1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、ダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。プリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体の一例としての用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4と、画像が形成された用紙Pを排紙するための排紙部5と、画像が形成された用紙Pを画像形成部4に再度搬送するための反転搬送部6と備えている。
なお、以下の説明において、プリンタ1の方向に言及するときには、プリンタ1を水平に載置した状態を上下の基準とする。すなわち、図1の紙面上方が上方であり、紙面下方が下方である。また、図1の紙面右方が前方であり、図1の紙面左方が後方である。また、プリンタ1を前方から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前が左方であり、紙面奥が右方である。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3と画像形成部4と排紙部5と反転搬送部6とを収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されている。本体ケーシング2は、本体開口部9を有する前壁と、フロントカバー10とを備えている。フロントカバー10は、その下端部を支点として、本体開口部9を開閉するように揺動可能に構成されている。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを画像形成部4に向けて搬送するように構成されている。給紙部3は、給紙ユニットの一例としての給紙トレイ12と、ピックアップローラ13と、給紙ローラ14と、給紙パッド15と、搬送ローラ16と、レジストローラ17とを備えている。
給紙トレイ12は、用紙Pを載置して収容し、本体ケーシング2内の底部に着脱可能に装着されている。給紙トレイ12上の用紙Pは、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られ、給紙ローラ14の回転により1枚ずつ捌かれる。
搬送ローラ16は、給紙ローラ14から画像形成部4への略U字状の搬送経路内に位置し、給紙ローラ14から搬送されてきた用紙Pをレジストローラ17に向けて搬送する。
レジストローラ17は、搬送ローラ16よりも用紙Pの搬送方向下流側、かつ、画像形成部4よりも用紙Pの搬送方向上流側に位置し、搬送ローラ16から搬送された用紙Pと突き当たることで、用紙Pの斜行を補正する。そして、レジストローラ17を正転方向に回転させることで、用紙Pを所定のタイミングで、画像形成部4における後述する感光ドラム28と、後述する搬送ベルト39との間に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット20、ドロワユニット21、転写ユニット22、および定着ユニット23を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット20は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット20は、後述する複数、すなわち4つの感光ドラム28のそれぞれに向けて、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、後述する感光ドラム28を露光する。
(3−2)ドロワユニット
ドロワユニット21は、本体ケーシング2の上下方向略中央であって、スキャナユニット20の下方に配置されている。ドロワユニット21は、前後方向にスライド可能であり、本体開口部9を介して本体ケーシング2外に引き出し可能に構成されている。ドロワユニット21は、1つのプロセスユニット27と、複数、すなわち4つの現像カートリッジ30とを備えている。
プロセスユニット27は、各色に対応して複数、すなわち4つの感光ドラム28と、複数、すなわち4つのスコロトロン型帯電器29とを備えている。
複数の感光ドラム28のそれぞれは、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、プロセスユニット27の前方から後方に向かって、ブラック感光ドラム28Kと、イエロー感光ドラム28Yと、マゼンタ感光ドラム28Mと、シアン感光ドラム28Cとが、順次配列されている。
感光ドラム28は、左右方向に長手の略円筒形状に形成され、プロセスユニット27の下端部において、下方から露出されるように回転可能に支持されている。
複数のスコロトロン型帯電器29のそれぞれは、複数の感光ドラム28のうちの1つに対応して設けられている。スコロトロン型帯電器29は、対応する感光ドラム28の後上方に、感光ドラム28と間隔を隔てて位置されている。
複数の現像カートリッジ30のそれぞれは、複数の感光ドラム28のうちの1つに対応して備えられている。現像カートリッジ30は、対応する感光ドラム28の上方において、プロセスユニット27に着脱可能に備えられている。現像カートリッジ30は、現像ローラ31と、供給ローラ32と、層厚規制ブレード33とを備えている。
複数の現像カートリッジ30の現像ローラ31のそれぞれは、複数の感光ドラム28の各色に対応して、前方から後方に向かって、ブラック現像ローラ31Kと、イエロー現像ローラ31Yと、マゼンタ現像ローラ31Mと、シアン現像ローラ31Cとが、順次配列されている。
現像ローラ31は、左右方向に長手の略円柱形状に形成され、感光ドラム28の前上方に対して接触している。
供給ローラ32は、左右方向に長手の略円柱形状に形成され、現像ローラ31の前上方に対して接触している。
層厚規制ブレード33は、現像ローラ31の上方に対して接触している。
また、複数の現像カートリッジ30のそれぞれは、それらの上方の空間に、各色に対応するトナーを収容している。
現像カートリッジ30内のトナーは、供給ローラ32に供給され、さらに、現像ローラ31に供給され、供給ローラ32と現像ローラ31との間で正極性に摩擦帯電される。
現像ローラ31に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード33によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ31の表面に担持される。
一方、感光ドラム28の表面は、感光ドラム28の回転に伴って、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナユニット20からのレーザービームの高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム28の表面に形成される。
現像ローラ31の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーは、感光ドラム28がさらに回転すると、感光ドラム28の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム28の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット22は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、ドロワユニット21の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット22は、前後方向に間隔を隔てて位置する駆動ローラ37および従動ローラ38と、駆動ローラ37および従動ローラ38の周りに巻回される搬送ベルト39と、複数の感光ドラム28のそれぞれに対して、搬送ベルト39の上方部分を挟んで位置する複数、すなわち4つの転写ローラ41と、搬送ベルト39の下方部分に対向するベルトクリーニングローラ42とを備えている。
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト39によって、前方から後方に向かって、各感光ドラム28と各転写ローラ41とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。さらに、各感光ドラム28に担持されている各色のトナー像は、用紙Pの搬送中に、用紙Pに順次転写される。
また、搬送ベルト39上の残トナーは、ベルトクリーニングローラ42によってクリーニングされる。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット23は、転写ユニット22の後方に位置し、加熱ローラ43と、加熱ローラ43の後下に当接する加圧ローラ44とを備えている。転写ユニット22において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ43と加圧ローラ44との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙部
排紙部5は、画像形成部4において画像が形成された用紙Pを本体ケーシング2外に向けて搬送する、または、スイッチバックローラ50によってスイッチバックされた用紙Pを反転搬送部6に向けて搬送するように構成されている。排紙部5は、フラッパ47と、中間排紙ローラ48と、スイッチバックローラ50と、排出口49と、排紙トレイ51とを備えている。
中間排紙ローラ48は、本体ケーシング2の上下方向略中央における後方部分において、その回転方向が正転方向および反転方向に切り替え可能に、本体ケーシング2に支持されている。
スイッチバックローラ50は、本体ケーシング2の上後方部分において、その回転方向が正転方向および反転方向に切り替え可能に、本体ケーシング2に支持されている。より詳しくは、スイッチバックローラ50は、排出口49を介して、排紙トレイ51に向けて用紙Pを搬送する正転方向と、排紙トレイ51に向けて搬送された用紙Pを本体ケーシング2内に引き込む反転方向とに、後述する切替ユニット83によって、回転方向が切り替え可能に構成されている。
排出口49は、画像形成部4で画像が形成された後に、正転方向に回転するスイッチバックローラ50に搬送される用紙Pを本体ケーシング2の外に排出するための開口である。
排紙トレイ51は、本体ケーシング2の上方部分において、上方が開放される側面視略V字状に形成されている。
フラッパ47は、定着ユニット23の用紙Pの搬送方向下流側において、排紙位置と再搬送位置とに切り替え可能に構成される。排紙位置に位置されたフラッパ47は、定着ユニット23において熱定着された用紙Pを中間排紙ローラ48に向けてガイドする。再搬送位置に位置されたフラッパ47は、スイッチバックローラ50によって反転された用紙Pを排紙部5の下方に形成された反転搬送部6に向けてガイドする。
給紙ローラ14に給紙された用紙Pが、搬送ローラ16に搬送され、画像形成部4を通過した後に、排紙部5のスイッチバックローラ50に搬送されるまでの経路を1次搬送経路52とする。
(5)反転搬送部
反転搬送部6は、本体ケーシング2の後側から前側に用紙Pを搬送するように構成されている。反転搬送部6は、フラッパ47の下方から、給紙部3の下方を経由して、1次搬送経路52の画像形成部4よりも用紙Pの搬送方向上流側、詳しくは、搬送ローラ16よりも用紙Pの搬送方向上流側に合流するように形成されている。反転搬送部6は、反転搬送ローラ55を備えている。
反転搬送ローラ55は、給紙部3の下方において、前後方向に間隔を隔てて複数対、具体的には3つ設けられている。
用紙Pの両面に画像を形成する場合には、用紙Pは、定着ユニット23を通過し、その後端部が排紙位置に位置するフラッパ47を通過した後、排紙トレイ51に向けて搬送された後に本体ケーシング2内に戻される。そして、用紙Pは、再搬送位置に位置するフラッパ47を通過し、反転搬送部6内を複数の反転搬送ローラ55によって後方から前方に向かって搬送される。
そして、複数の反転搬送ローラ55を通過した用紙Pは、給紙トレイ12の前方から上に向けて搬送されて、1次搬送経路52に搬送される。1次搬送経路52に搬送された用紙Pは、搬送ローラ16により画像形成部4に向けて再び搬送され、画像が形成されていない面に画像が形成され、排紙トレイ51上に排紙される。
スイッチバックローラ50によってスイッチバックされた用紙Pが、排紙部5から反転搬送部6に向けて搬送され、反転搬送部6によって1次搬送経路52に合流するまでの搬送経路を2次搬送経路56とする。
2.メインモータおよびプロセスモータ
プリンタ1は、本体ケーシング2内に、さらに、駆動源の一例としてのメインモータ68とプロセスモータ69とを備えている。
メインモータ68は、本体ケーシング2の左方における上下方向略中央の後方部分に位置している。メインモータ68は、駆動されたときに、一方への回転駆動力を発生するように構成されている。メインモータ68は、図2Aに示すように、中間排紙ローラ48、スイッチバックローラ50、給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43、反転搬送ローラ55のそれぞれに回転駆動力を伝達するように構成されている。なお、メインモータ68は、本体ケーシング2内に用紙Pが詰まった場合に、他方への回転駆動力を発生し、搬送ローラ16、レジストローラ17、反転搬送ローラ55などを反転方向に回転させるように構成されている。
プロセスモータ69は、図1に示すように、本体ケーシング2の左方における上下前後方向略中央部分に位置している。プロセスモータ69は、駆動されたときに一方への回転駆動力を発生するように構成されている。プロセスモータ69は、図2Bに示すように、ブラック感光ドラム28K、イエロー感光ドラム28Y、マゼンタ感光ドラム28M、シアン感光ドラム28C、駆動ローラ37、イエロー現像ローラ31Y、マゼンタ現像ローラ31M、シアン現像ローラ31C、ベルトクリーニングローラ42のそれぞれに回転駆動力を伝達するように構成されている。
3.駆動力伝達機構の構成
プリンタ1は、用紙Pの両面、すなわち、用紙Pの一方側面および他方側面の両方に画像を形成するために、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の回転方向を正転方向と反転方向と切り替え可能な駆動力伝達機構76を備えている。
なお、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の正転方向とは、上記したように、用紙Pを排紙トレイ51に向けて搬送するように回転する回転方向であり、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の反転方向とは、上記したように、用紙Pを排出口49から反転搬送部6に向けて搬送するように回転する回転方向である。
より具体的には、図4に示すように、スイッチバックローラ50は、搬送経路の外側に配置されている駆動ローラであり、スイッチバックローラ50の正転方向とは、左側面視反時計回りのことである。中間排紙ローラ48は、搬送経路の外側に配置されている駆動ローラであり、中間排紙ローラ48の正転方向とは、左側面視時計回りのことである。また、図9に示すように、スイッチバックローラ50の反転方向とは、左側面視時計回りのことであり、中間排紙ローラ48の反転方向とは、左側面視反時計回りのことである。
また、後述する正転モードおよび反転モードにおける各ギアの回転方向は、各図に示す矢印の指す方向であり、その説明を省略する。
駆動力伝達機構76は、図示しないが、本体ケーシング2の後方部分に位置しており、入力ギア79と、回転方向可変ギア列82と、切替ユニット83とを備えている。
(1)入力ギア
入力ギア79は、図4に示すように、駆動力伝達機構76の下方部分を構成している。
入力ギア79は、本体ケーシング2内の図示しない複数のギアを介して、メインモータ68の一方への回転駆動力を受けて、左側面視時計回りに回転するように構成されている。入力ギア79は、小径ギアと大径ギアとからなる2段ギアであって、その小径ギアが、後述する駆動ギア98と噛合し、その大径ギアが、本体ケーシング2内の図示しない複数のギアの内の1つと噛合している。
なお、メインモータ68から発生する回転駆動力は、本体ケーシング2の図示しない複数のギアを介して、給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43、反転搬送ローラ55のそれぞれの左端部に設けられるギアに伝達され、給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43、反転搬送ローラ55を回転させる。
(2)回転方向可変ギア列
回転方向可変ギア列82は、図4に示すように、駆動力伝達機構76の後上方部分を構成している。回転方向可変ギア列82には、メインモータ68の一方への回転駆動力が入力ギア79と切替ユニット83を介して伝達される。回転方向可変ギア列82は、回転方向可変ギア列82の上端部に位置するスイッチバックローラギア86と、回転方向可変ギア列82の下端部に位置する中間排紙ローラギア87と、スイッチバックローラギア86と中間排紙ローラギア87との間に位置する第1アイドルギア91、第2アイドルギア92、第3アイドルギア93、第4アイドルギア94および第5アイドルギア95とを備えている。
スイッチバックローラギア86は、図3に示すように、スイッチバックローラ50の左端部において、スイッチバックローラ50と一体的に回転するように設けられている。スイッチバックローラギア86は、後述する第1アイドルギア91と噛合している。
第1アイドルギア91は、図4に示すように、スイッチバックローラギア86の後下方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して回転可能に支持されている。第1アイドルギア91は、スイッチバックローラギア86、および、後述する第2アイドルギア92と噛合している。
第2アイドルギア92は、第1アイドルギア91の下方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して回転可能に支持されている。第2アイドルギア92は、小径ギアと大径ギアとからなる2段ギアであって、その小径ギアが、第1アイドルギア91、および、後述する第3アイドルギア93と噛合し、その大径ギアが、後述する第5アイドルギア95と噛合している。
第3アイドルギア93は、第2アイドルギア92の後下方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して回転可能に支持されている。第3アイドルギア93は、小径ギアと大径ギアとからなる2段ギアであって、その小径ギアが、第2アイドルギア92と噛合し、その大径ギアが、後述する第4アイドルギア94と噛合している。
第4アイドルギア94は、第3アイドルギア93の下方、かつ、後述する中間排紙ローラギア87の前上方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して回転可能に支持されている。第4アイドルギア94は、第3アイドルギア93、および、後述する中間排紙ローラギア87と噛合している。また、詳しくは後述するが、第4アイドルギア94は、切替ユニット83を介して、メインモータ68から発生する回転駆動力が伝達されるように構成されている。
第5アイドルギア95は、第2アイドルギア92の前下方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して回転可能に支持されている。第5アイドルギア95は、第2アイドルギア92と噛合している。また、詳しくは後述するが、第5アイドルギア95は、切替ユニット83を介して、メインモータ68から発生する回転駆動力が伝達されるように構成されている。
中間排紙ローラギア87は、中間排紙ローラ48の左端部において、中間排紙ローラ48と一体的に回転するように設けられている。中間排紙ローラギア87は、第4アイドルギア94と噛合している。
(3)切替ユニット
切替ユニット83は、駆動力伝達機構76において、入力ギア79と回転方向可変ギア列82との間の部分を構成している。切替ユニット83は、駆動ギア98と、ホルダ99と、振子ギア100と、切替ギアの一例としてのセクタギア101と、係合部材の一例としてのレバー103と、スイッチ手段の一例としてのソレノイドスイッチ104とを備えている。
(3−1)駆動ギア、ホルダおよび振子ギア
駆動ギア98は、入力ギア79の後上方に位置し、その駆動支持軸108が本体ケーシング2の左壁に支持されることにより、本体ケーシング2に対して回転可能に支持されている。また、駆動ギア98は、その駆動ギア軸108が、後述するホルダ99の駆動ギア軸挿通穴113に挿通していることにより、ホルダ99を回転可能に支持している。駆動ギア98は、入力ギア79、および、後述する振子ギア100と噛合している。
ホルダ99は、ギア支持部110と、切替動力受部111とを備えている。なお、以下の説明において、正転モードにおけるホルダ99の姿勢を方向の基準として説明するものとし、具体的には、図4に示す方向を基準として説明する。
ギア支持部110は、ホルダ99の後方部分を構成し、図4および図6に示すように、駆動ギア98、および、後述する振子ギア100を左右方向両外側から挟むように、側面視略矩形かつ平面視略U字状の平板形状に形成されている。ギア支持部110は、図4に示すように、駆動ギア軸挿通穴113と、振子ギア軸挿通穴114とを備えている。
駆動ギア軸挿通穴113は、ギア支持部110の前後方向略中央部分における下方において、駆動ギア98の駆動ギア軸108が挿通可能なように、左右方向に貫通されている。
振子ギア軸挿通穴114は、ギア支持部110の後上方端部において、後述する振子ギア100の振子ギア軸120が挿通可能なように、左右方向に貫通されている。
切替動力受部111は、ホルダ99の前方部分を構成している。切替動力受部111は、枠部116と蓋部117とを備えている。
枠部116は、図5に示すように、ギア支持部110の前端部から連続して、前方へ向かって延び、左右方向に貫通される側面視略矩形枠形状を有している。
蓋部117は、図4に示すように、枠部116の左端部を閉鎖する薄板形状に形成されている。蓋部117は、長穴118とフック119とを備えている。
長穴118は、側面視における蓋部117の後上方端部から前後方向略中央部分における下端部にかけて、ギア支持部110の駆動ギア軸挿通穴113を中心とする円弧に沿うように、左右方向に貫通されている。
フック119は、蓋部117における長穴118より前方部分に位置している。フック119は、図3に示すように、蓋部117の左面から、左方に向かって突出し、前下方に向かって屈曲する略鉤形状を有している。
振子ギア100は、その振子ギア軸120がホルダ99の振子ギア軸挿通穴114に支持されることにより、ホルダ99に対して回転可能に支持されている。振子ギア100は、駆動ギア98と常に噛合している。また、振子ギア100は、ホルダ99が駆動ギア軸108を支点として揺動することにより、第4アイドルギア94、または、第5アイドルギア95に選択的に噛合可能に構成されている。
具体的には、振子ギア100は、図4に示すように、ホルダ99が駆動ギア軸108を支点として、左側面視反時計回りに回動されることにより、第4アイドルギア94に対して、前方から噛合する第1噛合位置に位置する。メインモータ68の一方への回転駆動力は、入力ギア79、駆動ギア98、振子ギア100、第4アイドルギア94、第3アイドルギア93、第2アイドルギア92、第1アイドルギア91、スイッチバックローラギア86を介して、スイッチバックローラ50に伝達される。これにより、スイッチバックローラ50は正転方向に回転する。また、メインモータ68の一方への回転駆動力は、入力ギア79、駆動ギア98、振子ギア100、第4アイドルギア94、中間排紙ローラギア87を介して、中間排紙ローラ48に伝達される。これにより、中間排紙ローラ48は正転方向に回転する。
ホルダ99が左側面視反時計回りに回動されたときの振子ギア100からのスイッチバックローラ50を正転方向に回転させる回転駆動力を伝達する第4アイドルギア94、第3アイドルギア93、第2アイドルギア92、第1アイドルギア91、スイッチバックローラギア86のギアの配列を、第1ギア列の一例とする。このメインモータ68の一方への回転駆動力が第1ギア列に伝達され、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48が正転方向に回転するように、切替ユニット83の振子ギア100が第1ギア列と噛み合う第1噛合位置に保持されている状態を、切替ユニット83の第1モードの一例としての正転モードとする。
また、振子ギア100は、図9に示すように、ホルダ99が駆動ギア軸108を支点として、左側面視時計回りに回動されることにより、第5アイドルギア95に対して、下方から噛合する第2噛合位置に位置する。これにより、メインモータ68の一方への回転駆動力は、入力ギア79、駆動ギア98、振子ギア100、第5アイドルギア95、第2アイドルギア92、第1アイドルギア91、スイッチバックローラギア86を介して、スイッチバックローラ50に伝達される。これにより、スイッチバックローラ50は、反転方向に回転する。また、メインモータ68の一方への回転駆動力は、入力ギア79、駆動ギア98、振子ギア100、第5アイドルギア95、第2アイドルギア92、第3アイドルギア93、第4アイドルギア94、中間排紙ローラギア87を介して、中間排紙ローラ48に伝達される。これにより、中間排紙ローラ48は反転方向に回転する。
ホルダ99が左側面視時計回りに回転されたときの振子ギア100からのスイッチバックローラ50を反転方向に回転させる回転駆動力を伝達する第5アイドルギア95、第2アイドルギア92、第1アイドルギア91、スイッチバックローラギア86のギアの配列を、第2ギア列の一例とする。このメインモータ68の一方への回転駆動力が第2ギア列に伝達され、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48が反転方向に回転するように、切替ユニット83の振子ギア100が第2ギア列と噛み合う第2噛合位置に保持されている状態を、切替ユニット83の第2モードの一例としての反転モードとする。
また、振子ギア100は、図13に示すように、駆動ギア軸108を支点として、第4アイドルギア94と第5アイドルギア95との中間位置に位置することにより、第4アイドルギア94および第5アイドルギア95のどちらとも噛合しない非噛合位置に位置する。これにより。メインモータ68の一方への回転駆動力が、第1ギア列および第2ギア列のどちらにも伝達されず、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48が回転しないように、切替ユニット83の振子ギア100が第1ギア列および第2ギア列のどちらにも噛合しない非噛合位置に保持されている状態を、切替ユニット83の第3モードの一例としてのスタックモードとする。
そして、本体ケーシング2において、ホルダ99のフック119よりも後上方に設けられる図示しないフックと、ホルダ99のフック119とを連結するように、引張ばね121が位置されている。
これにより、ホルダ99は、図4に示すように、引張ばね121の付勢力により、駆動ギア軸108を支点として、左側面視反時計回り、すなわち、振子ギア100が第4アイドルギア94と噛合する第1噛合位置に位置するように、常には付勢されている。
(3−2)セクタギア
セクタギア101は、駆動ギア98の前上方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して回転可能に支持されている。セクタギア101は、図8に示すように、セクタギア軸125と、第1仕切板126と、欠歯ギア130と、規制部材の一例としての円筒部131と、第2カムの一例としてのV字カム145と、第2仕切板127と、第1カムの一例としてのI字カム146とを備えている。なお、以下の説明において、正転モードにおけるセクタギア101の姿勢を方向の基準として説明するものとし、具体的には、図8に示す方向を基準として説明する。
セクタギア軸125は、側面視におけるセクタギア101の中心部分であって、左右方向に略円柱形状に延びるように形成されている。セクタギア軸125は、図4に示すように、その左端部が、ホルダ99の長穴118に挿通されている。
第1仕切板126は、図8に示すように、セクタギア軸125の左右方向略中央部分において、セクタギア軸125の直径よりも大きい側面視略円形の平板形状を有している。
欠歯ギア130は、第1仕切板126の右面から、右方に向かって延びる略円筒形状を有している。欠歯ギア130は、欠歯部133と有歯部134とを備えている。
欠歯部133は、欠歯ギア130の後下方部分の外周上略45°の範囲においてギア歯が形成されない第1欠歯部135と、第1欠歯部135から、右方面視時計回りに略90°ずれた位置、すなわち、欠歯ギア130の前方部分の外周上略90°の範囲においてギア歯が形成されない第2欠歯部136とを備えている。
有歯部134は、欠歯ギア130の欠歯部133の部分を除くギア歯が形成される部分である。具体的には、有歯部134は、第1欠歯部135の右方面視時計回りの方向に隣接し、第2欠歯部136の右方面視反時計回りの方向に隣接する第1有歯部137と、第2欠歯部136の右方面視時計回りの方向に隣接し、第1欠歯部135の右方面視反時計回りの方向に隣接する第2有歯部138とを備えている。
円筒部131は、側面視において欠歯ギア130よりも内側の第1仕切板126の右面から右方に向かって延びる略円筒形状に形成されている。円筒部131は、その直径が、欠歯ギア130よりも小さく、その右端部が、欠歯ギア130の右端部とセクタギア軸125の右端部との間となるように位置している。円筒部131は、凸部140を備えている。
凸部140は、円筒部131の外周における後上方部分において、径方向外方に向かって突出する第1凸部141と、円筒部131の外周における下方部分において、径方向外方に向かって突出する第2凸部142とを備えている。
第1凸部141は、円筒部131の外周面から、円筒部131の径方向外方に向かって突出する側面視略三角形状を有している。第1凸部141の円筒部131の径方向に沿って延びる面が、第1係合面143として区画されている。第1係合面143は、円筒部131の周方向における右側面視反時計回りの方向に臨む面である。第1凸部141は、側面視において、その先端が、欠歯ギア130における第2有歯部138が形成されている部分と重なるとともに、正面視において、欠歯ギア130の右端部から、円筒部131の右端部にわたって形成されている。
第2凸部142は、円筒部131の外周において、第1凸部141から、右方面視時計回りに略150°ずれた位置であって、円筒部131の外周面から、円筒部131の径方向外方に向かって突出する側面視略三角形状を有している。第2凸部142の円筒部131の径方向に沿って延びる面が、第2係合面144として区画されている。第2係合面144は、円筒部131の周方向における右側面視反時計回りの方向に臨む面である。第2凸部142は、側面視において、その先端が、欠歯ギア130における第1有歯部137が形成されている部分と重なるとともに、正面視において、欠歯ギア130の右端部から、欠歯ギア130の右端部と円筒部131の右端部との中間位置までの範囲にわたって形成されている。すなわち、第1凸部141は、第1凸部141を円筒部131の周方向に投影したときに、第2凸部142と重なる部分と重ならない部分とを備えている。
V字カム145は、第1仕切板126の左面から左方に向かって延びている。V字カム145は、図6に示すように、セクタギア軸125の外周面から、放射状に延びる側面視略V字状の略杆形状に形成されている。具体的には、V字カム145は、その一端部が、セクタギア軸125から第2欠歯部136に向かうように延びており、その他端部が、セクタギア軸125から第2有歯部138に向かうように延びている。V字カム145の一端部および他端部は、その先端が方面視略円形状を有している。
第2仕切板127は、V字カム145の左方であって、第1仕切板126から左方に間隔を隔てて位置し、その右面がV字カム145と連続している。第2仕切板127は、セクタギア軸125の直径よりも大きい略平板形状を有している。具体的には、第2仕切板127は、側面視において、セクタギア軸125と、V字カム145の一端部と、V字カム145の他端部の周辺を頂点とする略三角形状を有している。なお、第2仕切板127は、側面視において、その各頂点が、略半円形状を有している。また、第2仕切板127は、左右方向に投影したときに、第1仕切板126の内側に収まる大きさであって、V字カム145を内側に収める大きさである。
I字カム146は、第2仕切板127よりも左方において、セクタギア軸125の外周面から径方向外方に向かって延びる略杆形状に形成されている。I字カム146は、その右面が、第2仕切板127と連続している。I字カム146は、第2仕切板127の前上方の頂点に向かうように延びている。すなわち、I字カム146は、左右方向に投影したときに、第2欠歯部136側に延びるV字カム145の一端部と重なっている。I字カム146は、後述する正転モードにおける左側面視において、セクタギア軸125を中心として、略2時の方向に延びている。また、I字カム146は、その先端が側面視略半円形状を有している。
なお、第2仕切板127と、V字カム145と、I字カム146とは、カムの一例としてのカム147として構成されている。
(3−3)レバーおよびソレノイドスイッチ
レバー103は、図4に示すように、セクタギア101の前上方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して揺動可能に支持されている。レバー103は、図7に示すように、レバー軸151と、接続部152と、第1係合部153と、第2係合部154とを備えている。なお、以下の説明において、正転モードにおけるレバー103の状態を方向の基準として説明するものとし、具体的には、図7に示す方向を基準として説明する。
レバー軸151は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
接続部152は、レバー軸151の上方部分における外周面から後上方に向かって突出する略鉤形状に形成されており、後述するソレノイドスイッチ104の引掛け部165が嵌まっている。
第1係合部153は、レバー軸151の後下方部分における外周面から後下方に向かって突出する形状を有している。第1係合部153は、第1係合爪158を備えている。
第1係合爪158は、第1係合部153の後下方端部を構成し、側面視略矩形の略角柱形状に形成されている。第1係合爪158は、円筒部131の軸線方向、すなわち、左右方向において、第1凸部141および第2凸部142と重なるように配置されている。言い換えると、第1係合爪158は、円筒部131を周方向に投影したときに、第1凸部141および第2凸部142と重なるように配置されている。
第2係合部154は、レバー軸151の前下方部分における外周面から前下方に向かって突出するように形成されている。第2係合部154は、第2係合爪159を備えている。
第2係合爪159は、第2係合部154の前下方端部を構成し、後方に向かって屈曲する爪形状に形成されている。第2係合爪159は、円筒部131の軸線方向、すなわち、左右方向において、第2凸部142と重ならず、第1凸部141とは重なるように配置されている。言い換えると、円筒部131を周方向に投影したときに、第2凸部142と重ならず、第1凸部141とは重なるように配置されている。
そして、レバー103は、セクタギア101の前上方における本体ケーシング2の図示しない支軸がレバー軸151に挿通されることにより、本体ケーシング2の左壁に対して揺動可能に支持されている。レバー103は、図7および図16に示すように、第1係合爪158がセクタギア101の円筒部131に近接し、第2係合爪159がセクタギア101の円筒部131から離間する第1係合位置と、図12に示すように、第1係合爪158が相対的にセクタギア101の円筒部131から離間し、第2係合爪159が相対的にセクタギア101の円筒部131に近接する第2係合位置とに、揺動可能である。
つまり、レバー103は、第1係合部153が第1凸部141と第2凸部142と係合可能であって、第2係合部154が第1凸部141と第2凸部142と係合しない第1係合位置と、第2係合部154が第1凸部141と係合可能であって、第1係合部153が第1凸部141と第2凸部142と係合しない第2係合位置とに移動可能である。
ソレノイドスイッチ104は、レバー103を図7および図16に示す第1係合位置と、図12に示す第2係合位置とに切り替えるために、図4に示すように、レバー103の上方に位置し、本体ケーシング2の左壁に対して固定されている。ソレノイドスイッチ104は、後述するCPU72からの信号を受け、電流が流れる第2状態の一例としての励磁状態と、電流が流れない第1状態の一例としての非励磁状態とに切り替えられる。ソレノイドスイッチ104は、本体部163と、進退部164とを備えている。
本体部163は、下方が開放された略ボックス形状に形成されており、その内方に図示しない電磁石と、図示しない圧縮ばねとを備えている。
進退部164は、本体部163の開放部分から下方に向かって突出する略円筒形状に形成されている。進退部164は、引掛け部165を備えている。
引掛け部165は、進退部164の下端部において、進退部164の周面から、進退部164の中心に向かって窪む溝形状を有している。引掛け部165は、レバー103の接続部152に対して嵌合している。
そして、進退部164は、ソレノイドスイッチ104が非励磁状態のときには、本体部163内の図示しない圧縮ばねの付勢力により、引掛け部165が本体部163から相対的に離れるように進出することで、レバー103を図7および図16に示す第1係合位置に保持する。また、進退部164は、ソレノイドスイッチ104が励磁状態のときには、本体部163内の図示しない電磁石に電流が流れて磁性を帯び、進退部164の上方部分が本体部163の上方に磁力により引っ張られることにより、本体部163内の図示しない圧縮ばねの付勢力に抗して、引掛け部165が本体部163に相対的に近づくように退くことで、レバー103を図12に示す第2係合位置に保持する。
また、切替ユニット83は、図6に示すように、セクタギア101のV字カム145を前上方から、後下方に向けて付勢する付勢手段の一例としてのトーションばね148を備えている。これにより、トーションばね148は、その付勢力により、セクタギア101を左側面視時計回りに回転するように付勢している。
一方、レバー103とソレノイドスイッチ104とは、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態または励磁状態とし、レバー103を第1係合位置または第2係合位置に位置させて、第1係合部153の第1係合爪158または第2係合部154の第2係合爪159を、円筒部131の凸部140に係合させることによって、上記したセクタギア101がトーションばね148の付勢力によって左側面視時計回りに回転しようとすることを規制している。セクタギア101は、その回転が規制されているときには、欠歯ギア130の欠歯部133(第1欠歯部135、または、第2欠歯部136)が、駆動ギア98と対向する。
これにより、上記したセクタギア101は、駆動ギア98が常に回転していても、欠歯ギア130の有歯部134を駆動ギア98と噛合させて、メインモータ68の一方への回転駆動力を受けるように構成されており、欠歯ギア130の欠歯部133を駆動ギア98と対向させて、メインモータ68から発生する駆動力が伝達されないように構成されている。
なお、より具体的には、トーションばね148は、正転モードにおいて、図6に示すように、V字カム145の一端部を前上方から後下方に向けて付勢することにより、セクタギア101を左側面視時計回りに回転するように付勢する一方、レバー103とソレノイドスイッチ104とは、図7に示すように、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態とし、レバー103を第1係合位置に位置させて、第1係合部153の第1係合爪158を、円筒部131の第1凸部141の第1係合面143に係合させることによって、図4に示すように、トーションばね148の付勢力に抗して、欠歯ギア130の第1欠歯部135が駆動ギア98と対向するように保持している。
また、トーションばね148は、反転モードにおいて、図11に示すように、V字カム145の他端部を前上方から後下方に向けて付勢することにより、セクタギア101を左側面視時計回りに回転するように付勢する一方、レバー103とソレノイドスイッチ104とは、図12に示すように、ソレノイドスイッチ104を励磁状態とし、レバー103を第2係合位置に位置させて、第2係合部154の第2係合爪159を、円筒部131の第1凸部141の第1係合面143に係合させることによって、図9に示すように、トーションばね148の付勢力に抗して、セクタギア101を、欠歯ギア130の第2欠歯部136の回転方向下流側部分が駆動ギア98と対向するように保持している。
また、トーションばね148は、スタックモードにおいて、図15に示すように、V字カム145の他端部を前上方から後下方に向けて付勢することにより、セクタギア101を左方面視時計回りに回転するように付勢する一方、図16に示すように、ソレノイドスイッチ104を励磁状態とし、レバー103を第1係合位置に位置させて、第1係合部153の第1係合爪158を、円筒部131の第2凸部142の第2係合面144に係合させることによって、図13に示すように、トーションばね148の付勢力に抗して、セクタギア101を、欠歯ギア130の第2欠歯部136の回転方向上流側部分が駆動ギア98と対向するように保持している。
なお、レバー103、ソレノイドスイッチ104、および、セクタギア101の円筒部131が、ロック手段の一例として構成されている。
4.切替ユニットのモード切り替え動作
上記したように、切替ユニット83は、ソレノイドスイッチ104を励磁状態と非励磁状態とに切り替えることで、正転モード、反転モード、および、スタックモードに切り替えられる。
なお、以下の説明において、メインモータ68は常に駆動し、入力ギア79を1方向に回転させているものとして説明する。
(1)正転モードから反転モードへの切り替え動作
次に、正転モードから反転モードへの切り替え動作について、説明する。
切替ユニット83を正転モードから反転モードに切り替えるには、図4に示すように、正転モードにおけるソレノイドスイッチ104の非励磁状態から、図9に示すように、励磁状態に切り替える。
これにより、レバー103が、左側面視時計回りに揺動し、第1係合位置から第2係合位置に移動する。
そうすると、第1係合爪158と、第1凸部141の第1係合面143との当接が解除され、トーションばね148のV字カム145の一端部への付勢力により、図11に示すように、セクタギア101が左側面視時計回りに回転する。
セクタギア101が回転すると、欠歯ギア130の第1有歯部137が駆動ギア98と対向する位置まで移動する。これにより、第1有歯部137が駆動ギア98と噛合し、駆動ギア98の回転に伴って、セクタギア101が回転する。
このとき、I字カム146は、図10に示すように、セクタギア101の回転に合わせて回転する。I字カム146は、左側面視時計回りに回転することで、第1有歯部137が駆動ギア98と噛合した後に、ホルダ99の枠部116に対して上側から当接する。セクタギア101は、I字カム146と枠部116が当接した後も回転し続けるため、I字カム146は、枠部116を下方に押圧しながら回転する。
ホルダ99は、その枠部116を下方に押圧されることによって、駆動ギア軸108を支点として左側面視時計回りに回転する。ホルダ99が回転することで、ホルダ99に軸支されている振子ギア100は、第1噛合位置から第2噛合位置に向けて移動する。なお、振子ギア100が第2噛合位置に移動したときに、I字カム146は、左側面視において、略6時の方向に延びており、枠部116を最も下側に押圧した状態となる。
セクタギア101が回転し、振子ギア100が第2噛合位置まで移動する途中で、図11に示すように、第2欠歯部136が駆動ギア98と対向する。このとき、トーションばね148が、V字カム145の他端部に対して、セクタギア101を左側面視時計回りに回転させる付勢力を与える。
トーションばね148のV字カム145の他端部への付勢により、セクタギア101が回転すると、図12に示すように、第2係合位置に位置するレバー103の第2係合爪159が、セクタギア101の第1凸部141に当接する。
これにより、セクタギア101の回転が規制され、切替ユニット83は、正転モードから反転モードに切り替えられる。
(2)反転モードからスタックモードへの切り替え動作
次に、反転モードからスタックモードへの切り替え動作について、説明する。
切替ユニット83を反転モードからスタックモードに切り替えるには、図9に示すように、反転モードにおけるソレノイドスイッチ104の励磁状態から、図13に示すように、非励磁状態に切り替える。
これにより、レバー103が、左側面視反時計回りに揺動し、第2係合位置から第1係合位置に移動する。
そうすると、第2係合爪159と、第1凸部141の第1係合面143との当接が解除され、トーションばね148のV字カム145の他端部への付勢力により、図15に示すように、セクタギア101が左側面視時計回りに回転する。
このとき、I字カム146は、セクタギア101の回転に合わせて回転する。I字カム146は、左側面視における略6時の位置から、左側面視時計回りに回転する。I字カム146の枠部116を押圧する位置が上方に移動するので、ホルダ99は、図13に示すように、引張ばね121の上向きの付勢力により、駆動ギア軸108を支点として、左側面視反時計回りに回転する。ホルダ99が回転することで、ホルダ99に軸支されている振子ギア100は、第2噛合位置から第1噛合位置に向けて移動する。
そして、セクタギア101がトーションばね148の付勢力により回転していくと、図16に示すように、第1係合位置に位置するレバー103の第1係合爪158が、セクタギア101の第2凸部142は、第1係合爪158に後方から当接する。
これにより、セクタギア101の回転が規制され、トーションばね148の付勢力によるセクタギア101の回転が規制される。
このとき、セクタギア101のI字カム146は、図14に示すように、左側面視において、セクタギア軸125を中心として、略7時の方向を指している。セクタギア101は、I字カム146が枠部116を押圧した状態で、回転を規制されるので、振子ギア100は、第1ギア列および第2ギア列のどちらにも噛合しない非止凹位置に保持される。
これにより、切替ユニット83は、反転モードからスタックモードに切り替えられる。
(3)スタックモードから正転モードへの切り替え動作
スタックモードから正転モードへの切り替え動作について、説明する。
切替ユニット83をスタックモードから正転モードに切り替えるには、スタックモードにおけるソレノイドスイッチ104を、非励磁状態から、励磁状態に切り替え、直後に再度非励磁状態に切り替える。
これにより、レバー103が、左側面視時計回りに揺動されて、第1係合位置から第2係合位置に移動された後、すぐに、左側面視反時計回りに揺動されて、第2係合位置から第1係合位置に移動する。
そうすると、第1係合爪158と、第2凸部142の第2係合面144との当接が、解除され、トーションばね148のV字カム145の他端部への付勢力により、図6に示すように、セクタギア101が左側面視時計回りに回転する。セクタギア101の回転により、第2凸部142が第1係合爪158と係合していた位置から移動した後に、第1係合爪158を再度、第1係合位置に移動させる。
セクタギア101が回転すると、欠歯ギア130の第2有歯部138が駆動ギア98と対向する位置まで移動する。これにより、第2有歯部138が駆動ギア98と噛合し、駆動ギア98の回転に伴って、セクタギア101が回転する。
このとき、I字カム146は、セクタギア101の回転に合わせて回転する。I字カム146は、左側面視略7時の位置から、左側面視反時計回りに回転することで、枠部116から離間する。I字カム146が枠部116から離間すると、ホルダ99は、引張ばね121の上向きの付勢力により、駆動ギア軸108を支点として左側面視反時計回りに回転する。ホルダ99が回転することで、ホルダ99に軸支されている振子ギア100は、非噛合位置から第1噛合位置に向けて移動する。
セクタギア101が回転すると、第1欠歯部135が駆動ギア98と対向する。このとき、トーションばね148が、V字カム145の一端部に左側面視時計回りに回転する付勢力を与える。
トーションばね148のV字カム145の一端部への付勢により、セクタギア101が回転すると、図7に示すように、第1係合位置に位置するレバー103の第1係合爪158が、セクタギア101の第1凸部141に当接する。
これにより、セクタギア101の回転が規制され、スタックモードから、正転モードに切り替えられる。
(4)スタックモードから反転モードへの切り替え動作
次に、スタックモードから反転モードへの切り替え動作について、説明する。
切替ユニット83をスタックモードから逆転モードに切り替えるには、図13に示すように、スタックモードにおけるソレノイドスイッチ104の非励磁状態から、図9に示すように、励磁状態に切り替えてから一定時間以上、励磁状態を保持する。
これにより、レバー103が左側面視時計回りに揺動されて、第1係合位置から第2係合位置に移動された状態で保持される。
そうすると、第1係合爪158と、第2凸部142の第2係合面144との当接が解除され、トーションばね148のV字カム145の他端部への付勢力により、図6に示すように、セクタギア101が左側面視時計回りに回転する。
セクタギア101が回転すると、欠歯ギア130の第2有歯部138が駆動ギア98と噛合し、駆動ギア98の回転に伴って、セクタギア101が回転する。
このとき、I字カム146は、図5に示すように、セクタギア101の回転に合わせて回転する。I字カム146は、左側面視略7時の位置から、左側面視反時計回りに回転することで、枠部116から離間される。I字カム146が枠部116から離間されると、ホルダ99は、引張ばね121の上向きの付勢力により、駆動ギア軸108を支点として左側面視反時計回りに回転される。ホルダ99が回転することで、ホルダ99に軸支されている振子ギア100は非噛合位置から第1噛合位置に向けて移動する。
セクタギア101が回転すると、図6に示すように、第1欠歯部135が駆動ギア98と対向する。このとき、トーションばね148がV字カム145の一端部に左側面視時計回りの付勢力を与える。
トーションばね148のV字カム145の一端部への付勢力によりセクタギア101が回転していくと、第2係合位置に位置するレバー103の第2係合爪159にセクタギア101の第2凸部142が近接する。しかし、第2係合爪159と第2凸部142は円筒部131の軸線方向である左右方向において重ならない位置に配置されているため、第2係合爪159と第2凸部142は係合することなく、セクタギア101は回転し続ける。
その後、セクタギア101の回転により振子ギア100が第1噛合位置に移動するが、第1係合爪158は円筒部131から離間されているため、そのままセクタギアが回転し続ける。
そのため、振子ギア100は、第1噛合位置で保持されることなく、第2噛合位置に向けて揺動される。
なお、振子ギア100が第1噛合位置から第2噛合位置に向けて揺動されてからは、正転モードから反転モードへの切り替え動作と同じであるため、その説明を省略する。
これにより、セクタギア101の回転が規制され、スタックモードから、反転モードに切り替えられる。
5.駆動力伝達機構の作用効果
(1)このプリンタ1によれば、切替ユニット83は、図4に示すように、振子ギア100を第4アイドルギア94と噛合する第1噛合位置に保持し、メインモータ68の一方への回転駆動力を第1ギア列に伝達することで、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の回転方向を正転方向とする正転モードと、図9に示すように、振子ギア100を第5アイドルギア95と噛合する第2噛合位置に保持し、メインモータ68の一方への回転駆動力を第2ギア列に伝達することで、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の回転方向を反転方向とする反転モードと、図13に示すように、振子ギア100を第4アイドルギア94と第5アイドルギア95との間の非噛合位置に保持し、メインモータ68の一方への回転駆動力を第1ギア列および第2ギア列のどちらにも伝達しないことで、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48を回転しないスタックモードとを有する。
その結果、スイッチバックローラ50の回転方向を切り替えたり停止させるために、メインモータ68の回転駆動力を正逆に切り替えたり停止させる必要がないので、プリンタ1内における一方へ回転する回転体(給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43および反転搬送ローラ55)を回転させる回転駆動力を発生するモータと、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48に伝達される回転駆動力を発生するモータとを、メインモータ68で担うことが可能になる。
これにより、プリンタ1内におけるモータの数が増加することを防止することができ、コストおよび騒音の低減を図ることができながら、スイッチバックローラ50の回転方向を正転方向と反転方向とに切り替えて、用紙Pの一方側面および他方側面の両面に画像を形成することを可能とする。
(2)また、このプリンタ1によれば、図5および図10に示すように、ホルダ99に回転可能に支持される振子ギア100は、カム147がホルダ99の枠部116を押圧し、ホルダ99を揺動させることにより、移動される。
そのため、カム147でホルダ99を押圧することによって振子ギア100を移動させて、振子ギア100の第1噛合位置、第2噛合位置および非噛合位置を切り替えることができる。
(3)また、このプリンタ1によれば、図5および図10に示すように、駆動ギア98が回転しているときに、欠歯ギア130は、有歯部134を駆動ギア98と噛合させることで回転し、カム147を移動させてホルダ99を押圧し、振子ギア100を移動させることができる。また、欠歯ギア130は、図7および図12に示すように、欠歯部133を駆動ギア98と対向させることにより、メインモータ68からの回転駆動力を受けないようにして、その回転を停止して、ホルダ99を押圧せず、振子ギア100の移動を止めることができる。
そのため、欠歯ギア130は、有歯部134を駆動ギア98と噛合させて回転させることで、振子ギア100を第1噛合位置と、第2噛合位置と、非噛合位置とに切り替えて、欠歯部133を駆動ギア98と対向させて停止させることで、振子ギア100を各噛合位置に保持し、正転モード、反転モードおよびスタックモードを維持することができる。
(4)また、このプリンタ1によれば、図7に示すように、相対的に使用頻度が高くなる正転モードには、第1欠歯部135を対応させて、図12および図16に示すように、相対的に使用頻度の低くなる反転モードおよびスタックモードには、第2欠歯部136と対応させることによって、使用頻度に合わせて、欠歯部133を対応させることができるので、効率よく欠歯ギア130の大型化を抑制することができる。
(5)また、このプリンタ1によれば、図6および図11に示すように、振子ギア100は、駆動ギア98と噛合し、常に一方への回転駆動力を伝達されながら、ホルダ99の揺動によって、第1ギア列と噛み合う図4に示す第1噛合位置と、第2ギア列と噛み合う図9に示す第2噛合位置と、第1ギア列および第2ギア列のどちらにも噛合しない図13に示す非噛合位置とに移動される。
つまり、振子ギア100は、図6および図11に示すように、常に一方へ回転していながら、第1噛合位置、第2噛合位置および非噛合位置に、切り替えられることにより、スイッチバックローラ50を正転方向への回転と、反転方向への回転と、回転しない状態とに切り替えることができる。
(6)また、このプリンタ1によれば、図6および図11に示すように、欠歯ギア130を付勢するトーションばね148の付勢力に抗して、ロック手段(レバー103、ソレノイドスイッチ104、および、セクタギア101の円筒部131)によって、正転モード、反転モードおよびスタックモードにおける欠歯ギア130の欠歯部133と、駆動ギア98とが対向するので、欠歯ギア130にメインモータ68からの駆動力が伝達されないようにすることができる。
そのため、切替ユニット83の正転モード、反転モードおよびスタックモードを確実に保持することができる。
一方、ロック手段による欠歯部133と駆動ギア98とが対向する状態が解除された場合には、トーションばね148の付勢力によって、欠歯ギア130を、駆動ギア98によって回転される方向に付勢することができるので、メインモータ68からの回転駆動力を欠歯ギア130に確実に伝達することができる。
(7)また、このプリンタ1によれば、図5および図6に示すように、カム147において、ホルダ99を押圧するI字カム146と、トーションばね148によって付勢されるV字カム145とを備えることによって、確実に切替ユニット83のモードを切り替えることができる。
(8)また、このプリンタ1によれば、図8に示すように、カム147と欠歯ギア130とは一体的に形成されるので、部品点数の低減を図ることができる。
(9)また、このプリンタ1によれば、図7および図12に示すように、ソレノイドスイッチ104によって、円筒部131の凸部140に対するレバー103の係合と解除とを切り替え、レバー103と凸部140とが係合することにより、欠歯ギア130の回転を規制し、レバー103と凸部140との係合が解除されることにより、欠歯ギア130を回転させる。
そのため、ソレノイドスイッチ104の切り替えによって、欠歯ギア130の回転規制状態および回転状態を切り替えることができる。
(10)また、このプリンタ1によれば、図7および図12に示すように、レバー103は、ソレノイドスイッチ104の切り替えによって、第1係合位置と第2係合位置とに移動することによって、第1係合部153の第1凸部141に対する係合が解除され、欠歯ギア130が回転するが、第2係合部154が第1凸部141に対して係合されて、欠歯ギア130の回転が規制される。つまり、第1係合部153の第1凸部141に対する係合が解除されてから、第2係合部154が第1凸部141に対して係合するまでの間、欠歯ギア130は回転している。
また、レバー103は、図12および図16に示すように、ソレノイドスイッチ104の切り替えによって、第2係合位置から第1係合位置に移動されることによって、第2係合部154の第1凸部141に対する係合が解除され、欠歯ギア130が回転するが、第1係合部153が第2凸部142に対して係合されて、欠歯ギア130の回転が規制される。つまり、第2係合部154の第1凸部141に対する係合が解除されてから、第1係合部153が第2凸部142に対して係合するまでの間、欠歯ギア130は回転している。
このように、ソレノイドスイッチ104によって、レバー103の凸部140に対する係合と解除とを切り替えることにより、欠歯ギア130の回転規制状態と、回転状態とを繰り返すことができる。
(11)また、このプリンタ1によれば、欠歯ギア130は、図7に示すように、第1凸部141と第1係合部153とが係合する位置と、図12に示すように、第1凸部141と第2係合部154とが係合する位置と、図16に示すように、第2凸部142と第1係合部153とが係合する位置との3つの位置において、その回転を規制される。
つまり、この3つの位置を、正転モード、反転モード、スタックモードに対応させることにより、各モードへの切り替えが可能となる。
(12)また、このプリンタ1によれば、図12および図16に示すように、第2凸部142と第2係合部154とが、セクタギア101に形成される円筒部131の軸線方向において、重ならない位置に配置されているので、第2凸部142と第2係合部154とが係合することを確実に防止することができる。
(13)また、このプリンタ1によれば、図10および図14に示すように、ソレノイドスイッチ104によってレバー103を第1係合位置と第2係合位置との切り替えることにより、切替ユニット83を正転モードから反転モード、反転モードからスタックモードへと切り替えることができる。
(14)また、このプリンタ1によれば、スタックモードから反転モードへ直接切り替える場合には、振子ギア100が図13に示す非噛合位置から、図4に示す第1噛合位置に移動し、第1噛合位置から、図9に示す第2噛合位置に移動することにより、スタックモードから反転モードへと切り替えられる。
しかし、スタックモードから反転モードへ直接切り替える途中において、振子ギア100は、第1噛合位置では、保持されず、正転モードとはならないので、第1噛合位置を経由しても、スタックモードから反転モードに確実に切り替えることができる。
(15)また、このプリンタ1によれば、図8に示すように、欠歯ギア130、円筒部131、およびカム147は、一体的にセクタギア101として構成されている。
そのため、正転モード、反転モードおよびスタックモードを切り替える種々の部材を一体的に1つのセクタギア101として構成することができる。
その結果、部品点数の低減を図ることができながら、部材構成の簡素化を図ることができる。
(16)また、このプリンタ1によれば、図2に示すように、メインモータ68の一方への回転駆動力を、回転体(給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43および反転搬送ローラ55)のそれぞれと、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48のそれぞれとに伝達することができる。
そして、メインモータ68から一方への回転駆動力によって、常に回転体を1方向に回転させることができながら、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の回転方向を正転方向および反転方向に切り替えるができる。
6.CPUによる切替ユニットの初期制御
プリンタ1は、図17に示すように、ソレノイドスイッチ104を上記した励磁状態と非励磁状態とに切り替えるように制御する制御手段の一例としてのCPU72を備えている。
CPU72は、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態に第1時間保持するように制御する第1制御と、ソレノイドスイッチ104を励磁状態に第2時間保持するように制御する第2制御と、ソレノイドスイッチ104を励磁状態に第3時間保持するように制御する第3制御とを実行可能である。
ここで、第1時間は、0.12sec以上であり、第1係合爪158と第2係合面144との当接が解除されてから、第1係合爪158と第1係合面143とが当接する位置までセクタギア101が回転する時間、または、第1係合爪158と第1係合面143との当接が解除されてから、第1係合爪158と第2係合面144とが当接する位置までセクタギア101が回転する時間のいずれか長い方の時間よりも、長い時間である。
第2時間は、0.13sec以上であり、第1係合爪158と第2係合面144との当接が解除されてから、第2係合爪159と第1係合面143とが当接する位置までセクタギア101が回転する時間よりも長い時間である。
第3時間は、0.01〜0.05secであり、第1係合爪158と第2係合面144との当接を確実に解除できる時間よりも長く、第1係合爪158と第2係合面144との当接が解除されてから、第1係合爪158と第1係合面143とが当接する位置までセクタギア101が回転する時間よりも短い時間である。つまり、第3時間は、第2時間よりも短い。
また、CPU72は、第1制御、第2制御および第3制御とは別に、用紙Pに対する両面画像形成処理を実行するために、ソレノイドスイッチ104を励磁状態と非励磁状態に切り替える制御を実行する。
(1)電源投入時における本体ケーシング内に残留する用紙の排出
電源投入直後のプリンタ1において、ソレノイドスイッチ104は、CPU72によって、常に、非励磁状態となるように制御されている。
プリンタ1への電源投入後、まず、メインモータ68を駆動させる。
これにより、メインモータ68は、本体ケーシング2の図示しない複数のギアを介して、入力ギア79に一方への回転駆動力を伝達する。
そして、入力ギア79に伝達される一方への回転駆動力は、駆動ギア98を介して、振子ギア100に伝達される。
このとき、ソレノイドスイッチ104が非励磁状態となるように制御されているので、切替ユニット83は、振子ギア100が第1噛合位置に保持される正転モード、または、振子ギア100が非噛合位置に保持されるスタックモードのいずれかのモードとなっている。
また、図18に示すように、CPU72は、プリンタ1に対する電源投入後から、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態に第1時間保持する第1制御を実行する。このプリンタ1に対する電源投入後の第1制御における第1時間は、用紙Pの定着後センサ63から排紙トレイ51に排出される時間よりも長い。なお、本実施形態の第1制御は、請求項における第1制御の一例であって、請求項における第1制御は、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態に維持する指示を出す、もしくは、ソレノイドスイッチ104を励磁状態とする指示を出さないと制御も含む。
これにより、プリンタ1への電源投入時、切替ユニット83が正転モードであった場合には、中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50が正転方向に回転し、本体ケーシング2内の後述する定着後センサ63と排紙センサ64との間に、定着後センサ63と排紙センサ64とに検知されていなかった用紙Pが残っていた場合にも、用紙Pを排出する。用紙Pが検知されない場合として、用紙Pの長さが定着後センサ63と排紙センサ64との距離よりも短い場合が想定される。
また、プリンタ1への電源投入時、切替ユニット83がスタックモードであった場合には、中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50は正転方向および反転方向のどちらにも回転せず、検知不能な用紙Pが残っていた場合に、その用紙Pはどこにも搬送されず、本体ケーシング2内にそのまま残り続ける。
次いで、CPU72は、ソレノイドスイッチ104を励磁状態に第3時間保持する第3制御を実行する。
これにより、レバー103の第1係合爪158の、凸部140に対する係合が解除され、欠歯ギア130が回転する。より具体的には、プリンタ1への電源投入時に、切替ユニット83が正転モードであった場合には、図7に示すように、レバー103の第1係合爪158の、第1凸部141の第1係合面143に対する係合が解除され、セクタギア101が回転する。また、プリンタ1への電源投入時に、切替ユニット83がスタックモードであった場合には、図16に示すように、レバー103の第1係合爪158の、第2凸部142の第2係合面144に対する係合が解除され、セクタギア101が回転する。
次いで、CPU72は、ソレノイドスイッチ104を再び励磁状態に第1時間保持する第1制御を実行する。
第3制御の第3時間は、0.01〜0.05secと短いため、図7および図16に示すように、左側面視において、振子ギア100が回転すると、第1係合爪158と係合していた凸部140が第1係合爪158の下方を通過した直後に、第1係合爪158が、再び第1係合位置に位置する。
これにより、電源投入直後の切替ユニット83がスタックモードであった場合には、セクタギア101が略210°回転し、第1係合爪158が、第1凸部141の第1係合面143に対して係合して、正転モードへと切り替わる。
そして、中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50が正転方向に回転し、スタックモードでは排出されなかった用紙Pを排出する。
また、電源投入直後の切替ユニット83が正転モードであった場合には、セクタギア101が略150°回転し、第1係合爪158が、第2凸部142の第2係合面144に対して係合し、スタックモードへと切り替わる。このとき、用紙Pはすでに排出されている。
そして、CPU72は、プリンタ1のスタートアップ処理を実行する。
(2)モード検知
上記し、図18に示すように、プリンタ1への電源投入時、および/または、本体ケーシング内に残留する用紙Pの排出を実行した後、切替ユニット83が正転モードかスタックモードかを判別するため、CPU72は、切替ユニット83のモード検知を実行する。
CPU72は、モード検知を実行するために、電源投入時における本体ケーシング2内に残留する用紙Pの排出後、ソレノイドスイッチ104を励磁状態に第2時間保持する第2制御を実行する。
これにより、切替ユニット83が、第2制御を実行する直前に正転モードであった場合には、反転モードに切り替えられる。
また、切替ユニット83が、第2制御を実行する直前にスタックモードであった場合には、図16に示すように、円筒部131の第2凸部142が前下方、具体的には、左側面視略4時の方向を向いた状態から、セクタギア101が左側面視略時計回りに略330°回転することによって、第1凸部141の第1係合面143が第2係合爪159に係合し、反転モードに切り替えられる。
なお、切替ユニット83がスタックモードから反転モードに切り替えられるときには、セクタギア101の回転途中の左側面視において、第2凸部142が、レバー103の第2係合爪159と重なるが、第2凸部142と第2係合爪159とは、円筒部131の回転軸線方向と直交する方向から見て重ならないように、左右方向においてずれているため、第2凸部142と第2係合爪159とは係合せず、セクタギア101は、そのまま駆動ギア98の回転駆動力を受けて回転する。また、セクタギア101の回転途中の左側面視において、第1凸部141が第1係合爪158の下方を通過する。このとき、セクタギア101のI字カム146が、図5に示すように、左側面視において、セクタギア軸125を中心として、略3時の方向を指すことにより、ホルダ99が引張ばね121の付勢力により左側面視反時計回りに付勢され、振子ギア100が第1噛合位置に、位置し、中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50が一時、正転方向に回転される。
このようにして、切替ユニット83が反転モードに切り替えられた後、CPU72によって、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態とすることによって、切替ユニット83は、スタックモードに切り替えられる。
これにより、CPU72による切替ユニット83のモード検知が完了する。
7.切替ユニットのCPUの制御による作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図4および図9に示すように、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48の回転方向を切り替えるために、メインモータ68の回転駆動力を正逆に切り替える必要がないので、プリンタ1内における一方へ回転する回転体(給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43および反転搬送ローラ55)を回転させる回転駆動力を発生するモータと、スイッチバックローラ50に伝達される回転駆動力を発生するモータとを、メインモータ68で担うことができる。
一方、このプリンタ1によれば、ソレノイドスイッチ104は、切替ユニット83の正転モードまたはスタックモードの切り替えを許容する非励磁状態と、切替ユニット83の反転モードの切り替えを許容する励磁状態とに選択的に切り替えられ、そのソレノイドスイッチ104の非励磁状態と励磁状態との切り替えが、CPU72によって制御されている。
そのため、CPU72は、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態とするだけでは、切替ユニット83が正転モードかスタックモードかの判別ができず、切替ユニット83を反転モードにしてスイッチバックローラ50を反転方向に回転させる前に、正転モードにしてスイッチバックローラ50を正転方向に回転させて用紙Pをプリンタ1外に排出することができないという不具合がある。
そこで、このプリンタ1では、図18に示すように、CPU72は、非励磁状態を第1時間保持するようにソレノイドスイッチ104を制御する第1制御と、励磁状態を第2時間保持するようにソレノイドスイッチ104を制御する第2制御と、励磁状態を第2時間よりも短い第3時間保持するようにソレノイドスイッチ104を制御する第3制御とを実行可能である。
その結果、CPU72の第1制御によって、正転モードまたはスタックモードとなる切替ユニット83に対して、第3制御を実行することにより、正転モードとスタックモードとを入れ替えることができる。
これによって、第2制御を実行する前に、第1制御と第3制御とを実行すれば、反転モードの実行前に、必ず正転モードを実行することができる。
従って、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48を回転させるための一方への回転駆動力を発生するメインモータ68を、プリンタ1内における一方へ回転する回転体を回転させるための回転駆動力を発生するメインモータ68と同じメインモータ68で担うことにより、コストおよび騒音の低減を図ることができながら、切替ユニット83を反転モードの前に、確実に正転モードにして、スイッチバックローラ50および中間排紙ローラ48を正転方向に回転させることにより、用紙Pを排出することができる。
(2)また、このプリンタ1によれば、図18に示すように、プリンタ1の電源投入直後に、切替ユニット83を正転モードにし、スイッチバックローラ50を正転方向に回転させて、用紙Pを排出することができる。
そのため、プリンタ1の電源投入直後に、プリンタ1内に用紙Pが残っていた場合であっても、その用紙Pを強制的に排出することができる。
(3)また、このプリンタ1によれば、図1に示すように、画像形成部4から排出口49への搬送途中において、用紙Pが残っているか否かを定着後センサ63によって検知できる場合には、用紙Pの適切な排出処理をした後に、第2制御を実行して、切替ユニット83を反転モードとし、両面画像形成処理を実行することが可能である。
一方、1次搬送経路52の画像形成部4から排出口49への搬送途中における定着後センサ63よりも搬送方向下流側に用紙Pが残っていた場合には、定着後センサ63により用紙Pの有無を検知することができないという不具合がある。
しかし、このプリンタ1では、定着後センサ63による用紙Pの検知に関わらず、第2制御の前に、定着後センサ63から排出口49に搬送される間の用紙Pの搬送時間よりも長い第1時間、正転モードを実行可能である。
そのため、切替ユニット83を反転モードとする前に、確実に用紙Pを排出することができる。
(4)また、このプリンタ1によれば、図4および図9に示すように、スイッチ手段として、ソレノイドスイッチ104を用いているので、簡易な構成により、切替ユニット83を非励磁状態と励磁状態とに選択的に切り替えることができる。
そのため、複雑な構成のスイッチ手段を必要とせず、コストの低減を図ることができる。
(5)また、このプリンタ1によれば、図1に示すように、プリンタ1では、用紙Pの一方側面にのみ画像を形成する場合には、スイッチバックローラ50を反転方向に切り替える必要がないので、切替ユニット83を反転モードに切り替えることなく、正転モードのみで、用紙Pに画像形成することができる。
そして、このプリンタ1によれば、正転モードが、ソレノイドスイッチ104の非励磁状態と対応しているので、用紙Pの一方側面にのみ画像を形成する場合の、ソレノイドスイッチ104にかかる電力の消費を抑制することができる。
(6)また、このプリンタ1によれば、図17に示すように、ソレノイドスイッチ104が非励磁状態となるようにCPU72を制御することによって、切替ユニット83を正転モードに切り替え、ソレノイドスイッチ104が励磁状態となるようにCPU72を制御することによって、切替ユニット83を正転モードから反転モードに切り替え、ソレノイドスイッチ104が非励磁状態となるようにCPU72を制御することによって、切替ユニット83を反転モードからスタックモードに切り替えることができる。
そのため、ソレノイドスイッチ104を非励磁状態または励磁状態となるように、CPU72を制御するという簡易な操作により、正転モード、反転モードおよびスタックモードに切り替えることができる。
(7)このプリンタ1によれば、図4および図9に示すように、スイッチバックローラ50の回転方向を切り替えるために、メインモータ68の回転駆動力を正逆に切り替える必要がないので、プリンタ1内における一方へ回転する回転体(給紙ローラ14、搬送ローラ16、レジストローラ17、ブラック現像ローラ31K、加熱ローラ43および反転搬送ローラ55)を回転させる回転駆動力を発生するモータと、スイッチバックローラ50に伝達される回転駆動力を発生するモータとを、メインモータ68で担うことができる。
また、CPU72は、切替ユニット83の正転モードまたはスタックモードの切り替えを許容する非励磁状態と、切替ユニット83の反転モードの切り替えを許容する励磁状態とに、ソレノイドスイッチ104を選択的に切り替えるように制御している。
そして、図18に示すように、切替ユニット83は、反転モードからスタックモードにのみ切り替え可能なので、CPU72によって、切替ユニット83を制御し、画像形成動作を実行する場合には、まず、切替ユニット83を反転モードとし、次いで、切替ユニット83を反転モードからスタックモードに切り替えれば、その切り替えのタイミングを制御の基準としての初期モードに設定することができる。
その結果、コストおよび騒音の低減を図ることができながら、切替ユニット83の反転モードからスタックモードへの切り替えを制御の基準として、画像形成動作を実行することができる。
(8)また、このプリンタ1によれば、図18に示すように、プリンタ1の電源投入から、用紙Pに画像が形成されるまでの間に、切替ユニット83を反転モードからスタックモードに切り替えて、制御の基準を設定することができる。
8.両面画像形成処理
図19を参照して、複数枚の用紙Pに対するCPU72による両面画像形成処理について説明する。
なお、本体ケーシング2は、図1に示すように、その1次搬送経路52内において、給紙センサ60と、レジスト前センサ61と、レジスト後センサ62と、定着後センサ63と、排紙センサ64とを備え、2次搬送経路56内において、反転経路センサ65を備えている。
給紙センサ60は、本体ケーシング2における給紙ローラ14近傍に位置されている。
レジスト前センサ61は、本体ケーシング2の1次搬送経路52において、搬送ローラ16よりも、用紙Pの搬送方向下流側、かつ、レジストローラ17よりも、用紙Pの搬送方向上流側に位置されている。
レジスト後センサ62は、本体ケーシング2の1次搬送経路52において、レジストローラ17よりも、用紙Pの搬送方向下流側、かつ、最前方の感光ドラム28と搬送ベルト39との間よりも、用紙Pの搬送方向上流側に位置されている。
定着後センサ63は、本体ケーシング2の1次搬送経路52において、定着ユニット23よりも、用紙Pの搬送方向下流側、かつ、中間排紙ローラ48よりも、用紙Pの搬送方向上流側に位置されている。
排紙センサ64は、本体ケーシング2の1次搬送経路52において、スイッチバックローラ50よりも、用紙Pの搬送方向上流側のスイッチバックローラ50近傍に位置されている。
反転経路センサ65は、本体ケーシング2における最後方の反転搬送ローラ55近傍に位置されている。
そして、給紙センサ60、レジスト前センサ61、レジスト後センサ62、定着後センサ63、排紙センサ64および反転経路センサ65のそれぞれは、揺動可能なアクチュエータを備えており、用紙Pが接触することによって、アクチュエータが傾倒してONされ、用紙Pが離間することによって、アクチュエータがOFFされるように構成されている。そして、このON・OFFの検知信号が、CPU72に送信されるように構成されている。
複数枚の用紙Pに対するCPU72による両面画像形成処理は、2枚を1セットとして実行される。
この1セットの2枚の用紙Pの内、1枚目に画像が形成される用紙Pを第1記録媒体の一例としての先行用紙P1とし、2枚目に画像が形成される用紙Pを第2記録媒体の一例としての後続用紙P2とする。
また、先行用紙P1および後続用紙P2において、先に画像が形成される面を一方側面とし、後に画像が形成される面を他方側面とする。
CPU72は、先行用紙P1が給紙部3から搬送ローラ16によって、1次搬送経路52に供給され、その一方側面が画像形成部4によって画像形成され、スイッチバックローラ50まで搬送されるように正転モードを保持する第1ステップを実行する。
具体的には、第1ステップを実行するには、モード検知が完了し、スタートアップ処理が完了した後、プロセスモータ69を駆動させる。
次いで、CPU72により、切替ユニット83を正転モードに保持するように制御する。
すると、図20Aに示すように、給紙部3の給紙トレイ12上の先行用紙P1が、上記したように、感光ドラム28と搬送ベルト39との間に向けて搬送される。
後続用紙P2は、給紙部3の給紙トレイ12上にスタックされている。
これにより、図19におけるタイミングAに示すように、給紙センサ60と、レジスト前センサ61と、レジスト後センサ62とがONとなる。
次いで、先行用紙P1が1次搬送経路52を搬送されていくと、図20Bに示すように、先行用紙P1は、上記したように、画像形成部4によって、その一方側面に画像が形成され、定着ユニット23を通過し、中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50によって、その先端(1次搬送経路52における搬送方向上流側端部)が、排出口49近傍に位置するように搬送される。
後続用紙P2は、給紙部3の給紙トレイ12上にスタックされている。
これにより、図19におけるタイミングBに示すように、給紙センサ60と、レジスト前センサ61と、レジスト後センサ62とがOFFとなり、定着後センサ63と、排紙センサ64とがONとなる。
次いで、図20Cに示すように、先行用紙P1は、その後端(1次搬送経路52における搬送方向下流側端部)が排出口49近傍となる位置まで搬送される。
後続用紙P2は、給紙部3の給紙トレイ12上にスタックされている。
このとき、図19におけるタイミングCに示すように、排紙センサ64はONのままであり、定着後センサ63がOFFとなっている。
そして、先行用紙P1による排紙センサ64のONに基づいて、所定時間経過後に、CPU72は、先行用紙P1が2次搬送経路56に搬送されるように反転モードを保持する第2ステップを実行する。
具体的には、第2ステップを実行するには、排紙センサ64がONとなって、1.00sec経過したタイミングで、CPU72の制御によって、切替ユニット83を正転モードから反転モードに切り替える。
これにより、先行用紙P1が、反転して、2次搬送経路56に向けて搬送される。
すると、図20Dに示すように、先行用紙P1は、その先端(2次搬送経路56における搬送方向下流側端部)が最後方の反転搬送ローラ55近傍に位置するように搬送される。
CPU72は、切替ユニット83を正転モードから反転モードに切り替えてから所定時間後に、給紙ローラ14を駆動する。これによって、後続用紙P2は、所定時間経過後に感光ドラム28と搬送ベルト39との間に向けて搬送される。
そうすると、図19におけるタイミングDに示すように、排紙センサ64がOFFとなり、給紙センサ60と、レジスト前センサ61と、レジスト後センサ62とがONとなる。
また、CPU72は、第2ステップの途中において、2次搬送経路56を搬送される先行用紙P1が後続用紙P2に追いつかないように、先行用紙P1を2次搬送経路56に留めるようにスタックモードを保持する第3ステップを実行する。
具体的には、切替ユニット83は、第2ステップにより反転モードとなっているが、後続用紙P2がレジスト後センサ62を通過してから所定時間経過するまで、スタックモードに切り替えて、先行用紙P1を2次搬送経路56内に留まらせる。そして、後続用紙P2によるレジスト後センサ62のONから所定時間経過後に、CPU72により、切替ユニット83をスタックモードから、反転モードに切り替える。
そして、後続用紙P2によるレジスト後センサ62のONから所定時間経過後に、CPU72は、後続用紙P2がスイッチバックローラ50まで搬送されるように正転モードを保持する第4ステップを実行する。
具体的には、第4ステップを実行するには、先行用紙P1が2次搬送経路56に向けて搬送され、反転経路センサ65がONとなって所定時間経過したときには、先行用紙P1は、その全体が2次搬送経路56内に入っており、中間排紙ローラ48の間を抜けているので、CPU72の制御により、切替ユニット83を反転モードから、スタックモードを介して、正転モードに切り替える。
これにより、後続用紙P2は、その一方側面に画像が形成され、正転方向に回転する中間排紙ローラ48によって、排出口49に向けて搬送される。
そうすると、図21Eに示すように、先行用紙P1は、その後端(2次搬送経路56における搬送方向上流側端部)が、最後方の反転搬送ローラ55を越えるような位置まで搬送される。
後続用紙P2は、正転方向に回転する中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50によって、その先端(1次搬送経路52における搬送方向下流側端部)が排出口49近傍となる位置まで搬送される。
そうすると、図19におけるタイミングEに示すように、反転経路センサ65がOFFとなり、定着後センサ63と、排紙センサ64とがONとなる。
次いで、図21Fに示すように、先行用紙P1は、その先端(2次搬送経路56における搬送方向下流側端部)が、搬送ローラ16近傍に位置するように搬送される。
後続用紙P2は、その後端(1次搬送経路52における搬送方向下流側端部)が排出口49近傍に位置するように搬送される。
このとき、図19におけるタイミングFに示すように、排紙センサ64はONのままであり、定着後センサ63はOFFとなっている。
次いで、CPU72は、後続用紙P2が2次搬送経路56に搬送されるように反転モードを保持する第5ステップを実行する。
具体的には、第5ステップを実行するには、排紙センサ64がONとなって、1.00sec経過したタイミングで、CPU72の制御によって、切替ユニット83を正転モードから反転モードに切り替える。
これにより、後続用紙P2が、反転して、2次搬送経路56に向けて搬送される。
すると、図21Gに示すように、後続用紙P2は、その先端(2次搬送経路56における搬送方向下流側端部)が、最後方の反転搬送ローラ55近傍に位置するように搬送される。
先行用紙P1は、搬送ローラ16の回転によって、再度、1次搬送経路52内に搬送され、感光ドラム28と搬送ベルト39との間に向けて搬送される。
これにより、図19におけるタイミングGに示すように、排紙センサ64がOFFとなり、反転経路センサ65と、レジスト後センサ62とがONとなる。
そして、後続用紙P2による反転経路センサ65のONに基づいて、所定時間経過後に、CPU72は、正転モードを保持する第6ステップを実行する。先行用紙P1が、1次搬送経路52において、本体ケーシング2から排出口49を介して、排出され、後続用紙P2が、2次搬送経路56から搬送ローラ16によって、1次搬送経路52に搬送され、その他方側面が画像形成部4によって画像形成され、本体ケーシング2から排出口49を介して排出される。
具体的には、第6ステップを実行するには、後続用紙P2が2次搬送経路56に向けて搬送され、反転経路センサ65がONとなって所定時間経過したときには、後続用紙P2は、その全体が2次搬送経路56内に入っており、中間排紙ローラ48の間を抜けているので、CPU72の制御により、切替ユニット83を反転モードから、スタックモードを介して、正転モードに切り替える。
これにより、排紙部5まで搬送された先行用紙P1は、その他方側面に画像が形成され、正転方向に回転する中間排紙ローラ48によって、排出口49に向けて搬送される。
そうすると、図21Hに示すように、先行用紙P1は、正転方向に回転する中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50によって、その先端(1次搬送経路52における搬送方向下流側)が排出口49近傍となる位置まで搬送される。
後続用紙P2は、その後端(2次搬送経路56における搬送方向上流側)が、最後方の反転搬送ローラ55を越えるような位置まで搬送される。
そうすると、図19におけるにおけるタイミングHに示すように、反転経路センサ65がOFFとなり、定着後センサ63と、排紙センサ64とがONとなる。
次いで、図22Iに示すように、先行用紙P1は、その後端(1次搬送経路52における搬送方向下流側端部)が排出口49近傍に位置するように搬送される。
後続用紙P2は、その先端(2次搬送経路56における搬送方向下流側端部)が、搬送ローラ16近傍に位置するように搬送される。
このとき、図19におけるタイミングIに示すように、排紙センサ64は、ONのままであり、定着後センサ63はOFFとなっている。
次いで、図22Jに示すように、先行用紙P1は、排出口49から、排紙トレイ51に排紙される。
後続用紙P2は、搬送ローラ16の回転によって、再度、1次搬送経路52内に搬送され、最前方の感光ドラム28と搬送ベルト39との間に向けて搬送される。
このとき、図19におけるタイミングJに示すように、排紙センサ64がOFFとなり、レジスト前センサ61と、レジスト後センサ62がONとなっている。
次いで、図22Kに示すように、先行用紙P1は、排紙トレイ51に載置されている。
後続用紙P2は、正転方向に回転する中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50によって、その先端(1次搬送経路52における搬送方向下流側)が排出口49近傍に位置するように搬送される。
これにより、図19におけるタイミングKに示すように、定着後センサ63と排紙センサ64とがONとなる。
次いで、図22Lに示すように、先行用紙P1は、排紙トレイ51に載置されている。
後続用紙P2は、排出口49から、先行用紙P1の上に載置されるように排紙トレイ51に排紙される。
これにより、図19におけるタイミングLに示すように、定着後センサ63と排紙センサ64とはOFFとなる。
以上により、1セット目の2枚の用紙Pに対する両面画像形成処理が完了する。
続けて2セット目以降の用紙Pに対して両面画像形成処理を実行する場合には、図19におけるKのタイミングで、図20Aに示すように、2セット目の先行用紙P1を給紙トレイ12から、感光ドラム28と搬送ベルト39との間に向けて搬送する。
そうすると、1セット目の先行用紙P1および後続用紙P2が、図22Lに示すように、排紙トレイ51に載置されるときには、2セット目の先行用紙P1は、図20Bに示すように、画像形成部4によって、その一方側面に画像が形成され、定着ユニット23を通過し、中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50によって、その先端(1次搬送経路52における搬送方向上流側端部)が、排出口49近傍に位置するように搬送される。
その後は、1セット目の先行用紙P1および後続用紙P2に対する両面画像形成処理と同様のプロセスにより、用紙Pに画像を形成する。
なお、複数枚の用紙Pが奇数枚であった場合には、最後の1枚の用紙Pについては、用紙Pの一方側面に画像が形成された後、排紙センサ64に用紙Pに後端(1次搬送経路52における搬送方向上流側端部)が到達したタイミングで、切替ユニット83を正転モードから反転モードに切り替え、2次搬送経路56に向けて搬送する。
そして、用紙Pの先端(2次搬送経路56における搬送方向上流側端部)が最後方の反転搬送ローラ55に到達し、反転経路センサ65がONとなって所定時間経過したタイミングで、切替ユニット83をスタックモードとする。
そして、用紙Pが、再度、1次搬送経路52に搬送され、その他方側面に画像が形成され、定着ユニット23に到達するまでの間に、切替ユニット83をスタックモードから正転モードに切り替える。
そして、正転方向に回転する中間排紙ローラ48およびスイッチバックローラ50によって、排出口49を介して、排紙トレイ51に排紙される。
これにより、複数枚の用紙Pの両面に対する画像形成処理が完了する。
9.両面画像形成処理の作用効果
このプリンタ1によれば、図21、図22および図23に示すように、先行用紙P1の後続用紙P2のそれぞれの一方側面と他方側面とに対する画像形成は、先行用紙P1の一方側面、後続用紙P2の一方側面、先行用紙P1の他方側面、後続用紙P2の他方側面の順番で実行される。
そのため、先行用紙P1の一方側面と他方側面とに画像を形成してから、後続用紙P2の一方側面と他方側面とに画像を形成する工程と比較して、短時間で、先行用紙P1と後続用紙P2とに画像を形成することができる。
その結果、コストおよび騒音の低減を図ることができながらも、複数枚の用紙Pの一方側面および他方側面に対して、効率よく画像を形成することができる。
10.その他の実施形態
スイッチバックローラの一例として、排紙トレイ51に向けて用紙Pを搬送するスイッチバックローラ50を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体ケーシング2内で用紙Pの搬送方向を切り替える中間排紙ローラ48をスイッチバックローラの一例としてもよい。
また、そのとき、中間排紙ローラ48を正転方向に回転させる回転駆動力を伝達する第4アイドルギア94、中間排紙ローラギア87のギアの配列を、第1ギア列の一例とし、中間排紙ローラ48を反転方向に回転させる回転駆動力を伝達する第5アイドルギア95、第2アイドルギア92、第3アイドルギア93、第4アイドルギア94中間排紙ローラギア87のギアの配列を第2ギア列の一例としてもよい。