JP3144746U - 防災用ドーム - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時及び水害時に避難用に使用できて、軽量で強度のある防災用ドームを提供する。
【解決手段】防災用ドーム1は、内部に、地震時及び水害時に、避難者Mが一時的に避難する避難用空間11と、ドーム型に形成された樹脂製のドーム本体2と、ドーム本体2に形成された出入口12と、を有している。防災用ドーム1は、出入口12を下側にして配置したときには、シェルターを構成する。ドーム本体2は、外壁部2aが強化プラスチック21で形成されて、内壁部2bが緩衝材22で形成されている。ドーム本体2には、一端側をこのドーム本体2に取り付けて、他端側を地面側にして配置されるジャッキ3が設置されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、地震、崖崩れ、洪水、津波等の災害時に人命を安全に確保して避難するための防災用ドームに関する。
近年、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震等の大規模の地震が発生し、崩れて来た屋根の下敷きになったり、崖崩れの土砂に埋もれたりして、人命が落されている。その他、地震による津波や、大雨による洪水等の災害で、多くの人命が落されている。今後、地球温暖化等によって、さらに、同規模の大地震や大雨が発生するおそれがあることが指摘されており、災害時に人命を自ら各自で確保するための対策を準備しておくことが不可欠になっている。
このような地震発生時に、倒壊した家屋に押し潰されて圧死したり、あるいは、家屋や瓦礫等の落下物の下敷きとなって窒息死したりして、犠牲になるのを防止するための地震対策用の装置としては、例えば、特許文献1に開示された地震用シェルターが知られている。
特許文献1に記載されているような地震用シェルターは、スチールパイプ製の枠材と、枠材の端部が嵌合されるガイドパイプ部を有する継手と、この継手に取り付けられ耐震強度を付与するための鉄板製の補強板と、枠材を継手へ固定させる固定手段と、を骨組として組み立てた構築体を構成している。その地震用シェルターは、金属製の骨組構造とすることによって、地震時の倒壊する家屋に押し潰されるのを防止する強度を備えると共に、一時的に避難する場所として使用可能にしている。
特開平8−218673号公報(特許請求の範囲、図1、図2及び図15)
しかしながら、前記特許文献1に記載されたような地震用シェルターでは、組み立て及び分解が可能で、耐震強度を備えているものの、多数の金属製枠材、金属製継手、鉄板製補強板及び固定手段によって構築体を形成しているため、構成部品が多く、構造が複雑で、全体の重量が重いという問題点があった。
特許文献1の地震用シェルターは、各構成部品及びその全体が金属製で重いため、運搬する際や持ち上げる際に、1人では行うことができないという問題点があった。このため、軽量で、一人で持ち上げることができるシェエルターが要望されていた。
また、特許文献1の地震用シェルターは、組み立て及び分解が容易であるものの、部品点数が多くため、コストが高いという問題点があった。このため、さらに、低価格で、誰でも容易に使用できる簡単な構造のものが要望されていた。
さらに、特許文献1の地震用シェルターは、金属製の枠材と保護板から主に構成されているので、強度が優れているものの、洪水等の水害時には、水没してしまうため、水害時に使用できないという問題点があった。このため、地震時にも水害時に避難用ボートとしても使用可能な多機能的な防災用ドームが要望されていた。
そこで、本考案は、前記問題点を解消すべく考案されたものであり、地震時及び水害時に避難用の使用できて、軽量で強度のある防災用ドームを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の防災用ドームは、内部に避難用空間を有する防災用ドームであって、ドーム型に形成された樹脂製のドーム本体と、前記ドーム本体に形成された出入口と、を有し、前記出入口を下側にして配置したときには、シェルターを構成することを特徴とする。
請求項1に記載の防災用ドームの考案によれば、防災用ドームは、大きな地震があった際に、防災用ドームを出入口が下になるように配置して、その出入口から避難用空間内に入って避難するシェルターとして使用することが可能である。また、防災用ドームは、ドーム形状で剛性を確保し易く、軽量に形成することができる。このため、防災用ドームは、転がすようにして移動させたり、移設したりすることが容易にできる。さらに、洪水や津波等の水害の際には、出入口を上側にして使用することによって、水に浮くため、簡易型の緊急用ボートとしても使用することが可能である。このように、防災用ドームは、あらゆる災害に対応した緊急避難用のシェルターとして使用できる。
請求項2に記載の防災用ドームは、請求項1に記載の防災用ドームであって、前記ドーム本体は、外壁部が強化プラスチックで形成され、内壁部が緩衝材で形成されていることを特徴とする。
ここで、強化プラスチックとは、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastic)樹脂といわれているガラス繊維強化プラスチックである。
請求項2に記載の防災用ドームの考案によれば、防災用ドームは、強化プラスチックで形成されているので、軽くて、熱に強く、強度を備えている。このため、家屋が倒壊して建材が落下してきたり、崖崩れで土砂等が落ちてきたりした場合には、落下物によって避難者(利用者)が押し潰されるのを防護することが可能である。
請求項3に記載の防災用ドームは、請求項1または請求項2に記載の防災用ドームであって、前記ドーム本体には、一端側を当該ドーム本体に取り付けて、他端側を地面側にして配置されるジャッキが設置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の防災用ドームの考案によれば、ドーム本体にジャッキが設けられていることにより、ジャッキでドーム本体の下側にある出入口を地面(床面)から上昇させて開口した状態に支持することができる。このため、腕力のない老人や子供であっても、ドーム本体を容易に上昇させることが可能であり、ドーム本体の底部に配置した出入口から防災用ドーム内に出入りできる。
請求項4に記載の防災用ドームは、請求項1または請求項2に記載の防災用ドームであって、前記ドーム本体の外壁部及び内壁部には、持ち上げ用の把持部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の防災用ドームの考案によれば、ドーム本体の外周面及び内壁面には、持ち上げ用の把持部が設けられていることにより、ドーム本体を持ち上げて、出入口を上昇させて出入りする際や、手で持って移動させる際に、手で持ち易くなる。このため、防災用ドームは、手で容易に移動でき、運搬性及び移動性がよい。
請求項5に記載の防災用ドームは、請求項1に記載の防災用ドームであって、前記ドーム本体には、内壁部から外壁部に貫通した空気口が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の防災用ドームの考案によれば、ドーム本体は、内壁部から外壁部に貫通した空気口が設けられていることによって、外気をドーム本体内に取り入れることができる。このため、避難者は、防災用ドーム内に長期間にわたって避難することができる。
本考案の請求項1に係る防災用ドームによれば、大地震の際には、出入口を下にした防災用ドームの中の避難用空間に入り込むことによって、避難することができる。また、防災用ドームは、ドーム形状に形成されて軽量で、転がし易い形状をしているため、容易に移動させることができると共に、適宜な場所への移設を容易に行うことができる。さらに、洪水や津波の際には、防災用ドームを水に浮かすことができるため、避難用ボート及び救助用ボートとしても使用できる。このように、防災用ドームは、地震、崖崩れ、土砂災害、洪水、津波等の際に、避難用具、避難小屋、及び人命救助具として種々の用途に使用することができ、便利である。また、防災用ドームは、構造が簡素で、部品点数及び組立工数が少ないので、設置費用もかからず、安価に製造することができる。
本考案の請求項2に係る防災用ドームによれば、防災用ドームは、避難用空間に避難した避難者を倒壊する家屋や、落下して来る建材や、崖崩れで土砂等の落下物から防護して守ることができる。
本考案の請求項3に係る防災用ドームによれば、ドーム本体にジャッキが設けられていることにより、年寄りや、女性の方でも、ジャッキを使用することによって、ドーム本体を容易に上昇させて、出入口から出入りし易い状態にすることができる。このため、防災用ドームは、腕力がない人などあらゆる人に使用可能である。
本考案の請求項4に係る防災用ドームによれば、ドーム本体の外周面及び内壁面には、持ち上げ用の把持部が設けられていることにより、把持部を手で持ってドーム本体を持ち上げて、出入口を上昇させた状態に支持して出入りし易くできると共に、把持部を手で握って持ち運んだりすることができるので、移動性及び運搬性がよい。
本考案の請求項5に係る防災用ドームによれば、ドーム本体に空気口が設けられていることによって、外気をドーム本体内に取り入れて空気の交換を行うことができる。また、空気口から防災用ドームの外部を視認することも可能である。
次に、図1〜図5を参照して、本考案に係る防災用ドームを実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)を説明する。
図1は、本考案の実施形態に係る防災用ドームの一使用例を示す概略図である。図2は、本考案の実施形態に係る防災用ドームの一例を示す図であり、ジャッキで防災用ドームの一部を上昇させたときの状態を示す概略斜視図である。図3は、本考案の実施形態に係る防災用ドームの一例を示す図であり、把持部及びジャッキの取り付け状態を示す要部拡大概略正面図である。図4は、本考案の実施形態に係る防災用ドームの一例を示す図であり、ジャッキでドーム本体の一部を上昇させたときの状態を示す要部拡大概略断面図である。
≪防災用ドームの構成≫
図1に示すように、防災用ドーム1は、大地震や崖崩れ等が発生した際に、避難者Mが、崩れてきた屋根や建材や土砂や瓦礫等の落下物の下敷きになったり、押し潰されたりするのを防護すると共に、さらに、地震による津波や大雨による洪水等の水害時に、緊急用のボートとしても使用することが可能な災害用の避難器具である。防災用ドーム1は、ドーム型で、大型の略容器形状をしたものからなり、それぞれ後記する避難用空間11と、出入口12と、空気口15と、扉部材16と、ドーム本体2と、ジャッキ3と、把持部13,14(図2参照)と、浮輪4と、SOS発信装置5と、アンカー6(図5参照)と、ロープ7と、を備えている。防災用ドーム1は、下面に出入口12を有し、直径が1200mm程度の略球状のドーム型の人員防護体であり、部屋等の屋内に配備することが可能な大きさに形成されている。
なお、本考案に係る防災用ドーム1は、緊急用のボートとして可能であるが、まず、大地震や崖崩れ等災害時にシェルターとして使用する場合を例に挙げて説明する。
防災用ドーム1は、地震発生時(または、予震発生時や、緊急地震速報装置のお知らせがあったとき)に直ぐに避難者Mが、防災用ドーム1に入り込むことができるように、家屋内や庭の片隅等の適宜な場所に配置しておく。または、地震発生時やその他の災害時に崖崩れや、土砂崩れや、頭上から落下物が落下する危険性が予想される場所に配置してもよい。さらに、防災用ドーム1は、水に浮くように形成されているため、津波や、洪水時の河川の氾濫が予想される場所に配置してもよい。防災用ドーム1は、全体が略球状でコンパクトに形成されたことによって、地震、崖崩れ、水害等の災害の際に、外圧や強い衝撃に耐えるのに適した形状的な強度を備えた構造になっている。
<避難用空間の構成>
図1に示すように、避難用空間11は、防災用ドーム1の内部空間であって、避難者Mが地震発生時及び崖崩れ発生時に、緊急避難場所として使用したり、地震発生後及び崖崩れ発生後の一時的な避難場所として使用したりするためのキャビン状の空間である。避難用空間11は、ドーム本体2によって形成された略球状の空間からなる。
≪出入口の構成≫
出入口12は、避難者Mが防災用ドーム1内の避難用空間11に出入りするための出入り口である。出入口12は、例えば、ドーム本体2の一箇所に円形に形成されている。防災用ドーム1をシェルターとして使用する場合は、出入口12を下にして、出入口12の縁を地面(または床面)に付けるように配置して使用する。このように、防災用ドーム1は、出入口12をドーム本体2の下側にして配置することにより、出入口12の縁によって、安定した状態に地面上に置くことができるようになっている。
≪空気口の構成≫
空気口15は、防災用ドーム1外の外気を避難用空間11内に流入させるための空気取入口用の窓であり、後記するドーム本体2の内壁部2bから外壁部2aに貫通して設けられている。空気口15は、例えば、ドーム本体2の側面部位に形成されて、空気口15の外側に、この空気口15を開閉するための扉部材16を備えている。
≪扉部材の構成≫
前記扉部材16は、空気口15を密閉した状態に閉めることが可能な開閉体であり、開閉板部材16aと、取手16bと、から構成されている。開閉板部材16aは、例えば、空気口15をドーム本体2の外側から外壁面に沿って摺動して、空気口15を開閉する板部材からなる。取手16bは、開閉板部材16aを移動させる際に手で持つための摘みであり、開閉板部材16aの端部から避難用空間11側に向けて突出して設置されている。このため、扉部材16は、避難用空間11内から操作して開閉できるようになっている。
≪ドーム本体の構成≫
ドーム本体2は、防災用ドーム1の本体主要部を形成する部材であり、合成樹脂によってドーム型に形成されている。ドーム本体2は、外周面を形成する外壁部2aが、強化プラスチック21によって形成され、内周面を形成する内壁部2bが、緩衝材22によって形成されている。
強化プラスチック21は、いわゆるFRP樹脂であり、ガラス繊維等の繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料である。強化プラスチック21は、金属材料よりも比強度が強く、軽量で、耐熱性及び耐食性に優れた素材である。この強化プラスチック21で形成されたドーム本体2は、衝撃に対して強く、折れ難い、壊れ難い、変形し難い構造の防災用ドーム1にすることが可能となる。
緩衝材22は、ドーム本体2の外壁部2aを形成する強化プラスチック21の内面全体に固着される内装部材であり、例えば、軟質で、クッション性及び断熱性に優れた発泡スチロールやウレタンや樹脂製段ボール等からなる。緩衝材22は、例えば、厚さが約50mmの球面状に形成された厚板部材からなり、避難者Mが衝突しても、そのときの衝撃を吸収できるようになっている。また、緩衝材22は、断熱材としての機能も果たすため、冬季や寒冷地において、避難者Mを寒さから守り、屋外で使用することも可能であり、また、雪崩用の避難具としても、使用可能となっている。
≪ジャッキの構成≫
ジャッキ3は、ドーム本体2を傾けるように上昇させて、ドーム本体2の下端部に配置された出入口12から避難者Mが出入りできるようにするための昇降装置であり、例えば、エアジャッキからなる。ジャッキ3は、それぞれ後記するシリンダ31と、ピストン32と、吸気弁33と、ホース34と、エア吸排気弁35と、排気用蓋体36と、保持具37と、から構成されている。ジャッキ3は、図2及び図3に示すように、ドーム本体2の外壁部2aの側面に適宜な間隔を介して設置された一対のものからなる。ジャッキ3は、一端側がドーム本体2に取り付けられて、他端側が地面側にして配置されている。つまり、ジャッキ3は、一端側のシリンダ31がドーム本体2に固定されて、他端側のピストン32が地面上に載置される。
図4に示すように、シリンダ31は、ピストン32が進退するシリンダ室(第1シリンダ室31a及び第2シリンダ室31b)を形成する中空状の円柱ケース体である。シリンダ31は、保持具37によってドーム本体2の外壁部2aの側面に固定される。シリンダ31には、上端部にホース34が設置され、下端部にエア吸排気弁35及びピストンロッド32aが設置され、側面に吸気口31c及び保持具37が設置されている。
第1シリンダ室31aは、ピストン32に対してシリンダ31を上昇した際に、吸気口31cから外気が入り込んで、ドーム本体2が上昇して出入口12が開放された状態に維持したり、避難者Mがドーム本体2を持ち上げるときに、防災用ドーム1の重さ以下の所定の力で上昇するように押し上げたりするための空圧室である。第1シリンダ室31aには、吸気口31cと、吸気弁33と、ホース34の開口端とが設けられている。
第2シリンダ室31bは、ピストン32に対してシリンダ31が下降した際に、エア吸排気弁35を介して空気をその中に取り込み、シリンダ31が上昇した際に、エア吸排気弁35を介して空気が大気中に排出される空気室である。
吸気口31cは、外気を第1シリンダ室31a内に取り入れるための開口であり、第1シリンダ室31aの上部に連通するように穿設されている。
ピストン32は、シリンダ31が上昇・下降することによってシリンダ31内に外気を吸排気させるための部材であり、ピストンロッド32aを介して、下端部が踏板32bに対して回動自在に連結されている。踏板32bは、地面上に載置される支持部材であり、例えば、鋼板等の平板部材からなる。踏板32bには、2つのジャッキ3のピストンロッド32aが連結されている。この踏板32bは、避難者Mがジャッキ3を使用する際に、ドーム本体2と共にシリンダ31を上昇させたときに、ピストン32がシリンダ31に引きつられて上昇するのを抑制するために、足で踏んで押える板材である。
吸気弁33は、前記吸気口31cから大気中の空気が第1シリンダ室31a内に入り込むのを許可し、その第1シリンダ室31a内から大気中へ圧縮空気が流れるのを抑制する逆止弁である。吸気弁33は、例えば、第1シリンダ室31aの内壁に穿設された吸気口31cを内側から閉塞するように設置されている。
ホース34は、第1シリンダ室31a内で生成した圧縮空気を第1シリンダ室31aから排気用蓋体36が配置された部位までに送るための配管であり、例えば、適宜な長さの合成樹脂製のものからなる。ホース34は、一端が第1シリンダ室31aの上端部に接続され、他端がドーム本体2の内壁部2bに配置された排気用蓋体36によって開閉できるように設置されている。つまり、ホース34の先端部は、大気中に連通して配置され、第1シリンダ室31a内の圧縮空気を排出する排気口を形成している。
図4に示すように、排気用蓋体36は、手動で第1シリンダ室31a内の圧縮空気を大気中に排出させて、ジャッキ3のシリンダ31を下降状態にするための開閉弁である。換言すると、排気用蓋体36は、例えば、ホース34の開口端を手動的に開弁することが可能な開閉弁である。排気用蓋体36は、例えば、手動的に開弁させる操作部と弁体との機能を兼備した排気操作部36aと、この排気操作部36aの基端部に設けられた蝶番(図示省略)と、排気操作部36aを閉弁する側に自動復帰させるための戻しばね(図示省略)と、を備えて構成されている。
排気操作部36aは、排気用蓋体36を開放させて第1シリンダ室31a内の圧縮空気を大気中へ排出させて、ジャッキ3を下降させる遠隔操作をするための操作部材である。この排気操作部36aは、ドーム本体2内に設置されて、防災用ドーム1内に入り込んだ避難者Mが避難用空間11内から遠隔操作して、ジャッキ3を下降させることができるようになっている。
図4に示すように、エア吸排気弁35は、ピストン32が作動した際に、第2シリンダ室31b内の空気を吸気及び排気する弁である。エア吸排気弁35は、シリンダ31のケース体の底面部に設置されている。
なお、このエア吸排気弁35は、なくても構わない。この場合は、ピストンロッド32aが挿入されたシリンダ31の挿通孔を、第2シリンダ室31b内の空気が出入りするエア吸排気弁35またはエア吸排気口とすればよい。
保持具37は、略円柱形状のシリンダ31を略球面状のドーム本体2に安定した状態に固定するためのホルダー部材であり、シリンダ31とドーム本体2との間に介在される。保持具37は、一端部がシリンダ31の外周面に固定され、他端部がドーム本体2の外壁部2aに固定されている。
≪把持部の構成≫
図4に示すように、把持部13,14は、避難者Mがドーム本体2を手で持ち上げて出入口12から防災用ドーム1内に出入りできるように傾けるときや、防災用ドーム1を移動させるときに、手で握るための部分である。把持部13,14は、例えば、ドーム本体2の外壁部2a及び内壁部2bの膝の高さ程度に位置に設置された平面視して略コ字状の部材からなる。把持部13は、避難者Mが防災用ドーム1内に入る場合に使用される。把持部14は、避難者Mが防災用ドーム1内から外に出る場合に使用される。
≪浮輪の構成≫
浮輪4は、防災用ドーム1内で避難者Mが腰を掛けたり、クッションとして使用したりすることが可能なものであり、例えば、空気を入れて密閉したドーナツ型の容器からなる。浮輪4は、例えば、外径が出入口12の大きさより大きく形成されたビニール製のものからなる。
≪SOS発信装置の構成≫
SOS発信装置5は、災害時に防災用ドーム1内に一時的に緊急避難した避難者Mが、外部に対して救助の要請を知らせるための発信装置である。SOS発信装置5は、内壁部2bに設置されている。
≪防災用ドームの作用≫
次に、図1〜図4を参照して本考案の実施形態に係る防災用ドーム1の作用を使用手順と共に説明する。
大きな予震が発生したときや、緊急地震速報装置のお知らせがあったときには、大地震が発生するまでに10秒〜数十秒程度の時間がある。大きな地震の予震やお知らせがあった場合には、図1に示すジャッキ3の踏板32bを足で踏んで押さえながら、ドーム本体2の外壁部2aにある把持部13を手で握って、出入口12から避難者Mが避難用空間11内に入り込める高さまで、ドーム本体2を傾倒させるように持ち上げて、出入口12から避難用空間11に入り込んで避難する。
避難者Mが防災用ドーム1を持ち上げた際には、踏板32bを足で踏んだことにより、一対のジャッキ3のシリンダ31が防災用ドーム1と共に上昇する。このとき、吸気弁33がピストン32の吸引力によって開弁し、吸気口31cから第1シリンダ室31a内に大気が入り込んで、防災用ドームに固定したシリンダ31が上昇する方向へ付勢して避難者Mが防災用ドーム1を持ち上げるのを補助する。このため、腕力のない非力な女性や老人等であっても、容易に防災用ドーム1を持ち上げることができる。
このように、防災用ドーム1の外壁部2aにジャッキ3が取り付けられていることによって、防災用ドーム1を持ち上げるときに、ジャッキ3が自動的に連動する。このため、腕力がない者であっても、ドーム本体2を自力で上昇させることが可能となり、ドーム本体2の底面に伏せた状態の出入口12を、図2及び図4に示すように、出入口12から避難者Mが出入りできる状態に開放させて、防災用ドーム1内に避難することができる。
ジャッキ3は、モータ等の動力源や、電源等を不使用であるため、防災用ドーム1をあらゆる場所に適宜に設営しても、常に使用することが可能である。また、ジャッキ3は、防災用ドーム1を持ち上げると、自動的に作動するので、特別な操作が不要なため、非力な者であっても、また、取り扱いが不慣れな者であっても、防災用ドーム1をスピーディに上昇させて防災用ドーム1内に避難できるように補助する働きをする。
このようにして、防災用ドーム1内に入った避難者Mは、防災用ドーム1内にある排気用蓋体の排気操作部36aを引っ張り操作すると、排気用蓋体36が開弁して第1シリンダ室31aの圧縮空気が大気中に排出されて、シリンダ31及びドーム本体2をゆっくりと下降させることができる。防災用ドーム1内に入室後は、前記同様、図1に示すようにして、防災用ドーム1をシェルターとして避難すればよい。避難者Mが防災用ドーム1内に潜り入り込んだら、図1に示すように、浮輪4に腰を掛けて待機する。
このようにすることによって、大地震で家屋が倒壊して建材等が防災用ドーム1上に落下しても、また、崖崩れで土砂や瓦礫等が防災用ドーム1上に落下しても、ドーム本体2が強度を有するので、防災用ドーム1内の避難者Mが下敷きになって押し潰されるのを防護することができる。
地震が静まって、防災用ドーム1内から脱出する場合は、防災用ドーム1内にある把持部14を手で握ってドーム本体2を傾けるように持ち上げて、出入口12から潜り出ることによって、防災用ドーム1外に出ることができる。また、地震が続くようであれば、防災用ドーム1内にしばらくの間避難していれば安全である。
なお、防災用ドーム1は、喩え、土砂等によって押されて移動したり、転倒したりしたとしても、内壁部2b全体が緩衝材22で形成されているので、避難者Mが避難用空間11内で内壁面に衝突しても、衝撃が吸収されるため、ケガをすることがない。
家屋の倒壊や崖崩れ等により、防災用ドーム1の上に家屋の建材や土砂等の落下物があって、防災用ドーム1内から出ることができない生き埋めの状態の場合には、SOS発信装置5を操作して救助信号を発信し、助けを呼ぶことによって、早期に救助されることが可能となる。このようにして、避難者Mは、大地震時に自分自身の身体を防災用ドーム1によって守ることが可能となると共に、シェルターとしても利用することができる。
また、防災用ドーム1は、全体が合成樹脂製で軽量であるため、容易に移動させたり、移設させたりすることも可能である。
≪変形例≫
なお、本考案は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本考案はこれら改造及び変更された考案にも及ぶことは勿論である。
図5は、本考案の実施形態に係る防災用ドームの変形例を示す図であり、防災用ドームをボートとして使用しているときの状態を示す概略図である。
前記実施形態では、図1〜4に示すように、出入口12を下側にして使用する場合を説明したが、図5に示すように、防災用ドーム1は、津波や河川の氾濫や大雨や洪水等の水害時に、避難用ボートとしても使用可能である。
この場合、防災用ドーム1内には、水害時のために、アンカー(イカリ)6、ロープ7及び重心用錘8を常時、配備しておく。
アンカー6は、防災用ドーム1が水の流れによって流されるのを防止して、防災用ドーム1を水上に止めておくための錨である。ロープ7は、アンカー6と防災用ドーム1とを繋ぐためのものであり、基端部が把持部14に縛り付けられ、先端部がアンカー6に連結されている。なお、防災用ドーム1をボートとして使用する場合には、重心用錘8を防災用ドーム1の内底の中央部に配置して、水上の防災用ドーム1を安定化させることができる。なお、防災用ドーム1は、重心用錘8がなくても安定性があり、重心用錘8はなくても構わない。
次に、防災用ドーム1をボートとして使用する場合について説明する。
特に、海岸に近いゼロメートル地帯では、大雨や津波等の水害時に、家屋等が浸水した場合等に、避難用ボートとして防災用ドーム1を使用する。この場合、防災用ドーム1の出入口12を上側にして転がし、水面へ移動させる。そして、出入口12から防災用ドーム1内に入り込み、一端を把持部14に固定したロープ7の他端に設けたアンカー6を水底等に固定させて、防災用ドーム1が流されるのを防止するようにする。
なお、防災用ドーム1内の浮輪4は、水面に浮くので避難用浮輪としても使用可能である。このように、防災用ドーム1は、軽量であらゆる災害に耐えることができる強度及び形状を有するため、あらゆる災害時の人命救助や避難用シェルターとして使用することが可能である。また、防災用ドーム1内に、防災用ドーム1をボートとして使用する際に水をかいて進めることができる櫂を配備しておいてもよい。
≪その他の変形例≫
例えば、前記実施形態では、図5に示すように、略球形のドーム本体2を例に挙げて説明したが、防災用ドーム1をボートとして使用する場合、水上での安定性を向上させるために、底面部をさらに平らな形状にしたものであっても構わない。
また、防災用ドーム1は、家族の人数等に合わせて、家族全員が防災用ドーム1内に入ることが可能な適宜な大きさのものにしてもよい。例えば、防災用ドーム1は、左右の幅を長くして、平面視して長円形あるいは楕円形にしてもよい。
さらにまた、防災用ドーム1は、外形が略球状のものに限定されるものではなく、例えば、半球状やお椀型のものであってもよい。
なお、防災用ドーム1は、ドーム本体2に補強用フレーム等の骨格部材を内設してさらに強度を向上させてもよい。
また、前記ジャッキ3は、例えば、自動車のバックドアに設置されるダンパや、市販の足踏み式エアポンプや、手動式の空気入れ等のエア供給源を備えたものであっても構わない。このようなダンパやエア供給源を有するジャッキを設置した場合であっても、防災用ドーム1を容易に持ち上げて、その状態を一時的に維持することが可能である。
その他、防災用ドーム1には、懐中電灯、ラジオ、飲食物、医療品等の防災用品を配置しておいてもよい。
本考案の実施形態に係る防災用ドームの一使用例を示す概略図である。 本考案の実施形態に係る防災用ドームの一例を示す図であり、ジャッキで防災用ドームの一部を上昇させたときの状態を示す概略斜視図である。 本考案の実施形態に係る防災用ドームの一例を示す図であり、把持部及びジャッキの取り付け状態を示す要部拡大概略正面図である。 本考案の実施形態に係る防災用ドームの一例を示す図であり、ジャッキでドーム本体の一部を上昇させたときの状態を示す要部拡大概略断面図である。 本考案の実施形態に係る防災用ドームの変形例を示す図であり、防災用ドームをボートとして使用しているときの状態を示す概略図である。
符号の説明
1 防災用ドーム
2 ドーム本体
2a 外壁部
2b 内壁部
3 ジャッキ
11 避難用空間
12 出入口
13,14 把持部
15 空気口
21 強化プラスチック
22 緩衝材

Claims (5)

  1. 内部に避難用空間(11)を有する防災用ドーム(1)であって、
    ドーム型に形成された樹脂製のドーム本体(2)と、
    前記ドーム本体(2)に形成された出入口(12)と、を有し、
    前記出入口(12)を下側にして配置したときには、シェルターを構成することを特徴とする防災用ドーム。
  2. 前記ドーム本体(2)は、外壁部(2a)が強化プラスチック(21)で形成され、
    内壁部(2b)が緩衝材(22)で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防災用ドーム。
  3. 前記ドーム本体(2)には、一端側を当該ドーム本体(2)に取り付けて、他端側を地面側にして配置されるジャッキ(3)が設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防災用ドーム。
  4. 前記ドーム本体(2)の外壁部(2a)及び内壁部(2b)には、持ち上げ用の把持部(13,14)が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防災用ドーム。
  5. 前記ドーム本体(2)には、内壁部(2b)から外壁部(2a)に貫通した空気口(15)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防災用ドーム。


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