JP6063104B1 - 包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】製袋適性に優れ、かつ、密封した包装袋のまま電子レンジ調理ができ、かつ、包装袋内の食品の適切な加熱状況を簡単に把握できる包装袋を提供する。【解決手段】収容空間1h内に収容した状態で被加熱物Mを加熱し得る包装袋1であって、細孔形成フィルムF1と熱接着性樹脂を含有する接着剤層BLとを有する内層フィルム3と、内層フィルム3よりも伸張性が小さくかつ耐熱性の高いカバーフィルムF2の外層フィルム4と、を備えた多層フィルムFによって形成されており、内層フィルム3は、一定以上の温度において張力が加わると表裏を貫通する多数の連通孔hが形成されるものであり、細孔形成フィルムF1の内面同士を連結した内面連結部を有する連結部5,10を備えており、剥離部連結強度が、内面連結強度よりも弱く、連結部5,10以外の部分における積層連結強度よりも強くなっている。【選択図】図1

Description

本発明は、包装袋に関する。さらに詳しくは、マイクロ波を利用した調理器(以下、電子レンジという)によって内部に収容した食品等を、密封した包装袋のまま加熱することができる包装袋に関する。
近年、ライフスタイルの変化に伴い、短時間かつ簡便に食品を加熱調理することができる加工食品や冷凍食品が多数開発されている。とくに、電子レンジは、使い勝手がよく誰でも簡単に食品を加熱し調理することができる。このため、電子レンジで加熱調理できる加工食品や冷凍食品の開発が進んでいる。
上述したような加工食品や冷凍食品は、包装袋等に包装された状態で販売されるが、そのまま電子レンジで加熱すると、内部の加工食品や冷凍食品から発生した水蒸気により、包装袋内部の圧力が高まり、包装袋等が破裂する危険性があった。このため、従来の加工食品や冷凍食品では、電子レンジによって加熱調理を行う前に、予め包装袋を開封したり包装袋から取り出したりする必要があった。
上述したような手間を省くことができるように、加工食品や冷凍食品を密封したまま電子レンジで加熱できる包装袋が開発されている(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1〜2には、袋の破裂防止のために、予め水蒸気を逃がすための排気孔が設けられた包装袋が開示されている。この包装袋では、排気孔から水蒸気を排気孔から排出することができる。したがって、包装袋のまま加工食品や冷凍食品を電子レンジで加熱しても、包装袋の内圧を低下させることができるので、包装袋の破裂を防止することができる。
しかし、特許文献1〜2のような包装袋では、予め排気孔が設けられているので、その孔から異物等が中に入らないようにシール等によって排気孔を塞ぐ必要があり、製袋に手間がかかるという問題がある。また、加熱調理する際には、消費者がシールを剥がしたりする等の作業が必要であり、調理の準備に手間がかかるという問題もある。
そこで、袋自体に予め孔を設けずに、電子レンジによって内部の加工食品や冷凍食品を加熱した際に発生する水蒸気により袋の内圧が高くなると、孔が形成されるようにした包装袋が開示されている(特許文献3)。特許文献3の包装袋は、外層となる合成樹脂製延伸フィルムと内層となる合成樹脂製未延伸フィルムを貼り合わせたフィルムによって形成されており、両者を貼り合せた一部に、他の部分よりも低融点のヒートシール剤を塗布して貼り合せた部分(低融点部)を設けたり剥離剤を塗布したりして弱接着部を設けている。しかも、合成樹脂製延伸フィルムにおいて、弱接着部に対応する部分には、切断線が刻設されている。
このため、この包装袋を電子レンジ等に入れて加熱して袋内の圧力が上昇すると、袋が膨らみ、それに伴って弱接着部では延伸フィルムと未延伸フィルムが剥離しかつ延伸フィルムが切断線の位置で切断されて、延伸フィルムに開口が形成される旨が記載されている。そして、開口が形成されると、弱連結部と強接着部(弱連結部よりも強い接着力の部分)の境界、つまり、開口の端縁に応力集中が生じて、その位置の未延伸フィルムに小穴が開く旨が記載されている。
特開平5−270549号公報 特開2013−32168号公報 国際公開第2001/081201号
しかし、特許文献3の包装袋では、加熱した際に包装体を適切に開封させるためには、延伸フィルムに破断線を設けなければならず、フィルムに余分な加工が必要になる。しかも、延伸フィルムの破断線の位置と弱接着部が重なるように低融点のヒートシール剤または剥離剤を塗布しなければならない。すると、製袋工程におけるピッチ管理が非常に難しく、製袋を高速で行うことが困難である。つまり、特許文献3の包装袋では、排気孔を設けたりする手間は少なくなるものの、製袋工程が煩雑化するため、製袋に手間がかかるという問題は依然として残っている。
また、加工食品や冷凍食品の包装袋等には、電子レンジで冷凍食品を調理する際のあたため時間等が記載されている。しかし、電子レンジの特性や加工食品や冷凍食品の置き方等の種々の要因から、規定時間加熱しても、加工食品や冷凍食品が適切に温まらない場合がある。冷凍食品の場合であれば、規定時間は、各食品メーカーの社内基準で設定される。しかし、消費者は必ずしも、各食品メーカーの社内基準に沿った冷凍状態から加熱するとは限らない。例えば、食品メーカーの社内基準よりも低温の完全凍結状態から冷凍食品を電子レンジで加熱する場合がある。この場合には、冷凍食品を電子レンジで規定時間だけ加熱しても加熱不足になる。また、食品メーカーの社内基準より高いやや溶けた状態から冷凍食品を電子レンジで加熱する場合がある。この場合には、電子レンジで規定時間だけ冷凍食品を加熱すると過加熱になってしまう。また、想定よりも加工食品や冷凍食品の温度が低かった場合には、電子レンジで規定時間だけ加熱しても加熱不足になる。
上述した包装袋では、袋内から水蒸気が発生するタイミングと加工食品や冷凍食品が適切に加熱されたタイミングが一致していることが望ましい。しかし、現状では、上述したような包装袋では、単に袋内の圧力が一定以上になると袋内の水蒸気を逃がすようになっているだけであり、加工食品や冷凍食品が適切な状態(最も美味しい状態)に加熱されたことを消費者が簡単に把握できない構造となっている。
以上のような事情もあり、消費者は、過加熱や加熱不足とならないように、電子レンジの作動を止めて、包装袋や加工食品や冷凍食品に触れたり、調理食品を少し食したりなどして加熱状況を確認している。しかし、上記のような方法で加熱状態を確認しても、加熱状況が適切か否かを消費者が判断することは非常に難しく、現状では、加熱不足や過加熱が生じていることが多い。
もし、加工食品や冷凍食品が適切な状態(最も美味しい状態)に加熱されたことを消費者が簡単に把握できれば、加工食品や冷凍食品を消費者が美味しく食することができる。また、加工食品や冷凍食品メーカーも、本来予定していた味で食品を消費者に提供できるので、かかる機能を有する包装袋が求められている。
本発明は上記事情に鑑み、製袋適性に優れ、かつ、密封した包装袋のまま電子レンジ調理ができ、かつ、包装袋内の食品の適切な加熱状況を簡単に把握できる包装袋を提供することを目的とする。
第1発明の包装袋は、内部の収容空間内に被加熱物を収容した状態で該被加熱物を加熱し得る包装袋であって、該包装袋が、細孔形成フィルムと、該細孔形成フィルムの外側に設けられた接着剤層とを有する内側に位置する内層フィルムと、前記内層フィルムよりも伸張性が小さくかつ耐熱性の高いカバーフィルムを有する、前記内層フィルムの外側に位置する外層フィルムと、を備えた多層フィルムによって形成されており、前記内層フィルムは、一定以上の温度において、一定以上の張力が加わると表裏を貫通する多数の連通孔が形成されるものであり、前記接着剤層は、熱接着性樹脂を含有しており、前記内層フィルムにおける細孔形成フィルムの内面同士を連結した内面連結部を有する連結部を備えており、該連結部における前記外層フィルムと前記接着剤層の剥離部連結強度が、前記内面連結部における前記内層フィルムの細孔形成フィルムの内面同士の内面連結強度よりも弱く、前記連結部以外の部分における前記外層フィルムと前記接着剤層の積層連結強度よりも強くなっていることを特徴とする。
第2発明の包装袋は、第1発明において、前記内層フィルムにおける前記接着剤層に含有されている熱接着性樹脂は、ビカッド軟化点が40℃以上100℃未満のものであることを特徴とする。
第3発明の包装袋は、第1または第2発明において、前記内層フィルムにおける前記接着剤層の全重量に対する熱接着性樹脂の重量割合が、30〜80重量%であることを特徴とする。
第4発明の包装袋は、第1、第2または第3発明において、前記内層フィルムにおける前記接着剤層において、前記外層フィルムと接触する面は、コロナ放電処理をしていない面であることを特徴とする。
第5発明の包装袋は、第1乃至第4発明のいずれかにおいて、非加熱時における前記接着剤層と前記外層フィルムの積層連結強度は、0.5〜1.5N/15mmであることを特徴とする。
第6発明の包装袋は、第1乃至第5発明のいずれかにおいて、非加熱時における前記接着剤層と前記外層フィルムの剥離部連結強度は、1.3〜4.0N/15mmであることを特徴とする。
第7発明の包装袋は、第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記内層フィルムにおける前記細孔形成フィルムおよび前記接着剤層は、粒状部材を含有しており、前記細孔形成フィルムの全重量に対する前記粒状部材の重量割合は、20〜60重量%であり、前記接着剤層の全重量に対する前記粒状部材の重量割合は、20〜60重量%であることを特徴とする。
第8発明の包装袋は、第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記内層フィルムにおける前記細孔形成フィルムおよび前記接着剤層は、融点が100℃未満の低融点ポリオレフィン樹脂を含んでおり、前記細孔形成フィルムの全重量に対する前記低融点ポリオレフィン樹脂の重量割合は、5〜70重量%であり、前記接着剤層の全重量に対する前記低融点ポリオレフィン樹脂の重量割合は、5〜45重量%であることを特徴とする。
第9発明の包装袋は、第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記内層フィルムにおける前記細孔形成フィルムおよび前記接着剤層の発泡倍率は、1.1〜2.5倍であることを特徴とする。
第1発明によれば、接着剤層が熱接着性樹脂を含有しているので、包装袋内部の水分が蒸発することによって包装袋が加熱されると、接着剤層に含有されている熱接着性樹脂の軟化により、積層連結強度および剥離部連結強度が低下する。しかも、包装袋内部の水分が蒸発したことによって包装袋が膨張すると、内層フィルムにおける接着剤層から外層フィルムを引き剥がすような力が加わる。このため、包装袋内部の水分が蒸発したことによって包装袋が膨張すると、内層フィルムにおける細孔形成フィルムの内面同士の連結は維持した状態で、外層フィルムが内層フィルムから剥がれて内層フィルムが露出する。したがって、熱接着性樹脂の含有割合を調整しておけば、被加熱物が適切に加熱、加圧された際に、被加熱物が外部に放出されることなく、内層フィルムを露出させることができる。そして、内層フィルムが露出すれば、包装袋の外観が変化するので、包装袋の状態を見るだけで、被加熱物が適切に加熱、加圧されたことを簡単に把握できる。しかも、内層フィルムが露出した状態では、内層フィルムに加わる張力が大きくなるので、内層フィルムにおける細孔形成フィルムおよび接着剤層には多数の連通孔が形成されて水蒸気が外部に放出される。すると、内層フィルムに加わる張力を一定の大きさ以下に留めておくことができるので、包装袋の破裂などを防ぐことができる。
第2発明によれば、内層フィルムにおける接着剤層に含有されている熱接着性樹脂のビカット軟化点が40℃以上100℃未満に調整されていれば、常温以下の状態では、外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度および剥離部連結強度を、外層フィルムが接着剤層から剥がれないように維持できる。しかも、包装袋が加熱された際には、外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度および剥離部連結強度を適切に低下させることができる。
第3発明によれば、内層フィルムにおける接着剤層の全重量に対する熱接着性樹脂の重量割合が、30〜80重量%に調整されていれば、外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度および剥離部連結強度を、外層フィルムが接着剤層から剥がれないように維持できる。しかも、被加熱物が適切に加熱、加圧され、内部の温度と圧力が適切な状態になった際に、外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度および剥離部連結強度を適切に低下させて、内層フィルムを露出させることができる。
第4発明によれば、内層フィルムにおける前記接着剤層において、外層フィルムと接触する面は、コロナ放電処理をしていない面に調整されている。このため、外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度および剥離部連結強度を内面連結強度に比べて確実に弱くすることができるので、被加熱物が適切に加熱された際に、外層フィルムを内層フィルムから確実に剥がすことができる。
第5発明によれば、非加熱時における外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度を0.5〜1.5N/15mmに調整しておけば、外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の積層連結強度および剥離部連結強度を内面連結強度に比べて確実に弱くすることができる。したがって、被加熱物が適切に加熱された際に、外層フィルムを内層フィルムから確実に剥がすことができる。
第6発明によれば、非加熱時における外層フィルムと内層フィルムにおける接着剤層の剥離部連結強度が1.3〜4.0N/15mmに調整されていれば、流通保管時等において、外層フィルムが内層フィルムから剥がれることを防ぐことができる。
第7発明によれば、内層フィルムにおける細孔形成フィルムおよび接着剤層において、細孔形成フィルムの全重量に対する粒状部材の含有量が20〜60重量%、接着剤層の全重量に対する粒状部材の含有量が20〜60重量%に調整されている。このため、被加熱物が適切に加熱、加圧され、内部の温度と内圧が適切な状態になった際に、内層フィルムに表裏を貫通する細孔を形成することができる。したがって、被加熱物を加熱した際に、内層フィルムが破裂することを防ぐことができる。
第8発明によれば、内層フィルムにおける細孔形成フィルムおよび接着剤層において、細孔形成フィルムの全重量に対する低融点ポリオレフィン樹脂の重量割合が5〜70重量%、接着剤層の全重量に対する低融点ポリオレフィン樹脂の重量割合が5〜45重量%に調整されている。このため、被加熱物が適切に加熱、加圧され、内部の温度と内圧が適切な状態になった際に、内層フィルムには表裏を貫通する細孔を形成することができる。したがって、被加熱物を加熱する際に、内層フィルムが破裂することを防ぐことができる。
第9発明によれば、内層フィルムにおける細孔形成フィルムおよび接着剤層において、細孔形成フィルムおよび前記接着剤層の発泡倍率が1.1〜2.5倍に調整されていれば、被加熱物が適切に加熱、加圧され、内部の温度と内圧が適切な状態になった際に、内層フィルムの表裏を貫通する細孔が形成される。したがって、被加熱物を加熱する際に、内層フィルムが破裂することを防ぐことができる。
本実施形態の包装袋1の概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)と概略断面図である。 (A)は本実施形態の包装袋1の概略平面図であり、(B)は本実施形態の包装袋1の概略背面図である。 本実施形態の包装袋1を電子レンジで加熱したときの包装袋1の形態変化の概略説明図であって、(A)は加熱前の状態であり、(B)は加熱により被加熱物から生じる水蒸気で包装袋1が膨らんだ状態であって、内層フィルム3と外層フィルム4との連結が保たれている状態であり、(C)は(B)の状態から加熱が更に進み、内層フィルム3から外層フィルム4が剥離して内層フィルム3が露出しかつ内層フィルム3に連通孔hが形成された状態である。 本実施形態の包装袋1に使用される多層フィルムFの概略説明図であって、(A)は概略断面図であり、(B)は細孔形成フィルムF1と接着剤層BLが発泡フィルムの場合においてカバーフィルムF2が剥離し、表裏を貫通する連通孔hが形成される状態の概略説明図であり、(C)は細孔形成フィルムF1と接着剤層BLが粒子部材pを含むフィルムの場合においてカバーフィルムF2が剥離し、表裏を貫通する連通孔hが形成される状態の概略説明図である。 実施例1の結果を示した表1である。 実施例4の結果を示した表2である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の包装袋は、被加熱物を内部に収容するための包装袋であって、製袋適性に優れ、かつ、密封した包装袋のまま電子レンジ調理ができ、かつ、被加熱物の加熱状況を外部から目視で確認できる構造としたことに特徴を有している。
本発明の包装袋の内部に収容されている被加熱物を加熱する方法はとくに限定されない。例えば、マイクロ波を利用した加熱等のように、包装袋に変質を生じさせることなく、被加熱物を加熱できる方法を採用することもできる。例えば、電子レンジ等で本発明の包装袋の内部に収容されている被加熱物を加熱することができる。
また、本発明の包装袋の内部に収容される被加熱物は、上述した方法で加熱することができるものであって、加熱により水蒸気等を発生するものであればよい。例えば、加工食品や冷凍食品などの加熱を要する食品や、保温タオルなどの保温部材等が、被加熱物に相当する。加工食品や冷凍食品としては、うどんやそば、中華麺、まんじゅう、焼売、餃子、さつま揚、各種惣菜等を、被加熱物として挙げることができる。
以下では、加熱方法が電子レンジであって、被加熱物が冷凍食品である場合を代表として説明する。
また、本発明の包装袋の形状もとくに限定されない。例えば、一般的なピロー包装袋や3方シール袋、4方シール袋、スタンディングパウチ構造の袋等を本発明の包装袋として挙げることができる。つまり、本発明の包装袋は、袋を形成するフィルム同士を熱融着等の方法で連結した連結部を有するものであればよく、とくに限定されない。
以下の説明では、本発明の包装袋が一般的なピロー包装袋である場合を代表として説明する。
(用語の定義)
以下に、本実施形態の包装袋1を説明するが、以下の説明で使用する主要な用語について定義する。
(内面連結部および内面連結強度)
内面連結部とは、本実施形態の包装袋1の連結部5,10における細孔形成フィルムF1の内面同士が連結した部分を意味している。
内面連結強度は、内面連結部における細孔形成フィルムF1の内面同士の連結強度を意味している。後述するように、連結部5,10をヒートシールによって形成した場合には、細孔形成フィルムF1の内面同士のヒートシール強度を意味している。
(積層連結強度)
積層連結強度とは、多層フィルムFにおける接着剤層BLとカバーフィルムF2の連結強度を意味している。より詳しくは、積層連結強度とは、多層フィルムFが外部から加熱等されていない状態における接着剤層BLとカバーフィルムF2のラミネート強度を意味している。したがって、多層フィルムFによって包装袋1を形成した場合には、連結部5,10以外の部分では、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の連結強度は、積層連結強度に維持されている。
(剥離部連結部および剥離部連結強度)
剥離部連結部は、本実施形態の包装袋1の連結部5、10において接着剤層BLとカバーフィルムF2が連結している部分を意味している。
剥離部連結強度は、上述した剥離部連結部における接着剤層BLとカバーフィルムF2の連結強度を意味している。本実施形態の包装袋1において、ヒートシールによって連結部5,10を形成した場合、その位置では接着剤層BLが加熱された状態となる。したがって、連結部5、10の位置の接着剤層BLとカバーフィルムF2の連結強度は、連結部以外の部分の積層連結強度よりも強くなる。したがって、連結部5、10の位置における接着剤層BLとカバーフィルムF2が連結した部分を剥離部連結部といい、その部分の連結強度を、剥離部連結強度と呼ぶ。
(本実施形態の包装袋1)
本実施形態の包装袋1は、被加熱物Mが加熱された際に、多層フィルムFの内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の間で剥離が生じる多層フィルムFを使用して形成されたものである。
図1および図2に示すように、本実施形態の包装袋1は、被加熱物Mを内部に収容した状態で袋状に形成された部材である。具体的には、本実施形態の包装袋1は、後述する多層フィルムFの端縁同士を重ね合わせて熱融着した連結部5,10によって内部の空間1hを外部から気密液密に遮断してピロー包装袋の形状に形成されたものである。
本実施形態の包装袋1は、後述する多層フィルムFによって形成されている。この多層フィルムFは、内層フィルム3と外層フィルム4が内層フィルム3における接着剤層BLによって連結されている。このため、内側に位置する内層フィルム3、つまり、被加熱物Mを直接包装する内装袋として機能する内層フィルム3は、細孔形成フィルムF1と熱接着性樹脂を含有する接着剤層BLによって形成される。一方、内層フィルム3の外側に位置する外層フィルム4、つまり、内装袋を覆う外装袋として機能する外層フィルム4は、カバーフィルムF2によって形成される。なお、後述するように、カバーフィルムF2には、内層フィルム3を構成する細孔形成フィルムF1および接着剤層BLよりも伸張性が小さくかつ耐熱性の高いフィルムが使用される。
そして、本実施形態の包装袋1では、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1同士が互いに面接触するように重ねた状態で熱融着して連結部5,10を形成している。つまり、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1同士を互いに面接触するように重ね合わせて、その部分を外部から(つまり、外層フィルム4であるカバーフィルムF2の外面から)挟んで、細孔形成フィルムF1同士を熱融着させて連結部5,10を形成している。したがって、連結部5、10は、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1同士が連結した内面連結部と、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2が連結した剥離部連結部を有することになる。なお、上記のように連結部5,10が形成されるので、連結部5,10では、カバーフィルムF2同士が接触しない(つまり連結されない)状態になる。
この連結部5,10の内層フィルム3における細孔形成フィルムF1同士の内面連結部の内面連結強度は、多層フィルムFの内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度よりも強くなるように形成されている。しかも、内層フィルム3における接着剤層BLに熱接着性樹脂が含有されているので、細孔形成フィルムF1同士が熱溶着した際には、接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂により、連結部5,10の内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の剥離部連結強度を、積層連結強度よりも強くしつつ内面連結強度よりも弱くすることができる。さらに、接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂により、被加熱物Mが加熱されると(言い換えれば包装袋1の温度が高くなると)、包装袋1が常温以下の温度となっている状態に比べて、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の剥離部連結強度および積層連結強度を低下させることができる。すると、包装袋1の温度が高くなった際に、包装袋1に張力が加われば、連結部5,10における剥離部連結部で内層フィルム3と外層フィルム4の連結が解除され、内層フィルム3を露出させることができるようになる。
例えば、内層フィルム3における接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の量や素材を調整すれば、公知の試験方法(JIS K 6854−3)で測定した強度で、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度を0.5〜1.5N/mm程度、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の剥離部連結強度を1.3〜4.0N/mm程度にすることができる。内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の剥離部連結強度が1.3〜4.0N/mm程度であれば、内層フィルム3と外層フィルム4は強固に連結されているので、包装袋1に力を加えても、両者の連結を解除することは難しい。
一方、内層フィルム3における接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の量や素材を調整すれば、上述したような積層連結強度および剥離部連結強度を維持しつつ、包装袋1の温度が高くなった際、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度を低下させることができる。つまり、包装袋1の温度が高くなった際に、内層フィルム3における接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の熱による接着力の低下により、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度が低下する。すると、包装袋1に張力が加われば連結部5,10における剥離部連結部で内層フィルム3と外層フィルム4の連結が解除できる状態になる。したがって、包装袋1の温度が高くなった際に、包装袋1に張力が加われば、連結部5,10における剥離部連結部で内層フィルム3から外層フィルム4が剥離して、内層フィルム3を露出させることができる。
なお、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1同士の内面連結部の内面連結強度は、熱溶着の際、お互いの面が熱溶融混合された強固な物理接着である。一方、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度は、お互いの面同士における官能基による弱い化学接着である。このため、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1同士の内面連結部の内面連結強度は、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度よりも強くなる。したがって、包装袋1の温度と圧力が高くなった際に、連結部5,10では、内面連結部で連結されている細孔形成フィルムF1同士は剥離せずに、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2が連結した剥離部連結部で、内層フィルム3から外層フィルム4を剥離させることができる。
また、多層フィルムFの内層フィルムにおいて、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結強度は、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度や剥離部連結強度よりも強くなるように強固に連結されている。この細孔形成フィルムF1と接着剤層BLを連結する方法はとくに限定されず、包装袋1の温度と圧力が高くなった際でも、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結部が解除されないような連結方法であればよい。
例えば、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLを共押出成形した積層品であれば、両者が互いに接する面は、熱溶融混合された強固な物理接着面となる。このため、包装袋1の温度と圧力が高くなった際でも、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結強度を、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度や剥離部連結強度よりも強くすることができる。
また、一般的なエーテル系接着剤やエステル系接着剤によって積層したり、ドライラミネートや押出ラミネートやサーマルラミネートによって積層したりして、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLを積層させる方法を採用することもできる。細孔形成フィルムF1と接着剤層BLをラミネートで積層した積層品の場合、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結部分は、物理接着よりも弱い化学接着になる。この場合でも、互いに接する面同士に、コロナ放電処理をすれば表面エネルギーを高めることができる。すると、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結強度を、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度や剥離部連結強度よりも強くすることができる。
(本実施形態の包装袋1の作用効果)
本実施形態の包装袋1は、以上のごとき構成を有するので、以下のように機能する。
(常温や冷凍時)
まず、常温や冷凍されている状態では、多層フィルムFにおいて、内層フィルム3と外層フィルム4の剥離部連結強度および積層連結強度は、両者が容易に剥がれない強度を有している。しかも、両者の剥がれが生じやすい連結部5,10では、剥離部連結強度が流通保管時でも剥がれない強度(1.3〜4.0N/mm程度)を有しているので、外層フィルム4が内層フィルム3からの剥がれる等の損傷が生じにくくなっている。
なお、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1の内面同士の内面連結強度および細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結強度は、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の剥離部連結強度よりも強い。したがって、連結部5,10において、細孔形成フィルムF1同士の内面連結部の間で剥がれることはなく、また、内層フィルム3において、細孔形成フィルムF1と接着剤層BLの連結部分の間で剥がれるなどの問題は生じない。
(調理時)
一方、加工食品や冷凍食品を電子レンジで調理する際には、本実施形態の包装袋1が以下のように機能するので、包装袋1の破裂などを防ぎつつ、被加熱物Mを適切に加熱することができる。
まず、被加熱物Mを収容した包装袋1を、そのままの状態で電子レンジに入れて、電子レンジを作動させる(図3(A))。すると、被加熱物M中の水分が発熱して、被加熱物Mが加熱されるとともに、被加熱物Mに含まれる水分は蒸発して水蒸気となる。この水蒸気に多層フィルムFが接触することによって、多層フィルムFは加熱および加圧され、その温度と圧力が上昇する。
多層フィルムFの内層フィルム3における接着剤層BLは熱接着性樹脂を含有しているので、多層フィルムFが一定の温度以上となると、接着剤層BLの接着力が低下する。つまり、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度が低下する。一方、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1の内面同士の内面連結部では、細孔形成フィルムF1同士がヒートシールによって熱融着した一つの層になっているので、多層フィルムFが一定の温度以上となっても内面連結強度は低下しない。
一方、被加熱物M中の水分の発熱が進行すると、被加熱物Mから発生した水蒸気によって包装袋1の内圧が上昇して包装袋1が膨らみ、やがて、多層フィルムFには、その面方向に沿って張力が加わる状態となる。
多層フィルムFを構成する内層フィルム3における細孔形成フィルムF1および接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2を比較すると、外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の伸張性が最も小さい。このため、多層フィルムFの面方向に沿って加わる張力は、カバーフィルムF2が支えることになる。
連結部5、10は、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1の内面同士が面接触部において連結されているが、外層フィルム4におけるカバーフィルムF2同士は連結されていない。このため、カバーフィルムF2に加わる張力は、連結部5,10の内面連結部を剥がす力や、内層フィルム3における接着剤層BLから外層フィルム4(つまりカバーフィルムF2)を剥がす力として作用することになる。
上述したように、多層フィルムFの温度上昇によっても、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1の内面同士の内面連結強度は低下しないが、内層フィルム3における接着剤層BLに含まれる熱接着性樹脂の熱による接着力が低下する。すると、この接着力の低下の影響により、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度が低下する。しかも、常温などの状態でも、内層フィルム3における細孔形成フィルムF1の内面同士の内面連結強度は、内層フィルム3における接着剤層BLと外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度よりも連結力が強い。このため、多層フィルムFの面方向に沿って加わる張力によって、連結部5,10の内面連結部が剥がれる前に、内層フィルム3の接着剤層BLから外層フィルム4が剥がれて、内層フィルム3の細孔形成フィルムF1および接着剤層BLが露出する。つまり、外層フィルム4が内層フィルム3における接着剤層BLから剥がれることによって、内層フィルム3が露出する外観変化が起こる。
(図3(C))。
内層フィルム3の接着剤層BLから外層フィルム4が剥がれるタイミング(内層フィルム3が露出するタイミング)は、内層フィルム3における接着剤層BLの熱接着性樹脂等を調整して、内層フィルム3における接着剤層BLとカバーフィルムF2の剥離部連結強度や積層連結強度を調整することによって制御できる。したがって、被加熱物Mに合わせて、接着剤層BLの熱接着性樹脂等を調整して、内層フィルム3における接着剤層BLとカバーフィルムF2の剥離部連結強度や積層連結強度を適切に調整すれば、生産者が想定した、被加熱物Mを最も美味しく味わうことができる状態に被加熱物Mが加熱、加圧された際に、内層フィルム3(つまり接着剤層BL)を露出させることができる。
以上のように、本実施形態の包装袋1では、包装袋1の状態を見るだけで、被加熱物Mの加熱が完了したことを消費者が簡単に把握できる。つまり、本実施形態の包装袋1は、被加熱物Mの加熱状態を消費者に把握させる機能(美味しさセンサー)を有しているので、被加熱物Mを消費者が美味しく食することができる。つまり、食品メーカーが予定していた味の食品を消費者に提供できる。
また、内層フィルム3の接着剤層BLが露出すると、内圧は内層フィルム3(つまり細孔形成フィルムF1および接着剤層BL)のみで支えることになる。このため、内層フィルム3の接着剤層BLが露出してからも内層フィルム3の膨張が継続すれば、内層フィルム3が破裂する可能性がある。しかし、内層フィルム3を形成する細孔形成フィルムF1と接着剤層BLは、後述するように、一定の温度以上となった状態においてその面方向に沿って加わる張力が大きくなれば表裏を貫通する多数の連通孔hが形成されるように形成されている。
内層フィルム3(細孔形成フィルムF1および接着剤層BL)が露出した状態となったのち、内層フィルム3に張力が加われば、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLには多数の連通孔hが形成される。すると、多数の連通孔hから水蒸気が外部に放出されるので、内層フィルム3が露出してから、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに加わる張力を一定の大きさ以下に留めておくことができる。したがって、内層フィルム3の破裂、つまり、包装袋1の破裂などを防ぐことができる。
なお、内層フィルム3に形成される連通孔hの大きさはとくに限定されないが、ある程度の大きさ以下(例えば30μm以下)となるようにしておくことが望ましい。かかる大きさにしておけば、連通孔hが形成されても、被加熱物Mが連通孔hから外部に放出されることも防ぐことができる。
(商品価値の向上)
本実施形態の包装袋1は、内層フィルム3における接着剤層BLに外層フィルム4におけるカバーフィルムF2を貼り合せた多層フィルムFによって形成されている。しかも、多層フィルムFの端縁同士を重ね合わせて熱融着する際(つまり、連結部5,10)、多層フィルムFを構成する内層フィルム3における細孔形成フィルムF1の内面同士を熱融着するようになっている。また、内層フィルム3における接着剤層BLは、熱接着性樹脂を含有しているので、外層フィルム4におけるカバーフィルムF2と熱で接着できるおよび熱で剥がれる性質を有している。そして、上述のように、包装袋1に、一定以上の温度と圧力が加わると、多数の連通孔を形成する細孔形成フィルムF1および接着剤層BLからなる内層フィルム3が、被加熱物Mを袋内に閉じ込めつつ水蒸気を排出できる。すると、カバーフィルムF2として使用するフィルムに要求される性質として、細孔を形成するという性質は必要なくなる。したがって、印刷特性に優れた透明性の高いフィルムをカバーフィルムF2として使用することも可能となる。更に、印刷適性に優れた透明性の高いカバーフィルムF2に裏印刷を行い、内層フィルム3と貼り合わせれば、印刷の脱落や印刷の転写の防止ができる。つまり、包装袋1に、従来の冷凍食品の外装袋と同等の印刷をすることが可能となるので、多層フィルムFだけで被加熱物Mを包装することも可能となり、商品価値を高める事が出来る。
このように印刷特性に優れた透明性の高いフィルムをカバーフィルムF2として使用した場合には、本実施形態の包装袋1は、電子レンジなどによって調理できるという機能(バーストしない)を有しつつ、良好な印刷特性(鮮明な印刷や印刷の脱落や印刷の転写防止)を有するものとすることができるので、以下のような利点も得られる。
現在の冷凍食品では、通常、鮮明な印刷が施され、かつ気密性を高めた外袋と、被加熱物を簡易包装する内袋によって2重包装されている。このため、外袋から内袋を取り出して、内袋だけを電子レンジに入れて調理しなければならない。
一方、本実施形態の包装袋1では、鮮明な印刷が施され、かつ気密性があり、更にバーストしない機能を有した多層フィルムFの1重包装で形成されているので、買ってきた包装袋のままで電子レンジに入れて調理できるようになる。すると、冷凍食品を調理する消費者の利便性を格段に向上させることができる。
また、現在の冷凍食品では、被加熱物を包装する工程において、被加熱物を内袋に封入する内袋包装工程と、その内袋を、鮮明な印刷が施され、かつ気密性を高めた外袋に封入する外袋包装工程の2工程が必要である。しかし、本実施形態の包装袋1は、鮮明な印刷が施され、かつ気密性を高める事が出来る1重包装であるので、1工程で被加熱物の包装を完了させることができる。すると、冷凍食品の製造において、工程の簡素化と労力の削減ができ、製造コストを低減できるという利点も得られる。
さらに、外層フィルム4におけるカバーフィルムF2の内面(接着剤層BLと接触する面)に印刷を行えば、印刷の脱落や印刷の転写も防止することができる。
(多層フィルムF)
本実施形態の包装袋1は、上述したように、異なる性質を有するフィルムが積層されて形成された多層フィルムFによって形成されたものである。以下では、本実施形態の包装袋1に使用される多層フィルムFについて詳細に説明する。
図4に示すように、多層フィルムFは、細孔形成フィルムF1と、カバーフィルムF2と、細孔形成フィルムF1とカバーフィルムF2の間に設けられた接着剤層BLと、を備えている。
(細孔形成フィルムF1)
細孔形成フィルムF1は、ある程度の伸長性を有し、かつ、細孔形成フィルムF1同士を重ねた状態で加熱すると熱融着する機能(ヒートシール性)を有する素材によって形成されたフィルムである。この細孔形成フィルムF1の素材は、上記性質を有するものであれば、その素材はとくに限定されない。例えば、細孔形成フィルムF1の素材として、ポリオレフィン系樹脂を採用することができる。具体的には、高密度ポリエチレンや中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンを主体とする共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの混合物等を採用することができる。
しかも、細孔形成フィルムF1は、所定の温度以上となっている状態において、その面方向に沿って張力が加わると、表裏を貫通する孔(連通孔h)が形成されるように調整されている。細孔形成フィルムF1に粒状部材や低融点ポリオレフィン樹脂を含有させたり、細孔形成フィルムF1を発泡フィルムとしたりすれば、上記機能を有する細孔形成フィルムF1とすることができる。
なお、上述した所定の温度とは、細孔形成フィルムF1によって包装袋1を形成した状態において、被加熱物Mから発生する水蒸気によって加熱された細孔形成フィルムF1が取りうる温度を意味している。被加熱物Mから発生する水蒸気の温度は、包装袋1内の気圧(内圧)によって変化し、包装袋1内の気圧がどの程度になったときに連通孔hを形成するか(つまり水蒸気を排出するか)は、被加熱物Mをどの程度まで加熱するかによって変化する。したがって、所定の温度は、包装袋1に収容される被加熱物Mに応じて変化し、被加熱物Mが所望の状態まで加熱された際、言い換えれば、包装袋1内の水蒸気を排出するタイミングにおける包装袋1内の水蒸気の温度に近い温度が、上述した所定の温度に相当する。例えば、包装袋1内の水蒸気を排出するタイミングにおける包装袋1内の水蒸気の温度が100℃であれば、所定の温度は、100℃未満の温度であって、100℃に近い温度(例えば90〜99℃程度)が該当する。
また、細孔形成フィルムF1は単層でもよいし、複数層を有していてもよい。
(カバーフィルムF2)
カバーフィルムF2は、細孔形成フィルムF1や後述する接着剤層BLよりも伸張性が小さくかつ耐熱性の高いフィルムである。このカバーフィルムF2は、上記機能を有するものであればよく、その素材や製造方法等はとくに限定されない。例えば、2軸延伸ポリプロピレンや2軸延伸ポリエステル、2軸延伸ポリアミド等のフィルムのように延伸したフィルムなどをカバーフィルムF2として使用することができる。
なお、カバーフィルムF2は、細孔形成フィルムF1同士が熱融着する温度や、接着剤層BLと細孔形成フィルムF1が接着する温度において溶けない程度の耐熱性を有していればよい。例えば、細孔形成フィルムF1の素材が発泡ポリエチレン素材であって、接着剤層BLの素材が粒状部材と低融点ポリエチレンを含有した素材であれば、200℃程度まで溶けないものをカバーフィルムF2の素材として使用することができる。
また、カバーフィルムF2は単層でもよいし、複数層を有していてもよい。複数層にしておけば、外部からの衝撃等に対する耐久性を高めることができる。
(接着剤層BL)
接着剤層BLは、熱接着性樹脂を含有した層であり、細孔形成フィルムF1とカバーフィルムF2を連結する機能を有している。つまり、接着剤層BLの一方の面は、細孔形成フィルムF1と連結され、上述した所定の温度以上となっている状態においても、細孔形成フィルムF1との連結部が解除されない強固な連結強度となっている。一方、接着剤層BLの他方の面は、所定の積層連結強度でカバーフィルムF2と連結されている。例えば、積層連結強度が、非加熱時において0.5〜1.5N/15mm程度となるように、接着剤層BLの他方の面とカバーフィルムF2が連結されている。
更に、この接着剤層BLは、上述した所定の温度以上となっている状態において、その面方向に沿って張力が加わると、多数の連通孔hが形成されるように調整されている。例えば、接着剤層BLは、細孔形成フィルムF1に連通孔hが形成されるタイミングとほぼ同じタイミングで連通孔hが形成されるように調整されている。上記機能を有する接着剤層BLは、例えば、接着剤層BLに粒状部材や低融点ポリオレフィン樹脂を含有させたり、接着剤層BLを発泡フィルムとしたりすることによって形成することができる。
また、接着剤層BLに含有される熱接着性樹脂は、ビカッド軟化点が40℃以上100℃未満のものである。かかるビカッド軟化点の熱接着性樹脂を使用すれば、常温以下の状態では、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度を、接着剤層BLからカバーフィルムF2が容易に剥がれない程度に維持できる。つまり接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度を0.5〜1.5N/15mm程度、接着剤層BLとカバーフィルムF2の剥離部連結強度を1.3〜4.0N/15mm程度に維持できる。しかも、包装袋1が加熱および加圧された際には、適切なタイミングでカバーフィルムF2が接着剤層BLから剥がれるように、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度を低下させことができる。
なお、ビカッド軟化点が40℃未満となると、常温付近でも、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度が弱くなるので、製袋加工中、輸送中、保管中等において、カバーフィルムF2が接着剤層BLから剥がれる可能性がある。一方、ビカッド軟化点が100℃以上となると、包装袋1が加熱されても、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度が弱くならない可能性がある。したがって、接着剤層BLに含有する熱接着性樹脂は、ビカッド軟化点が40℃以上100℃未満のものが好ましく、ビカッド軟化点が50℃以上90℃以下のものがより好ましい。
上記のようなビカッド軟化点を有する熱接着性樹脂としては、ポリオレフィンに極性基がグラフト重合された変性ポリオレフィン樹脂等の種々の接着性樹脂を使用することができる。例えば、三菱化学株式会社製のモディック(登録商標)やデュポン株式会社製のフサボンド(登録商標)や三井化学株式会社製のアドマー(登録商標)等を挙げることができる。
とくに、接着剤層BLは、接着剤層BLの全重量に対する熱接着性樹脂の重量割合が、30〜80重量%となっており、しかも、カバーフィルムF2と接触する面には、コロナ放電処理をしていない状態となっていることが好ましい。このようにすることによって、非加熱時におけるカバーフィルムF2との積層連結強度を、保管中に容易に剥がれない適切な強度、つまりカバーフィルムF2との積層連結強度を0.5〜1.5N/15mmにすることができる。更に、連結部5,10をヒートシールした際のカバーフィルムF2との剥離部連結強度を、製袋加工中、輸送中、保管中等において剥がれない、1.3〜4.0N/15mmに調整することができ、連結部5,10において、接着剤層BLからカバーフィルムF2が剥がれてしまうことを防止することができる。
接着剤層BLにおけるカバーフィルムF2と接触する面にコロナ放電処理がされている場合、表面エネルギーが高くなり、カバーフィルムF2と接着剤層BLの積層連結強度は、包装袋1が加熱および加圧された際でも、強固な連結強度を有することになる。つまり、包装袋1が加熱および加圧された際でも、接着剤層BLからカバーフィルムF2が剥がれなくなる。すると、一定以上の温度と張力が多層フィルムFに加わっても、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLからなる内層フィルム3を露出させることができない。つまり、包装袋1内の内圧が高くなっても、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに多数の連通孔を形成できなくなる。すると、包装袋1の内圧が高まって包装袋1が膨らんだ状態から更に内圧が高くなれば、包装袋1は大きく破裂する。
一方、接着剤層BLにおけるカバーフィルムF2と接触する面にコロナ放電処理をせず、更に接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の割合を30重量%未満にすると、カバーフィルムF2と接着剤層BLの積層連結強度および剥離部連結強度が、非加熱時において弱くなってしまう。具体的には、カバーフィルムF2と接着剤層BLの積層連結強度および剥離部連結強度が、それぞれ0.5N/15mm未満および1.3N/15mm未満と、弱くなってしまい、製袋加工中、輸送中、保管中に、カバーフィルムF2が接着剤層BLから剥がれてしまう恐れがある。
また、接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の割合が80重量%よりも多くなると、接着剤層BLの滑り性が悪くなり、接着剤層BLとカバーフィルムF2をラミネート加工ができない恐れがある。
なお、非加熱時における接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度と、包装袋1が加熱された際における非加熱時における接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度は、接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の重量割合によって変化する。つまり、接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の重量割合が少なくなれば、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度は弱くなり、接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の重量割合が多くなれば、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度は強くなる。したがって、被加熱物Mに合わせて接着剤層BLに含有されている熱接着性樹脂の重量割合を調整して、接着剤層BLとカバーフィルムF2の積層連結強度および剥離部連結強度を調整すれば、被加熱物Mが適切に加熱、加圧され、包装袋1の内部の温度と圧力が適切な状態になった際に、接着剤層BLとカバーフィルムF2を剥離させることが可能となる。
(細孔形成フィルムF1、接着剤層BLについて)
以下では、上述したように、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLを、粒状部材を含むフィルム、低融点ポリオレフィン樹脂を含むフィルム、発泡フィルムとする場合の条件について説明する。
(粒状部材の含有量)
粒状部材を含むフィルムは、フィルムが樹脂と粒状部材で形成されている。つまり粒状部材を含むフィルムで形成した細孔形成フィルムF1や接着剤層BLは、基材となる樹脂(以下基材sという)中に粒状部材pが存在する状態になっているので、粒状部材p間に位置する部分では、基材sの幅や厚みが薄くなっている(図4(C)参照)。このため、所定の温度以上で、所定の張力が、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに加わると、基材s中の幅や厚みが薄くなっている部分が破断して粒状部材pが収容されている空間(発泡フィルムの空隙に相当する)がつながるので、表裏を貫通する連通孔hが形成される。
細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに含有させる粒状部材pの素材や形状、粒径などはとくに限定されない。所定の温度以上で、所定の張力が、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに加わると連通孔hが形成されるように、粒状部材pの素材や形状、粒径を調整すればよい。
例えば、粒状部材pの素材は、基材sに比べて融点が高く変形性が低いものであればよく、とくに限定されない。例えば、粒状部材pとして、炭酸カルシムや、酸化チタン、タルク、炭酸マグネシウムなどの無機物質や、環状オレフィンやポリテトラフルオロエチレンなどの有機物質を挙げることができる。これらの物質で形成された粒状部材pを使用すれば、所定の温度以上で、所定以上の張力が、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに加わった際に、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに確実に連通孔hを形成することができる。とくに、粒状部材pとして無機物質を使用した場合には、有機物質に比べて変形や変質が生じにくいので、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに確実に連通孔hを形成することができる。
また、粒状部材pの形状や粒径もとくに限定されない。例えば、球形や表面に凹凸の有る形状の粒状部材pを使用することができる。また、粒状部材pの粒径も、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLの厚さに比べて十分に小さければよい。例えば、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLの厚さをtとすると、粒状部材pの粒径dは、t/d=5〜50程度であればよい。なお、ここでいう粒径dとは、圧縮空気を用いて、ノズルから測定対象となる粉体を噴射し、空気中に分散させた粉体にレーザー光を照射し、粒径を測定する噴射型乾式測定法によって測定された粒径を意味している。
さらに、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに混合する粒状部材pの量は、粒状部材pの素材やその粒径によって適切な範囲が変動するが、一般的には、以下のような性質を示す。まず、粒状部材pの量が少なくなると、基材s中における粒状部材p(言い換えれば、粒状部材pが収容されている空間)の密度が低くなるので、表裏を連通する連通孔hを適切に形成しにくくなる。一方、粒状部材pの量が多くなると、上述した連通孔hは形成し易くなるが、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLを安定して製造しにくくなる。つまり、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLを製造する際において、延展性が無くなり、フィルムが切れる等の問題が生じやすくなる。したがって、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに混合する粒状部材pの量は、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLの連通孔hの形成や製造や取扱い性を考慮して、適切に設定される。
例えば、細孔形成フィルムF1において、上述したt/d=5〜50となる粒径の炭酸カルシウム等の無機物質を粒状部材pとして使用した場合には、基材sと粒状部材pの合計重量に対して、粒状部材pの量は、20〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%に調整される。より具体的にいえば、細孔形成フィルムF1の製造時において、細孔形成フィルムF1の基材sの原料となる樹脂と粒状部材pの合計重量に対して、粒状部材pが20〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%となるように配合される。粒状部材pが20重量%未満の場合には、十分な数の連通孔hを形成できないので、水蒸気を十分に排出できず、包装袋1が破裂してしまう可能性がある。一方、粒状部材pが60重量%より多くなると、細孔形成フィルムF1を製造する際において、延展性が無くなり、フィルムが切れる等の問題が生じる。したがって、細孔形成フィルムF1において基材sと粒状部材pの合計重量に対して、粒状部材pの量は、20〜60重量%が好ましく、30重量%〜50重量%がより好ましい。
同様に、接着剤層BLにおいて、上述したt/d=5〜50となる粒径の炭酸カルシウム等の無機物質を粒状部材pとして使用した場合には、基材sと粒状部材pの合計重量に対して、粒状部材pの量を20〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%に調整される。より具体的にいえば、接着剤層BLの製造時において、接着剤層BLの基材sの原料となる樹脂と粒状部材pの合計重量に対して、粒状部材pが20〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%となるように配合される。粒状部材pが20重量%未満の場合には、十分な数の連通孔hを形成できないので、水蒸気を十分に排出できず、包装袋1が破裂してしまう可能性がある。一方、粒状部材pが60重量%より多くなると、接着剤層BLを製造する際において、延展性が無くなり、フィルムが切れる等の問題が生じる。
(低融点ポリオレフィン樹脂を含むフィルム)
融点の異なる複数のポリオレフィン樹脂を複数混合して細孔形成フィルムF1や接着剤層BLの基材sの素材としてもよい。この場合、融点の低い樹脂の含有割合が多くなるほど、連通孔hが形成されやすくなるという利点が得られる。例えば、上述した粒状部材を含むフィルムにおいて、基材sを融点が100℃以上のポリオレフィン樹脂から形成し、このポリオレフィン樹脂に、融点が100℃未満の低融点ポリオレフィン樹脂を含有させてもよい。この場合、細孔形成フィルムF1や接着剤層BL内には、ポリオレフィン樹脂中に、低融点ポリオレフィン樹脂が微分散して存在することになる。そして、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに対して熱が加わり、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLにおいて100℃以上の部分が形成されれば、その部分に存在する低融点ポリオレフィン樹脂は、溶融状態となる。すると、粒状部材p間に位置する部分が破断しやすくなるので、連通孔hを安定して形成させることができる。
細孔形成フィルムF1における低融点ポリオレフィン樹脂の混合割合は、とくに限定されない。例えば、低融点ポリオレフィン樹脂は、細孔形成フィルムF1の全重量に対して、5〜70重量%となるように配合するのが好ましく、より好ましくは、5重量%〜45重量%となるように調整する。低融点ポリオレフィン樹脂の配合割合が、70重量%よりも高くなると、被加熱物Mを加熱した際に、細孔形成フィルムF1の基材s全体が溶融し易くなり、細孔形成フィルムF1の基材sに大きな開口が形成される可能性がある。一方、低融点ポリオレフィン樹脂の配合割合が5重量%未満になると、低融点ポリオレフィン樹脂を添加した際の連通孔hが形成されやすくなるという効果を発揮させにくくなる。
接着剤層BLにおける低融点ポリオレフィン樹脂の混合割合は、とくに限定されない。例えば、低融点ポリオレフィン樹脂は、接着剤層BLの全重量に対して、5〜45重量%となるように配合するのが好ましく、より好ましくは、5重量%〜40重量%となるように調整する。低融点ポリオレフィン樹脂の配合割合が、45重量%よりも高くなると、被加熱物Mを加熱した際に、接着剤層BLの基材s全体が溶融し易くなり、接着剤層BLの基材sに大きな開口が形成される可能性がある。一方、低融点ポリオレフィン樹脂の配合割合が5重量%未満になると、低融点ポリオレフィン樹脂を添加した際の連通孔hが形成されやすくなるという効果を発揮させにくくなる。
(発泡フィルム)
発泡フィルムは、フィルムが樹脂と気泡で形成されている。つまり、発泡フィルムで形成した細孔形成フィルムF1や接着剤層BLは、基材s中に空隙bが存在する状態になっているので(図4(B)参照)、空隙b間の部分では、基材sの幅や厚みが薄くなっている。このため、所定の温度以上で、所定の張力が、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLに加わると、基材s中の幅や厚みが薄くなっている部分が破断して空隙bがつながるので、表裏を貫通する連通孔hが形成される。
かかる細孔形成フィルムF1や接着剤層BLを形成する方法は、基材s中に空隙bを独立した状態で分散させることができる方法であれば、とくに限定されない。例えば、アゾジカルボンアミド等の有機系化学発泡剤、炭酸水素ナトリウム等の無機系化学発泡剤、窒素ガス等のガスからなる物理発泡剤、超臨界状態等のガスからなる超臨界ガス発泡等の方法を用いれば、基材s中に所望の大きさを有する空隙bが所望の密度となるように分散した細孔形成フィルムF1や接着剤層BLを製造することができる。
この場合、細孔形成フィルムF1の発泡倍率が、1.1倍〜2.5倍となるように調整することが好ましい。発泡倍率が2.5倍よりも大きくなると、フィルム成形時にフィルム表面にピンホールが生じやすくなり、気密性および液密性を保持させにくくなる。一方、発泡倍率が1.1倍よりも低いと、基材s中の空隙bの密度が小さくなり、空隙b同士の十分な数の連通孔hを形成できないので、水蒸気を十分に排出できず、包装袋1が破裂してしまう可能性がある。したがって、細孔形成フィルムF1の発泡倍率は、1.1倍〜2.5倍が好ましく、1.2〜2.0倍がより好ましい。
また、接着剤層BLの発泡倍率が、1.1倍〜2.5倍となるように調整することが好ましい。発泡倍率が2.5倍よりも大きくなると、フィルム成形時にフィルム表面にピンホールが生じやすくなり、気密性および液密性を保持させにくくなる。一方、発泡倍率が1.1倍よりも低いと、基材s中の空隙bの密度が小さくなり、空隙b同士の十分な数の連通孔hを形成できないので、水蒸気を十分に排出できず、包装袋1が破裂してしまう可能性がある。したがって、接着剤層BLの発泡倍率は、1.1倍〜2.5倍が好ましく、1.2〜2.0倍がより好ましい。
(粒状部材を含むフィルムと発泡フィルムの積層)
また、細孔形成フィルムF1や接着剤層BLは、上述した粒状部材を含むフィルムや低融点ポリオレフィン樹脂を含むフィルム、または発泡フィルムだけで形成された単層のフィルムでもよい。また、これらのフィルムを積層した積層フィルムとしてもよい。とくに、積層フィルムが発泡フィルムを含む場合には、発泡層(つまり発泡フィルム)が断熱層として機能するので、包装体1の断熱性を向上することができる。
(連通孔hの大きさ)
細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに形成される連通孔hの大きさ(孔径)はとくに限定されないが、張力が除去された状態において、容易に液体等の被加熱物が通過しない程度の大きさが好ましい。例えば、細孔形成フィルムF1および接着剤層BLに張力が加わっている状態において、その表面における連通孔hの開口径が30μm以下程度であれば、張力が除去された状態では、液体が通過しにくくなる。
(細孔形成フィルムに関する実験)
まず、フィルムの基材に粒状部材を入れることにより、細孔形成フィルムとなることを確認した。つまり、フィルムの基材に粒状部材を入れることによって、一定以上の温度と張力がフィルムに加わると、フィルムに連通孔を適切に形成できることを確認した。
実験では、粒状部材を含むフィルムを使用して、ピロー包装袋(100mm×100mm)を作製し、その内部に水を20g封入して電子レンジ(500W)で加熱した。そして、包装体の破裂を防止できるか否かを確認した。
フィルムは、以下の樹脂に、粒状部材を混合して形成した。
なお、粒状部材には、以下のものを使用した。
(使用した粒状部材)
80重量%炭酸カルシウムMB(20重量%LLDPE+80重量%炭酸カルシウム、炭酸カルシウム平均粒子径:2.0μm、キャリアレジンLLDPEのMFR(190℃、2.16kg):8.0g/10min))
(1)ポリオレフィン樹脂1
エチレン・プロピレンブロック共重合体(ブロックPP)、MFR(230℃、2.16kg):1.2g/10min、密度:0.900g/cm、融点:163℃
(2)ポリオレフィン樹脂2
α−オレフィン共重合体直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)、MFR(190℃、2.16kg):0.8g/10min、密度:0.956g/cm、融点:135℃
(3)ポリオレフィン樹脂3
α−オレフィン共重合体直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MFR(190℃、2.16kg):0.9g/10min、密度:0.924g/cm、融点:123℃
(4)ポリオレフィン樹脂4
α−オレフィン共重合体直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MFR(190℃、2.16kg):4.0g/10min、密度:0.886g/cm、融点:70℃
結果を表1に示す(図5参照)。
表1に示すように、80重量%炭酸カルシウムMBの添加率を80%よりも少なければ、樹脂の融点に係らず、フィルムとして成形することはできることが確認された。
一方、樹脂の融点が異なれば、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止できる80重量%炭酸カルシウムMBの添加率が異なることが把握できた。
つまり、融点が低いほど、80重量%炭酸カルシウムMBの添加率が少なくても、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止する効果が得られること、つまり、適切な連通孔を形成できることが確認された。
つぎに、炭酸カルシウム以外の粒状部材でも、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、同等の破裂防止効果が得られるか否かを確認した。
実験では、ポリオレフィン樹脂3に、以下の割合で、70重量%タルクMB(30重量%LDPE+70重量%タルク、タルク平均粒子径:3.5μ、キャリアレジンLDPEのMFR(190℃、2.16kg):4.0g/10min)と、環状オレフィン共重合体(MVR(260℃、2.16kg):32.0ml/10min、密度:1.010g/cm、ガラス転移温度:78℃)を混合したフィルムで上記ピロー包装袋を形成して、その内部に水を20g封入して電子レンジ(500W)で加熱した。そして、包装体の破裂を防止できるか否かを確認した。

(1)実験1
1)ポリオレフィン樹脂3:70重量%
2)70重量%タルクMB:30重量%
(2)実験2
1)ポリオレフィン樹脂3:40重量%
2)環状オレフィン共重合体:60重量%
いずれの場合も、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止できることが確認された。つまり、炭酸カルシウムに限らず、タルクや環状オレフィン共重合体でも、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止する効果が得られることが確認された。
フィルムの基材に融点が100℃未満のポリオレフィン樹脂を入れることにより、フィルムに連通孔を形成しやすくなるかを確認した。
実験では、実施例1において、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止できなかった条件(ポリオレフィン樹脂3の添加率80重量%、80重量%炭酸カルシウムMBの添加率20重量%)において、ポリオレフィン樹脂3にポリオレフィン樹脂4を混合した場合において、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止できるか否かを確認した。
ポリオレフィン樹脂3を65重量%、ポリオレフィン樹脂4を15重量%、80重量%炭酸カルシウムMBを20重量%、とした場合、フィルムに連通孔が形成され、一定以上の温度と張力がフィルムに加わった際、フィルムの破裂を防止できることが確認された。
つまり、融点の低い樹脂(100℃以下)を使用することによって、80重量%炭酸カルシウムMBの添加量を少なくしても、連通孔が形成されやすくなり、破裂を防止できることが確認された。
発泡フィルムと粒状部材を含むフィルムを積層にした積層フィルムにすることにより、一定以上の温度と張力がフィルムに加わり、フィルムに連通孔が形成される際、フィルムの膨張状態がどうなるかを確認した。
実験では、以下の積層フィルムを作製し、実施例1と同様にピロー包装袋(実施例3)を形成した。この包装体の電子レンジ中の膨張状況を、粒状部材を含む単層フィルムで形成したピロー包装袋の電子レンジ中の膨張状況と比較した。
積層フィルム
(1)粒状部材を含むフィルム:厚さ40μm
1)ポリオレフィン樹脂3:60重量%
2)80重量%炭酸カルシウム:40重量%
(2)発泡フィルム:厚さ100μm
発泡ポリエチレン(メーカー名:日生化学株式会社製、製品名:HC−10)
(3)接着剤:
ドライラミネート用エステル系接着剤(メーカー名:ロックペイント株式会社製、製品名:RU−77T)
結果は、発泡フィルムと粒状部材を含むフィルムを積層にした積層フィルムで形成したピロー包装袋では、電子レンジ中の包装袋の高さは73mmとなった。
一方、粒状部材を含む単層フィルムで形成したピロー包装袋では、電子レンジ中の包装袋の高さは87mmとなった。
つまり、発泡フィルムと粒状部材を含むフィルムを積層にした積層フィルムで形成したピロー包装袋の方が、粒状部材を含む単層フィルムで形成したピロー包装袋よりも、膨らみが小さくなっていることが確認された。
本発明の多層フィルムを使用して冷凍食品を封入した場合において、包装袋の外観に基づいて、加熱状態を適切に判断できるかを確認した。
実験では、市販されている冷凍うどんを、本発明の多層フィルム、つまり、細孔形成フィルムと接着剤層とカバーフィルムの3層構成の多層フィルムによって形成したピロー包装袋内に封入して、その後、一晩、冷凍庫で冷凍したもの(以下、「再包装うどん」という)を使用した。
実験では、上記の再包装うどんを、食品メーカー指定の調理時間で電子レンジ調理した場合(比較例1)と、細孔形成フィルムと接着剤層の内層フィルムから外層フィルムのカバーフィルムが剥離するまで電子レンジ調理したうどん(実施例4)について、内容物(うどん)の加熱状況を確認した。
なお、実施例4では、目視で、細孔形成フィルムと接着剤層の内層フィルムから外層フィルムのカバーフィルムが剥離し、細孔形成フィルムと接着剤層の内層フィルムが露出する状況となるまで加熱調理を実施した。
包装に使用した本発明の多層フィルムは、以下の内層フィルム(総厚み100μm)と、2軸延伸ポリエステルフィルム(O−PET)(厚み30μm)のカバーフィルムとを、接着剤でドライラミネートし、積層した多層フィルムである。
(1)内層フィルム:総厚み100μm
内層フィルムは、以下の(ア)細孔形成フィルムと(イ)接着剤層を、共押し出しによって積層したものである。

(ア)細孔形成フィルム(発泡倍率2.0倍の発泡ポリエチレン):厚み70μm
・チューブラー法長鎖分岐低密度ポリエチレン(LDPE):添加量55重量%
MFR(190℃、2.16kg):0.25g/10min、密度:0.922g/cm、融点:111℃
・α−オレフィン共重合体直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):添加量42重量%
MFR(190℃、2.16kg):0.9g/10min、密度:0.924g/cm、融点:123℃
・アゾジカルボンアミドの発泡剤MB:添加量3重量%
キャリアレジン:LLDPE、分解ピーク温度:200℃、分解ガス量:150ml/g

(イ)接着剤層(外層フィルムのカバーフィルムと接する面はコロナ放電処理をしていない):厚み30μm
・80重量%炭酸カルシウムMB(粒状部材):添加量29重量%
20重量%LLDPE+80重量%炭酸カルシウムのMB、炭酸カルシウム平均粒子径:2.0μ、キャリアレジンLLDPEのMFR(190℃、2.16kg):8.0g/10min)
・α−オレフィン共重合体直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):添加量33重量%
MFR(190℃、2.16kg):4.0g/10min、密度:0.886g/cm、融点:70℃
・接着性樹脂:添加量38重量%
無水マレイン酸グラフト共重合体、MFR(190℃、21.2N):1.0g/10min、密度:0.910g/cm、融点:70℃

(2)外層フィルム(内層フィルムの接着剤層と接する面はコロナ放電処理している):厚み12μm
2軸延伸ポリエステルフィルム(O−PET)(メーカー名:東洋紡株式会社製、製品名:E5102)

(3)接着剤
ドライラミネート用エステル系接着剤(メーカー名:ロックペイント株式会社製、製品名:RU−77T)
なお、本発明の多層フィルムの内層フィルムにおける接着剤層と外層フィルムにおけるカバーフィルムの積層連結強度(ラミ強度)は0.88N/15mmであり、内層フィルムにおける接着剤層と外層フィルムにおけるカバーフィルムの連結部の剥離部連結強度(ヒートシール強度)は2.60N/15mmである。
また、ラミネート強度は、公知の試験方法(JIS K 6854−3)によって測定した。また、ヒートシール強度は、公知の試験方法(JIS Z 0238)によって測定した。
結果を表2に示す(図6参照)。
表2に示すように、食品メーカー指定の調理時間で電子レンジ調理した比較例1では、内層フィルムの接着剤層から外層フィルムのカバーフィルムが剥離せず、うどんが十分に温度上昇していない部分が確認された。
一方、内層フィルムの接着剤層から外層フィルムのカバーフィルムが剥離するまで電子レンジ調理した実施例4では、うどん全体が十分な温度上昇をしていることが確認された。
つまり、本発明の多層フィルムによってピロー包装袋を形成すれば、内層フィルムの接着剤層から外層フィルムのカバーフィルムが剥離したか否かを確認することにより、被加熱物の加工食品や冷凍食品が適切な状態(最も美味しい状態)に加熱されたことを簡単に把握できることが確認された。
本発明の包装袋は、加工食品や冷凍食品等の電子レンジで加熱する食品等を収容するための包装袋に適している。
1 包装袋
1h 収容空間
3 内層フィルム
4 外層フィルム
5 連結部
10 連結部
F 多層フィルム
F1 細孔形成フィルム
F2 カバーフィルム
M 被加熱物
BL 接着剤層
s 基材
b 気泡(発泡)
p 粒状部材
h 連通孔

Claims (9)

  1. 内部の収容空間内に被加熱物を収容した状態で該被加熱物を加熱し得る包装袋であって、
    該包装袋が、
    細孔形成フィルムと、該細孔形成フィルムの外側に設けられた接着剤層とを有する内側に位置する内層フィルムと、前記内層フィルムよりも伸張性が小さくかつ耐熱性の高いカバーフィルムを有する、前記内層フィルムの外側に位置する外層フィルムと、を備えた多層フィルムによって形成されており、
    前記内層フィルムは、
    一定以上の温度において張力が加わると表裏を貫通する多数の連通孔が形成されるものであり、
    前記接着剤層は、熱接着性樹脂を含有しており、
    前記内層フィルムにおける細孔形成フィルムの内面同士を連結した内面連結部を有する連結部を備えており、
    該連結部における前記外層フィルムと前記接着剤層の剥離部連結強度が、前記内面連結部における前記内層フィルムの細孔形成フィルムの内面同士の内面連結強度よりも弱く、前記連結部以外の部分における前記外層フィルムと前記接着剤層の積層連結強度よりも強くなっている
    ことを特徴とする包装袋。
  2. 前記内層フィルムにおける前記接着剤層に含有されている熱接着性樹脂は、
    ビカッド軟化点が40℃以上100℃未満のものである
    ことを特徴とする請求項1記載の包装袋。
  3. 前記内層フィルムにおける前記接着剤層の全重量に対する熱接着性樹脂の重量割合が、30〜80重量%である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の包装袋。
  4. 前記内層フィルムにおける前記接着剤層において、前記外層フィルムと接触する面は、コロナ放電処理をしていない面である
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の包装袋。
  5. 非加熱時における前記接着剤層と前記外層フィルムの積層連結強度は、0.5〜1.5N/15mmである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の包装袋。
  6. 非加熱時における前記接着剤層と前記外層フィルムの剥離部連結強度は、1.3〜4.0N/15mmである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の包装袋。
  7. 前記内層フィルムにおける前記細孔形成フィルムおよび前記接着剤層は、粒状部材を含有しており、
    前記細孔形成フィルムの全重量に対する前記粒状部材の重量割合は、20〜60重量%であり、
    前記接着剤層の全重量に対する前記粒状部材の重量割合は、20〜60重量%である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の包装袋。
  8. 前記内層フィルムにおける前記細孔形成フィルムおよび前記接着剤層は、
    融点が100℃未満の低融点ポリオレフィン樹脂を含んでおり、
    前記細孔形成フィルムの全重量に対する前記低融点ポリオレフィン樹脂の重量割合は、5〜70重量%であり、
    前記接着剤層の全重量に対する前記低融点ポリオレフィン樹脂の重量割合は、5〜45重量%である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の包装袋。
  9. 前記内層フィルムにおける前記細孔形成フィルムおよび前記接着剤層の発泡倍率は、1.1〜2.5倍である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の包装袋。

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