JP6069925B2 - ゴルフクラブ計測システム及びゴルフクラブ - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、シャフトに取り付けられたセンサから外部装置に信号を伝達するとともに、スイングされているときのシャフトの挙動が、その信号を伝達する配線が取り付けられていないときに比べて変化する度合い、を抑制することである。
上記構成において、前記フレキシブル基板の板体は、前記第1接続部と前記第2接続部との間において前記第1方向と異なる方向に迂回する迂回部を有することが好ましい。
上記構成において、前記フレキシブル基板は、2つの前記板体を備え、前記2つの板体は、前記シャフトのグリップ側からヘッド側に向けて互いに反対向きに螺旋を描くように巻きつけて取り付けられることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るセンサ用配線20の構成を示す図である。
センサ用配線20は、板体200と、接続部310、320、330、340、350、360(以下、それぞれを区別しない場合は「接続部300」という。)と、コネクタ部400と、24本の導線501ないし524(以下、それぞれを区別しない場合は「導線500」という。)とを備えている。
板体200は、ポリエチレンテレフタレートを材料に用いて形成されており、様々な形状に撓ませられる(すなわちフレキシブルな)ものである。特に、板体200は、平板状であるため、自身の面200Sに垂直な方向Rに対しては、他の方向に比べて容易に撓ませられる。板体200には、各導線500が延伸するように設けられており、板体200自身も、各導線500が延伸する方向(以下「延伸方向S」という。)に延在している。延伸方向Sは、本発明に係る「第1方向」の一例に相当する。
図2は、図1のA部で示されている接続部310を拡大して示す図である。接続部310は、導線501、502、503とそれぞれ連続する円形の銅箔の金属端子314、315、316が接続部板体203に設けられた接続部311、312、313を有している。接続部板体203は、コネクタ部板体204同様、板体200と一体的に形成されており、ポリエチレンテレフタレートを材料に用いて形成された板体のうち、接続部300が設けられている部分である。続いて、図2において、接続部311と導線501とが設けられている部分の詳細について、図3を用いて説明する。
図3は、図2のIII−III切断線における板体200、導線501及び接続部311の断面を示す図である。導線501は、上述したとおり、板体200に覆われて設けられており、その端部が、金属端子314と連続している。一方、金属端子314は、板体200の面200S側には露出し、反対側の面200R側には露出しないように設けられている。
センサ用配線20は、以上のとおり、板体200に接続部300からコネクタ部400までを結ぶ配線(導線500)がプリントされているフレキシブル基板である。
図4は、センサ用配線20を取り付けたゴルフクラブ10の全体構成を示す図である。ゴルフクラブ10は、シャフト12の両端にヘッド11とグリップ13とが取り付けられている。プレイヤーは、グリップ13を握り(グリップし)、ゴルフクラブ10を振って(スイングして)ヘッド11のフェース111でゴルフボールを打つ。シャフト12は、ヘッド11側に向けて細くなるテーパー状、かつ、中空の部材で形成されており、プレイヤーのスイングによって与えられる力と、ヘッド11及び自身の重さとで、スイングされているときにしなりが生じる。このしなりが生じる位置及び程度、すなわち、しなり方は、シャフトの強度の特性やスイングの仕方によって変化する。本実施形態では、このしなり方を評価するために、シャフト12の各位置のひずみを計測する。この計測は、図4に示すゴルフクラブ計測システム70を用いて行われる。ゴルフクラブ計測システム70は、センサ用配線20と、センサ61、62、63、64、65、66、67、68(以下、それぞれを区別しない場合は「センサ60」という。)とを備えている。シャフト12には、ひずみを計測する対象となる各位置(計測対象位置)に各センサ60が取り付けられている。これらの各センサ60の固定には、接着剤又は粘着テープ等が用いられている。
また、センサ用配線20は、シャフト12に巻き付けられているため、ある箇所に力が加わった場合に、その力の延伸方向Sへの分力によって、その分力が加わっていない状態に比べてシャフト12により強く密着させられる。これにより、センサ用配線20とシャフト12との間に働く摩擦力が大きくなり、センサ用配線20の位置がずれることが抑制され、延伸方向Sの両端で固定されている箇所に加わる力も抑制される。また、スイング動作により、センサ用配線20が遠心力又は重力で先端側へ片寄ってしまうこともある。その片寄りを抑制するために中間地点にシャフト12との中間固定部を追加することもできる。中間固定部は、例えば接続部300を粘着テープ等で固定することによって形成することができる。固定方法は、シャフトの撓みに影響しない方法が好ましい。中間固定部は、接続部300に限らずシャフト12の随所に形成することもできる。
図5は、センサ61を中心とした図4のB部を拡大して示す図である。接続部310は、導線501、502、503と電気的にそれぞれ接続する接続部311、312、313で構成されている。センサ61は、導電材料で形成された接続線611、612、613(以下、それぞれを区別しない場合は「接続線610」という。)を介してこれらの接続部311、312、313とそれぞれ電気的に接続されている。このように、センサ61は、各接続線610、接続部310及び各導線500によって形成される3つの経路で電気的な信号を伝達する、いわゆる3線式のひずみゲージである。また、接続部311、312、313は、各導線500とセンサ61との間に設けられてこれらを電気的にそれぞれ接続する。言い換えると、接続部311、312、313は、各導線500と電気的に接続され、且つ、センサ61と電気的に接続されている。これらの接続部は、本発明に係る「第1接続部」の一例に各々が相当する。各接続線610の両端部は、接続部310及びセンサ61に対してそれぞれはんだ付けで固定されており、シャフト12には固定されていない。また、各接続線610は、変形可能である。このため、シャフト12にしなりが生じて接続部310とセンサ61との距離が変化しても、各接続線610が変形することで、はんだ付けの剥離や接続線610自身の破損が抑制されるようになっている。また、各接続線610は、例えば他の接続線610と接触すると破損する恐れがある。そのため、接続部310、各接続線610及びセンサ61をまとめて被履膜によって被履することによって、上述した中間固定部を形成してもよい。被履膜として粘着テープや熱収縮チューブ等を用いることで、被履しながらシャフトへ固定することができる。また、この被履膜によって、各接続線610の接続を強化することもできる。各接続線610を省いて接続部310とセンサ61とを直接接合する場合であっても、被履膜は、その接合を強化しつつ、中間固定部を形成することができる。
図6は、図4のC部におけるシャフト12及びグリップ13の断面を示す図である。シャフト12のグリップ13側の端部は開口しており、以下では、この部分を開口部121という。グリップ13は、ゴム等を材料に用いて、開口部121を覆って、かつ、プレイヤーがグリップ可能な形に形成されている。また、グリップ13は、シャフト12側の面の一部を削られ、又は、予めそのような形状で形成されて、シャフト12に取り付けたときにシャフト12との間に隙間Dができるようになっている。グリップ13は、隙間Dを除いてシャフト12と接着されている。隙間Dでは、グリップ13とシャフト12とが接着されておらず、この隙間Dを通って開口部121までセンサ用配線20が取り付けられている。センサ用配線20は、開口部121からシャフト12の内部に入り込み、コネクタ部400を介してひずみ計測装置40と電気的に接続されている。ひずみ計測装置40は、上述した外部装置にあたるものであり、コネクタ部400は、外部装置と導線500とを電気的に接続する本発明に係る「第2接続部」の一例に相当する。また、ひずみ計測装置40は、上述したセンサ用配線20及びセンサ60とともに、ゴルフクラブ計測システム70が備えるものである。
また、センサ用配線20は、板体200を用いることによって、2g程度の重さで形成することができ、同じ本数(24本)の導線をケーブルで配線する場合に比べて、重量を軽くすることができる。これにより、ケーブル配線に比べて、ゴルフクラブ10をスイングしたときの重量バランスの変化を抑制することができ、センサ用配線20等を取り付けていない状態でプレイヤーが行うスイングにより近いスイングにおける上記ひずみを計測することができる。また、センサ用配線20は、その重量がシャフト12の挙動に与える影響も、ケーブル配線に比べて抑制される。
また、これらのことを言い換えると、センサ用配線20は、シャフト12の挙動に与える影響を同程度とするなら、ケーブル配線に比べて、より多くの導線を設けることができる。その結果、センサ用配線20を取り付けるゴルフクラブ10には、ケーブル配線に比べて、より多くのセンサを取り付けて、より多くの箇所のひずみを計測することができる。これにより、センサ用配線20を用いた場合、ケーブル配線に比べて、スイング中のシャフト12に生じるしなりをより高い精度で評価することができる。
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように種々の変形が可能であり、また、以下の各変形例は、必要に応じて組み合わせることも可能である。
本発明に係るセンサ用配線において、接続部を設ける位置及び個数と、導線を設ける位置及び個数は、上述した実施形態において示したものに限らない。
図7は、本変形例に係るセンサ用配線20aの構成を示す図である。センサ用配線20aでは、板体200aに18本の導線500a及び18個の接続部300aがそれぞれ設けられている。また、接続部300aは、導線500aが露出しているコネクタ部400a側から、3つずつ、6箇所に設けられている。また、接続部300aは、板体200aの幅方向Tの一方の端部側に3箇所、他方の端部側に3箇所設けられている。この場合、センサ用配線20aは、実施形態に係るセンサ60(3線式のひずみゲージ)であれば、6つ接続することができる。また、センサ用配線20aがゴルフクラブ10に螺旋状に巻き付けて取り付けられた場合、接続部300aは、センサ用配線20aのグリップ13側に位置するものと、ヘッド11側に位置するものとに別れる。この場合、各センサ60は、各接続部300aが位置する方に取り付けられていると、接続部300aとセンサ60とを接続する接続線をセンサ用配線20aに重ねずに設けることができる。つまり、センサ用配線20aは、そのようにセンサ60を取り付ける場合に用いられることが望ましい。要するに、本発明に係るセンサ用配線においては、ゴルフクラブのシャフトのどの位置にいくつセンサを設けるかによって、接続部を設ける位置及び個数と、導線を設ける位置及び個数とが決められればよい。
上述した実施形態に係るセンサ60は、シャフト12のひずみを計測するものであったが、本発明に係るセンサは、これに限らず、他の値を計測するものであってもよい。例えば、センサは、シャフト12のねじれを計測するものであってもよいし、取り付けられた位置における加速度等を計測するものであってもよい。これらは、いずれも、ゴルフクラブ10がスイングされることにより変化する物理量である。つまり、本発明に係るセンサは、このような物理量を計測するものであればよい。これらの場合、実施形態に係るひずみ計測装置40に代えて、計測する値に応じた装置が設けられる。本変形例に係るいずれのセンサが取り付けられた場合であっても、スイング中のシャフト12の挙動を評価することができる。
上述した実施形態及び変形例1に係る導線及び接続部は、いずれも複数設けられていたが、本発明に係る導線及び接続部は、1つであってもよい。例えば、変形例2において取り付けられるセンサが1線式のセンサであって、シャフト12のある1箇所の物理量を計測するのであれば、板体に導線及び接続部が1つずつ設けられたセンサ用配線によって、このセンサと計測装置とを接続する。
本発明において、板体の形状は、上述した実施形態に係るものに限らない。実施形態に係る板体200は、接続部300とコネクタ部400とを面200Sに沿って最短距離で結ぶ架空の線(以下「延在線」という。)が存在するとすれば、それらのいずれをも内包するように延在する形状のものであった。このような形状に限らず、板体は、延在線上にある一部の領域を含まない形状であってもよい。例えば、板体は、この領域を幅方向に迂回する形状であってもよい。この領域を迂回する部分(以下「迂回部」という。)を有する板体について、図8を参照して説明する。
上述した実施形態に係るセンサ用配線は、1つの板体200を備えるものであったが、本発明に係るセンサ用配線は、複数の板体を備えていてもよい。
図9は、本変形例に係るセンサ用配線20dの構成を示す図である。センサ用配線20dは、配線部20d1、20d2を有する。配線部20d1、20d2は、実施形態に係るセンサ用配線20を幅方向Tに2つに分割したものに相当する構成を備えており、それぞれ、12本の導線と12個の接続部とを備えている。この場合、配線部20d1、20d2は、各々が備える接続部がそれぞれ接続されるべきセンサの近傍に位置するように取り付けられればよい。
センサ用配線がゴルフクラブに螺旋状に巻き付けて取り付けられている場合、センサ用配線には、シャフトのしなり又はプレイヤーの接触等により、図1に示した幅方向Tに曲げようとする力が加わることがある。この場合、センサ用配線は、板体の幅が小さいほど、小さな力のうちに板体が変形するため破損しにくく、その幅が大きいほど、力が大きくなるまで板体が変形しないため破損しやすい。つまり、本変形例に係るセンサ用配線20dでは、1つの板体で形成されたものに比べて、幅方向Tに加わった力による破損が抑制される。
上述した実施形態に係るセンサ用配線20では、コネクタ部400側とその反対側の端部との間の部分がシャフト12に固定されていなかったが、固定されていてもよい。その場合、一部が固定されていてもよいし、全体が固定されていてもよい。センサ用配線20は、シャフト12に固定される部分が多いほど、シャフト12との間に隙間が生じにくくなり、スイング中に発生する空気抵抗を少なくすることができる。
上述した実施形態に係るセンサ用配線20は、シャフト12に螺旋状に巻き付けて取り付けられたが、本発明に係るセンサ用配線を取り付ける方法は、これに限らない。例えば、センサ用配線は、シャフト12に沿った方向(z軸方向)に真っ直ぐ取り付けられてもよい。
図11は、変形例に係るセンサ用配線20fを取り付けたゴルフクラブ10の全体構成を示す図である。図11では、ゴルフクラブ10に取り付けられているセンサ60の個数及び位置が、図4と共通している。センサ用配線20fは、グリップ13側から、z軸方向に沿ってセンサ67、68の間まで延伸するようにして取り付けられている。センサ用配線20fは、グリップ13側をグリップ13とシャフト12により挟まれて固定され、その他の部分を接着剤又は粘着テープによりシャフト12に張り付けられて固定されている。また、センサ用配線20fは、シャフト12のy軸方向のヒール側に取り付けられており、これにより、センサ用配線20fとセンサ60とは、互いに重なることがない。なお、センサ用配線20fは、センサ60と重ならないように取り付けられているのが望ましいので、シャフト12のx軸方向のフェース側とは反対側に取り付けられてもよい。センサ用配線20fがシャフト12に取り付けられている状態を、図12を用いて説明する。
上述した実施形態に係る板体200は、ポリエチレンテレフタレートを用いて形成されていたが、本発明に係る板体は、これに限らず、他の素材を用いて形成されていてもよい。例えば、板体は、ポリイミドを用いて形成されていてもよく、少なくとも、撓んだ状態でシャフト12に取り付けることができる基板を形成できるものであれば、どのような素材を用いて形成されてもよい。なお、板体を形成する素材は、シャフトの挙動又はスイングへの影響を低減するため、より軽量であることが望ましく、また、導線が断線したときに視認できる程度に透明であることが望ましい。
本発明に係るセンサ用配線においては、センサが、板体に直接設けられていてもよい。
図13は、本変形例に係るセンサ用配線20gのセンサ61gが取り付けられている部分を拡大して示す図である。センサ用配線20gは、板体200gと、板体200gに設けられた導線500g及び接続部311g、313g(以下、それぞれを区別しない場合は「接続部310g」という。)とを備えている。板体200gには、各接続部310gと例えば異方性導電フィルムなどの異方性導電材料により接続されたセンサ61gが設けられている。センサ61gは、接続部310gと接続されている面とは反対側の面が板体200gから露出しており、この面が、センサ用配線20gがシャフト12に取り付けられたときにシャフト12の表面に接触するようになっている。また、センサ61gは、センサ用配線20gがシャフト12に取り付けられたときに、ひずみを計測可能な方向がひずみを計測したい方向(例えばz軸方向)に沿うように設けられている。センサ用配線20gにおいては、各接続部310gが同様に板体200gに設けられた他のセンサと接続されている。これらのセンサは、センサ用配線20gがシャフト12に取り付けられると、各々がシャフト12の対応する位置に取り付けられ、ひずみ計測装置40と協働してスイング中のひずみを計測する。本変形例に係るセンサ用配線20gでは、センサとセンサ用配線20gとを別々にゴルフクラブ10に取り付ける必要がなく、また、これらの位置が重ならないように調整する必要もない。このため、センサ用配線20gは、センサ及びセンサ用配線を別々に取り付ける場合に比べて、少ない作業工程でゴルフクラブ10に取り付けることができる。
上述した実施形態に係る板体200は、延伸方向Sの長さが1200mmのものであったが、これには限らない。板体200は、シャフト12に取り付けられたときに、センサ60とひずみ計測装置40とを接続することができる長さのものであればよい。
上述した実施形態に係る板体200は、延伸方向Sに一続きのポリエチレンテレフタレートを用いて形成されていたが、本発明に係る板体は、これに限らず、複数の板体を延伸方向Sに接続したものであってもよい。そのような板体とは、例えば、導線が延伸する方向の長さが400mmの板体を3つ接続して、1200mmの長さとしたものである。この場合、板体同士を接続している部分(接続部分)は、他の箇所と比べて剛性が異なる場合がある。このため、本変形例に係る板体は、センサ用配線がシャフト12に取り付けられたときに、接続部分がシャフト12のz軸方向に沿った線状となっていることが望ましい。そうすることにより、センサ用配線がシャフト12に沿って撓んだ状態であっても、この接続部分に沿った方向には撓ませなくて済むため、接続部分の撓み方が他の箇所と違うことによって板体に歪みを生じさせることを抑制することができる。
上述した実施形態に係る導線500は、銅で形成されたものであったが、本発明に係る導線は、これに限らず、電気を通すことができるものであれば、他の材料で形成されたものであってもよい。なお、例えば、板体がポリイミドで形成されている場合、特に着色しなければ琥珀色となるため、銅線では板体越しに視認しにくくなることがある。この場合、板体を可視光が透過し、かつ、他の色に着色するか、異なる色の導線を用いることが望ましい。要するに、板体が可視光を通すものであったとしても、板体と導線とは互いに異なる色のものを用いるようにして、板体越しに導線が視認できるようにしておくことが望ましい。
上述した実施形態に係るセンサ用配線20は、ウッドであるゴルフクラブ10に取り付けられたが、ユーティリティやアイアンなど、他のゴルフクラブに取り付けられてもよい。また、センサ用配線20は、ゴルフクラブに限らず、釣り竿、テニスラケット又は棒高跳びの棒等、しなりやねじりが生じる棒状の道具であれば、どのようなものに取り付けられてもよい。
ひずみ計測装置40は、上述した実施形態では、シャフト12の中空の内部に設けられたが、シャフト12又はグリップ13の外周側に取り付けてもよい。この場合、グリップ13を付け直すことなく、センサ用配線20及びひずみ計測装置40を取り付けることができる。
上述した実施形態に係るひずみ計測装置40は、計測した値を無線で外部装置に出力するものであったが、これに限らず、他の方法でこの値を処理するものであってもよい。例えば、この値を、単にメモリに記憶するだけであってもよい。この場合、スイング中のひずみを計測した後に、グリップ13を外してひずみ計測装置40を取り出し、メモリに記憶された値を読み出すことで、これらの値を確認することができる。
本発明は、上述した実施形態又は変形例に係るセンサ用配線として用いられるフレキシブル基板又はこれを備えたゴルフクラブ計測システムやゴルフクラブとしても把握されるものである。また、本発明は、これらを用いてひずみ等の物理量を計測するための方法としても把握されるものである。
図14は、センサ用配線を用いてひずみを計測する動作を示すフローチャートである。このフローチャートでは、ゴルフクラブ10を利用する利用者が、実施形態に係るセンサ用配線20をゴルフクラブ10に取り付けてひずみを計測する一連の動作が表されている。まず、利用者は、シャフト12においてひずみを計測する位置(計測対象位置)を決定する(ステップS10)。そして、利用者は、センサ用配線20を、決定された計測対象位置に合わせてシャフト12に螺旋状に巻き付ける(ステップS20)。詳細には、利用者は、各接続部300が計測対象位置の近傍に位置するようにセンサ用配線20を巻き付ける。続いて、利用者は、センサ用配線20の両側の端部を、シャフト12にそれぞれ固定する(ステップS30)。この際、利用者は、グリップ13を取り外し、シャフト12の中空の内部に、コネクタ部400に接続したひずみ計測装置40を格納する。そして、そのグリップ13を取り付けると共に、グリップ13とシャフト12との間にセンサ用配線20を挟んでこれを固定し、センサ用配線20の反対側の端部を粘着テープ等で固定する。なお、グリップ13は、ステップS10又はS20よりも前に取り外しておいてもよい。次に、利用者は、センサ用配線20と各センサ60とを、上述した接続線を用いて接続する(ステップS40)。なお、各センサ60は、ステップS40においてシャフト12に取り付けてもよいし、ステップS10で計測対象位置を決定した後であれば、ステップS40よりも前に取り付けてもよい。以上で、実施形態において図4に示したゴルフクラブ10の状態ができあがる。そして、利用者は、外部から無線でひずみ計測装置40を起動させ(ステップS50)、その状態で、ゴルフクラブ10をスイングする(ステップS60)。ステップS60において、ひずみ計測装置40は、シャフト12に取り付けられた各センサ60から各計測対象位置におけるひずみを表す信号を受信して、それらの信号に基づきひずみを計測する(ステップS70)。この後は、ひずみ計測装置40が計測したひずみの値を外部装置に出力し、利用者は、その外部装置で計測されたひずみの値を参照する。以上のとおり、このフローチャートは、利用者がスイング中のシャフト12のひずみを計測するための方法を示すものである。なお、上記では、同一の利用者が上記各ステップの動作を行うものとして説明したが、これに限らず、複数の利用者がこれらの動作をそれぞれ行ってもよい。例えば、センサ用配線及びセンサの取り付け(ステップS10からS40まで)と、ゴルフクラブのスイング(ステップS60)と、ひずみの計測(ステップS50、S70)とは、それぞれ異なる利用者が行ってもよい。
センサ用配線は、上述した実施形態では、板体のコネクタ部と反対側の端部に接続部360を備えており、この端部、すなわち接続部360がシャフト12に固定されていたが、これには限らない。例えば、接続部360の先に配線及び接続部を備えない延長部を設けて、その延長部をシャフト12に固定してもよい。
図15は、本変形例に係るセンサ用配線20hの一例を示す図である。センサ用配線20hは、板体200hと、接続部360と、コネクタ部400と、延長部220とを備える。センサ用配線20hのコネクタ部400から接続部360までの間の構成は、センサ用配線20と共通している。延長部220は、板体200hの一部であり、図1に示す板体200を、コネクタ部400から最も離れた接続部360よりも延伸方向S側に延長した形をしている部分である。延長部220の延伸方向S側の端部221は、板体200hのコネクタ部400の反対側の端部となっている。
ゴルフクラブ計測システムは、上述した実施形態では、センサ用配線20と、センサ60と、ひずみ計測装置40とを備えるものであったが、例えば、センサ用配線20及びセンサ60のみを備えていてもよい。この場合、ゴルフクラブ計測システムをゴルフクラブに取り付けて利用する利用者が、ひずみ計測装置40のようにひずみを計測する装置を別途用意して、その装置とコネクタ部400とを電気的に接続させてゴルフクラブ計測システムを用いればよい。
センサ用配線の板体は、上述した実施形態及び変形例では、少なくとも延伸方向Sの両端部がシャフト12に固定されていたが、これには限らない。例えば、板体は、これらの端部よりも中央側の部分がシャフト12に固定されていてもよい。この場合、例えばグリップ13側のセンサ用配線の端部からシャフト12に固定されている部分までは、シャフト12から離して配置させることができるようになる。このようにシャフト12から離間して配置可能となる部分のことを、以下では「離間可能部」という。この離間可能部は、フレキシブル配線のように扱うことができ、シャフト12の外側において、ひずみ計測装置等の電子機器や別の配線などと接続させることができる。この場合、グリップ12の中にセンサ用配線を引き入れる必要がなく、簡素に電子機器と接続させたり、有線で信号を外部装置へ送ったりすることができる。また、ヘッド11側の端部が固定されていない場合は、ヘッド11側の離間可能部に加速度センサ等を接続させて、グリップ13側へ信号を取り出すことができる。さらに、これらの離間可能部には、LED(Light Emitting Diode)や、マイク、スピーカを接続させることもでき、より精度の高い測定を行うための補助情報に役立てることもできる。本変形例で述べたとおり、センサ用配線は、少なくとも板体の延伸方向S(第1方向)側と、他方の側とがシャフト12に固定されていればよい。
Claims (6)
- ゴルフクラブのシャフトに取り付けられ、当該ゴルフクラブがスイングされることによって変化する当該シャフトの物理量を計測するためのセンサと、
第1方向に延在し、面を前記シャフトの表面に対向させて当該表面に沿って当該面を撓ませた状態で当該シャフトに螺旋状に巻きつけられて取り付けられ、前記センサからの信号を伝達するフレキシブル基板であって、フレキシブルな板体と、前記第1方向に延伸するように前記板体に設けられた導線と、当該導線と電気的に接続され、且つ、前記センサと電気的に接続される第1接続部と、前記導線のうち前記第1接続部が接続されている側とは反対側で当該導線と電気的に接続される第2接続部とを備え、前記板体の前記第1方向における一方の端部及び他方の端部のみが前記シャフトに固定されるフレキシブル基板と
を備えることを特徴とするゴルフクラブ計測システム。 - 前記板体は、グリップ側又はヘッド側の端部に前記シャフトから離間して配置可能となる部分を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ計測システム。 - 前記フレキシブル基板の板体は、前記第1接続部と前記第2接続部との間において前記第1方向と異なる方向に迂回する迂回部を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ計測システム。 - 前記板体は、前記第1接続部の先に前記導線を備えない延長部を有し、当該延長部が前記シャフトに固定される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ計測システム。 - 前記フレキシブル基板は、2つの前記板体を備え、
前記2つの板体は、前記シャフトのグリップ側からヘッド側に向けて互いに反対向きに螺旋を描くように巻きつけて取り付けられる
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ計測システム。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のゴルフクラブ計測システムを備える
ことを特徴とするゴルフクラブ。
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