JP6070637B2 - Rh真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造 - Google Patents

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Description

本発明は、RH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造に関し、詳しくは、環流管と浸漬管との継ぎ目の溶損が少なく、長期間の使用を可能とする環流管及び浸漬管の煉瓦構造に関する。
近年、鋼の高付加価値化及び鉄鋼材料の使用用途拡大化に伴う材料特性の向上のために高純度鋼の要請が増加しており、これに対処するために、転炉や電気炉で精錬された溶鋼を出鋼後に更に精錬して、溶鋼の組成を厳密に調整したり、燐、硫黄、水素、酸素、窒素などの不純物成分をより一層低減したりする技術(「二次精錬」という)が実施されている。特に、減圧下で溶鋼の成分調整、脱水素、脱窒素、脱炭素、脱酸素などを行う真空精錬は、その効果が大きく、広く実施されている。
この真空精錬を実施する設備の1つとしてRH真空脱ガス装置が利用されている。図3は、RH真空脱ガス装置で溶鋼を精錬している状況を示す図で、図3において、1はRH真空脱ガス装置、2は取鍋、3は溶鋼、4はスラグ、5は真空槽、6は上部槽、7は下部槽、8は上昇管、9は下降管、10は環流用ガス吹込管、11はダクト、12は原料投入口である。真空槽5は、上部槽6と下部槽7とから構成されている。
RH真空脱ガス装置1では、溶鋼3を収納する取鍋2を真空槽5の直下に搬送し、取鍋2を昇降装置(図示せず)によって上昇させて、下部槽7の下部に設置された上昇管8及び下降管9を取鍋2に収容された溶鋼3に浸漬させる。そして、上昇管8に設置された環流用ガス吹込管10から上昇管8の内部にアルゴンガスを環流用ガスとして吹き込むとともに、真空槽5の内部をダクト11に連結される排気装置(図示せず)にて排気して真空槽5の内部を減圧する。真空槽5の内部が減圧されると、取鍋2に収容された溶鋼3は、環流用ガス吹込管10から吹き込まれるアルゴンガスによるガスリフト効果によって、アルゴンガスとともに上昇管8を上昇して真空槽5の内部に流入し、その後、下降管9を介して取鍋2に戻る流れ、所謂、「環流」を形成してRH真空脱ガス精錬が施される。溶鋼3を環流させることで、溶鋼3は真空槽内で減圧下の雰囲気に晒され、脱水素、脱窒素、脱炭素などが行われ、また、環流による溶鋼攪拌によって溶鋼中酸化物の浮上・分離が促進され、また更に、環流中に原料投入口12から合金鉄などの成分調整剤を投入することで空気中の酸素による成分調整剤の酸化を防止した状態で溶鋼3の成分調整が行われる。
この上昇管8及び下降管9の構造を図4に示す。図4に示すように、上昇管8及び下降管9は、ともに、下部槽7と一体的に構成される環流管13と、環流管13の下端に接続される浸漬管14とで構成されている。環流管13は、真空槽5の下部、つまり、下部槽7の下部の2つの脚部7Aを形成する鉄皮28の内側に環流管耐火物16が施工されて形成されている。尚、鉄皮28は下部槽7の脚部7Aの外殻のみならず、下部槽7の側面外殻を形成している。一方、浸漬管14は、横断面が円環状の芯金29を挟んで芯金29の両側に浸漬管耐火物17が施工されて形成されている。溶鋼3の通過する管路である環流管耐火物16の内壁面(「内孔」ともいう)及び浸漬管耐火物17の内壁面(「内孔」ともいう)は、通過する溶鋼3によって損耗し、環流管耐火物16及び浸漬管耐火物17の残存厚みが所定量となった時点で、補修が行われる。尚、浸漬管14は、その外面が溶鋼3やスラグ4と接触することから、浸漬管耐火物17の外面側も損耗する。
環流管13と浸漬管14とは、環流管13を保持する鉄皮28の下端部に設置される鋼製のフランジ15と、浸漬管14に設置された、浸漬管14の芯金29と一体的に構成される鋼製のフランジ15Aとを、鋼製のボルト(図示せず)で係止する方法で接合されている。したがって、浸漬管14は必要に応じて交換が可能であり、浸漬管14に施工された浸漬管耐火物17の補修は使用場所と離れた場所で実施することができる。当然ではあるが、浸漬管耐火物17の補修は、環流管13と接合した状態でも可能である。尚、上昇管8を構成する浸漬管14には環流用ガス吹込管10が設置されているが、図4では環流用ガス吹込管10を省略している。
一方、環流管13は下部槽7と一体的に形成されており、環流管13に施工された環流管耐火物16を補修する場合には、浸漬管14を外して環流管耐火物16の内孔に型枠を挿入し、不定形耐火物を流し込む、或いは、不定形耐火物を熱間で吹き付けるなどして、現地で補修作業が行われる。しかし、浸漬管14のように新品と一括交換することはできず、環流管耐火物16の損耗がRH真空脱ガス装置1の寿命を律速する場合が多く、また、その補修時間の操業時間に及ぼす影響が大きいので、環流管13の寿命延長及び補修時間の短縮を目的とし、環流管13と浸漬管14との接合部煉瓦構造に関して従来から種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、環流管耐火物と浸漬管耐火物との間に分離用リング状煉瓦を配置した煉瓦構造が提案されている。その概略図を図5に示す。図5に示すように、特許文献1は、環流管耐火物16と浸漬管耐火物17との間に分離用リング状煉瓦18を配置し、環流管耐火物16の補修後、補修済みの別の浸漬管14の上にモルタルを塗布した分離用リング状煉瓦18をセットし、浸漬管14ごと上昇させて環流管耐火物16と分離用リング状煉瓦18とを密着させ、フランジ15、15Aをボルトで締結するという煉瓦構造を提案している。尚、図5において、19は羽口煉瓦、20は下部槽の側壁煉瓦、21は下部槽の敷煉瓦である。
特許文献1により、浸漬管14の取り付けが容易となり、環流管13の補修作業は大幅に短縮した。しかしながら、分離用リング状煉瓦18の厚みは100mm程度であり、環流管耐火物16と分離用リング状煉瓦18との継ぎ目、及び、分離用リング状煉瓦18と浸漬管耐火物17との継ぎ目で目地の溶損が発生し、つまり、高さ方向に100mm程度しか離れていない2箇所で目地の溶損が発生するので、それぞれの目地の溶損が進行した場合にはあたかも大きな一箇所の溶損のような形状になり、これらの目地溶損が上昇管8及び下降管9の寿命を決定する場合も生じた。
この問題を解消するべく特許文献2には、環流管の補修が容易であり、且つ、目地を1カ所にした煉瓦構造が提案されている。その概略図を図6に示す。図6に示すように、特許文献2は、環流管13を、円筒状の目地のない成形体からなる円筒状環流管煉瓦を第1層目環流管煉瓦22とし、第1層目環流管煉瓦22と、その外側の第2層目環流管煉瓦23と、の同心円状の2層の煉瓦層で形成し、第1層目環流管煉瓦22と第2層目環流管煉瓦23との間にはモルタル24を施工し、第2層目環流管煉瓦23の下部には、第1層目環流管煉瓦22と接触するとともに第1層目環流管煉瓦22の下端面と同一平面を形成する、目地のないリング状の成形体からなる分離用リング状煉瓦25を施工し、浸漬管14の浸漬管耐火物17とは、第1層目環流管煉瓦22及び分離用リング状煉瓦25が接触するように構成した煉瓦構造を提案している。
特許文献2により、目地は1カ所になり目地部の溶損は減少し、且つ、第1層目環流管煉瓦22は一式交換ができるので環流管13の補修が容易になったが、フランジ15、15Aの接合部であるフランジ部に通し目地(管路の内壁からフランジの接合部につながった直線状の目地)が存在し、このフランジ部の通し目地の部位で耐火物の局部溶損が生じ、また、通し目地であるが故に大気のリークが発生することもあった。
実開平6−85352号公報 特開2007−197780号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、RH真空脱ガス装置の環流管と浸漬管との継ぎ目部位の溶損が少なく、大気のリークが防止され、且つ補修時の作業性に優れる、RH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]溶鋼の通過する管路を、目地のない成形体からなる円筒状環流管煉瓦で構成する環流管と、溶鋼の通過する管路を、目地のない成形体からなる円筒状浸漬管煉瓦で構成する浸漬管とが、真空槽の脚部下端に設置された鋼製のフランジ及び浸漬管に設置された鋼製のフランジによって接合されて形成される、RH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造であって、前記円筒状浸漬管煉瓦の上端面が、前記フランジの接合面よりも鉛直方向上方位置で前記円筒状環流管煉瓦の下端面と接合するように構成されていることを特徴とする、RH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造。
[2]前記円筒状浸漬管煉瓦よりも鉛直方向高さの小さい、目地のない成形体からなるリング状浸漬管煉瓦が、該リング状浸漬管煉瓦の上端面が前記円筒状浸漬管煉瓦の上端面と同一になるように、前記円筒状浸漬管煉瓦の外周に配置されていることを特徴とする、上記[1]に記載のRH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造。
[3]前記環流管は、前記円筒状環流管煉瓦を第1層目環流管煉瓦として、該第1層目環流管煉瓦と、該第1層目環流管煉瓦の外側の第2層目環流管煉瓦との同心円状の2層の煉瓦層を有し、前記第1層目環流管煉瓦と前記第2層目環流管煉瓦との間にモルタルが施工された構成であることを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載のRH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造。
本発明によれば、RH真空脱ガス装置の環流管は、溶鋼の流れる管路が目地のない成形体からなる円筒状環流管煉瓦で構成されており、且つ、RH真空脱ガス装置の浸漬管は、溶鋼の流れる管路が目地のない成形体からなる円筒状浸漬管煉瓦で構成されており、環流管及び浸漬管における目地は、円筒状環流管煉瓦と円筒状浸漬管煉瓦との継ぎ目だけになり、且つ、この継ぎ目がフランジの接合面よりも鉛直方向上方位置であるので、フランジの接合面の部位に通し目地が形成されず、目地部での耐火物の局部溶損を抑制することができ、環流管及び浸漬管の使用回数を従来に比較して大幅に延長させることが実現される。また、フランジの接合面の部位に、通し目地が形成されないことから、大気のリークも防止され、溶鋼の品質劣化も防止することが達成される。
本発明の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る環流管及び浸漬管の煉瓦構造の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態例を示す図であって、浸漬管を利用して第1層目環流管煉瓦を第2層目環流管煉瓦の内部に挿入する様子を示す概略図である。 RH真空脱ガス装置で溶鋼を精錬している状況を示す概略図である。 従来の上昇管及び下降管の構造を示す概略図である。 特許文献1に提案される、環流管と浸漬管との接合部の構造を示す概略図である。 特許文献2に提案される、環流管と浸漬管との接合部の構造を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る環流管及び浸漬管の煉瓦構造の概略縦断面図である。
図1に示すように、外殻を鉄皮28とする、RH真空脱ガス装置の下部槽7は、鉛直下方に突出した円錐台状の脚部7Aを有し、この脚部7Aに環流管13が形成され、環流管13の下方に浸漬管14が配置されている。環流管13を保持する脚部7Aの鉄皮28の下端部には、鋼製のフランジ15が設置されており、一方、浸漬管14には、浸漬管14の内部に設置される芯金29と一体的に構成されるフランジ15Aが設置されており、フランジ15とフランジ15Aとを鋼製のボルト(図示せず)で締結することで、浸漬管14が環流管13に密着して接合される構造となっている。
環流管13の煉瓦構造は、中心部に、溶鋼の通過する管路を形成する、目地のない成形体からなる円筒状環流管煉瓦22が配置され、この円筒状環流管煉瓦22を第1層目環流管煉瓦(第1層目環流管煉瓦も符号22で表示する)として、第1層目環流管煉瓦22の外周に第2層目環流管煉瓦23が配置された構成になっている。第1層目環流管煉瓦22と第2層目環流管煉瓦23とは同心円状に施工され、第1層目環流管煉瓦22と第2層目環流管煉瓦23との間隙には、間隙を埋めるためのモルタル24が施工されている。第1層目環流管煉瓦22、第2層目環流管煉瓦23及びモルタル24は、それぞれの下端面が同一高さ、つまり、同一平面を形成するように形成されている。
環流管13が配置される下部槽7の脚部7Aの鉄皮28は、先端部は円筒状であるが、その上部は円錐状に拡大して下部槽7につながっており、この円錐状に広がる鉄皮28と第2層目環流管煉瓦23との間隙には、羽口煉瓦19が配置されている。また、下部槽7の側壁側に施工された羽口煉瓦19の上方及び第2層目環流管煉瓦23の上方の下部槽7の側壁には、側壁煉瓦20が配置され、一方、羽口煉瓦19の周囲の下部槽7の底部には敷煉瓦21が配置されている。
第1層目環流管煉瓦22、第2層目環流管煉瓦23及び羽口煉瓦19としては、マグネシア−炭素質耐火物を使用することができ、モルタル24としては、高アルミナ質のキャスタブルなどを使用することができる。また、第1層目環流管煉瓦22、第2層目環流管煉瓦23及び羽口煉瓦19として、クロム−マグネシア質耐火物などを使用することもできる。側壁煉瓦20及び敷煉瓦21は、第1層目環流管煉瓦22などと同様の材質の耐火物を使用すればよい。
尚、第2層目環流管煉瓦23は、鉄皮28に設置される図示せぬ突起、スタッドなど、或いは、羽口煉瓦19との煉瓦間の拘束力により、落下せずに固定されるようになっている。また、鉄皮28と羽口煉瓦19との間、鉄皮28と側壁煉瓦20との間、及び、鉄皮28と敷煉瓦21との間には、セラミックシートなどの断熱材や厚みの薄い耐火煉瓦(永久張り)を配置してもよい。図示はしないが下降管の環流管13も同様の構造で施工されている。
浸漬管14の煉瓦構造は、芯金29を挟んで、浸漬管耐火物17が施工され、浸漬管14の内壁面(溶鋼の通過する管路)を形成する部位には、目地のない成形体からなる円筒状浸漬管煉瓦26が、浸漬管耐火物17に嵌め込まれるようにして施工されている。円筒状浸漬管煉瓦26は目地のない成形体であるのに対し、浸漬管耐火物17は、不定形耐火物や目地を有する成形煉瓦で形成されている。図1では、円筒状浸漬管煉瓦26が内壁面の全体を形成せずに、下端まで施工されていないが、円筒状浸漬管煉瓦26を浸漬管14の下端まで施工しても構わない。尚、浸漬管14の内部には、浸漬管耐火物17及び円筒状浸漬管煉瓦26を貫通して、浸漬管14の内壁面に開口する環流用ガス吹込管が設置されているが、図1では環流用ガス吹込管を省略している。
円筒状浸漬管煉瓦26は、その鉛直方向上端面がフランジ15とフランジ15Aとの接合面よりも鉛直方向上方位置となるように形成されている。そして、この円筒状浸漬管煉瓦26の外周には、円筒状浸漬管煉瓦26よりも鉛直方向高さの小さい、目地のない成形体からなるリング状浸漬管煉瓦27が、リング状浸漬管煉瓦27の上端面が円筒状浸漬管煉瓦26の上端面と同一となるように、つまり、円筒状浸漬管煉瓦26の上端面とリング状浸漬管煉瓦27の上端面とが同一平面を形成するように配置されている。
環流管13と浸漬管14とをフランジ15、15Aで接合したときには、円筒状浸漬管煉瓦26の上端面及びリング状浸漬管煉瓦27の上端面が、環流管13の第1層目環流管煉瓦22及び第2層目環流管煉瓦23とフランジ15、15Aの接合面よりもおよそ30〜200mm鉛直方向上方位置で接合するように構成されている。
一般的に浸漬管14の方が、環流管13よりも損耗しやすいので、浸漬管14の使用可能回数を増加するために、図1に示すように、浸漬管14の円筒状浸漬管煉瓦26の厚みを環流管13の円筒状環流管煉瓦22(第1層目環流管煉瓦22)の厚みよりも厚くすることが好ましい。また、補修作業を短縮するために、円筒状浸漬管煉瓦26とリング状浸漬管煉瓦27とは、予め一体的に組み合わせた上で浸漬管14に施工することが好ましい。したがって、図1では、円筒状浸漬管煉瓦26とリング状浸漬管煉瓦27とが、別々の部材となっているが、円筒状浸漬管煉瓦26とリング状浸漬管煉瓦27とを一体的に成形しても構わない(但し高価になる)。
浸漬管耐火物17、円筒状浸漬管煉瓦26及びリング状浸漬管煉瓦27としては、クロム−マグネシア質耐火物を使用することができ、また、マグネシア−炭素質耐火物も使用することができる。
リング状浸漬管煉瓦27は、浸漬管14を環流管13と接合した場合には、脚部7Aの下端に取り付けられたフランジ15の内面と接触するように設計されているが、フランジ15との間に隙間が生じる場合には、モルタルなどで隙間を埋める。尚、図1では、リング状浸漬管煉瓦27の下端面がフランジ15Aの接合面とほぼ同等の位置であるが、フランジ15Aの接合面よりも上方であっても、また、下方であっても構わず、更には、フランジ15Aの下端面よりも下方位置であっても構わない。図示はしないが下降管の浸漬管14も同様の構造で施工されている。
このようにして構成される環流管13及び浸漬管14を備えたRH真空脱ガス装置を用いて溶鋼を真空槽と取鍋との間で環流させ、溶鋼に脱水素、脱窒素、脱酸素、脱炭素、成分調整処理などの真空脱ガス精錬を実施する。この真空脱ガス精錬中、環流する溶鋼によって環流管13の円筒状環流管煉瓦22、並びに、浸漬管14の円筒状浸漬管煉瓦26及び浸漬管耐火物17は溶損する。
浸漬管14の円筒状浸漬管煉瓦26或いは浸漬管耐火物17が溶損したならば、その都度、不定形耐火物の流し込み、或いは、不定形耐火物の吹き付け、溶射などによって、現地で補修する。現地での補修では対応できなくなった場合には、浸漬管14を取り外し、整備済みの浸漬管14に取り替える。
一方、環流管13の円筒状環流管煉瓦22(第1層目環流管煉瓦22)が損耗して第2層目環流管煉瓦23の一部が露出したならば、環流管13の補修を実施する。この補修にあたり、先ず、フランジ15、15Aからボルトを外して浸漬管14を分離する。浸漬管14も溶損が激しくて補修が必要な場合には、外した浸漬管14を別の場所に搬送して補修する。補修しなくても更に使用可能な場合には、RH真空脱ガス装置の周囲に待機させる。次いで、残存する第1層目環流管煉瓦22を取り除くとともに、モルタル24を落とし、第2層目環流管煉瓦23の表面を露出させる。
第2層目環流管煉瓦23の表面が露出したなら、モルタル24を塗布した新品の第1層目環流管煉瓦22を第2層目環流管煉瓦23の内部に挿入し、第1層目環流管煉瓦22が落下せずに所定の位置で保持されるように、支持台(図示せず)などで第1層目環流管煉瓦22を支える。その後、第1層目環流管煉瓦22と第2層目環流管煉瓦23との間に更にモルタル24を圧入し、第1層目環流管煉瓦22と第2層目環流管煉瓦23との接合を促進させる。
第1層目環流管煉瓦22は一体物の成形体であるので、第1層目環流管煉瓦22には目地がなく、目地溶損を防止することができると同時に、第1層目環流管煉瓦22の第2層目環流管煉瓦23への挿入が容易であり、補修時間を短縮させることができる。
モルタル24が固化して第1層目環流管煉瓦22が固定されたなら、第1層目環流管煉瓦22を支持していた支持台を外し、取り外していた浸漬管14或いは別途補修した浸漬管14を環流管13の直下に配置し、必要に応じて浸漬管14の円筒状浸漬管煉瓦26の上端面及びリング状浸漬管煉瓦27の上端面にモルタルを塗布し、浸漬管14を上昇させて円筒状浸漬管煉瓦26及びリング状浸漬管煉瓦27の上端面を第1層目環流管煉瓦22及び第2層目環流管煉瓦23の下端面と密着させ、フランジ15、15Aをボルト(図示せず)で締結して浸漬管14と環流管13とを接合させる。その後、必要により予熱した後に使用に供す。
この場合、図2に示すように、浸漬管14の円筒状浸漬管煉瓦26の上に第1層目環流管煉瓦22を設置し、モルタル24を第1層目環流管煉瓦22の外面に塗布した上で、浸漬管14を上昇させ、第1層目環流管煉瓦22を第2層目環流管煉瓦23の内部に挿入することで、第1層目環流管煉瓦22を支える支持台を必要とせず、補修時間をより一層短縮させることができる。尚、図2は、本発明の実施の形態例を示す図であって、浸漬管14を利用して第1層目環流管煉瓦22を第2層目環流管煉瓦23の内部に挿入する様子を示す概略図である。図2では第1層目環流管煉瓦22の外面に塗布したモルタル24を省略している。
このように、本発明によれば、RH真空脱ガス装置の環流管13は、溶鋼の流れる管路が目地のない成形体からなる円筒状環流管煉瓦22で構成されており、且つ、RH真空脱ガス装置の浸漬管14は、溶鋼の流れる管路が目地のない成形体からなる円筒状浸漬管煉瓦26で構成されており、環流管13及び浸漬管14における目地は、円筒状環流管煉瓦22と円筒状浸漬管煉瓦26との継ぎ目だけになり、且つ、この継ぎ目がフランジ15、15Aの接合面よりも鉛直方向上方位置であるので、フランジ15、15Aの接合面の部位に通し目地(管路の内壁からフランジの接合部につながった直線状の目地)が形成されず、目地部での耐火物の局部溶損を抑制することができ、環流管13及び浸漬管14の使用回数を従来に比較して大幅に延長させることが実現される。また、フランジの接合面の部位に、通し目地が形成されないことから、大気のリークも防止され、溶鋼の品質劣化も防止することが達成される。
以下、250トンの溶鋼を収容する取鍋を対象としたRH真空脱ガス装置における本発明の実施例を説明する。
環流管の円筒状環流管煉瓦としては、内径が600mm、外径が860mm、高さが900mmの一体的に成形された円筒状のマグネシア−炭素質耐火物を用い、浸漬管の円筒状浸漬管煉瓦としては、内径が600mm、外径が1050mm、高さが500mmの一体的に成形された円筒状のクロム−マグネシア質耐火物を用いた。また、浸漬管のその他の部位は、クロム−マグネシア質成形煉瓦で施工した。環流管の円筒状環流管煉瓦と浸漬管の円筒状浸漬管煉瓦との接合面は、フランジの接合面から鉛直方向に120mm上方位置とした。モルタルはAl23濃度が約95質量%の高アルミナ質のキャスタブルを使用した。
このように構成した環流管及び浸漬管を使用した結果、環流管と浸漬管との継ぎ目の局所溶損がなくなり、目地を通した大気(外気)の吸入が防止され、環流管及び浸漬管の寿命を大幅に向上させることが実現された。
1 RH真空脱ガス装置
2 取鍋
3 溶鋼
4 スラグ
5 真空槽
6 上部槽
7 下部槽
8 上昇管
9 下降管
10 環流用ガス吹込管
11 ダクト
12 原料投入口
13 環流管
14 浸漬管
15 フランジ
16 環流管耐火物
17 浸漬管耐火物
18 分離用リング状煉瓦
19 羽口煉瓦
20 側壁煉瓦
21 敷煉瓦
22 円筒状環流管煉瓦(第1層目環流管煉瓦)
23 第2層目環流管煉瓦
24 モルタル
25 分離用リング状煉瓦
26 円筒状浸漬管煉瓦
27 リング状浸漬管煉瓦
28 鉄皮
29 芯金

Claims (2)

  1. 溶鋼の通過する管路を、目地のない成形体からなる円筒状環流管煉瓦で構成する環流管と、溶鋼の通過する管路を、目地のない成形体からなる円筒状浸漬管煉瓦で構成する浸漬管とが、真空槽の脚部下端に設置された鋼製のフランジ及び浸漬管に設置された鋼製のフランジによって接合されて形成される、RH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造であって、
    前記円筒状浸漬管煉瓦の上端面が、前記フランジの接合面よりも鉛直方向上方位置で前記円筒状環流管煉瓦の下端面と接合するように構成され、且つ、前記円筒状浸漬管煉瓦よりも鉛直方向高さの小さい、目地のない成形体からなるリング状浸漬管煉瓦が、該リング状浸漬管煉瓦の上端面が前記円筒状浸漬管煉瓦の上端面と同一になるように、前記円筒状浸漬管煉瓦の外周に配置されていることを特徴とする、RH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造。
  2. 前記環流管は、前記円筒状環流管煉瓦を第1層目環流管煉瓦として、該第1層目環流管煉瓦と、該第1層目環流管煉瓦の外側の第2層目環流管煉瓦との同心円状の2層の煉瓦層を有し、前記第1層目環流管煉瓦と前記第2層目環流管煉瓦との間にモルタルが施工された構成であることを特徴とする、請求項1に記載のRH真空脱ガス装置の環流管及び浸漬管の煉瓦構造。
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