JP6552124B2 - 潜水式シェルター - Google Patents

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Description

本発明は、津波火災等の災害時に使用する潜水式シェルターに関する。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、地震により各地で建物の倒壊・火災が相次ぎ、さらに、過去最大級の津波・津波火災が発生したことによって、多くの尊い人命が失われた。津波火災の発生原因や延焼の理由は、船舶や車から漏れ出した燃料(重油、灯油、ガスなど)が津波によって流され漂流物に衝突して着火し浸水域に漂流したことで被害を拡大させたものと考えられる。今後も、南海トラフ大地震等の発生が予想されている。地震・津波対策に対する意識は近年益々高まっており、地震災害に利用する避難シェルターは、津波に対して避難可能であるとともに、高い耐火性能を有することが求められる。
特許文献1では、天井壁の上に水槽を設け、火災発生等によって、周囲温度が上昇したときに水槽内の水を利用して構造体内部の温度上昇を未然に防止する建物内に設置された防災シェルターが開示されている。
特許文献2では、外殻構造材が、空気を内包した不沈材料にて形成された芯材と、芯材の外面の略全体を覆うようにポリウレア樹脂を積層したポリウレア樹脂層を有している水上浮遊型シェルターが開示されている。
特開2011−84883号公報 特開2015−51732号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている防災シェルターは、建物内に設置されているため、津波による建物の崩壊、及び漂流物が出入り口を塞ぐ等によって脱出できない事態が生じる。さらに津波による海水面の上昇が長期間にわたる場合にも、脱出が困難となる。
特許文献2で開示されている水上浮遊型シェルターは、空気を内包した不沈材料にて形成された芯材、具体的には発泡スチロールを有しているため、長時間の津波火災では、発泡スチロールが溶ける虞があり、シェルターとしての耐火性能に問題が残る。また、製造するには、発泡スチロール製の六角形、半六角形、五角形の平板部材を作成し、これらを相互に組んで上半球部材、及び下半球部材を作成し、これらを金属製の補強フレームで固定し、多層のポリウレア樹脂層を形成する等の多くの工程を踏まなくてはならない。そのため、製造に時間がかかり、コストアップの要因となる。
本発明の課題は、津波火災に対して安全に避難できるとともに、不測の事態でも脱出可能な安価なシェルターを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、潜水式シェルターであって、貯留水が溜められた貯水槽と、架台を昇降、及び静止させる昇降装置と、架台に固定された筐体を備え、筐体は、底部と、扉が設けられた側壁と、天井とを有し、昇降装置は、筐体の全体が貯留水の中に水没する状態から、扉が貯留水の水面上に位置する状態まで、昇降可能であることを特徴とする。
この構成によれば、架台に固定された筐体は、昇降装置の上昇・下降によって筐体の全体が貯留水の中に水没する状態から、扉が貯留水の水面上に位置する状態まで、昇降可能である。平時において、筐体に設けられた扉を、水面上に位置する状態で静止しておき、地震による津波火災の発生が予測されるときは、筐体内部に避難し、昇降装置を下降させ、筐体を貯留水の中に沈める。水中に沈められた筐体は、水の潜熱効果によって内部の温度上昇が抑制される。
津波火災の収束を確認した後、昇降装置を上昇させ、平時に置かれていた状態に戻す。その後、扉を開き、筐体の外部に脱出する。このような手順を踏むことにより、津波火災から安全に避難することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の潜水式シェルターにおいて、天井は、非常ハッチが設けられ、筐体は、架台に着脱自在に固定され、筐体の重量は、貯留水の中に水没したとき筐体が受ける浮力を超えないことを特徴とする。
津波火災が収束して、筐体を上昇させようとしたとき、昇降装置の故障により筐体が上昇できない事態が想定される。しかし、この構成によれば、筐体は、架台に着脱自在に固定され、筐体の重量は、貯留水の中に水没したとき筐体が受ける浮力を超えないので、筐体を架台から切り離すことによって、筐体は貯留水の水面上に浮上する。また、筐体は天井に非常ハッチが設けられているので、非常ハッチを開けて、筐体の外部に脱出することができる。すなわち、昇降装置が故障して動作しない状態となったとしても、津波火災の収束後、筐体から脱出することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の潜水式シェルターにおいて、底部は、内部錘を含むことを特徴とする。
この構成によれば、筐体の底部は、内部錘を含むので、筐体の重心は底部寄りに設定される。これにより、筐体が架台から切り離され水中を上昇するとき、その上昇姿勢は安定する。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の潜水式シェルターにおいて、筐体に着脱自在に固定されたシンカーをさらに備え、筐体が貯留水の中に水没したとき、筐体と、架台と、シンカーを加算した重量は、筐体と、架台と、シンカーとが受ける浮力の合計よりも大きいことを特徴とする。
一般に、架台に上昇力が作用する状態で架台を下降させることは、昇降装置に過大な負荷がかかる。特に、自重で下降する機能を有する昇降装置では、架台の下降が困難となる。例えば、ワイヤーの巻き上げ、又は巻き下げによって架台を上昇、又は下降させる昇降装置では、巻き上げ機でワイヤーを巻き上げることによって架台は上昇し、巻き上げ機に作用する制動力を開放することにより、架台はその自重で自然に下降する構造となっている。それゆえ、架台に固定された筐体が水中で浮遊可能である場合、下降させることはできない。しかし、この構成によれば、筐体に着脱自在に固定されたシンカーを備えており、筐体が貯留水の中に水没したとき、筐体と、架台と、シンカーを加算した重量は、筐体と、架台と、シンカーとが受ける浮力の合計よりも大きく設定されている。すなわち筐体は、水中に水没する設定となっている。従って、上述した構造の昇降装置を用いた場合でも、筐体を水没させることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の潜水式シェルターにおいて、貯水槽に水を供給する送水管と、貯留水を、配水する配水管を備えることを特徴とする。
貯留水を長期間そのままの状態で貯水槽に溜めておくと、腐敗微生物や腐敗細菌が増殖し、有毒な悪臭を発生させる。すなわち、極めて劣悪な環境下の水中に、筐体を沈める事態が生じることとなる。しかし、この構成によれば、貯水槽に水を供給する送水管と、貯留水を配水する配水管を備えるので、送水管で貯水槽に水を供給するとともに、配水管で貯水槽の内の水を排出することにより、貯留水は長期間に渡り貯水槽に留まることはない。これにより、貯留水の腐敗を防止することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の潜水式シェルターにおいて、非常排出用のゴム栓と、該ゴム栓を介して前記貯水槽の第1底板に接続された排水管と、筐体の内部から、ゴム栓を打ち抜き可能な打ち抜きボルトを備えることを特徴とする。
架台から筐体を切り離すことができない場合、水没した筐体は、水面上に浮上することができず、筐体内に避難した人々は筐体から脱出することができない。しかし、この構成によれば、非常排出用のゴム栓と、ゴム栓を介して貯水槽の底部に接続された排水管と、筐体の内部から、ゴム栓を打ち抜き可能な打ち抜きボルトを備えるので、この打ち抜きボルトでゴム栓を打ち抜き、貯留水を排水することができる。周りの水が無くなることにより、架台に固定された筐体の内部から外部に脱出することができる。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の潜水式シェルターにおいて、筐体は、鋼製であることを特徴とする。
この構成によれば、筐体は鋼製であるので、強度に優れた筐体を安価に作製することができる。
請求項8に係る発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の潜水式シェルターにおいて、貯水槽の外部域と扉を往来することができるスロープを備えることをと特徴とする。
この構成によれば、貯水槽の外部域と扉を往来することができるスロープを備えるので、外部域から簡単に筐体内部に避難することができる。
本実施形態の潜水式シェルターの側面断面図である。 本実施形態の潜水式シェルターが水没した状態を示す側面断面図である。 本実施形態の潜水式シェルターがシンカーを切り離し浮上する状態を示す側面断面図である。 筐体の内部の平面断面図である 筐体、シンカー、及び架台の固定状態を示す断面図である。 打ち抜きボルトの固定状態を示す断面図である。
本実施形態の潜水式シェルター1について、図1〜図6を参照し、説明する。図1に示す通り、潜水式シェルター1は、貯留水Wが溜められた貯水槽2、架台35を昇降させる昇降装置3、及び架台35に着脱可能に固定された筐体5、及び架台35を介して筐体5に着脱可能に固定されたシンカー37等から構成されている。
図1に示す通り、貯水槽2は、第1貯水槽21、及び第2貯水槽22で構成されている。第1貯水槽21は、貯留水Wを溜めておくものであり、地中に設けられた有底の角筒形状の構造物である。貯留水Wの水位は、筐体5に設けられた扉52a(図4参照)が水面上に位置する状態に設定されている。第1側壁21aに貯留水Wを供給するための送水管92、及び所定の場所(例えば、家屋内)に配水するための配水管93が接続されている。送水管92を経由して第1貯水槽21に水を供給し、同時に配水管93を経由して第1貯水槽21に滞留した貯留水Wを排出することにより、第1貯水槽21内において、貯留水Wの長期間の滞留を回避することができる。その結果、貯留水Wの腐敗を防止することができる。家屋内に配水された水は、庭への散水、風呂用の水に用いることが好ましい。貯留水Wを常時使用することにより、水の有効利用が図れるとともに、第1貯水槽21内の環境を良好に保つことができる。
第2貯水槽22は、第1貯水槽21の上方の地上に設けられており、筐体5が潜行するとき、第1貯水槽21からあふれ出た貯留水Wを溜めるためのものである。第1側壁21aの上端部から外部方向に水平に延びる第2底板22bと、第2底板22bの端部から上方に垂直に延びる第2側壁22aから成り、第2側壁22aは、地面G上に突出した状態で第1貯水槽21の外周を取り囲むように設けられている。第2貯水槽22の外周は盛土されており、堤25が形成されている。また、第2側壁22aを乗り越え、外部領域EDと扉52aとの間を往来できるスロープ27が設けられている。第1貯水槽21、及び第2貯水槽22の平面形状、及び深さは、筐体5の全体が水没し、かつ貯留水Wが第2貯水槽22からあふれ出ないよう適切に定める。なお、第1、2貯留槽21、22は鉄筋コンクリート製であることが好ましい。
昇降装置3について説明する。なお、昇降装置3が上昇・下降するメカニズムは、2段式の立体駐車場のものとほぼ同じである。
第1底板21bに、四方に組まれた4本の基礎梁39aが固定されている。基礎梁39aの四隅から上方に垂直に延びる4本のガイド柱31と、ガイド柱31の上端に四方に組まれた4本の固定梁39bより成っている骨組みを有している。なお、基礎梁39a、ガイド柱31、及び固定梁39bはH形鋼材である。4本のガイド柱31は、H形鋼が形成する凹部が対向する2本のガイド柱31が、2組構成されるように配設されている。
架台35は、基礎梁39a、ガイド柱31、及び固定梁39bが形成する仮想空間内を上昇・下降する平面視矩形の板である。架台35の4隅に、ローラー38が固定されている。ローラー38は、4本のガイド柱31の凹部に沿ってスライドできる状態に配設されている。また、平時において、架台35と、ガイド柱31を固定するための固定ピン(図示略)が配設されている。なお、架台35と、ガイド柱31を固定ピンによって固定する方法は、一般的方法であることから説明は省略する。
昇降装置3にワイヤー、及び滑車が仕込まれている。ワイヤー、及び滑車の仕込みは、例えば2段式の立体駐車場に用いるものとほぼ同じであることから、説明は省略する。固定梁39bの上部にワイヤーを巻き取るための防水性能を具備したウインチ8が設けられている。ウインチ8は、筐体5の内部から操作可能な電動駆動のもので、静止状態を保てるブレーキ機構を有している。
固定梁39bの上端部に設けられたウインチ8を駆動し、昇降装置3に仕込まれたワイヤーを巻き上げることにより架台35の4隅に固定されたローラー38が、4本のガイド柱31の凹部に沿ってスライドしながら上昇する。これにより、架台35は上昇する。また、ブレーキ機構を動作することで、架台35は静止状態を保つ。さらに、ブレーキ機構を徐々に開放することで、架台35は自重によってゆっくりと降下する。
筐体5は、架台35に着脱可能に固定されている。筐体5は、内部に避難空間を形成した、有底、有天井の円筒体である。側面52には扉52aが、天井51には非常ハッチ51aが水密に取り付けられている。底部57は底面53と床54で構成される2重構造となっており、底面53、床54、及び側面52で形成される空間には、コンクリート56(内部錘)が充填されている(図5参照)。なお、非常ハッチ51aには、透明ののぞき窓を設けることが好ましい。こののぞき窓から上方を視認することにより、火災の鎮静状況を確認することができる。
シンカー37は、筐体5を潜行させるための錘であり、平面視で、矩形の板状の構造体である。また、架台35の下面に配設されるとともに、着脱可能に固定されている。すなわち、筐体5、架台35、及びシンカー37は、相互に着脱可能に固定されている。
図4、5を参照し、筐体5、架台35、及びシンカー37の固定状態について説明する。図4に示す通り、筐体5の底部57の中央部に筐体5、架台35、及びシンカー37を相互に着脱可能に固定するための貫通ボルト60がボルト挿入筒64に螺着した状態で配設されている。
ボルト挿入筒64は、底部57に形成された穿孔孔58に底面53の方向から床54に向かって挿入し筐体ナット62を螺着することにより底部57に装着される。図5に示す通り、ボルト挿入筒64の端部に設けられたつば部と、筐体ナット62で底部57を挟圧することにより、ボルト挿入筒64は、底部57に水密に装着される。
貫通ボルト60の胴体部は、ボルト挿入筒64、架台35、及びシンカー37に形成された雌ネジに相互に密着した状態で螺着し、貫通ボルト60の頭部はワッシャー68を介してボルト挿入筒64の端部、及び筐体ナット62に固定されている。これにより、筐体5、架台35、及びシンカー37は相互に固定される。また、貫通ボルト60を回転し、シンカー37との螺着を解くことにより、シンカー37は、架台35との固定が開放される。同様に、架台35との螺着を解くことにより、架台35は、筐体5との固定が開放される。なお、貫通ボルト60の回転は、バッテリーで駆動する電動工具、例えばインパクトレンチを用いて行うのが好ましい。これにより、容易にシンカー37、及び架台35との螺着を解くことができる。
本実施形態では、1本の貫通ボルト60により、筐体5、架台35、及びシンカー37を相互に固定していたが、複数の貫通ボルト60で固定してもよい。また、1個のシンカー37を固定していたが、複数のシンカー37を固定してもよい。
さらに、本実施形態ではシンカー37は架台35の底面に固定していたが、架台35の上面に載置し、筐体5、シンカー37、及び架台35を相互に固定してもよい。
図1に示す通り、第1貯水槽21の第1底板21bにゴム栓91aを介して排水管91が接続している。排水管91は、非常時に貯留水Wを、貯水槽2の外部に排出するための管である。図6に示す通り、架台35には、ゴム栓91aの直上に貫通孔35hが形成されている。底部57についても、ゴム栓91aの直上の位置に打ち抜きボルト筒69が水密に固定されている。打ち抜きボルト筒69の底部57への固定はボルト挿入筒64の固定方法とほぼ同じであるので、説明は省略する。
打ち抜きボルト筒69に打ち抜きボルト56aが螺着されている。打ち抜きボルト56aは、ゴム栓91aを打ち抜くためのものであり、先端部が先細り形状であるとともに、胴体部に雄ネジが形成されている。先端部はゴム栓91aの少し上方に位置し、頭部は床54の上方に突出している。打ち抜きボルト56aを回転し、下方に移動させることによって、ゴム栓91aに孔が開き、その孔から貯留水Wが排水管91を経由して貯水槽2の外部に放出される。なお、打ち抜きボルト56aの回転は、バッテリーで駆動する電動工具、例えばインパクトレンチを用いて行うのが好ましい。これにより、容易にゴム栓91aに孔を開けることができる。
津波火災が発生したときの避難方法について説明する。
地震が発生し、津波の襲来が予測されるときは、スロープ27を利用して、外部領域EDから、第2貯水槽22内に入る。ガイド柱31と架台35を固定していた固定ピンを外し、扉52aを開き、筐体5の内部に避難し、扉52aを閉じる。
筐体5の内部に設けられている下降スイッチ(図示略)をオンにして、昇降装置3を動作させ架台35を降下させる。具体的には、ウインチ8の制動を徐々に解き、自重を利用することにより架台35は下降する。そのため、自重が浮力よりも小さい場合は水中を潜行することはできない。本実施形態では、筐体5、シンカー37、及び架台35を加算した重量は、筐体5、シンカー37、及び架台35が貯留水Wの中に水没したときの浮力の合計を超えない、すなわち自重により降下する状態に設定されているので、作用する浮力によって架台35の降下が妨げられることはない。架台35の下降が終了した段階で、筐体5は、その全体が水没した状態となる。津波火災が長時間続いたとしても、水の潜熱効果によって、全体が水没した筐体5の内部の温度上昇は抑制される。
津波火災の収束を確認した後、上昇スイッチ(図示略)をオンにして、架台35を上昇させ、平時に置かれていた状態に戻す。架台35の上昇は、ウインチ8を作動させ、ワイヤーを巻き上げることによって行われる。扉52aを開き、筐体5の外部に脱出する。
何らかの原因で、架台35が上昇しない場合は、貫通ボルト60を回転し、架台35、及びシンカー37との固定を解く。筐体5の重量は、貯留水Wの中に水没したとき筐体5が受ける浮力を超えない、すなわち筐体5が水上に浮遊する状態に設定されている。従って、固定を解かれた筐体5は水面上を浮遊する。天井51に設けられた非常ハッチ51aは水面上に位置した状態となる。非常ハッチ51aを開き外部に脱出する。
また、上述した非常時の脱出方法に加えて、打ち抜きボルト56aを利用して外部に脱出することもできる。具体的には、打ち抜きボルト56aの頭部を回転することによって、ゴム栓91aに孔をあける。この孔から排水管91を経由して貯留水Wを外部に排出する。貯留水Wの水位が下がり、天井51が水面上に浮上した段階で、非常ハッチ51aを開け外部に脱出する。
本実施形態では、津波火災が発生した場合の避難について説明したが、通常の火災についても同様に避難可能であることは勿論である。
津波の襲来、特に津波火災に対して安心安全な環境を提供でき、その産業上の利用価値は大である。
1 :潜水式シェルター
2 :貯水槽
3 :昇降装置
5 :筐体
8 :ウインチ
21 :第1貯水槽
21a :第1側壁
21b :第1底板
22 :第2貯水槽
22a :第2側壁
22b :第2底板
27 :スロープ
31 :ガイド柱
35 :架台
35h :貫通孔
37 :シンカー
38 :ローラー
39a :基礎梁
39b :固定梁
51 :天井
51a :非常ハッチ
52 :側面
52a :扉
53 :底面
54 :床
56 :コンクリート(内部錘)
56a :打ち抜きボルト
57 :底部
58 :穿孔孔
60 :貫通ボルト
62 :筐体ナット
64 :ボルト挿入筒
68 :ワッシャー
69 :打ち抜きボルト筒
91 :排水管
91a :ゴム栓
92 :送水管
93 :配水管
ED :外部領域
G :地面
W :貯留水

Claims (8)

  1. 貯留水が溜められた貯水槽と、
    架台を昇降、及び静止させる昇降装置と、
    前記架台に固定された筐体と、を備え、
    前記筐体は、底部と、扉が設けられた側壁と、天井とを有し、
    前記昇降装置は、前記筐体の全体が前記貯留水の中に水没する状態から、前記扉が前記貯留水の水面上に位置する状態まで、昇降可能であることを特徴とする潜水式シェルター。
  2. 前記天井は、非常ハッチが設けられ、
    前記筐体は、前記架台に着脱自在に固定され、
    前記筐体の重量は、前記貯留水の中に水没したとき前記筐体が受ける浮力を超えないことを特徴とする請求項1に記載の潜水式シェルター。
  3. 前記底部は、内部錘を含むことを特徴とする請求項2に記載の潜水式シェルター。
  4. 前記筐体に着脱自在に固定されたシンカーをさらに備え、
    前記筐体が前記貯留水の中に水没したとき、前記筐体と、前記架台と、前記シンカーを加算した重量は、前記筐体と、前記架台と、前記シンカーとが受ける浮力の合計よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の潜水式シェルター。
  5. 前記貯水槽に水を供給する送水管と、
    前記貯留水を配水する配水管と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の潜水式シェルター。
  6. 非常排出用のゴム栓と、
    該ゴム栓を介して前記貯水槽の第1底板に接続された排水管と、
    前記筐体の内部から、前記ゴム栓を打ち抜き可能な打ち抜きボルトと、を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の潜水式シェルター。
  7. 前記筐体は、鋼製であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の潜水式シェルター。
  8. 前記貯水槽の外部域と前記扉を往来することができるスロープと、を備えることをと特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の潜水式シェルター。
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