に示す一部断面側面図である。図3(A)及び図3(B)に示すように、フィルタ58は、中空構造を持つ筐体64と、筐体64の内壁面に固定された磁石66とを含む。この磁石66から発生する磁力によって、加工屑等はフィルタ58に捕獲される。加工屑等が捕獲される原理については後述する。
フィルタ58の内部には、プロペラ(ファン)等でなる循環機構68が配置されている。この循環機構68によって、フィルタ58の上部に接続されたチューブ60からフィルタ58の下部側面に形成された開口58aへと向かう加工液54の流れが形成される。フィルタ58を通じて加工屑等が除去された加工液54は、開口58aを介して加工液槽52に供給され、再利用される。
図4(A)は、吸引用ノズル62の構成例を模式的に示す底面図であり、図4(B)は、吸引用ノズル62の構成例を模式的に示す一部断面側面図である。図4(A)及び図4(B)に示すように、吸引用ノズル62は、縦長(横長)に形成されたノズル本体70と、ノズル本体70の内壁面に固定された磁石72とを含む。また、吸引用ノズル62の底面側には、加工液54や加工屑等を吸引するための吸引口62aが形成されている。
この吸引口62は、例えば、長手方向の長さが、被加工物11の高さ方向(円柱の高さ方向)の長さよりも長くなるように形成されている。そのため、図2に示すように、吸引口62a(吸引ノズル62)の長手方向を被加工物11の高さ方向に合わせて配置すれば、被加工物11の全体で加工液54や加工屑等を適切に吸引できる。なお、この吸引用ノズル62には、吸引力を補強する磁石72を設けているが、この磁石72は省略されても良い。
図1に示すように、吸引用ノズル62は、吸引口62aがワイヤ4の送り方向(走行方向)の上流側(本実施形態では、下側)を向いた状態で加工部4aの下流側に位置付けられる。すなわち、吸引用ノズル62は、第3ガイドローラー28と第4ガイドローラー30との中間点より第4ガイドローラー30側(本実施形態では、上側)の位置に配置される。これにより、ワイヤ4(加工部4a)の送り(走行)及び吸引用ノズル62による吸引で発生する加工液54の流れを利用して、加工点の近傍から加工屑等を除去できる。
また、この吸引用ノズル62は、加工点の近傍に配置されることが望ましい。具体的には、被加工物11に対して加工部4aを切り込ませる際に被加工物11と干渉しない範囲で、できるだけ被加工物11の近くに吸引用ノズル62を配置すると良い。より具体的には、例えば、被加工物11の下流側の端(本実施形態絵は、上端)からワイヤ4(加工部4a)の送り方向に0mm〜20mm(代表的には、5mm)離れた位置に吸引用ノズル62(吸引口62a)を固定する。これにより、加工点で発生する加工屑等を確実に捕獲、除去できる。
なお、この吸引ノズル62は、ワイヤ4の送り方向(本実施形態では、上下方向)に沿って移動できるように構成されても良い。具体的には、例えば、吸引ノズル62を移動させる移動機構を更に設ける。この場合、被加工物11に対する加工部4aの切り込み量に応じて吸引ノズル62を移動させ、吸引ノズル62と加工点との距離を所定の範囲(例えば、0mm〜20mm)に維持することで、加工点で発生する加工屑等をより確実に捕獲、除去できる。
このように構成された加工屑捕獲ユニット56の動作は、例えば、制御ユニット(制御手段)74(図1)で制御される。なお、制御ユニット74は、第2ガイドローラー26及び第4ガイドローラー30を回転させる回転駆動源や、加工送り機構46、高周波パルス電源ユニット48等にも接続されており、各構成要素の動作を制御する。
次に、上述したワイヤ放電加工装置2を用いる被加工物11の放電加工方法について説明する。図5(A)は、被加工物11が放電加工される様子を模式的に示す平面図であり、図5(B)は、図5(A)の一部を拡大した拡大図であり、図6は、被加工物11が放電加工される様子を模式的に示す側面図である。
被加工物11を放電加工する際には、まず、高周波パルス電源ユニット48でワイヤ4(加工部4a)と基台40(被加工物11)との間に高周波パルス電圧を印加する。また、ガイドローラー群等を回転させて、図6に示すように、ワイヤ4を所定の送り方向に送る(走行させる)。
次に、ワイヤ4(加工部4a)が被加工物11に切り込むように、移動機構46で被加工物11を水平方向に移動(加工送り)させる。加工液54中で絶縁状態にある被加工物11とワイヤ4の加工部4aとが十分に近づくと、加工液54による絶縁が破壊されて被加工物11と加工部4aとの間で放電が生じる。
その結果、放電に伴う熱で被加工物11の加工部4aに近接する部分が溶融される。また、加工液54の温度が急激に上昇して沸騰し、体積が膨張して被加工物11の溶融した部分を飛散(拡散)させる。このように、ワイヤ4(加工部4a)と基台40(被加工物11)との間に高周波パルス電圧を供給しながら被加工物11を水平方向に移動させることで、被加工物11に対する加工部4aの移動経路に応じた溝11aを形成できる。
被加工物11の水平方向への移動は、ワイヤ4の加工部4aによって形成される溝11aで被加工物11が完全に切断されるまで続けられる。以上により、被加工物11から複数のウェーハを同時に切り出すことができる。
この放電加工の際には、図5(B)に示すように、被加工物11から加工屑11bが発生し、また、ワイヤ4の一部4bが剥離される。加工屑11bやワイヤ4の一部4b(以下、加工屑11b等)を加工液54中に放置すると、被加工物11の加工精度が低下したり、ワイヤ4が切れ易くなったりしてしまう。
そこで、本実施形態では、加工屑捕獲ユニット56を用いて、加工液54中の加工屑11b等を捕獲する。上述のように、加工屑捕獲ユニット56の吸引ノズル62は、加工屑11b等の吸引に適した位置に配置されている。そのため、加工屑捕獲ユニット56内の循環機構68で加工液54の流れを発生させれば、この加工液54とともに加工屑11b等を吸引ノズル62で吸引できる。吸引ノズル62で吸引された加工屑11b等は、チューブ60を通じてフィルタ58に送られる。
上述のように、フィルタ58には、磁力を発生させる磁石66が設けられている。また、ワイヤ4を構成するピアノ線等は、炭素鋼等の強磁性材料を含んでいる。よって、剥離されたワイヤ4の一部4bは、磁石66の磁力で引き寄せられてフィルタ58に捕獲される。
これに対して、被加工物11から発生する加工屑11bは、必ずしも強磁性材料を含んでいない。しかしながら、これらの加工屑11bの大部分も、剥離されたワイヤ4の一部4bに巻き込まれる形でフィルタ58に捕獲される。つまり、加工屑11bは、剥離されたワイヤ4の一部4bとともに磁力で捕獲される。このように、磁石66の磁力によって加工屑11b等を捕獲することで、加工屑11b等が分離された加工液54を加工液槽54に供給できる。
ここで、磁石66としては、永久磁石、電磁石のいずれを用いることもできる。磁石66として電磁石を用いる場合には、加工屑11b等を捕獲する際に電流を流して磁力を発生させることになる。一方、加工屑11b等をフィルタ58から除去するメンテナンス(清掃)作業等の際には、電流を止めて磁力の発生を停止させればよい。これにより、磁石66から加工屑11b等を容易に除去できる。
なお、吸引ノズル62に設けられた磁石72は、加工点の近傍に磁力を作用させて加工屑11b等を吸引口62aに引き寄せる機能を有している。この磁石72としては、電磁石を用いることが好ましい。例えば、電磁石で断続的な磁力を発生させることによって、磁石72への加工屑11b等の付着を抑制しながら吸引ノズル62の吸引力を補強できる。もちろん、この磁石72として、永久磁石を用いても良い。
以上のように、本実施形態に係るワイヤ放電加工装置2は、被加工物11から発生する加工屑11b等を捕獲する加工屑捕獲ユニット56を備え、この加工屑捕獲ユニット56には、ワイヤ4の送り方向(走行方向)の下流側で加工屑11b等を加工液54とともに吸引する吸引ノズル(吸引部)62が設けられているので、ワイヤ4の送り(走行)及び吸引ノズル62の吸引によって発生する加工液54の流れを利用して加工屑11b等を適切に溝11b外に排出させるとともに、排出された加工屑11b等を適切に捕獲、除去できる。
また、本実施形態に係るワイヤ放電加工装置2は、加工屑11b等を磁力で捕獲するフィルタ58を備えた加工屑捕獲ユニット56を用いており、後のメンテナンス(清掃)によってフィルタ58から加工屑11b等を除去できる。よって、フィルタとして消耗品を用いる場合等に比べて、運用に係るコストを低く抑えることができる。磁石66として電磁石を用いる場合には、更にメンテナンス(清掃)が容易である。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、フィルタ58や吸引ノズル62の内側に磁石66,72を設けているが、フィルタ58や吸引ノズル62の外側に磁石を設けることもできる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 ワイヤ放電加工装置(マルチワイヤ放電加工装置)
4 ワイヤ
4a 加工部
4b 一部
6 繰り出しボビン
8 繰り出しローラー
10 巻き取りボビン
12 巻き取りローラー
14 第1供給ローラー
16 第2供給ローラー
18 第3供給ローラー
20 第4供給ローラー
22 第1調整ローラー
24 第1ガイドローラー(ガイドローラー群)
26 第2ガイドローラー(ガイドローラー群)
28 第3ガイドローラー(ガイドローラー群)
30 第4ガイドローラー(ガイドローラー群)
32 第5供給ローラー
34 第6供給ローラー
36 第7供給ローラー
38 第2調整ローラー
40 基台
42 本体
44 固定部材
46 加工送り機構(加工送り手段)
48 高周波パルス電源ユニット
48a パルス調整部
48b 電圧調整部
50 給電ローラー
52 加工液槽
54 加工液
56 加工屑捕獲ユニット(加工屑捕獲手段)
58 フィルタ(フィルタ部)
58a 開口
60 チューブ(ホース)
62 吸引用ノズル(吸引部)
62a 吸引口
64 筐体
66 磁石
68 循環機構
70 ノズル本体
72 磁石
74 制御ユニット(制御手段)
11 被加工物
11a 溝
11b 加工屑

Claims (3)

  1. 導電性を有するワイヤが並列するように複数回巻き掛けられ、該ワイヤの走行に合わせて回転する複数のガイドローラーと、
    導電材で形成され、被加工物を固定する基台と、
    該複数のガイドローラーと該基台とを相対的に移動させて、該基台に固定された被加工物に対して該ワイヤの並列する加工部を加工送りする加工送り機構と、
    被加工物及び該加工部を浸漬するための加工液が貯留される加工液槽と、
    該加工部と該基台との間に高周波パルス電圧を印可する高周波パルス電源ユニットと、
    各構成要素を制御する制御ユニットと、
    該高周波パルス電圧を印加しながら該ワイヤを走行させるとともに、該加工液に浸漬した被加工物に対して該加工液に浸漬した該加工部を加工送りする放電加工の際に、被加工物から発生する加工屑を捕獲する加工屑捕獲ユニットと、を備え、
    該加工屑捕獲ユニットは、該ワイヤの走行方向の下流側で該加工屑を該加工液とともに吸引する吸引部を有することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 該加工屑捕獲ユニットは、該放電加工の際に剥離する該ワイヤの一部とともに該加工屑を磁力で捕獲するフィルタを更に有し、
    該吸引部で吸引された該加工屑を含む該加工液から該フィルタで該加工屑を分離し、得られる該加工液を再利用することを特徴とする請求項1記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 該フィルタは、該磁力を発生させる電磁石を含み、該加工屑を捕獲する際には該磁力を発生し、捕獲した該加工屑を該フィルタから除去する際には該磁力を発生しないことを特徴とする請求項2記載のワイヤ放電加工装置。
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