JP6057450B2 - Ito透明導電膜付き基板およびその製造方法 - Google Patents

Ito透明導電膜付き基板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ITO透明導電膜付き基板およびその製造方法に関する。
透明導電膜は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機ELディスプレイ等のディスプレイの電極、タッチパネルの電極、太陽電池の電極等に広く用いられている。そのような透明導電膜としては、インジウム錫酸化物(In−SnO、以下「ITO」と表記する。)系の膜が知られている。透明導電膜の製造方法としては、DCマグネトロンスパッタリング法が広く用いられている。DCマグネトロンスパッタリング法によれば、大面積の基板に均質な膜を成膜することができるため、膜厚分布を低減させることができる。
従来、ITO透明導電膜は、例えば、ガラス基板上に成膜されて用いられていた。ITO透明導電膜をガラス基板上に成膜する場合、抵抗値を低減させることに主眼をおき、基板温度を200〜300℃に設定することが多い。
近年、素子の軽量化、薄膜化、フレキシブル化のために、基板をガラス等の無機物からなる基板から、高分子フィルムや高分子フィルム上に無機物の薄膜を形成したフレキシブル基板に置き換える試みがある。フレキシブル基板は、無機物からなる基板に比べて耐熱性が低く、高分子フィルムの融点に近い温度に加熱すると形状が変化し、また、弾性率、屈折率、拡散係数、誘電率等の機械的特性や電気的特性が大きく変わるという問題がある。そのため、成膜によるフレキシブル基板の表面温度の上昇も考慮して、フレキシブル基板の耐熱温度以下の条件で成膜する必要がある。
一般に、DCマグネトロンスパッタリング法により成膜されるITO透明導電膜の構造および電気的特性は、その成膜温度に強く依存すると言われている。
ITO透明導電膜の構造については、基板温度を室温に保って成膜した場合、結晶質部と非晶質部が混在した状態のITO透明導電膜、あるいは、非晶質状態のITO透明導電膜が形成される。
また、ITO透明導電膜の電気的特性については、低温で成膜した場合、成膜直後にITO透明導電膜の抵抗値は著しく低減することがなく、一般に5〜7×10−4Ω・cmの比抵抗を示す。そして、上述のような応用用途においては、ITO透明導電膜の低抵抗化が求められている。
さらに、素子の量産という観点からは、低コストで生産できる工程が求められている。その手段の1つとしては、例えば、高分子フィルムやステンレス鋼等からなる可撓性基板をロール状に巻き、その基板を別のロールに巻き取りながら、ロールとロールの間において成膜、印刷、アニール、レーザー加工等の各単位操作をインラインで行い、連続的に処理するロール・ツー・ロール法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
ロール・ツー・ロール法において、可撓性基板を搬送する際、基板の皺や弛み、折れ(座屈)、片伸び、蛇行、振動、滑り等の異常を防止するために、搬送の際に基板に張力を加える対策が採用されている。その際、特に基板が高分子フィルムである場合、高分子フィルムに加えられる張力により、高分子フィルムに伸びが生じ、高分子フィルム上に形成された機能性膜の特性を低下させることがあった。
再公表WO01/005194号公報
しかしながら、これまでに、ロール・ツー・ロール法において、基板に加えられる張力によって、機能性膜の特性が低下することについて検討が行われてこなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ロール・ツー・ロール法において基板に加えられる張力によって、実用不可能な程にITO透明導電膜の特性が低下することを防止したITO透明導電膜付き基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の発明が上記課題に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
本発明のITO透明導電膜付き基板は、含水率を0.15質量%以下とした高分子フィルムを有する基板上に、イオンプレーティング法により少なくとも1層のITO透明導電膜が成膜されてなることを特徴とする。
本発明のITO透明導電膜付き基板において、前記ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた反射電子像観察において、0.05μm以上であることが好ましい。
本発明のITO透明導電膜付き基板において、前記ITO透明導電膜の引張り時に発生するクラックサイズが1000μm以下であることが好ましい。
本発明のITO透明導電膜付き基板において、前記ITO透明導電膜の比抵抗は、0.8×10−4〜3.5×10−4Ωcmの範囲であることが好ましい。
本発明のITO透明導電膜付き基板において、前記イオンプレーティング法は、圧力勾配型プラズマガンを用いた反応性イオンプレーティング法であることが好ましい。
また、本発明のITO透明導電膜付き基板の製造方法は、高分子フィルムを有する基板の含水率を0.15質量%以下とし、前記基板上に、イオンプレーティング法により少なくとも1層のITO透明導電膜を成膜することを特徴とする。
本発明によれば、1.0%引っ張った後のシート抵抗の変化率が1500%以内であり、ロール・ツー・ロール法に適用した場合に基板に加えられる張力によって、実用不可能な程にITO透明導電膜の特性が低下することを防止したITO透明導電膜付き基板およびその製造方法を提供することができる。
本実施形態のITO透明導電膜付き基板およびその製造方法に用いられる反応性イオンプレーティング装置の一例を示す模式図である。 実施例1のITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像である。 実施例2のITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像である。 比較例1のITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像である。 比較例2のITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像である。
本発明のITO透明導電膜付き基板およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<ITO透明導電膜付き基板およびその製造方法>
本実施形態のITO透明導電膜付き基板は、高分子フィルムを有する基板と、高分子フィルムを有する基板の含水率を0.15質量%以下とした後、その高分子フィルムを有する基板の少なくとも一面に、イオンプレーティング法により成膜された少なくとも1層のITO透明導電膜とから概略構成されている。
本実施形態において、高分子フィルムを有する基板とは、1種または2種以上の高分子フィルムのみから構成される基板、あるいは、1種または2種以上の高分子フィルムから構成される基板上に無機物の薄膜を形成した基板であり、可撓性を有するフレキシブル基板である。
高分子フィルムを有する基板を構成する高分子フィルムは、無色透明であれば特に限定されるものではなく、高分子フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル樹脂;アセタール樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルサルファイド(PES)等が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの樹脂は、透明性、耐熱性、線膨張性等の高分子フィルムに必要な特性に応じて選択されることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、環状ポリオレフィンがより好ましい。
高分子フィルムを有する基板の厚さは、積層フィルムを製造する際の安定性等を考慮して適宜設定されるが、真空中においても搬送が容易であることから、5〜500μmであることが好ましい。
なお、高分子フィルムには、ITO透明導電膜との密着性を向上させる観点から、その表面を清浄するための表面活性処理を施してもよい。このような表面活性処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等が挙げられる。
本実施形態では、高分子フィルムを有する基板には、必要に応じて、無機化合物層、有機化合物層、または、無機化合物層と有機化合物層のハイブリッド層が設けられていてもよい。
この無機化合物層、有機化合物層、または、ハイブリッド層を設ける位置は、特に限定されるものではなく、例えば、ITO透明導電膜の表面、ITO透明導電膜と高分子フィルムを有する基板との中間位置、あるいは、高分子フィルムを有する基板におけるITO透明導電膜が成膜されていない面に設けることができる。
高分子フィルムを有する基板とITO透明導電膜との間に、無機化合物層、有機化合物層、または、ハイブリッド層が設けられた場合には、特に高度のガスバリア性を達成することができる。また、高分子フィルムを有する基板におけるITO透明導電膜が成膜されていない面に、無機化合物層、有機化合物層、または、ハイブリッド層が設けられた場合には、無機化合物層、有機化合物層、または、ハイブリッド層により脱ガスを抑える効果が得られるとともに、成膜時の応力による高分子フィルムを有する基板の変形を抑え、かつ、フレキシビリティを兼ね備えたものとすることができる。
有機ELディスプレイ等のディスプレイや薄膜系太陽電池等の電子デバイスにおいては、湿度や酸素を嫌うものも多いため、高分子フィルムを有する基板の表面には、バリア層等の機能層が設けられていることが好ましい。高分子フィルムを有する基板にバリア性を付与するためには、無機化合物層、有機化合物層、または、ハイブリッド層が形成されていることが好ましい。すなわち、高分子フィルムを有する基板としては、水蒸気透過度が0.01g/m・day・atm以下のバリア性フィルムであることが好ましく、特に有機ELディスプレイ用途では、酸素透過度が10−3ml/m・day・atm以下、水蒸気透過度が10−5g/m・day・atm以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
無機化合物層を形成する材料としては、水分や酸素等の素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、SiO、SiO、SiON、SiN、SiOCN、SiAlON等を用いることができる。
さらに、ITO透明導電膜の脆弱性を改善するために、これら無機化合物層からなる層を積層してなる積層構造や、無機化合物層と有機化合物層からなる層を積層してなる積層構造をなす複合層が、高分子フィルムを有する基板に設けられていてもよい。無機化合物層と有機化合物層の積層順や積層回数については特に限定されるものではないが、無機化合物層と有機化合物層を交互に複数回積層させることが好ましい。また、無機化合物層において、ITO透明導電膜の脆弱性を改善するために、無機化合物層内の酸素、炭素、窒素等の濃度が膜厚方向に対して変化していてもよい。
無機化合物層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等が用いられる。
高分子フィルムを有する基板上に成膜されるITO透明導電膜は、酸化インジウムに、スズを酸化物換算で3〜10質量%添加してなるものである。
スズの添加量が酸化物換算で3質量%未満であると、ITO透明導電膜中のキャリヤ濃度が低くなる。一方、スズの添加量が酸化物換算で10質量%を超えると、キャリヤの移動度が小さくなる。このように、スズの添加量が上記の範囲を満たさない場合、導電性が低下するので、酸化インジウムに対するスズの添加量は、酸化物換算で3〜10質量%であることが好ましい。
ITO透明導電膜は、基板の加熱温度をより低くでき、基板の加熱温度が低い場合でも低抵抗化が可能であるという観点から、プラズマガンを用いたイオンプレーティング法により成膜されるが、圧力勾配型プラズマガンを用いた反応性イオンプレーティング法により成膜することがより好ましい。
圧力勾配型プラズマガンを用いた反応性イオンプレーティング法は、真空チャンバーと、真空チャンバー内に向けてプラズマビームを生成する圧力勾配型プラズマガンと、プラズマビームの横断面を収縮させる磁石と、環状の収束コイルとを備えた反応性イオンプレーティング装置を用い、真空チャンバー内に配置した成膜物質(ターゲット)に、プラズマビームを照射して、成膜物質を蒸発、イオン化させ、基板上に成膜物質を付着させることにより薄膜を形成する成膜法である。
[反応性イオンプレーティング装置]
図1は、本実施形態のITO透明導電膜付き基板およびその製造方法に用いられる反応性イオンプレーティング装置の一例を示す模式図である。
反応性イオンプレーティング装置10は、真空チャンバー11と、真空チャンバー11内に配置されて、被成膜体である高分子フィルムを有する基板12を保持する基板フォルダ13と、基板フォルダ13の下方に、真空チャンバー11の中央部に設けられた開閉可能なシャッター14を介して配置され、成膜物質(ターゲット)30を収容するインナーハース15を有するハース16と、真空チャンバー11内にプラズマを発生させる圧力勾配型プラズマガン17と、プラズマ発生用電源18とから概略構成されている。
また、真空チャンバー11には、真空チャンバー11内にプロセスガスを導入するプロセスガス導入口19と、真空チャンバー11内に、その内圧を調節するための調圧ガスを導入する調圧ガス導入口20とが設けられている。さらに、真空チャンバー11には、真空チャンバー11内のガスを排気する排気口21が設けられている。
プロセスガス導入口19には、マスフローコントローラ(図示略)を介して、真空チャンバー11内に酸素ガスが供給される。また、調圧ガス導入口20には、マスフローコントローラ(図示略)を介して、真空チャンバー11内に調圧用のアルゴン(Ar)ガスが供給される。また、排気口21には、真空排気装置が接続され、真空計の値をもとに真空排気装置を稼働し、真空チャンバー11内が所定の圧力(真空度)に維持される。
また、真空チャンバー11における基板フォルダ13が配置された領域の近傍には、温度計22が配置されている。
また、真空チャンバー11内における基板フォルダ13の裏面側(基板12を保持する面とは反対の面側)には、基板フォルダ13の温度を調節するランプヒーター23が配置されている。
ランプヒーター23は、高分子フィルムを有する基板12を所定温度に保持するために設けられている。ランプヒーター23は、温度計22の測定値をもとに出力が制御されている。
ハース16は、窒化ホウ素(BN)製のものを用いることが好ましい。
ハース16には、永久磁石24が設けられている。また、ハース16は、プラズマ発生用電源18に電気的に接続されている。
圧力勾配型プラズマガン17は、カソードマウント25と、カソードマウント25の前面に設けられた複合カソード26と、カソードマウント25とは電気的に絶縁され、複合カソード26の前方に設けられた環状の第一電極27と、第一電極27と電気的に絶縁され、第一電極27の前方に設けられた環状の第二電極28と、第二電極28の前方に設けられた環状のステアリングコイル29とから概略構成されている。なお、ここで「前方」とは、真空チャンバー11側を意味する。
また、カソードマウント25、第一電極27および第二電極28は、プラズマ発生用電源18に電気的に接続されている。
複合カソード26は、タンタル(Ta)製のパイプと、六ホウ化ランタン(LaB)製の円盤とを備えている。
タンタル製のパイプの内部に放電用アルゴンガスを導入した際、加熱されたタンタル製のパイプと六ホウ化ランタン製の円盤から熱電子が放出され、真空チャンバー11内にプラズマ流を形成する。
圧力勾配型プラズマガン17の内部は、真空チャンバー11より常に圧力が高く保たれており、高温に曝されたタンタル製のパイプや六ホウ化ランタン製の円盤が、酸素ガスや蒸発ガスによる酸化等の劣化を防ぐ構造になっている。
図1に示す反応性イオンプレーティング装置10を用いて、以下の手順で本実施形態のITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜を成膜する。
ハース16に、粒状の成膜物質(ターゲット)30を充填する。
成膜物質30としては、スズをドープした酸化インジウムが挙げられる。
成膜物質30は、ハース16に入れるため粒状であることが好ましいが、その形状は特に限定されるものではない。
用いる高分子フィルムは、装置内に収納される前に、予め調湿された環境下や高温オーブン中、真空オーブン中などで保持することにより、吸着したガス、特に水分を低減することができる。乾燥後の高分子フィルムの含水率としては、0.15質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることがさらに好ましい。ロール・ツー・ロール法などの高分子フィルムロールを基板として用いる場合には、表面部、端部、内部での含水率に分布が発生する懸念があることから、基板の巻きだし・巻き取りを行いながら上記プロセスを行うことが好ましい。
基板フォルダ13に、高分子フィルムを有する基板12を設置し、排気口21に接続した真空排気装置により、真空チャンバー11内のガスを排気する。
真空チャンバー11の排気では、真空チャンバー11内の圧力が2×10−4Pa以下になるまで排気することが好ましく、真空チャンバー11内の圧力が1×10−4Pa以下になるまで排気することがより好ましい。
また、真空チャンバー11内のガスを排気すると同時に、ランプヒーター23により、真空チャンバー11や高分子フィルムを有する基板12を加熱して、真空チャンバー11の内側面や高分子フィルムを有する基板12の表面に吸着したガス、特に水分を除去することもできる。
この場合、真空チャンバー11や高分子フィルムを有する基板12を加熱する温度は、高分子フィルムの耐熱温度以下であり、40〜150℃であることが好ましい。
また、真空チャンバー11や高分子フィルムを有する基板12を加熱する時間は、0.1時間〜6.0時間であることが好ましい。
成膜にかかるコストの観点からは、乾燥が不要となる0.15質量%以下の含水率を有し、かつその他の用途に応じた要求特性を満たす高分子フィルムを選定することが好ましいが、予め調湿された環境下や高温オーブン中、真空オーブン中などで高分子フィルムを保持することにより、その含水率を低減することもできるし、成膜装置を用いて乾燥することもできる。
高分子フィルムを有する基板12を加熱せずに、高分子フィルムを有する基板12の内部に吸着した水分を十分に取り除こうとすると、真空チャンバー11内に高分子フィルムを有する基板12を長時間保持することが必要となり、コストアップにつながる。また、成膜時の温度上昇によって、排気時に除去できなかった水分が放出されて、高分子フィルムを有する基板12の近傍において局所的に水分濃度が上昇するため、目的とする低抵抗で結晶化したITO透明導電膜を得ることができないことがある。したがって、真空チャンバー11内のガスを排気すると同時に、真空チャンバー11や高分子フィルムを有する基板12を加熱することが好ましい。
上記のような乾燥後の高分子フィルムを有する基板12の含水率は0.15質量%以下である必要があり、0.10質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることがさらに好ましい。乾燥後の高分子フィルムを有する基板12の含水率、すなわち、ITO透明導電膜を成膜する直前の高分子フィルムを有する基板12の含水率が0.15質量%を超えると、ITO透明導電膜が結晶化せず、その抵抗値が3.5×10−4Ω・cmを超えてしまい、目的とする低抵抗で結晶化したITO透明導電膜を得ることができない。
なお、高分子フィルムを有する基板12の乾燥条件は、高分子フィルムのガラス転移点以下の温度で加熱することがフィルムの結晶化や変形による各種特性の変化の防止の面から好ましく、さらに、減圧下で乾燥させることが、乾燥温度の低温化、乾燥速度の高速化の面で好ましい。
真空チャンバー11内のガスを排気した後、マスフローコントローラー(図示略)を用いて、流量を10〜40sccmに制御した放電用アルゴンガスを、圧力勾配型プラズマガン17を通して真空チャンバー11内に供給する。
次に、プロセスガス導入口11から真空チャンバー11内に、酸素(O)ガスを所定量供給し、調圧ガス導入口20から真空チャンバー11内に、調圧用アルゴンガスを所定量供給するとともに、排気口21に接続された真空排気装置により、真空チャンバー11内のガスを排気することにより、真空チャンバー11内の圧力を0.01 〜 0.2Paの範囲に調整する。
次に、圧力勾配型プラズマガン17を作動させ、プラズマ流をハース16内の成膜物質30に収束させ、ITOが昇華する温度に成膜物質30を加熱する。プラズマ流をハース16内の成膜物質30に収束させるためには、第一電極27、第一電極27、ステアリングコイル29、永久磁石24等を使用する。この際、高分子フィルムを有する基板12に、蒸発した成膜物質30が付着しないように、シャッター14を閉じておく。
プラズマ流によって加熱した成膜物質30の蒸発が安定化した後、所定時間、シャッター14が開かれ、高分子フィルムを有する基板12の一面12aにITOが堆積する。
プラズマ流によって加熱・蒸発した成膜物質30とプロセスガスとして導入された酸素ガスは、プラズマ流によってイオン化される。成膜物質30は、イオン化した粒子となる。このイオン化した粒子は、プラズマ流のもつプラズマポテンシャルと、高分子フィルムを有する基板12のもつフローティングポテンシャルとの電位差によって、高分子フィルムを有する基板12に向かって加速され、約20eVという大きなエネルギーをもって高分子フィルムを有する基板12の一面12aに到達、堆積して高分子フィルムを有する基板12の一面12aに、低抵抗(比抵抗が0.8×10−4〜3.5×10−4Ω・cm)のITO透明導電膜が成膜される。
圧力勾配型プラズマガン17を用いるイオンプレーティング法では、成膜物質30を蒸発させるために、プラズマ流で成膜物質30を高温に加熱する。そのため、高温になった成膜物質30からの輻射熱やイオン化した高エネルギー粒子が高分子フィルムを有する基板12に到達し堆積するときに発せられる熱エネルギーによって、高分子フィルムを有する基板12の温度が上昇する。ITO透明導電膜を成膜する高分子フィルムを有する基板12の最高到達温度が90℃未満の場合には、ITO透明導電膜が結晶化せず、その抵抗値が3.5×10−4Ω・cmを超えてしまい、目的とする低抵抗で結晶化したITO透明導電膜を得ることができない。
さらに、高分子フィルムを有する基板12の最高到達温度が高分子フィルムの耐熱温度を超える温度で成膜すると、高分子フィルムを有する基板12やオーバーコート層の表面や内部から、作製時に残留したガス、分解生成ガスが生じ易く、また、高分子フィルムの硬度も低くなり、その結果、ITO透明導電膜にクラックが生じて、透明導電膜としての機能を果たさず、デバイスとして用いることが困難になる。
本実施形態において、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径は、ITO透明導電膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測定することができる。具体的には、ITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像から、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子を任意に10個選択し、画像処理の手法を用いて、10個それぞれの粒子について、その面積およびその面積に相当する円相当径を計測して、それらの平均値を算出することにより、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径を求めることができる。
ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径は、得られるITO透明導電膜の強度の観点からは大きいほどよいが、0.05μm以上であることが好ましく、0.10μm以上であることがより好ましく、0.15μm以上であることがさらに好ましい。一方、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径が大きくなり過ぎると、表面平滑性が悪くなり、得られるITO透明導電膜を適用できる範囲が限定されることから、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径は10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態のITO透明導電膜付き基板の引張り時に、ITO透明導電膜に発生するクラックサイズは1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
ITO透明導電膜付き基板の引張り時に、ITO透明導電膜に発生するクラックサイズが1000μm以下であれば、ロール・ツー・ロール法において、高分子フィルムを有する基板12に加えられる張力によって、実用不可能な程にITO透明導電膜の特性が低下することがない。
なお、図1には、高分子フィルムを有する基板12にITOを1枚ずつ成膜処理するバッチ式の反応性イオンプレーティング装置10を例示したが、本実施形態のITO透明導電膜付き基板およびその製造方法はこれに限定されない。本実施形態のITO透明導電膜付き基板およびその製造方法にあっては、高分子フィルムを有する基板12を連続的に成膜室に搬送して、その高分子フィルムを有する基板12に対して、ITO透明導電膜の連続成膜を可能としたロール・ツー・ロール法を用いた反応性イオンプレーティング装置を用いることもできる。
本実施形態のITO透明導電膜付き基板によれば、1.0%引っ張った後のシート抵抗の変化率が1500%以内であり、ロール・ツー・ロール法に適用した場合にITO透明導電膜付き基板に加えられる張力によって、実用不可能な程にITO透明導電膜の特性が低下することがない。
また、本実施形態のITO透明導電膜付き基板の製造方法によれば、1.0%引っ張った後のシート抵抗の変化率が1500%以内のITO透明導電膜付き基板が得られる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、特に断りがない限り、得られたITO透明導電膜の電気的特性、結晶構造、表面粗さ、ITOの粒子の平均粒径、引張り試験については、次の評価により行った。
[電気的特性の評価]
JIS K7149に記載の4探針法による抵抗率試験法に準拠して、表面抵抗測定器(製品名「Lresta GP MCP−T610」、三菱化学社製) を用いて、ITO透明導電膜の表面抵抗率(単位:Ω/□) を測定した。
[結晶構造の評価]
結晶構造の評価は、粉末X線回折測定装置(RINT2500TTR型、リガク社製)を用いて、ITO透明導電膜にCuKα線を照射し、得られるX線回折図形において、ITO層の(222)面に相当する2θピーク(30.00°以上、31.00°以下)が見られた場合を○、見られなかった場合を×とした。
[表面粗さの測定]
原子間力顕微鏡(AFM、SPA400、セイコーインスツル社製)を用いて、ITO透明導電膜の平均的な表面形状を測定した。その測定結果から、ITO透明導電膜において、局所的な突起部または陥没部のない箇所について、1μm角視野における算術平均粗さRaを算出した。
[ITOの粒子の平均粒径の測定]
ITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像から、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子を任意に10個選択し、画像処理の手法を用いて、10個それぞれの粒子について、その面積およびその面積に相当する円相当径を計測して、それらの平均値を算出することにより、ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径を求めた。
なお、観察像を得るために用いた走査型電子顕微鏡は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(型式S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)である。観察条件としては、加速電圧を5kV、プローブ電流値を1×10−10A〜1×10−11Aとした。検出器としては、YAG反射電子検出器を用い、作動距離を8.5mmとした。
[引張り試験]
引張り試験機としてオートグラフ(AG−5000D、島津製作所製)を用いて、ITO透明導電膜付き基板の引張り試験を実施した。
ITO透明導電膜付き基板を、1.67cm×5.00cmの短冊状に加工し、引張り試験機に設置後、荷重が検出されてから、ITO透明導電膜付き基板に0.3%の歪みが加えられた点をゼロ点とし、1.0%歪むまで荷重を加えた。その後、ITO透明導電膜付き基板を回収し、表面抵抗率の測定を行った。
[フィルムのTG測定]
TG測定装置として、示差熱熱重量同時測定装置(商品名:TG−DTA6300、セイコーインスツル社製)を用いて、高分子フィルム基板のTG測定を実施した。
基板として用いたポリエチレンナフタレートフィルムを2mm角に裁断後、測定セルに20mg仕込み、昇温速度2℃/分、乾燥空気流量200ml/分の条件下、200℃まで昇温したときの重量の変化を測定した。
[実施例1]
図1に示す圧力勾配型プラズマガンを備えた反応性イオンプレーティング装置を用いた。
反応性イオンプレーティング装置のハースに、ITOターゲット(In:SnO=95:5、99.99%)を充填した。
真空チャンバー内の基板フォルダに、温度23℃、湿度34%で1週間保管したポリエチレンナフタレートフィルム(Q65−FA、A4サイズ、厚さ125μm、帝人デュポン社製)を設置した。
次に、真空排気装置により、真空チャンバー内の圧力が3.0×10−5Paに達するまで、真空チャンバー内のガスを排気した。
その後、ランプヒーターにより、温度計の指示温度が150℃となるように基板フォルダを加熱し、1時間保持後、ランプヒーターの出力を停止した。
4時間後、温度計の指示温度は23℃、真空チャンバー内の圧力は5.0×10−5Paであった。また、ポリエチレンナフタレートフィルムの含水率を測定したところ、0.01質量%であった。
次に、以下に示す条件で、ポリエチレンナフタレートフィルム上に、インジウム錫酸化物(ITO)膜を成膜し、実施例1のITO透明導電膜付き基板を得た。
得られたITO透明導電膜付き基板について、上記の各特性を評価した。結果を表1に示す。
また、ITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像を図2に示す。
(成膜条件)
基板:ポリエチレンナフタレートフィルム(Q65−FA、A4サイズ、厚さ125μm、帝人デュポン社製、温度23℃、湿度34%で1週間保管)
成膜物質(ターゲット):ITO焼結体ペレット(In:SnO=95:5、99.99%)
成膜全圧:0.06Pa
放電電力:5kW
ガンAr:20sccm
流量:13.7sccm
基板加熱:室温
蒸発レート:20Å/sec
成膜時間:75秒
[実施例2]
成膜時における基板加熱温度を100℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例2のITO透明導電膜付き基板を作製した。
なお、真空チャンバー内の排気および基板フォルダの加熱後において、温度計の指示温度は23℃、真空チャンバー内の圧力は6.5×10−5Paであった。また、ポリエチレンナフタレートフィルムの含水率を測定したところ、0.01質量%であった。
得られたITO透明導電膜付き基板について、上記の各特性を評価した。結果を表1に示す。
また、ITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像を図3に示す。
[比較例1]
図1に示す圧力勾配型プラズマガンを備えた反応性イオンプレーティング装置を用いた。
反応性イオンプレーティング装置のハースに、ITOターゲット(In:SnO=95:5、99.99%)を充填した。
真空チャンバー内の基板フォルダに、温度23℃、湿度34%で1週間保管したポリエチレンナフタレートフィルム(Q65−FA、A4サイズ、厚さ125μm、帝人デュポン社製)を設置した。
次に、真空排気装置により、真空チャンバー内の圧力が1.0×10−4Paに達するまで、真空チャンバー内のガスを排気した。
以下、実施例1と同様にして、比較例1のITO透明導電膜付き基板を作製した。
なお、真空チャンバー内の排気後において、温度計の指示温度は23℃、真空チャンバー内の圧力は1.1×10−4Paであった。また、ポリエチレンナフタレートフィルムの含水率を測定したところ、0.4質量%であった。
得られたITO透明導電膜付き基板について、上記の各特性を評価した。結果を表1に示す。
また、ITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像を図4に示す。
[比較例2]
DCマグネトロンスパッタリング装置に、ITOターゲット(In:SnO=90:10、99.99%)を装着した。
真空チャンバー内の基板フォルダに、温度23℃、湿度34%で1週間保管したポリエチレンナフタレートフィルム(Q65−FA、5cm×5cm、厚さ125μm、帝人デュポン社製)を設置した。
次に、真空排気装置により、真空チャンバー内の圧力が9.0×10−5Paに達するまで、真空チャンバー内のガスを排気した。
その後、ヒーターにより、温度計の指示温度が150℃となるように基板フォルダを加熱し、1時間保持後、ヒーターの出力を停止した。
4時間後、温度計の指示温度は23℃、真空チャンバー内の圧力は1.8×10−4Paであった。また、ポリエチレンナフタレートフィルムの含水率を測定したところ、0.01質量%であった。
次に、以下に示す条件で、ポリエチレンナフタレートフィルム上に、インジウム錫酸化物(ITO)膜を成膜し、比較例2のITO透明導電膜付き基板を得た。
得られたITO透明導電膜付き基板について、上記の各特性を評価した。結果を表1に示す。
また、ITO透明導電膜付き基板のITO透明導電膜の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて反射電子像観察を行うことにより得られた観察像を図5に示す。
(成膜条件)
基板:ポリエチレンナフタレートフィルム(Q65−FA、5cm×5cm、厚さ125μm、帝人デュポン社製、温度23℃、湿度34%で1週間保管)
成膜物質(ターゲット):ITO焼結体ペレット(In:SnO=90:10、99.99%)
成膜全圧:0.4Pa
放電電力:120W
流量:1sccm
基板加熱:なし
蒸発レート:5Å/sec
成膜時間:900秒
表1の結果から、実施例1および2のITO透明導電膜付き基板を1.0%引っ張った後のシート抵抗の変化率が500%以内であることが分かった。これにより、実施例1および2のITO透明導電膜付き基板は、ロール・ツー・ロール法に適用しても、ITO透明導電膜付き基板に加えられる張力によって、実用不可能な程にITO透明導電膜の特性が低下することがない。
本発明は、ITO透明導電膜の電気的特性の改善に好適である。
10・・・反応性イオンプレーティング装置、11・・・真空チャンバー、12・・・高分子フィルムを有する基板、13・・・基板フォルダ、14・・・シャッター、15・・・インナーハース、16・・・ハース、17・・・圧力勾配型プラズマガン、18・・・プラズマ発生用電源、19・・・プロセスガス導入口、20・・・調圧ガス導入口、21・・・排気口、22・・・温度計、23・・・ランプヒーター、24・・・永久磁石、25・・・カソードマウント、26・・・複合カソード、27・・・第一電極、28・・・第二電極、29・・・ステアリングコイル、30・・・成膜物質(ターゲット)。

Claims (5)

  1. ロール・ツー・ロール法に適用可能なITO透明導電膜付き基板であって、
    高分子フィルムを有する基板と、
    前記基板上に設けられたITO透明導電膜と、を備え、
    前記ITO透明導電膜を構成するITOの粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた反射電子像観察において、0.05μm以上であり、
    前記ITO透明導電膜は、1.0%引っ張った後のシート抵抗の変化率が1500%以内であるITO透明導電膜付き基板。
  2. 前記ITO透明導電膜の引張り時に発生するクラックサイズが1000μm以下である、請求項1に記載のITO透明導電膜付き基板。
  3. 前記ITO透明導電膜の比抵抗は、0.8×10−4〜3.5×10−4Ωcmの範囲である、請求項1または2に記載のITO透明導電膜付き基板。
  4. ロール・ツー・ロール法に適用可能なITO透明導電膜付き基板の製造方法であって、
    高分子フィルムを有する基板に対し減圧処理および加熱処理のいずれか一方または両方を施し、前記基板の含水率を0.15質量%以下とする調湿工程と、
    前記基板上に、イオンプレーティング法により少なくとも1層のITO透明導電膜を成膜する成膜工程と、を有し、
    前記調湿工程と前記成膜工程とは、共通する真空チャンバー内で連続的に行うことを特徴とするITO透明導電膜付き基板の製造方法。
  5. 前記イオンプレーティング法は、圧力勾配型プラズマガンを用いた反応性イオンプレーティング法である、請求項に記載のITO透明導電膜付き基板の製造方法。
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