JP6058344B2 - 車両用前照灯装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、投影レンズを介して車両前方へ光を照射して第1照射領域を形成可能な第1光源と、投影レンズを介して車両前方へ光を照射して、光軸に対して横方向に第1照射領域と連なるように連結される第2照射領域を形成可能な第2光源と、少なくとも第1照射領域と第2照射領域とが連結される連結部分を含む端部領域への光を遮光する位置と端部領域への照射を許容する位置に移動可能な可動シェードと、第1光源および第2光源の点消灯状態と可動シェードの移動状態の組合せで決まる配光パターンの中からいずれかを選択する制御部と、を備えた車両用前照灯装置が提案されている。
これによれば、前方車両(先行車、対向車)、歩行者等へのグレアを考慮した配光パターンを形成できるばかりでなく、光源の数よりも多い数の領域の照射状態の制御が可能となり、筐体の小型化、部品コストの軽減、制御のシンプル化、必要電力の軽減が可能になる。
また、近時、デザイン上の要請に基づき、左右の各前照灯が、ランプユニット集合群として、ハイビームを照射する2つのハイビームユニットをそれぞれ備える傾向にある。このような2つのハイビームユニットを備える前照灯においても、上記同様、前方車両等へのグレア付与を防止した適切な配光パターンを形成することは必要であり、左右各前照灯が2つのハイビームユニットをそれぞれ備える複雑な構造の下で、いかに効果的に前述の問題点を解決するかが重要なこととなる。
2組のランプユニット集合群が備えられ、前記各組のランプユニット集合群に、ハイビームを照射する2つのハイビームユニットがそれぞれ備えられている車両用前照灯装置において、
前記2組のランプユニット集合群のうち、一方の組におけるランプユニット集合群では、一方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、第1配光パターンを形成するように設定されていると共に、他方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、前記第1配光パターンに対して並設される第2配光パターンを形成するように設定され、
前記2組のランプユニット集合群のうち、他方の組におけるランプユニット集合群では、一方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、前記第2配光パターンを形成するように設定されていると共に、他方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、前記第1配光パターンを形成するように設定され、
前記一方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットに、該一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第1配光パターンを水平方向に移動させるための第1配光パターン用移動調整手段が、前記一方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットに対して独立した状態で関連付けられ、
前記他方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットに、該一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第2配光パターンを水平方向に移動させるための第2配光パターン用移動調整手段が、該他方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットに対して独立した状態で関連付けられ、
前記第1配光パターン用移動調整手段が、前方対象物が存在しないとき、前記一方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第1配光パターンを、該一方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第2配光パターンに対して、その第1、第2配光パターンの並設方向内方側において重ねた状態にするように設定され、
前記第2配光パターン用移動調整手段についても、前方対象物が存在しないとき、前記他方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第2配光パターンを、該他方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第1配光パターンに対して、その第1、第2配光パターンの並設方向内方側において重ねた状態にするように設定されている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載の通りとなる。
また、各組におけるランプユニット集合群の一方のハイビームユニットにだけ、配光パターン用移動調整手段(第1、第2配光パターン用移動調整手段)が関連付けられることから、各組におけるランプユニット集合群におけるハイビームユニットの全体に対して配光パターン用移動調整手段(第1、第2配光パターン用移動調整手段)を一体的に関連付ける場合に比して、各配光パターン用移動調整手段の作動(駆動)負担を軽減できる。
また、第1、第2配光パターンを横方向(車幅方向)外側に大きく移動させることができ、前方車両等へのグレア付与を防止した配光パターンを形成するに際して、配光パターンの位置変更を高い自由度をもって行うことができる。
図1〜図3において、符号1Aは、第1実施形態に係る車両用前照灯装置を示す。この車両用前照灯装置1Aは、2組のランプユニット集合群として、左前照灯(一方の組におけるランプユニット集合群)1Lと、右前照灯(他方の組におけるランプユニット集合群)1Rと、を備えている。この左前照灯1Lと右前照灯1Rとは、車両前部に車幅方向両側において取付けられており、その両者1L,1Rの構成は、車幅方向中央部を基準とした対称的な関係の下で同じ構成とされている。このため、以下、左前照灯1Lを中心として説明し、右前照灯1Rに関しては、特徴的な部分のみを説明し、その他の部分については、図3等において、左前照灯1Lと対応関係にある同一構成要素と同一符号を付して、その説明を省略する。この場合、左前照灯1Lの要素に添字として「L」が付されたものに対応する要素については、対応関係を明確にすべく、添字として「R」を付す。
尚、図1においては、ロービームユニットLUL、ロービーム拡散光ユニットLDUL、ハイビームユニットHU1L、HU2Lの前方に前面ガラスが存在するが、見易くするために便宜上、これらユニットLUL、LDUL、HU1L、HU2Lについては、実線をもって描かれている。
これにより、ハイビームユニットHU1Lは、前方において、横方向に延びる略長方形状の第1配光パターンHP1を形成することができると共に、その第1配光パターンHP1を横方向(水平方向)に移動させることができる。この第1配光パターンHP1は、図8に示すように、初期状態においては、その大部分がH−H線よりも上方側に位置された状態の下でV−V線を基準として左側に配置され、その第1配光パターンHP1の車幅方向内方側部分だけが、V−V線を超えてやや右側にはみ出している。この第1配光パターンHP1は、その車幅方向内方側において鉛直方向に延びる明瞭な縦カットオフラインCL1を有することになっており、この縦カットオフラインCL1は、発光素子22aの光を遮る仕切部材23により形成される。このはみだし量は、V−V線から0〜5°程度に設定されている。これは、後述の第2配光パターンHP2と相まって、V−V線を中心とした領域を明るくすると共に、前方車両等へのグレア付与の防止措置を実行する際に、縦カットオフラインCL1の横方向への移動量を適度にするためである。
これにより、ハイビームユニットHU2Lは、図8に示すように、前方において、横方向に延びる略長方形状の第2配光パターンHP2を形成する。この第2配光パターンHP2は、初期状態において、その大部分がH−H線よりも上方側に位置された状態の下で、V−V線を基準として右側に配置されており、その第2配光パターンHPの車幅方向内方側部分だけが、V−V線を超えて左側にはみ出している。このはみだし量も、前記第1配光パターンHP1同様、V−V線から0〜5°程度に設定されている。
制御ユニットUには、対象物検出手段としてのカメラ26からの入力映像信号、ライトモードスイッチ27からのライトのモード選択信号、左右各前照灯1L,1Rにおける各ユニットHU1L、HU2L、HU1R、HU2R、LUL、LUR、LDUL、LDURの点灯の有無を検出する点灯検出機構28(例えば後述の電源回路29)からの点灯検出信号が入力される。カメラ26としては、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ、ステレオカメラ26等が適宜、用いられ、そのカメラ26は、左右前照灯1L,1Rの中間位置、例えば車両室内におけるルームミラーの背面部等に取付けられる。ライトモードスイッチ27は、運転者近辺の操作パネル上等に配置され、そのライトモードスイッチ27の操作により、照射(ライト)のモードが選択できることになっている。
一方、制御ユニットUからは、各ロービームユニットLUL、LUR、ロービーム拡散光ユニットLDUL、LDUR及び各ハイビームユニットHU1L、HU2L、HU1R、HU2Rの点消灯を行う電源回路29、前記スイブルアクチュエータスイブルアクチュエータ14L,14Rに対して制御信号がそれぞれ出力されることになっている。
制御ユニットUは、前方車両等へのグレア付与を防止する観点から、点灯・消灯決定部と、前方対象物位置演算処理部と、縦カットオフライン位置決定部と、駆動量演算部と、制御実行部と、を備えている。
点灯・消灯決定部は、ライトモードスイッチ27からのモード選択信号を受け入れて、それに基づき、ロービームユニットLUL(LUR)、ロービーム拡散光ユニットLDUL(LDUR)、各ハイビームユニットHU1L、HU2L(HU1R、HU2R)の各発光素子17,22a,22bが点灯又は消灯することを決定する機能を有している。例えば、ハイビーム、ロービーム及びロービーム拡散光を照射する状態下で、前方車両等へのグレア付与防止を考慮した照射を行うライトモード(以下、自動部分遮光モードという)が選択された場合には、ハイビームユニットHU1L、HU1R、ロービームユニットLUL、LUR及びロービーム拡散光ユニットLDUL、LDURに対する点灯を決定し、その他のユニットHU2L、HU2Rに対しては消灯を決定する。
前方対象物位置演算処理部は、カメラ26からの画像データを取り込んで、前方車両等を既知のアルゴリズムに従って検出し(前方車両の場合には、車両の前照灯又は尾灯に相当する部分を検出)、その位置をH−V座標系において特定する機能を有している。
縦カットオフライン位置決定部は、前方対象物位置演算処理部からデータを受け取り、前方対象物位置演算処理部が特定した前方車両等を、H−H線上において間に挟むことができる位置を特定し、それを、移動すべき左右の縦カットオフラインの位置としてそれぞれ決定する機能を有している。この場合、前方車両等を間に挟む位置関係を特定するに際しては、多少、余裕をもたせることが好ましい。
駆動量演算部は、現在における左右の縦カットオフラインCL1,CL2の実際の位置(H−H線上の位置)を取り込み、前方対象物位置演算処理部が特定した左右の各縦カットオフラインの位置と、現在における左右の各縦カットオフラインCL1(CL2)の実際の位置(H−H線上の位置)との差分を演算し、その各演算値に基づき左右の各ハイビームユニットHU1L、HU1Rのスイブルアクチュエータ14L,14Rの駆動量を導く機能を有している。
制御実行部は、ライトモードスイッチ27により選択されたライトモードを実行すべく、点灯・消灯決定部の点灯、消灯信号を電源回路29に出力すると共に、駆動量演算部からの演算結果を制御信号として左右のスイブルアクチュエータ14L,14Rに出力する機能を有している。
ライトモードスイッチ27により自動部分遮光モードが選択された場合には、初期状態の態様として、左前照灯1Lにおいては、ハイビームユニットHU1L、ロービームユニットLUL及びロービーム拡散光ユニットLDULが点灯され、ハイビームユニットHU2L、が消灯される。右前照灯1Rにおいては、ハイビームユニットHU1R、ロービームユニットLUR及びロービーム拡散光ユニットLDURが点灯され、ハイビームユニットHU2Rが消灯される。これにより、図10に示すように、左前照灯1Lによる照射に基づき、ハイビームユニットHU1Lの照射に基づく第1配光パターンHP1が、V−V線を基準として左側にその大部分を占めるようにして形成され(初期状態)、H−H線の下方側においては、V−V線を基準として左右方向に延びるロービーム配光パターンLPLが形成されると共に、その周囲において拡散光配光パターンLDPLが形成される。また、右前照灯IRによる照射に基づいては、ハイビームユニットHU1Rの照射に基づく第2配光パターンHP2が、V−V線を基準として右側にその大部分を占めるようにして形成され(初期状態)、H−H線の下方側においては、V−V線を基準として左右方向に延びるロービーム配光パターンLPRが形成されると共に、その周囲において拡散光配光パターンLDPRが形成される。結果、その合成配光パターンとして、第1、第2配光パターンHP1,HP2が、その車幅方向内方側部分において重なりつつ、左右方向に並設された状態となり、H−H線の下方側においては、ロービーム配光パターンLPL(LPR)及び拡散光配光パターンLDPL(LDPR)が形を変えることなく重なった状態となる。
尚、図11においては、ロービーム配光パターンLPL(LPR)及び拡散光配光パターンLDPL(LDPR)の図示は略されている。
図12は、前方車両等31との車間距離の短縮に伴い、前方車両等31が大きくなった場合を示しており、この場合には、第1、第2配光パターンHP1,HP2が離間する方向に移動されてその両者HP1,HP2間のスプリット幅が拡大され、その第1、第2配光パターンHP1,HP2間にその前方車両等31が位置されることになる。
尚、図12においては、ロービーム配光パターンLPL(LPR)及び拡散光配光パターンLDPL(LDPR)の図示は略されている。
このとき、ロービーム配光パターンLPL(LPR)及び拡散光配光パターンLDPL(LDPR)は、第1配光パターンHP1及び第2配光パターンHP2が右方向に移動したとしても、当初の状態がそのまま維持され、第1、第2配光パターンHP1,HP2に追随することはない。これにより、車両前方(手前)において特に明るいロービーム配光パターンが追随することに基づく乗員の違和感を防止できることになる。
尚、図14においては、ロービーム配光パターンLPL(LPR)及び拡散光配光パターンLDPL(LDPR)の図示は略されている。
先ず、S1において、自動部分遮光モード(左前照灯1LのハイビームユニットHU1L及びロービームユニットLUL、右前照灯のハイビームユニットHU1R及びロービームユニットLURが点灯状態の下で前方車両等に対するグレア付与の防止を図ったモード)がライトモードスイッチ27により選択されたか否かが判別される。このS1がNOのときには、その判別が繰り返される一方、そのS1がYESのときには、S2において、左前照灯1LのハイビームユニットHU1L及びロービームユニットLUL、右前照灯1RのハイビームユニットHU1R及びロービームユニットLURが点灯されると共に、フラグFがF=0が設定される。このフラグFは、前方車両等の検出から初めての処理(1回目の処理)が終了したか否かを設定するもので、F=0は初回の処理が終了していないことを意味し、F=1は初回の処理が終了していることを意味する。
一方、S8がYESのときには、スイブルアクチュエータ14Lでは対応できないため、S11において左前照灯1LのハイビームユニットHU1L(発光素子)は消灯され、S12においてスイブルアクチュエータ14Lの限界位置までの駆動量を演算した上で、次の処理に迅速に対応すべく、前記S10に移行して、その駆動量が記憶される。
S15においては、スイブルアクチュエータ14Lに対してS10の駆動量(S9又はS12の駆動量)が実行されると共に、スイブルアクチュエータ14Rに対してS14又はS18の駆動量が実行され、次のS16において、フラグFがF=1に設定される。
前記S32又はS36の処理を終えると、S34において、スイブルアクチュエータ14Lに対してS26の駆動量(S24又はS28の駆動量)が実行されると共に、スイブルアクチュエータ14Rに対してS32又はS36の駆動量が実行され、その実行を終えると、リターンされる。
この場合において、本実施形態においては、前方車両等が左右方向のいずれかにシフトし過ぎてスイブルアクチュエータ14L(又は14R)の駆動範囲では対応できない場合には、対応できない側のハイビームユニットHU1L(又はHU1R)は、消灯される。
またこの場合、左右前照灯1RのロービームユニットLUL,LUR,ロービーム拡散光ユニットLDUL,LDURが、ハイビームユニットHU1L(HU1R)の移動に追従して、移動しないことから、車両前方(手前)において明るいロービーム配光パターンLPL,LPR及びロービーム拡散光配光パターンLDPL,LDPRは、第1、第2配光パターンHP1,HP2の移動に追随せずに、その位置状態が維持され、第1、第2配光パターンHP1,HP2の移動に伴うロービーム配光パターンLPL,LPRの追随に基づく乗員の違和感が防止される。
さらに、種々の態様の配光パターンを形成できるようにすべく、左右各前照灯1L(1R)に2つのハイビームユニット等を備える構造の下でも、ハイビームユニットHU2L(HU2R)の消灯操作等を利用して、左右各前照灯1L,1Rにおける一方のハイビームユニットHU1L(HU1R)にだけスイブルアクチュエータ14L(14R)を関連付け、これにより、前方車両等へのグレア付与を防止できることになっている。このため、その前方車両等へのグレア付与に際して、スイブルアクチュエータ14L(14R)の作動(駆動)負担を軽減できる。
このため、この第2実施形態においては、図17〜図19に示すように、前記第1実施形態とは異なり、ロービームユニットLUL及びロービーム拡散光ユニットLDULに対してはスイブルアクチュエータ32Lにより、また、ロービームユニットLUR及びロービーム拡散光ユニットLDU R に対してはスイブルアクチュエータ32Rによりそれぞれ駆動できることになっており、その駆動により、ロービーム配光パターンLPL及び拡散光配光パターンLDPL、ロービーム配光パターンLPR及び拡散光配光パターンLDPLは、横方向(水平方向)に移動できることになっている。
具体的に図17、図18により説明すれば、支持部材7として、支持部35と、その支持部35に対して段差をもつ段部(第3段部)11とを有するものが用いられ、段部11に、前記第1実施形態同様、ハイビームユニットHU1L、HU2Lが取付けられている一方、支持部35には開口35Aが形成され、ロービームユニットLUL及びロービーム拡散光ユニットLDULは、その各後部をその開口35Aを貫通した状態で配置されている。このロービームユニットLUL及びロービーム拡散光ユニットLDULは、その各後面が連結プレート36により一体化されており、その連結プレート36の後面に放熱フィン12が設けられている一方、その連結プレート36の前面には、ロービームユニットLULとロービーム拡散光ユニットLDULとの間において、突部37が設けられている。一方、支持部35の下部35b外面にはスイブルアクチュエータ32Lが取付けられ、その回転軸32Laは、支持部35の下部35bを回転可能に貫通している。この回転軸32Laは、さらに前記突部37に対して相対回転不能に貫通された状態をもって上方に延び、その先端部は、支持部35の上部35aに回転可能に支持されている。これにより、ロービームユニットLULとロービーム拡散光ユニットLDULとは一体的に、スイブルアクチュエータ32Lにより回転駆動されることになっている。このような構成は、右前照灯1Rにおいても同様のものとなっている。
また、制御ユニットUにおいては、図19に示すように、ハイビームユニットHU1L,HU1Rのスイブルアクチュエータ14L,14Rに加えて、ロービームユニットLUL及びロービーム拡散光ユニットLDULに対するアクチュエータ32L、ロービームユニットLUR及びロービーム拡散光ユニットLDURに対するアクチュエータ32Rが制御されると共に、電源回路29に対しては、点消灯制御の他に、照度(光度)の増減制御(電流制御)も行われることになっている。
この第2実施形態に係る制御例は、前記第1実施形態に係る図15,図16のフローチャートに図21に示すフローチャートを付加したものとなっており、この図21に示すフローチャートは、S15とS16との間、また、S34と「リターン」との間に挿入される。
この第2実施形態においては、S6で、S5での検出結果に基づき縦カットオフラインCL1,CL2の移動位置を決定するだけでなく、前方車両等の車幅方向中央部の位置等についても決定することになっており、それを利用して、S15(S34)に続いて付加されるS38において、各スイブルアクチュエータ32L,32Rの駆動量が演算され、その各駆動量が各スイブルアクチュエータ32L,32Rに対して実行される(S39)。そして次のS40において、電源回路29を制御することにより発光素子17に対する電流値が低減されてロービームが通常時よりも減光され、S41において、同じく電源回路29を制御することにより電流値が増大されてロービーム拡散光が通常時よりも増光される。これらS40,S41の処理は、各スイブルアクチュエータ32L,32Rが作動している間に実行され(S40〜S43)、各スイブルアクチュエータ32L,32Rの作動が停止したときには、各電流値は元に戻されて、ロービーム配光パターンLPL,LPR、拡散光配光パターンLDPL,LDPRの各光度は通常時の状態に復帰する(S42〜S44)。
しかも、この第2実施形態においては、第1配光パターンHP1、第2配光パターンHP2及びロービーム配光パターンLPL,LPRの横方向への移動に伴い、拡散配光パターンLDPL,LDPRを移動させると共に、拡散配光パターンLDPL,LDPRの光度を拡散配光パターンLDPL,LDPRの移動前に比べて増光するように設定されていることから、ロービーム配光パターンLPL,LPRの減光と相まって、第1、第2配光パターンHP1,HP2の移動に伴うロービーム配光パターンLPL,LPRの追随に基づく乗員の違和感を、一層防止できる。
(1)第1実施形態において、第1、第2実施形態において、ロービーム配光パターンLPL,LPRだけを形成して、拡散配光パターンLDPL,LDPRを形成しないこと。
(2)ハイビームユニットHU1L(HU1R)ではなく、投影レンズ21a(21b)を駆動して第1、第2配光パターンH1,H2を移動させること。
(3)前方車両等へのグレア付与防止制御を行うに際して、左前照灯1LのハイビームユニットHU2L,HU2Rを消灯したが、それらを、眩しくない程度まで減光し、完全消灯としないことにより、一部が消灯したように見せないこと。これにより、見栄えの向上を図ることができる。
(4)ハイビーム配光の最適化のために、左右各前照灯1L(1R)に、前記ハイビームユニットHU1L,HU2L(HU1R,HU2R)に加えて、さらにハイビームユニットを設け、そのハイビームユニットのハイビームを用いることにより、図10に示す状態において、V−V線付近を照射すること。
(5)第2実施形態においては、ロービームユニットLUL及びロービーム拡散光ユニットLDUL(ロービームユニットLU R 及びロービーム拡散光ユニットLDU R )をスイブルアクチュエータ32L(32R)により一体的に駆動したが、ロービームユニットLUL(LUR)、ロービーム拡散光ユニットLDUL(LDUR)を個々にスイブルアクチュエータを用いて駆動すること。
(6)第2実施形態における制御例において(図15、図16、図21)、S38の駆動量演算処理をS14(S32又はS36)の次に行い、S15(S34)において各スイブルアクチュエータ14L,14R,32L,32Rに対する駆動を実行すること(これに伴いS39削除)。
1L 左前照灯(一方のランプユニット集合群)
1R 右前照灯(他方のランプユニット集合群)
14L スイブルアクチュエータ(第1配光パターン用移動調整手段)
14R スイブルアクチュエータ(第2配光パターン用移動調整手段)
32L スイブルアクチュエータ(ロービーム配光パターン用移動調整手段)
32R スイブルアクチュエータ(ロービーム配光パターン用移動調整手段)
HU1L ハイビームユニット(一方のランプユニット集合群における一方のハイビームユニット)
HU1R ハイビームユニット(他方のランプユニット集合群における一方のハイビームユニット)
LUL ロービームユニット
LUR ロービームユニット
LDUL ロービーム拡散光ユニット
LDUR ロービーム拡散光ユニット
U 制御ユニット(制御手段)
Claims (6)
- 2組のランプユニット集合群が備えられ、前記各組のランプユニット集合群に、ハイビームを照射する2つのハイビームユニットがそれぞれ備えられている車両用前照灯装置において、
前記2組のランプユニット集合群のうち、一方の組におけるランプユニット集合群では、一方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、第1配光パターンを形成するように設定されていると共に、他方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、前記第1配光パターンに対して並設される第2配光パターンを形成するように設定され、
前記2組のランプユニット集合群のうち、他方の組におけるランプユニット集合群では、一方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、前記第2配光パターンを形成するように設定されていると共に、他方のハイビームユニットが、ハイビーム照射に基づき、前記第1配光パターンを形成するように設定され、
前記一方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットに、該一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第1配光パターンを水平方向に移動させるための第1配光パターン用移動調整手段が、前記一方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットに対して独立した状態で関連付けられ、
前記他方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットに、該一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第2配光パターンを水平方向に移動させるための第2配光パターン用移動調整手段が、該他方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットに対して独立した状態で関連付けられ、
前記第1配光パターン用移動調整手段が、前方対象物が存在しないとき、前記一方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第1配光パターンを、該一方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第2配光パターンに対して、その第1、第2配光パターンの並設方向内方側において重ねた状態にするように設定され、
前記第2配光パターン用移動調整手段についても、前方対象物が存在しないとき、前記他方の組におけるランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第2配光パターンを、該他方の組におけるランプユニット集合群の前記他方のハイビームユニットがハイビーム照射によって形成する前記第1配光パターンに対して、その第1、第2配光パターンの並設方向内方側において重ねた状態にするように設定されている、
ことを特徴とする車両用前照灯装置。 - 請求項1において、
前記2組のランプユニット集合群が、車幅方向中央部を基準とした両側に配置される左右の前照灯として、用いられ、
前記各ランプユニット集合群における2つのハイビームユニットが横方向に並ぶように配置され、
前記各ランプユニット集合群の前記一方のハイビームユニットが、該各ランプユニット集合群において、横方向外側に配置されたものとされていると共に、該各一方のハイビームユニットが形成する配光パターンが、車幅方向中央部を基準として、該各一方のハイビームユニットが属するランプユニット集合群と同じ側に配置されるように設定されている、
ことを特徴とする車両用前照灯装置。 - 請求項1において、
前方対象物を検出する対象物検出手段と、
前記対象物検出手段からの検出結果に基づき、前方対象物を検出したと判断したとき、前記第1配光パターン用移動調整手段及び前記第2配光パターン用移動調整手段を制御して、前記第1配光パターンと前記第2配光パターンとを、該第1配光パターンと該第2配光パターンとの間に前記前方対象物が位置するように配置させる制御手段と、を備えている、
ことを特徴とする車両用前照灯装置。 - 請求項3において、
前方にロービームを照射することによりロービーム配光パターンを形成するロービームユニットが備えられ、
前記ロービームユニットが、前記ロービーム配光パターンを車両前方に位置固定して用いるように設定されている、
ことを特徴とする車両用前照灯装置。 - 請求項3において、
前方にロービームを照射してロービーム配光パターンを形成するロービームユニットと、該ロービームユニットに関連付けられて前記ロービーム配光パターンの水平方向の移動を調整するロービーム配光パターン用移動調整手段と、前記ロービーム配光パターンの光度を調整するロービーム光度調整手段と、が備えられ、
前記制御手段は、前記対象物検出手段の検出結果に基づき、前方対象物を検出したと判断したとき、前記ロービーム配光パターン用移動調整手段をも制御して該第1配光パターン及び該第2配光パターンの移動に追従して前記ロービーム配光パターンを移動させると共に、前記ロービーム光度調整手段を制御して該ロービーム配光パターンの光度を該ロービーム配光パターンの移動前に比べて減光するように設定されている、
ことを特徴とする車両用前照灯装置。 - 請求項5において、
前方にロービーム拡散光を照射して前記ロービーム配光パターンの周囲に拡散配光パターンを形成するロービーム拡散光ユニットと、該拡散配光パターンの水平方向への移動を調整する拡散配光パターン用移動調整手段と、該拡散配光パターンの光度を調整する拡散光用光度調整手段と、が備えられ、
前記制御手段は、前記対象物検出手段の検出結果に基づき、前方対象物を検出したと判断したとき、前記拡散配光パターン用移動調整手段をも制御して前記第1配光パターン、該第2配光パターン及び前記ロービーム配光パターンの移動に追従して拡散配光パターンを移動させると共に、前記拡散光用光度調整手段を制御して該拡散配光パターンの光度を該拡散配光パターンの移動前に比べて増光するように設定されている、
ことを特徴とする車両用前照灯装置。
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