JP2015095716A - 恒温槽付水晶発振器 - Google Patents

恒温槽付水晶発振器 Download PDF

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文夫 卜部
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文夫 卜部
伊藤 学
Manabu Ito
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Abstract

【課題】熱筒を用いること無しに、低電力消費、低コスト、周波数温度特性を十分に安定させ、かつ小型低背化を実現した恒温槽付水晶発振器を提供する。
【解決手段】CANパッケージ型の水晶振動子1と発振回路、発熱体6及び温度センサ13、その他の電子部品10を搭載したプリント基板4と、このプリント基板4を固定したデバイスベース7と、一方に開口を有して前記プリント基板4を覆って前記デバイスベース7に該開口を固着されたデバイスカバー3を有する。プリント基板4の一方の面に水晶振動子1の大きい面積の側壁を固着する広面積電極端子2が形成されている。広面積電極端子2は複数の小面積電極端子をマトリクス配列してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発振回路に係り、特にパッケージ化した水晶振動子と、この水晶振動子を格納してその温度を一定に保つ恒温槽と水晶振動子と共に発振回路や温度制御回路等の付帯回路を集積したICチップ等を備える恒温槽付水晶発振器に関する。
水晶振動子とこの水晶振動子とを備えてこれらを一体型の部品とした水晶発振器は、回路基板上などに実装して外部から電源電圧を供給するだけで所定の正確な周波数の発振信号を出力することから、各種の電子機器において、周波数や時間の基準源として広く用いられている。
水晶振動子の振動周波数は高い安定度を有するものの、水晶に固有の周波数温度特性に起因して、周囲温度に応じて僅かに変化する。そのため、特に正確な発振周波数を出力する水晶発振器として、温度を一定に保つ恒温槽内に水晶振動子を格納した恒温槽付水晶発振器(OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillator)が知られている。
恒温槽付水晶発振器では、恒温槽内に設けた温度センサによって恒温槽内の温度を検出し、検出結果を発熱体の駆動回路にフィードバックして、恒温槽内の温度を一定に保つようになっている。そして、水晶振動子の周波数温度特性における温度変化に対する周波数変化が最小となるような温度に恒温槽の温度を設定することにより、周囲温度の影響によって恒温槽内の温度が微小に変動しても、恒温槽付水晶発振器の発振周波数を最も安定に保つことができる。
水晶振動子を構成する水晶片の水晶結晶からの切り出し方位にも依存するが、水晶振動子の振動周波数は、例えば温度に対して2次あるいは3次関数で変化するので、その関数曲線での頂点となる温度(ZTC;ゼロ温度係数点)では微小な温度変化に対して振動周波数は変化しないことになる。そこで、恒温槽の温度は、一般に、水晶振動子のZTC温度に設定される。
また、恒温槽付水晶発振器には、水晶振動子を金属製の筒で覆う構造としたものを用いたものがある。図9は、熱筒を用いた恒温槽付水晶発振器の従来例を説明する斜視図である。図10は、図9に示した恒温槽付水晶発振器を構成する熱筒と水晶振動子の配置例を説明する斜視図で、図10の(a)は、外観斜視図、図10の(b)は水晶振動子の設置状態を示す内部透視斜視図である。図9に示した恒温槽付水晶発振器は、箱型の熱筒11の内部に、プリント基板4に搭載した水晶振動子1及び発熱体6を収容してなる。熱筒11はプリント基板4にビス等で固定される。
図9に示したように、この例に使用される水晶振動子1は、金属筐体に水晶片を封止したCANパッケージ型(リード型とも称する)であり、金属筐体の側壁をプリント基板4にビスで固定してある。また、このプリント基板4には、発熱体6、温度制御回路を構成するICチップや温度センサ(サーミスタ等)、水晶振動子1と熱的に結合した温度センサ、発振回路や温度制御回路を集積したICチップ、その他の電子部品が搭載されている。なお、ここでの発熱体6は、トランジスタのコレクタ損失を利用するため、ICチップ構造体としてプリント基板4に搭載されている。なお、細かい構造は図示を省略してある。
水晶振動子1や発熱体等を搭載したプリント基板4は、柱状電極端子8でデバイスベース7に固定され、さらに、プリント基板4を覆ってデバイスカバー3を被せ、適宜の接合剤で固定して恒温槽付発振器としている。デバイスカバー3は金属製のカップ状蓋体である。
温度センサとして用いるサーミスタは、非直線的な負の抵抗温度特性(抵抗温度係数が負であるような抵抗温度特性)を有するものが用いられる。サーミスタでの検出電圧を差動増幅器(オペアンプ)で基準電圧と比較し、その差分出力で温度制御回路を制御し、発熱体を駆動するようになっている。なお、温度制御回路を構成する各素子は、温度センサであるサーミスタを除いて、熱筒11の外部に設けられている。
この構成では、発熱体6の熱を熱筒11に伝達して該熱筒11の温度を一定とし、該熱筒11の内部に収納された水晶振動子1の温度を所定の温度に保つようになっている。発熱体6と熱筒11、発振回路(ICチップ)との熱結合をするため、これらの構成部材間にシリコーン樹脂が充填されている。
図11は、図9で説明した恒温槽付水晶発振器の熱筒部分のみを抽出して、当該熱筒部分の熱分布を説明する斜視図である。図11にダブルハッチングで示したように、理想的には、熱は熱筒11の全体にわたって均一に分布することが望まれる。しかしながら、発明が解決しようとする課題の項で後述するように、実際には製品ごとに熱分布にばらつきがあるのが現実である。
このような恒温槽を用いた水晶発振器に関する恒温槽の従来技術を開示したものとしては、例えば、特許文献1、特許文献2を挙げることができる。特許文献1は、熱筒を保温効果の高い発泡材料で包囲することで熱分布のばらつきを解消しようとする水晶発振器を開示する。また、特許文献2は、水晶発振器ユニットを収容した熱筒の開口に発熱体を接触固定した金属膜を半田(はんだ、以下半田と表記)付け固着し、安定した発振出力と低コスト化を実現する圧電発振器を開示する。なお、特許文献2では、発熱体として、トランジスタを用い、そのコレクタ損失による発熱を利用している。
特開平11−234041号公報 特開2005−223395号公報
上記したように、従来の恒温槽付発振器は、恒温槽を構成する熱筒の内部に発熱体と温度センサを備え、温度センサの検出信号で発熱体の発熱を制御して振動子の振動数を一定に保つことで、発振器の温度変化による発振周波数の変動を抑制し、出力周波数を一定に保つようにしている。
この種の発振器における熱筒は、内部に水晶振動子や温度センサ、発熱体を収容し、プリント基板に固定するためのネジ穴などを設けた金属ブロック部品である。熱筒は、例えばアルミニュームブロックを鍛造などの手段で成形した厚手で複雑な形状を有し、かつ熱容量の大きい部品である。そのため、この種の熱筒はコスト高であり、熱容量が大きいことで、発振器の消費電力の増加をもたらす。また、このような熱筒を発振器の構成部品とすることで、発振器全体が大型となり、小型化、低背化の阻害要因となっている。
さらに、発熱体の熱を熱筒、温度センサ、振動子の間で伝達するために塗布したシリコーン樹脂などの樹脂膜は、この恒温槽付水晶発振器を適用機器のプリント基板などに実装するためのリフロー処理する再に、熱膨張で突沸して発振回路を破損する恐れもある。
これらが、恒温槽内に水晶振動子を格納した恒温槽付水晶発振器の解決すべき課題となっている。本発明の目的は、上記従来技術における諸課題を解決し、熱筒を用いること無しに、低電力消費、低コスト、周波数温度特性を十分に安定させ、かつ小型低背化を実現した恒温槽付水晶発振器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る恒温槽付水晶発振器は、水晶振動子と発振回路を含む回路部品を搭載したプリント基板と、このプリント基板を固定したデバイスベースと、一方に開口を有して前記プリント基板を覆って前記デバイスベースに該開口を固着されたデバイスカバーを有する恒温槽付水晶発振器であって、
前記水晶振動子は、大きい面積の側壁を持つ金属筐体で水晶片を内装してハーメチックシールしたCANパッケージ型の水晶振動子であり、
前記プリント基板には、その一方の面に前記水晶振動子の前記大きい面積の側壁を固着する広面積電極端子と、発熱体及び温度センサを含む電子部品を搭載する小面積電極端子を有すると共に、該プリント基板の他方の面には、前記水晶振動子と共に発振回路及び温度制御回路を構成する1又は複数のICチップおよび電子部品を搭載する端子群を含む配線パターンを有し、
前記デバイスベースは、前記プリント基板を該デバイスベースの面から離間させて植立保持すると共に外部機器への実装端子となる柱状電極端子を有する絶縁基板で構成され、
前記広面積電極端子は、複数に区画された小面積の電極群で構成され、前記水晶振動子の大きい面積の側壁と半田付けで接合してなることを特徴とする。
本発明は、前記広面積電極端子の一端部が、前記発熱体の搭載部分に延びて形成され、発熱体の熱を前記広面積電極端子を通して前記水晶振動子の筐体に伝達することを特徴とする。
本発明は、前記広面積電極端子を構成する前記小面積の電極群が、前記プリント基板の絶縁基板に張った銅箔を加工して電極パターンとするパターニング工程で格子状配列にパターニングした銅箔パターンであることを特徴とする。
本発明は、前記小面積の電極群の面積が全域で等しいことを特徴とする。
また、本発明は、前記小面積の電極群の形状が全て矩形あることを特徴とする。
発熱体の熱は、複数に区画された小面積の電極群で構成された広面積電極端子を通して直接的に水晶振動子の筐体に伝達される。筐体の温度は、温度センサで監視され、必用に応じて温度制御回路が発熱体に流す電流を制御する。これにより、水晶振動子の筐体は均一な温度に保持され、内装されている水晶片は一定温度に保持される。
広面積電極端子をベタの大面積に形成すると、半田付けの際にフラックスなどから発生するガスが溶融半田膜中に残留して小規模ボイドの原因となり、また、水晶振動子の筐体の側壁の平面状態が必ずしも良好でない場合に、水晶振動子の筐体の側壁と広面積電極端子の間にフラックス起因のガス滞留に起因する半田膜不在の不定形ボイドや、空気層とフラックス起因のガスとの混合ガスの滞留に起因する大面積ボイドが発生し易い。このようなボイドの発生で、プリント基板への水晶振動子の接合が不完全なものなる。また、筐体への熱の伝導が不均一となって、水晶片の温度制御の安定さを欠くことになる。
本発明の恒温槽付水晶発振器では、水晶振動子を搭載するための広面積電極端子を複数に区画された小面積の電極群をマトリクス配列で構成したことで、上記した小規模ボイド、不定形ボイド、大面積ボイドの発生が阻止され、プリント基板への水晶振動子の接合は良好なものになり、筐体への熱の伝導が均一となって、水晶片の温度制御が安定となる。結果として、熱筒を用いること無しに、低電力消費、低コストで、周波数温度特性を十分に安定させ、かつ小型低背化を実現した恒温槽付水晶発振器を提供することができる。
広面積電極端子を小面積の電極群で構成したことによる不定形ボイドや大面積ボイドの発生が阻止される理由は以下のとおりである。なお、発振器を構成する他の電子部品も同時に搭載するが、ここでは、水晶振動子に絞って説明する。プリント基板上の広面積電極端子に水晶振動子を搭載する場合、広面積電極端子を構成する小面積の電極群の上にクリーム半田を塗布する。クリーム半田は、塗布マスクを用い、クリーム半田をスキージで圧摺することで当該マスクの開口部の板厚に応じた量で半田が広面積電極端子の形成領域に印刷塗布される。なお、半田接合が不要の外周部分には、ソルダレジストを塗布する。
クリーム半田を塗布した後、水晶振動子を所定の姿勢で広面積電極端子の形成領域に位置づけ、その金属筐体を塗布した半田層に載置して、リフロー処理する。このリフロー処理における加熱で半田層は溶融し、水晶振動子の金属筐体との間でそれぞれの小面積の電極の上に表面張力の作用によって集合する。各小面積の電極の上に集合した半田は、その上方にある水晶振動子の筐体の表面に濡れてくっつき、その状態で半田が硬化することで接合がなされる。
各小面積の電極の上に集合した半田から発生したフラックスのガスは、小面積の電極の間から広面積電極端子の形成領域の外に逃げ、半田の内部には殆んど残留しない。また、水晶振動子の筐体の表面に歪みがあって、小面積の電極との間隔がばらついていても、小面積の電極の上に集合する溶融した半田の量を適正に設定することで、この間隔のばらつきを埋めて半田接合がなされ、半田膜不在の接合不良は回避される。これにより、不定形ボイド、大面積ボイドは共に回避され、均一かつ強固な接合が得られ、水晶振動子に対して均一な熱分布を与えることができる。
本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施例の構成を透視して説明する斜視図である。 図1に示した本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施例における水晶振動子に対する熱分布の説明図である。 本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施例の組み立て構造を示す(a)上側から見た展開斜視図、(b)下側から見た展開斜視図である。 本発明に係る恒温槽付水晶発振器の温度制御システムの概略を説明するブロック図である。 本発明に係る恒温槽付水晶発振器の広面積電極端子の形状例を説明する要部斜視図である。 本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施における水晶振動子の接合状態を説明するX線撮影画像の模写図である。 本発明の水晶振動子の接合効果を対比するためのべた形成した広面積電極端子の形状例を説明する要部斜視図である。 図7に示した広面積電極端子をべた形成した場合の不定形ボイド、大面積ボイドの発生を説明するX線撮影画像の模写図である。 熱筒を用いた恒温槽付水晶発振器の従来例を説明する斜視図である。 図9に示した恒温槽付水晶発振器を構成する熱筒と水晶振動子の配置例を説明する斜視図で、(a)は外観斜視図、(b)は水晶振動子の設置状態を示す内部透視斜視図である。 熱筒を用いた恒温槽付水晶発振器の従来例における熱分布の説明図である。
図1は、本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施例の構成を透視して説明する斜視図である。本発明に係る恒温槽付水晶発振器は、水晶振動子1と発振器を構成する電子部品10を搭載したプリント基板4と、このプリント基板4を固定したデバイスベース7と、一方に開口を有して前記プリント基板4を覆って前記デバイスベース7に該開口を固着したデバイスカバー3を有する。プリント基板4とデバイスベース7は、共にガラスエポキシ基板、あるいはセラミックス基板などの既知のプリント基板材料で形成され、その表裏には必要な金属膜のパターンが形成されている。金属膜としては、銅箔が一般的である。
前記水晶振動子1は、大きい面積の側壁を持つ金属筐体に水晶片(図示せず)を内装してハーメチックシールしたCANパッケージ型の水晶振動子である。金属筐体は扁平な箱状で、大きい面積の側壁と小さい面積の側壁との境界部分は図示したような曲面になっている。
プリント基板4には、その一方の面(図1の上側面)に水晶振動子1の大きい面積の側壁を固着する広面積電極端子2には発熱体6が熱的に結合して搭載されている。また、このプリント基板4には、水晶振動子1の温度を検出する温度センサ13が当該水晶振動子1に熱的に結合して搭載される。また、その他の電子部品10を搭載する小面積電極端子も有する。プリント基板4の他方の面(図1の下側面)には、水晶振動子1と共に発振回路及び温度制御回路を構成する1又は複数のICチップおよび電子部品を搭載する端子群を含む配線パターンを有している。前記従来技術で説明したような熱筒は有しない
プリント基板4に銅箔の導体膜を用いた場合は、広面積電極端子2はこの銅箔を複数に区画してパターニングされた小面積の区画を格子状に配列した銅箔パターンである。なお、この小面積の区画の形状は正方形あるいは長方形を含む矩形が好ましいが、円形や楕円形、その他の形状であってもよい。また、それぞれの区画の面積は等しいことが望ましいが、正確な熱分布を測定して、中央領域と周辺領域とで適宜に変化させてもよい。
複数に区画された小面積の電極群で構成された広面積電極端子2は、水晶振動子1の大きい面積の側壁と半田付けで接合される。水晶振動子1の振動出力は一対の出力端子5から出力される。出力端子5はプリント基板4に設けた配線パターンの水晶端子パッド15を通してICチップで構成される発振回路に接続される。発熱体6は広面積電極端子2の一端に搭載されており、その発熱が直接的に広面積電極端子2を通して水晶振動子1の金属筐体に伝達される。温度センサ13は水晶振動子1の近傍に設置される。本発明では、温度センサ13としてサーミスタを用いた。
デバイスベース7は、水晶振動子1を搭載したプリント基板4を該デバイスベース7の表面から離間させて植立保持すると共に外部機器への実装端子となる柱状電極端子8を有する絶縁基板で構成される。
図2は、図1に示した本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施例における水晶振動子に対する熱分布の説明図である。図示されたように、広面積電極端子2の一端部が発熱体6の搭載部分に延びて形成され、発熱体6の熱を広面積電極端子2を通して水晶振動子1の筐体に伝達する。このように、銅箔パターンの広面積電極端子2は、その上に搭載した発熱体の熱を水晶発振器に直接的に伝達するので、きわめて高効率で均一な熱伝達がなされる。その結果、図2に示したように、水晶発振器まわりの温度分布は極めて均一なものとなる。したがって、温度センサで検出される信号も安定し、低電力消費で効率のよい温度制御が可能で、周波数温度特性の安定した発振出力を得ることができる。
図3は、本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施例の組み立て構造を示す(a)上側から見た展開斜視図、(b)下側から見た展開斜視図である。水晶発振器は、プリント基板4に発熱体6やチップ抵抗などの電子部品10と共に、大型の金属部品である水晶振動子1を搭載している。水晶振動子1の出力端子5はプリント基板4の水晶端子パッド15に半田付けされている。なお、プリント基板4の背面(水晶振動子1の搭載面とは反対面)には発振回路や温度制御回路の能動回路素子を構成するICチップ14、その他の必用な電子部品が搭載されている。
これら水晶振動子1、発熱体6、電子部品10、ICチップ14等の回路構成素子を搭載したプリント基板4は、柱状電極端子8でデバイスベース7に間隔を持った植立状態に取り付けられている。柱状電極端子8の開放端(下端)は適用機器の実装基板に接続されるものである。そして、電子部品を搭載したプリント基板4を覆ってデバイスカバー3の開口部がデバイスベース7に固定され、恒温槽を構成する。
図4は、本発明に係る恒温槽付水晶発振器の温度制御システムの概略を説明するブロック図である。水晶振動子1と発熱体6は銅箔パターンである広面積電極端子2に搭載されている。温度センサ(感温素子)は水晶振動子1の金属筐体に近接又は接触してプリント基板4に搭載されている。温度センサ(感温素子)の検出信号はICチップ14などで構成された温度制御回路にフィードバック入力される。金属筐体に温度変化があることを検知すると、この変化を補償するように発熱体を制御する。この制御を行うことで、水晶振動子1の温度、ひいては水晶チップの動作温度を一定に保つ。
図5は、本発明に係る恒温槽付水晶発振器の広面積電極端子の形状例を説明する要部斜視図である。図1−図3と同一機能部分には同じ参照符号を付してある。本例では、図5に示した銅箔パターンである広面積電極端子2は、プリント基板4に形成され、マトリクス配列した等面積の複数区画された小面積の電極群で構成されている。この広面積電極端子2の面積は、水晶発振器1の広い側の側壁の平面部に対応する広さと共に、発熱体6を搭載または接触搭載できる面積としている。
図6は、本発明に係る恒温槽付水晶発振器の実施における水晶振動子の接合状態を説明するX線撮影画像の模写図である。前記したように、水晶振動子の接合に寄与する半田膜9はマトリクス配列した等面積の小面積の電極群の上に存在し、その上層にある水晶振動子の金属筐体の表面に接合している。
半田の性質として、溶融した半田は、その表面張力(表面エネルギー)の作用、かつ金属表面の濡れ性がプリント基板のそれより良好であることから、金属電極である銅箔の上に集中して盛り上がる。その結果、溶融した半田は水晶振動子の金属筐体の表面に多少の歪(凹凸)があっても、その表面に届いて濡れ接合する。その結果、個々の銅箔電極と水晶振動子の金属筐体の表面は略全体的に接合される。半田の溶融で発生するガスや、銅箔電極と水晶振動子の金属筐体の表面に残る空気とガスの混合気体は、半田接合部分に留まることがない。
図7は、本発明の水晶振動子の接合効果を対比するためのべた形成した広面積電極端子の比較例を説明する要部斜視図である。また、図8は、図7に示した広面積電極端子をべた形成した場合の不定形ボイド、大面積ボイドの発生を説明するX線撮影画像の模写図である。図5と図6と同一部分には同一符号を付してある。この比較例では水晶振動子を搭載する広面積電極端子2Aをべた形成したものである。その他の構成は前記した図5と同様である。
図8に示したように、べた形成した広面積電極端子に水晶振動子の金属筐体を半田接合すると、ボイド9Aが多く発生する。これは、半田がべた形成した銅箔の全面に隙間なく塗布され、半田溶融時に発生するラックスのガスが逃げ道を失って滞留することに起因する。また、金属筐体の広い側面に平面歪があると、銅箔との間に空気が残留し、金属筐体と広面積電極端子の間を結合する半田の量が十分でなくなり、半田接合がなされないことで広い面積で接合不良部分(空洞)16が発生し、大面積ボイドとなる。
これに対し本発明では、前記実施例で説明した構成とすることによって、広面積電極端子の各小面積の電極の上に集合した半田から発生したガスは、小面積の電極の間から広面積電極端子の形成領域の外に逃げ、半田の内部には殆んど残留しない。また、水晶振動子の筐体の表面に歪みがあって、小面積の電極との間隔がばらついていても、溶融した半田の量を適正に設定することで、この間隔のばらつきを埋めて半田接合がなされ、半田膜不在の接合不良は回避される。これにより、不定形ボイド、大面積ボイドは共に回避され、均一かつ強固な接合が得られ、水晶振動子に対して均一な熱分布を与えることができる。
以上説明した実施例は、恒温槽付水晶発振器のCANパッケージ型水晶振動子の半田付け搭載構造に本発明を適用したものであるが、同様の広面積電極端子に面積の大きい部品等を半田付けする構造を有する電子部品にも適用できる。
1・・・水晶振動子(CANパッケージ型水晶振動子)
2・・・広面積電極端子(銅箔パターン)
3・・・デバイスカバー
4・・・プリント基板
5・・・水晶振動子の出力端子
6・・・発熱体
7・・・デバイスベース
8・・・柱状電極端子
9・・・半田膜
9A・・・ボイド
10・・・電子部品
11・・・熱筒
12・・・ビス
13・・・温度センサ
14・・・ICチップ
16・・・空洞(大面積ボイド)。

Claims (5)

  1. 水晶振動子と発振回路を含む回路部品を搭載したプリント基板と、このプリント基板を固定したデバイスベースと、一方に開口を有して前記プリント基板を覆って前記デバイスベースに該開口を固着されたデバイスカバーを有する恒温槽付水晶発振器であって、
    前記水晶振動子は、大きい面積の側壁を持つ金属筐体で水晶片を内装してハーメチックシールしたCANパッケージ型の水晶振動子であり、
    前記プリント基板には、その一方の面に前記水晶振動子の前記大きい面積の側壁を固着する広面積電極端子と、発熱体及び温度センサを含む電子部品を搭載する小面積電極端子を有すると共に、該プリント基板の他方の面には、前記水晶振動子と共に発振回路及び温度制御回路を構成する1又は複数のICチップおよび電子部品を搭載する端子群を含む配線パターンを有し、
    前記デバイスベースは、前記プリント基板を該デバイスベースの面から離間させて植立保持すると共に外部機器への実装端子となる柱状電極端子を有する絶縁基板で構成され、
    前記広面積電極端子は、複数に区画された小面積の電極群で構成され、前記水晶振動子の大きい面積の側壁と半田付けで接合してなることを特徴とする恒温槽付水晶発振器。
  2. 請求項1において、
    前記広面積電極端子の一端部が、前記発熱体の搭載部分に延びて形成され、発熱体の熱を前記広面積電極端子を通して前記水晶振動子の筐体に伝達することを特徴とする恒温槽付水晶発振器。
  3. 請求項1又は2において、
    前記広面積電極端子を構成する前記小面積の電極群が、前記プリント基板の絶縁基板に張った銅箔を加工して電極パターンとするパターニング工程で格子状配列にパターニングした銅箔パターンであることを特徴とする恒温槽付水晶発振器。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、
    前記小面積の電極群の面積が全域で等しいことを特徴とする恒温槽付水晶発振器。
  5. 請求項1乃至4の何れかにおいて、
    前記小面積の電極群の形状が全て矩形であることを特徴とする恒温槽付水晶発振器。

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