JP6069668B1 - 溝加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送部による長尺板状体の搬送精度を高め、長尺板状体の加工精度を向上させた溝加工装置を提供する。【解決手段】長尺板状体2に短手方向全長に渡って溝加工する溝加工装置1において、供給部4にて供給された長尺板状体2を押動して、載置部3上の他の長尺板状体2と一体に搬送方向下流側へ搬送する搬送部5と、載置部3の上方位置に配設され、載置部3上の長尺板状体2のうち搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2を載置面に押圧する押圧板60を有してなる押圧部60と、押圧部6の押圧板60の対向位置に配設され、載置部3の載置面より突出された刃先にて長尺板状体2に溝を刻設する加工部7と、を具備してなり、搬送部5は、加工部7の刃先が隣接する長尺板状体2の短手方向中途部に位置するまで一つの長尺板状体2の短手方向長さ分の送りピッチで搬送する。【選択図】図1

Description

本発明は、溝加工装置の技術に関し、より詳細には、長尺板状体に短手方向全長に渡って溝加工する溝加工装置に関する。
従来、発泡合成樹脂シート等の長尺板状体が折曲されて形成される側板を用いた箱体の構成が知られている。この種の箱体の側板として用いられる長尺板状体は、短手方向全長に渡って複数のV溝が形成されており、V溝に沿って折曲されることで平面視矩形状の側板として組み付けられる。通常、長尺板状体への溝加工は、溝の形状に応じた刃先を有する加工刃を用いた押し切り加工により溝を刻設する溝加工装置が用いられる。溝加工装置としては、予め側板の高さ幅に合わせて切断された長尺板状体の短手方向全長に渡って溝加工するようにした構成が公知である。
上述した従来の溝加工装置としては、例えば、特許文献1には、搬送方向に沿って進退可能に形成される長尺板状体の載置部と、載置部に長尺板状体を供給するとともに、載置部上の長尺板状体を一体に押動して搬送方向下流側へ搬送する供給搬送部と、載置部の上方位置に配設され搬送方向に沿って延出された押さえ板と、載置部の前進中に押さえ板を押圧するクランプロールと、クランプロールの近傍に配設された長尺板状体に溝を刻設する加工刃等とを具備してなる構成が開示されている。
確かに、特許文献1に開示された溝加工装置の構成によれば、クランプロールにて長尺板状体を押圧した状態で、供給搬送部にて長尺板状体を供給搬送しながら載置部を前進させることで、長尺板状体同士を密着させた状態で連続して溝加工することができる。そのため、長尺板状体の端面において加工刃の侵入時に溝の周囲に歪みが生じたり、加工刃の脱出時に溝の周囲が欠けて欠損が生じたりするのを防止することが期待できるものである。
しかしながら、上述した従来の溝加工装置は、搬送方向上流位置の長尺板状体を押動して載置部上の複数の長尺板状体を一体に搬送しながら、搬送方向最下流の配設される加工刃にて溝加工が行われる構成であったため、中間位置の長尺板状体において、溝加工時の加工荷重や長尺板状体の端面形状の精度不良等の影響を受けて、搬送方向に対してズレが生じ、長尺板状体の送りピッチにばらつきが生じ易いという問題があった。そのため、溝加工時に隣接する長尺板状体が均一に密着されない箇所が生じ、当該箇所にて長尺板状体に加工刃が侵入・脱出する際に溝周囲に歪みや欠損が生じてしまう場合があった。
特開平6−254797号公報
そこで、本発明では、溝加工装置に関し、前記従来の課題を解決するもので、搬送部による長尺板状体の搬送精度を高め、長尺板状体の加工精度を向上させた溝加工装置を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、長尺板状体に短手方向全長に渡って溝加工する溝加工装置において、複数の長尺板状体を搬送方向に沿って並列に載置する載置部と、前記載置部に一つの長尺板状体を供給する供給部と、前記供給部にて供給された長尺板状体を押動して、前記載置部上の他の長尺板状体と一体に搬送方向下流側へ搬送する搬送部と、前記載置部の上方位置に配設され、前記載置部上の長尺板状体のうち搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体を載置面に押圧するとともに、前記搬送部にて押動される長尺板状体を載置面と平行となるように規制する押圧板を有してなる押圧部と、前記押圧部の押圧板の対向位置に配設され、前記載置部の載置面より突出された刃先にて長尺板状体に溝を刻設する加工部と、を具備してなり、前記搬送部は、前記加工部の刃先が隣接する長尺板状体の短手方向中途部に位置するまで一つの長尺板状体の短手方向長さ分の送りピッチで搬送するものである。
請求項2においては、前記押圧部は、前記押圧板を上下方向に移動させる上下移動機構部と、前記押圧板を搬送方向に沿って水平移動させる水平移動機構部と、を有してなり、前記上下移動機構部にて前記押圧板が下方向に移動されて前記載置部上の長尺板状体を載置面に押圧した状態で、前記水平移動機構部にて前記載置部上の長尺板状体とともに前記押圧板が搬送方向下流側へ移動されるものである。
請求項3においては、前記押圧板は、前記載置部上の長尺板状体に当接する当接面と、該当接面より搬送方向上流側に延出され前記搬送部にて押動される長尺板状体を載置面と平行となるように規制する規制面とが形成されるものである。
本発明の効果として、搬送部による長尺板状体の搬送精度を高め、長尺板状体の加工精度を向上できる。
本発明の一実施例に係る溝加工装置の全体的な構成を示した側面図である。 同じく図1の載置部、供給部、及び搬送部の構成を示した平面図である。 溝加工装置による加工後の長尺板状体の平面図である。 溝加工装置の動作を示した説明図である。 押圧部の押圧板が下方向に移動した状態を示した説明図である。 搬送部にて長尺板状体が搬送される状態を示した説明図である。 搬送部にて長尺板状体が搬送される状態を示した説明図である。 押圧部の押圧板が上方向に移動し、搬送部が元の位置に復帰した状態を示した説明図である。
次に、発明を実施するための形態を説明する。
まず、本実施例の溝加工装置1の全体構成について、以下に概説する。なお、以下の実施例において、図1の矢印X方向を溝加工装置1の上下方向、矢印Y方向を溝加工装置1の前後方向、図2の矢印Z方向を溝加工装置1の左右方向とする。
図1及び図2に示すように、本実施例の溝加工装置1は、複数の長尺板状体2・2・・・を搬送方向(溝加工装置1の前後方向)に沿って並列に載置する載置部3と、載置部3に一つの長尺板状体2を供給する供給部4と、供給部4にて供給された長尺板状体2を押動して、載置部3上の他の長尺板状体2と一体に搬送方向下流側へ搬送する搬送部5と、載置部3の上方位置に配設され、搬送部5による搬送時に、載置部3上の長尺板状体2のうち搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2を載置面に押圧する押圧板60を有してなる押圧部6と、押圧部6の押圧板60の対向位置に配設され、搬送部5による搬送時に、載置部3の載置面より突出された刃先にて長尺板状体2に溝20・20・・・を刻設する加工部7等とで構成されている。
図3に示すように、長尺板状体2は、平面視矩形の長尺の薄板部材として形成され、本実施例では一例として、発泡合成樹脂シートより形成されたものが用いられる。本実施例の溝加工装置1は、長尺板状体2の短手方向全長に渡って三つのV字状の溝20・20・20を刻設するとともに、長手方向両端面を切断してテーパ面21・21を形成するように構成されている。このようにして加工された長尺板状体2は、溝20・20・20に沿って折曲され、対応するテーパ面21・21にて当接されることで、平面視正方形の箱体の側板として使用される。
溝加工装置1の機体上部前方には、オペレータの作業台10が配設され、作業台10の後方位置には、長尺板状体2が積層収容された給紙部11が配設されている。他方、溝加工装置1の機体上部後方には、製品受台12が配設され、載置部5により搬出された溝加工済みの長尺板状体2・2・・・がストックされる。溝加工装置1の機体下部前方には、動力源としての駆動装置13が配設され、駆動装置13に動力伝達可能に接続されたクランク機構部14を介して後述する供給部4及び搬送部5が作動される。また、溝加工装置1の機体下部後方には、加工部7による溝加工及び切断加工の際に発生する削りカスを受けるバケット15が配設されている。
クランク機構部14は、駆動装置13と動力伝達可能に接続された回転部材14aと、回転部材14aに接続されたリンクアーム14bと、機体側面に機体前後方向(図1及び図2の矢印Y方向)に沿って水平動可能に配設される一対の移動ブラケット14c・14c等とが設けられている。駆動装置13は、公知のステッピングモータ等のモータ装置として構成されており、クランク機構部14では、駆動装置13の回転駆動が回転部材14a及びリンクアーム14bを介して移動ブラケット14cの直線スライド駆動へと変換され、固定部材14dを介して接続された一対の移動ブラケット14c・14cが機体前後方向に延設されたスライダ装置14eに沿って水平方向に所定ピッチにて往復動される(図4乃至図8参照)。
載置部3は、溝加工装置1の機体上部に固設され、複数の長尺板状体2・2・・・を搬送方向(溝加工装置1の前後方向)に沿って並列に載置する複数(本実施例では8本)の載置レール30・30・・・等が設けられている。載置レール30は、機体前後方向に沿って延出されるレール部材より形成され、機体左右方向(図2の矢印Z方向)に所定間隔に離間されて配置されている。載置部3は、各載置レール30・30・・・にて面一の載置面が構成されており、載置面上に複数の長尺板状体2・2・・・が搬送方向(溝加工装置1の前後方向)に沿って並列に載置可能とされている。また、載置レール30は、搬送方向上流側の端部が上方に折曲されて受け部31が形成されており、後述する供給部4にて供給された長尺板状体2が受け部31に載置される。
供給部4は、溝加工装置1の機体上部であって上述した載置部3の前方位置に配設され、図示せぬキッカーにて給紙部11より排出された長尺板状体2を載置部3へと供給する供給装置として構成されており、具体的には、長尺板状体2を搬送方向(溝加工装置1の前後方向)に沿って載置する複数(本実施例では5本)の供給レール40・40・・・と、給紙部11より排出された長尺板状体2を供給レール40・40・・・上に移送する移送プレート41と、移送プレート41にて供給レール40・40・・・上に移送された長尺板状体2を押動して載置部3の載置レール30まで移送する複数(本実施例では5本)の押動部材42・42・・・等とが設けられている。
供給レール40は、機体前後方向に沿って延出されるレール部材より形成され、機体左右方向に所定間隔に離間されて配設されている。供給部4は、各供給レール40・40・・・にて面一の載置面が構成されており、載置面上に長尺板状体2が載置可能とされている。供給レール40は、上述した載置部3の載置レール30に対して上方位置に配設され(図4等参照)、搬送方向下流側の端部が対応する載置レール30と連設されて、載置レール30及び供給レール40が機体前後方向に沿って連続して延出されている。また、供給レール40は、搬送方向上流側の端部が上方に折曲されて受け部43が形成されており、後述する移送プレート41にて移送された長尺板状体2が係止具44に係止されることで受け部43に載置される。
移送プレート41は、機体左右方向に延出された一つの板状部材より形成され、上述したクランク機構部14の固定部材14dに支持アーム45を介して機体前方位置に配設されて、一対の移動ブラケット14c・14cと連動して機体前後方向に沿って水平方向に往復動される(図4乃至図8参照)。
押動部材42は、機体前後方向に沿って延出された棒状部材より形成され、機体左右方向に所定間隔に離間されて配設されている。押動部材42は、上述したクランク機構部14の固定部材14dに支持アーム46を介して配設されており、一対の移動ブラケット14c・14cと連動して機体前後方向に沿って水平方向に往復動される。押動部材42は、供給レール40の載置面より上方に突出するようにして配設され、受け部43に載置された長尺板状体2を搬送方向下流側へ押動可能とされている(図6等参照)。
搬送部5は、溝加工装置1の機体上部であって上述した載置部3及び供給部4の下方位置に配設され、供給部4にて載置部3に供給された長尺板状体2を搬送方向下流側へと搬送する搬送装置として構成されており、具体的には、載置レール30の受け部31に載置された長尺板状体2を押動する複数(本実施例では5本)の押動部材50・50・・・等が設けられている。
押動部材50は、上面に機体前後方向に沿って延出された薄板状プレートを有してなり、機体左右方向に所定間隔に離間されて配設されている。押動部材50は、上述したクランク機構部14の固定部材14dに配設されており、一対の移動ブラケット14c・14cと連動して機体前後方向に沿って水平方向に往復動される。押動部材50は、薄板状プレートが載置レール30の載置面より上方に突出するようにして配設され(図4等参照)、受け部31に載置された長尺板状体2を搬送方向下流側へ押動可能とされている(図6等参照)。
押圧部6は、載置部3の上方位置に配設され、載置部3の載置レール30に載置された長尺板状体2を上方より載置面に押圧する押圧装置として構成されており、具体的には、長尺板状体2を載置面に押圧する押圧板60と、押圧板60を上下方向に移動させる上下移動機構部61と、押圧板60を搬送方向(溝加工装置1の前後方向)に沿って水平移動させる水平移動機構部62等とが設けられている。
押圧部6は、上述した押圧板60、上下移動機構部61、及び水平移動機構部62がそれぞれ一体に組み付けられたユニット体として構成され、複数(本実施例では5体)のユニット体が機体本体の支持フレーム16に取り付けられて機体左右方向に所定間隔に離間されて配設されている。なお、本実施例の押圧部6は、各ユニット体が支持フレーム16に固定部材17を介して取り付けられており、支持フレーム16に沿って取り付け位置が調整可能とされている。
押圧板60は、平面視矩形の板状部材として構成され、後述する水平移動機構部62のシリンダ本体62aに取り付けられて、上下移動機構部61にて水平移動機構部62と一体に上下移動可能とされている。押圧板60は、載置部3上の長尺板状体2に当接する当接面60aと、当接面60aより搬送方向上流側に延出され搬送部5の押動部材50にて押動される長尺板状体2を載置面と平行となるように規制する規制面60bとが形成されている(図4等参照)。
上下移動機構部61は、上述した固定部材17に取り付けられ、押圧板60及び水平移動機構部62を上下方向に移動させる移動装置として構成されている。具体的には、上下移動機構部61は、公知のエアシリンダとしてのシリンダ本体61aと、シリンダ本体61aに対して上下方向に伸縮可能なピストンロッド61b等とが設けられ、ピストンロッド61bの端部に水平移動機構部62(の支持ブラケット62c)が配設されている。
上下移動機構部61は、シリンダ本体61aに加圧空気が給排されることでピストンロッド61bが伸縮され、具体的には、ピストンロッド61bが伸張されると押圧板60及び水平移動機構部62が下方向に移動され、ピストンロッド61bが収縮されると押圧板60及び水平移動機構部62が上方向に移動され(図4乃至図8参照)。
水平移動機構部62は、上述した上下移動機構部61に取り付けられ、押圧板60を水平移動させる移動装置として構成されている。具体的には、水平移動機構部62は、公知のエアシリンダとしてのシリンダ本体62aと、シリンダ本体62aに対して水平方向に伸縮可能なピストンロッド62bと、シリンダ本体62a及びピストンロッド62bを固定する支持ブラケット62c等とが設けられ、支持ブラケット62cには、シリンダ本体62aが相対移動可能に取り付けられるとともに、ピストンロッド62bの端部が固定されている。なお、上述した押圧板60は、シリンダ本体62aの下面に取り付けられる。
水平移動機構部62は、シリンダ本体62aに加圧空気が給排されることでピストンロッド62bが伸縮され、具体的には、ピストンロッド62bが伸張されるとシリンダ本体62a及び押圧板60が搬送方向下流側へ移動され、ピストンロッド62bが収縮されるとシリンダ本体62a及び押圧板60が搬送方向上流側へ移動される(図4乃至図8参照)。
加工部7は、載置部3を挟んで押圧部6の対向位置に配設され、長尺板状体2の短手方向全長に渡って三つのV字状の溝20・20・20を刻設するとともに、長手方向両端面を切断する切刃部材として構成されており、具体的には、長尺板状体2の表面にV字状の溝20を刻設する溝加工用切刃70と、長尺板状体2の長手方向両端面を切断する切断用切刃71と、溝加工用切刃70及び切断用切刃71をそれぞれ固定する切刃固定具72等とが設けられている。
加工部7は、上述した溝加工用切刃70及び切刃固定具72、並びに切断加工用切刃71及び切刃固定具72がそれぞれ一体に組み付けられたユニット体として構成され、複数(本実施例では5体)のユニット体が機体本体の支持フレーム18に取り付けられて機体左右方向に所定間隔に離間されて配設されている。なお、本実施例の加工部7は、各ユニット体が支持フレーム18に固定部材19を介して取り付けられており、支持フレーム18に沿って取り付け位置が調整可能とされている。
加工部7は、機体左右方向に沿って3つの溝加工用切刃70・70・70が配設されるとともに、その両端位置に一対の切断工用切刃71・71が配設されている。溝加工用切刃70は、所定の刃先角度(約90度)となるように組み合わされた一対の刃先を有してなり、載置部3の載置レール30の載置面より刃先が突出するようにして配設されている(図4等参照)。また、切断用切刃71は、所定の刃先角度(約45度)となるように配置された一つの切刃を有してなり、同じく載置部3の載置レール30の載置面より刃先が突出するようにして配設されている。
次に、図4乃至図8を参照して、本実施例の溝加工装置1の作動について説明する。なお、以下の実施例においては、溝加工用切刃70にて長尺板状体2に溝20を刻設(溝加工)する場合について説明するが、かかる溝加工装置1の作動は、切断工用切刃71にて長尺板状体2の長手方向両端を切断(切断加工)する場合についても同様である。
図4に示す状態では、載置レール30上に搬送方向に沿って複数の長尺板状体2・2・・・が載置されており、具体的には、載置レール30の搬送方向最上流である受け部31に一つの長尺板状体2が載置されるとともに、搬送方向最上流に位置する長尺板状体2よりも下流側に複数の長尺板状体2・2・・・が並列して載置されている。このとき搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2は、押圧板60の下方位置であって、溝加工用切刃70の刃先が長尺板状体2の短手方向中途部に位置する状態で停止されている。
供給部4では、移送プレート41が機体前方の給紙部11の下方位置に配置されて一つの長尺板状体2が載置されるとともに、押動部材42が移送レール40の受け部43に載置された一つの長尺板状体2よりも機体前方位置に配置されている。また、搬送部5では、押動部材50が載置レール30の受け部31に載置された一つの長尺板状体2よりも機体前方位置に配置されている。そして、押圧部6では、押圧板60が載置レール30上の搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2の上方位置に配置されている。
図5に示すように、溝加工装置1が作動されると、まず上下移動機構部61が作動され、押圧板60が下方向に移動されて当接面60aが載置レール30上の長尺板状体2に当接して長尺板状体2を載置面に押圧する。同時に、クランク機構部14が作動され、移動ブラケット14cの水平移動に連動して、移送プレート41、押動部材42、及び押動部材50が搬送方向下流側に移動され、押動部材42にて移送レール40の受け部43に載置された一つの長尺板状体2が搬送方向下流側に移送されるとともに、押動部材50にて載置レール30の受け部31に載置された一つの長尺板状体2が搬送方向下流側に搬送される。
図6及び図7に示すように、やがて押動部材50にて搬送された長尺板状体2が載置レール30上の他の長尺板状体2・2・・に当接されると、水平移動機構部62が作動され、押圧板60及び上下移動機構部61が連動して搬送方向下流側へ移動しながら、押動部材50にて載置レール30上の長尺板状体2・2・・・が一体に搬送方向下流側へ搬送され、載置レール30の載置面より突出された溝加工用切刃70にて搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2及び搬送方向最上流に位置する長尺板状体2に溝20がそれぞれ刻設される。なお、押動部材50にて搬送される長尺板状体2は、押圧板60の当接面60aより搬送方向上流側に延出された規制面60bにて規制され、搬送方向に対してズレが生じるのが防止されている。
搬送部5による長尺板状体2の搬送方向下流側への送りピッチは、溝加工用切刃70の刃先が隣接する長尺板状体2(搬送方向最上流に位置する長尺板状体2)の短手方向中途部に位置するまで、一つの長尺板状体2の短手方向長さ分となるように構成されている。すなわち、本実施例の溝加工装置1では、溝加工用切刃70が搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2の短手方向中途部から、搬送方向最上流に位置する長尺板状体2の短手方向中途部に至るまで、一つの長尺板状体2の短手方向長さ分の送りピッチで長尺板状体2が搬送され、溝加工用切刃70が何れかの長尺板状体2の短手方向中途部に位置するように調整されている。
上述したように押動部材50にて所定の送りピッチで長尺板状体2が搬送方向下流側へ搬送されると、載置部5により溝加工済みの長尺板状体2が製品受台12へと搬出されるとともに、押動部材42にて移送された長尺板状体2が受け部31に載置される。
そして、図8に示すように、上下移動機構部61が作動され、押圧板60が上方向に移動されて長尺板状体2の押圧が解除されるとともに、クランク機構部14が作動され、移動ブラケット14cの水平移動方向が切り換えられて移送プレート41、押動部材42、及び押動部材50が搬送方向上流の元位置まで復帰される。なお、その際、移送プレート41にて移送された長尺板状体2が係止具44に係止されて受け部43に載置される。また、同時に、水平移動機構部62が作動され、押圧板60及び下移動機構部61が搬送方向上流側の元位置まで同じく復帰される(図4参照)。
以上のように、本実施例の溝加工装置1は、長尺板状体2に短手方向全長に渡って溝加工する溝加工装置1において、複数の長尺板状体2・2・・・を搬送方向に沿って並列に載置する載置部3と、載置部3に一つの長尺板状体2を供給する供給部4と、供給部4にて供給された長尺板状体2を押動して、載置部3上の他の長尺板状体2と一体に搬送方向下流側へ搬送する搬送部5と、載置部3の上方位置に配設され、載置部3上の長尺板状体2のうち搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2を載置面に押圧する押圧板60を有してなる押圧部60と、押圧部6の押圧板60の対向位置に配設され、載置部3の載置面より突出された刃先にて長尺板状体2に溝を刻設する加工部7と、を具備してなり、搬送部5は、加工部7の刃先が隣接する長尺板状体2の短手方向中途部に位置するまで一つの長尺板状体2の短手方向長さ分の送りピッチで搬送するように構成されるため、搬送部5による長尺板状体2の搬送精度を高め、長尺板状体2の加工精度を向上できるのである。
すなわち、本実施例の溝加工装置1は、搬送部5にて載置部3上の長尺板状体2を一体に押動して搬送方向下流側へ搬送し、その際、押圧部6の押圧板60にて搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2を載置面に押圧した状態で、押圧板60の対向位置に配設される加工部7の刃先が隣接する長尺板状体2の短手方向中途部に位置するまで一つの長尺板状体2の短手方向長さ分の送りピッチで搬送して、隣接する長尺板状体2に溝20を刻設するものであるため、溝加工時の加工荷重や長尺板状体2の端面形状の精度不良等の影響を低減して、長尺板状体2を所定の送りピッチで精度よく搬送することができる。そして、長尺板状体2の搬送精度が高められる結果、溝加工時に隣接する長尺板状体2を確実に密着させて、加工部7の刃先を隣接する長尺板状体2へとスムーズに移行できるため、長尺板状体2の端面の溝20の周囲の加工精度を向上できる。
特に、本実施例の押圧部6は、押圧板60を上下方向に移動させる上下移動機構部61と、押圧板60を搬送方向に沿って水平移動させる水平移動機構部62と、を有してなり、上下移動機構部61にて押圧板60が下方向に移動されて載置部3上の長尺板状体2を載置面に押圧した状態で、水平移動機構部62にて載置部3上の長尺板状体2とともに押圧板60が搬送方向下流側へ移動されるように構成されるため、押圧板60にて押圧された長尺板状体2に対する溝加工の精度を向上できるとともに、搬送部5による長尺板状体2の搬送に連動して、搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2を順次押圧することができる。
また、押圧板60は、載置部3上の長尺板状体2に当接する当接面60aと、当接面60aより搬送方向上流側に延出され搬送部5にて押動される長尺板状体2を載置面と平行となるように規制する規制面60bとが形成されるため、当接面60aにて搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体2が押圧された状態で、規制面60bにて規制しながら搬送部5にて搬送方向最上流に位置する長尺板状体2を安定して押動でき、かかる長尺板状体2に対する溝加工の精度をより向上できる。
なお、溝加工装置1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
すなわち、上述した実施例の溝加工装置1では、供給部4において、給紙部11より排出された長尺板状体2を載置部3へと供給する前に供給レール40の受け部43に保持する構成について説明したが、供給部4及び搬送部5の構成はこれに限定されず、例えば、給紙部11より排出された長尺板状体2が直接に載置部3の載置レール30(の受け部31)に供給されるようにしてもよく、また、搬送部5が長尺板状体2の供給(供給部)も兼用し、給紙部11より排出された長尺板状体2を載置部3の載置レール30上で直接押動して供給搬送するようにしてもよい。
また、上述した実施例の溝加工装置1では、長尺板状体2が平面視正方形の箱体の側板として使用される場合として、長尺板状体2の短手方向全長に渡って三つのV字状の溝20が刻設される構成ついて説明したが、かかる長尺板状体2の形状はこれに限定されず、例えば、平面視五角形の箱体の側板として使用される場合には四つのV字状の溝20が刻設され、平面視六角形の箱体の側板として使用される場合には五つのV字状の溝20が刻設されるように、目的とする長尺板状体2の形状に合わせて載置部3、供給部4、搬送部5、押圧部6、及び加工部7等の配置構成が適宜変更される。
1 溝加工装置
2 長尺板状体
3 載置部
4 供給部
5 搬送部
6 押圧部
7 加工刃
10 作業台
11 給紙部
12 製品受台
13 駆動装置
14 クランク機構
15 バケット
30 載置レール
31 受け部
40 供給レール
41 移送プレート
42 押動部材
43 受け部
44 係止具
50 押動部材
60 押圧板
61 上下移動機構部
62 水平移動機構部
70 溝加工用切刃
71 切断用切刃
72 切刃固定具

Claims (3)

  1. 長尺板状体に短手方向全長に渡って溝加工する溝加工装置において、
    複数の長尺板状体を搬送方向に沿って並列に載置する載置部と、
    前記載置部に一つの長尺板状体を供給する供給部と、
    前記供給部にて供給された長尺板状体を押動して、前記載置部上の他の長尺板状体と一体に搬送方向下流側へ搬送する搬送部と、
    前記載置部の上方位置に配設され、前記載置部上の長尺板状体のうち搬送方向最上流より一つ下流側に位置する長尺板状体を載置面に押圧するとともに、前記搬送部にて押動される長尺板状体を載置面と平行となるように規制する押圧板を有してなる押圧部と、
    前記押圧部の押圧板の対向位置に配設され、前記載置部の載置面より突出された刃先にて長尺板状体に溝を刻設する加工部と、を具備してなり、
    前記搬送部は、前記加工部の刃先が隣接する長尺板状体の短手方向中途部に位置するまで一つの長尺板状体の短手方向長さ分の送りピッチで搬送することを特徴とする溝加工装置。
  2. 前記押圧部は、前記押圧板を上下方向に移動させる上下移動機構部と、前記押圧板を搬送方向に沿って水平移動させる水平移動機構部と、を有してなり、前記上下移動機構部にて前記押圧板が下方向に移動されて前記載置部上の長尺板状体を載置面に押圧した状態で、前記水平移動機構部にて前記載置部上の長尺板状体とともに前記押圧板が搬送方向下流側へ移動される請求項1に記載の溝加工装置。
  3. 前記押圧板は、前記載置部上の長尺板状体に当接する当接面と、該当接面より搬送方向上流側に延出され前記搬送部にて押動される長尺板状体を載置面と平行となるように規制する規制面とが形成される請求項1又は請求項2に記載の溝加工装置。
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