以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る蓄電装置について説明する。図1〜図3に示されるように、蓄電装置としての二次電池100は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。
二次電池100は、ケース10と、ケース10内に収容された電極組立体20とを備える。ケース10は例えばアルミニウム等の金属からなってもよい。電極組立体20は、正極30と、負極40と、正極30と負極40との間に配置されたセパレータ(他の絶縁部材)50とを備える。なお、図2では、セパレータ50の図示は省略されている。正極30、負極40は、例えばシート状である。セパレータ50は、例えば袋状であるが、シート状であってもよい。袋状のセパレータ50内には、例えば正極30が収容される。複数の正極30及び複数の負極40が、セパレータ50を介して交互に積層されている。ケース10内には電解液60が充填され得る。電解液60としては、例えば有機溶媒系又は非水系の電解液等が挙げられる。ケース10の内壁面上には、絶縁フィルム(図示せず)が配置される。
正極30は、金属箔30bと、金属箔30bの両面に設けられた正極活物質層30cとを備え得る。金属箔30bは例えばアルミニウム箔である。正極活物質層30cは、正極活物質とバインダとを含んでもよい。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物は、マンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとを含む。
正極30は、縁に形成されて所定方向(電極組立体20における積層方向に直交する方向)に突出するタブ(正極タブ)30aを有してもよい。タブ30aには、正極活物質が担持されていない。正極30は、タブ30aを介して導電部材32に接続され得る。導電部材32は、正極端子34に接続され得る。正極端子34は、絶縁リング36を介してケース10に取り付けられてもよい。
負極40は、金属箔40bと、金属箔40bの両面に設けられた負極活物質層40cとを備え得る。金属箔40bは例えば銅箔である。負極活物質層40cは、負極活物質とバインダとを含んでもよい。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素等が挙げられる。
負極40は、縁に形成されて所定方向(電極組立体20における積層方向に直交する方向)に突出するタブ(負極タブ)40aを有してもよい。タブ40aには、負極活物質が担持されていない。負極40は、タブ40aを介して導電部材42に接続され得る。導電部材42は、負極端子44に接続され得る。負極端子44は、絶縁リング46を介してケース10に取り付けられてもよい。
セパレータ50としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。
上記したように、電極組立体20は、正極30と負極40がセパレータ50により絶縁された状態の層状の構造を有している。より詳細には、電極組立体20は、正極30と、負極40と、正極30と負極40との間に配置されたセパレータ50と、が積層されてなる積層体である。
なお、電極組立体20では、ケース10の内方に向けて、負極40、セパレータ50、及び正極30がこの順に配置されるが、正極30、セパレータ50、及び負極40がこの順に配置されてもよい。
ケース10と電極組立体20との間には、短絡ユニット70が配置されている。二次電池100の製造時において、短絡ユニット70は、電極組立体20とは別の工程(すなわち別のライン)で製造される。言い換えれば、短絡ユニット70は、電極組立体20とは独立して製造される。短絡ユニット70は、正極30および負極40のそれぞれに接続された2種類の導電板14,16と2枚の絶縁部材18,19とが積層された積層体80(図3参照)が捲回されてなる捲回体である。短絡ユニット70は、捲回体として構成されることにより、ASSY化(若しくはユニット化)されている。これによって、二次電池100の製造効率が向上している。
図2に示されるように、短絡ユニット70は、電極組立体20の積層方向における他方の端部においても、同様に設けられる。他方に配置された短絡ユニット70は、一方に配置された短絡ユニット70と同一のユニットである。他方に配置された短絡ユニット70の向き(捲回方向)は、一方に配置された短絡ユニット70の向き(捲回方向)と同一である。なお、一方の短絡ユニット70と他方の短絡ユニット70とが逆向きに配置され、電極組立体20の積層方向に垂直な面に関して面対称をなしてもよい。一方の短絡ユニット70と他方の短絡ユニット70とが、異なる構成を有するユニットであってもよい。短絡ユニット70は、電極組立体20の積層方向における一方のみに設けられてもよい。
図2および図3に示されるように、短絡ユニット70は、全体として、電極組立体20に沿って延在する平板状をなしている。短絡ユニット70は、電極組立体20の最外層の負極40に面接触している。短絡ユニット70は、外周側の導電板である第1導電板14と、内周側の導電板である第2導電板16と、第1導電板14と第2導電板16との間に配置された絶縁部材18と、第1導電板14の外周側に配置された絶縁部材19とを備える。短絡ユニット70は、第2導電板16と絶縁部材18と第1導電板14と絶縁部材19とからなる積層体80が捲回されることにより、形成される。短絡ユニット70は、積層体80が捲回されて形成されることにより、電極組立体20の積層方向と同方向に形成された層状の構造を有する。
第1導電板14は、負極40に電気的に接続される。例えば、第1導電板14は複数の銅箔が積層されてなる。第1導電板14を形成する銅箔として、金属箔40bと同じ銅箔が用いられてもよい。第1導電板14は、一枚の板状部材からなってもよい。第1導電板14には、活物質層が設けられていない。第1導電板14は、安全対策用の未塗工電極である。第1導電板14は、捲回される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
第2導電板16は、正極30に電気的に接続される。例えば、第2導電板16は複数のアルミニウム箔が積層されてなる。第2導電板16を形成するアルミニウム箔として、金属箔30bと同じアルミニウム箔が用いられてもよい。第2導電板16は、一枚の板状部材からなってもよい。第2導電板16には、活物質層が設けられていない。第2導電板16は、安全対策用の未塗工電極である。第2導電板16は、捲回される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
第1導電板14および第2導電板16の両面には、シリコン樹脂が塗布されてもよい。言い換えれば、第1導電板14および第2導電板16の表面は、シリコン樹脂を有してもよい。シリコン樹脂は、第1導電板14および第2導電板16のいずれか一方に塗布されてもよい。
第1導電板14および第2導電板16の両面には、シリコン合金が設けられてもよい。言い換えれば、第1導電板14および第2導電板16の表面は、シリコン合金を有してもよい。シリコン合金は、第1導電板14および第2導電板16のいずれか一方に設けられてもよい。
シリコン樹脂またはシリコン合金は、釘110(図6参照)等が二次電池100に刺さった場合に、第1導電板14と第2導電板16が互いに溶着し易いようにする機能を有する。
絶縁部材18は、第1導電板14と第2導電板16とを絶縁する。絶縁部材18は、絶縁シート又は絶縁層であってもよい。絶縁部材18としては、例えば樹脂シート、樹脂層、又はセパレータ50が用いられてもよい。絶縁部材18は、捲回される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
絶縁部材19は、積層体80が捲回された際に互いに隣接する第1導電板14と第2導電板16とを絶縁する。絶縁部材19は、絶縁シート又は絶縁層であってもよい。絶縁部材19としては、例えば樹脂シート、樹脂層、又はセパレータ50が用いられてもよい。絶縁部材19は、捲回される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
第1導電板14、第2導電板16、絶縁部材18、および絶縁部材19のそれぞれの短辺方向の長さは略等しい。捲回される前において、第1導電板14、第2導電板16、絶縁部材18、および絶縁部材19のそれぞれの長辺方向の長さは略等しい。すなわち、第1導電板14、第2導電板16、絶縁部材18、および絶縁部材19は、捲回される前において、略等しい大きさおよび形状を有する長方形状をなしている。
図1および図2に示されるように、第1導電板14は、一方の短辺に形成されて所定方向(短絡ユニット70における積層方向に直交する方向)に突出するタブ(第1タブ)14dを有してもよい。一方の短辺は、積層体80が捲回された後に外周側に配置される短辺である。すなわち、一方の短辺は、捲回方向における後段側の短辺である。タブ14dは、負極40のタブ40aに接続され得る。タブ14dの厚みは、第1導電板14における他の部分の厚みに比べて薄くてもよい。タブ14dは、タブ40aと重なるように配置され得る。タブ14dは、タブ40aに対して例えば溶接によって接合される。
第2導電板16は、一方の短辺に形成されて所定方向(短絡ユニット70における積層方向に直交する方向)に突出するタブ(第2タブ)16dを有してもよい。一方の短辺は、積層体80が捲回された後に外周側に配置される短辺である。すなわち、一方の短辺は、捲回方向における後段側の短辺である。タブ16dは、正極30のタブ30aに接続され得る。タブ16dの厚みは、第2導電板16における他の部分の厚みに比べて薄くてもよい。タブ16dは、タブ30aと重なるように配置され得る。タブ16dは、タブ30aに対して例えば溶接によって接合される。
第1導電板14の厚みは、第2導電板16の厚みより小さくてもよい。第1導電板14における銅箔の枚数が、第2導電板16におけるアルミニウム箔の枚数より少なくてもよい。例えば、第1導電板14を構成する銅箔を3枚とし、第2導電板16を構成するアルミニウム箔を5枚としてもよい。第1導電板14を構成する銅箔を5枚とし、第2導電板16を構成するアルミニウム箔を5枚としてもよい。第1導電板14および/または第2導電板16が一枚の板状部材から構成される場合、第1導電板14の厚みおよび/または第2導電板16の厚みを複数枚の金属箔に相当する厚みとしてもよい。
短絡ユニット70では、捲回軸線を基準として、外周側に第1導電板14が配置され、内周側に第2導電板16が配置されるが、第2導電板16が外周側に配置され、第1導電板14が内周側に配置されてもよい。すなわち、第1導電板14、絶縁部材18、第2導電板16、および絶縁部材19がこの順に積層された積層体を、第1導電板14が内周側となるように捲回してもよい。
図3に例示される短絡ユニット70では、積層体80が1周半捲回されている。短絡ユニット70内には、第2導電板16、絶縁部材18、第1導電板14、および絶縁部材19からなる積層部が3層形成される。すなわち、電極組立体20に近い方から順に、第1積層部71a、第2積層部71b、第3積層部71cが形成される。これにより、短絡ユニット70は、電極組立体20の積層方向と同方向に形成された層状の構造を有している。短絡ユニット70は、互いに積層された第1積層部71a、第2積層部71b、および第3積層部71cを有する。
第1積層部71aは、電極組立体20に近い方から順に、第1平板部19a、第1平板部14a、第1平板部18a、第1平板部16aが積層されてなる。第2積層部71bは、電極組立体20に近い方から順に、第2平板部16b、第2平板部18b、第2平板部14b、第2平板部19bが積層されてなる。第3積層部71cは、電極組立体20に近い方から順に、第3平板部16c、第3平板部18c、第3平板部14c、第3平板部19cが積層されてなる。
捲回体である短絡ユニット70は、全体として平板状をなしているため、2箇所の折り返し部70a,70bを有する。折り返し部70a,70bは、電極組立体20の積層方向(すなわち積層部71a〜71cの積層方向)に直交する方向の両端部に形成される。折り返し部70aと折り返し部70bとのそれぞれは、略U字状をなしている。言い換えれば、折り返し部70aと折り返し部70bとのそれぞれは、湾曲形状をなしている。
複数の積層部71a〜71cを有する短絡ユニット70において、短絡ユニット70を構成する第2導電板16、絶縁部材18、第1導電板14、および絶縁部材19のそれぞれは、折り返し部70a,70bを介して互いに連続している。言い換えれば、短絡ユニット70を構成する第2導電板16、絶縁部材18、第1導電板14、および絶縁部材19のそれぞれは、帯状をなす単一の板状部材(またはシート状部材)から構成される。なお、単一の板状部材とは、複数枚の金属箔が積層されて板状をなす態様を含む意である。
以上説明した構成を有する二次電池100では、短絡ユニット70は、第1導電板14と絶縁部材18と絶縁部材19とを備える積層体80が捲回されることによって形成される。このように、積層体80を捲回することで折り返し部70aが形成されるため、電極組立体20とは別に短絡ユニット70をASSY化(若しくはユニット化)することができる。よって、予めASSY化された短絡ユニット70を電極組立体20に組み付けるだけでよく、工程数が削減される。したがって、製造効率の向上を図ることができる。また、図4に示されるように、二次電池100に例えば釘110等が刺さると、釘110等はケース10を貫通して短絡ユニット70に刺さる。その場合、釘110等は、まず、ケース10に最も近接した第一層目の第3積層部71cを貫通する。第3平板部14c、釘110、第3平板部16cにより形成された通電パスを流れる電流は、例えば1000Aに達する。このとき、第2導電板16のアルミニウム箔の融点(約660℃)を超えて発熱が生じる可能性がある。第3積層部71cにおいて第3平板部14cが短絡電流によって発熱し、溶けて(焼き切れて)しまうと、溶けた第3平板部14cと釘110等が非接触となり、第1導電板14と第2導電板16との間の短絡が解消されてしまう。すなわち、第3平板部14cが溶けることにより、釘110の周囲に空隙Aが形成される。空隙Aの第1部分Aaは、第3平板部14cを貫通している。一方、図4に示される例では、空隙Aの第2部分Abは第3平板部16cを貫通しておらず、第3平板部16cの一部が釘110の先端110aに接触している。二次電池100によれば、短絡ユニット70は捲回されて層状の構造を有するため、次の第2積層部71bの第2平板部14bと第3平板部16cとの間で再度短絡を行わせることができる。したがって、未塗工電極における短絡を確実に行うことができる。この短絡時においても、積層体80が捲回されて一体化された短絡ユニット70によれば、積層体80の各層16,18,14,19が互いに離間して短絡ユニット70が積層方向に膨張する、といった現象を抑制することができる。
図5に示されるように、従来の二次電池200では、第1導電板204、絶縁部材208、および第2導電板206を備える短絡ユニット210が一層しか設けられなかったため、釘110が刺さり空隙Bが形成されると、空隙Bが第2導電板206を貫通し、第2導電板206と釘110とが電気的に非接触となる可能性があった。すなわち、短絡ユニット210において短絡解消が生じる可能性があった。この場合、電池残量(SOC)が十分に低下せず、活物質層が形成された正極30と負極40との間において短絡が生じるおそれがあった。正極30と負極40との間において短絡が生じると、正極活物質層30cと負極活物質層40cの短絡時に大電流が流れる可能性がある。
二次電池100によれば、互いに積層された複数の積層部71a〜71cを有する短絡ユニット70を備えることにより、積層部71a〜71c内において十分に電池残量(SOC)を低下させることができる。したがって、安全性が高められている。
第1導電板14を構成する銅の電気抵抗率は、第2導電板16を構成する材料の電気抵抗率に比べて小さい。よって、第1導電板14の厚みを小さくすることで第1導電板14の断面積が小さくなっても、第1導電板14において電気抵抗が大きく増大することが防止される。これにより、短絡を確実に行わせつつ、第1導電板14に用いられる銅の量を低減することができる。言い換えれば、第1導電板14が溶けない程度に第1導電板14の電気抵抗を低減することができる。
第1導電板14における銅箔の枚数は、第2導電板16におけるアルミニウム箔の枚数よりも少なくすることで、第1導電板14の断面積が小さくなっても、第1導電板14において電気抵抗が大きく増大することが防止される。これにより、短絡を確実に行わせつつ、第1導電板14に用いられる銅箔の枚数を低減することができる。言い換えれば、第1導電板14が溶けない程度に第1導電板14の電気抵抗を低減することができる。
また、第1導電板14に用いる銅箔を金属箔40bと共通にし、第2導電板16に用いるアルミニウム箔を金属箔30bと共通にすることで、原料の共通化が図られ、経済性が高められる。
第1導電板14は、所定の方向に突出して負極タブ40aに重なるように配置される第1タブ14dを有し、第2導電板16は、所定の方向に突出して正極タブ30aに重なるように配置される第2タブ16dを有すると、負極タブ40aと第1導電板14の第1タブ14dとの電気的な接続が容易になり、正極タブ30aと第2導電板16の第2タブ16dとの電気的な接続が容易になる。接合されたすべてのタブが所定の方向に突出するため、正極端子34および負極端子44を同じ方向に設けることができ、外部の配線が容易になる。
短絡ユニット70が電極組立体20に面接触するため、より大きい面積で短絡ユニット70と電極組立体20とが接触することになり、安全性が高められる。
第1導電板14および第2導電板16が、表面にシリコン樹脂を有すると、仮に第1導電板14または第2導電板16が釘110等から離れた場合であっても、図6に示されるように、第1導電板14と第2導電板16とがシリコン樹脂を介して溶着する。第1導電板14と第2導電板16とが互いに溶着することにより、第1導電板14と第2導電板16とを直接短絡させることができる。第1導電板14と第2導電板16とが円環状または円弧状の接合面Cにおいて面接触すると、十分な短絡面積を確保することができる。よって、第1導電板14および第2導電板16の厚みを低減することもできる。
第1導電板14および第2導電板16の少なくとも一方は、表面にシリコン合金を有してもよい。この構成によれば、仮に第1導電板14または第2導電板16が釘110等から離れた場合であっても、図6に示されるように、第1導電板14と第2導電板16とがシリコン合金を介して溶着する。第1導電板14と第2導電板16とが互いに溶着することにより、第1導電板14と第2導電板16とを直接短絡させることができる。第1導電板14と第2導電板16とが円環状または円弧状の接合面Cにおいて面接触すると、十分な短絡面積を確保することができる。よって、第1導電板14および第2導電板16の厚みを低減することもできる。
なお、第1導電板14と第2導電板16との直接短絡によるジュール発熱温度は絶縁部材18,19のシャットダウン温度を超える。そのため、絶縁部材18,19は熱収縮により短絡箇所の周辺から遠ざかる方向に収縮し、面接触面積を増加させる。絶縁部材18,19のシャットダウン開始温度で保持した際、MD(Machine Direction)方向とTD(Transverse Direction)方向における熱収縮率は2%以上である。なお、MD方向は、延伸時の流れ方向すなわち絶縁部材18,19の長さ方向(または縦方向)を意味し、TD方向は、MD方向に垂直な方向すなわち絶縁部材18,19の幅方向(または横方向)を意味する。
上述したように、二次電池100において、未塗工電極における短絡を確実に行うことができる。
次に、図7および図8を参照して、第2実施形態に係る蓄電装置について説明する。図7および図8に示される第2実施形態の二次電池が第1実施形態の二次電池100と違う点は、捲回体とされた短絡ユニット70に代えて、積層体80Aがつづら折り形状に折り返されてなる短絡ユニット70Aを備えた点である。
二次電池100の製造時において、短絡ユニット70Aは、電極組立体20とは別の工程(すなわち別のライン)で製造される。言い換えれば、短絡ユニット70Aは、電極組立体20とは独立して製造される。短絡ユニット70Aは、正極30および負極40のそれぞれに接続された2種類の導電板24,26と1枚の絶縁部材28とが積層された積層体80Aがつづら折り形状に折り返されてなる。短絡ユニット70Aは、積層体80Aが折り返されてなることにより、ASSY化(若しくはユニット化)されている。これによって、二次電池100の製造効率が向上している。
短絡ユニット70Aは、電極組立体20の積層方向における他方の端部においても、同様に設けられる。一方に配置された短絡ユニット70Aと、他方に配置された短絡ユニット70Aは、一方に配置された短絡ユニット70Aと同一のユニットである。他方に配置された短絡ユニット70Aの向きは、一方に配置された短絡ユニット70Aの向きと同一である。なお、一方の短絡ユニット70Aと他方の短絡ユニット70Aとが逆向きに配置され、電極組立体20の積層方向に垂直な面に関して面対称をなしてもよい。一方の短絡ユニット70Aと他方の短絡ユニット70Aとが、異なる構成を有するユニットであってもよい。短絡ユニット70Aは、電極組立体20の積層方向における一方のみに設けられてもよい。
短絡ユニット70Aは、全体として、電極組立体20に沿って延在する平板状をなしている。短絡ユニット70Aは、電極組立体20の最外層の負極40に面接触している。短絡ユニット70は、第1導電板24と、第2導電板26と、第1導電板24と第2導電板26との間に配置された絶縁部材28とを備える。短絡ユニット70Aは、電極組立体20側に配置された第1導電板24と、絶縁部材28と、ケース10側に配置された第2導電板26とからなる積層体80Aがつづら折り形状に折り返されることにより、形成される。短絡ユニット70Aは、積層体80Aが折り返されて形成されることにより、電極組立体20の積層方向と同方向に形成された層状の構造を有する。
第1導電板24は、負極40に電気的に接続される。例えば、第1導電板24は複数の銅箔が積層されてなる。第1導電板24を形成する銅箔として、金属箔40bと同じ銅箔が用いられてもよい。第1導電板24は、一枚の板状部材からなってもよい。第1導電板24には、活物質層が設けられていない。第1導電板24は、安全対策用の未塗工電極である。第1導電板24は、折り返される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
第2導電板26は、正極30に電気的に接続される。例えば、第2導電板26は複数のアルミニウム箔が積層されてなる。第2導電板26を形成するアルミニウム箔として、金属箔30bと同じアルミニウム箔が用いられてもよい。第2導電板26は、一枚の板状部材からなってもよい。第2導電板26には、活物質層が設けられていない。第2導電板26は、安全対策用の未塗工電極である。第2導電板26は、折り返される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
第1導電板24および第2導電板26の両面には、シリコン樹脂が塗布されてもよい。言い換えれば、第1導電板24および第2導電板26の表面は、シリコン樹脂を有してもよい。シリコン樹脂は、第1導電板24および第2導電板26のいずれか一方に塗布されてもよい。
第1導電板24および第2導電板26の両面には、シリコン合金が設けられてもよい。言い換えれば、第1導電板24および第2導電板26の表面は、シリコン合金を有してもよい。シリコン合金は、第1導電板24および第2導電板26のいずれか一方に設けられてもよい。
シリコン樹脂またはシリコン合金は、釘110(図6参照)等が二次電池100に刺さった場合に、第1導電板24と第2導電板26が互いに溶着し易いようにする機能を有する。
絶縁部材28は、第1導電板24と第2導電板26とを絶縁する。絶縁部材28は、絶縁シート又は絶縁層であってもよい。絶縁部材28としては、例えば樹脂シート、樹脂層、又はセパレータ50が用いられてもよい。絶縁部材28は、折り返される前において、長尺状すなわち帯状をなしている。
第1導電板24、第2導電板26、および絶縁部材28のそれぞれの短辺方向の長さは略等しい。折り返される前において、第1導電板24、第2導電板26、および絶縁部材28のそれぞれの長辺方向の長さは略等しい。すなわち、第1導電板24、第2導電板26、および絶縁部材28は、折り返される前において、等しい大きさおよび形状を有する長方形状をなしている。
図7に示されるように、第1導電板24は、一方の長辺に形成されて所定方向(短絡ユニット70Aにおける積層方向に直交する方向)に突出する複数のタブ(第1タブ)24f,24gを有してもよい。タブ24f,24gは、負極40のタブ40aに接続され得る。タブ24f,24gの厚みは、第1導電板24における他の部分の厚みに比べて薄くてもよい。タブ24f,24gは、タブ40aと重なるように配置され得る。タブ24f,24gは、タブ40aに対して例えば溶接によって接合される。
第2導電板26は、一方の長辺に形成されて所定方向(短絡ユニット70Aにおける積層方向に直交する方向)に突出する複数のタブ(第2タブ)26f,26gを有してもよい。タブ26f,26gは、正極30のタブ30aに接続され得る。タブ26f,26gの厚みは、第2導電板26における他の部分の厚みに比べて薄くてもよい。タブ26f,26gは、タブ30aと重なるように配置され得る。タブ26f,26gは、タブ30aに対して例えば溶接によって接合される。
第1導電板24の厚みは、第2導電板26の厚みより小さくてもよい。第1導電板24における銅箔の枚数が、第2導電板26におけるアルミニウム箔の枚数より少なくてもよい。例えば、第1導電板24を構成する銅箔を3枚とし、第2導電板26を構成するアルミニウム箔を5枚としてもよい。第1導電板24を構成する銅箔を5枚とし、第2導電板26を構成するアルミニウム箔を5枚としてもよい。第1導電板24および/または第2導電板26が一枚の板状部材から構成される場合、第1導電板24の厚みおよび/または第2導電板26の厚みを複数枚の金属箔に相当する厚みとしてもよい。また、一枚の銅箔の厚みが、一枚のアルミニウム箔の厚みよりも小さければ、銅箔の枚数をアルミニウム箔よりも多くしてもよい。また、銅箔の厚みやアルミニウム箔の厚みは、夫々一定でなくてもよい。
短絡ユニット70Aを形成する積層体80Aでは、第1導電板24が電極組立体20側に配置され、第2導電板26がケース10側に配置されるが、これとは逆に、第2導電板26が電極組立体20側に配置され、第1導電板24がケース10側に配置されてもよい。その場合、第2導電板26は、電極組立体20の負極40と電気的に絶縁される。
図7および図8に例示される短絡ユニット70Aでは、積層体80Aが4回折り返されている。短絡ユニット70A内には、第2導電板26、絶縁部材28、および第1導電板24からなる積層部が5層形成される。すなわち、電極組立体20に近い方から順に、第1積層部72a、第2積層部72b、第3積層部72c、第4積層部72d、第5積層部72eが形成される。これにより、短絡ユニット70Aは、電極組立体20の積層方向と同方向に形成された層状の構造を有している。短絡ユニット70Aは、互いに積層された第1積層部72a、第2積層部72b、第3積層部72c、第4積層部72d、および第5積層部72eを有する。
第1積層部72aは、電極組立体20に近い方から順に、第1平板部24a、第1平板部28a、第1平板部26aが積層されてなる。第2積層部72bは、電極組立体20に近い方から順に、第2平板部26b、第2平板部28b、第2平板部24bが積層されてなる。第3積層部72cは、電極組立体20に近い方から順に、第3平板部24c、第3平板部28c、第3平板部26cが積層されてなる。第4積層部72dは、電極組立体20に近い方から順に、第4平板部26d、第4平板部28d、第4平板部24dが積層されてなる。第5積層部72eは、電極組立体20に近い方から順に、第5平板部24e、第5平板部28e、第5平板部26eが積層されてなる。
上記した第1導電板24のタブ24fは、第1平板部24aに形成される。タブ24gは、第5平板部24eに形成される。第1導電板24のタブは、他の平板部、すなわち第2平板部24b,第3平板部24c,第4平板部24dに形成されてもよい。第2導電板26のタブ26fは、第1平板部26aに形成される。タブ26gは、第5平板部26eに形成される。第2導電板26のタブは、他の平板部、すなわち第2平板部26b,第3平板部26c,第4平板部26dに形成されてもよい。複数のタブは、第1導電板24および/または第2導電板26に形成される平板部の数(すなわち折り曲げ回数+1)だけ形成されてもよいし、それより少なく形成されてもよい。タブの数は、折り曲げ回数に応じた数量とすることができる。
このように、第1導電板24および第2導電板26にタブを複数形成することにより、タブにおける電気抵抗を低減することができる。よって、短絡時において大電流が流れた場合であっても、タブが溶けること(焼き切れ)を防止できる。つづら折り形状に折り返されてなる短絡ユニット70Aにおいて、タブが平面部に形成されることにより、タブ同士の位置合わせが容易になっている。
つづら折り形状とされた短絡ユニット70Aは、全体として平板状をなしているため、4箇所の折り返し部70c,70d,70e,70fを有する。折り返し部70c,70d,70e,70fは、電極組立体20の積層方向(すなわち積層部72a〜72eの積層方向)に直交する方向の両端部に形成される。折り返し部70c,70d,70e,70fのそれぞれは、略U字状をなしている。言い換えれば、折り返し部70c,70d,70e,70fのそれぞれは、湾曲形状をなしている。
複数の積層部72a〜72eを有する短絡ユニット70Aにおいて、短絡ユニット70Aを構成する第1導電板24、絶縁部材28、および第2導電板26のそれぞれは、折り返し部70c,70d,70e,70fを介して互いに連続している。言い換えれば、短絡ユニット70Aを構成する第1導電板24、絶縁部材28、および第2導電板26のそれぞれは、帯状をなす単一の板状部材(またはシート状部材)から構成される。なお、単一の板状部材とは、複数枚の金属箔が積層されて板状をなす態様を含む意である。
以上説明した構成を有する二次電池の短絡ユニット70Aによっても、上述した第1実施形態の二次電池100の短絡ユニット70と同じ作用・効果が奏される。
図3および図8に示されるように、上記した短絡ユニット70,70Aにおいては、第1導電板14,24の厚みは、電極組立体20の負極40を構成する金属箔40bの厚みよりも大きい。蓄電装置に例えば釘110等が刺さった場合には、第1導電板14,24は短絡電流によって発熱するが、第1導電板14,24の厚みを負極40の金属箔40bの厚みよりも大きくすることにより、第1導電板14,24がすぐに溶けてしまうことが防止されている。よって、未塗工電極における短絡をより確実に行うことができる。この効果は、例えば車載される蓄電装置のように、大容量かつ大出力の蓄電装置においては特に有効である。
図9を参照して、第3実施形態に係る蓄電装置について説明する。図9に示される第3実施形態の二次電池が第2実施形態の二次電池と違う点は、短絡ユニット70Aに代えて、短絡ユニット70Bを備えた点である。短絡ユニット70Bは、電極組立体20側に配置された第1導電板24と、絶縁部材28と、ケース10側に配置された第2導電板26とからなる積層体80Bがつづら折り形状に折り返されることにより、形成される。短絡ユニット70Bが短絡ユニット70Aと違う点は、折り返される前において、第1導電板24、絶縁部材28、第2導電板26の長尺方向が90度異なる点である。短絡ユニット70Bでは、帯状の第1導電板24において、タブ24f,24gが両方の短辺に形成されている。帯状の第2導電板26において、タブ26f,26gが両方の短辺に形成されている。
上記の構成を有する二次電池の短絡ユニット70Bによっても、上述した第1実施形態の二次電池100の短絡ユニット70および第2実施形態の短絡ユニット70Aと同じ作用・効果が奏される。
次に、図10を参照して、第4実施形態に係る蓄電装置について説明する。図10に示される第4実施形態の二次電池が第1実施形態の二次電池100と違う点は、2枚の絶縁部材18,19を有する捲回体である短絡ユニット70(図3参照)に代えて、積層体80Cが捲回されてなる短絡ユニット70Cを備えた点である。積層体80Cでは、第1導電板14と第2導電板16とこれらの間に配置された1枚の絶縁部材18とが積層されている。
短絡ユニット70Cでは、第1実施形態の短絡ユニット70と同様、第1導電板14は外周側に配置され、第2導電板16は内周側に配置される。短絡ユニット70Cでは、ケース10側の最外層に、銅からなる第1導電板14が配置されている。すなわち、外周側に配置された第1導電板14は、第1導電板14、第2導電板16、及び絶縁部材18のうち、最もケース10の近くに配置されている。また、外周側に配置された第1導電板14は、第1導電板14、第2導電板16、及び絶縁部材18のうち、最も電極組立体20の近くに配置されている。積層体80Cが捲回された際に互いに隣接する第1導電板14と第2導電板16との間には、板状またはシート状の絶縁部材19Cが配置される。第1導電板14の厚みは、電極組立体20の負極40を構成する金属箔40bの厚みよりも大きい。第2導電板16の厚みは、電極組立体20の正極30を構成する金属箔30bの厚みよりも大きい。
短絡ユニット70Cでは、銅からなる第1導電板14が、最もケース10の近くに配置されて、短絡ユニット70Cの最外層に露出する。銅は、熱容量が大きく、また熱伝導率が高い。よって、短絡ユニット70Cの放熱性が高められている。その結果として、短絡時の熱引けが良くなっており、熱暴走が生じ難くなっている。また、銅からなる第1導電板14が最も電極組立体20の近くに配置されるため、短絡ユニット70Cと電極組立体20との間に絶縁部材を設ける必要がない。
次に、図11を参照して、第5実施形態に係る蓄電装置について説明する。図11に示される第5実施形態の二次電池が第2実施形態の二次電池と違う点は、短絡ユニット70A(図8参照)に代えて、短絡ユニット70Aにおける第1導電板24と第2導電板26の配置が互いに入れ替えられた短絡ユニット70Dを備えた点である。短絡ユニット70Dは、正極30および負極40のそれぞれに接続された2種類の導電板24,26と1枚の絶縁部材28とが積層された積層体80Dがつづら折り形状に折り返されてなる。
短絡ユニット70Dでは、ケース10側の最外層に、銅からなる第1導電板24が配置されている。すなわち、第1導電板24は、第1導電板24、第2導電板26、及び絶縁部材28のうち、最もケース10の近くに配置されている。また、アルミニウムからなる第2導電板26が、第1導電板24、第2導電板26、及び絶縁部材28のうち、最も電極組立体20の近くに配置されている。短絡ユニット70Dと電極組立体20との間には、板状またはシート状の絶縁部材29Dが配置される。第1導電板24の厚みは、電極組立体20の負極40を構成する金属箔40bの厚みよりも大きい。第2導電板26の厚みは、電極組立体20の正極30を構成する金属箔30bの厚みよりも大きい。
短絡ユニット70Dにおいても、銅からなる第1導電板14が、最もケース10の近くに配置されて短絡ユニット70Dの最外層に露出するため、短絡ユニット70Dの放熱性が高められている。
次に、図12を参照して、第6実施形態に係る蓄電装置について説明する。図12に示される第6実施形態の二次電池が第2実施形態の二次電池と違う点は、短絡ユニット70Aに代えて、短絡ユニット70Aにおける第5積層部72eが省かれた短絡ユニット70Eを備えた点である。すなわち、短絡ユニット70Eでは、積層体80Eは3回(奇数回)折り返されており、第1導電板24がケース10側の最外層に配置されている。言い換えれば、短絡ユニット70Eは、3つの折り返し部70c,70d,70eを有する。第1導電板24は、第1導電板24、第2導電板26、及び絶縁部材28のうち、最もケース10の近くに配置されており、かつ、最も電極組立体20の近くに配置されている。第1導電板24の厚みは、電極組立体20の負極40を構成する金属箔40bの厚みよりも大きい。第2導電板26の厚みは、電極組立体20の正極30を構成する金属箔30bの厚みよりも大きい。
短絡ユニット70Eにおいても、銅からなる第1導電板24が、最もケース10の近くに配置されて短絡ユニット70Eの最外層に露出するため、短絡ユニット70Eの放熱性が高められている。また、銅からなる第1導電板24が最も電極組立体20の近くに配置されるため、短絡ユニット70Eと電極組立体20との間に絶縁部材を設ける必要がない。
次に、図13を参照して、第7実施形態に係る蓄電装置について説明する。図13に示される第7実施形態の二次電池が第4実施形態の二次電池と違う点は、短絡ユニット70C(図10参照)に代えて、積層体80Fが捲回されてなる短絡ユニット70Fを備えた点である。積層体80Fでは、第1導電板14の長尺方向の長さが、第2導電板16および絶縁部材18の長尺方向の長さよりも長くなっている。言い換えれば、第1導電板14は、第2導電板16および絶縁部材18よりも長く延びる延長部14fを有する。短絡ユニット70Fでは、第1導電板14の延長部14fが、積層体80Fからなる層状体90Fのケース10側で折り返されている。すなわち、短絡ユニット70Fでは、積層体80Fの捲回構造と、延長部14fの折り返し構造とが組み合わされている。積層体80Fが捲回された際に互いに隣接する第1導電板14と第2導電板16との間には、板状またはシート状の絶縁部材19Fが配置される。
短絡ユニット70Fでは、銅からなる第1導電板14の延長部14fがケース10側で折り返されて重ねられるため、短絡ユニット70Fの放熱性がより一層高められている。また、折り返しによって、最外層における第1導電板14の厚みが増大するため、未塗工電極における短絡をより確実に行うことができる。この効果は、例えば車載される蓄電装置のように、大容量かつ大出力の蓄電装置においては特に有効である。
次に、図14を参照して、第8実施形態に係る蓄電装置について説明する。図14に示される第8実施形態の二次電池が第4実施形態の二次電池と違う点は、短絡ユニット70C(図10参照)に代えて、積層体80Gが捲回されてなる短絡ユニット70Gを備えた点である。積層体80Gでは、第1導電板14の長尺方向の長さが、第2導電板16および絶縁部材18の長尺方向の長さよりも長くなっている。言い換えれば、第1導電板14は、第2導電板16および絶縁部材18よりも長く延びる延長部14gを有する。短絡ユニット70Gでは、第1導電板14の延長部14gが、積層体80Gからなる層状体90Gの外周に捲回されている。積層体80Gが捲回された際に互いに隣接する第1導電板14と第2導電板16との間には、板状またはシート状の絶縁部材19Gが配置される。
短絡ユニット70Fでは、銅からなる第1導電板14が短絡ユニット70Gの外周に配置されるため、短絡ユニット70Gの放熱性をより一層高めることができる。また、延長部14gを1周以上捲回することにより、最外層における第1導電板14の厚みが増大するため、未塗工電極における短絡をより確実に行うことができる。この効果は、例えば車載される蓄電装置のように、大容量かつ大出力の蓄電装置においては特に有効である。
上記した短絡ユニット70C〜70Gによっても、上述した第1実施形態の二次電池100の短絡ユニット70と同様、ASSY化による製造効率の向上等といった作用・効果が奏される。
短絡ユニット70C〜70Gでは、第1導電板14,24の厚みを負極40の金属箔40bの厚みよりも大きくすることにより、第1導電板14,24がすぐに溶けてしまうことが防止されている。よって、未塗工電極における短絡をより確実に行うことができる。この効果は、例えば車載される蓄電装置のように、大容量かつ大出力の蓄電装置においては特に有効である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。短絡ユニット70,70A,70Bにおいて、第1導電部材、絶縁部材、第2導電部材、絶縁部材、第1導電部材、絶縁部材、第2導電部材の7部材を有する積層体が捲回され、または折り返されてもよい。
積層体が折り返されてなる短絡ユニット70A,70Bにおいて、第1導電板24の折り曲げ回数を第2導電板26の折り曲げ回数よりも少なくしてもよい。たとえば、銅箔からなる第1導電板24の折り曲げ回数を1〜2回とし、アルミニウム箔からなる第2導電板26の折り曲げ回数を4回としてもよい。各導電板の折り曲げ回数は、求められる安全性に応じて変化させてもよい。
図15に示される短絡ユニット70Hのように、第1導電板24、絶縁部材28、第2導電板26からなる積層体80Hにおいて、第1導電板24のみを延長して延長部24hを設けてもよい。この積層体80Hを3回折り返してつづら折り形状の層状体90Hを形成した上で、延長部24hを層状体90Hのケース10側で折り返してもよい。
図16に示される短絡ユニット70Jのように、第1導電板24、絶縁部材28、第2導電板26からなる積層体80Jにおいて、絶縁部材28を第2導電板26よりも延長して延長部28jを設け、第1導電板24を絶縁部材28よりも更に延長して延長部24jを設けてもよい。この積層体80Jを4回折り返してつづら折り形状の層状体90Jを形成した上で、延長部24jを層状体90Jのケース10側で折り返してもよい。この場合、第1導電板24の延長部24jと第2導電板26との間には、絶縁部材28の延長部28jが配置される。
図17に示される短絡ユニット70Kのように、上記第5実施形態の積層体80D(図11参照)における第1導電板24のみを延長して延長部24kとされた積層体80Kを用いてもよい。この積層体80Kを4回折り返してつづら折り形状の層状体90Kを形成した上で、延長部24kを層状体90Kのケース10側で折り返してもよい。短絡ユニット70Kと電極組立体20との間には、板状またはシート状の絶縁部材29Kが配置される。
上記実施形態では、釘110が二次電池100に刺さる場合について説明したが、円柱状の押圧部材によって、二次電池100が圧潰する場合にも、同様の作用効果が奏される。
蓄電装置として、二次電池100の他に、例えば電気二重層キャパシタ等が挙げられる。
例えば二次電池100等の蓄電装置は、車両に搭載されてもよい。車両としては、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、電気車椅子、電動アシスト自転車、電動二輪車等が挙げられる。