JP6058974B2 - 恒温槽付水晶発振器 - Google Patents
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恒温槽付水晶発振器(OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillator)は、水晶振動子を恒温槽内に設置して外気温度と遮断し、熱源部品や温度センサを備えた温度制御回路によって水晶振動子の温度を一定に保つものである。
これにより、OCXOは、出力周波数の温度による変動を抑え、安定した出力周波数が得られるものである。
一般的な恒温槽付水晶発振器の実装例について図3を用いて説明する。図3は、恒温槽付水晶発振器の実装例を示す模式説明図であり、(a)は斜め上方向から見た図、(b)は斜め下方向から見た図である。
図3(a),(b)に示すように、恒温槽付水晶発振器は、例えば、ガラスエポキシ樹脂等から成る基板14の下側に温度センサ(サーミスタ)16、ヒータ抵抗等の熱源部品17といった回路構成部品が搭載される。回路構成部品が搭載された基板はHIC(Hybrid IC)基板となる。
そして、各種部品が搭載された基板14が、ベース11上にネジで固定され、更に金属製のカバー15が搭載されて恒温槽付水晶発振器が形成されている。
次に、従来の恒温槽付水晶発振器における水晶振動子の構成について図4を用いて説明する。図4は、従来の恒温槽付水晶発振器におけるHIC基板の構成を示す模式断面説明図である。
図4に示すように、従来の恒温槽付水晶発振器におけるHIC基板は、基板14の下面に熱源17、サーミスタ16が搭載され、更に放熱シート13を介して水晶振動子12が密着して搭載されている。
また、水晶ベース123裏面凹部の空間の内、ガラス部125が形成されていない部分は開空間となっている。すなわち、この空間には空気が充満している。
空気の熱伝導率は0.03W/m・Kであって、極めて小さいものである。
また、水晶振動子をOCXO等に搭載する際には、ベース11とカバー15とで封止される内部空間に窒素を充填したり、真空にする場合がある。
窒素の熱伝導率は空気とほぼ等しく、真空の熱伝導率はほぼ0W/m・Kである。
従来の恒温槽付水晶発振器における熱伝導について図4を用いて説明する。
従来の恒温槽付水晶発振器では、基板14に実装された熱源部品17からの熱を、熱伝導により水晶振動子12の水晶ブランク121に伝導している。
図4に熱源部品17から水晶ブランク12までの熱伝導の経路を示す。
図4の構成では、サーミスタ16が熱源部品17に囲まれた位置に配置されているので、サーミスタ16と熱源部品17との間の熱抵抗は小さい。
そのため、サーミスタ16と水晶ブランク121との間に温度差が生じてしまい、温度制御の精度が低下して、周波数温度特性等の安定度の悪化を招いてしまう。
尚、水晶振動子に関する技術としては、特開平10−276056号公報「表面実装水晶振動子およびその製造方法」(セイコーインスツルメンツ株式会社、特許文献1)、特開平11−168349号公報「電子部品および圧電振動子」(株式会社大真空、特許文献2)、特開2008−035314号公報「圧電振動子、高安定圧電発振器用ヒータユニット、及び高安定圧電発振器」(エプソントヨコム株式会社、特許文献3)がある。
また、本発明によれば、基板上に、ピンタイプの水晶振動子と、熱源となる熱源部品と、温度制御回路を構成する回路部品とが搭載された恒温槽付水晶発振器の製造方法であって、ケース内に格納された水晶ブランクの電極から引き出されたリードが貫通するように、水晶ブランク側の面が凸形状で反対側が凹形状の水晶ベースを取り付け、水晶ベースの凹形状の凹部の内部空間に、ペースト状のガラスを塗布して焼成してリードを固定するガラス部を形成し、ガラス部に接するように、凹部の内部空間のみに熱伝導性物質を塗布して硬化させて熱伝導部を形成して、水晶振動子を製造する恒温槽付水晶発振器の製造方法としているので、簡易な工程で低コストで熱伝導部を形成することができ、良好な特性の恒温槽付水晶発振器を簡易に実現することができる効果がある。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器は、ピンタイプの水晶振動子を用いた恒温槽付水晶発振器であって、水晶ベースの裏面にガラス部を備え、水晶ベースの裏面とガラス部とで形成される空間に、熱伝導性のシリコーン樹脂を充填したものであり、ガラス及び空気に比べて熱伝導性が高いシリコーンをガラス部に密着して設けることにより、熱源部品と水晶ブランクとの間の熱抵抗を低減して、恒温槽内部の熱伝導を良好にし、温度制御を安定させ、周波数温度特性を良好にすることができるものである。
本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器の構成概要について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器のHIC基板の構成を示す断面説明図である。
本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器(本恒温槽付水晶発振器)は、図3に示した従来の恒温槽付水晶発振器と同様に実装されており、各種部品が搭載されたガラエポ基板(HIC基板)が、ベース上にネジで固定され、更に金属製のカバーが搭載されている。
放熱シート24の熱伝導率は、7W/m・Kである。
シリコーンの熱伝導率は2W/m・Kであり、それ自体では極めて熱伝導が良好なものではないものの、ガラス(1W/m・K)や、空気(0.03W/m・K)に比べて十分に高いものである。
これにより、本恒温槽付水晶発振器では、ガラス部255に加えて、ガラスよりも熱が伝わり易いシリコーン製の熱伝導部256が熱の経路となるため、ガラス部255と空気(又は窒素や真空)を介して伝導する場合に比べて、熱源部品23から水晶ブランク251へ熱を効率よく伝導することができ、熱源部品23、サーミスタ22、水晶ブランク251の間の熱結合を強くすることができるものである。
本恒温槽付水晶発振器に用いられる水晶振動子(本水晶振動子)の構成例について図2を用いて説明する。図2は、本恒温槽付水晶発振器に適用される水晶振動子の構成例を示す模式説明図である。
図2に示すように、本水晶振動子は、従来と同様の構成部分として、電極が形成された水晶ブランク251と、水晶ブランク251を保持するサポータ257と、サポータ257に接続する2本の水晶リード252と、水晶リード252を保持する水晶ベース253と、水晶ベース253の裏面凹部に形成されたガラス部255とを備え、本水晶振動子の特徴部分として、ガラス部255の裏面に、シリコーン製の熱伝導部256を備えている。
そして、水晶ベース253を覆うように金属製のカバー254が設けられている。
そして、水晶ベース253の裏面凹部の空間は、内側にガラス部255、外側に熱伝導部256が充填されている。
カバー254は、例えば銅で形成され、熱伝導率は400W/m・Kである。
水晶リード252は、例えばコバールから成り、熱伝導率は16.7W/m・Kである。
水晶ベース253は、例えば銅とコバールの合金で形成されている。
また、上述したように、ガラス部255の熱伝導率は1W/m・Kであり、シリコーン製の熱伝導部256の熱伝導率は2W/m・Kである。
本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器によれば、熱源部品23と、サーミスタ22と、ピンタイプの水晶振動子25を備え、水晶振動子25の水晶ベース253の裏面凹部に、水晶リード252を水晶ベース253に固定するガラス部255を備え、水晶ベース253の裏面凹部のガラス部255が設けられていない外側の空間を、熱伝導性の熱伝導部256で充填した恒温槽付水晶発振器としているので、熱源部品23からの熱を熱伝導部256を介して水晶ブランク251に効率よく伝導させることができ、熱源部品23、サーミスタ22、水晶ブランク251の間の熱抵抗を低減し、恒温槽内の温度を安定させて温度制御の精度を向上させ、出力周波数の温度周波数特性を良好にすることができる効果がある。
Claims (4)
- 基板上に、ピンタイプの水晶振動子と、熱源となる熱源部品と、温度制御回路を構成する回路部品とが搭載された恒温槽付水晶発振器であって、
前記水晶振動子は、ケース内に格納された水晶ブランクと、前記水晶ブランクの電極から引き出されたリードと、前記リードが貫通し、前記水晶ブランク側の面が凸形状で、反対側が凹形状の水晶ベースとを備え、
前記水晶ベースの凹形状の凹部の内部空間には、前記リードを固定するガラス部が形成されると共に、前記ガラス部に接して、前記凹部の内部空間のみに熱伝導性の熱伝導部が形成されていることを特徴とする恒温槽付水晶発振器。 - 熱伝導部が、シリコーンで形成されていることを特徴とする請求項1記載の恒温槽付水晶発振器。
- 一方の面が水晶振動子のケースに密着し、他方の面が熱源部品及び回路部品に密着する放熱シートを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の恒温槽付水晶発振器。
- 基板上に、ピンタイプの水晶振動子と、熱源となる熱源部品と、温度制御回路を構成する回路部品とが搭載された恒温槽付水晶発振器の製造方法であって、
ケース内に格納された水晶ブランクの電極から引き出されたリードが貫通するように、前記水晶ブランク側の面が凸形状で反対側が凹形状の水晶ベースを取り付け、前記水晶ベースの凹形状の凹部の内部空間に、ペースト状のガラスを塗布して焼成して前記リードを固定するガラス部を形成し、前記ガラス部に接するように、前記凹部の内部空間のみに熱伝導性物質を塗布して硬化させて熱伝導部を形成して、前記水晶振動子を製造することを特徴とする恒温槽付水晶発振器の製造方法。
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