JPH10298632A - Rh設備用の浸漬管 - Google Patents

Rh設備用の浸漬管

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JPH10298632A
JPH10298632A JP10477797A JP10477797A JPH10298632A JP H10298632 A JPH10298632 A JP H10298632A JP 10477797 A JP10477797 A JP 10477797A JP 10477797 A JP10477797 A JP 10477797A JP H10298632 A JPH10298632 A JP H10298632A
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JP
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JP10477797A
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Inventor
Katsunori Ito
克則 伊東
Hiroaki Shimizu
浩明 清水
Shinichi Okamoto
伸一 岡本
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Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 稼働中における外巻煉瓦の目地開きを防止
し、該外巻煉瓦の脱落を抑制するRH真空脱ガス設備用
の浸漬管を提供すること。 【解決手段】 シール金物2の外周に、不定形耐火物4
を介して、外巻煉瓦10を周設,配置して成り、溶鋼に
浸漬して真空脱ガス処理を行う浸漬管において、前記不
定形耐火物4と前記外巻煉瓦10との間に膨脹吸収材1
1[例えば、MgO値90%程度のMgO質ボード(可撓性ボー
ド)]を介在させたRH設備用の浸漬管。膨脹吸収材1
1を介在させることにより、浸漬中に、溶鋼が保有する
高温によりシール金物2の下部が直径方向に拡大変形し
ても、外巻煉瓦10が一体的に外側へ押し出されること
がなく、外巻煉瓦10の目地開きを防止し、外巻煉瓦1
0が脱落するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RH真空脱ガス設
備用の浸漬管に関し、特に、稼働中における外巻煉瓦の
目地開きを防止し、該外巻煉瓦の脱落を抑制するRH真
空脱ガス設備用の浸漬管に関する。
【0002】
【従来の技術】RH式真空脱ガス設備は、脱ガス槽に上
昇用と下降用との2本の浸漬管を設け、この浸漬管を取
鍋内の溶鋼に浸漬して脱ガス槽内を真空にする。そし
て、一方の浸漬管(上昇管)からアルゴンまたは窒素等の
ガスを吹込むことにより、溶鋼を脱ガス槽内に流入,飛
散させて脱ガスし、脱ガスされた溶鋼は、他方の浸漬管
(下降管)から排出されて取鍋内に戻り、これを繰り返す
ことによって脱ガスする脱ガス設備である。
【0003】このような脱ガス設備において用いられる
従来の浸漬管は、外面にスタッド等を多数植設した円筒
状の鋼鉄製シ−ル金物の内面に、円周方向を複数個に分
割した横迫り煉瓦(内巻煉瓦)を複数段に継ぎ合わせるこ
とにより、内張りして内筒とし(一体物の内巻煉瓦も用
いられている)、この内巻煉瓦とシ−ル金物との間にキ
ャスタブル耐火物等の不定形耐火物が施工されている。
一方、シ−ル金物の外周に、同じくキャスタブル耐火物
等の不定形耐火物を施工して外筒とし、これら内筒,外
筒を貫通する複数本のガス吹込管を配設して一体化され
たものである。
【0004】ところで、上記従来の浸漬管は、取鍋内の
溶鋼に浸漬して真空脱ガス処理を行うと、溶鋼が保有す
る高温と溶鋼の環流に伴う衝撃的な乱流による摩耗、あ
るいは、繰返し使用による摩耗ないし急加熱・急冷却に
よる摩耗などにより、スポ−リングが発生し、且つ、こ
のスポ−リングが助長されて損耗するだけでなく、かか
る苛酷な諸条件にさらされると、円筒状に形成したシー
ル金物の下部が直径方向に拡大変形するようになる。
【0005】特に、外筒を形成する不定形耐火物は、一
般に、耐火煉瓦と比較して耐食性が劣り、損傷が大きい
ために、吹付け材等の不定形耐火物を用いる吹付け補修
等の手段によって、頻繁に補修が行われることとなる。
また、外周面には、スラグや地金等ノロの付着が生じ
る。
【0006】上述した“吹付け補修作業”および“付着
したノロの除去作業”は、高温下での作業となることか
ら、重点的に「吹付け補修の削減対策」および「スラグ
等のノロ付着防止対策」が要望されている。この「吹付
け補修削減対策」および「ノロ付着防止対策」として、
浸漬管外周部に外巻煉瓦を周設,配置した浸漬管が、特
開平7-34119号公報,特開平7-51821号公報などに開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外巻煉
瓦を浸漬管の外周部に周設,配置した構造の浸漬管で
は、シール金物の外周面に、溶鋼を環流させるためのガ
ス吹込管を環状に複数本配管する必要がある。そのた
め、シール金物と外巻煉瓦とを密着させた場合には、ガ
ス吹込管の配管状態に合わせて外巻煉瓦の内周面側に溝
を形成する必要があり、その結果として、浸漬管の製作
が極めて煩雑になるという問題があった。
【0008】ところで、外巻煉瓦は、通常、円周方向を
複数個に分割した横迫り形状の煉瓦を配設することにな
る。このため、外巻煉瓦は、シール金物から離して周
設,配置されている。そして、この外巻煉瓦とシール金
物の間に、キャスタブル耐火物等の不定形耐火物が充填
されている。そして、外巻煉瓦としては、一般的にMg
O−C質が適用されている。この外巻煉瓦に適用するM
gO−C質は、耐食性に優れ、耐スポーリング性も高
い。また、スラグの浸透が少なく、ノロが付着し難い等
の特徴を有するが、反面、熱伝導率が高いため、シール
金物の温度が従来よりも一層上昇し易いという欠点を有
している。
【0009】そのため、外巻煉瓦は、シール金物の変形
が助長され、そして、下部が直径方向に拡大変形したと
きは、シール金物との間に充填した不定形耐火物で膨脹
吸収が図れないため、外巻煉瓦も一体的に外側へ押し出
され、縦目地が開口し、目地損傷を来すことによって脱
落を招くこととなる。また、シール金物の拡大変形が助
長されることによって、“シール金物と不定形耐火物と
の間”および“不定形耐火物と外巻煉瓦との間”に隙間
がより発生し易くなり、侵入した空気は、使用中に、高
温に達した外巻煉瓦の背面をとおってMgO−C質の主
成分である炭素を著しく酸化させることとなる。
【0010】本発明は、上記従来の技術が有する諸問題
に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、稼働中に外巻煉瓦の目地開きを防止し、該外巻煉瓦
の脱落を抑制するRH設備用の浸漬管を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るRH設備用
の浸漬管は、「シール金物の外周に、不定形耐火物を介
して、外巻煉瓦を周設、配置して成り、溶鋼に浸漬して
真空脱ガス処理を行う浸漬管において、前記不定形耐火
物と外巻煉瓦との間に膨脹吸収材を介在させたことを特
徴とするRH設備用浸漬管。」(請求項1)、を要旨とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るRH設備用浸漬管
は、上記したように、不定形耐火物と外巻煉瓦との間に
膨脹吸収材を介在させたことを特徴とするが、この膨脹
吸収材として、加圧収縮性を有する可撓性ボード、特
に、・可撓度5mm以上の可撓性で、且つ1500℃,0.5
kg/cm2の荷重下で可撓率30〜60%の加圧収縮性を
有する可撓性ボードであること(請求項2)、を本発明の
好ましい実施態様とするものである。
【0013】この可撓性ボードについては、後記実施例
でも説明するが、セラミックファイバー,ボール紙,一
般の紙類等を夫々単独,混合あるいは層状に重ねて使用
することができるが、圧縮特性,耐食性を兼ね備えたセ
ラミックファイバーを採用することが望ましい。このセ
ラミックファイバーとしては、本出願人等が先に提案し
た特公平6-31681号公報に開示されているように、可撓
度“5mm以上”で、かつ1500℃,0.5kg/cm2の荷重下で
可縮率“30〜60%”の加圧収縮性を有する「MgO値90
%程度のMgO質ボード(可撓性ボード)」が効果的であ
る。また、この「MgO質ボード(可撓性ボード)」の他
に、アルミナ(Al2O3)質やスピネル(MgO-Al2O3)質などの
可撓性ボードも使用することができる。
【0014】本発明において、膨脹吸収材の材質として
「可撓度5mm以上の可撓性で、且つ1500℃,0.5kg/cm2
の荷重下で可撓率30〜60%の加圧収縮性を有する可撓性
ボード」が好ましいとする理由は、次のとおりである。
可撓度5mm未満では、隙間が生じやすく、施工性が悪く
なるので好ましくなくない。また、1500℃,0.5kg/cm2
の荷重下で“可撓率30〜60%”の加圧収縮性の範囲外で
は、例えば、この可撓率が30%未満のように小さすぎる
と、可撓性ボ−ドの厚みを厚くする必要があり、断熱効
果が増大することによってMgO−C煉瓦の溶損が大き
くなる。逆に、可撓率が60%を超えると(大きすぎる
と)、可撓性ボ−ドの厚みを薄くする必要があり、断熱
効果が減少してシ−ル金物の温度が上昇し、変形が大き
くなるので好ましくない。
【0015】次に、本発明に係るRH設備用の浸漬管に
ついて、その作用を説明する。本発明に係るRH設備用
浸漬管では、シール金物の外周に配設する不定形耐火物
と、その外周部に周設、配置する外巻煉瓦との間に、膨
脹吸収材(好ましくは、前記した“加圧収縮性を有する
可撓性ボード”)を介在してあるので、浸漬中に、溶鋼
が保有する高温によりシール金物の下部が直径方向に拡
大変形しても、外巻煉瓦が一体的に外側へ押し出される
ことがなく、特に「外筒を形成する外巻煉瓦に目地切れ
が生じて開口し、目地溶損が加速度的に進行して侵入し
た溶鋼によって支持受け金具が溶融し外巻煉瓦が脱落す
る」のを防止することができる。
【0016】また、C含有材質の主成分である炭素の酸
化を防止することができる。そのため、本発明に係るR
H設備用の浸漬管では、不定形耐火物より耐食性が高く
ノロが付着し難い“例えばMgO−C質等のC含有煉
瓦”を外周面側に配設し、安定した状態とすることで
「耐食性の向上,吹付け補修の削減,ノロ付着防止」等
を図ることができ、ひいては、浸漬管の寿命を大幅に延
命させることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜4に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である
RH設備用浸漬管の縦断面図であり、図2は、図1のA
−A線に相当する水平断面図である。また、図3は、図
1のRH設備用浸漬管の要部拡大詳細図であり、図4
は、係止部材の斜視図である。
【0018】本実施例のRH設備用浸漬管は、図1に示
すように、その基本構造は、前記した従来のものと同
様、上端をフランジ8に固着し、外面にスタッド1等が
多数植設された円筒状の鋼鉄製シ−ル金物2の内周に、
円周方向を複数個に分割した横迫り煉瓦からなる内巻煉
瓦3を1段または複数段に継ぎ合わせることにより、内
張りして内筒6とし、この内巻煉瓦3とシ−ル金物2と
の間にキャスタブル耐火物等の不定形耐火物4が施工さ
れている。一方、シ−ル金物2の外周に、キャスタブル
耐火物等の不定形耐火物4を介して、外巻煉瓦10を施
工して外筒7とし、これら内筒6,外筒7を貫通する複
数本のガス吹込管5を配設して一体化させた構成を有し
ている。
【0019】前記内巻煉瓦3は、図1に示す実施例で
は、上下方向に1段積みとされ、シール金物2の下端よ
り稍上位置で内周側に突設した支持金具2aによって全
体を吊持するようにされており、その下部には不定形耐
火物4が配設されている。
【0020】本実施例のRH設備用浸漬管は、前記浸漬
管の外周側であってシール金物2から離れた外側に、不
定形耐火物4を介して、外巻煉瓦10を周設,配置し、
かつ、不定形耐火物4と外巻煉瓦10との間に膨脹吸収
材11が介在されている構造からなる。(この点で、従
来の前記浸漬管と異なる。)
【0021】ところで、前記したように、浸漬管を溶鋼
中に浸漬して脱ガス処理を行うと、溶鋼が保有する高温
及びスラグによって、溶鋼に浸漬される“外周面側の損
傷”が急激に進行する。このため、吹付け補修等の手段
によって補修作業を頻繁に行わなければならなくなる
が、前記外巻煉瓦10は、この補修作業を削減したり、
あるいは、スラグや地金等のノロが付着するのを防止す
るために設けたものである。
【0022】前記外巻煉瓦10をシール金物2の外側全
体に周設,配置することにより、それだけ外巻煉瓦10
の強度を高め、延命も図ることができるが、一方で、シ
ール金物2の外周面には、溶鋼を環流させるためのガス
吹込管5が環状に複数本配管されている。そして、シー
ル金物2と外巻煉瓦10とを密着させた場合には、ガス
吹込管5の配管状態に合わせて、外巻煉瓦10の内周面
側に溝を形成する必要があり、このため、浸漬管の製作
が極めて煩雑になるという問題があり、この煩雑さを最
小必要限にとどめる必要がある。
【0023】そこで、本実施例のRH設備用浸漬管で
は、図3に拡大して示すように、シール金物2の外側で
あってシール金物2から離れた位置に、不定形耐火物4
を介して、浸漬管の大きさに合わせて円周方向を複数個
に分割した“横迫り形状の煉瓦(外巻煉瓦10)”を1段
継ぎ合わせ、フランジ8の直下から下方位置に設けられ
ている。そして、本出願人の一人が先に出願した特開平
8−85818号公報に開示されているように、シール金物2
から離した位置で、係止部材9により外巻煉瓦10を固
定し吊持するため、この外巻煉瓦10には、その上端外
周面の所定位置に所定の大きさの凹部10aが穿設され
(前掲の図3参照)、その下端には、外周方向に上向きの
傾斜が設けられている。
【0024】前記係止部材9は、外巻煉瓦10をシール
金物2から離した位置に固定するために設けるものであ
って、例えば一般構造用圧延鋼材等の普通鋼、あるい
は、ステンレス鋼等の特殊鋼等から成る。この係止部材
9は、その一例を示す図4(係止部材の斜視図)のよう
に、断面L字形の長辺外側に突起部9aを垂設したもの
である。そして、前掲の図3に示すように、この突起部
9aに対応する形状の凹部10aを外巻煉瓦10の上端
部外周に設け、該凹部10aに前記突起部9aを嵌挿
し、係止部材9の短辺側をフランジ8に“溶接またはネ
ジ止め”などの適当な手段で、固定することができる。
また、係止部材9の下部は、外巻煉瓦10下端の傾斜面
に摺動自在に当接し、その一端をシール金物2の外周に
溶接等の手段で固定することができる。
【0025】本実施例において、前記外巻煉瓦10の材
質としては、ノロの付着を防止し耐用性の向上を図るた
め、C量が多く、熱膨脹率が小さく、高耐食性,高耐ス
ポーリング性等の品質特性を有していることが好まし
く、これらの品質特性を有している材質としては「Mg
O-C質」「Al23-MgO-C質」等を適用すること
ができる。
【0026】本実施例のRH設備用浸漬管では、前記し
たとおり、前記浸漬管の外周側であってシール金物2か
ら離れた外側に、不定形耐火物4を介して、外巻煉瓦1
0を周設,配置し、かつ、不定形耐火物4と外巻煉瓦1
0との間に膨脹吸収材11が介在されている構造からな
る(前掲の図1〜図3参照)。
【0027】膨脹吸収材11を介在させない場合、シー
ル金物2と外巻煉瓦10との間が、不定形耐火物4を充
填することによって、固着した状態となる。そして、シ
ール金物2が鋼鉄製であるために、溶鋼が保有する高温
を受けると、シール金物2が膨脹し、その下部が直径方
向に拡大変形する。このシール金物2の膨脹に伴う拡大
変形(外巻煉瓦10との間に充填した不定形耐火物4に
よってはこの膨脹吸収が図れない)により、外巻煉瓦1
0も一体的に外周側へ押し出され、縦目地が開口して目
地損傷が加速度的に進行し、しかも、侵入した溶鋼によ
って下部の係止部材9やシール金物2などを溶融し、内
巻煉瓦3および外巻煉瓦10が脱落することとなる。
【0028】本実施例のRH設備用浸漬管では、シール
金物2の前記膨脹を吸収させ、これにより、内巻煉瓦3
や外巻煉瓦10の脱落を防止させるため、前記したよう
に、不定形耐火物4と外巻煉瓦10との間に膨脹吸収材
11を介在させた構造からなる。
【0029】本実施例において、膨脹吸収材11として
は、外巻煉瓦10に適用する煉瓦品質の熱膨脹係数およ
びシール金物2の材質、それらの肉厚寸法(あるいは直
径寸法)などによって左右され、一概に限定することは
できないが、一例を挙げると、シール金物2に一般構造
用圧延鋼材を用いた場合には、その直径方向への膨脹係
数が下部で1.5〜5.0%程度であるため、外巻煉瓦10の
膨脹係数との差分が吸収できる厚さ寸法に設定すればよ
い。
【0030】また、膨脹吸収材11を形成する膨脹吸収
材としては、セラミックファイバー,ボール紙,一般の
紙類等を夫々単独,混合あるいは層状に重ねて使用する
ことができるが、圧縮特性、耐食性を兼ね備えたセラミ
ックファイバーを採用することが望ましい。このセラミ
ックファイバーとしては、本出願人等が先に出願した特
公平6-31681号公報に開示されているように、可撓度
“5mm以上”で、かつ1500℃,0.5kg/cm2の荷重下で可
縮率“30〜60%”の加圧収縮性を有する「MgO値90%
程度のMgO質ボード」が良好な一例である。
【0031】そして、外巻煉瓦10を周設,配置する
際、外巻煉瓦10の内周面に膨脹吸収材11を予め貼付
しておき、フランジ8直下のシール金物2外周面に“ボ
ルトあるいは鉄板等の位置決め金具2b”を溶接してか
ら周設,配置し、係止部材9の先端側を外巻煉瓦10の
所定位置に穿設してある“凹部10a”に挿入する(前
掲の図3参照)。このように、外巻煉瓦10の上下を固
定した後、膨脹吸収材11とシール金物2との間に不定
形耐火物4を充填する。
【0032】本実施例では、上記したように、浸漬管外
周面の周方向であってシール金物2から離した位置に、
膨脹吸収材11が貼付されている外巻煉瓦10を周設,
配置し、これを係止部材9で固定する。その後、シール
金物2と膨脹吸収材11との間に不定形耐火物4を充填
する手段を採用することにより、浸漬管の製作が容易で
ある。
【0033】また、本実施例のRH設備用浸漬管では、
不定形耐火物4と外巻煉瓦10との間に膨脹吸収材11
が介在させた構造からなるので、稼働中にシール金物2
が膨脹して直径方向に拡大変形しても、外巻煉瓦10が
一体的に外側へ押し出されて目地損傷を来すことがな
く、倒壊,脱落等の事故を防止することができる。さら
に、溶鋼が保有する高温およびスラグによる損傷に対し
て、大幅に軽減することができるので、吹付け補修等に
よる補修作業を削減することができ、しかも、スラグや
地金等の“ノロの付着”も防止することができる。
【0034】更にまた、膨脹吸収材11として、圧縮特
性,耐食性を兼ね備えたセラミックファイバーを適用す
ることによって、外巻煉瓦10に例えば“MgO−C
質”を適用した場合であっても、主成分である炭素の酸
化を防止することができるだけでなく、断熱効果によっ
てシール金物2の温度上昇を抑制することができる。
【0035】その上、本実施例のRH設備用浸漬管で
は、係止部材9を用い、これをシール金物2の外側に突
設して設け、そして、係止部材9の材質として、鋼鉄製
に代えて「ジルコニア,アルミナ,サイアロン」などの
セラミックス材料を使用し、これをネジ止め固定して使
用することができ、これによって、溶鋼が保有する高温
による酸化,溶融を防止し、大幅な耐用寿命の延長を図
ることができる。
【0036】なお、図1に示した実施例では、内巻煉瓦
3を1段重ねとし、シール金物2の下端よりやや上位部
で内側に突設した支持金具2aによって、全体を吊持す
るようにし、その下方に、不定形耐火物4の層を設けた
浸漬管の構造を示した。しかし、本発明は、これに限定
されるものではなく、例えば、上下方向を2段以上にし
た内巻煉瓦3を用いたり、引掛部をL字状に形成した
り、下段内巻煉瓦3を下方に向かって截頭円錐体状に形
成したり、内巻煉瓦3下方の不定形耐火物4の層を設け
なくしたりすることもでき、いずれも本発明に包含され
るものである。
【0037】また、外巻煉瓦10は、フランジ8の直下
から下方位置に周設,配置した例を示したが、フランジ
8からやや離したシール金物2の下方位置外周に陣笠状
にリブを設け、上端部を外巻煉瓦10の上端面所定位置
に凹部10aを穿設し、係止部材9の基端側をリブの外
周面に固定することによってフランジ8からやや下方位
置に周設することもできる。更に、係止部材9の突起部
9aだけを円柱状としたが(前掲の図4参照)、全体を円
柱状にし、L字状に屈曲させても良いことはもちろんで
ある。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したように、シール
金物の外周に、不定形耐火物を介して、外巻煉瓦を周
設,配置して成り、溶鋼に浸漬して真空脱ガス処理を行
う浸漬管において、前記不定形耐火物と前記外巻煉瓦と
の間に膨脹吸収材を介在させたことを特徴とし、シール
金物の外周面へ、環状に複数本配管してあるガス吹込管
の配管状態に合わせて、外巻煉瓦の内周面に溝を形成す
る必要がなく、このため、浸漬管の製作を容易にするこ
とができる。
【0039】また、不定形耐火物と外巻煉瓦との間に膨
脹吸収材を介在させ、外巻煉瓦の上部をフランジ及び/
又はシール金物と係止部材により固定し、摺動自在にし
て基端をシール金物に固定した係止部材で下部を支持す
るようにしたことによって、浸漬管を溶鋼に浸漬して脱
ガス処理を行う際、従来の不定形耐火物よりも耐食性の
高い耐火煉瓦の目地損傷を防止し、稼働中に倒壊,脱落
させることなく適用することができ、浸漬管外周面側の
損傷を大幅に軽減することができ、その結果として、吹
付け補修等による補修作業を大幅に削減することができ
る。
【0040】さらに、本発明のRH設備用浸漬管におい
て、外巻煉瓦にノロが付着し難い“MgO−C質等の炭
素含有煉瓦”を適用しても、炭素の酸化を抑制し、稼働
中におけるノロの付着を防止し、ノロ除去作業を軽減す
ることができ、ひいては、浸漬管の寿命を大幅に延命さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるRH設備用浸漬管の縦
断面図である。
【図2】図1のA−A線水平断面図である。
【図3】図1のRH設備用浸漬管の要部拡大詳細図であ
る。
【図4】係止部材の斜視図である。
【図5】従来のRH設備用浸漬管の縦断面図である。
【符号の説明】
1 スタッド 2 シール金物 2a 支持金具 2b 位置決め金具 3 内巻煉瓦 4 不定形耐火物 5 ガス吹込管 6 内筒 7 外筒 8 フランジ 9 係止部材 9a 突起部 10 外巻煉瓦 10a 凹部 11 膨脹吸収材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるRH設備用浸漬管の縦
断面図である。
【図2】図1のA−A線水平断面図である。
【図3】図1のRH設備用浸漬管の要部拡大詳細図であ
る。
【図4】係止部材の斜視図である。
【符号の説明】 1 スタッド 2 シール金物 2a 支持金具 2b 位置決め金具 3 内巻煉瓦 4 不定形耐火物 5 ガス吹込管 6 内筒 7 外筒 8 フランジ 9 係止部材 9a 突起部 10 外巻煉瓦 10a 凹部 11 膨脹吸収材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール金物の外周に、不定形耐火物を介
    して、外巻煉瓦を周設,配置して成り、溶鋼に浸漬して
    真空脱ガス処理を行う浸漬管において、前記不定形耐火
    物と前記外巻煉瓦との間に膨脹吸収材を介在させたこと
    を特徴とするRH設備用の浸漬管。
  2. 【請求項2】 前記膨脹吸収材の材質が、可撓度5mm以
    上の可撓性で、且つ1500℃,0.5kg/cm2の荷重下で可撓
    率30〜60%の加圧収縮性を有する可撓性ボードであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のRH設備用の浸漬管。
JP10477797A 1997-04-22 1997-04-22 Rh設備用の浸漬管 Pending JPH10298632A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009263693A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Nippon Steel Corp 溶鋼処理装置用浸漬管
JP2010168601A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Tokyo Yogyo Co Ltd 浸漬管
JP2011032523A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Tokyo Yogyo Co Ltd 真空脱ガス炉の浸漬管
US9719148B2 (en) 2009-05-19 2017-08-01 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Furnace, refractory installing method, and refractory block

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