JP6060336B2 - 籾殻灰の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、籾殻から籾殻灰を製造する方法に関し、特に農作物肥料として有効で目視判別が容易な籾殻灰を手間なく製造する方法に関するものである。
籾殻のミネラル成分の内、90%以上が非晶質のケイ酸成分である。そして、非晶質のケイ酸は、溶解性が高いため、水稲などの農作物の肥料として有効な成分である。なお、ケイ酸は、土壌中に豊富に含まれているが、これらはもともと不溶性であり、農作物肥料としての価値が低いものである。
籾殻は、精米時に大量に発生するが、これを大型の焼成炉で燃焼させると、炉内温度が800℃を超える高温になってしまい、これによってケイ酸成分が結晶化して不均一に固まってしまう。従って、得られた籾殻灰は、不均一に固まって溶解性の低いケイ酸が主成分となり、農作物肥料としての価値が低いものとなってしまう。また、このケイ酸の結晶化が籾殻の完全燃焼の阻害要因ともなり、得られた籾殻灰は未燃焼の有機質成分が残留したものとなる。
水稲肥料としての価値が高い籾殻灰を得るために、炉内温度を450〜800℃に調整するとともに、空気量や灰自体の温度等の焼成条件を調整して、籾殻を灰化する肥料化法が提案された(特許文献1参照)。この肥料化法によって得られる籾殻灰は、多孔質構造の水溶性に優れた非晶質のケイ酸を90%以上含む灰なので、水稲肥料としての価値が高い。
上記肥料化法を実現する装置としては、例えば、炉内温度の調整機構を備え、籾殻を流動させながら、400〜800℃の低温で焼成し、非晶質の籾殻灰を製造するものがある(特許文献2参照)。
また、非晶質のケイ酸を得ることに関しては、籾殻、稲藁、バガス、または鋸屑を、爆砕処理または蒸煮処理したあと、550〜900℃の低温に保って灰化する製造法も提案された(特許文献3参照)。
さらにまた、コンクリート原料の製造分野では、ポゾラン活性の高い籾殻灰を得るために、焼成炉内に堆積させた籾殻の下側から強制送風する風量を調整することによって炉内温度を調整する機構を備え、上記籾殻を上面から下面に向けて炭化させる際には、大気の強制送風により炉内温度を制御し、そのあとに下面から上面に向けて灰化焼成する際には、大気と排気ガスの混合気を強制送風して炉内温度を制御することにより、上記籾殻を600〜900℃の適温で燃焼させるものがある(特許文献4参照)。
特開2006−111480号公報 特開2006−112687号公報 特開平11−323752号公報 特開平9−255964号公報
しかしながら上記従来の技術においては、炉内温度の制御機構が必要であり、装置が大型なものとなるので、農家個人が自身の田畑で使用するには適さないという課題があった。また、籾殻の灰化には時間がかかるので、炉内温度を監視しながら手動で温度調整機構を操作することは現実的でない。
籾殻は独特の容姿を有していることが特徴であり、籾殻灰はその他の植物の灰よりもケイ酸の含有率が高いことが特徴であるため、籾殻灰と他の植物灰とを容易に目視判別できるようにするためには、籾殻の容姿を有したままの籾殻灰を得ることが望ましい。しかし、一般に植物灰は脆いものであり、得られた灰が流動焼成や強制送風によって粉砕されてしまったものであると、原料植物が判りにくくなる。上記従来の技術では、得られた灰が籾殻灰であるのか否かを容易に目視判別することが困難である場合が多々ある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、農作物肥料として有効で目視判別が容易な籾殻灰を手間なく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の籾殻灰の製造方法は、空気を自然送気するための空気導入部および排煙を自然排気するための煙突が設けられて静止配置された焼き窯内に充填された籾殻を、炭化させたあとに続けて灰化させる籾殻灰の製造方法であって、前記空気導入部による炭化時送気条件および前記煙突による炭化時排気条件を固定したまま、前記籾殻を天側の最上層から下層に向けて層順次に炭化して燻炭とする手順と、前記籾殻の最下層が炭化したら、前記空気導入部による灰化時送気条件および前記煙突による灰化時排気条件を固定したまま、前記燻炭を最下層から上層に向けて層順次に灰化する手順とを含み、前記空気導入部が、前記籾殻および前記燻炭の底側に前記空気を自然送気するものであり、前記煙突が、前記籾殻および前記燻炭の天側からの前記排煙を自然排気するものであり、前記灰化時送気条件が、前記空気導入部の送気開口を前記炭化時送気条件よりも狭くしたものであり、前記灰化時排気条件が、前記炭化時排気条件と同じであることを特徴とするものである。
本発明の第2の籾殻灰の製造方法は、上記第1の籾殻灰の製造方法において、前記灰化時送気条件および前記灰化時排気条件が、前記燻炭の上面表層に未灰化層を残して、この上面表層の直下までを灰化させるものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、窯内温度の監視および制御をしなくとも、籾殻を500℃以下の低温で炭化して略籾殻の容姿のまま燻炭とし、この籾殻燻炭を800℃以下の低温で略籾殻の容姿のまま灰化することができるので、農作物肥料として有効で目視判別が容易な籾殻灰を手軽に作ることができるという効果がある。
本発明を実施するための籾殻灰製造装置の全体構成を説明する図である。 本発明においての未灰化部分の実物写真の一例である。 本発明によって得られた籾殻灰の実物写真の一例である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ、以下に詳細に説明する。
図1は本発明を実施するための籾殻灰製造装置の全体構成を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面(天面)図である。この籾殻灰製造装置は、焼成窯100と、焼成窯支持機構200と、天蓋300と、煙突400と、煙突支柱500と、木酢液収容器600とを備えている。
焼き窯100は、天側(上側)が開口された略円筒型の例えばステンレス鋼製あるいは鉄製の焼き窯本体110と、グリッド板120と、空気導入部130と、複数のフック140(140a,140b,140c,140d)とによって構成されている。この焼き窯100は、焼き窯支持機構200によって、焼き窯本体110の円筒中心軸が略垂直方向となるように、中空に固定されて静止配置されている。
焼き窯本体110の内部にはグリッド板120が張設されており、このグリッド板120によって、焼き窯本体110の内部は、底側(下側)の空気導入室と、天側の焼き室とに分割されている。
焼き窯本体110の底面に近い側面部位には、上記空気導入室に通じる略角筒型の空気導入部130が設けられている。この空気導入部130は、その突端に設けられた蓋を開けて所定の位置に固定することにより、上記空気導入室およびグリッド板120を介して、上記焼き室内に空気(大気)を自然送気する役目を担っている。
天蓋300は、焼き窯本体110の天側周縁部上に取りはずし可能に載置されて、焼き窯本体110の天側開口を閉成する略円盤型の蓋である。この天蓋300の周端部の近く、上面視において天蓋300の中心からずれた部位には、略円筒型の煙突嵌合部310が設けられている。
この天蓋300は、上面視円周において、空気導入部130の位置を回転角0°の位置とすると、煙突嵌合部310が回転角約180°の位置にくるように、焼き窯本体110上に載置される。従って、上面視において、天蓋300の煙突嵌合部310と焼き窯本体110の空気導入部130とのなす中心角は約180°となる。
天蓋300は、籾殻の炭化および灰化の際には、フック140(140a,140b,140c,140d)によって焼き窯本体110の天側周縁部に当接固定され、焼き窯本体110の天側開口を閉成している。
しかし、焼き窯本体110の焼き室内に籾殻を充填する際には、天蓋300は焼き窯本体110から取りはずされ、焼き窯本体110の天側開口から籾殻が投入される。
また、籾殻の炭化を開始するにあたり、天蓋300の周端部位を持上げることにより焼き窯本体110の天側周縁部との間に僅かな隙間が作られ、その隙間から種火を投入することにより、籾殻の最上層表面に点火がなされる。
煙突400は、略長筒をなす煙突本体410と、L字型の略円筒をなす煙突接続部420とによって構成されている。煙突本体410は、その底部近傍の側面部位において煙突接続部420の一端に連接されており、この煙突接続部420との連接部位を中心軸として回転可能である。煙突接続部420の他端は、天蓋300の煙突嵌合部310に取りはずし可能に挿嵌されている。
煙突本体410は、煙突支柱500によって支持されてその長手方向が垂直方向から傾斜して配設されており、その底部には木酢原液収容器600が釣下げられている。このように傾斜配置された煙突400は、排煙(炭化によって生じた燻煙および灰化によって生じた灰煙)を自然排気する役目を担っている。
図1の籾殻灰製造装置によって籾殻灰を製造する手順について、以下に説明する。
原料となる籾殻は、あらかじめ十分に乾燥させておく。この籾殻の含水率は、例えば10〜35重量%にすることが望ましく、最適値は15〜25重量%である。
まず、焼き窯本体110の焼き室内に充填された籾殻を、燻し焼きして炭化させ、籾殻燻炭とする。この炭化は、500℃以下の低温での燻し焼き炭化、つまり500℃以下の低温燻炭化となる。また、上記籾殻燻炭は、籾殻の容姿が略そのまま残ったものとなる。
炭化時の空気導入部130による送気条件は、空気導入部130の蓋を開けて所定の位置にあらかじめ固定しておくことにより、焼き窯本体110の空気導入室に空気が自然送気されるようになっている。この空気導入部130による送気条件は、炭化の開始から終了まで固定されたままである。
また、炭化時の煙突400による排気条件は、煙突本体410を傾斜配置してあらかじめ固定しておくことにより、焼き窯本体110の焼き室から燻煙が自然排気されるようになっている。この煙突400による排気条件も、炭化の開始から終了まで固定されたままである。
籾殻の燻し焼きは、籾殻の最上層表面に点火することにより、籾殻の最上層から開始され、この最上層から下層に向けて層順次に進んでいき、最下層まで中断せずに到達する。
この燻し焼きのとき、空気導入部130から自然送気された空気は、燻し焼きされている層よりも下層の籾殻の間を通過して燻し焼きされている層まで到達し、主にこの燻し焼きされている層で消費される。
燻し焼きされている層において生じる燻煙は、そこよりも上層の燻炭層を通過し、煙突400から自然排気される。燻炭層においては、上記の燻煙に保護されることによって灰化を生じない。
なお、燻し焼き時に籾殻から揮発して燻煙中に混合されたタール成分や木酢成分などの木酢原液成分は、傾斜配置された煙突400内で冷却されて結露し、木酢原液収容器600内に滴下採取される。この低温燻炭化では、特にタール成分の揮発除去効果が高いものと考えられる。
燻し焼き層が籾殻の最下層に到達したら、続けてこの籾殻燻炭を灰化焼きして籾殻灰とする。この灰化は、800℃以下の低温灰化となる。また、上記籾殻灰は、籾殻燻炭の容姿、つまり籾殻の容姿が、略そのまま残ったものとなる。
灰化時の空気導入部130による送気条件は、空気導入部130の蓋を炭化時よりも閉じた位置に動かして固定することにより、例えば、空気導入部130の送気開口を炭化時のおよそ1/15〜3/4に狭くした上で、焼き窯本体110の空気導入室に空気が自然送気されるようになっている。この空気導入部130による送気条件は、籾殻燻炭の灰化の開始から終了まで固定されたままである。
また、灰化時の煙突400による排気条件は、例えば、炭化時と同じにすることにより、焼き窯本体110の焼き室から灰煙が自然排気されるようになっている。この煙突400による排気条件も、籾殻燻炭の灰化の開始から終了まで固定されたままである。
籾殻燻炭の灰化焼きは、最下層から開始され、この最下層から上層に向けて層順次に進んでいき、灰化焼き層が最上層の上面表層の直下まで到達すると、この上面表層の燻炭層を未灰化層として残したまま、灰化を終了する。
この灰化焼きのとき、空気導入部130から自然送気された空気は、灰化焼きされている層よりも下層の籾殻灰の間を通過して、上記灰化焼きされている層まで到達し、主にこの灰化焼きされている層で消費される。
灰化焼きされている層において生じる灰煙は、そこよりも上層の未灰化の燻炭層を通過し、煙突400から自然排気される。
なお、灰化焼き時に籾殻燻炭から揮発して灰煙中に混合された木酢原液成分は、傾斜配置された煙突400内で冷却されて結露し、木酢原液収容器600内に滴下採取される。ただし、灰化時に採取される木酢原液のPH値は、炭化時に採取される木酢原液のそれよりも高いものとなる。
本実施の形態において、焼き窯本体110の全容量は、例えば、およそ50〜600リットルであり、籾殻の充填量は、例えば、およそ40〜500リットルである。また、炭化時の最高温度は、例えば、およそ350〜450℃であり、中間物質として得られる籾殻燻炭のPH値は、例えば、およそ5〜7である。また、灰化時の最高温度は、例えば、およそ550〜750℃であり、最終物質として得られる籾殻灰のPH値は、例えば、およそ8〜10である。なお、例えば、焼き窯本体110内に充填した籾殻のおよそ6〜8割の容量の籾殻燻炭が得られ、焼き窯本体110内に充填した籾殻のおよそ3〜5割の容量の籾殻灰が得られる。
図2のように、灰化終了時には、籾殻燻炭の上面表層に、例えば籾殻1層〜数層分の未灰化層が残る。なお、図2において、略円に見える主に黒色の部分が上面表層に残った未灰化の籾殻燻炭であり、この略円内の主に白色に見える部分は掻き取った未灰化層の直下に生成された籾殻灰である。また、図3のように、得られた籾殻灰は、籾殻の容姿が略そのまま残ったものとなる。
本実施の形態では、炭化時において、必要な空気を空気導入部130から自然送気するとともに、燻煙を煙突400から自然排気しながら、籾殻を最上層から下層に向けて層順次に炭化させている。これにより、焼き窯本体110内の環境を、500℃以下の低温炭化に適した環境にすることができる。
つまり、高温燃焼を生じるような過剰な空気供給がなされることなく、燻し焼きをゆっくりじっくりと継続するのに適量な空気供給がなされることにより、同時に燻し焼きされる層を薄くすることができ、燻し焼き層全体の時間当たりの発熱量を低くすることができるので、炭化温度を低くすることができる。
このような低温燻炭化によって、タール成分および木酢成分が適度に揮発除去されるとともに、ケイ酸成分が非晶質構造のまま残留した籾殻燻炭が得られる。
さらに、焼き窯100を静止配置するとともに、空気導入部130による自然送気および煙突400による自然排気をすることにより、籾殻を流動および風動させることもない。これにより、籾殻の容姿が略そのまま残った籾殻燻炭が得られる。
また、本実施の形態では、灰化時において、必要な空気を空気導入部130から自然送気するとともに、排煙を煙突400から自然排気しながら、籾殻燻炭を最上層から下層に向けて層順次に灰化させている。これにより、焼き窯本体110内の環境を、800℃以下の低温灰化に適した環境にすることができる。
つまり、高温灰化を生じるような過剰な空気供給がなされることなく、灰化をゆっくりじっくりと継続するのに適量な空気供給がなされることにより、同時に灰化焼きされる層を薄くすることができ、灰化焼き層全体の時間当たりの発熱量を低くすることができるので、灰化温度を低くすることができる。
また、灰化される籾殻燻炭は、高温灰化の原因となるタール成分の揮発除去効果が高いと考えられる低温燻炭化によって得られたものなので、灰化温度を低くする効果も高いものと考えられる。
このような低温灰化によって、籾殻燻炭中のケイ酸成分の結晶化を抑制して、有機質成分をじっくりと完全燃焼させることができるので、ケイ酸成分が非晶質構造のまま高濃度に含有された籾殻灰が得られる。
さらに、焼き窯100を静止固定することにより籾殻燻炭を流動させることもなく、籾殻燻炭に強制送気することもない。これにより、籾殻の容姿が略そのまま残った籾殻灰が得られる。
さらにまた、本実施の形態では、灰化時において、空気導入部130による送気条件および煙突400による排気条件が、上面表層に未灰化の燻炭層を残し、この上面表層の直下までを灰化するような条件となっている。
籾殻燻炭の露出された上面表層では、炭化時の余熱を保つ効果および直下の灰化焼きされている層からの発熱によって再加熱される効果のいずれもが燻炭内部よりも低いと考えられる。
このため、上記のように同時に灰化焼きされる層を薄くして層順次に低温で有機質成分をじっくりと完全燃焼させることについて適正な自然送気条件および自然排気条件下においては、温度低下し過ぎた籾殻燻炭の上面表層を灰化させるのに必要な酸素を供給できないものと考えられる。仮に、固定条件の強制送気や強制排気により籾殻燻炭の上面表層を灰化できたとすれば、そのときは籾殻燻炭内部での灰化温度が800℃を超えてしまうおそれがあると考えられる。
従って、空気導入部130による送気条件および煙突400による排気条件が、上面表層に未灰化の燻炭層を残してその直下まで灰化させるような条件であれば、焼き窯本体110内の環境は、低温灰化に最適な環境になっていると考えることができる。
本実施の形態によって得られる籾殻灰中に主成分として高濃度に含まれるケイ酸は、低温灰化による溶解性の高い非晶質のものである。この籾殻灰を農作物肥料として使用すれば、農作物が必要量のケイ酸成分を容易に摂取することができる。従って、本実施の形態の籾殻灰は、ケイ酸質肥料として価値の高い農作物肥料である。
また、本実施の形態によって得られる籾殻灰は、略籾殻の容姿をそのまま有するものである。籾殻灰は、その他の植物の灰よりもケイ酸の含有率が高いものであるが、本実施の形態の籾殻灰は、籾殻の容姿を略そのまま有するがゆえに、これを目視した者は、他ならぬ籾殻の灰であることを容易に判別することができる。
以上のように、本実施の形態では、籾殻の炭化の開始から終了まで、空気導入部130による送気条件および煙突400による排気条件を固定したまま、窯内温度の監視や制御をしなくとも、必然的に籾殻の低温燻炭化が可能である。そして、籾殻燻炭の灰化の開始から終了までにおいても、空気導入部130による送気条件および煙突400による排気条件を固定したまま、窯内温度の監視や制御をしなくとも、必然的に籾殻燻炭の低温灰化が可能である。さらに、籾殻の容姿を略そのまま残して籾殻灰とすることが可能である。これにより、農作物として有効で、かつ目視判別が容易な籾殻灰を手軽に作ることができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
焼成窯本体110の全容量を、およそ50リットルとし、空気導入部130の送気開口を、炭化時にはおよそ30平方センチメートル、灰化時にはおよそ3平方センチメートルとし、煙突400の排気開口の直径を、炭化時および灰化時ともに、およそ5センチメートルとした。およそ40リットルの籾殻を焼成窯本体110の焼成室に充填し、上記炭化手順および上記灰化手順を実施し、およそ15リットルの籾殻灰を得た。炭化時の最高温度はおよそ400℃、灰化時の最高温度はおよそ600℃であった。未灰化層は、およそ籾殻燻炭1層分であった。
焼成窯本体110の全容量を、およそ500リットルとし、空気導入部130の送気開口を、炭化時にはおよそ30平方センチメートル、灰化時にはおよそ6平方センチメートルとし、煙突400の排気開口の直径を、炭化時および灰化時ともに、およそ10センチメートルとした。およそ400リットルの籾殻を焼成窯本体110の焼成室に充填し、上記炭化手順および上記灰化手順を実施し、およそ150リットルの籾殻灰を得た。炭化時の最高温度はおよそ400℃、灰化時の最高温度はおよそ700℃であった。未灰化層は、およそ籾殻燻炭3層分であった。
100 焼成窯
110 焼成窯本体
120 グリッド板
130 空気導入部
140(140a,140b,140c,140d) フック
200 焼成窯支持機構
300 天蓋
310 煙突嵌合部
400 煙突
410 煙突本体
420 煙突接続部
500 煙突支柱
600 木酢液収容器

Claims (2)

  1. 空気を自然送気するための空気導入部および排煙を自然排気するための煙突が設けられて静止配置された焼き窯内に充填された籾殻を、炭化させたあとに続けて灰化させる籾殻灰の製造方法であって、
    前記空気導入部による炭化時送気条件および前記煙突による炭化時排気条件を固定したまま、前記籾殻を天側の最上層から下層に向けて層順次に炭化して燻炭とする手順と、
    前記籾殻の最下層が炭化したら、前記空気導入部による灰化時送気条件および前記煙突による灰化時排気条件を固定したまま、前記燻炭を最下層から上層に向けて層順次に灰化する手順と
    を含み、
    前記空気導入部は、前記籾殻および前記燻炭の底側に前記空気を自然送気するものであり、
    前記煙突は、前記籾殻および前記燻炭の天側からの前記排煙を自然排気するものであり、
    前記灰化時送気条件は、前記空気導入部の送気開口を前記炭化時送気条件よりも狭くしたものであり、
    前記灰化時排気条件は、前記炭化時排気条件と同じである
    ことを特徴とする籾殻灰の製造方法。
  2. 前記灰化時送気条件および前記灰化時排気条件は、前記燻炭の上面表層に未灰化層を残して、この上面表層の直下までを灰化させるものであることを特徴とする請求項1に記載の籾殻灰の製造方法。
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