JP6065276B2 - リフト装置を有する津波対応浮上式小部屋 - Google Patents

リフト装置を有する津波対応浮上式小部屋 Download PDF

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Description

この発明は、平常時には人が住居として活用し、大地震による大津波発生時には、大津波の水の勢いで浮上式小部屋が概ね水平状態を保った状態で水面に浮上し、浮上式小部屋に取付けた船外機を稼動させて安全に避難するための浮上式小部屋の構造に関するものである。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災と、それに伴って発生した大津波により亡くなった死者と行方不明者の合計は2万人以上にも及び、今後も、東海トラフ地震等の大地震や大津波が発生するおそれのある事が指摘されており、災害時に自ら救命するための対策を準備しておく事が不可欠になっている。
大地震が発生した際、津波災害に遭遇しないためには、いち早く安全な高台等に避難することが必要であるが、震源地が近い時や、高台の無い沿岸部で生活している人にとっては高いビルや高台等へ避難する時間的余裕がなく、特に、高齢者など足腰が弱い人の場合には、大地震発生から大津波が到達するまでの短時間の間に、ビル等の長い階段を上って高い位置にある屋上へと避難するのは非常に大変な事であり、また、車で避難する場合には交通渋滞等により避難場所までの移動が困難な状況となり、避難途中に津波に巻き込まれて死亡する危険性が高かった。
さらに、昨年8月に示された南海トラフ巨大地震の被害想定では、死者は最大32万人、建物全壊は238万棟と見込まれた事から、鉄骨構造で十数メートルの高さのタワー型避難台の建築も提案されている。しかし高齢者などが短時間の内に十数メートルの高さの階段を登ることが出来るかどうか疑問も残ると共に、津波の高さが十数メートル以内であるかどうかの保証も無いため、普及する段階まで至っていない。
このような実情に鑑みて、津波発生時において短時間で避難できる簡易なシェルターが、例えば特許文献1で提案されている。これは家屋に対して一体に付設されて該家屋からの出入が可能なシェルターであって、大津波来襲時において家屋からシェルターを分離させるための分離手段と、家屋から分離させたシェルターを密閉する密閉手段とを具備し、家屋から分離させた状態において水に浮くシェルターであった。
しかしながら、特許文献1は、家屋全体が高波に飲み込まれてしまうと、シェルターも家屋に押しつぶされて水面に浮上する事ができない恐れがあると共に、シェルター自体が水面に対して水平を保って上昇出来ない可能性があり、シェルターが大津波に飲み込まれて横転したり転覆したりして避難者が負傷する恐れがあるため、津波避難用のシェルターとしては問題が残った。
さらに、例えば特許文献2では、建物の屋根部が密閉空間を有するシェルターで形成され、該シェルターが居住部の上方に配置された構造で、上部を屋根形状に形成すると共に、下部を略船底形状に形成した密閉可能なシェルターで、居住部とシェルターとが取付手段を介して固定され一体化しているシェルターであった。
しかしながら、特許文献2は、密閉空間を有するシェルターのため、平常時に居住空間として使用するには、採光、通風の面で問題が残ると共に、大きな津波が押し寄せて来た際には、シェルターが大津波に巻き込まれ、シェルターが横転したり転覆してしまう危険性があった。
さらに、地中固定された支柱に連結した油圧シリンダーの駆動により避難タワーを昇降させる技術が、例えば特許文献3で提案されているが、昇降可能の高さを超えた大津波が押し寄せてきた場合の対策としては不十分であった。
特開2007−277998 特開2012−233306 特開2006−112088
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、大津波発生時において高齢者や子供等であっても容易に短時間で避難する事ができ、逃げ遅れて大津波に巻き込まれる危険性を解消する事ができ、簡単な構造で安価に構築する事ができる浮上式小部屋を提供することを課題とする。
さらに、本発明の浮上式小部屋を大津波の避難用として使用する事は極めて稀であり、そのため、平常時においては、一般的な住宅と同様に生活するための小部屋として活用する事を前提とし、大津波に遭遇した場合でも横転したり転覆すること無く、概ね水平状態を保った状態で浮上し、どのような高い大津波にも対応できる避難所を提供することを課題とする。
さらに、平成23年3月11日に発生した東日本大震災で問題となった、津波が海岸から沖合に向かって進行する引き波により、浮上式小部屋が沖合いまで流された場合も、自力で陸地まで戻ることを可能とする浮上式小部屋を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、地盤に構築した基礎構造体の上部に、周囲を鋼板で囲い床部を面格子状に鋼板で塞ぎ、内部に発泡ポリスチレンフォームを嵌め込んだ浮力室を載せ、その浮力室の上部に浮力室と一体となるように平屋住宅を構築し、大津波が押し寄せて来る方向の、地盤に構築した基礎構造体の左右に、平行四辺形の形状をして四隅を回動自在に固定したリフト装置の下部支鋼材の両端を固定し、リフト装置を配置した平屋住宅の外壁面に、リフト装置の上部受鋼材を受け止めるための逆L字型をした受金物を取付け、平行四辺形の形状をした前記リフト装置の上部受鋼材に、外壁面の逆L字型をした受金物を載せ、大津波が押し寄せた際、浮力室と一体となるように構築した平屋住宅を、概ね水平状態を保った状態で水面に浮上させ、船外機用外開きドアを開けてドアを固定し、船外機用外開きドアの室内側に横向きに設置した船外機を下げて稼動させ、平屋住宅を自走させた事を特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、地盤に構築した基礎構造体の上部に、周囲を鋼板で囲い床部を面格子状に鋼板で塞ぎ、内部に発泡ポリスチレンフォームを嵌め込んだ浮力室を載せ、その浮力室の上部に浮力室と一体となるように平屋住宅を構築し、大津波が押し寄せて来る方向の、地盤に構築した基礎構造体の左右に、平行四辺形の形状をして四隅を回動自在に固定したリフト装置の下部支鋼材の両端を固定し、リフト装置を配置した平屋住宅の外壁面に、リフト装置の上部受鋼材を受け止めるための逆L字型をした受金物を取付け、平行四辺形の形状をした前記リフト装置の上部受鋼材に、外壁面の逆L字型をした受金物を載せ、大津波が押し寄せた際、浮力室と一体となるように構築した平屋住宅を、概ね水平状態を保った状態で水面に浮上させ、船外機用外開きドアを開けてドアを固定し、船外機用外開きドアの室内側に横向きに設置した船外機を下げて稼動させ、平屋住宅を自走させた事により、平常時には平屋住宅を居室として活用し、大津波が押し寄せて来た際には安全に避難するための救命住宅としての役目を果たし、水中に長時間入れても表面に水が付着するだけで、吸水量が非常にわずかな発泡ポリスチレンフォームを鋼板で囲い、平屋住宅を水面上に浮かせるための浮力材として活用したため、簡単な構造と安価な費用で、安全性の高い津波対応浮上式小部屋を建築する事が可能となった。
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図7には、この発明の実施の形態1を示す。
図1と図2は、本発明の津波対応浮上式小部屋の、基礎部21と浮力室11と平屋住宅1を立体図で示すと共に、図1では浮力室11を部品の分解図で示し、図2では浮力室11を組立図で示す。地盤に基礎部21の基礎構造体16、17、18、19を構築し、その上部には、四隅に四角鋼材の支柱10を配置し、その四角鋼材の隣り合う側面の上下部分を、互いに角形鋼管で形成した上部梁13と下部梁14で溶接して接合し、底面は面格子状になるように下部梁14に対して平鋼材を溶接して床梁15を形成し、浮力室11の周囲の骨格(上部梁13、下部梁14)の外側の側面に平板状の鋼板12を溶接して取付け、このように構成した枡形状をした浮力室11の内側に直方体の形状をした発泡ポリスチレンフォーム9(4枚の発泡ポリスチレンフォームを並べて1枚となるように構成した)を嵌め込み、浮力室11の上部に浮力室11と一体となるように平屋住宅1を構築し、平屋住宅1には出入口ドア6を取付け、室外から出入口ドア6を開けて入室出来るように、出入口ドア6の室外側には地盤に固定した階段20を配置する。
浮力室11に発泡ポリスチレンフォーム9を使う理由は、軽くて丈夫で、加工が簡単で、水中に長時間入れても表面に水が付着するだけで、吸水量は非常にわずかで、水中に侵漬しても膨潤したり、軟化、変形、変質したりすることが無く、硬質ウレタンフォームに比べ吸水量が概ね3分の1で、水を吸収しにくい性質を有するため、本発明の浮力材としては最適であり、建築する平屋住宅1の大きさ(述べ床面積)と重量に対して、浮力室11の容積を変化させ、発泡ポリスチレンフォーム9の嵌め込み量を増減させる事により容易に対応する事が出来る。このように構成した事により、大津波が押し寄せて来た場合でも、浮力室11の中に嵌め込んだ発泡ポリスチレンフォーム9の浮力により、平屋住宅1を大津波の水面に浮上させる事が可能となった。
さらに、平屋住宅1は、一般的な在来工法住宅、ツーバイフォー住宅、軽量鉄骨住宅で作られ、浮力室11と平屋住宅1は、浮力室11の支柱10と上部梁13に溶接されたボルト(図示せず)を平屋住宅1の土台(図示せず)にナット(図示せず)で固定する事により、浮力室11と平屋住宅1が一体となり、壁の内部には断熱材を使用し、床にはフローリングを施工し、日常生活を快適に過ごす事が出来るように平屋住宅1は建築される。さらに、平屋住宅1の内部には、冬季に避難する際に必要な人体を寒さから守るため、少なくとも「4人分の保温シート」「懐中電灯付手回しラジオ」「笛」と、平屋住宅1の内部に侵入した水を汲み出したり、大小便にも利用する事ができる「排水具」と、平屋住宅1を安全な場所に避難させるための「鉤付オール」と、平屋住宅1を係留させるための「ロープ」が装備される。
図3は、図1と図2で説明した基礎構造体16、17、18、19の上部に浮力室11を載せ、その浮力室11の上部に浮力室11と一体となるように平屋住宅1を構築し、大津波が押し寄せて来る方向の、地盤に構築した基礎構造体の左右に、平行四辺形の形状をして四隅を回動自在にボルト26、28、33、35で固定したリフト装置25の下部支鋼材30の両端を地盤に構築した基礎構造体29、32に固定し、リフト装置25を配置した平屋住宅1の壁面4の下部に、リフト装置25の上部受鋼材36を受け止めるための逆L字型をした2個の受金物37、38を互いに間隔を離して取付け、平行四辺形の形状をしたリフト装置25の上部受鋼材36に、壁面4に取付けられ逆L字型をした受金物37と38を載せた状態を立体図で示す。
リフト装置25は、4本のL型鋼材で平行四辺形の形状に構成され、下部を形成する下部支鋼材30はL型鋼材で構成され、両端部が地盤に構築した基礎構造体29、32にアンカーボルト(図示せず)で固定されると共に、両端部にはL型鋼材で形成された横支鋼材27、34が回動自在にボルト28、33で下部支鋼材30に取付けられ、さらに横支鋼材27、34の先端部は、L型鋼材で形成された上部受鋼材36の両端が回動自在にボルト26、35で取付けられる。このように構成されたリフト装置25は、横支鋼材27、34が基礎構造体29、32に固定された下部支鋼材30に対して回動自在に取付けられるため、下部支鋼材30と横支鋼材34に取付けられたスプリング31の力により、横支鋼材34は常に下部支鋼材30に対して垂直方向に回転しようとする力が働いている。このように構成する事により、大津波により平屋住宅1の一端が持ち上げられるような状態において、例えば、受金物38が上部受鋼材36に対して浮き上がるような状態になった場合、受金物38が上部受鋼材36を押さえている力が無くなり、受金物38が上部受鋼材36から離れて浮かび上がろうとすると同時に、浮力室11全体にも大津波の水面に浮かび上がろうとする力が働くため、受金物37が上部受鋼材36を押さえている力が減少し、スプリング31の力で横支鋼材34が下部支鋼材30に引き寄せられる事により、上部受鋼材36が受金物37を持ち上げるため、平屋住宅1は概ね水平状態を保った状態で水面39の上に浮上する事が可能となる。さらに、上部受鋼材36から浮き上がった状態の平屋住宅1の受金物38が、反動で水中に沈み込もうとする場合、受金物38が上部受鋼材36の上部に位置するため、平屋住宅1の一端が持ち上げられた後の反動で平屋住宅1の一端が水面39から水中に沈み込もうとした場合においても、上部受鋼材36が沈み込もうとする受金物38を受け止める事が出来るため、上部受鋼材36が受金物38の反動を押える事により平屋住宅1は概ね水平状態を保つ事が可能となる。
なお、リフト装置25の上部受鋼材36、下部支鋼材30の長さや、横支鋼材27、34の長さは平屋住宅1の大きさにより異なり、さらに、受金物37、38を互いに離す間隔も同様に平屋住宅1の大きさにより異なる。このように大津波に対して横支鋼材27、34が比較的短い形状のリフト装置25を採用した理由は、最初の大津波が押し寄せて来た際には、船が大波を乗り越える時のように、平屋住宅1の一端が持ち上がるため、平屋住宅1が横転したり転覆したりする可能性が大であるが、水面の高さが、ほぼ一定の高さ(3〜4メートル)になれば、大津波の表面は波が逆立つ事なく穏やかな状態となるため、リフト装置25の横支鋼材27、34の長さを3〜4メートルの長さにした場合においても、平屋住宅1を概ね水平状態を保った状態で大津波の水面に浮上させる事が可能となる。
このように構成したリフト装置25を、大津波が押し寄せて来る方向に対して、平屋住宅1の左右の壁面4に配置する事により、大津波が押し寄せて来た場合においても、平屋住宅1を概ね水平状態を保った状態で浮上させる事が出来る。
図4は、図3で説明した、浮力室11の上部に浮力室11と一体となるように構築した平屋住宅1が大津波により持ち上げられた事により、浮力室11が水面39の下に沈み、リフト装置25の上部受鋼材36の上部に平屋住宅1に取り付けられた受金物37、38が載った状態で大津波の水面に浮き上がった状態を立体図で示す。
浮力室11と一体となるように構築した平屋住宅1が、浮力室11の内部に詰め込まれた発泡ポリスチレンフォーム9の浮力により大津波の水面に浮かび上がる際、平屋住宅1の一端が持ち上げられるような状態になっても、リフト装置25に取付けられたスプリング31の力により、上部受鋼材36が下部支鋼材30に対して平行状態を保った状態で上昇し、平屋住宅1を概ね水平状態を保った状態で水面39に浮上させる事が出来る。このようにリフト装置25の上部受鋼材36と、平屋住宅1の受金物37、38を固定せず、上部受鋼材36が受金物37、38に対して自由に横滑りしながら上昇するように構成した事により、大津波で平屋住宅1が縦揺れや横揺れを起こした場合においてもスムーズに平屋住宅1を大津波の水面に浮上させる事が可能となった。
図5は、図4で説明した平屋住宅1に押し寄せた大津波の高さが非常に高く、平屋住宅1の受金物37、38がリフト装置25の上部受鋼材36から外れた状態を示す。このように平屋住宅1の受金物37、38をリフト装置25の上部受鋼材36に載せた状態で構成する事により、非常に高さの高い大津波が押し寄せて来た場合、平屋住宅1がリフト装置28から自動的に外れ大津波の流れに沿って流される。
このように平屋住宅1の下部に発泡ポリスチレンフォーム9を嵌め込んだ浮力室11を配置し浮力室11の回りを鋼板12で囲った事により、平屋住宅1が大津波の水面を流されている最中に、平屋住宅1が自動車や電柱や建物等に接触した場合においても、浮力室11の回りを鋼板12で囲った事により、鋼板12が一部損傷する事はあっても浮力室11が破壊されるような事態は起こらず、さらに発泡ポリスチレンフォーム9は水を吸収しにくい性質を有するため、平屋住宅1が水中に沈む事なく安全に避難する事が出来るようになった。
図6a、図7は、平屋住宅1に取付けられた船外機用外開きドア47の取付け位置と、船外機用外開きドア47に、船外機46を取付けた状態を示す。さらに、図7では浮力室11と連結した平屋住宅1が大津波の水面に浮き上がった後、船外機用外開きドア47の開閉ドア50を開けて固定し、開閉ドア50に設置した船外機46を下部の取付金具に移設して稼動させた状態を立体図で示す。この場合に使用する船外機46は、一般に小型ボート用として市販されている2馬力程度の2ストロークエンジンを使用した船外機を使用する事により、燃料(混合ガソリン)の保管も容易で、軽くて操作も簡単で移設も容易に行う事を可能とする。
図6bは、船外機用外開きドア47の開閉ドア50を閉めた状態において開閉ドア50に取付けた船外機上部取付金具52の位置と、船外機下部取付金具53の上下の位置関係を示す。図6cは、図6bで説明した船外機上部取付金具52に船外機46を開閉ドア50の内側に横向きに取付けた状態を示す。図6dは、図6cで説明した開閉ドア50を90度外側に開放し、開閉ドア50に取付けられ鉤形をしたドア固定用フック55をドア枠48に取付けられ半円形をしたフック固定金物56に引っ掛けて固定した状態を示す。このように開閉ドア50を固定する事により、船外機46が平屋住宅1に対して進行方向を向くように配置される。船外機上部取付金具52と船外機下部取付金具54の形状については、設置する船外機46の種類と大きさ(馬力)によっても異なると共に、船外機上部取付金具52を取付ける位置は本発明の津波対応浮上式小部屋が大津波で流され、開閉ドア50を90度外側に開口する際、船外機46がドア枠48に接触しない位置に取付ける。さらに船外機下部取付金具54を取付ける位置は、船外機用外開きドア47の開閉ドア50を90度外側に開口し、ドア固定用フック55とフック固定金物56で開閉ドア50を固定し、船外機46を船外機上部取付金具52から取外し船外機下部取付金具54に移設した際、船外機46のスクリュウが水中に十分水没する位置に取付ける。
このように船外機用外開きドア47を構成する事により、室内で平常時においても妨げとならないように船外機46を配置する事が可能となると共に、非常時で気持ちが動転しているような状態においても、単に開閉ドア50を開けて船外機46を下部の船外機下部取付金具54に移設するという簡単な操作で、船外機46を平屋住宅1の外に固定し稼動させる事が可能となるため、津波が海岸から沖合いに向かって進行する引き波により平屋住宅1が沖合いまで流された場合でも、自力で安全に陸地まで戻る事が出来る。
図7は、図6で説明した浮力室11の上部に浮力室11と一体となるように構築した平屋住宅1が大津波の水面に浮き上がった状態を立体図で示す。図6dで説明したように、船外機用外開きドア47の開閉ドア50を90度外側に開口し、ドア固定用フック55とフック固定金物56で開閉ドア50を固定し、船外機46を船外機上部取付金具52から取外して船外機下部取付金具54に移設し、平屋住宅1が水面39に浮かんで自走出来るようになった状態を示す。
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
[発明の実施の形態2]
図8乃至図10は、この発明の実施の形態2を示す。上記発明の実施の形態1では、図3において、平屋住宅1の左右の両方の壁面4に受金物37、38が2基配置され、その受金物37、38に対応して、リフト装置25が平屋住宅1の左右に2箇所配置されるが、この発明の実施の形態2では、大津波の押し寄せて来る方向の、平屋住宅60の左右何れか一方に、図3乃至図5で説明したリフト装置25と受金物37、38を1基配置するように構成する。
このように構成する事により、大津波が押し寄せて来た際、この発明の実施の形態1に比べ、リフト装置を2基から1基に減少させた事により、平屋住宅1が水面に浮上するまで多少の揺れや傾きは生ずるものの、建築する際の費用を大幅に抑える事が可能となり、費用対効果を高くする事が可能となる。その他の構造については、この発明の実施の形態1と同様である。
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係るリフト装置を有する津波対応浮上式小部屋について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
図1、図2において、支柱10と基礎構造体との契合方法について記載していないが、古い神社の柱と置石のように、基礎構造体の一部に角穴を開け、支柱10の下部に逆凸部を形成し、基礎構造体の角穴と逆凸部を契合させる事により、地震等で平屋住宅が揺れた場合にも、住宅が基礎から外れて倒壊するのを防ぐと共に、大津波で平屋住宅が持ち上げられた場合には、自動的に角穴と逆凸部の契合が外れるように構成する事も、もちろん可能である。
図3において、リフト装置25は4本のL型鋼材で平行四辺形の形状に構成され、と説明したが。リフト装置25はL型鋼材に限定せず、C形鋼、角形鋼管を使用する事も、もちろん可能である。
図3乃至図5において、リフト装置25の横支鋼材34を下部支鋼材30に対して回動させるため、一本のスプリング31を使用しているが、複数のスプリングを採用し取付場所を変更して使用する事も、もちろん可能である。
図6、図7において、船外機46を取付けた壁の反対側の壁に出入口ドア6だけを取付けているが、一人で平屋住宅1に避難し、一人で平屋住宅1を自走させるような場合を想定すれば、その出入口ドア6の両側に前方を見渡す事が出来る透明な窓等を取付ける事により、より一層安全に平屋住宅1を自走させる事が可能となる。
この発明の実施の形態1に係る、津波対応浮上式小部屋の基礎部と浮力室と平屋住宅を立体図で示すと共に、浮力室を分解図で示す。 同実施の形態に係る、津波対応浮上式小部屋の基礎部と浮力室と平屋住宅を立体図で示す。 同実施の形態に係る、浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅の両側の壁側に、2基のリフト装置を設置し、リフト装置を配置した平屋住宅の外壁面に、リフト装置の上部受鋼材を受け止めるための、逆L字型をした受金物を取付けた状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、図3で説明した、浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅が大津波の上に浮き上がった状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、図4で説明した、浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅が大津波の上に浮き上がり、平屋住宅の外壁面に取付けた逆L字型をした受金物と、リフト装置の上部受鋼材が外れた状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、船外機用外開きドアの取付け位置と、開閉ドアに、船外機を取付けた状態を示す。さらに、浮力室と連結した平屋住宅が大津波の上に浮き上がった後、船外機用外開きドアを開けてドアを固定し、ドアに設置した船外機を下げて稼動させた状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、図6で説明した浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅が大津波の上に浮き上がった状態を立体図で示す。 この発明の実施の形態2に係る、浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅の、大津波が押し寄せて来る方向の地盤に構築した基礎構造体の左右何れか一方に、平行四辺形の形状をして四隅を回動自在に固定したリフト装置の下部支鋼材の両端を固定し、リフト装置を配置した平屋住宅外壁面に、リフト装置の上部受鋼材を受け止めるための逆L字型をした受金物を取付け、平行四辺形の形状をしたリフト装置の上部受鋼材に、外壁面の逆L字型の受金物を引っ掛けた状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、図8で説明した、浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅が大津波の上に浮き上がった状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、図4で説明した、浮力室の上部に浮力室と一体となるように構築した平屋住宅が大津波の上に浮き上がり、平屋住宅の外壁面に取付けた逆L字型をした受金物と、リフト装置の上部受鋼材が外れた状態を立体図で示す。
1 平屋住宅
2 屋根
3 窓
4 壁面
5 ドア枠
6 出入口ドア
7 ドアハンドル
8 出入口
9 発泡ポリスチレンフォーム
10 支柱
11 浮力室
12 鋼板
13 上部梁
14 下部梁
15 床梁
16 基礎構造体
17 基礎構造体
18 基礎構造体
19 基礎構造体
20 階段
21 基礎部
25 リフト装置
26 ボルト
27 横支鋼材
28 ボルト
29 基礎構造体
30 下部支鋼材
31 スプリング
32 基礎構造体
33 ボルト
34 横支鋼材
35 ボルト
36 上部受鋼材
37 受金物
38 受金物
39 水面
46 船外機
47 船外機用外開きドア
48 ドア枠
49 ドアハンドル
50 開閉ドア
51 丁番
52 船外機上部取付金具
53 丁番
54 船外機下部取付金具
55 ドア固定用フック
56 フック固定金物
60 平屋住宅
61 屋根
62 壁面
63 窓
64 出入口
65 出入口ドア
66 ドアハンドル
67 浮力室
68 階段
69 ボルト
70 横支鋼材
71 ボルト
72 基礎構造体
73 下部支鋼材
74 リフト装置
75 スプリング
76 基礎構造体
77 ボルト
78 横支鋼材
79 ボルト
80 上部受鋼材
81 受金物
82 受金物
83 ドア枠
84 基礎構造体
85 基礎構造体
86 基礎構造体
87 基礎構造体
88 水面

Claims (1)

  1. 地盤に構築した基礎構造体の上部に、周囲を鋼板で囲い床部を面格子状に鋼板で塞ぎ、内部に発泡ポリスチレンフォームを嵌め込んだ浮力室を載せ、その浮力室の上部に浮力室と一体となるように平屋住宅を構築し、大津波が押し寄せて来る方向の、地盤に構築した基礎構造体の左右に、平行四辺形の形状をして四隅を回動自在に固定したリフト装置の下部支鋼材の両端を固定し、リフト装置を配置した平屋住宅の外壁面に、リフト装置の上部受鋼材を受け止めるための逆L字型をした受金物を取付け、平行四辺形の形状をした前記リフト装置の上部受鋼材に、外壁面の逆L字型をした受金物を載せ、大津波が押し寄せた際、浮力室と一体となるように構築した平屋住宅を、概ね水平状態を保った状態で水面に浮上させ、船外機用外開きドアを開けてドアを固定し、船外機用外開きドアの室内側に横向きに設置した船外機を下げて稼動させ、平屋住宅を自走させた事を特徴とするリフト装置を有する津波対応浮上式小部屋。
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