JP6071417B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動分析装置に関する。
血清、血球、尿、骨髄等の生体試料を検体とし、当該検体を試薬と反応させ、糖やコレステロール、タンパク、酵素などの各種成分の分析を行う自動分析装置が知られている。
例えば、特許文献1には、サンプルターンテーブルにセットされた各試料容器から各生体試料をサンプル希釈ピペット(プローブ)により希釈ターンテーブルにセットされた各希釈容器にそれぞれ分注するとともに、各希釈容器にそれぞれ希釈液を注入して各生体試料を所定の割合に希釈し、各希釈容器から希釈された生体試料をサンプリングピペットにより反応ターンテーブルにセットされた各反応容器にそれぞれ分注し、この各反応容器にそれぞれ複数の試薬ディスクから試薬ピペットにより吸い込んだ試薬を添加して各生体試料を複数項目について分析する生化学自動分析装置が開示されている。
特開平10−62435号公報
このような自動分析装置では、ユーザーが、サンプルターンテーブルに架設された試料容器を取り出し、新たな試料が収容された試料容器を架設するためには、サンプルターンテーブルの動作を停止する、すなわち、分析を中断する必要があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、分析を行いつつ、試料の交換が可能な自動分析装置を提供することができる。
(1)本発明に係る自動分析装置は、
試料が収容される複数の試料容器が環状に配置されるターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転させるターンテーブル駆動部と、
前記試料を採取し、採取した前記試料を反応容器に分注するプローブと、
前記プローブを移動させるプローブ駆動部と、
前記反応容器に収容された前記試料の測定を行う測定部と、
前記ターンテーブル駆動部、および前記プローブ駆動部を制御する制御部と、
を含み、
前記プローブの移動範囲には、前記ターンテーブルに配置された前記複数の試料容器の一部である2つ以上の試料容器が位置し、
前記制御部は、
前記ターンテーブル駆動部を制御して、前記ターンテーブルを停止させる第1処理と、
前記ターンテーブルを停止させている間に、前記プローブ駆動部を制御して、前記プロ
ーブの移動範囲に位置している前記2つ以上の試料容器の内の少なくとも一部(但し、2つ以上)に対して、前記試料を採取し、採取した前記試料を前記反応容器に分注できるように前記プローブを移動させる第2処理と、
を行い、
前記プローブは、アーム部および前記アーム部の回転軸となる軸が設けられた軸部を介して支持部によって支持されており、
前記プローブ駆動部は、
前記プローブを、前記ターンテーブルの回転軸に平行な第1軸に沿って移動させる第1プローブ駆動部と、
前記アーム部を前記軸部に設けられた軸を回転軸として回転させることにより、前記プローブを前記第1軸に平行な軸まわりに回転させる第2プローブ駆動部と、
前記支持部を前記第1軸と交差する第2軸に沿って設けられた搬送レーン上で移動させることにより、前記プローブを前記第2軸に沿って移動させる第3プローブ駆動部と、
を有している
このような自動分析装置によれば、ターンテーブルが停止している状態で、プローブの移動範囲内に位置している2つ以上の試料容器に収容されている試料の採取、分注を行うことができる。このように、2以上の試料に対して、試料の採取、分注が行われている間であっても、サンプルターンテーブルが停止しているため、プローブの移動範囲の外にある試料の交換を行うことができる。すなわち、プローブの移動範囲内において試料の採取、分注を行いつつ、プローブの移動範囲の外において、試料の交換を行うことができる。したがって、このような自動分析装置によれば、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。
また、このような自動分析装置によれば、プローブの移動範囲内に2つ以上の試料容器を位置させることができる。
)本発明に係る自動分析装置において、
前記プローブの移動範囲を覆うカバー部を含んでいてもよい。
このような自動分析装置によれば、ユーザーが、試料の交換の際に、手を入れられる範囲を認識することができる。
)本発明に係る自動分析装置において、
前記制御部は、第1動作モードと第2動作モードと、を有し、
前記第1動作モードでは、
前記ターンテーブル駆動部を制御して、前記ターンテーブルを回転させ、前記ターンテーブルに配置された前記複数の試料容器のうちの1つの試料容器を第1位置に位置させる処理と、
前記プローブ駆動部を制御して、前記第1位置に位置している前記1つの試料容器に対して、前記試料を採取し、採取した前記試料を前記反応容器に分注できるように前記プローブを移動させる処理と、
を行い、
前記第2動作モードでは、前記第1処理および前記第2処理を行ってもよい。
このような自動分析装置によれば、第1動作モードでは、プローブの動作を少なくして効率よく分析を行い、第2動作モードでは、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。したがって、このような自動分析装置によれば、効率よく分析を行うことができる。
)本発明に係る自動分析装置において、
前記第1動作モードと前記第2動作モードとを切り替えるための信号を前記制御部に入力するための入力部を含み、
前記制御部は、前記信号に基づいて、前記第1動作モードと前記第2動作モードとを切り替えてもよい。
このような自動分析装置によれば、ユーザーが容易に動作モードを切り替えることができる。
)本発明に係る自動分析装置において、
前記制御部は、前記ターンテーブル駆動部を制御して、前記ターンテーブルを回転させ、前記プローブの移動範囲内に位置している前記2つ以上の試料容器の少なくとも一部を、前記プローブの移動範囲の外に移動させる処理を行ってもよい。
このような自動分析装置によれば、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。
)本発明に係る自動分析装置において、
前記プローブのノズルチップを収納するチップ収納部を含み、
前記チップ収納部は、前記プローブの移動範囲内に設けられていてもよい。
このような自動分析装置によれば、ノズルチップの交換を自動化することができる。
第1実施形態に係る自動分析装置の構成を説明するための図。 第1実施形態に係る自動分析装置の構成を説明するための図。 第1実施形態に係るターンテーブルを模式的に示す図。 第1実施形態に係る自動分析装置の動作の一例を示すフローチャート。 第1実施形態の第1変形例に係る自動分析装置の構成を説明するための図。 第1実施形態の第1変形例に係る自動分析装置の構成を説明するための図。 第1実施形態の第2変形例に係る自動分析装置の構成を説明するための図。 第2実施形態に係る自動分析装置の構成を説明するための図。 第2実施形態に係るターンテーブルを模式的に示す図。 第2実施形態に係る自動分析装置の動作の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 自動分析装置の構成
まず、第1実施形態に係る自動分析装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1および図2は、第1実施形態に係る自動分析装置100の構成を説明するための図
である。図1および図2には、互いに直交する軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
自動分析装置100は、図1および図2に示すように、複数の試料容器2が配置(架設)されるサンプルターンテーブル10と、ターンテーブル駆動部12と、プローブ22およびプローブ駆動部24を有する分注部20と、測定部30と、制御部42を有する処理部40と、を含む。自動分析装置100は、さらに、記憶部44と、情報記憶媒体45と、表示部46と、操作部48と、電源50と、ドライバー52,54,56,58と、複数の反応容器4が配置された反応ターンテーブル60と、バーコードリーダー70と、入力部80と、カバー部90と、を含んで構成されている。
サンプルターンテーブル10には、複数の試料容器2が環状に配置されている。試料容器2は、検体、測定部30のキャリブレーションを行うためのキャリブレーター、精度を管理するためのコントロール血清等の試料を収容することができる。検体は、例えば、血清、血球、尿、骨髄などの生体試料である。試料容器2は、図示の例では、円形状のサンプルターンテーブル10の外周に沿って複数配置されている。サンプルターンテーブル10に配置される試料容器2の数は、図示の例では、14個であるが、その数は特に限定されず必要に応じて適宜増減させることができる。試料容器2には、対象となる試料容器2を他の試料容器2と識別するためのバーコードラベル(図示せず)が付されている。
サンプルターンテーブル10は、サンプルターンテーブル10の中心に設けられた回転軸S1(図1参照)を軸として、回転可能に設けられている。回転軸S1は、Z軸に平行な軸である。
図3は、サンプルターンテーブル10を模式的に示す図である。なお、図3では、サンプルターンテーブル10をZ軸方向からみている。また、図3では、便宜上、反応ターンテーブル60の図示を省略している。図3の例では、サンプルターンテーブル10において、複数の試料容器2は、それぞれ位置P1〜P14に位置している。試料容器2は、サンプルターンテーブル10に、等間隔に配置されている。サンプルターンテーブル10は、図示の例では、右回りに回転する。試料容器2は、サンプルターンテーブル10の回転に伴って、位置を移動する。なお、サンプルターンテーブル10の回転方向は、特に限定されない。
サンプルターンテーブル10は、プローブ22の移動範囲A内に、サンプルターンテーブル10に配置される複数の試料容器2の一部である2つ以上の試料容器2が位置するように設けられている。図示の例では、サンプルターンテーブル10は、プローブ22の移動範囲A内に、サンプルターンテーブル10に配置される14個の試料容器2の一部である7個の試料容器2が位置するように設けられている。ここでは、位置P1〜P7に位置している試料容器2が、移動範囲A内に位置するように設けられている。プローブ22の移動範囲A内に位置している試料容器2の数は、例えば、サンプルターンテーブル10に配置されている試料容器2の数の半分である。
ここで、プローブ22の移動範囲Aとは、プローブ22が移動できる範囲をいい、プローブ22が試料を採取し、採取した試料を分注することができる範囲をいう。すなわち、プローブ22は、移動範囲A内に位置している試料容器2に対して、試料を採取したり、試料を分注したりすることができる。プローブ22は、プローブ22の移動範囲Aの外には、移動することができない。図示の例では、プローブ22の移動範囲Aは、図2に示すように、平面視において(Z軸方向からみて)、互いに等しい長さを持つ平行線と2つの半円からなる角丸長方形内の領域である。
ターンテーブル駆動部12は、サンプルターンテーブル10を回転させることができる。ターンテーブル駆動部12は、例えば、モーターを含んで構成されている。ターンテーブル駆動部12は、制御部42によって制御されている。図示の例では、制御部42が、ドライバー52に制御信号を送り、ドライバー52が当該制御信号を受けてターンテーブル駆動部12に駆動電流を供給する。ドライバー52は、電源50からの電流を、当該制御信号に応じて、ターンテーブル駆動部12に供給する。
分注部20は、プローブ22と、プローブ駆動部24と、アーム部26と、軸部27と、支持部28と、を含んで構成されている。
プローブ22は、試料容器2から試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注することができる。プローブ22は、例えば、試料容器2から試料を吸引することによって試料を採取する。また、プローブ22は、例えば、採取した試料を反応容器4に吐出することで、試料を反応容器4に分注する。このプローブ22の動作は、制御部42によって、制御されている。
プローブ22は、ノズルチップ22aと、ノズルチップ保持部22bと、を含んで構成されている。ノズルチップ22aは、試料容器2内の検体を吸引および吐出するためのノズルを構成している。ノズルチップ22aは、例えば、ポンプ(図示せず)に接続されている。ノズルチップ22aは、例えば、試料の採取、分注ごとに交換される。なお、ノズルチップ22aは、試料の採取、分注ごとに洗浄されてもよい。ノズルチップ保持部22bは、ノズルチップ22aを着脱可能に保持している。ノズルチップ保持部22bは、アーム部26に固定されている。
アーム部26は、軸部27に設けられた軸S2を回転軸として、回転するように構成されている。軸S2は、Z軸に平行である。アーム部26が回転することにより、プローブ22が軸S2をまわりを回転する。支持部28は、軸部27およびアーム部26を介して、プローブ22を支持している。
プローブ駆動部24は、プローブ22を移動させることができる。プローブ駆動部24によって、プローブ22は、移動範囲A内を移動することができる。プローブ駆動部24は、Z軸駆動部(第1プローブ駆動部)24aと、θ軸駆動部(第2プローブ駆動部)24bと、X軸駆動部(第3プローブ駆動部)24cと、を含んで構成されている。
Z軸駆動部24aは、プローブ22をZ軸に沿って(Z軸方向に)移動させることができる。図示の例では、Z軸駆動部24aは、アーム部26をZ軸に沿って移動させることで、プローブ22をZ軸に沿って移動させている。Z軸駆動部24aは、例えば、モーターを含んで構成されている。Z軸駆動部24aは、制御部42によって制御されている。図示の例では、制御部42が、ドライバー54に制御信号を送り、ドライバー54は、当該制御信号を受けてZ軸駆動部24aに駆動電流を供給する。ドライバー54は、電源50からの電流を、当該制御信号に応じて、Z軸駆動部24aに供給する。
θ軸駆動部24bは、プローブ22を軸S2まわりに回転させることができる。図示の例では、θ軸駆動部24bは、アーム部26を、軸S2を回転軸として回転させることにより、プローブ22を、軸S2まわりに回転させることができる。θ軸駆動部24bは、例えば、モーターを含んで構成されている。θ軸駆動部24bは、制御部42によって制御されている。図示の例では、制御部42は、ドライバー56に制御信号を送り、ドライバー56は、当該制御信号を受けてθ軸駆動部24bに駆動電流を供給する。ドライバー56は、電源50からの電流を、当該制御信号に応じて、θ軸駆動部24bに供給する。
X軸駆動部24cは、プローブ22をX軸に沿って(X軸方向に)移動させることができる。図示の例では、X軸駆動部24cは、支持部28を搬送レーン29上で移動させることにより、プローブ22を、X軸に沿って移動させることができる。搬送レーン29は、X軸に沿って(X軸に平行に)設けられている。X軸駆動部24cは、例えば、モーターを含んで構成されている。X軸駆動部24cは、制御部42によって制御されている。図示の例では、制御部42は、ドライバー58に制御信号を送り、ドライバー58は、当該制御信号を受けてX軸駆動部24cに駆動電流を供給する。ドライバー58は、電源50からの電流を、当該制御信号に応じて、X軸駆動部24cに供給する。
測定部30は、反応容器4に収容された試料の測定を行う。測定部30は、例えば、反応容器4内に収容された、試薬と試料とを反応させた反応検体に対して、糖やコレステロール、タンパク、酵素などの各種成分の測定を行う。測定部30が、測定を行う位置は、反応ターンテーブル60の任意の位置に設定することができる。測定部30は、例えば、光を測定物(反応検体)に当てて通過させ、その透過光量を電気的に検出する分光器を備えている。測定結果のデータは、A/D変換器(アナログ・デジタル変換器)によって数値化され、処理部40で演算し結果が出力される。
反応ターンテーブル60には、図2に示すように、複数の反応容器4が環状に配置されている。反応容器4は、例えば、試料と試薬とを反応させるための容器である。反応ターンテーブル60の周囲には、測定部30、反応容器4に試薬を供給するための分注装置(図示せず)、試料と試薬とを攪拌するための撹拌装置(図示せず)等が配置されている。反応ターンテーブル60は、反応ターンテーブル60の中心に設けられた回転軸を軸として、回転可能に設けられている。自動分析装置100には、反応ターンテーブル60を回転させるための反応ターンテーブル駆動部(図示せず)が設けられていてもよい。
バーコードリーダー70は、試料容器2に付された識別用のバーコード(図示せず)を読み取る機能を有する。図3の例では、バーコードリーダー70のバーコード読み取り位置は、位置P7である。すなわち、バーコードリーダー70は、位置P7に位置している試料容器2のバーコードを読み取ることができる。バーコードリーダー70によって読み取られた試料容器2の識別情報は、処理部40に送られ、記憶部44に記憶される。
入力部80は、制御部42のモードを切り替えるための信号(モード切替信号)を入力するためのものである。入力部80は、例えば、自動分析装置100の筐体1に設けられたボタンを有しており、ユーザーがボタンを押すことにより、モードを切り替えるための信号を制御部42に送ることができる。入力部80を操作することによって、ユーザーは、制御部42を、第1動作モードから第2動作モードに切り替えたり、第2動作モードから第1動作モードに切り替えたりすることができる。ユーザーは、例えば、試料の交換が必要となると、第1動作モードから第2動作モードに切り替え、試料の交換が終わると、第2動作モードから第1動作モードに切り替える。なお、第1動作モードおよび第2動作モードについては後述する。
カバー部90は、プローブ22の移動範囲Aを覆うように設けられている。カバー部90は、プローブ22の移動範囲Aの上方に設けられている。カバー部90は、ユーザーがプローブ22に触れることを防ぐことができる。カバー部90によって、ユーザーがプローブ22の移動範囲Aを認識することができる。
表示部46は、処理部40によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部46は、例えば、測定結果を表示することができる。
操作部48は、ユーザーが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部40に出力する。操作部48の機能は、キーボード、マウス、タッチパネル型ディスプレイなどのハードウェアにより実現することができる。
記憶部44は、処理部40のワーク領域となるもので、その機能はRAMなどにより実現できる。記憶部44には、試料容器2の識別情報、試料容器2に収容された試料の試料(検体)情報、試料の測定結果等が記憶される。
情報記憶媒体(コンピュータにより読み取り可能な媒体)45は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。情報記憶媒体45には、処理部40の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラムが記憶される。処理部40は、情報記憶媒体45に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
処理部40は、操作部48からの操作データやプログラムなどに基づいて、各種処理などを行う。処理部40は記憶部44をワーク領域として各種処理を行う。処理部40の機能は各種プロセッサー(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、アプリケーションプログラム、OS(例えば汎用OS等)により実現できる。
処理部40は、制御部42を含む。
制御部42は、ターンテーブル駆動部12、およびプローブ駆動部24を制御する処理を行う。さらに、制御部42は、プローブ22の吸引、吐出を制御する処理を行うことができる。制御部42は、第1動作モードと、第2動作モードと、を有している。
第1動作モードでは、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を回転させ、サンプルターンテーブル10に配置された複数の試料容器2のうちの1つの試料容器2を第1位置P1に位置させる処理を行う。また、制御部42は、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22を、第1位置P1に位置している試料容器2に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行う。
すなわち、第1動作モードでは、サンプルターンテーブル10を回転させることによって、位置P1に試料容器2を位置させ、プローブ22は、位置P1に位置している試料容器2から試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注する。この動作を繰り返して、複数の試料に対して、採取、分注を行う。
第2動作モードでは、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる処理(第1処理)を行う。また、制御部42は、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲A内に位置している2つ以上の試料容器2の少なくとも一部に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理(第2処理)を行う。
すなわち、第2動作モードでは、サンプルターンテーブル10が停止している状態で、プローブ22の移動範囲A内に位置している2つ以上の試料容器2に収容されている試料の採取、分注を行うことができる。したがって、第2動作モードでは、2以上の試料に対して、試料の採取、分注が行われている間であっても、サンプルターンテーブル10が停
止しているため、プローブ22の移動範囲Aの外にある試料容器2の交換を行うことができる。すなわち、第2動作モードでは、移動範囲A内において試料の採取、分注を行いつつ、移動範囲Aの外において、試料の交換を行うことができる。
1.2. 自動分析装置の動作
次に、第1実施形態に係る自動分析装置100の動作について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る自動分析装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザーが、サンプルターンテーブル10に検体(試料容器2)を架設する。検体の架設が終わると、ユーザーは、自動分析装置100に分析開始指示を出す。例えば、ユーザーが操作部48を操作することにより、分析開始指示情報が処理部40に入力される。分析開始指示を受けて、制御部42は、分析動作を開始する。
分析開始指示を受けて、制御部42が、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を1周以上回転させる処理を行う。このとき、バーコードリーダー70は、サンプルターンテーブル10に架設されているすべての試料容器2のバーコードを読み取る(ステップS10)。バーコードを読み取ることで得られた各試料容器2の識別情報は、処理部40に送られ、記憶部44に記憶される。
次に、処理部40が、各試料容器2に収容されている検体の検体情報と、各試料容器2の位置情報を関連づける。この情報は、記憶部44に記憶される(ステップS11)。なお、検体の検体情報は、あらかじめ、記憶部44に記憶されていてもよいし、臨床検査情報システム(LIS)や検査自動化システム(LAS)に問い合わせることで取得してもよい。検体(試料)情報には、分析の優先度、測定に必要な依頼項目、検体種別(血清、尿等)、患者属性等が含まれる。また、試料容器2の位置情報とは、例えば、サンプルターンテーブル10での試料容器2の並びの順番である。
次に、処理部40は、検体の検体情報に基づいて、検体を採取、分注を行う順番を決定する処理を行う。処理部40は、例えば、分析の優先度が高い検体に対しては採取、分注を行う順番を早くする。処理部40は、優先度が高い検体がない場合、位置P1に位置している試料容器2から左回りの並び順(位置P1、P2、P3、・・・、P14の順)に優先度が高いものとして、順番を決定する。位置P1は、第1動作モードにおける検体の採取(サンプリング)位置である。
次に、処理部40が、動作モードの切替指示があったか否かを判定する(ステップS12)。ここで、制御部42は、分析開始指示を受けると、まず、第1動作モードで動作する。ユーザーが、入力部80を操作して動作モードの切替指示を入力した場合(ステップS12でYESの場合)、制御部42にモード切替信号が送られ、制御部42は第1動作モードから第2動作モードに切り替える。ユーザーが、入力部80を操作しなかった場合、すなわち、動作モードの切替指示がなかった場合(ステップS12でNOの場合)、制御部42は、モードの切り替えを行わずに、第1動作モードで動作する。
ここで、動作モードの切替指示がなかった場合(ステップS12でNOの場合)、上述したように、制御部42が、第1動作モードで動作する。
第1動作モードでは、具体的には、まず、制御部42が、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を回転させ、優先度が最も高い検体が収容された試料容器2を、位置P1(第1動作モードにおけるサンプリング位置)に移動させる処理を行う(ステップS13)。
次に、制御部42が、プローブ駆動部24を制御して、位置P1に位置している試料容器2に対して、検体を採取し、採取した検体を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行う(ステップS14)。これにより、プローブ22は、位置P1に位置している試料容器2から検体を採取し、反応容器4に分注することができる(サンプリング)。反応容器4に移された検体は、測定部30によって、測定が行われる。測定部30は、測定結果を処理部40に送る。測定結果は、記憶部44に記憶される。
次に、処理部40が、サンプルターンテーブル10に測定が行われていない検体があるか、否かの判定を行う(ステップS15)。処理部40は、記憶部44に記憶されている測定結果に基づいて、判定を行う。
処理部40が、測定が行われていない検体があると判定した場合(ステップS15でYESの場合)、ステップS12に戻って、ステップS13、ステップS14、ステップS15の処理を行う。処理部40は、測定が行われていない検体がある場合、動作モードの切替指示があるまで(ステップS12でYESとなるまで)、ステップS12、ステップS13、ステップS14、ステップS15の処理を繰り返し行う。
ここで、ステップS12において、動作モードの切替指示があった場合(ステップS12でYESの場合)、制御部42は、第2動作モードで動作する。
第2動作モードでは、具体的には、まず、制御部42が、入力部80からのモード選択信号を受けて、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる処理を行う(ステップS16)。
サンプルターンテーブル10が停止すると、処理部40が、ユーザーに検体の交換が可能になった旨を通知する。例えば、処理部40は、検体の交換が可能になった旨を、表示部46に表示する。
なお、ステップS16でサンプルターンテーブル10を停止させた後は、動作モードが第1動作モードに切り替えられるまで、サンプルターンテーブル10は動作(回転)しない。
次に、処理部40が、プローブ22の移動範囲A内に測定が行われていない検体があるか否かの判定を行う(ステップS17)。
ここで、移動範囲A内に測定が行われていない検体があると判定された場合(ステップS17でYESの場合)、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、制御部42が、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲A内に位置している試料容器2のうち、優先度が高い検体を収容している試料容器2に対して、検体を採取し、採取した検体を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行う(ステップS18)。
より具体的には、制御部42が、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲A内に位置している試料容器2のうち、優先度が高い検体が収容されている試料容器2から検体を採取できる位置にプローブ22を移動させる処理を行う。そして、プローブ22が検体を採取すると、制御部42が、プローブ駆動部24を制御して、反応容器4に検体を分注することができる位置までプローブ22を移動させる。これにより、プローブ22は、試料容器2から検体を採取し、反応容器4に分注することができる(ステップS19)。
反応容器4に移された検体は、測定部30によって、測定が行われる。測定部30は、測定結果を処理部40に送る。測定結果は、記憶部44に記憶される。
次に、処理部40が、動作モードの切替指示があったか否かを判定する(ステップS20)。ユーザーが、入力部80を操作して動作モードの切替指示を入力した場合(ステップS20でYESの場合)、制御部42にモード切替信号が送られ、制御部42は第2動作モードから第1動作モードに切り替えられる。ユーザーが、入力部80を操作しなかった場合、すなわち、動作モードの切替指示がなかった場合(ステップS20でNOの場合)、制御部42は、モードの切り替えを行わずに、第2動作モードで動作する。
ここで、動作モードの切替指示がなかった場合(ステップS20でNOの場合)、ステップS17に戻って、ステップS18、ステップS19、ステップS20の処理を行う。処理部40は、測定が行われていない検体がある場合、ステップS20において動作モードの切替指示があるまで、ステップS17、ステップS18、ステップS19、ステップS20の処理を繰り返し行う。
このように、ステップS17〜ステップS20を繰り返すことで、制御部42は、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲Aに位置している2つ以上の試料容器2に対して、検体を採取し、採取した検体を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行うことができる。このステップS17〜ステップS20の処理が行われている間は、サンプルターンテーブル10は停止しているため、ユーザーは、プローブ22の移動範囲Aの外にある検体の交換(試料容器2の交換)を行うことができる。
上述したステップS17において、移動範囲A内に測定が行われていない検体がないと判定された場合(ステップS17でNOの場合)、制御部42は、ステップS18、ステップ19の処理を行わずに、動作モードの切替指示を待つ。
動作モードの切替指示があった場合(ステップS20でYESの場合)、制御部42にモード切替信号が送られ、第2動作モードから第1動作モードに切り替えられる。具体的には、ステップS10に戻って、ステップS10〜ステップS15の処理を行う。なお、ステップS17〜ステップS20の処理が行われている間に、ユーザーが試料容器を交換した場合、サンプルターンテーブル10には、新たに試料容器2(検体)が追加されている。そのため、ステップS10では、新たに追加された試料容器2の識別情報が読み取られ、新たに追加された試料容器2を含めて、ステップS11〜ステップS15、ステップS16〜ステップS20の処理が行われる。
処理部40が、測定が行われていない検体がないと判定した場合(ステップS15でNOの場合)、自動分析装置100は、動作を終了する。
第1実施形態に係る自動分析装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
自動分析装置100では、プローブ22の移動範囲Aには、サンプルターンテーブル10に配置される複数の試料容器2の一部である2つ以上の試料容器2が位置し、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる処理と、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、プローブ駆動部24を制御して、2つ以上の試料容器2の少なくとも一部に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理と、を行う。これにより、自動分析装置100では、2つ以上の試料に対して、試料の採取、分注が行われている間
であっても、サンプルターンテーブル10が停止しているため、ユーザーは、プローブ22の移動範囲Aの外にある試料容器2の交換を行うことができる。すなわち、プローブ22の移動範囲A内において試料の採取、分注を行いつつ、移動範囲Aの外において、試料の交換を行うことができる。したがって、自動分析装置100によれば、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。
自動分析装置100では、プローブ駆動部24は、プローブ22を、サンプルターンテーブル10の回転軸に平行なZ軸に沿って移動させるZ軸駆動部24aと、プローブ22を、Z軸に平行な軸S2まわりに回転させるθ軸駆動部24bと、プローブ22を、Z軸と交差(直交)するX軸に沿って移動させるX軸駆動部24cと、を有している。これにより、プローブ22の移動範囲A内に2つ以上の試料容器2を位置させることができる。
自動分析装置100によれば、プローブ22の移動範囲Aを覆うカバー部90を含むため、ユーザーが、プローブ22に触れることを防ぐことができる。また、カバー部90によって、ユーザーが試料の交換の際に、手を入れられる範囲を認識することができる。
自動分析装置100では、制御部42が、第1動作モードと第2動作モードと、を有している。ここで、第1動作モードでは、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を回転させ、サンプルターンテーブル10に配置された複数の試料容器2のうちの1つの試料容器2を位置P1に位置させる処理と、プローブ駆動部24を制御して、位置P1に位置している試料容器2に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理と、を行う。また、第2動作モードでは、サンプルターンテーブル10に配置される複数の試料容器2の一部である2つ以上の試料容器2が位置し、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる処理と、プローブ駆動部24を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、2つ以上の試料容器2の少なくとも一部に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理と、を行う。これにより、第1動作モードでは、プローブ22の動作を少なくして、効率よく試料の採取、分注を行い、第2動作モードでは、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。したがって、効率よく分析を行うことができる。
自動分析装置100では、第1動作モードと第2動作モードとを切り替えるための信号を制御部42に入力するための入力部80を含み、制御部42は、当該信号に基づいて、第1動作モードと第2動作モードとを切り替える。これにより、ユーザーが容易に動作モードを切り替えることができる。
1.3. 変形例
次に、第1実施形態に係る自動分析装置の変形例について説明する。なお、上述した図1および図2に示す自動分析装置100の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。図5および図6は、第1変形例に係る自動分析装置200の構成を説明するための図である。図5および図6には、互いに直交する軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。以下、自動分析装置200において、上述した自動分析装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した自動分析装置100の例では、プローブ駆動部24は、Z軸駆動部24aと、
θ軸駆動部24bと、X軸駆動部24cと、を有していた。
これに対して、自動分析装置200では、プローブ駆動部24は、Z軸駆動部24aと、Y軸駆動部224bと、X軸駆動部24cと、を有している。
Y軸駆動部224bは、プローブ22をY軸に沿って(Y軸方向に)移動させることができる。図示の例では、Y軸駆動部224bは、アーム部26をY軸に沿って移動させることで、プローブ22をY軸に沿って移動させることができる。Y軸駆動部224bは、例えば、モーターを含んで構成されている。Y軸駆動部224bは、制御部42によって制御されている。図示の例では、制御部42は、ドライバー54に制御信号を送り、ドライバー54は、当該制御信号を受けてY軸駆動部224bに駆動電流を供給する。
プローブ22の移動範囲Aは、図6に示すように、平面視において(Z軸方向からみて)、長方形である。
自動分析装置200の動作は、上述した自動分析装置100の動作と同様であり、その説明を省略する。
自動分析装置200によれば、自動分析装置100と同様の作用効果を奏することができる。
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。図7は、第2変形例に係る自動分析装置300の構成を説明するための図である。図7には、互いに直交する軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。以下、自動分析装置300において、上述した自動分析装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
自動分析装置300は、図7に示すように、プローブ22のノズルチップ22aを収納するチップ収納部310を含んで構成されている。チップ収納部310には、交換用のノズルチップ22aが複数収納されている。
チップ収納部310は、プローブ22の移動範囲A内に設けられている。そのため、自動分析装置300では、例えば、ノズルチップ22aの交換を自動で行うことができる。
(3)第3変形例
上述した自動分析装置100の例では、入力部80は、自動分析装置100の筐体1に設けられたボタンを有しており、ユーザーがこのボタンを押すことで、動作モードを切り替えるための信号を制御部42に送っていた。
これに対して、入力部80のボタンが、表示部46にGUI(Graphical User Interface)で配置されていてもよい。
2. 第2実施形態
2.1. 自動分析装置の構成
次に、第2実施形態に係る自動分析装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る自動分析装置400の構成を説明するための図である。図9は、サンプルターンテーブル10を模式的に示す図である。図9では、サンプルターンテーブル10をZ軸方向からみている。図8および図9には、互いに直交する軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。以下、自動分析装置400において、上述した自動分
析装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
自動分析装置400では、ターンテーブル回転告知部410を含んで構成されている。
ターンテーブル回転告知部410は、ユーザーに、サンプルターンテーブル10が回転することを知らせるためのものである。ターンテーブル回転告知部410は、制御部42によって、動作が制御されている。ターンテーブル回転告知部410は、例えば、ランプであり、処理部40によって、ランプの点灯および消灯が制御されている。
バーコードリーダー70がバーコードを読み取る位置は、例えば、プローブ22の移動範囲A内である。バーコードリーダー70がバーコードを読み取る位置は、プローブ22の移動範囲A内に入った直後の位置であることが望ましい。これにより、後述するように、サンプルターンテーブル10が180°回転する際に、プローブ22の移動範囲A内に移動するすべての試料容器2について、バーコードを読み取ることができる。図示の例では、バーコードリーダー70がバーコードを読み取る位置は、位置P7である。
自動分析装置400では、制御部42は、第2動作モードで動作する。すなわち、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる処理と、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲A内に位置している2つ以上の試料容器2の少なくとも一部に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行う。
制御部42は、さらに、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を回転させ、プローブ22の移動範囲A内に位置していた2つ以上の試料容器2の少なくとも一部を、プローブ22の移動範囲Aの外に移動させる処理を行う。
2.2. 自動分析装置の動作
次に、第2実施形態に係る自動分析装置400の動作について、図面を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態に係る自動分析装置400の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザーが、サンプルターンテーブル10に検体(試料容器2)を架設する。検体の架設が終わると、ユーザーは、自動分析装置400に分析開始指示を出す。分析開始指示を受けて、制御部42は、分析動作を開始する。
分析開始指示を受けて、制御部42が、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を1周以上回転させる処理を行う。このとき、バーコードリーダー70は、サンプルターンテーブル10に架設されているすべての試料容器2のバーコードを読み取る(ステップS30)。バーコードを読み取ることで得られた各試料容器2の識別情報は、制御部42に送られる。なお、バーコードの読み取りが終わると、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる。
次に、処理部40が、各試料容器2に収容されている検体の検体情報と、各試料容器2の位置情報を関連づける。この情報は、記憶部44に記憶される(ステップS31)。処理部40は、検体の検体情報に基づいて、検体を採取する順番を決定する処理を行う。
サンプルターンテーブル10を停止させている間に、制御部42が、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲A内に位置している試料容器2のうち、優先度が
高い試料容器2に対して、検体を採取し、採取した検体を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行う(ステップS32)。これにより、プローブ22は、試料容器2から検体を採取し、反応容器4に分注することができる(ステップS33)。反応容器4に移された検体は、測定部30によって、測定が行われる。測定部30は、測定結果を処理部40に送る。測定結果は、記憶部44に記憶される。
次に、処理部40が、プローブ22の移動範囲A内に測定が行われていない検体があるか否かの判定を行う(ステップS34)。
ここで、移動範囲A内に測定が行われていない検体があると判定された場合(ステップS34でYESの場合)、制御部42が、プローブ駆動部24を制御して、プローブ22の移動範囲A内に位置している試料容器2のうち、優先度が高い検体を収容している試料容器2に対して、検体を採取し、採取した検体を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行う(ステップS32)。そして、サンプリング処理(ステップS33)を行い、測定を進める。
制御部42は、プローブ22の移動範囲A内に測定が行われていない検体がないと判定されるまで(ステップS34でNOと判定されるまで)、ステップS32、ステップS33、ステップS34の処理を繰り返す。このように、ステップS32〜ステップS34の処理を繰り返すことで、制御部42は、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、プローブ22の移動範囲Aに位置している2つ以上の試料容器2に対して、検体を採取し、採取した検体を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理を行うことができる。このステップS32〜ステップS34の処理が行われている間は、サンプルターンテーブル10は停止しているため、ユーザーは、必要に応じて、プローブ22の移動範囲Aの外(位置P8〜位置P14)にある試料容器2の交換を行うことができる。
一方、移動範囲A内に測定が行われていない検体がないと判定された場合(ステップS34でNOの場合)、制御部42が、ターンテーブル回転告知部410を動作させる。例えば、ターンテーブル回転告知部410は、ランプである場合、制御部42が、ランプを点灯させて、ユーザーに、サンプルターンテーブル10が回転することを告知する。
次に、制御部42が、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を回転させ、プローブ22の移動範囲A内に位置している複数の試料容器2を、プローブ22の移動範囲Aの外に移動させる処理を行う(ステップS35)。具体的には、図9の例では、サンプルターンテーブル10を180°回転させることによって、位置P1〜位置P7に位置している各試料容器2を、それぞれ位置P8〜位置P14に移動させることができる。すなわち、プローブ22の移動範囲A内で検体が採取された試料容器2を、プローブ22の移動範囲Aの外に位置させることができる。同時に、位置P8〜位置P14に位置している各試料容器2を、それぞれ位置P1〜位置P7に移動させることができる。すなわち、検体の採取が行われていない試料容器2(交換された試料容器2)を、プローブ22の移動範囲A内に位置させることができる。
サンプルターンテーブル10が180°回転している間に、バーコードリーダー70は、位置P7を通過する試料容器2のバーコードを読み取る(ステップS36)。図9の例では、バーコードリーダー70は、位置P8〜位置P14に位置している試料容器2が、位置P1〜位置P7に移動する間に、各試料容器2に付されたバーコードを読み取る。バーコードリーダー70がバーコードを読み取る位置は、位置P7であるため、サンプルターンテーブル10が180°回転する際に、プローブ22の移動範囲A内に移動するすべての試料容器2について、バーコードを読み取ることができる。
次に、処理部40が、サンプルターンテーブル10に測定が行われていない検体があるか、否かの判定を行う(ステップS37)。処理部40は、記憶部44に記憶されている測定結果に基づいて、判定を行う。
処理部40が、測定が行われていない検体があると判定した場合(ステップS37でYESの場合)、ステップS31に戻って、ステップS32〜ステップS37の動作を行う。
ここで、ステップS32〜ステップS34の動作を行っている際に、ユーザーが検体を交換した場合には、ステップS36では、新たに追加された試料容器2の識別情報が読み取られ、新たに追加された検体を含んで、ステップS37、ステップS31〜S35の処理が行われる。
すなわち、自動分析装置400では、例えば、図9に示す位置P1〜P7に位置している試料容器2の検体について、採取、分注を行っている間(ステップS32〜ステップS34)に、ユーザーが位置P8〜位置P14に位置している試料容器2の交換を行う。そして、位置P1〜P7に位置している試料容器2の検体の採取、分注が終わると、サンプルターンテーブル10を180°回転させて(ステップS35)、位置P1〜P7に位置している試料容器2を位置P8〜P17に移動させ、位置P8〜P17に位置している試料容器2を位置P1〜P7に移動させる。そして、位置P1〜P7に移動した試料容器2の検体について、採取、分注を行っている間(ステップS32〜ステップS34)に、ユーザーが位置P8〜位置P14に移動した試料容器2の交換を行う。自動分析装置400では、この動作を繰り返すことによって、分析を進める。
処理部40が、測定が行われていない検体がないと判定した場合(ステップS37でNOの場合)、自動分析装置400は、動作を終了する。
第2実施形態に係る自動分析装置400は、例えば、以下の特徴を有する。
自動分析装置400では、上述した自動分析装置100と同様に、プローブ22の移動範囲Aには、サンプルターンテーブル10に配置される複数の試料容器2の一部である2つ以上の試料容器2が位置し、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を停止させる処理と、サンプルターンテーブル10を停止させている間に、プローブ駆動部24を制御して、2つ以上の試料容器2の少なくとも一部に対して、試料を採取し、採取した試料を反応容器4に分注できるようにプローブ22を移動させる処理と、を行う。したがって、自動分析装置400によれば、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。
自動分析装置400では、制御部42は、ターンテーブル駆動部12を制御して、サンプルターンテーブル10を回転させ、プローブ22の移動範囲A内に位置している2つ以上の試料容器2の少なくとも一部を、プローブ22の移動範囲Aの外に移動させる処理を行うことができる。これにより、分析を行いつつ、試料の交換を行うことができる。
2.3. 変形例
次に、第2実施形態に係る自動分析装置の変形例について説明する。なお、上述した図8に示す自動分析装置400の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
自動分析装置400の例では、ターンテーブル回転告知部410が、ユーザーに、サン
プルターンテーブル10が回転することを知らせていたが、表示部46に、サンプルターンテーブル10が回転するまでの残り時間を表示してもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…筐体、2…試料容器、4…反応容器、10…サンプルターンテーブル、12…ターンテーブル駆動部、20…分注部、22…プローブ、22a…ノズルチップ、22b…ノズルチップ保持部、24…プローブ駆動部、24a…Z軸駆動部、24b…θ軸駆動部、24c…X軸駆動部、26…アーム部、27…軸部、28…支持部、29…搬送レーン、30…測定部、40…処理部、42…制御部、44…記憶部、45…情報記憶媒体、46…表示部、48…操作部、50…電源、52,54,56,58…ドライバー、60…反応ターンテーブル、70…バーコードリーダー、80…入力部、90…カバー部、100,200…自動分析装置、224b…Y軸駆動部、300…自動分析装置、310…チップ収納部、400…自動分析装置、410…ターンテーブル回転告知部

Claims (6)

  1. 試料が収容される複数の試料容器が環状に配置されるターンテーブルと、
    前記ターンテーブルを回転させるターンテーブル駆動部と、
    前記試料を採取し、採取した前記試料を反応容器に分注するプローブと、
    前記プローブを移動させるプローブ駆動部と、
    前記反応容器に収容された前記試料の測定を行う測定部と、
    前記ターンテーブル駆動部、および前記プローブ駆動部を制御する制御部と、
    を含み、
    前記プローブの移動範囲には、前記ターンテーブルに配置された前記複数の試料容器の一部である2つ以上の試料容器が位置し、
    前記制御部は、
    前記ターンテーブル駆動部を制御して、前記ターンテーブルを停止させる第1処理と、
    前記ターンテーブルを停止させている間に、前記プローブ駆動部を制御して、前記プローブの移動範囲に位置している前記2つ以上の試料容器の内の少なくとも一部(但し、2つ以上)に対して、前記試料を採取し、採取した前記試料を前記反応容器に分注できるように前記プローブを移動させる第2処理と、
    を行い、
    前記プローブは、アーム部および前記アーム部の回転軸となる軸が設けられた軸部を介して支持部によって支持されており、
    前記プローブ駆動部は、
    前記プローブを、前記ターンテーブルの回転軸に平行な第1軸に沿って移動させる第1プローブ駆動部と、
    前記アーム部を前記軸部に設けられた軸を回転軸として回転させることにより、前記プローブを前記第1軸に平行な軸まわりに回転させる第2プローブ駆動部と、
    前記支持部を前記第1軸と交差する第2軸に沿って設けられた搬送レーン上で移動させることにより、前記プローブを前記第2軸に沿って移動させる第3プローブ駆動部と、
    を有している、自動分析装置。
  2. 請求項において、
    前記プローブの移動範囲を覆うカバー部を含む、自動分析装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記制御部は、第1動作モードと第2動作モードと、を有し、
    前記第1動作モードでは、
    前記ターンテーブル駆動部を制御して、前記ターンテーブルを回転させ、前記ターンテーブルに配置された前記複数の試料容器のうちの1つの試料容器を第1位置に位置させる処理と、
    前記プローブ駆動部を制御して、前記第1位置に位置している前記1つの試料容器に対して、前記試料を採取し、採取した前記試料を前記反応容器に分注できるように前記プローブを移動させる処理と、
    を行い、
    前記第2動作モードでは、前記第1処理および前記第2処理を行う、自動分析装置。
  4. 請求項において、
    前記第1動作モードと前記第2動作モードとを切り替えるための信号を前記制御部に入力するための入力部を含み、
    前記制御部は、前記信号に基づいて、前記第1動作モードと前記第2動作モードとを切り替える、自動分析装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記制御部は、前記ターンテーブル駆動部を制御して、前記ターンテーブルを回転させ、前記プローブの移動範囲内に位置している前記2つ以上の試料容器の少なくとも一部を、前記プローブの移動範囲の外に移動させる処理を行う、自動分析装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記プローブのノズルチップを収納するチップ収納部を含み、
    前記チップ収納部は、前記プローブの移動範囲内に設けられている、自動分析装置。
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