JP2006070234A - バイオマス利活用多用途窯 - Google Patents

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雅貴 甲斐
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Abstract

【課題】簡単な構造でありながら、特殊な技能を必要とせず、短時間でバイオマスから様々な有価物を収穫できる多機能な移動式炭化窯を提供する。
【解決手段】バイオマスを炭化室2に投入し、炭化室に設けられた温度計4で炭化室の温度を管理し、燃焼ガス搬送パイプ3に設けられたバルブ10で燃焼室5で生成された燃焼ガスの搬送を調整することにより、水分調整と製炭を可能とすると共に、炭化室の下部に設けられたロストル12、及び煙突9の下部に設けられた酢液抽出口7、タール抽出口8により、炭化物、灰分、酢液及びタールを分離する。
【選択図】 図2

Description

発明の詳細な説明
本発明は、例えば、植物バイオマスを炭化する際に、特別な技術を必要とせず、データに応じた燃焼ガス調整を行うだけで、バイオマスに含まれる有効成分の抽出と製造が可能な、移動式炭化窯に関する技術である。
従来、バイオマスの炭化に於いては、熟練を重ねた職人が専用の炭化装置で、煙の色や窯の壁面温度などから炭の出来具合を判断し、昼夜連続の過酷な労働条件で炭化を行わなければならず、高齢者や若者には不向きの仕事であった。
また、燃焼室と炭化室が同一である場合が一般的で、窯の移動は困難であり、製炭場は限られた場所に構築されることが多かった。
従って、炭化を行うバイオマスは、乾燥等の水分調整をした後に、製炭場に集荷されるわけであるが、運搬に多大な費用を要することが多く、炭の生産価格も高く設定せざるを得なかった。
また、例えば竹炭の製造を例にとれば、竹酢液の採取は行うが、竹瀝やタールの採取を行える窯は存在しなかった。
発明が解決しようとする課題
そこで本発明は、高齢者や若者など製炭技術を習得しないものであっても、簡単な温度管理がおこなえ、一日8時間の労働で、高品質な炭の生産が可能となる炭焼窯の考案をした。
また、本発明によれば、熟練した技術を必要とせず、分割式の燃焼室と燃焼ガス調整機能を持った吸い込み筒と、水分調整と炭化と有効成分調整をおこなう炭化室と、有効成分採取機能をもった煙突と、を分割して組立可能であり、バイオマスを伐採する現場近郊に移動しての製炭が可能な構造である。
また、一般的にバイオマス全般に於いて、炭化されればバイオマスの水分が調整され炭素に変化するため、原材料の1/5以下の質量となることから、従来の製炭方法に較べれば、1/5以下の運搬経費で済むこととなる。
また、製炭装置に浸出液採取パイプを設置することにより、これまで捨てていた有効成分の抽出が可能となり、収入の向上となる。
課題を解決するための手段
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、バイオマス伐採現場で容易に製炭することを目的として、燃焼室(5)と炭化室(2)と煙突(9)が容易に分解組立が可能な構造であることを特徴としている。
本発明は、炭化室(2)に投入された炭化するバイオマスを、燃焼室(5)で生成された燃焼ガスの温度を、デジタル温度計(4)の数値管理により、バルブ調整(10)のみで、容易に水分調整と製炭を可能とする機能を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、燃焼ガスを得るため燃焼室(5)に製品としないバイオマスの端材等を投入し、温度調整を気にすることなく燃焼ガスを生成することができる。
また、燃焼室と炭化室を分離したことで、炭化室に投入するバイオマスは、未乾燥のものでも良く、炭化室内部で加温燻煙することで、適度な水分調整が可能となる。
また、本発明は炭化室の下部に有効成分の収集口(7)と(8)を設けたことで、酢液やタールの回収を可能とした。
以下、図1〜図2を参照して、本発明の各実施形態について説明する。
図1は製炭装置の全体外観図、図2は製炭装置の断面図である。なお、図中の矢印は燃焼ガスの流れを示す。
燃焼室(5)は投入口(1)から投入されたバイオマスの端材等を燃料として、燃焼ガスを発生する。
吸い込み筒(3)は、炭化室(2)へ燃焼ガスを供給するための燃焼ガス搬送パイプであり、燃焼ガスの流入を調整バルブ(10)により、自由に調整可能である。
炭化室(2)には、上部にバイオマス投入口(11)が設けられ、バイオマス投入口(11)の中央には、デジタル温度計(4)が設置されている。
炭化室(2)には、タンク下部に精錬口(6)が設置され、酸素供給と遮断をおこない炭の品質管理をおこなう。
また、バイオマス投入口(11)の中央に設けられたデジタル温度計(4)は、炭化室内部の温度計測をおこない、温度に応じて燃焼ガスの流入を調整バルブ(10)により調整する。
また、炭化室(2)の下部には、ロストル(12)が設けてあり、炭化されたバイオマスと炭化過程で生ずる焼却灰の分離をおこなう。また、炭化工程で生ずる酢液やタールを分離して、下部にもうけられた酢液抽出口(7)とタール抽出口(8)に流下させることができる。
煙突(9)の下部には酢液抽出口(7)とタール抽出口(8)が設けられている。図には示さないが、煙突(9)には、大気中に廃棄される排出ガスを冷却することで出来る酢液の採取をおこなうことの出来る延長煙突の増設も、容易に出来る構造であり、角度も調整可能である。また、酢液抽出口(7)とタール抽出口(8)が設けられているが、追加の抽出口を設置することも可能であるし、各排出口から採取されるバイオマス浸出液も、本説明図に限定されるものではない。
以上に説明するように、本発明はバイオマスを炭化する際に、バイオマスを加温するための燃焼ガス発生装置を燃焼室として、炭化室と分離して設置している。これにより、バイオマスの炭化は燃焼ガスの調整バルブを炭化室の温度に従って解放角度を変化させれば良く、炭化室の温度調整が自由に可変出来る。
また、燃焼室と炭化室と煙突と3分割することにより、窯の移動が容易になった。これにより、バイオマスの伐採地により近くまで製炭機の移動が可能となり、運搬コストを大幅に改善することが可能となる。
また、バイオマスから得られる有用な抽出物は、従来に較べ3倍の収量で収穫することが可能となった。
燃焼室と炭化室と煙突は鉄製であるが、ステンレス、銅、など金属であっても、非金属であってもかまわない。
また、本発明は以上の実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施して良い。
実施形態における外観図である。 実施形態における断面図である。
符号の説明
▲1▼ 投入口
▲2▼ 炭化室
▲3▼ 吸い込み筒
▲4▼ デジタル温度計
▲5▼ 燃焼室
▲6▼ 精錬口
▲7▼ 酢液抽出口
▲8▼ タール抽出口
▲9▼ 煙突
▲10▼ 燃焼ガス調整バルブ
▲11▼ 炭化室蓋
▲12▼ ロストル

Claims (4)

  1. バイオマスを炭化する領域において、
    前記領域にロストルを設けて、炭化物とバイオマスからの浸出液と灰分とタールの分離をする工程と、
    前記領域に浸出液採取パイプとタール採取パイプとを設けて、浸出液とタールの採取を行う工程と、
    前記領域に空気取り入れ口を設けて、炭化室内部の空気調整を行う工程と、
    前記領域にデジタル温度計を設置して、炭化室内部の温度測定を行う工程と、
    を具備することを特徴とするバイオマス炭化方法。
  2. バイオマスを加温する領域において、
    前記領域にロストルを設けて、加温するためのバイオマス燃料の燃焼ガスと灰分の分離をする工程と、
    前記領域から、燃焼ガスを請求項1に記載のバイオマス炭化領域に送出するガス排出工程と、
    を具備していることを特徴とする燃焼ガス生成装置。
  3. 燃焼ガスを搬送する領域に於いて、
    請求項1に記載のバイオマスを炭化する領域と、請求項2に記載のバイオマスを加温する領域とを接続し、請求項1に記載のデジタル温度計のデータにより、燃焼ガス調整バルブのハンドルで燃焼ガスの搬送を調整する燃焼ガス調整装置。
  4. 燃焼ガスを排出する工程に於いて、
    請求項1に記載のバイオマスを炭化する領域から、浸出液採取パイプとタール採取パイプを経て、大気中に廃棄するガスを冷却して、排気ガス中の有効成分を採取する装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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