JP6063832B2 - 粉状薬剤噴射装置 - Google Patents

粉状薬剤噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6063832B2
JP6063832B2 JP2013137894A JP2013137894A JP6063832B2 JP 6063832 B2 JP6063832 B2 JP 6063832B2 JP 2013137894 A JP2013137894 A JP 2013137894A JP 2013137894 A JP2013137894 A JP 2013137894A JP 6063832 B2 JP6063832 B2 JP 6063832B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection device
bag body
cylindrical
container body
drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013137894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015008696A (ja
Inventor
隆太 宮地
隆太 宮地
幹彦 新
幹彦 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Chemical Co Ltd
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earth Chemical Co Ltd filed Critical Earth Chemical Co Ltd
Priority to JP2013137894A priority Critical patent/JP6063832B2/ja
Priority to PCT/JP2014/060978 priority patent/WO2014171522A1/ja
Priority to US14/784,990 priority patent/US20160081322A1/en
Priority to CN201480022291.2A priority patent/CN105142398B/zh
Priority to KR1020157029958A priority patent/KR20150143511A/ko
Priority to EP14784796.6A priority patent/EP2987404A4/en
Publication of JP2015008696A publication Critical patent/JP2015008696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6063832B2 publication Critical patent/JP6063832B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)

Description

本発明は、殺虫剤等の粉状薬剤を噴射拡散するための粉状薬剤噴射装置に関する。
従来より、部屋内に存在する害虫を駆除するために、部屋内に薬剤を全量散布する一回使い切りタイプの殺虫剤として、殺虫剤組成物を燃やして使用するくん煙タイプをはじめ、水を使う加熱蒸散タイプや噴射剤により噴霧するエアゾールタイプ、ポンプにより溶液を噴霧するポンプタイプなどの火を使わないものまで、種々のタイプが知られている。
くん煙タイプの殺虫剤は、殺虫成分と発熱剤、助熱剤を組み合わせて容器に入れたものである。始動具で着火することで殺虫成分や燃焼剤が燃える。その際に微細化した殺虫成分の粒子がくん煙として部屋内に広がる(特許文献1参照)。
加熱蒸散タイプの殺虫剤は、水と酸化カルシウムなどの反応熱により加熱された容器から発泡剤の力により殺虫成分を拡散させる(特許文献2参照)。
エアゾールタイプの殺虫剤は、殺虫成分をLPガスなどの液化ガスに溶解して、耐圧容器に圧縮充填したもので、殺虫成分は細かい霧になって噴出する。一回使い切りタイプでは押しボタンに不可逆的なロックがかかり、薬剤の全量が噴射される構造となっている(特許文献3参照)。
ポンプタイプの殺虫剤は、殺虫成分を溶媒に溶解して液体容器に収納したもので、液体容器に接続された圧送ポンプの作用により、殺虫成分は細かい霧になって噴出する(特許文献4参照)。
特開2003−289782号公報 特開2007−326851号公報 特開2006−35065号公報 特開2011−11181号公報
しかしながら、上述した従来の一回使い切りタイプの殺虫剤は、使用できる殺虫成分が制限されるという問題があった。即ち、くん煙タイプや加熱蒸散タイプの殺虫剤は、殺虫成分が極めて高温に加熱される為、熱による影響を受けやすく、使用する殺虫成分が制限されることがある。また、エアゾールタイプやポンプタイプの殺虫剤は、殺虫成分を溶媒や液化ガスに溶かして噴射する為、溶解性の低い殺虫成分や液体状態で不安定な殺虫成分を使用することができない。
更に、これらのタイプの殺虫剤は、燃焼剤が燃えたり、発泡剤が分解したりした際に、殺虫成分とは別の溶媒や分解ガス(酸性ガス)、液化ガス等の媒体が部屋内に散布される。そこで、使用時には、パソコンやオーディオ機器等の精密機器にカバーをかけたり、火災報知器に覆いをしたり、ガス湯沸かし器の種火を消したりするなどの事前準備が必要であった。
従って、本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、薬剤の熱などによる粉状薬剤の分解を抑え、分解ガスや液化ガス、溶媒等の媒体を用いることなく、粉状薬剤を噴射拡散することができる粉状薬剤噴射装置を提供することを目的とする。
前述した本発明の目的は、下記構成により達成される。
(1) 上端開口部を有し、液体を収容するための容器本体と、
前記容器本体の上端開口部に被着され、前記容器本体内の液体と反応して反応ガスを発生するガス発生剤が収容された袋体と、
前記容器本体の上部に装着された筒状ガイド部材と、
前記袋体に向かって移動可能に前記筒状ガイド部材に保持され、前記袋体を破断して前記ガス発生剤を前記容器本体内の液体中に落下させる先端刃が設けられた筒状破断部材と、
前記筒状破断部材の内方に配置され、両開口端が前記容器本体の内部と外部を連通可能なシリンダ部と、
前記シリンダ部の下方側摺動内周壁に対しては気密に摺動すると共に、前記シリンダ部の上方側拡径内周壁に対しては空隙を有するピストンと、
薬剤そのものか、粉体に薬剤が含浸され、前記シリンダ部内に収納される粉状薬剤と、
を備えることを特徴とする粉状薬剤噴射装置。
(2) 上記(1)の構成の粉状薬剤噴射装置であって、 前記筒状ガイド部材と前記筒状破断部材との間には、前記筒状破断部材が前記袋体に向かって移動するのを阻止するロック機構が設けられることを特徴とする粉状薬剤噴射装置。
(3) 上記(1)又は(2)の構成の粉状薬剤噴射装置であって、
前記シリンダ部の上方側開口端側には、噴射ノズルを備えたキャップが設けられることを特徴とする粉状薬剤噴射装置。
(4) 上記(1)〜(3)の何れかに記載の構成の粉状薬剤噴射装置であって、
前記シリンダ部の下方側開口端より半径方向外側で前記袋体の上面に対向する環状に形成された前記先端刃が、前記袋体を環状にくり抜くように破断することを特徴とする粉状薬剤噴射装置。
上記(1)の構成の粉状薬剤噴射装置によれば、筒状ガイド部材に保持されている筒状破断部材が操作力を受けて袋体に向って移動されると、筒状破断部材の先端刃が袋体を破断して袋体内のガス発生剤を容器本体内の液体中に落下させる。液体中に落下したガス発生剤が容器本体内の液体と反応して反応ガスを発生することで、容器本体内が高圧となる。容器本体内の圧力が所定以上となると、シリンダ部内のピストンが押し上げられる。そして、ピストンが上方側拡径内周壁に達すると、容器本体内の高圧の反応ガスが上方側拡径内周壁とピストンの空隙から一気に開放されて、容器本体内の高圧ガスの風圧で粉状薬剤がシリンダ部外へ一気に噴射拡散される。
即ち、粉状薬剤を噴射拡散させる反応ガスは、容器本体内の圧力が所定以上となりピストンが上方側拡径内周壁に達するまで容器本体内に閉じ込められており、ピストンが上方側拡径内周壁に達した際に上方側拡径内周壁との空隙から一気に開放されることでシリンダ部の上方側開口端から一気に噴射される。そこで、熱を伴う爆発的な反応などを利用することなく、高圧の反応ガスを得ることができる。
従って、従来のように薬剤の燃焼によりくん煙剤を発煙させたり、発泡剤を間接的に加熱する加水発熱剤を用いて粉状薬剤を加熱蒸散させたりする必要がない。その結果、粉状薬剤には熱が加わらず、熱に弱い薬剤を使用することができる。また、エアゾールタイプやポンプタイプのように薬剤を溶媒や液化ガスに溶かす必要もなく、溶解性の低い薬剤や、溶液状態で不安定な薬剤を使用することもできる。
上記(2)の構成の粉状薬剤噴射装置によれば、筒状ガイド部材に保持された筒状破断部材が、不用意に袋体に向かって移動して袋体を破断してしまうことが防止される。
上記(3)の構成の粉状薬剤噴射装置によれば、ピストンと上方側拡径内周壁との空隙から一気に開放された高圧ガスが、キャップの噴射ノズルにより流速がさらに高められ、シリンダ部内の粉状薬剤はより確実にシリンダ部外へ噴射拡散される。
上記(4)の構成の粉状薬剤噴射装置によれば、シリンダ部の下方側開口端より半径方向外側で袋体の上面に対向する環状に形成された先端刃が、袋体を環状にくり抜くように破断するので、袋体に収容されたガス発生剤を確実に容器本体内の液体中に落下させることができる。
本発明の粉状薬剤噴射装置によれば、分解ガスや溶媒等の媒体を用いることなく、粉状薬剤を噴射拡散することができる。また、粉状薬剤を溶媒や液化ガスに溶かす必要がなく、拡散のために熱を加える必要もないため、溶解性の低い薬剤や、液体状態で不安定な薬剤、熱で分解されやすい薬剤を使用する事ができる。
また、粉状薬剤は上方側開口端をキャップやゴム栓、封止フィルム等で封止するだけでシリンダ内に密封することができるため、取扱いが容易である。またさらに、シリンダ部の中の粉状薬剤が外気の水分や酸化により分解されることを防ぐこともでき、安定に保存することができる。
さらに、本発明の粉状薬剤噴射装置は固定電源や火熱などを使う必要がないため、火事などの恐れがなく安全であり、大規模な装置も不要なため、簡便に持ち運ぶことができ、電源などの設備のない場所でも使用する事ができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるであろう。
(a)は本発明の一実施形態に係る粉状薬剤噴射装置の概要を示す全体斜視図、(b)は(a)の縦断面斜視図である。 図1(a)に示した粉状薬剤噴射装置の分解斜視図である。 (a)は図1(a)に示した粉状薬剤噴射装置の使用状態を示す全体斜視図、(b)は(a)の縦断面斜視図である。 (a)〜(c)は図1に示した粉状薬剤噴射装置を用いて粉状薬剤を噴射拡散する手順を説明するための説明図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の粉状薬剤噴射装置1は、上端開口部13を有し、水(液体)101(図3参照)を収容するための容器本体11と、上端開口部13に被着され、容器本体11内の水101と反応して反応ガスを発生するガス発生剤43が収容された袋体41と、容器本体11の上部に螺合により装着された円筒状の筒状ガイド部材21と、袋体41に向かって移動可能に筒状ガイド部材21に保持され、袋体41を破断してガス発生剤43を容器本体11内の水101中に落下させる先端刃37が設けられた筒状破断部材31と、筒状破断部材31の内方に配置され、両開口端が容器本体11の内部と外部を連通可能なシリンダ部51と、シリンダ部51の下方側摺動内周壁53に対しては気密に摺動すると共に、シリンダ部51の上方側拡径内周壁55に対しては空隙S(図4(c)参照)を有するピストン61が一体成形されたプランジャ63と、シリンダ部51内に収納された粉状薬剤30と、を備える。
また、ピストン61とプランジャ63は別体として組み合わせても良く、ピストン61をゴムなどの弾性部材で成型することで、シリンダ部51の密封性を高めることや、ピストン61が動き出す際の容器本体11内の圧力を制御することができる。
本実施形態の容器本体11は、上端開口部13を有し、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂により一体成形された耐圧容器である。容器本体11は、上端開口部13を有し、床面に安定して載置可能な形状であれば種々の形状を採りうる。また、容器本体11は、内部圧力の上昇に対して所定の耐圧性を有するものであれば樹脂容器に限らず、金属容器、セラミック容器、ガラス容器等の種々の容器を用いることができる。
筒状ガイド部材21は、容器本体11の上端開口部13の外周面に設けたねじ山15に下端部の内周面に設けたねじ山25が螺合されて上端開口部13に着脱自在に取付けられる。
容器本体11の上端開口部13に被着される袋体41は、2枚の円形状シート41a,41bの間にガス発生剤43を介装し、外周部をヒートシール等により密着したものである。そして、袋体41は、外周部が容器本体11の上端部と筒状ガイド部材21の下端部とで挟持されることで、上端開口部13に被着されている。なお、筒状ガイド部材21の下端部には、パッキン17が装着されており、袋体41の外周部は緊密に挟持される。
筒状破断部材31は、筒状ガイド部材21より小径の円筒状に形成された本体部33と、該本体部33の中間部における外周面に垂設されたフランジ部34の先端より下端側へ延設されたガイド壁35とを有する。本体部33の下端部には、シリンダ部51の下方側開口端より半径方向外側で袋体41の上面に対向する円環状に形成された先端刃37が突設される。ガイド壁35は、筒状ガイド部材21の外周面に外嵌され、本体部33の先端刃37が袋体41に向かって移動可能に筒状ガイド部材21に保持される。
図1に示すように、筒状ガイド部材21と筒状破断部材31との間には、筒状ガイド部材21に保持された筒状破断部材31が袋体41に向かって移動するのを阻止する複数のロック機構45が設けられている。
ロック機構45は、筒状ガイド部材21の外周面に上部端から下端側へ延びてクランク状に屈曲形成された係合溝23と、筒状破断部材31におけるガイド壁35の内周面に突設されて係合溝23に係合する係合突起36とを有する。そして、係合突起36を係合溝23の上端部から挿入させながら筒状ガイド部材21に挿着された筒状破断部材31は、係合突起36が係合溝23のクランク状部23aに当接することで、押し込み操作によって袋体41に向かって移動するのを阻止された状態に保持される。
そして、筒状破断部材31の先端刃37を袋体41に向かって移動させる際には、図3(a)中に矢印で示したように、筒状破断部材31を筒状ガイド部材21に対して所定角度回転させてクランク状部23aに当接した係合突起36の係止状態を解除することで、筒状破断部材31は押し込み操作が可能となって袋体41に向かって移動が可能となる。尚、先端刃37が袋体41の破断位置に達した筒状破断部材31は、係合溝23の下端部に設けた係止部23bに係合突起36が係止されることで、後述する反応ガスのガス圧が作用することによる上方への戻りが防止される。
即ち、本実施形態のロック機構45は、粉状薬剤噴射装置1の保管時等に、筒状ガイド部材21に移動可能に保持された筒状破断部材31が、不用意に押し込まれて袋体41に向かって移動するのを防止している。
本実施形態のシリンダ部51はポリプロピレン製の異なる内径を有する段付きパイプであり、上端部には筒状破断部材31の上部開口より大きな外径を有して開口縁に支持される外側フランジ52を有し、下端部にはプランジャ63の外径より小さな内径を有してプランジャ63を支持する内側フランジ54を有する。更に、シリンダ部51は、収容されたプランジャ63のピストン61が気密に摺動する下方側摺動内周壁53と、該ピストン61との間に空隙Sを画成する上方側拡径内周壁55と、を備える。
プランジャ63を収容したシリンダ部51は、筒状破断部材31の上部開口より挿入され、両開口端が容器本体11の内部と外部を連通可能なように筒状破断部材31の内方に配置される。即ち、シリンダ部51の外周側には順に、本体部33と、筒状ガイド部材21と、ガイド壁35とが同心に配置される。
尚、シリンダ部51は、筒状破断部材31と一体に成形することもできるが、筒状破断部材31と別体に形成して組み合わせることで、筒状破断部材31の剛性を確保しながらプランジャ63に対する摺動性を確保することができる。
プランジャ63は、軸直角断面形状が十字形のピストンロッド64と、ピストンロッド64の上端に設けられて下方側摺動内周壁53に気密に摺動する円板状のピストン61と、を備える。ピストンロッド64は、ピストン61がシリンダ部51の下方側摺動内周壁53に沿って摺動する際の該ピストン61の傾きを防止すると共に、ピストン61がシリンダ部51の上方側拡径内周壁55に達した際に下方側摺動内周壁53とプランジャ63との間に流路を確保する。
シリンダ部51内には粉状薬剤30が収納されており、下方側に収容されたプランジャ63のピストン61上に載置されている。シリンダ部51の上方側開口端側には、噴射口75に向って窄まる狭窄形状を有し、上方側拡径内周壁55から噴射口75に向って徐々に内径が小さくなる噴射ノズル73を備えたキャップ71が設けられている。キャップ71は、係止突起78を筒状破断部材31の係止孔38に係止させることで、噴射ノズル73がシリンダ部51の上方側開口端を覆うように装着される。
更に、噴射口75は、シール部材81により封止されている。シール部材81は、噴射ノズル73の噴射口75を封止する封止部材であり、噴射ノズル73に貼着されて使用時に剥がす樹脂シートで形成されている。なお、噴射ノズル73の噴射口75を封止する封止部材としては、ガス圧で破断可能な封止フィルムを使用することもできる。封止フィルムとしては、例えばパラフィルム(商品名:パラフィルムM、型番:PM996、PechineyPlastic Packaging社製)を用いることができる。
即ち、容器本体11の外部側に位置するシリンダ部51の上方側開口端にキャップ71の噴射ノズル73を被嵌するだけで、シリンダ部51内を密封することができる。
粉状薬剤30は、例えば、無機粉体であるケイ酸カルシウム(商品名、フローライトRN、株式会社トクヤマ製)に薬剤としてシフェノトリン(ピレスロイド系殺虫剤)や不揮発性の殺虫剤であるジノテフラン等を含浸させたものである。尚、粉体に含浸させる薬剤としては、殺虫成分を有効成分として含む殺虫剤に限らず、芳香剤や消臭剤、除菌剤等の種々の薬剤を用いることができることは勿論である。さらに、薬剤を含浸させる粉体としては、ケイ酸カルシウムや無水ケイ酸等の無機粉体や、セルロースビーズ、粉末状でん粉などの有機粉体等の種々の粉体を用いることができる。また、そのものが粉体である薬剤を粉状薬剤として用いることや粉体と混合して用いることもできる。
本実施形態において、容器本体11内に収容される液体は水101であり、袋体41に収容されるガス発生剤43は重曹及びクエン酸である。そこで、容器本体11内の水101中にガス発生剤43を投入すると、水101中で反応して炭酸ガス(反応ガス)Gが発生する。尚、液体やガス発生剤43としては、水101や重曹及びクエン酸に限らず、種々の液体やガス発生剤を用いることができることは云うまでも無い。但し、ガス発生剤が発生する反応ガスは、炭酸ガスなどのように不燃性且つ人体等に無害で、反応時に高熱を発生しないものが望ましい。
次に、図3及び図4を参照しながら上記実施形態の粉状薬剤噴射装置1を用いて殺虫剤を噴射拡散する手順を説明する。粉状薬剤噴射装置1は、殺虫剤を散布して部屋内に存在するゴキブリやイエダニ等の害虫を駆除するために、部屋の床中央に載置して使用される。
粉状薬剤噴射装置1の容器本体11内には、所定量の水101が予め満たされている。予め、容器本体11内に水101が満たされているため、粉状薬剤噴射装置1は持ち運び先でそのまま使用することができる。なお、水101は後から、粉状薬剤噴射装置1の筒状ガイド部材21を外して開口した容器本体11の上端開口部13から容器本体11内に所定量注入することもできる。注入する水101の量は、透明又は半透明の樹脂で形成した容器本体11に設けた目盛りまで注水するようしてもよいし、予め計量した水101を注水してもよい。
また、水を保持させた吸水性ポリマーや水性ゲルなどを容器本体11内に予め所定量収容してもよい。
次に、容器本体11内に水101を注入した後、筒状ガイド部材21を上端開口部13に螺合して容器本体11内を密閉する。この際、粉状薬剤30が収納され、プランジャ63を挿入セットしたシリンダ部51が挿着されている筒状破断部材31は、本体部33の下端部に突設された円環状の先端刃37がシリンダ部51の下方側開口端より半径方向外側で袋体41の上面に対向するように筒状ガイド部材21を介して上端開口部13に装着される。
次に、シリンダ部51の上方側開口端が外部に臨むように、噴射ノズル73の噴射口75を封止しているシール部材81を剥がす。
そして、図3(a)に示すように、筒状破断部材31を筒状ガイド部材21に対して所定角度回転させて係合溝23のクランク状部23aに当接した係合突起36の係止状態を解除した後、筒状破断部材31を押し込み操作して係止部23bに係合突起36を係止させる。この際、筒状ガイド部材21の上端部が、筒状破断部材31のフランジ部34の下面側に配置されたパッキン19に密着することで、容器本体11内の気密性が確保される。
押し込み操作力を受けて袋体41に向かって移動した筒状破断部材31は、図3(b)に示すように、先端刃37が袋体41を円板状にくり抜くように破断する。
そこで、図4(a)に示すように、ガス発生剤43は、円板状に打ち抜かれた袋体41の2枚の円形状シート41a,41bと供に略全量が確実に容器本体11内の水101中に落下する。
すると、図4(b)に示すように、重曹とクエン酸からなるガス発生剤43が、水101中で反応して炭酸ガス(反応ガス)Gが発生する。容器本体11内で発生する炭酸ガスGは徐々に増え、容器本体11内が高圧となる。
容器本体11内の炭酸ガスGの圧力が、所定の圧以上となると、シリンダ部51内のピストン61が押し上げられる。なお、シリンダ部51とピストン61との嵌め合い公差や材質等やシリンダ部51の内径とピストン61の外径を変えて、下方側摺動内周壁53に対するピストン61の摺動抵抗を適宜変更することで、ピストン61が動き出す際の容器本体11内の圧力を制御することができる。
そして、図4(c)に示すように、所定以上となった炭酸ガスGの容器本体11内の圧力でピストン61が上方側拡径内周壁55に達すると、容器本体11内の高圧の炭酸ガスGが上方側拡径内周壁55とピストン61の空隙Sから一気に開放されて、容器本体11内の高圧の炭酸ガスGの風圧で粉状薬剤30がシリンダ部51外へ一気に噴射拡散される。
シリンダ部51の上方側開口端には噴射ノズル73が設けられているので、ピストン61と上方側拡径内周壁55との空隙Sから一気に開放された高圧ガスが、噴射ノズル73により流速が高められ、シリンダ部51内の粉状薬剤30はより確実にシリンダ部51外へ噴射拡散される。
また、ピストンロッド64を断面十字形とすることで、充分な量の高圧の炭酸ガスGが噴射ノズル73の噴射口75に向かって通り抜けることができる。
即ち、粉状薬剤30を噴射拡散させる炭酸ガスGは、ガス圧が所定以上となりピストン61が上方側拡径内周壁55に達するまで容器本体11内に閉じ込められており、ピストン61が上方側拡径内周壁55に達した際に上方側拡径内周壁55との空隙Sから一気に開放されることでシリンダ部51の上方(噴射ノズル73の噴射口75)から一気に噴射される。そのため、粉状薬剤噴射装置1は、熱を伴う爆発的な反応等を利用することなく、高圧の炭酸ガスGを得ることができる。
従って、本実施形態の粉状薬剤噴射装置1は、従来のくん煙タイプや加熱蒸散タイプのように、発熱体の熱でくん煙剤を発煙させたり、薬剤以外の媒体が発生するような発泡剤を用いて薬剤としての殺虫剤を加熱蒸散させたりする必要がない。その結果、粉状薬剤30のケイ酸カルシウムに含浸された薬剤としての殺虫成分には熱が加わらず、熱に弱い殺虫成分を使用することもできる。
また、従来のエアゾールタイプやポンプタイプのように殺虫成分を溶媒や液化ガスに溶かす必要もなく、溶解性の低い殺虫成分や溶液状体では不安定な殺虫成分を使用することもできる。また、粉状薬剤の媒体として炭酸ガスなどの反応性の低いガスを用いることで、粉状薬剤の分解や室内の調度品への悪影響が生じることや、室内の汚染などがない。
上述した本実施形態の粉状薬剤噴射装置1によれば、ガスや溶媒等の媒体を用いることなく、薬剤としての殺虫剤を噴射拡散することができる。
尚、本発明の粉状薬剤噴射装置に係る容器本体、袋体、筒状ガイド部材、筒状破断部材、先端刃、シリンダ部、ピストン、ロック機構、噴射ノズル、粉体、薬剤の有効成分、粉状薬剤、液体及びガス発生剤等の構成部材は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうる。
上記実施形態の粉状薬剤噴射装置1においては、先端刃37がシリンダ部51の下方側開口端より半径方向外側で袋体41の上面に対向する円環状に形成されたが、先端刃の形状はこれに限らず、袋体41を破断してガス発生剤43を落下させることができる形状であれば、種々の形状を採りうることは勿論である。
1 粉状薬剤噴射装置
11 容器本体
13 上端開口部
21 筒状ガイド部材
23 係合溝
30 粉状薬剤
31 筒状破断部材
33 下方側摺動内周壁
35 上方側拡径内周壁
37 先端刃
41 袋体
43 ガス発生剤
45 ロック機構
51 シリンダ部
53 下方側摺動内周壁
55 上方側摺動内周壁
61 ピストン
63 プランジャ
71 キャップ
73 噴射ノズル
101 水(液体)

Claims (4)

  1. 上端開口部を有し、液体を収容するための容器本体と、
    前記容器本体の上端開口部に被着され、前記容器本体内の液体と反応して反応ガスを発生するガス発生剤が収容された袋体と、
    前記容器本体の上部に装着された筒状ガイド部材と、
    前記袋体に向かって移動可能に前記筒状ガイド部材に保持され、前記袋体を破断して前記ガス発生剤を前記容器本体内の液体中に落下させる先端刃が設けられた筒状破断部材と、
    前記筒状破断部材の内方に配置され、両開口端が前記容器本体の内部と外部を連通可能なシリンダ部と、
    前記シリンダ部の下方側摺動内周壁に対しては気密に摺動すると共に、前記シリンダ部の上方側拡径内周壁に対しては空隙を有するピストンと、
    薬剤そのものか、粉体に薬剤が含浸され、前記シリンダ部内に収納される粉状薬剤と、
    を備えることを特徴とする粉状薬剤噴射装置。
  2. 前記筒状ガイド部材と前記筒状破断部材との間には、前記筒状破断部材が前記袋体に向かって移動するのを阻止するロック機構が設けられることを特徴とする請求項1に記載の粉状薬剤噴射装置。
  3. 前記シリンダ部の上方側開口端側には、噴射ノズルを備えたキャップが設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉状薬剤噴射装置。
  4. 前記シリンダ部の下方側開口端より半径方向外側で前記袋体の上面に対向する環状に形成された前記先端刃が、前記袋体を環状にくり抜くように破断することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粉状薬剤噴射装置。
JP2013137894A 2013-04-17 2013-07-01 粉状薬剤噴射装置 Active JP6063832B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013137894A JP6063832B2 (ja) 2013-07-01 2013-07-01 粉状薬剤噴射装置
PCT/JP2014/060978 WO2014171522A1 (ja) 2013-04-17 2014-04-17 粉状薬剤噴射装置及び粉状薬剤噴射方法
US14/784,990 US20160081322A1 (en) 2013-04-17 2014-04-17 Injection device for powdered drugs and injection method for powdered drugs
CN201480022291.2A CN105142398B (zh) 2013-04-17 2014-04-17 粉状药剂喷射装置及粉状药剂喷射方法
KR1020157029958A KR20150143511A (ko) 2013-04-17 2014-04-17 분상(粉狀) 약제 분사 장치 및 분상 약제 분사 방법
EP14784796.6A EP2987404A4 (en) 2013-04-17 2014-04-17 INJECTION DEVICE FOR POWDERED MEDICAMENTS AND INJECTION METHOD FOR POWDERY MEDICAMENTS

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013137894A JP6063832B2 (ja) 2013-07-01 2013-07-01 粉状薬剤噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015008696A JP2015008696A (ja) 2015-01-19
JP6063832B2 true JP6063832B2 (ja) 2017-01-18

Family

ID=52302490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013137894A Active JP6063832B2 (ja) 2013-04-17 2013-07-01 粉状薬剤噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6063832B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018203294A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 株式会社三谷バルブ 肩カバー構造およびこの肩カバー構造を備えたエアゾール式製品
JP2019006488A (ja) * 2017-06-28 2019-01-17 株式会社三谷バルブ 肩カバー構造およびこの肩カバー構造を備えたエアゾール式製品

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0253152U (ja) * 1988-10-01 1990-04-17
JP3064446B2 (ja) * 1991-03-11 2000-07-12 三菱電機株式会社 有料道路の料金収受装置
JP2000083565A (ja) * 1998-09-16 2000-03-28 Misuzu:Kk 鳥獣撃退剤発射具
JP4040894B2 (ja) * 2002-03-22 2008-01-30 日本曹達株式会社 自噴式噴霧器
US6786369B2 (en) * 2002-03-26 2004-09-07 Valois Sas Fluid dispenser
JP2005021138A (ja) * 2003-07-03 2005-01-27 Hosoya Fireworks Co Ltd 害獣駆除装置および害獣駆除方法
WO2005108239A1 (en) * 2004-05-08 2005-11-17 Charles Harnasz Pressurised dispensing of fluid
US8746503B2 (en) * 2004-06-12 2014-06-10 Walter K. Lim System and method for providing a reserve supply of gas in a pressurized container

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015008696A (ja) 2015-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014171522A1 (ja) 粉状薬剤噴射装置及び粉状薬剤噴射方法
EP3247232B1 (en) Electronic cigarette having improved safety
EP3003075B1 (en) Kit for inhaling vaporized substances
JP6063832B2 (ja) 粉状薬剤噴射装置
US2593552A (en) Aerosol dispenser and penetrable cartridge therefor
JP6208685B2 (ja) 粉状薬剤噴射装置及び粉状薬剤噴射方法
JP6063833B2 (ja) 粉状薬剤噴射装置
JP6063804B2 (ja) 粉状薬剤噴射装置及び粉状薬剤噴射方法
KR102664540B1 (ko) 파열 시스템 및 블리스터 캡슐을 갖는 에어로졸 발생 물품
US2593165A (en) Aerosol insecticide bomb
JP6270657B2 (ja) 薬剤噴射装置及び薬剤噴射方法
JP4919623B2 (ja) 揮発性物質発散具
JP6689599B2 (ja) 冷却殺虫エアゾール製品
JP6937742B2 (ja) エアロゾル発生システム用の破壊システム
JPH08280807A (ja) 用時溶解スプレー容器及び該容器を用いた用時溶解スプレー
JP2006342113A (ja) 除菌・消臭剤組成物およびエアゾール式噴出装置
US20110240318A1 (en) Water Vapor Based Fire Suffocating Apparatus and Method Thereof
JP2009165395A (ja) 薬剤発散器
JP2002080080A (ja) 連続自動噴射が可能なエアゾール容器
JP2006320782A (ja) エアゾール噴射装置
JP2017088205A (ja) 放出作動ユニット,収容ユニット,この放出作動ユニットと収容ユニットとを結合させた内容物放出構造、およびこの内容物放出構造を備えたエアゾール式製品
JPH034883A (ja) 内圧破裂形液滴強制拡散容器
JPH11169756A (ja) 薬剤噴射装置
JP2017051472A (ja) 簡易消火具

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6063832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250