図1は、本発明に係る画像表示システムの一構成例を示す図である。
図1で例示する画像表示システムは、スキャナ装置1と、複数の情報表示装置(インフォメーションディスプレイ)2a,2b,2c,...とが、LAN(Local Area Network)等の有線/無線のネットワーク3で接続されている。なお、スキャナ装置1は、例えばコピー機や、スキャナ機能を含む複数の機能を有する複合機などに搭載されたスキャナ装置であってもよく、その場合、コピー機や複合機などに設けられた操作パネル等の操作部が以下に説明するスキャナ装置1の操作部11に該当することになる。また、情報表示装置2a,2b,2c,...としては所謂、電子黒板と呼ばれる装置も適用できる。
スキャナ装置1は、その全体を制御する制御部10と、ユーザ操作を受け付ける操作部11と、原稿を光学的に読み取って(スキャンして)その原稿を電子データ化することで、その原稿の画像データを生成する原稿読取部12と、原稿読取部12で生成された画像データを外部に送信する送信部13とを備える。
制御部10は、スキャナ装置1の全体を制御するため、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、及び制御プログラム(本発明に係る画像表示処理におけるスキャン・送信処理を行うプログラムを含む)を記憶した記憶装置などの制御デバイスで構成される。上記のスキャン・送信処理を行うプログラムには、送信先の選択等の送信設定に関するユーザ操作を促すためのGUI(Graphical User Interface)が含まれる。また、この記憶装置としては、フラッシュROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、ハードディスク等が挙げられる。無論、制御部10の一部又は全部を専用のハードウェアで構成することもできる。
操作部11は、ユーザ操作を促すための上記GUIの画像を表示させることが可能となっており、そのために、液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有する。また、操作部11は、ユーザ操作を受け付ける操作キーを有する。操作ボタンはハードウェアキーに限らず、ソフトウェアキーとして設けることができる。ソフトウェアキーとして設ける場合、上記の表示パネルに重ねて又は内蔵してタッチセンサを設け、表示パネルに上記GUIの画像を表示させた状態で、そのタッチセンサでユーザ操作を受け付ければよい。操作部11で受け付けたユーザ操作の内容は制御部10に渡され、制御部10がスキャナ装置1をその内容に従って動作させることになる。
また、操作部11は、原稿読取部12で生成される画像データ(以下、スキャン画像データ)の送信先を上記複数の情報表示装置2a,2b,2c,...の中から1又は複数選択するユーザ操作を受け付ける。つまり、操作部11は、上記ユーザ操作として複数の送信先が1つの操作画面から(1つのGUI画像を表示した状態で)選択可能になっている。送信先は、無論、現在ネットワーク3に接続され、且つ電源が入っている(或いは電源ON指示により電源がONできる)情報表示装置を検索し、その中から選択できるようにしておけばよい。
そして、本発明の主たる特徴として、操作部11は、選択された送信先が複数である場合について、選択された全ての送信先に対して上記画像データの全ページのデータを送信するか、選択された全ての送信先のそれぞれに上記画像データをページ単位で分配したデータを送信するか、を指定するユーザ操作を受け付ける。このように操作部11ではデータ送信方法(以下、送信方法)の選択が可能となっている。
なお、このような送信方法の選択等のユーザ操作の受け付けは、スキャン画像データを得る前に行うこと(つまりこのユーザ操作を受け付けた後にスキャンを実行すること)が好ましく、以下の例ではそのような例を挙げる。但し、スキャン画像データを得た後に(或いはスキャナ装置1の図示しない記憶部に格納されたスキャン画像データを読み出して)、このようなユーザ操作や他の送信設定に関するユーザ操作を受け付けてもよい。
そして、送信部13は、操作部11で選択された1又は複数の送信先に原稿読取部12で生成されたスキャン画像データを送信する。このとき、送信部13は、操作部11で指定されたデータの送信を実行する。より具体的には、送信部13は、操作部11で指定された送信方法に従って、各送信先へのデータを作成するようにスキャン画像データを加工し、作成したデータを対応する送信先に送信する。送信部13は、ネットワークアダプタなどで構成される。このように、操作部11は、スキャン画像データの送信先を複数選択すること、並びに送信方法を指定することが可能になっており、送信部13は、操作部11で複数の送信先が選択された場合、選択された複数の送信先に指定された送信方法でスキャン画像データを送信する。このときブロードバンド配信などによって、同時に送信すればよい。
一方で、情報表示装置2aは、制御部20、受信部21、表示部22、及び操作部23を備える。以下、情報表示装置2aについて説明するが、他の情報表示装置2b,2c,...の構成についても情報表示装置2aと同様である。
制御部20は、情報表示装置2aの全体を制御するため、CPU又はMPU、作業領域としてのRAM、及び制御プログラム(本発明に係る画像表示処理における受信・表示処理を行うプログラムを含む)を記憶した記憶装置などの制御デバイスで構成される。また、この記憶装置としては、フラッシュROM、EEPROM、ハードディスク等が挙げられる。無論、制御部20の一部又は全部を専用のハードウェアで構成することもできる。また、操作部23は、情報表示装置2aで各種のユーザ操作を受け付け、制御部20がそれに応じた処理を実行するように制御する。
送信部13で送信されたスキャン画像データを受信した情報表示装置(例えば情報表示装置2a,2b)は、このスキャン画像データを表示する。スキャン画像データの受信は受信部21が実行し、スキャン画像データの表示は表示部22が実行する。受信部21はネットワークアダプタなどで構成され、表示部22は液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのパネルで構成される。ここで、情報表示装置2a,2bは、現在表示中の画面ページの画面用データとして、受信したスキャン画像データを表示してもよいし、例えば次の画面ページなどの画面用データとして、受信したスキャン画像データを記憶するなどにより、操作部23で受け付けたページ送り(めくり)操作などで表示ができる状態にするだけでもよい。
このように、スキャナ装置1では、複数枚の原稿をスキャンして電子化して、その電子化データ(スキャン画像データ)を複数の情報表示装置に送信する際、ユーザが例えば情報表示装置の使用台数や使用状況(送信可能な情報表示装置をどのような位置に設置しているか、どのように使用しているかなど)に合わせて送信先を決めて送信することが可能になっている。
スキャナ装置1では、送信可能な情報表示装置から所望の送信先を選択し送信できるだけでなく、送信方法の指定を行うことができ、情報表示装置2a等では、送信されたスキャン画像データを表示できる。これにより、情報表示装置毎に個々に送信操作を行うより手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。つまり、本発明に係る画像表示システムによれば、スキャンして得たスキャン画像データを、簡単な操作で、望む情報表示装置に送信し表示させることができる。
次に、図2〜図10を参照しながら、主にスキャナ装置1の制御部10の制御により実行される上記スキャン・送信処理の具体例を説明する。図2は、図1の画像表示システムにおけるスキャン・送信処理の一例を説明するためのフロー図である。また、図3〜図6は、図2のスキャン・送信処理でスキャナ装置に表示させる一連のGUI画像の一例を示す図である。また、図7〜図10は、図2のスキャン・送信処理で送信されたスキャン画像データの情報表示装置での表示例を示す図である。
まず、スキャナ装置1の制御部10は、操作部11からスキャン・送信処理を行うユーザ操作を受け付けたとき、操作部11の表示パネルに図3のGUI画像31を表示させる。GUI画像31は、スキャン画像データが送信可能な情報表示装置を検索した結果の一覧31aを含み、その一覧31aから送信先の情報表示装置を選択するユーザ操作を促すものである。
ここで、送信先の指定は事前にアドレス帳などに登録してある中(好ましくは電源がONの情報表示装置の中)から選択したり、IP(Internet Protocol)アドレスを入力して行うことも可能である。なお、電源がOFFの情報表示装置に結果的に送信した場合には送信エラーとして「電源をONして下さい」などといった通知を行うとよい。
一覧31aには各情報表示装置(ここでは情報表示装置1,2,3,4,5,...)に対してチェックボックスが用意されており、ユーザは送信先として選択する1又は複数の情報表示装置の横のチェックボックスを選択することで、1又は複数の送信先が選択できるようになっている。また、GUI画像31には、いずれかのチェックボックスにチェックが入った段階で、次のGUI画像(後述の図4のGUI画像32又は図5のGUI画像33)に遷移させるための「次へ」キー31bが選択可能に表示される。
ユーザが操作部11で一覧31aの中から送信先を選択してそのチェックボックスにチェックを入れると、操作部11は、チェックの入ったチェックボックスに対応する送信先が選択されたことを受け付けて制御部10に伝える(ステップS1)。なお、GUI画像31に限らず、操作部11はスキャン画像データの送信先が複数選択できるようになっていればよい。
次に、ユーザが「次へ」キー31bを押下した段階で、制御部10は、ステップS1で選択された送信先が1台か否かを判定する(ステップS2)。ステップS2でNOの場合、つまり選択された送信先が複数である場合、操作部11はその表示パネルに図4のGUI画像32を表示させる。GUI画像32には、次のような送信方法の選択肢32aが含まれている。
選択肢32aは、ステップS1で選択された全ての送信先に対してスキャン画像データの全ページのデータを送信するか、ステップS1で選択された全ての送信先のそれぞれに、スキャン画像データをページ単位で分配した(分割した)データを送信するか、を指定するユーザ操作を受け付けるようになっている。ユーザは、選択肢32aのチェックボックスにチェックを入れることでいずれかの選択肢を指定することができる。
また、GUI画像32には、次のGUI画像(後述の図5のGUI画像33)に遷移させるための「次へ」キー32cと、前のGUI画像31に遷移させための「戻る」キー32dが選択可能に設けられている。ユーザが操作部11で選択肢32aのいずれかのチェックボックスにチェックを入れて選択肢を指定すると、操作部11は、チェックの入ったチェックボックスに対応する選択肢が選択(指定)されたこと(送信方法選択操作)を受け付けて制御部10に伝える(ステップS3)。なお、選択肢32aにはユーザに具体的にどのように送信されるかを例示するための送信例も記載している。また、ユーザが「次へ」キー32cを押下すると、操作部11がその表示パネルに図5のGUI画像33を表示させる。なお、ユーザにより「戻る」キー32dが押下された場合には、その旨を操作部11が制御部10に伝えてGUI画像31を表示させればよい。
なお、選択肢32aとしては上述した2つの選択肢に限らず、他の選択肢を同時に示しておいてもよい。他の選択肢の一例を挙げると、3つ以上の送信先であった場合、1つの送信先についてはスキャン画像データの全ページのデータを送信し、残りの送信先についてはスキャン画像データをページ単位で分配したデータを送信するような処理を選択するための選択肢が挙げられる。
また、GUI画像32に限らず、操作部11は上述のような送信方法の指定を行うユーザ操作が受け付け可能となっていればよい。なお、ステップS1における送信先の選択だけで、予め定められた送信方法に従って後述のステップS8,S9を実行するようにすることもできる。
また、GUI画像32は次のような選択肢32bを含むことが好ましい。選択肢32bは、スキャン画像データをページ単位で分配したデータを送信する場合(選択肢32aのうち下側が選択された場合)、操作部11によりスキャン画像データの分配規則を指定するユーザ操作を受け付けるようになっている。ユーザは、選択肢32bのチェックボックスにチェックを入れることでいずれかの選択肢を指定することができる。選択肢32bを設けた場合には、ステップS3において、操作部11は選択肢32bのうちチェックの入ったチェックボックスに対応する選択肢が選択(指定)されたことも受け付けて制御部10に伝えればよい。無論、選択肢32bに限らず、操作部11は上述のような分配規則の指定を行うユーザ操作が受け付け可能となっていればよい。
ステップS3に続いて、並びにステップS2でYESの場合には、操作部11は、その表示パネルに図5のGUI画像33を表示させる。GUI画像33には、送信先の表示部22の1画面あたりの表示ページ数(つまり表示部22の1画面あたりにスキャナ装置1が送信する送信ページ数)を選択するための選択肢33aが含まれている。ここでは、選択肢33aとして、表示ページ数を1ページ、2ページ、4ページの中から選択するための選択肢が表示された例を挙げている。ユーザは、選択肢33aのチェックボックスにチェックを入れることでいずれかの選択肢を指定することができる。
また、GUI画像33にも、次のGUI画像(後述の図6のGUI画像34)に遷移させるための「次へ」キー33bと、前のGUI画像32に遷移させための「戻る」キー33cが選択可能に設けられている。ユーザが操作部11で選択肢33aのいずれかのチェックボックスにチェックを入れて選択肢を指定すると、操作部11は、チェックの入ったチェックボックスに対応する選択肢が選択(指定)されたこと(1画面表示ページ数選択操作)を受け付けて制御部10に伝える(ステップS4)。また、ユーザが「次へ」キー33bを押下すると、操作部11がその表示パネルに図6のGUI画像34を表示させる。なお、ユーザにより「戻る」キー33cが押下された場合には、その旨を操作部11が制御部10に伝えてGUI画像32を表示させればよい。
また、GUI画像33の例に限らず、操作部11は、ステップS1で選択された送信先に対して1画面で表示させる表示ページ数を指定するユーザ操作を受け付けることが可能に構成されていればよい。但し、表示ページ数の指定は必須ではなく、予め定められた例えば「1画面あたり1ページ」で送信するようにしておけばよい。なお、予め送信方法を決めておくなどすればステップS3の処理を行うことなく、このような表示ページ数の指定処理を行うように構成することもできる。
なお、GUI画像33における1画面あたりの送信ページ数の選択については、スキャナ装置1だけでなく、情報表示装置2a上でもスキャン画像データが送信されてきた場合のデフォルト値として操作部23により予め選択可能に構成することが望ましい。また、このデフォルト値は、スキャン画像データの表示後にも操作部23で変更可能に構成することが望ましい。
ステップS4に続いて、操作部11は、上述のように「次へ」キー33bが押下された場合、その表示パネルに図6のGUI画像34を表示させる。GUI画像34には、スキャン画像データを送信先の表示部22における使用中画面ページや使用済み画面ページに表示させることを許可するか許可しないかを、選択するための選択肢34aが含まれている。使用中画面ページとは、送信先で現在表示中の画面を指す。使用済み画面ページとは、ページ送り操作などにより送られて現在は表示中ではないが、ページ戻し操作などにより表示させることが可能な画面(つまり表示可能な状態で使用中の画面)を指し、ページ戻し操作や送り操作などに対応して表示可能とするためには、図示しないメモリにその画面用のデータを格納しておけばよい。
ここで、許可しない場合には、未使用の画面に表示させることを許可しておけばスキャン画像データの表示は可能となる。例えば、情報表示装置2aが画面用のデータとして10ページ分だけ保持しており、そのうち1〜3ページを既に使用している場合、未使用の画面ページは4〜10ページとなるため、これらのページへの表示が許可されている場合には、スキャン画像データは情報表示装置2aにおける4〜10ページの画面用のデータとして送信することができる。無論、許可する場合にも、未使用の画面に表示させることを容認しておく。
ユーザは、選択肢34aのチェックボックスにチェックを入れることでいずれかの選択肢を指定することができる。ユーザが操作部11で選択肢34aのいずれかのチェックボックスにチェックを入れて選択肢を指定すると、操作部11は、チェックの入ったチェックボックスに対応する選択肢が選択(指定)されたこと(使用中画面表示選択操作)を受け付けて制御部10に伝える(ステップS5)。
また、GUI画像34には、スキャンを開始するための「スキャン開始」キー34bと、前のGUI画像33に遷移させための「戻る」キー34cが選択可能に設けられている。
ステップS5に続き、ユーザが「スキャン開始」キー34bを押下したか否かを制御部10が判定し(ステップS6)、押下した場合(YESの場合)、制御部10の制御により原稿読取部12がスキャンを開始してスキャン画像データの生成を行う(ステップS7)。なお、ユーザにより「戻る」キー34cが押下された場合には、その旨を操作部11が制御部10に伝えてGUI画像33を表示させればよい。
また、GUI画像34の例に限らず、操作部11は、ステップS1で選択された送信先に対して、送信先で現在表示中の画面(若しくは表示可能な状態で使用中の画面)の少なくとも一部に重ねるための画面用のデータとして、データの送信を許可するか、許可しないか、を選択するユーザ操作を受け付けることが可能に構成されていればよい。少なくとも一部に重ねるとは、全部に重ねる場合、つまりスキャン画像データでその画面を差し替える場合も含む。但し、このような選択は必須ではなく、予め定められた例えば「許可しない」ようにしておけばよい。なお、予め送信方法を決めておくなどすればステップS3の処理を行うことなく、このような送信の許可/不許可の選択処理を行うように構成することもできる。
なお、GUI画像34における使用中/使用済み画面への表示許否の選択については、スキャナ装置1だけでなく、情報表示装置2a上でもスキャン画像データが送信されてきた場合のデフォルト値として操作部23により予め選択可能に構成することが望ましい。
以上のようにして、スキャン画像データの送信設定(つまり情報表示装置2a上での表示設定)をスキャナ装置1で行う。なお、ステップS3〜S5の順序は問わないが、図2の処理手順と同様に送信先が1台のときには送信方法の選択は不要である。また、スキャン開始キーは少なくとも最後に表示させるGUI画像に表示させていれば、他のGUI画像に表示させていてもよく、これにより設定が省略されたGUI画像については予め定められた設定とすればよい。また、操作部11における表示パネルが十分広いものであれば、図3〜図6のGUI画像31〜34のうち複数を1つのGUI画像にまとめて表示させてもよい。
送信部13が送信設定に従ってデータを送信先に送信することになるが、そのために必要に応じてスキャン画像データを加工する必要がある。よって、ステップS7に続き、制御部10は、ステップS7で原稿読取部12から得たスキャン画像データをそのまま送信する場合以外については、スキャン画像データの加工を行う(ステップS8)。その後、送信部13が各送信先に、ステップS8で加工したスキャン画像データ(またはステップS7で得たスキャン画像データ)の送信を行う(ステップS9)。
ステップS8での加工の必要性や加工の方法は、図4〜図6のGUI画像32〜34での送信設定に基づいて決まるものであり、以下に説明する。
まず、送信部13は、ステップS3で受け付けた指定操作に基づき、各送信先に対してデータの送信を実行する。そのため、ステップS3で「情報表示装置毎に全ページ送信」する選択肢が選ばれている場合には、制御部10は加工を行わず、送信部13にステップS1で選択された送信先の全てに全ページ送信するように指示する。一方で、ステップS3で「各情報表示装置に分配して送信」する選択肢が選ばれている場合には、制御部10は、ステップS7で得たスキャン画像データをページ単位で分割して、送信先に振り分け(分配し)、その振り分けに従った送信を送信部13に指示する。
分配の方法は、選択肢32bでの選択結果に基づき決めればよい。選択肢32bは分配規則を複数の中から選択するために設けられており、そこでスキャン画像データの分配規則が指定された場合、送信部13は、各送信先に対し、操作部11で指定された分配規則に従って分配を行い、各送信先にデータの送信を実行すればよい。図4のGUI画像32では、分配規則として「指定ページ数毎に分配して送信」する、或いは「部分毎に分配して送信」する、の2つから選択する例を挙げている。
選択肢32bから「部分毎に分配して送信」する選択肢が選ばれている場合において、図4で図示したように、ステップS1で情報表示装置が3台選択されていて、ステップS7で得たスキャン画像データが8ページからなるデータであった場合(且つステップS4で画面あたり1ページ表示すると設定されていた場合)を想定する。この場合には、第1の情報表示装置に対して1ページ、2ページ、3ページが送信され、第2の情報表示装置に対して4ページ、5ページ、6ページが送信され、第3の情報表示装置に対して7ページ、8ページが送信される。以下、第1,第2,第3の情報表示装置をそれぞれ情報表示装置2a,2b,2cとする。例えば、原稿枚数が同じで内容が異なる情報を順に並べてスキャンし、学校内の別の場所に設置した情報表示装置2a,2b,2cに送信し、各情報表示装置2a,2b,2cが受信して表示する処理を行うことで、それぞれ1年生、2年生、3年生の生徒に情報を伝えるような場面で利用できる。
「部分毎に分配して送信」する他の例を図7で挙げる。ステップS1で2台の情報表示装置2a,2bが選択されていて、ステップS7で得たスキャン画像データが6ページからなるデータであった場合且つステップS4で画面あたり1ページ表示すると設定されていた場合を想定する。この場合には、情報表示装置2aに対して1ページ、2ページ、3ページが送信され、情報表示装置2bに対して4ページ、5ページ、6ページが送信され、最初は情報表示装置2aの表示部22に1ページ(i)が表示され、情報表示装置2bの表示部に対して4ページ(iv)が表示されることになる。
選択肢32bから「指定ページ数毎に分配して送信」する選択肢が選ばれている場合において、図4で図示したように、ステップS1で情報表示装置が3台選択されていて、ステップS7で得たスキャン画像データが8ページからなるデータであった場合(且つステップS4で画面あたり1ページ表示すると設定されていた場合)を想定する。この場合には、情報表示装置2aに対して1ページ、4ページ、7ページが送信され、情報表示装置2bに対して2ページ、5ページ、8ページが送信され、情報表示装置2cに対して3ページ、6ページが送信される。これにより、情報表示装置2a,2b,2cを横に並べて設置していた場合、1〜3ページが一度に表示でき、各情報表示装置2a,2b,2cでページめくりを行うことで、次に4〜6ページが一度に表示でき、各情報表示装置2a,2b,2cでページめくりを行うことで、次に7,8ページ及び新規ページが一度に表示できる。
なお、各情報表示装置2a,2b,2cでページめくりを行うのではなく、1つの情報表示装置(例えば情報表示装置2b)でページめくりを行った場合に他の情報表示装置(例えば情報表示装置2a,2c)もその操作に連動してページめくりがなされるような構成を採用することもできる。
「指定ページ数毎に分配して送信」する他の例を図8で挙げる。ステップS1で2台の情報表示装置2a,2bが選択されていて、ステップS7で得たスキャン画像データが6ページからなるデータであった場合且つステップS4で画面あたり1ページ表示すると設定されていた場合を想定する。この場合には、情報表示装置2aに対して1ページ、3ページ、5ページが送信され、情報表示装置2bに対して2ページ、4ページ、6ページが送信され、最初は情報表示装置2aの表示部22に1ページ(i)が表示され、情報表示装置2bの表示部に対して2ページ(ii)が表示されることになる。
図7及び図8で説明したように、送信先の情報表示装置が2台の場合、1台目に前半ページのスキャン画像データを送信し且つ2台目に後半ページを送信したり、1台目に奇数ページのスキャン画像データを送信し且つ2台目に偶数ページを送信したりすることができる。このようにして、使用する情報表示装置をどのように配置したり利用したりするかによって様々な活用ができる。そしてこのような場合でも簡単な操作だけで情報表示装置に振り分けて送信し表示させることができる。
ステップS4で指定されたページ数が1ページであることを前提に例を挙げたが、送信部13は、ステップS4において操作部11で指定されたページ数毎に、異なる画面用のデータとしてデータの送信を行う。つまり、送信部13は、指定されたページ数が複数の場合でも、選択肢32bでの選択結果に従って、指定されたページ数単位で異なる画面用のデータとして送信を行う。この場合、ページ数の指定により、情報表示装置に対して指示する倍率とページ配置を選択できるようになっている。ページ数が指定されると予め決まった倍率、ページ配置でその指定されたページ数が表示できるような画面用のデータが、スキャン画像データの分割により生成され、情報表示装置ではその画面用のデータ単位で表示がなされる。
例えば、「指定ページ数毎に分配して送信」する場合には、制御部10の制御により、送信部13は、スキャナ画像データの全ページをページ順に上記ページ数毎に分割し、このようにして分割された複数のデータを、異なる画面用のデータであることが分かるようなフラグ(例えば画面番号を示す情報)を付すなどして送信先に送信する。2台の情報表示装置2a,2bに指定されたページ数(2ページ)毎に分配して送信する場合には、図9で例示したように、情報表示装置2aの表示部22に1ページ(i)と2ページ(ii)とが集約されて表示され、情報表示装置2bの表示部22に3ページ(iii)と4ページ(iv)とが集約されて表示されることになる。情報表示装置2aには5ページ(v)と6ページ(vi)も画面用のデータとして送信され、ページ送り操作により表示が可能となっている。
一方で、「部分毎に分配して送信」する場合にも、制御部10の制御により、送信部13は、上述したようにスキャナ画像データの全ページをページ順に上記ページ数毎に分割し、このようにして分割された複数のデータを、異なる画面用のデータであることが分かるようなフラグを付すなどして送信先に送信する。例えば2台の情報表示装置2a,2bに指定されたページ数(2ページ)で送信する場合には、2ページ単位で1つの画面用のデータとして送信され、図10で例示したように、情報表示装置2aの表示部22に1ページ(i)と2ページ(ii)とが集約されて表示され、情報表示装置2bの表示部22に4ページ(iv)と5ページ(v)とが集約されて表示されることになる。情報表示装置2aには3ページ(iii)と白紙のページとが異なる画面用のデータとして送信され、ページ送り操作により表示が可能となっている。情報表示装置2bには6ページ(vi)と白紙のページとが異なる画面用のデータとして送信され、ページ送り操作により表示が可能となっている。
情報表示装置は各画面用のメモリ領域の制限により表示可能画面ページ数に限りがあるが、上述のようにページ数を複数に指定することを可能にすることで、各画面用のメモリ領域を有効に使用することができる。また、情報表示装置では、複数の画面を指定されたページ数単位でページ送りにより切り替えることもできる。
以上の表示方法では、情報表示装置で送信前に画面が表示されているか否かに拘わらず、送信した画面用のデータを表示させた例を挙げたが、表示方法はステップS5での選択結果に基づいて選択される。
つまり、送信部13は、ステップS5において操作部11で選択された画面用のデータとして、データの送信を行う。スキャン画像データを送信先の表示部22における使用中画面ページや使用済み画面ページに表示させることを許可する場合には、例えば現在表示中の画面に差し替えて表示させるようなフラグを立てて画面用のデータを生成して送信先に送信する。代わりに、例えば現在表示中の画面の次の画面に差し替えて表示可能なように画面用のデータを生成して送信してよいし、現在表示中の画面に重ねるように表示させるように画面用のデータを生成して送信してもよい。一方で、許可しない場合には、新規の画面用のデータ(未使用ページの画面用のデータ)に表示させるようなフラグを立てて画面用のデータを生成して送信先に送信すればよい。
このような処理により、情報表示装置で既に使用中の表示画面がある場合、スキャン画像データを表示させる画面を使用中の表示画面と未使用の新規の画面からユーザが選んで、スキャン画像データの送信を行うことができる。使用中の表示画面ページも使用できるため、情報表示装置の有効な活用ができる。
なお、以上の説明では、スキャナ装置1から情報表示装置2a,2b,2c,...に送信する画面用のデータや原稿読取部12で生成したスキャン画像データ自体のファイル名について記載しなかった。しかし、これらのファイル名はスキャナ装置1が連番で付せばよく、例えば一連の原稿についてはそれが一連の原稿であることが分かるように共通の文字列又は数字列を用いると共に、ページ番号もファイル名に組み込むとよい。また、スキャナ装置1は、ページ毎に振り分けたスキャン画像データの他に、後の使用を考慮して全てのページを含むスキャン画像データを、情報表示装置2a,2b,2c,...のうち所定の1台に保存用に送信するようにしておいてもよい。
以上、本発明に係る画像表示システムについて説明したが、その処理手順について説明したように、本発明は、スキャナ装置と複数の情報表示装置とがネットワークを介して接続された画像表示システムにおける画像表示方法としての形態もある。
この画像表示方法は、次の生成ステップ、操作ステップ、送信ステップ、及び表示ステップを有し、主に画像表示システムについて説明したようにスキャン画像データの送信方法に特徴を有する。生成ステップは、スキャナ装置が、原稿を読み取りその原稿の画像データ(スキャン画像データ)を生成するステップである。操作ステップは、スキャナ装置が、生成ステップで生成されるスキャン画像データの送信先を複数の情報表示装置の中から選択するユーザ操作を受け付けるステップである。送信ステップは、スキャナ装置が、操作ステップで選択された送信先に生成ステップで生成されたスキャン画像データを送信するステップである。表示ステップは、送信ステップで送信されたデータを受信した情報表示装置が、受信したスキャン画像データを表示するステップである。そして、操作ステップは、選択された送信先が複数である場合について、選択された全ての送信先に対して画像データの全ページのデータを送信するか、選択された全ての送信先のそれぞれに画像データをページ単位で分配したデータを送信するか、を指定するユーザ操作を受け付け、送信ステップは、操作ステップで指定されたデータの送信を実行する。その他の応用例や効果については、画像表示システムについて説明した通りであり、その説明を省略する。
また、本発明は、上記の画像表示方法における上記生成ステップ、操作ステップ、及び送信ステップをスキャナ装置側の制御部に実行させるためのプログラム(つまり上記のスキャン・送信処理を行うプログラム)としての形態や、上記の画像表示方法における上記表示ステップを情報表示装置側の制御部に実行させるためのプログラム(つまり上記の受信・表示処理を行うプログラム)としての形態も採り得る。上記のスキャン・送信処理を行うプログラムは、図2や図10でその処理手順を例示したものであって、上記の受信・表示処理を行うプログラムは、図2や図10の処理の後の処理として例示したものである。これらのプログラムが連携することで、本発明に係るスキャン画像の表示機能を実現できる。
また、本発明は、これらのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も採り得る。この記録媒体としては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)、Universal Serial Bus(USB:登録商標)メモリ等の可搬の記録媒体が挙げられる。この形態では、各プログラムを上記の記録媒体から各制御部で読み出して実行することで、もしくは上記の記録媒体から各制御部で読み出して制御部の記憶装置に格納しておいてその記憶装置から読み出して実行することで、本発明に係るスキャン画像の表示機能を実現できる。