JP6057328B2 - 射出成形金型 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形金型に関し、特に自動車用バンパなどの大型樹脂部品を射出成形するための射出成形金型に関する。
自動車用バンパは、製造コストや設計自由度の観点から、樹脂部品として射出成形により成形されるのが一般的である。この種の部品は非常に大型となり、また、安全面やデザイン性の観点から、非常に複雑な3次元形状をなす。そのため、この種の部品を射出成形で一体的に成形しようとすると、アンダーカット部と呼ばれる、金型の型開き方向と干渉する部分が生じることが少なくない。そこで、従来、例えば特許文献1に記載のように、アンダーカット部を有する成形品を離型するための手段として、所定の脱型機構を備えた射出成形金型が提案されている。
すなわち、この射出成形金型は、バンパなどの成形品の裏面側に位置し、成形品の縁部に形成されたアンダーカット部を成形すると共に、型開きに伴って成形品の内方かつ型開き方向にスライド可能なスライドブロックと、スライドブロックに装着され、型開き方向に直交する向きに突出可能な押出し部材と、押出し部材を型開き方向に案内する案内部材とを備えたもので、スライドブロックの内側への移動と案内部材による押出し部材の型開き方向への平行移動によって、押出し部材が相対的にスライドブロックの外方に突出し、これにより成形品のアンダーカット部を外方に押出し可能としている。
特開2004−106220号公報
ところで、アンダーカット部としては、上述のような成形品縁部を内側に折り返すように形成された部分の他に、型開き方向と直交する向きに成形品を貫通する貫通穴がある。この種の穴は、例えば、射出空間に対して出没可能なピンを金型に設けておき、型締め時にピンを突出させて成形品の成形と同時に貫通穴を成形し、型開き時に、ピンを後退させることで成形することができる。ここで、ピンを出没させるための機構として、例えば油圧シリンダなどを駆動手段に利用したものが考えられるが、こうすると、当然ながら金型の構造が複雑になるため、金型作成費用や工数の増加が問題となる。また、この種の金型には、上述した脱型機構の他にも、冷却系統その他の不可避的な構成要素が多数組み込まれているのが通常であるから、設置スペースの点で制限を受ける。そのため、金型内に新たに追加する機構はできる限り簡素化かつ小型化されるべきである。
例えば、上述のピン出没機構を、成形品が残る側の金型に対して弾性支持され、型開き動作に伴って型開き方向にスライドする第1スライド部と、第1スライド部に取り付けられ、第1スライド部の型開き方向へのスライド動作に伴い、貫通穴を成形したピンを成形品(射出空間)から遠ざかる向きに後退させる第2スライド部とで構成すれば、金型の駆動力(型締め力、型開き力)を各スライド部のスライド駆動力に利用できるので、油圧シリンダなどの別個の駆動手段を設けずに済む。この場合、特許文献1に例示のアンダーカット部(成形品の縁部を内側に折り返した部分)を脱型させるための機構についても、例えば、成形品の縁部に形成されるアンダーカット部と係合し、型開き方向に対して交差する向きにスライド可能なスライド部材と、可動型に設けられ、型開き動作に伴いスライド部材のアンダーカット部を押し拡げる向きへのスライド動作を案内する案内部とを備えたものとすることで、金型の駆動力(型開き力)を利用してアンダーカット部を外側に押し拡げることができる(例えば、後述する図10を参照)。
しかしながら、この場合には、各スライド部(及びスライド部材)のスライド動作のタイミングが、型開き(又は型締め)動作のタイミングと同期することになるため、アンダーカット部ごとに脱型動作のタイミングを調整することが難しい。具体的に説明すると、例えば上述した図10の如き脱型機構を採用する場合、アンダーカット部と係合するスライド部材は固定型に支持されることになるため、型開き動作が始まっても、可動型に伴ってスライド部材は型開き方向には移動しない。実際に型開き方向に移動を開始するのは、スライド部材によりアンダーカット部が固定型から完全に脱型してからとなる。一方で、貫通穴のピン出没機構にあっては、型開き動作に伴って、ピンが貫通穴から脱離しながら型開き方向に移動する。従って、成形品のうちピンと型開き方向で係合する貫通穴の周囲箇所が、型開き動作に伴って同方向に移動を開始するのに対し、成形品縁部のアンダーカット部は、固定型と係合して型開き方向への移動が規制される。その結果、双方のアンダーカット部の間で不測の変形が生じる事態が懸念される。成形対象が自動車用バンパのように大型部品の場合、双方のアンダーカット部が離れていれば、上記変形を弾性的に吸収することもできるが、相互に近い箇所に形成される場合には、上記変形が塑性変形として離型後も成形品に残る可能性が高くなる。
また、成形品の形態によっては、成形品全体を押出して離型させるための機構(押出し機構)の押出しタイミングと、ピンの引抜きタイミングとの差如何によっても、成形品に不測の変形を生じるおそれがないとは言い切れないことから、アンダーカット部の脱型機構の有無に関わらず、ピンを引抜くタイミングを調整する必要がある。
以上の事情に鑑み、本発明により解決すべき課題は、射出成形金型の簡素化及び小型化を図りつつも、成形品を変形させることなく成形品に形成した穴からピンを引き抜くことにある。
前記課題の解決は、本発明に係る射出成形金型によって達成される。すなわち、この金型は、一対の金型と、一対の金型間に形成される射出空間と、射出空間に対して出没可能なピンとを具備し、型締め時、ピンを射出空間内に突出させた状態で溶融樹脂を射出することで、射出空間に成形品を成形すると共に、成形品にピンに対応する穴を成形するための射出成形金型であって、一方の金型に弾性支持され、型開き動作に伴って型開き方向にスライドする第1スライド部と、第1スライド部に弾性支持され、第1スライド部の型開き方向へのスライド動作に伴い、ピンを穴から引き抜く向きに移動させる第2スライド部と、他方の金型に設けられ、型開き動作の開始後、第1スライド部の型開き方向へのスライド動作を規制する規制部とをさらに具備し、規制部は、成形品の縁部に形成されるアンダーカット部が一方の金型と型開き方向で干渉しない位置まで押し拡げられるまで、第1スライド部のスライド動作を規制可能とする点をもって特徴付けられる。
このように、本発明では、型締め時、射出空間内に突出して成形品の成形と同時に当該成形品に穴を成形可能なピンを射出成形金型に設ける場合に、このピンの出没(突出及び後退)機構を、一方の金型に弾性支持され、型開き動作に伴って型開き方向にスライドする第1スライド部と、第1スライド部に弾性支持され、第1スライド部の型開き方向へのスライド動作に伴い、ピンを穴から引き抜く向きに移動させる第2スライド部とで構成した。また、他方の金型に、型開き動作の開始後、第1スライド部の型開き方向へのスライド動作を規制する規制部を設けた。この構成によれば、第1スライド部は型開き動作の開始後も、型開き方向にスライドすることなく型開き開始時の位置に保持され、あるいは規制部がない場合に比べてスライド動作が抑制される。これにより、ピンが型開き方向に移動しながら成形品に形成した穴から引き抜かれるタイミングを遅らせることができる。これにより、成形品全体としての離型タイミング(押出しタイミング)と、ピンの引抜きタイミングとを調整することができるので、成形品の不要な変形を極力避けて、確実に成形品を離型することが可能となる。また、上述のように、成形品の変形を伴う脱型機構を設ける場合においても、当該変形の態様に応じてピンの引き抜きタイミングを遅らせることで、成形品に不測の変形が生じるのを極力避けることができる。
特に、成形品の縁部に形成されるアンダーカット部を脱型するための機構として、このアンダーカット部と係合し、型開き方向に対して交差する向きにスライド可能なスライド部材と、他方の金型に設けられ、型開き動作に伴い前記スライド部材のアンダーカット部を押し拡げる向きへのスライド動作を案内する案内部とをさらに設ける場合、スライド部材によりアンダーカット部が一方の金型と型開き方向で干渉しない位置まで押し拡げられるまで、規制部により第1スライド部のスライド動作を規制可能とするのがよい。
この種のアンダーカット部を有する成形品において、当該アンダーカット部を強制的に変形させて脱型を図る場合、予めCAE等で強制脱型時の変形量を予測し、当該変形量が許容されるように成形品の設計を行うのが一般的である。そこで、上述のように、一方の金型と型開き方向で干渉しない位置まで成形品縁部のアンダーカット部が十分に拡がるまで、第1スライド部の上記スライド動作を規制することで、成形品に想定していない複合的な強制変形が生じるのを確実に防止することができる。よって、アンダーカット部の強制脱型を伴う場合であっても、成形直後の品質(形状精度)を維持した状態で成形品を離型することが可能となる。
以上のように、本発明に係る射出成形金型によれば、射出成形金型の簡素化及び小型化を図りつつも、成形品を変形させることなく成形品に形成した穴からピンを引き抜くことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る射出成形装置の断面図である。 図1に示す射出成形装置で成形される射出成形品の正面図である。 図1に示す射出成形装置の射出ノズル機構の断面図である。 図3に示す射出ノズル機構を構成するゲートブロックをノズル側から見た図である。 図3に示す射出ノズル機構の断面図である。 図1に示す射出成形装置の押出し機構の断面図である。 図1に示す射出成形装置の強制脱型機構の断面図である。 図1に示す射出成形装置のピン引抜き機構の断面図である。 型開き時における押出し機構の断面図である。 型開き時における強制脱型機構の断面図である。 型開き時におけるピン引抜き機構の断面図である。 型開き時におけるピン引抜き機構の断面図である。 型開き時における成形品の状態を示す射出成形装置の断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る射出成形装置を図1〜図13に基づき説明する。ここでは、上記射出成形装置で自動車用バンパを射出成形する場合を例にとって説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る射出成形装置10を示す図である。この射出成形装置10は、固定型11と、可動型12と、型締め時に固定型11と可動型12との間に形成される射出空間13と、射出空間13に溶融樹脂を射出供給する射出ユニット20と、射出空間13と射出ユニット20との間に配設されるゲートブロック30と、成形品1(図2を参照)を離型方向に押出す押出し機構40と、成形品1のアンダーカット部2(図2を参照)を強制的に脱型する強制脱型機構50と、成形品1の穴3からピン61を引抜くピン引抜き機構60とを具備する。
ここで、固定型11はコア、可動型12はキャビティとなっており、射出ユニット20、ゲートブロック30、押出し機構40がいずれも固定型11の側に配設されている。また、本実施形態では、さらに強制脱型機構50と、ピン引抜き機構60の主部も固定型11の側に配設されている。
射出ユニット20は、射出機21と、射出機21から射出された溶融樹脂を射出空間13に供給するためのホットランナ22と、ホットランナ22の先端に一体又は別体に設けられたノズル部23と、ホットランナ22の周囲に配設されたバンドヒータ24と、ノズル部23の内周に挿入し又は離脱することで、ノズル部23の開閉を行うためのバルブピン25とを有する。
ゲートブロック30は、射出空間13の一部を区画形成すると共に、射出ユニット20のノズル部23と当接することで、射出ゲート機構を構成する。具体的に、ゲートブロック30は、図3に示すように、射出ユニット20のノズル部23を当接可能とするノズル当接面31と、ノズル当接面31に開口し、射出空間13に隣接するゲート32とを有する。ゲート32は、本実施形態では、成形品1の裏面に立設されるリブ4(図2の破線)に対応した形状をなすもので、射出空間13に隣接する1箇所又は複数箇所に配設される。ここでは、図2に示すように、リブ4が、意匠面となる成形品1の表面1aに形成されるキャラクタライン1cに沿って裏面1bに立設されるように、ゲート32の形状及び配設位置が設定されている。
また、ノズル部23との関係で見ると、ゲート32の厚み寸法は、図4に示すように、ノズル部23の開口径よりも小さく、かつ、その長手方向寸法は、ノズル部23の外径よりも大きい。言い換えると、リブ形状をなすゲート32は、ノズル部23の外周面位置を越えてノズル部23の直径方向に伸びている。また、図5に示すように、このゲート32は、ノズル部23との当接部を平坦形状とし、その長手方向両側に向かうにつれてリブ4の裏面からの立設高さが漸次減少するような形状をなしている。
押出し機構40は、図6に示すように、ばね等の弾性部材41を介して固定型11に弾性支持される複数の弾性支持部42を有する。弾性支持部42は、キャビティとしての可動型12に当接する型当接面43と、成形品1の端面1d(図9を参照)を成形する成形面44とを有しており、型締め時、可動型12に押し込まれることで、成形品1の端面1dを成形可能な位置(図6に示す位置)まで移動可能とされる。この状態では、弾性支持部42は、型開き方向に対して弾性部材41からの型開き方向への附勢力(弾性復元力)を受けている。弾性支持部42を収容する固定型11の収容穴14には、弾性支持部42の外面を型開き方向に案内する案内面15(例えば、図示の如きテーパ面)が形成されており、型開き時、成形品1の端面1dとの当接状態を保った状態で、弾性支持部42を型開き方向に移動可能としている。この際、弾性部材41の剛性(弾性係数)は、型締め動作に伴うキャビティ(可動型12)の押し込みでもって、弾性支持部42が端面1dを成形可能な位置まで移動させることのできる程度の大きさ以下に設定され、かつ、型締め時に蓄えた弾性復元力でもってコアである固定型11への成形品1の密着状態を部分的に解消可能な程度の大きさ以上に設定されるのが好ましい。
本実施形態では、これら複数の弾性支持部42の少なくとも一部は、型締め時の可動型12による押し込みにより、成形品1に形成されるグリル部5やランプ取付穴6(図2)などの開口部の周囲に形成される端面1dを成形可能な位置に配設されている。この図示例では、1つの弾性支持部42(成形面44)で、1つの開口部の端面1d全域を押出し可能なように、その形状及び大きさが設定されている。なお、グリル部5に配設する場合、他の箇所に比べて離型し難い(固定型11から引き剥がし難い)グリル部5の格子部の端面1dを型締め時に成形し、かつ型開き時に押出し可能なように、弾性支持部42をグリル部5内の格子部の交点部に配設するようにしてもよい。
強制脱型機構50は、図7に示すように、成形品1の縁部に形成されるアンダーカット部2、ここではバンパの幅方向(図2の左右方向)両端部で内側に折り返される鍔状のアンダーカット部2(図10)を、幅方向外側に向けて強制的に押し拡げることで、アンダーカット部2の脱型を図るためのものである。この強制脱型機構50は、アンダーカット部2と係合し、型開き方向に対して交差する向きにスライド可能なスライド部材51と、可動型12に設けられ、型開き動作に伴いスライド部材51のアンダーカット部2を押し拡げる向きへのスライド動作を案内する案内部52とを有する。
スライド部材51は、本実施形態では、連結部53を介して相互に連結される第1連結部材54と第2連結部材55とからなっており、第1連結部材54に、アンダーカット部2を成形し、成形後には当該アンダーカット部2とスライド方向で係合する係合部56が形成される。また、第1連結部材54は、固定型11に弾性支持され、型締め時、成形後のアンダーカット部2を幅方向外側に押し拡げる向きの附勢力を受けている。案内部52は、可動型12から型締め方向に対して傾斜する向きに突出する突出部57と、第2連結部材55に設けられ、突出部57が嵌合される被嵌合部58とで構成される。よって、この突出部57を被嵌合部58に嵌め合わせた状態で、可動型12を型締め方向に移動することで、突出部57と嵌合した被嵌合部58、ひいては被嵌合部58を設けた第2連結部材55が幅方向内側に向けて移動し、可動型12を型開き方向に移動することで、第2連結部材55が幅方向外側に向けて移動するようになっている。また、強制脱型機構50が、図8に示す構造を採る場合、連結部53で第2連結部材55のスライド量が若干吸収されるので、可動型12が成形品1から型開き方向に少し離れてから、アンダーカット部2の幅方向外側への押し拡げ動作が開始するようになっている。
ここで、強制脱型機構50によりアンダーカット部2を強制的に脱型する(所定量まで幅方向外側に押し拡げる)タイミングに関し、本実施形態では、押出し機構40により成形品1本体を固定型11から離反させ始めるタイミングと同期して、アンダーカット部2の強制脱型を開始するように設定される。また、終期として、押出し機構40による成形品1本体の押出し動作の完了時と、強制脱型機構50によるアンダーカット部2の強制脱型動作の完了時とを一致させている。
ピン引抜き機構60は、射出空間13に対して出没可能なピン61を、型締め時、射出空間13内に突出させることで、射出空間13に成形品1を成形すると共に、成形品1にピン61に対応する穴3を成形するための機構である。詳述すると、ピン引抜き機構60は、固定型11に弾性支持され、型開き動作に伴って型開き方向にスライドする第1スライド部62と、第1スライド部62に弾性支持され、第1スライド部62の型開き方向へのスライド動作に伴い、ピン61を穴3から引き抜く向きに移動させる第2スライド部63と、可動型12に設けられ、型開き動作の開始後、第1スライド部62の型開き方向へのスライド動作を規制する規制部64とを有する。ピン61は、第2スライド部63の先端(射出空間13側の端部)に設けられている。本実施形態では、成形品1の下端部(図2の下側)から裏面1b側に立設した鍔部の穴3(自動車用バンパでいえば、フェンダライナをクリップ等で固定するための穴)を成形するためのピンを引抜くための機構として、ピン引抜き機構60が設けられている。
規制部64は、本実施形態では、可動型12に対して弾性支持され、型締め方向に向けて附勢される附勢ブロックで構成されており、図8に示すように、型締めした状態では、可動型12と同一平面で固定型11に当接するようになっている。この当接面がパーティング面となるようにしてもよい。ここで、規制部64としての附勢ブロックの型締め方向への附勢力は、型開き動作の開始時、第1スライド部62が受ける型開き方向への附勢力よりも大きくなるように設定されており、これにより、型開き動作の開始後、第1スライド部62の型開き方向へのスライド動作を規制可能としている。また、固定型11に設けられた各スライド部62,63の収容部16には、第2スライド部63と当接してこの第2スライド部63の型開き方向かつ穴3からの引抜き方向への移動を案内する案内面17(テーパ面)が形成されている。これにより、規制部64の附勢力が、可動型12の移動(型開き動作)に伴い低下していき、第1スライド部62の附勢力以下となった時点から、第2スライド部63が、案内面17上をスライド可能としている。
本実施形態では、強制脱型機構50により、成形品1のアンダーカット部2が固定型11と型開き方向で干渉しない位置まで押し拡げられた時点以降に、両スライド部62,63のスライド動作が開始されるように、規制部64の附勢力及び第1スライド部62の附勢力の大きさが設定される。
以下、上記構成の射出成形装置10を用いた射出成形方法の一例を主に図9〜図13に基づき説明する。
まず、図1に示すように、可動型12を固定型11に近接させ、型締めした状態で、射出ユニット20により溶融樹脂を射出空間13に供給する。この際、溶融樹脂は、図3に示すように、射出ユニット20のノズル部23に当接するゲートブロック30に設けられたリブ形状をなすゲート32を介して、射出空間13内へ射出供給される。これにより、射出空間13及びゲート32に溶融樹脂が充填される。そして、バルブピン25をノズル部23に嵌合して、ノズル部23を閉塞した状態で、充填した溶融樹脂の冷却を図ることで、溶融樹脂が固化し、例えば図2に示す形状の成形品1(自動車用バンパ)が成形される。また、この際、成形品1本体と連続してリブ形状をなすゲート32に充填された溶融樹脂も一体的に成形されるので、図2に示すように、成形品1の裏面1bにリブ4が立設した状態で一体的に成形される。また、成形品1の縁部(ここでは、幅方向両端部)には、鍔状のアンダーカット部2が成形品1と一体的に成形されると共に(図2、図7)、成形品1の下端部から裏面1b側に立設した鍔部には、射出空間13に突出させたピン61により、鍔部を上下方向に貫通する穴3が成形品1と一体的に成形される(図2、図8)。
このようにして成形品1の射出成形が完了した後、可動型12を固定型11から離反させる型開き動作を開始し、成形品1の取出しを行う。ここで、固定型11には、成形品1の押出し機構40として、複数の弾性支持部42が設けられている。そして、型開き動作の開始に伴い、弾性支持部42から可動型12が離反する向きに移動することで、型締め時に弾性部材41に蓄えられた弾性エネルギーが解放され、型開き方向への附勢力として弾性支持部42に付与される。これにより、型開き動作の進行に伴って、弾性支持部42が当接する成形品1の端面1dを型開き方向に押圧し、図9に示すように、成形品1を固定型11から離型方向に押出す。可動型12全体が移動することで、複数の弾性支持部42が同時に対応する成形品1の端面1dの押出しを開始する。これにより、成形品1の固定型11への密着状態が解消され、成形品1が、固定型11から型開き方向に所定量離れた位置まで押出される。
また、強制脱型機構50においては、型開き動作の開始に伴い、可動型12による拘束が解除されると共に、案内部52をなす突出部57と被嵌合部58との相互作用とにより、第2連結部材55が幅方向外側への移動を開始する。これにより、第2連結部材55と連結部53を介して連結される第1連結部材55が幅方向外側への移動を開始し、第1連結部材55の係合部56が幅方向外側に向けて附勢される。従って、型開き動作が進行するのに伴って、図10に示すように、係合部56と幅方向で係合する成形品1のアンダーカット部2が幅方向外側への附勢力を受けて、部分的な変形を伴って、当該外側へ押し拡げられる。この押し拡げ動作は、アンダーカット部2が固定型11と型開き方向で干渉しない位置に至るまで続行される。よって、上述のように、押出し機構40で成形品1本体を離型方向に押出すことで、アンダーカット部2が固定型11に引っ掛かることなく、成形品1全体が離型方向に押出される。
また、ピン引抜き機構60においては、型開き動作の開始に伴い、可動型12による拘束状態が解除されるので、固定型11に弾性支持される第1スライド部62は型開き方向に移動を開始しようとするが、第1スライド部62には依然として、可動型12に設けられた規制部64が当接しており、規制部64から型締め方向の附勢力(規制力)を受けた状態にある。そのため、図11に示すように、型開き動作がある程度進行した段階においても、第1スライド部62は型締め時(成形時)の位置に保持され、第1スライド部62に支持される第2スライド部63とピン61、及びピン61と嵌合した状態にある成形品1の穴3周辺領域が成形時の位置に保持される。
そして、さらに型開き動作が進行し、例えば成形品1のアンダーカット部2が固定型11と干渉しない位置まで押し拡げられた時点以降に、規制部64の附勢力が第1スライド部62の附勢力以下となることで、図12に示すように、第1スライド部62が型開き方向にスライド動作を開始する。これに伴い、第1スライド部62に弾性支持される第2スライド部63が、固定型11の収容部16に形成されたテーパ形状の案内面17に押し付けられながら型開き方向にスライド動作を開始するので、第2スライド部63は成形品1から幅方向外側に離れる向きにも移動を開始する。従って、型開き動作のさらなる進行に伴い、第2スライド部63に設けられたピン61が幅方向外側に移動し、穴3からピン61が引抜かれる。よって、上述のように、押出し機構40で成形品1本体を離型方向に押出すことで、ピン61が成形品1に引っ掛かることなく、成形品1全体が離型方向に押出される。なお、本実施形態では、成形品1の下端部に形成された鍔部の表面1a側から幅方向外側に突出部が形成され、かつこの突出部が第1スライド部62と型開き方向で係合しているので(図12を参照)、第1スライド部62のスライド動作に伴い、成形品1が型開き方向に押出される。よって、ピン61のみで成形品1の穴3を型開き方向に押出す場合と比べて、ピン61への負担が減少する。
以上の作用により、アンダーカット部2や穴3を含む成形品1全体の固定型11との密着状態または係合状態が解消された状態で、成形品1全体が、図13に示すように、離型方向に所定量押出された状態となる。よって、この状態から、例えばマテハンなどの移載手段を固定型11と可動型12との間に挿入し、成形品1を保持することで、当該成形品1を射出成形装置10内から取出す。これにより、成形品1の離型作業が完了する。
このように、本発明に係る射出成形装置10においては、成形品1に穴3を成形するためのピンの出没(突出及び後退)機構を、固定型11に弾性支持され、型開き動作に伴って型開き方向にスライドする第1スライド部62と、第1スライド部62に弾性支持され、第1スライド部62の型開き方向へのスライド動作に伴い、ピン61を穴3から引き抜く向きに移動させる第2スライド部63とで構成した。また、可動型12に、型開き動作の開始後、第1スライド部62の型開き方向へのスライド動作を規制する規制部64を設けた。この構成によれば、第1スライド部62は型開き動作の開始後も、型開き方向にスライドすることなく型開き開始時の位置に保持される。これにより、ピン61が型開き方向に移動しながら成形品1に形成した穴3から引き抜かれるタイミングを遅らせることができる。これにより、成形品1全体としての離型タイミング(押出しタイミング)と、ピン61の引抜きタイミングとを調整することができるので、成形品1の不要な変形を極力避けて、確実に成形品を離型することが可能となる。
特に、本実施形態では、強制脱型機構50により成形品1の縁部に形成したアンダーカット部2を強制的に脱型するに際し、上述のように、アンダーカット部2が固定型11と型開き方向で干渉しない位置まで押し拡げられるまで、第1スライド部62の上記スライド動作を規制部64で規制するようにしたので、成形品1に想定していない複合的な強制変形が生じるのを確実に防止することができる。よって、アンダーカット部2の強制脱型を伴う場合であっても、成形直後の品質(形状精度)を維持した状態で成形品1全体を無理なく離型することが可能となる。
特に、本実施形態では、押出し機構40、強制脱型機構50、及びピン引抜き機構60の全てにおいて、型締め力又は型開き力を駆動力に利用していることから、離型に際して別個の駆動手段は全く必要ない。従って、射出成形装置10の簡素化、小型化を図りつつも、アンダーカット部の種類に応じてその脱型タイミングを異ならせて、成形品1を無理なく取出すことが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、規制部64として、可動型12に弾性支持される附勢ブロックを例示したが、もちろんこれ以外の構成を採ることも可能である。すなわち、型開き動作の開始後、第1スライド部62の型開き方向へのスライド動作を規制可能な限りにおいてその規制力の態様は特に問わない。よって、例えば規制部64をシリンダで構成し、可動型12の位置によらず常に一定の規制力を第1スライド部62に付与可能としてもよい。
また、以上の説明では、成形品1として自動車用バンパを成形する場合を例示したが、本発明は、もちろんこれ以外の成形品の射出成形にも適用可能である。すなわち、バンパなどの外板部品はもちろんのこと、インパネなどの内装部品など、種々の樹脂部品に適用できる。もちろん、大型部品に限ることなく、小型部品にも適用することが可能である。
1 成形品
1a 表面
1b 裏面
1c キャラクタライン
1d 端面
2 アンダーカット部
3 穴
4 リブ
5 グリル部
6 ランプ取付穴
10 射出成形装置
11 固定型
12 可動型
13 射出空間
20 射出ユニット
22 ホットランナ
23 ノズル部
30 ゲートブロック
32 ゲート
40 押出し機構
41 弾性部材
42 弾性支持部
44 成形面
50 強制脱型機構
51 スライド部材
52 案内部
53 連結部
54,55 連結部材
56 係合部
60 ピン引抜き機構
61 ピン
62,63 スライド部
64 規制部

Claims (2)

  1. 一対の金型と、該一対の金型間に形成される射出空間と、該射出空間に対して出没可能なピンとを具備し、型締め時、前記ピンを前記射出空間内に突出させた状態で溶融樹脂を射出することで、前記射出空間に成形品を成形すると共に、前記成形品に前記ピンに対応する穴を成形するための射出成形金型であって、
    前記一方の金型に弾性支持され、型開き動作に伴って型開き方向にスライドする第1スライド部と、
    前記第1スライド部に弾性支持され、前記第1スライド部の型開き方向へのスライド動作に伴い、前記ピンを前記穴から引き抜く向きに移動させる第2スライド部と、
    前記他方の金型に設けられ、型開き動作の開始後、前記第1スライド部の型開き方向へのスライド動作を規制する規制部とをさらに具備し、
    前記規制部は、前記成形品の縁部に形成されるアンダーカット部が前記一方の金型と型開き方向で干渉しない位置まで押し拡げられるまで、前記第1スライド部のスライド動作を規制可能とする射出成形金型。
  2. 前記成形品の縁部に形成されるアンダーカット部と係合し、型開き方向に対して交差する向きにスライド可能なスライド部材と、前記他方の金型に設けられ、型開き動作に伴い前記スライド部材の前記アンダーカット部を押し拡げる向きへのスライド動作を案内する案内部とをさらに具備するもので、
    前記スライド部材により前記アンダーカット部が前記一方の金型と型開き方向で干渉しない位置まで押し拡げられるまで、前記規制部により前記第1スライド部のスライド動作を規制可能とした請求項1に記載の射出成形金型。
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