JP6055824B2 - 重合触媒組成物、合成ポリイソプレンの製造方法、及び合成ポリイソプレン - Google Patents

重合触媒組成物、合成ポリイソプレンの製造方法、及び合成ポリイソプレン Download PDF

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Description

本発明は、重合触媒組成物、該重合触媒組成物を用いた合成ポリイソプレンの製造方法、該方法で製造された合成ポリイソプレンに関する。
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請のもと、タイヤの耐久性の要求から、耐破壊特性、耐摩耗性、耐亀裂成長性の優れたゴム材料も多く望まれるようになってきた。これらの性能の優れたゴムとしては天然ゴムが知られるが、天然ゴムの値段が高騰しており、天然ゴムと同等の耐久性を有する合成ゴムの開発が必要とされている。
合成ポリイソプレンの性能をより天然ゴムに近づけ、耐久性を向上させるために、従来より、合成ポリイソプレンの高シス化による伸長結晶性の改良が行われてきた(例えば、特許文献1−3参照)。これにより合成ポリイソプレンの耐久性は改良されたが、目的量のポリイソプレンを得るために大量の触媒が必要であることから、合成ポリイソプレン中の触媒残渣量が多く、その為、高シビリティ条件下の耐久性は天然ゴムには及ばないという問題がある。また、一部の技術においては、ハロゲンや芳香族系の溶媒を使用することにより、工業生産の際の環境負荷が極めて高いという難点があった。
また、イソプレン骨格を有する重合体は、他のモノマーから構成された重合体に比べ、高分子量の重合体を効率よく製造しにくいことが分かっており、このことが高シビリティ条件下での耐久性を低下させる要因と考えられる。
特開2004−27179号公報 国際公開第2006−078021号パンフレット 特許第3813926号
そこで、本発明の目的は、工業的な条件下で効率よく高分子量のポリイソプレンの合成が可能な重合触媒組成物を提供することにある。また、該重合触媒組成物を用いることで、高シビリティ条件下でも良好な耐久性を奏するゴム組成物を得ることのできる合成ポリイソプレンの製造方法、及び該合成ポリイソプレンを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の構成は、次の通りである。
即ち、本発明のイソプレンモノマーの重合用の重合触媒組成物は、下記一般式(i)で表される希土類元素化合物((A)成分)
M−(NQ)(NQ)(NQ) ・・・(i)
(式中、Mはランタノイド、スカンジウム、イットリウムから選択される少なくとも一種であり、NQ、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M−N結合を有する)と、
イオン性化合物及びハロゲン化合物から選択される少なくとも一種((B)成分)と、
下記一般式(ii)で表される化合物((C)成分)
YR ・・・ (X)
(式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)と
を含む、イソプレンモノマーの重合用の重合触媒組成物であって、
前記イソプレンモノマー、(A)成分、及び(C)成分の配合モル比率は、
(イソプレンモノマー)/((A)成分)が5000以上、
(イソプレンモノマー)/((C)成分)が5000以下であり、
前記(B)成分の含有量は、(B)成分が前記イオン性化合物である場合は前記(A)成分に対して0.1〜10倍モルであり、(B)成分が前記ハロゲン化合物である場合は前記(A)成分に対して1〜5倍モルである、ことを特徴とする。
この重合触媒組成物を用いることにより、高分子量のポリイソプレンの合成が可能である。また、該重合触媒組成物を用いることで、高シビリティ条件下でも良好な耐久性を奏するゴム組成物を得ることができる。
なお、本明細書における「希土類元素」とは、ランタノイド元素、スカンジウム、またはイットリウムを指すものとする。
また、本発明の合成ポリイソプレンの製造方法は、下記一般式(i)で表される希土類元素化合物((A)成分)
M−(NQ)(NQ)(NQ) ・・・(i)
(式中、Mはランタノイド、スカンジウム、イットリウムから選択される少なくとも一種であり、NQ、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M−N結合を有する)と、
イオン性化合物及びハロゲン化合物から選択される少なくとも一種((B)成分)と、
下記一般式(ii)で表される化合物((C)成分)
YR ・・・ (X)
(式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)と
を含む重合触媒組成物の存在下で、イソプレンモノマーを重合させる、合成ポリイソプレンの製造方法であって、
前記イソプレンモノマー、(A)成分、及び(C)成分の配合モル比率は、
(イソプレンモノマー)/((A)成分)が5000以上、
(イソプレンモノマー)/((C)成分)が5000以下であり、
前記(B)成分の含有量は、(B)成分が前記イオン性化合物である場合は前記(A)成分に対して0.1〜10倍モルであり、(B)成分が前記ハロゲン化合物である場合は前記(A)成分に対して1〜5倍モルである、ことを特徴とする。
上記のように、(A)〜(C)成分を有する触媒組成物を使用してイソプレンモノマーを合成することで、過剰のゲル化を伴うことなく、高分子量のポリイソプレンの製造が可能である。これにより、該ポリイソプレンをゴム組成物に配合することで、その耐久性を向上させることが可能である。
なお、本明細書において、「合成ポリイソプレン」とは、イソプレンを単量体(モノマー)として重合(合成)したイソプレンの単独重合体(ホモポリマー)を意味し、重合体の高分子鎖の一部を変性したものも含む。
本発明によれば、過剰なゲル化を伴うことなく、工業的な条件下で効率よく高分子量のポリイソプレンの合成が可能な重合触媒組成物を提供することができる。また、該重合触媒組成物を用いることで、高シビリティ条件下でも良好な耐久性を奏するゴム組成物を得ることのできる合成ポリイソプレンの製造方法、及び該合成ポリイソプレンを提供することができる。
(合成ポリイソプレン)
本発明に係る重合触媒組成物を用いて製造される重合体は、合成ポリイソプレンである。
−シス−1,4結合量−
前記合成ポリイソプレンのシス−1,4結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、95%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、98%以上が特に好ましい。
前記シス−1,4結合量が、95%以上であると、ポリマー鎖の配向が良好となり、伸長結晶性の生成が十分となり、更に、98%以上であると、より高い耐久性を得るのに十分な伸長結晶性を生成できる。
−トランス−1,4結合量−
前記合成ポリイソプレンのトランス−1,4結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、1%未満が特に好ましい。
前記トランス−1,4結合量を5%未満とすると、伸長結晶性が阻害を受けにくくなる。
−3,4−ビニル結合量−
−3,4−ビニル結合量−
前記合成ポリイソプレンの3,4−ビニル結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が特に好ましい。
前記3,4−ビニル結合量を5%以下とすると、伸長結晶性が阻害を受けにくくなる。
−重量平均分子量(Mw)−
前記ポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)は、100万以上が好ましく、更に150万以上が好ましい。
−数平均分子量(Mn)−
前記ポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は、40万以上が好ましく、更に50万以上が好ましい。
−触媒残渣量−
前記ポリイソプレンの触媒残渣量は、600ppm以下が好ましく、200ppm以下が更に好ましい。触媒残渣量を、600ppm以下にすることで、高シビリティ条件下の耐久性が良好となる。なお、ここでいう触媒残渣量とは、具体的にはポリイソプレン中に残存する希土類元素化合物の測定値をいうものとする。
(合成ポリイソプレンの製造方法)
次に、前記合成ポリイソプレンを製造することができる製造方法を詳細に説明する。但し、以下に詳述する製造方法は、あくまで例示に過ぎない。
前記合成ポリイソプレンの製造方法は、少なくとも、重合工程を含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を含む。
−重合工程−
本発明における重合工程は、イソプレンモノマーを重合する工程である。
前記重合工程においては、本発明の重合触媒組成物を用いること以外は、通常の配位イオン重合触媒による重合体の製造方法と同様にして、単量体であるイソプレンを重合させることができる。本発明において、使用される重合触媒または重合触媒組成物については、後に詳述する。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であればよく、例えば、ノルマルヘキサン、トルエン、シクロヘキサンまたそれらの混合物等が挙げられるが、特に環境への負荷、コスト等の観点から、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、またはこれらの混合物を好適に使用できる。さらに、沸点がトルエンより低い、毒性が低い等の利点を有することから、シクロヘキサンの使用が好ましい。
前記重合工程は、重合触媒組成物を使用する場合、例えば、(1)単量体としてイソプレンを含む重合反応系中に、重合触媒組成物の構成成分を別個に提供し、該反応系中において重合触媒組成物としてもよいし、(2)予め調製された重合触媒組成物を重合反応系中に提供してもよい。
また、前記重合工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
前記重合工程において、イソプレンの重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。上記重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、重合温度を上げると、重合反応のシス−1,4選択性が低下することがある。また、上記重合反応の圧力は、イソプレンを十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、上記重合反応の反応時間も特に制限がなく、例えば、1秒〜10日の範囲が好ましいが、触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
−−重合触媒組成物−−
次に、本発明の重合触媒組成物について説明する。
本発明の重合触媒組成物の触媒活性は、30kg/mol・h以上が好ましく、1000kg/mol・h以上が更に好ましい。触媒活性を30kg/mol・h以上にすることで、効率よくポリイソプレンを合成することが可能となる。なお、ここでいう触媒活性の数値は、触媒単位モル、及び単位時間あたりにポリイソプレンを製造する能力を示すものとする。
前記重合触媒組成物は、少なくとも
(A)成分:下記一般式(i)で表される希土類元素化合物
M−M−(NQ)(NQ)(NQ) ・・・(i)
(式中、Mはランタノイド、スカンジウム、イットリウムから選択される少なくとも一種であり、NQ、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M−N結合を有する)と、
(B)成分:イオン性化合物(B−1)及びハロゲン化合物(B−3)のうち少なくとも一種と、
(C)成分:下記一般式(X):
YR1 a2 b3 c ・・・ (X)
(式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)で表される化合物とを含む。
上記(A)成分は、希土類元素化合物ルイス塩基との反応物であって、希土類元素と炭素との結合を有さない反応物も含む。
上記(B−1)は、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物を含む。
上記(B−3)は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種を含む。
なお、さらにアルミノキサン(B−2)を含んでいてもよい。
また、アニオン性配位子となり得る化合物((D)成分)を含んでいてもよい。
上記式(i)において、NQが表すアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基などの脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオベンチルフェニルアミド基、2-tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオベンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオベンチルフェニルアミド基;2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基などのアリールアミド基、ビストリメチルシリルアミド基などのビストリアルキルシリルアミド基のいずれでもよいが、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
なお、重合反応系において、重合触媒組成物に含まれる(A)成分のモル量は、後に添加されるイソプレンモノマーの1/5000以下、特に1/10000以下であることが好ましい。具体的な濃度としては、0.1〜0.0001mol/lの範囲であることが好ましい。モル比率をこのように規定することで、シス−1,4結合量が向上する他、触媒の活性が向上するため、合成ポリイソプレン中の触媒残渣量を大きく低減させることができる。これにより、該ポリイソプレンをゴム組成物に配合することで、その耐久性をより向上させることが可能である。
上記重合触媒組成物に用いる(A)成分は、希土類元素化合物または該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物であり、ここで、希土類元素化合物及び該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物は、希土類元素と炭素との結合を有さないことが好ましい。該希土類元素化合物及び反応物が希土類元素−炭素結合を有さない場合、化合物が安定であり、取り扱いやすい。ここで、希土類元素化合物とは、周期律表中の原子番号57〜71の元素から構成されるランタノイド元素またはスカンジウムもしくはイットリウムを含有する化合物である。
なお、ランタノイド元素の具体例としては、ランタニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムを挙げることができる。なお、上記(A)成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合触媒組成物に用いる(A)成分において、上記希土類元素化合物と反応するルイス塩基としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。
上記重合触媒組成物に用いる(B)成分は、イオン性化合物(B−1)及びハロゲン化合物(B−3)よりなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。なお、環境面への配慮より、ハロゲン化合物(B−3)と比して、イオン性化合物(B−1)をより好適に使用できる。
上記(B−1)で表されるイオン性化合物は、非配位性アニオンとカチオンとからなり、上記(A)成分である希土類元素化合物またはそのルイス塩基との反応物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物等を挙げることができる。ここで、非配位性アニオンとしては、4価のホウ素アニオン、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル、ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)、フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられる。好ましくは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等を挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、より具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン(例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン)等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。従って、イオン性化合物としては、上述の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、これらのイオン性化合物は、一種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記重合触媒組成物におけるイオン性化合物の含有量は、(A)成分に対して0.1〜10倍モルであることが好ましく、約1倍モルであることが更に好ましい。
上記(B−2)で表されるアルミノキサンは、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる化合物であり、例えば、一般式:(−Al(R')O−)で示される繰り返し単位を有する鎖状アルミノキサンまたは環状アルミノキサン(式中、R'は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部の炭化水素基はハロゲン原子及び/またはアルコキシ基で置換されてもよく、繰り返し単位の重合度は、5以上が好ましく、10以上が更に好ましい)を挙げることができる。ここで、R'として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基が好ましい。また、アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム及びその混合物等が挙げられ、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。例えば、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムとの混合物を原料として用いたアルミノキサンを好適に用いることができる。なお、上記重合触媒組成物におけるアルミノキサンの含有量は、(A)成分を構成する希土類元素Mと、アルミノキサンのアルミニウム元素Alとの元素比率Al/Mが、10〜1000程度となるようにすることが好ましい。
上記(B−3)で表されるハロゲン化合物は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種を含み、例えば、上記(A)成分である希土類元素化合物またはそのルイス塩基との反応物と反応して、カチオン性遷移金属化合物やハロゲン化遷移金属化合物や遷移金属中心が電荷不足の化合物を生成することができる。特に、空気中の安定性を考慮すると、(B−3)のハロゲン化合物としては、ルイス酸よりも金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物の方が好適に使用できる。また、ハロゲン化合物としては、1つの化合物中にハロゲン原子を2つ以上含む化合物の方が、ハロゲン原子1つのみを有する化合物よりも、反応性がよく、その使用量を減じることが可能となるため、より好ましい。
なお、上記重合触媒組成物におけるハロゲン化合物の合計の含有量は、(A)成分に対して1〜5倍モルであることが好ましい。
上記ルイス酸としては、B(C653等のホウ素含有ハロゲン化合物、Al(C653等のアルミニウム含有ハロゲン化合物を使用できる他、周期律表中の第III,IV,V,VIまたはVIII族に属する元素を含有するハロゲン化合物を用いることもできる。好ましくはアルミニウムハロゲン化物または有機金属ハロゲン化物が挙げられる。また、ハロゲン元素としては、塩素または臭素が好ましい。上記ルイス酸として、具体的には、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジブチル錫ジクロライド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化錫、四塩化チタン、六塩化タングステン等が挙げられ、これらの中でも、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムジブロマイドが特に好ましい。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチルヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
上記重合触媒組成物に用いる(C)成分は、下記一般式(X):
YR1 a2 b3 c ・・・ (X)
(式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1またはR2と同一または異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)で表される有機金属化合物であり、下記一般式(Xa):
AlR123 ・・・ (Xa)
(式中、R1及びR2は、同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1またはR2と同一または異なっていてもよい)で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。一般式(Xa)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(C)成分としての有機アルミニウム化合物は、一種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記重合触媒組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分に対して10倍モル以上であることが好ましく、特に20〜1000倍モルであることが更に好ましい。また、(C)成分の含有量は、後に添加するイソプレンモノマーのモル量の1/5000以上、特に1/3000〜1/10とすることが好ましい。モル比率をこのように規定することで、シス−1,4結合量が向上する他、触媒の活性が向上するため、合成ポリイソプレン中の触媒残渣量を大きく低減させることができる。これにより、該ポリイソプレンをゴム組成物に配合することで、その耐久性をより向上させることが可能である。
−−アニオン性配位子となり得る化合物−−
前記アニオン性配位子となり得る化合物((D)成分)は、(A)成分のアミド基と交換可能なものであれば特に限定されないが、OH基、NH基、SH基のいずれかを有することが好ましい。
具体的な化合物として、OH基を有するものとしては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール等が挙げられる。具体的にはジブチルヒドロキシトルエン、アルキル化フェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチリルチオプロピオネート等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、ヒンダードフェノール系のものとして、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォソフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等を挙げることができる。
また、ヒドラジン系として、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンを挙げることができる。
NH基を有するものとしては、アルキルアミン、アリールアミン等の第1級アミンあるいは第2級アミンを挙げることができる。具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ビス(2−ジフェニルフォスフィノフェニル)アミン等が挙げられる。
SH基を有するものとしては、脂肪族チオール、芳香族チオール等のほか、下記一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006055824

(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して−O−Cj2j+1、−(O−Ck2k−)a −O−Cm2m+1又は−Cn2n+1 で表され、R1、R2及びR3の少なくとも1つが−(O−Ck2k−)a −O−Cm2m+1であり、j、m及びnはそれぞれ独立して0〜12であり、k及びaはそれぞれ独立して1〜12であり、R4は炭素数1〜12であって、直鎖、分岐、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和の、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、シクロアルケニルアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキルアルケニレン基、シクロアルケニルアルケニレン基、アリーレン基又はアラルキレン基である。)
一般式(I)で示されるものの具体例として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、(メルカプトメチル)ジメチルエトキシシラン、(メルカプトメチル)ジメチルエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
Figure 0006055824


(式中、Wは−NR8−、−O−又は−CR910−(ここで、R8及びR9は−Cp2p+1であり、R10は−Cq2q+1であり、p及びqはそれぞれ独立して0〜20である。)で表され、R5及びR6はそれぞれ独立して−M−Cr2r−(ここで、Mは−O−又は−CH2−であり、rは1〜20である。)で表され、R7は−O−Cj2j+1、−(O−Ck2k−)a −O−Cm2m+1又は−Cn2n+1 で表され、j、m及びnはそれぞれ独立して0〜12であり、k及びaはそれぞれ独立して1〜12であり、R4は炭素数1〜12であって、直鎖、分岐、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和の、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、シクロアルケニルアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキルアルケニレン基、シクロアルケニルアルケニレン基、アリーレン基又はアラルキレン基である。)
一般式(II)で示されるものの具体例として、3−メルカプトプロピル(エトキシ)−1,3−ジオキサ−6−メチルアザ−2−シラシクロオクタン、3−メルカプトプロピル(エトキシ)−1,3−ジオキサ−6−ブチルアザ−2−シラシクロオクタン、3−メルカプトプロピル(エトキシ)−1,3−ジオキサ−6−ドデシルアザ−2−シラシクロオクタンなどが挙げられる。
(D)成分としては、好適には下記一般式(ii)で表されるアニオン性三座配位子前駆体を使用できる。
−T−X−T−E ・・・(ii)
(Rは、第15族原子から選択される配位原子を含むアニオン性電子供与基を示し、E及びEはそれぞれ独立して、第15族及び16族原子から選択される配位原子を含む中性電子供与基を示し、T及びTはそれぞれ、XとE及び~Eを架橋する架橋基を示す)
(D)成分は、前記希土類元素化合物((A)成分)1molに対して、0.01〜10mol、特に0.1〜1.2mol添加するのが好ましい。添加量が0.1mol以上であれば、触媒活性が十分高くなり、効率よくポリイソプレンを合成することが可能となる。添加量を希土類元素化防物と当量(1.0mol)とすることが好ましいが、過剰量添加されていてもよい。しかし、また、添加量が1.2mol超とすると、試薬のロスが大きいため、好ましくない。
上記一般式(ii)中、中性の電子供与基E及びEは、第15族及び第16族から選択される配位原子を含む基である。また、E及び~Eは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。該配位原子としては、窒素N、リンP、酸素O、硫黄Sなどが例示されるが、好ましくはPである。
前記E及びEに含まれる配位原子がPである場合には、中性の電子供与基EまたはEとしては、1)ジフェニルホスフィノ基やジトリルホスフィノ基などのジアリールホスフィノ基、2)ジメチルホスフィノ基やジエチルホスフィノ基などのジアルキルホスフィノ基、3)メチルフェニルホスフィノ基などのアルキルアリールホスフィノ基が例示され、より好ましくはジアリールホスフィノ基が例示される。
前記E及びEに含まれる配位原子がNである場合には、中性の電子供与基EまたはEとしては、1)ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基やビス(トリメチルシリル)アミノ基などのジアルキルアミノ基、2)ジフェニルアミノ基などのジアリールアミノ基、3)メチルフェニル基などのアルキルアリールアミノ基などが例示される。
前記E及びEに含まれる配位原子がOである場合には、中性の電子供与基EまたはEとしては、1)メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、2)フェノキシ基、2,6− ジメチルフェノキシ基などのアリールオキシ基などが例示される。
前記E及びEに含まれる配位原子がSである場合には、中性の電子供与基EまたはEとしては、1)メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基などのアルキルチオ基、2)フェニルチオ基、トリルチオ基などのアリールチオ基などが例示される。
アニオン性の電子供与基Xは、第15族から選択される配位原子を含む基である。該配位原子として好ましくはリンPまたは窒素Nが挙げられ、より好ましくはNが挙げられる。
架橋基T及びTは、XとE及びEを架橋することができる基であればよく、アリール環上に置換基を有していてもよいアリーレン基が例示される。また、T及びTは同一の基でも異なる基であってもよい。
前記アリーレン基は、フェニレン基、ナフチレン基、ピリジレン基、チエニレン基(好ましくはフェニレン基、ナフチレン基)などであり得る。また、前記アリーレン基のアリール環上には任意の基が置換されていてもよい。該置換基としてはメチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、フルオロ、クロロ、ブロモなどのハロゲン基、トリメチルシリル基などのシリル基などが例示される。
前記アリーレン基として、さらに好ましくは1,2−フェニレン基が例示される。
重合触媒組成物を構成する金属錯体におけるアニオン性三座配位子前駆体としては、例えば下記一般式(iii)に示されるものが好ましく例示される。これらは、例えば、下記の実施例に記載のの方法、またはOrganometallics,23,p 47784787 (2004)などを参考にして製造され得る。
Figure 0006055824
(上記式において、Rはアルキル基またはアリール基、Yは水素、アルキル基、ハロゲノ基、シリル基などを示す。)
より具体的には、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)アミン等のPNP配位子が挙げられる。
(ゴム組成物)
ゴム組成物は、少なくともゴム成分を含み、さらに必要に応じて、充填剤、架橋剤、その他の成分を含む。
−ゴム成分−
前記ゴム成分は、少なくとも、本発明の製造方法で製造された合成ポリイソプレンを含み、さらに必要に応じて、その他のゴム成分を含む。
前記ゴム成分中における前記合成ポリイソプレンの配合量(含有量)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15質量%〜100質量%が好ましい。
前記ゴム成分中における前記合成ポリイソプレンの配合量が、15質量%以上であると、前記合成ポリイソプレンの効果を十分に発揮することができる。
−−その他のゴム成分−−
前記その他のゴム成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EPDM)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、イソプレン共重合体などが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−充填剤−
前記充填剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、無機充填剤、などを挙げることができ、カーボンブラック及び無機充填剤から選択される少なくとも一種が好ましい。ここで、前記ゴム組成物には、カーボンブラックが含まれることがより好ましい。なお、前記充填剤は、補強性などを向上させるためにゴム組成物に配合するものである。
前記充填剤の配合量(含有量)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、10質量部〜100質量部が好ましく、20質量部〜80質量部がより好ましく、30質量部〜60質量部が特に好ましい。
前記充填剤の配合量が、10質量部以上であると、充填剤を入れる効果がみられ、100質量部以下であると、前記ゴム成分に充填剤を混ぜ込むことができ、ゴム組成物としての性能を向上させることができる。
一方、前記充填剤の配合量が、前記より好ましい範囲、または、前記特に好ましい範囲内であると、加工性と低ロス性・耐久性のバランスの点で有利である。
−−カーボンブラック−−
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FEF、GPF、SRF、HAF、N339、IISAF、ISAF、SAF、などが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m/g〜100m/gが好ましく、35m/g〜80m/gがより好ましい。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g未満であると、得られたゴムの耐久性が低く、十分な耐亀裂成長性が得られないことがあり、100m/gを超えると、低ロス性が低下し、また、作業性が悪いことがある。
前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量部〜100質量部が好ましく、10質量部〜70質量部がより好ましく、20質量部〜60質量部が特に好ましい。
前記カーボンブラックの含有量が、10質量部未満であると、補強性が不十分で耐破壊性が悪化することがあり、100質量部を超えると、加工性及び低ロス性が悪化することがある。
一方、前記カーボンブラックの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、各性能のバランスの点で有利である。
−−無機充填剤−−
前記無機充填剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、などが挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、無機充填剤を用いる時は適宜シランカップリング剤を使用してもよい。
−架橋剤−
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤、などが挙げられるが、これらの中でもタイヤ用ゴム組成物としては硫黄系架橋剤がより好ましい。
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部が好ましい。
前記架橋剤の含有量が0.1質量部未満であると、架橋がほとんど進行しなかったり、20質量部を超えると、一部の架橋剤により混練り中に架橋が進んでしまう傾向があったり、加硫物の物性が損なわれたりすることがある。
−その他の成分−
ゴム組成物は、その他に加硫促進剤を併用することも可能であり、加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が使用できる。
また必要に応じて、軟化剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤など公知のものをその使用目的に応じて使用することができる。
(架橋ゴム組成物)
ゴム組成物は、架橋され、架橋ゴム組成物として用いてもよい。前記架橋ゴム組成物は、ゴム組成物を架橋して得られたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記架橋の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度120℃〜200℃、加温時間1分間〜900分間が好ましい。
(タイヤ)
タイヤは、上記ゴム組成物、または、上記架橋ゴム組成物を用いたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上記ゴム組成物、または、上記架橋ゴム組成物のタイヤにおける適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラーなどが挙げられる。
これらの中でも、前記適用部位をトレッドとすることが、耐久性の点で有利である。
前記タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫ゴム及び/またはコードからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)を製造することができる。
(タイヤ以外の用途)
タイヤ用途以外にも、防振ゴム、免震ゴム、ベルト(コンベアベルト)、ゴムクローラ、各種ホースなどに上記ゴム組成物、または、上記架橋ゴム組成物を使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1:合成ポリイソプレンAの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で1L耐圧ガラス反応器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム(Gd[N(SiMe)((A)成分)353μmol、トリイソブチルアルミニウム((C)成分)3.53mmol、トルエン20.0gを仕込んだのち30分間熟成を行った。その後、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)((B)成分)を353μmol、及びシクロヘキサン472.0gを仕込みさらに30分間熟成を行った。その後、グローブボックスから反応器を取り出し、イソプレン120.0gを添加し、室温で12時間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体Aを得た。得られた重合体Aの収量は119.0gであった。
(実施例2:合成ポリイソプレンBの製造方法)
(A)成分として、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム(Gd[N(SiMe)の代わりに、トリスビストリメチルシリルアミドネオジム(Nd[N(SiMe)を用いること以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、重合体Bを収量118.0gで得た。
(実施例3:合成ポリイソプレンCの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で1L耐圧ガラス反応器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム(Gd[N(SiMe)((A)成分)5.9μmol、トリイソブチルアルミニウム((C)成分)2.95mmol、トルエン5.0gを仕込んだのち30分間熟成を行った。その後、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)((B)成分)を5.9μmol、及びシクロヘキサン472.0gを仕込みさらに30分間熟成を行った。その後、グローブボックスから反応器を取り出し、イソプレン120.0gを添加し、室温で12時間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体Cを得た。得られた重合体Cの収量は103.0gであった。
(実施例4:合成ポリイソプレンDの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で1L耐圧ガラス反応器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム(Gd[N(SiMe)((A)成分)5.9μmol、トリイソブチルアルミニウム((C)成分)2.95mmol、ビス(2−ジフェニルフォスフィノフェニル)アミン((D)成分)5.9μmol、トルエン5.0gを仕込んだのち30分間熟成を行った。その後、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)((B)成分)を5.9μmol、及びシクロヘキサン472.0gを仕込みさらに30分間熟成を行った。その後、グローブボックスから反応器を取り出し、イソプレン120.0gを添加し、室温で5時間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4?エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体Dを得た。得られた重合体Dの収量は118.5gであった。
(実施例5:合成ポリイソプレンEの製造方法)
(A)成分として、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム(Gd[N(SiMe)の代わりに、トリスビストリメチルシリルアミドイットリウム(Y[N(SiMe)を用いること以外は実施例4と同様の方法で重合を行ったところ、重合体Eを収量112.0gで得た。
(比較例1:合成ポリイソプレンXの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、十分に乾燥した100ml耐圧ガラスボトルに、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウム[(Cp*)2Gd(μ−Me)AlMe]を0.05mmol仕込みトルエン34.0mlで溶解させた。次いでトリイソブチルアルミニウム1.5mmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル) ボレート(PhCB(C)0.05mmolを添加しボトルを打栓した。室温で1時間反応後、グローブボックスからボトルを取り出し、イソプレンを1.0ml仕込み、−40℃で15時間重合を行った。重合後、2,6−ビス(t−ブチル)−4−メチルフェノールの10wt%のメタノール溶液10mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、60℃で真空乾燥した。得られた重合体Xの収率は100%であった。
(比較例2:合成ポリイソプレンYの製造方法)
グローブボックス中で、フラスコ(100mL))に磁気撹祥子を入れ、イソプレン(2.04g、30.0mmol)、[Y(ChNMe−o)(PNP)](12.5μmol)のクロロベンゼン溶液(16mL)を加えた後、高速撹枠下、[PhMeNH][B(C](12.5μmol)のクロロベンゼン溶液(4mL)を加えた。室温で5分間撹枠し、反応させた後、メタノールを加えることにより重合を終了させた。反応溶液を少量の塩酸およびブチルヒドロキシトルエン(安定剤)を含むメタノール溶液200mLに注いだ。デカンテーションにより沈殿したポリマー生成物を単離し、メタノールで、洗浄し、60℃にて乾燥させ、重合体Yを得た(収率100%)。
(比較例3:合成ポリイソプレンZの製造方法)
特許文献3に記載のテストCと同一の条件で重合反応を行い、重合体Zを得た。
(1)ミクロ構造(シス−1,4結合量)
合成ポリイソプレンA〜E及びX〜Zについて、H−NMRおよび13C−NMRにより得られたピーク[H−NMR:δ4.6−4.8(3,4−ビニルユニットの=CH)、5.0−5.2(1,4−ユニットの−CH=)、13C−NMR:[δ23.4(1,4−シスユニット)、15.9(1,4−トランスユニット)、18.6(3,4−ユニット)]の積分比からそれぞれ算出した。また、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、GPCによりポリスチレンを標準物質として用い求めた。
(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
合成ポリイソプレンA〜E及びX〜Zについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8220GPC、カラム:東ソー製GMHXL−2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、合成ポリイソプレンのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は40℃とした。溶出溶媒としてTHFを用いた。
(3)ポリマー中の希土類元素量(ppm)
合成ポリイソプレンA〜E及びX〜Zについて、波長分散型蛍光X線装置[XRF−1700:島津製作所製]で含有希土類元素量が既知のポリイソプレンを基準として、合成ポリイソプレンの希土類元素量(ppm)を求めた。なお、X線源にはRhを用い、真空下にて測定した。
Figure 0006055824
Figure 0006055824
表1に示すように、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する重合触媒組成物を用いて、(イソプレンモノマー)/((A)成分)が5000以上、((C)成分)/((A)成分)が10以上、(イソプレンモノマー)/((C)成分)が5000以下となるようにイソプレンモノマーを重合させたところ、高分子量、高シス−1,4結合量のポリブタジエンが得られた。
本発明の製造方法により製造された合成ポリイソプレン、及び該合成ポリイソプレンを含むゴム組成物は、例えば、タイヤ部材(特に、タイヤのトレッド部材)に好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(i)で表される希土類元素化合物((A)成分)
    M−(NQ)(NQ)(NQ) ・・・(i)
    (式中、Mはランタノイド、スカンジウム、イットリウムから選択される少なくとも一種であり、NQ、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M−N結合を有する)と、
    イオン性化合物及びハロゲン化合物から選択される少なくとも一種((B)成分)と、
    下記一般式(X)で表される化合物((C)成分)
    YR ・・・ (X)
    (式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)と
    を含む、イソプレンモノマーの重合用の重合触媒組成物であって、
    前記イソプレンモノマー、(A)成分、及び(C)成分の配合モル比率は、
    (イソプレンモノマー)/((A)成分)が5000以上、
    (イソプレンモノマー)/((C)成分)が5000以下であり、
    前記(B)成分の含有量は、(B)成分が前記イオン性化合物である場合は前記(A)成分に対して0.1〜10倍モルであり、(B)成分が前記ハロゲン化合物である場合は前記(A)成分に対して1〜5倍モルである、ことを特徴とするイソプレンモノマーの重合用の重合触媒組成物。
  2. 下記一般式(i)で表される希土類元素化合物((A)成分)
    M−(NQ)(NQ)(NQ) ・・・(i)
    (式中、Mはランタノイド、スカンジウム、イットリウムから選択される少なくとも一種であり、NQ、NQ及びNQはアミド基であり、同一であっても異なっていてもよく、ただし、M−N結合を有する)と、
    イオン性化合物及びハロゲン化合物から選択される少なくとも一種((B)成分)と、
    下記一般式(X)で表される化合物((C)成分)
    YR ・・・ (X)
    (式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R及びRは炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R、R及びRはそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)と
    を含む重合触媒組成物の存在下で、イソプレンモノマーを重合させる、合成ポリイソプレンの製造方法であって、
    前記イソプレンモノマー、(A)成分、及び(C)成分の配合モル比率は、
    (イソプレンモノマー)/((A)成分)が5000以上、
    (イソプレンモノマー)/((C)成分)が5000以下であり、
    前記(B)成分の含有量は、(B)成分が前記イオン性化合物である場合は前記(A)成分に対して0.1〜10倍モルであり、(B)成分が前記ハロゲン化合物である場合は前記(A)成分に対して1〜5倍モルである、ことを特徴とする合成ポリイソプレンの製造方法。
  3. 記(A)成分、及び(C)成分の配合モル比率は、((C)成分)/((A)成分)が10以上である、請求項2記載の合成ポリイソプレンの製造方法。
  4. 前記重合触媒組成物に、さらにアニオン性配位子となり得る化合物((D)成分)を配合する、請求項2記載の合成ポリイソプレンの製造方法。
  5. 前記(D)成分が、OH基、SH基及びNH基のうち、少なくとも1つを有する、請求項4記載の合成ポリイソプレンの製造方法。
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