JP5841953B2 - 津波防災シェルター - Google Patents

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Description

本発明は津波や台風又は火災や洪水などが発生した際に、内部に避難することが出来る津波防災シェルターに関する。
現在、津波や洪水などが発生した際は、自治体等の定めた高台の学校や公民館等の公共施設へ避難するのが一般的であるが、津波の進行速度は極めて早いため、避難する高台まで離れている住民は、避難が間に合わず、逃げ遅れて津波に飲み込まれてしまう恐れが高かった。特に海岸近くの住民は短時間で高台まで避難することが殆ど出来なかったので、東日本大震災などに於いては多数の犠牲者が発生した。
このため、津波発生時に短時間で避難する簡易な避難用シェルターとして、浮遊式のものとしては特開2006−46049や特開2008−74385などが提案され、地上固定式のもの或いは地下式のものとしては特開2007−277998或いは実用新案登録第3177047号や実用新案登録第3178130号などが提案され、多くが提案されている。
しかしながら、浮遊式のものは、波に翻弄されて怪我や人命にかかわる強打の恐れがあると共に何処に流されるか分らず不安な面もあった。またロープ等でシェルターを地上と繋がれているものもあるが、ロープが瓦礫や流木等に絡まったりして、浮上できない場合もあり、この時には、水中に留まり、空気不足になる恐れが発生すると共に瓦礫や流木等がシェルターに直撃して破損する恐れなどもあった。
また地上固定式のものは、波力をまともに受けるため、それに耐えるためには想像以上のハイコストの処理が必要で、それ以上の力を受ければ流される恐れがあった。更に地下式のものは、簡単に水没し、津波後、瓦礫や流木等の堆積物に埋もれ易く、視認しにくくなるため、発見されにくくなり、救助されるのが遅れる恐れがあった。又、水没してしまうと空気の確保が困難になるので、地下に避難する際の大きな問題となっていた。
特開2006−46049号公報 特開2008−74385号公報 特開2007−277998号公報 実用新案登録第3177047号公報 実用新案登録第3178130号公報
本発明は津波,水害,台風,竜巻,火災などの発生時に安心して一時避難することができ、津波や竜巻などの大きな力に対して充分に耐えられ、且つ、津波,水害などによって水没しても内部に給排気が可能な津波防災シェルターを提供することを目的とする。
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、密閉可能なシェルター本体の周囲を、砂利で半分以上地面に埋設するシェルターであって、シェルター本体を、鉄骨で略球状の多面体に形成した枠体と、該枠体の周囲に取付けた多数の面材と、枠体に取付けた開閉可能なドアと、から構成させ、且つ、シェルター本体の下部に支持脚部を固着させると共に、シェルター本体に、少なくとも給排気手段を備える。尚、本発明で言う「略球状の多面体」とは、例えば正12面体或いは準正26面体以上のものを指すものとする。
また支持脚部として、シェルター本体よりも大きな多角形状に形成した金属枠と、該金属枠をシェルター本体の下部に配置させると共にそれをシェルター本体に連結させて固着する多数本の連結杆と、金属枠の上に配置し固着させた強化金網とから成されたものとするのが良く、給排気手段として、シェルター本体の内部と連通すると共に所定長さで復元力を有した二重管と、該二重管の先端部に内蔵して水没した時の水浸入防止用の止水弁とから少なくとも成し、二重管の基部に、シェルター本体の天井部を貫通する鋼管と、その鋼管を支える複数本の支柱と、鋼管に二重管を連結して締付けるバンドと、が設けられ、且つ、二重管の先端部に、止水弁より先端側が給気路と排気路とに仕切る仕切板が設けられると共にその先端部に金網状の蓋が取付けられたものとするのが好ましい。又、前記給排気手段として復元力を有した二重管ではなく、折曲可能な二重管を用い、その先端部に浮子を設けて水面に二重管を常時出すような構造のものとしても良い。更に枠体は、L型鋼の背面同士を対向させると共に丸棒をその交差部に配置して溶接で固定して略球状の多面体に成すべき形状に形成すると良く、前記面材の上には、外壁材を装着させ、その面材としては、鉄板,FRP板,ポリカーボネート板,アラミド繊維板,カーボン繊維板,ガラス繊維板の内の少なくとも1つを用いるのが良い。
請求項1のように密閉可能なシェルター本体(1) の周囲を、砂利(6)で半分以上地面(5)に埋設するシェルターであって、シェルター本体(1)を、鉄骨で略球状の多面体に形成した枠体(11)と、該枠体(11)の周囲に取付けた多数の面材(12)と、枠体(11)に取付けた開閉可能なドア(13)と、から構成させ、且つ、シェルター本体(1) の下部に支持脚部(2)を固着させると共に、シェルター本体(1)に、少なくとも給排気手段(3)を備えることにより、浮上式のものの如く波に翻弄される恐れがなくなると共に従来の地上固定式のものの如く波力をまともに受けて流される恐れもないものとなり、しかも地下式のもののように瓦礫や流木等の堆積物に埋もれて救助が遅れる恐れがなくなると共に水没しても空気の確保が可能なものとなった。更に本発明は津波や水害だけでなく、台風や竜巻などの強風発生時及び火災の発生時の一時避難場所として安全に利用することができ、又、通常時には個室として使用することができるものとなった。
請求項2のように支持脚部(2)が、シェルター本体(1) よりも大きな多角形状に形成した金属枠(21)と、該金属枠(21)をシェルター本体(1)の下部に配置させると共にそれをシェルター本体(1)に連結させて固着する多数本の連結杆(22)と、金属枠(21)の上に配置し固着させた強化金網(23)とから構成することにより、地面(5)が液状化した場合、強化金網(23)上に載置した砂利(6)が錘の役目を果たすと共に砂利(6)の隙間及び強化金網(23)から水が流れ出されるため、シェルター本体(1)は沈下や流出する恐れがない安定したものとなる。
請求項3に示すように給排気手段(3)が、シェルター本体(1)の内部と連通すると共に所定長さで復元力を有した二重管(31)と、該二重管(31)の先端部(34)に内蔵して水没した時の水浸入防止用の止水弁(35)とから少なくとも成すことにより、大津波の襲来時に、二重管(31)が波で押し倒されて水没しても、波が弱った時点で二重管(31)は復元力によって自然に垂直に戻されるものとなる。このため、二重管(31)の先端部(34)が水面の上に出れば、給排気が可能となり、シェルター本体(1)が水没していても空気の確保が出来るものとなる。尚、水深が深くて二重管(31)の先端部(34)が水面の上に出ない場合であっても、止水弁(35)によって水の浸入は防止可能となり、二重管(31)の長さを5〜6メートル前後のものを使用すれば、2時間前後で波が引くので、シェルター本体(1)内部の空気がなくなって酸欠状態になる恐れも殆どなくなり、安心して避難出来る場所となるのである。
請求項4に示すように二重管(31)の基部(32)には、シェルター本体(1)の天井部(1c)を貫通する鋼管(321)と、その鋼管(321)を支える複数本の支柱(322)と、鋼管(321)に二重管(31)を連結して締付けるバンド(323)とがあり、且つ、二重管(31)の先端部(34)には、止水弁(35)より先端側が給気路と排気路とに仕切る仕切板(36)が設けられると共にその先端部には金網状の蓋(37)が取付けられることにより、二重管(31)の基部(32)が確実にシェルター本体(1)に連結出来ると共に、二重管(31)の先端部(34)に取付けた蓋(37)により、給気口が瓦礫や流木などによって塞がる恐れが殆どなく、給排気路の確保が確実なものとなる。
請求項5のように給排気手段(3)が、シェルター本体(1)の内部と連通すると共に予想される津波の最高高さ相当の長さで折曲可能な二重管(31)と、該二重管(31)の先端部に取付けると共に充分な浮力を持った浮子(3a)と、前記二重管(31)の周囲へ配置させてそれに緊結させた鎖(3b)と、前記二重管(31)の先端部(34)に内蔵して水没した時の水浸入防止用の止水弁(35)と、から少なくとも成すことにより、大津波の襲来時には、二重管(31)の先端が浮子(3a)によって水面上に出されるものとなるため、給排気が可能となり、安心して避難出来る場所となるのである。
請求項6のように枠体(11)が、L型鋼(11a)の背面同士を対向させると共に丸棒(11b)をその交差部に配置して溶接で固定して略球状の多面体に成すべき形状に形成されることにより、L型鋼(11a)同士を溶接する際、L型鋼(11a)同士が密着せず隙間がある場合でも丸棒(11b)を介して溶接することによって、シェルター本体(1)内部の密閉が確保可能となると共に強度が増すので、各L型鋼(11a)の寸法精度を上げる必要がなくなり、安価に製作できるものとなる。
請求項7に示すように面材(12)の上に外壁材(4)を装着させることにより、断熱効果及び耐衝撃効果が向上し、且つ、日常時に見栄えの良いものとなり、更に目立つものとなることにより、避難目安になると共に災害時には見つけ易いものとなるため、救出が早まるものとなる。
請求項8に示すように面材(12)に鉄板を用いると、堅強のものとなり、面材(12)にFRP板,ポリカーボネート板,アラミド繊維板,カーボン繊維板,ガラス繊維板を用いると、軽量化されるものとなるため製作費が安価となると共に、透明板を用いれば、四方から採光することが可能なものとなるため、閉所恐怖感が薄らぎ、安心感が得られるものとなる。
本発明の実施形態の要部構成を示す説明図である。 本実施形態のシェルター本体の内部を示す説明図である。 本実施形態の地上に表れる平面を示す説明図である。 本実施形態の給排気手段を示す説明図である。 本実施形態の二重管の作動を示す説明図である。 本実施形態の結合部及び外壁材を示す説明図である。 本実施形態の給排気手段の先端部を示す説明図である。 本実施形態の他の給排気手段を示す説明図である。 本実施形態の地上に表れる状態を示す斜視図である。
本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。(1)は床部(1a)と側部(1b)及び天井部(1c)とから形成されていると共に、正方形18枚と正三角形8枚の合計26面から成された略球状(擬球状とも言う)の多面体であり、且つ、地面(5)から露出する部分の周面には後述する外壁材(4)が装着される密閉可能なシェルター本体であり、該シェルター本体(1)には、鉄骨で略球状の多面体に形成すべき枠体(11)と、該枠体(11)の周囲に取付けた多数の面材(12)と、枠体(11)の周囲に取付けた開閉可能なドア(13)とがある。前記枠体(11)は、L型鋼(11a)の背面同士を対向させると共に、丸棒(11b)を図6に示すように、その交差部(結合部)の内側に配置して溶接で固定して略球状の多面体に形成すべき枠体状を呈している。この時の丸棒(11b)は内側に限定されるものではなく、外側に配置して溶接固定させても良い。又、前記面材(12)の材質としては、鉄板,FRP板,ポリカーボネート板,アラミド繊維板,カーボン繊維板,ガラス繊維板の内の少なくとも1つを用いるのが好ましく、それらを任意に組合せて用いても良い。この時、窓用として使用する透明又は半透明な面材(12)を所定枚数用意しておくのが好ましい。特に正三角形の面材(12)に透明又は半透明な強化プラスチックを用いると、シェルター本体(1)の内部の採光状態が図3のように良好なものとなる。また前記ドア(13)は防水用で且つ2ヶ所に設けておくのが好ましい。このドア(13)は下開きであるが、これに限定されるものではない。尚、前記シェルター本体(1)の横断面形状が図2に於いては八角形であるが、八角形に限定されるものではない。又、シェルター本体(1)の内部には、トイレ,据付けの椅子やテーブル及び棚などを適宜に設けておくと良い。更にシェルター本体(1)の床部(1a)下部に格納庫を設置して避難用品や貴重品等が入れられるようにしておくと良い。上記のような種々のものを揃えておくことにより、通常時に於いて、シェルターが個室として快適に利用することが可能なものとなる。
(2)はシェルター本体(1) の下部に固着させた鉄鋼製の支持脚部であり、該支持脚部(2)は地中に埋設される。この支持脚部(2)には、シェルター本体(1)の下部に配置させると共に図2に示すように大きな多角形状(八角形状)に形成した金属枠(21)と、該金属枠(21)をシェルター本体(1)に連結して溶接で両端が固着される多数本の連結杆(22)と、金属枠(21)の上に配置し固着させた強化金網(23)とがある。この時の金属枠(21)には図示しない、補強リブを設けておくと良い。また前記強化金網(23)は後述する砂利(6)を載置した際に、その砂利(6)を支持する強度が必要であるので、強化金網(23)としてはエキスパンドメタルを用いるのが好ましい。
(3)はシェルター本体(1)に備えた給排気手段であり、該給排気手段(3)には、シェルター本体(1)の内部と連通すると共に所定長さで復元力を有した二重管(31)と、該二重管(31)の基部(32)に設けた軸流ファン(33)と、二重管(31)の先端部(34)に内蔵して水没した時の水浸入防止用の止水弁(35)と、該止水弁(35)より先端側が給気路と排気路とに仕切る仕切板(36)と、二重管(31)の先端部(34)に取付けられる金網状の蓋(37)と、二重管(31)を支持する図9,図3,図5に示す支持ワイヤー(38)と、がある。また二重管(31)の長さとしては3〜5メートルで、且つ、図9に示す如く縦溝を有した合成樹脂製の給気管(311)と、その内部に入れて適宜に固定させたゴム製の排気管(312)とから成され(図4,図7参照)、給気管(311)としては耐水性や耐候性及び弾性を有した管が用いられている。前記二重管(31)の基部(32)には、シェルター本体(1)の天井部(1c)を貫通する鋼管(321)と、その鋼管(321)を支える複数本の支柱(322)と、鋼管(321)に二重管(31)を連結して締付けるゴムバンド(323)とがある(図4参照)。また前記止水弁(35)は2つの略半円板状の弁にバネが取付けられ、通常は開かれており、上方から水が入って来た時に水圧によって閉じる構造のものであれば良い。尚、前記二重管(31)は、3〜5メートルで、且つ、津波や瓦礫等にも耐え得る強度を有した煙突状の固定したものとしても良い。
(4)は面材(12)の上にコンクリートや接着剤などによって固定させて装着する外壁材であり、該外壁材(4)としては、図3,図6,図9に示すようなタイルやレンガなどを用いるのが好ましいが、コンクリートを流し込んだものとしても良い。(5)は地面であり、(6)はシェルター本体(1) の周囲に充填させて埋設する砂利であり、強化金網(23)上に載置した砂利(6)は、地面(5)が液状化した際に地中の水を排出すると共に錘の役目も果たすものとなる。(7)はシェルター本体(1)を埋設した際、その周囲に図1や図9に示すように敷設するコンクリート版である。尚、コンクリート版(7)の代りに、コンクリートを現場で打設したものとしても良い。
図8は給排気手段の別実施形態を示す図であり、これは上記実施形態の給排気手段(3)と比べ、基部(32)と先端部(34)が異なり、支持ワイヤー(38)が不要である。また二重管(31)には復元力がなくても良く、折曲可能であれば良い。その長さとしては、予想される津波の最高高さ相当の長さ、例えば10〜15メートル前後とするが、各設置場所によって二重管(31)の長さは異なる。一般に10メートルを目安にするのが好ましい。また二重管(31)の先端部には大きな浮子(3a)が取付けられている。前記二重管(31)としては、消火用のホースと同様な材質の給気管(311)と、その内部に入れて適宜に固定させたゴム製の排気管(312)とから成すものを用いるのが良い。又、二重管(31)の周囲へ配置して緊結させた鎖(3b)を設けている。この鎖(3b)は二重管(31)の補強の役目を果たす。また二重管(31)の先端部(34)に水浸入防止用の止水弁(35),仕切板(36),金網状の蓋(37)などを設けている。尚、前記浮子(3a)は鉄板製の円錐状でその内部に発泡ウレタンなどの合成樹脂を入れ、且つ、その端面同士を合せると共に二重管(31)を貫通してその二重管(31)の先端が突出されている。又、本発明で言う「充分な浮力」とは、大きな浮子(3a)が二重管(31)の先端を確実に水面から出させる浮力を指すものとする。
次に本発明の設置方法について説明する。予め製作されたシェルター本体(1) の下部に支持脚部(2)を固着させた状態のものを用意しておく。先ず始めに、シェルター本体(1)が半分以上、好ましくは図1に示す如き約3分の2が埋設されるように地面(5)を掘削する。そして掘削した穴の内壁をポリエチレンなどのシートで覆う。次にシェルター本体(1)がクレーン車などによって吊下され、支持脚部(2)を穴の底に載置すると共にシェルター本体(1)が略中央に位置するように設置位置を調整する。設置終了後、穴とシェルター本体(1)の間から砂利(6)を投入する。この時、シェルター本体(1)の下部と強化金網(23)との間に砂利(6)が充填するように棒などで突っつきながら砂利(6)を投入する。更に砂利(6)を投入してシェルター本体(1)の底部(1a)及び側部(1b)に砂利(6)が充填されてシェルター本体(1)の埋設を終了させる。その後、シェルター本体(1)の周囲にコンクリート版(7)を敷設又はコンクリートを打設して仕上げる。
次に図1、図5に示す本発明の使用方法について説明する。先ず始めに津波発令が出た場合は、素早くシェルター本体(1)の前まで行き、ドア(13)を開け、シェルター本体(1)の内部に入り、ドア(13)を閉じる。この時、二重管(31)は真直ぐに起立した状態であるが、この二重管(31)は図9に示すように煙突或いは丸柱のように見え、意外と不自然さがないものである。避難した人は、シェルター本体(1)の内部に設けた据付けの椅子などに腰掛けて津波が去るのを待てば良い。津波が押し寄せて水面の深さが6メートル以下の場合には、二重管(31)は津波の力が強くなると、支持ワイヤー(38)が切断されて、図5に示す一点鎖線のように押し曲げられてしまうが、津波の力が弱くなると、二重管(31)は弾性力によって元のように真直ぐに起立する。そして、その二重管(31)の先端部(34)が水面よりも上に出れば、自然に給排気が行われる。この時、軸流ファン(33)が設けられている場合は、図示しないスイッチを入れて軸流ファン(33)を作動させると、シェルター本体(1)の内部の汚れた空気を吸引して外部へ強制排気すれば、内部の圧力が下がるに伴って、外部の空気が自然に給気管(311)に流れ込んでシェルター本体(1)の内部へ給気し続けるものとなる。尚、二重管(31)の先端部(34)に入って来た水は、水圧で図7に示す止水弁(35)が下方へ押されて図中の二点鎖線のようにゴムパッキンに密着するので、二重管(31)の開口部は塞がり、内部に水が入り込む恐れがなくなると共に止水弁(35)より少し上方の水抜き用穴から排水される。
尚、水面の深さが6メートル以上になると、二重管(31)は完全に水没してしまう。その後、水が引き始めて津波の力が弱くなると、二重管(31)は弾性力によって元のように真直ぐに起立するが、依然として二重管(31)の先端が水中の中であるのでシェルター本体(1)の内部へ給気することはできなくなる。しかしながら、一般に大津波であっても、襲来してから大津波が去るまでの時間は2時間前後であるため、シェルター本体(1)内部に居ても酸欠状態にならずに助かる確率が高いものとなる。この時、酸素ボンベなどを内部に用意しておけば万全である。
津波が引いた後は、シェルター本体(1)の三角窓から外部の様子を見てからドア(13)を開け、シェルター本体(1)の内部から外に出れば良い。この時、ドア(13)に瓦礫や流木等が堆積して開かない場合は、ドア(13)が図3に示すように2ヶ所に設けられていれば、他のドア(13)を開けて外に出れば良い。このドア(13)も開かない場合であっても、本発明品には5〜6メートルの二重管(31)が立っているので、直ぐに目に付き、比較的早期の救助が期待できるものとなる。更に本発明品はシェルター本体(1)の周囲に砂利(6)が充填されているので、この砂利(6)によって土圧及び水圧が受け止められて、衝撃力を受けた時のクッション効果が発揮されるものとなる。又、砂利(6)の隙間に含まれる空気が断熱効果を発揮し、且つ、地震時に地中が液状化を起こした際に、水が地表に流出し、沈下を防ぐものとなり、しかもシェルター本体(1)に多大な浮力が生じた時の重しの役目も果たし、移動或いは流出することのないものとなる。また本発明品は、鉄製のフレームで篭状に囲い略球状を呈する枠体(11)の周囲を、特に金属製の面材(12)が取付けられたものとすることにより、頑強なものとなり、且つ、シェルター本体(1)の半分以上を地面(5)に埋設しているため、シェルター本体(1)が倒壊や流出する恐れがないものとなるのである。この結果、水が引いた後、直ぐに後片付けが素早く開始できるものとなるのである。
一方、図8に示すタイプの本発明の使用方法について説明する。前記同様に津波発令が出た場合は、上記同様にシェルター本体(1)の前まで行き、ドア(13)を開け、シェルター本体(1)の内部に入り、ドア(13)を閉じる。この時、浮子(3a)は図8に示すように二点鎖線のように屋根に挟持されているが、浮子(3a)は津波の力で自然に外される。その後、津波が押し寄せて来ると、浮子(3a)が自然に浮上して波に漂いながら二重管(31)の先端が水面から出ると共に二重管(31)は、その周囲へ配置して緊結させた鎖(3b)と一緒に繰り出される。また前記二重管(31)の長さは、予想される津波の最高高さ相当、例えば10メートル以上の長さであるため、上記のものと異なり、二重管(31)が完全に水没してしまうことは殆どない。この時、充分な浮力を持った両端が円錐状の鉄板製浮子(3a)と鎖(3b)に緊結された二重管(31)により、自然に給排気を行うことが出来るものとなる。尚、二重管(31)の先端が瓦礫や流木等に引掛って、二重管(31)の先端が水面上に出ない場合には、図示しない手動ワイヤウインチなどを用いて、二重管(31)の先端が水面上に必ず出るようさせると良い。更に、この給排気手段(3)は、津波等で水没した季節が夏であれば、二重管(31)内の空気は水によって冷やされて下降し、シェルター本体(1)内に入り込み気圧を高める。それに伴い内部には対流が起こり換気されるため、自然換気が可能なものとなる。又、この時、重い二酸化炭素の一部は床下の図示しない吸着剤に溶け込むようにしておくと良く、且つ、上記実施形態と同様に軸流ファン(33)を設け、それを作動させて強制排気するようにしても良い。
その後、水が引き始めて津波の力が弱くなると、二重管(31)は伸ばされた状態で水面に浮ぶのである。そして津波が去ってしまうと、二重管(31)は伸ばされた状態で地面(5)上に載置された状態のままとなる。このため、浮子(3a)をシェルター本体(1)側に運び、その二重管(31)をシェルター本体(1)の周囲に巻き付け、且つ、浮子(3a)をシェルター本体(1)の元の位置に戻して挟持させておく。
又、本発明品は津波や水害だけでなく、台風や竜巻などの強風発生時に、シェルター本体(1)の内部に避難すれば、シェルター本体(1)は図1に示すように3分の2(半分以上)が地面(5)に埋設されているため、殆ど被害のないものとなる。更に本発明品は、火災の発生時の一時避難場所として利用しても、シェルター本体(1)の周囲にはタイルやレンガなどの外壁材(4)が装着されているので、耐火性に優れており、安心して避難することが出来るものとなる。尚、シェルター本体(1)の内部に、避難用品として、食糧,水,医療品,衣類,毛布,エアボンベ,電池などを貯蔵しておけば、救助される迄の間は安心して待つことが可能となる。この時、本発明品は四季を通して地熱利用効果をもたらすため、夏は涼しく、冬は暖かい状態で無理なくシェルター本体(1)に入って過ごすことが可能なものとなる。
1 シェルター本体
1c 天井部
11 枠体
11a L型鋼
11b 丸棒
12 面材
13 ドア
2 支持脚部
21 金属枠
22 連結杆
23 強化金網
3 給排気手段
31 二重管
32 基部
321 鋼管
322 支柱
323 バンド
33 軸流ファン
34 先端部
35 止水弁
36 仕切板
37 蓋
3a 浮子
3b 鎖
4 外壁材
5 地面
6 砂利

Claims (8)

  1. 密閉可能なシェルター本体(1) の周囲を、砂利(6)で半分以上地面(5)に埋設するシェルターであって、前記シェルター本体(1)を、鉄骨で略球状の多面体に形成した枠体(11)と、該枠体(11)の周囲に取付けた多数の面材(12)と、前記枠体(11)に取付けた開閉可能なドア(13)と、から構成させ、且つ、前記シェルター本体(1) の下部に支持脚部(2)を固着させると共に、前記シェルター本体(1)に、少なくとも給排気手段(3)を備えたことを特徴とする津波防災シェルター。
  2. 前記支持脚部(2)が、前記シェルター本体(1) よりも大きな多角形状に形成した金属枠(21)と、該金属枠(21)を前記シェルター本体(1)の下部に配置させると共にそれを前記シェルター本体(1)に連結させて固着する多数本の連結杆(22)と、前記金属枠(21)の上に配置し固着させた強化金網(23)とから構成された請求項1記載の津波防災シェルター。
  3. 前記給排気手段(3)が、前記シェルター本体(1)の内部と連通すると共に所定長さで復元力を有した二重管(31)と、該二重管(31)の先端部(34)に内蔵して水没した時の水浸入防止用の止水弁(35)とから少なくとも成された請求項1記載の津波防災シェルター。
  4. 前記二重管(31)の基部(32)には、前記シェルター本体(1)の天井部(1c)を貫通する鋼管(321)と、その鋼管(321)を支える複数本の支柱(322)と、前記鋼管(321)に前記二重管(31)を連結して締付けるバンド(323)とがあり、且つ、前記二重管(31)の先端部(34)には、前記止水弁(35)より先端側が給気路と排気路とに仕切る仕切板(36)が設けられると共にその先端部には金網状の蓋(37)が取付けられた請求項3記載の津波防災シェルター。
  5. 前記給排気手段(3)が、前記シェルター本体(1)の内部と連通すると共に予想される津波の最高高さ相当の長さで折曲可能な二重管(31)と、該二重管(31)の先端に取付けると共に充分な浮力を持った浮子(3a)と、前記二重管(31)の周囲へ配置させてそれに緊結させた鎖(3b)と、前記二重管(31)の先端部(34)に内蔵して水没した時の水浸入防止用の止水弁(35)と、から少なくとも成された請求項1記載の津波防災シェルター。
  6. 前記枠体(11)が、L型鋼(11a)の背面同士を対向させると共に丸棒(11b)をその交差部に配置して溶接で固定して略球状の多面体に成すべき形状に形成された請求項1記載の津波防災シェルター。
  7. 前記面材(12)の上に、外壁材(4)が装着された請求項1記載の津波防災シェルター。
  8. 前記面材(12)が、鉄板,FRP板,ポリカーボネート板,アラミド繊維板,カーボン繊維板,ガラス繊維板の内の少なくとも1つである請求項1又は7記載の津波防災シェルター。
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