JP6055629B2 - 開口部付き編成物の編成方法及び開口部付き編成物 - Google Patents

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この発明は、ニットパンツの前開き部やカーディガンのポケット等の開口部を有する編成物の編成方法及び開口部を有する編成物に関する。
従来、ニットパンツやカーディガン等のニット製品は、シート状に編成した編成編地を裁断した各部パーツを各種ミシンによって縫製して形成している。一般に、編成編地を裁断・縫製することによりニット製品を形成することは、編成のみにより形成する場合に比べて手間がかかる上に縫製部のゴロツキ感によりニット製品の着心地が悪くなるため、縫製個所を減じる編成方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特に、紳士用パンツの前開き部やカーディガンのポケット部等のように内側編地と外側編地とが重なる開口部を設けるためには、縫製方法が複雑なためコスト高となる要因となっており、縫製によらずにかかる開口部を形成可能な編成方法が望まれている。
特開2005−325469号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、内側編地と外側編地とが重なる開口部を編成のみで形成することで複雑な縫製を無くし、縫製部のゴロツキ感を無くすとともにかかる開口部を有する編成物を安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、編針を進退摺動可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後に一対備え、前後のニードルベッドの針間で目移し可能に構成された横編機を用い、前後に分離した内側編地と外側編地とを有する開口部を備えた編成物を編成する開口部付き編成物の編成方法であって、ニードルベッドの長手方向の一方向から他方向へ引き返すようにして編針に編糸を給糸することで開口部の内側編地を編成する内側編地編成工程と、前記他方向から一方向へ引き返すようにして編針に編糸を給糸することで開口部の外側編地を編成する外側編地編成工程と、を有し、内側編地編成工程と外側編地編成工程とで前後のニードルベッドの前後に重なる範囲で給糸を行い、内側編地編成工程から外側編地編成工程へ移る際は、当該内側編地編成工程で形成されたループを全て前後の一方のニードルベッドに掛止した状態にするとともに、外側編地編成工程から内側編地編成工程へ移る際は、当該外側編地編成工程で形成されたループを全て他方のニードルベッドに掛止した状態にすることで、内側編地と外側編地とを内外方向に分離可能に編成することを特徴とする。
本発明に係る編成方法では、このように内側編地編成工程と外側編地編成工程とで給糸方向を逆に引き返すことで、内側編地と外側編地の端部が互いにコース方向の逆向きに形成されて、これらの端部間に開口部が形成される。また、内側編地編成工程と外側編地編成工程とで前後のニードルベッドの前後に重なる範囲で編糸を給糸することにより内側編地と外側編地とを前後に重ねることができる。そして、内側編地編成工程から外側編地編成工程へ移る際は、当該内側編地編成工程で形成されたループを全て一方のニードルベッドに掛止した状態にするとともに、外側編地編成工程から内側編地編成工程へ移る際は、当該外側編地編成工程で形成されたループを全て他方のニードルベッドに掛止した状態にすることで、前後一対のニードルベッドのみで、内側編地と外側編地とを前後に分離することが可能となる。
ここで、「ニードルベッドの長手方向の一方向から他方向へ引き返すようにして編針に編糸を給糸する」とは、前後いずれか1つのニードルベッド上に並んだ編針のみに給糸する場合と、前後両方のニードルベッドの編針に給糸する場合の両方を含むものとし、「他方向から一方向へ引き返すようにして編針に編糸を給糸する」についても同様とする。また、「内側編地編成工程で形成されたループを全て前後の一方のニードルベッドに掛止した状態にする」ために、一方のニードルベッドの編針に直接給糸して当該編針にループを形成してもよく、他方のニードルベッドの編針に給糸してループを形成したのち一方のニードルベッドの編針に当該ループを移してもよいものとする。「外側編地編成工程で形成されたループを全て他方のニードルベッドに掛止した状態にする」についても、同様とする。
本発明に係る開口部付き編成物の編成方法は、内側編地編成工程及び外側編地編成工程において、給糸を行う少なくとも一部の範囲で、前後のニードルベッド間で編糸を掛止する編針が前後に対向しないよう空針を設けながら給糸を行い、当該空針を利用して前後のニードルベッドの編針間で交互に目移しすることにより、前記内側編地及び/又は外側編地の少なくとも一部をガーター編みに編成することが好ましい。こうすることで、前後一対のニードルベッドだけで内側編地や外側編地にガーター編み部を設けることができ、さらに、開口部の編地にガーター編み部を設けることで編地が丸くなることを抑制できる。
本発明の開口部付き編成物の編成方法は、内側編地編成工程及び外側編地編成工程において、前後のニードルベッド間で給糸する編針が前後に重ならないよう空針を設けておき、内側編地編成工程と外側編地編成工程の間及び外側編地編成工程と内側編地編成工程の間ごとに、当該空針を利用して一方のニードルベッドの編針に形成されたループを他方のニードルベッドの編針に移した状態で、一方のニードルベッドを用いて、外側編地の端部の逆側部分及び内側編地の端部の逆側部分をコース方向に連結する連結部を1コースずつ周回方向を変えながら編成することで開口部を有する筒状の編地を編成してもよい。こうすることで、外側編地と内側編地と連結部とが前後に3重に重なる筒状の編成物を、前後一対のニードルベッドのみで編成できる。
本発明は、横編組織を有し、下胴部と、中胴部と、上胴部とを備え、前記下胴部、前記中胴部、及び前記上胴部はこの順にウエール方向に連続して並んでおり、前記中胴部は、コース方向に開口する開口部を有し、前記開口部は、内側編地と外側編地とを備え、前記内側編地は、編糸がコース方向の一方向から他方向へ引き返す端部を有し、前記外側編地は、編糸がコース方向の他方向から一方向へ折り返す端部を有し、前記内側編地、及び前記外側編地は、ウエール方向及びコース方向に垂直な内外方向に分離可能に重ね合われるとともに、下胴部側の端部がともに下胴部に、上胴部側の端部がともに上胴部に連結されており、前記内側編地の前記端部は、前記外側編地の前記端部よりもコース方向の一方向側に設けられている開口部付き編成物を含む。このように内側編地と外側編地に重なり部分を有する開口部が編成のみで形成されていることで、編成物の縫製部分を減らして縫製部分によるゴロツキ感を抑制することができる。
また、本発明の開口部付き編成物は、前記内側編地、及び/又は外側編地の少なくとも一部がガーター編みに形成されていることが好ましい。このように外側編地や内側編地の少なくとも一部がガーター編みに形成されていることで、これらの編地が丸くなるのを抑制できる。
また、本発明の開口部付き編成物は、前記内側編地の端部の逆側部分と前記外側編地の端部の逆側部分とをコース方向に連結する連結部を備え、前記内側編地、前記連結部及び前記外側編地で筒状をなしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る開口部付き編成物の編成方法及び開口部付き編成物によれば、縫製個所を減らして、縫製個所によるゴロツキ感を抑制でき、かつ低コストで開口部を形成することができる。
本発明に係る第1実施形態に係る紳士用パンツの全体正面図、(b)開口部の他の例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係る開口部付き編成物の(a)全体正面図、(b)内側編地の正面図、(c)外側編地の正面図、(d)開口部の模式的断面図である。 図2に示した開口部付き編成物の編みだし裾リブの編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の編みだし裾リブの編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の肢部、下胴部及び上胴部の天竺編みの編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の肢部、下胴部及び上胴部の天竺編みの編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の開口部の内側編地の編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の開口部の内側編地の編成図である。 図8に示した編成の後に行う目移しを示した目移し図である。 本発明に係る開口部付き編成物における外側編地の編成図である。 本発明に係る開口部付き編成物における外側編地の編成図である。 図11に示した編成の後に行う目移しを示した目移し図である。 図2に示した開口部付き編成物の内側編地をリブ編成する編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の内側編地をリブ編成する編成図である。 図14に示した編成の後に行う目移しを示した目移し図である。 図2に示した開口部付き編成物の外側編地をリブ編成する編成図である。 図2に示した開口部付き編成物の外側編地をリブ編成する編成図である。 図17に示した編成の後に行う目移しを示した目移し図である。 図2の開口部付き編成物の下胴部と開口部の接合部の一例を示す編成図である。 図2の開口部付き編成物の下胴部と開口部の接合部の他の例を示す編成図である。 図2の開口部付き編成物の下胴部と開口部の接合部の他の例を示す編成図である。 図2の開口部付き編成物の下胴部と開口部の接合部の他の例を示す編成図である。 図2の開口部付き編成物の下胴部と開口部の接合部の他の例を示す編成図である。 図2の開口部付き編成物の下胴部と開口部の接合部の他の例を示す編成図である。 本発明の第2実施形態に係る紳士用パンツの(a)全体斜視図(b)内側編地の正面図、(c)外側編地の正面図である。 図25に示した紳士用パンツの開口部の内側編地の編成図である。 図25に示した紳士用パンツの開口部の内側編地の編成図である。 図25に示した紳士用パンツの連結部を編成する編成図である。 図27で編成した内側編地を後側のニードルベッドに目移しする様子を示した目移し図である。 図25に示した紳士用パンツの開口部の外側編地の編成図である。 図25に示した紳士用パンツの開口部の外側編地の編成図である。 図29で後側のニードルベッドに目移しした内側編地を前側のニードルベッドに戻すよう目移しする様子を示した目移し図である。 図25に示した紳士用パンツの連結部を編成する編成図である。 図25に示した紳士用パンツの内側編地の端部をガーター編みに編成するための目移し図である。 図25に示した紳士用パンツの開口部の内側編地の編成図である。 図25に示した紳士用パンツの開口部の内側編地の編成図である。 図25に示した紳士用パンツの内側編地の端部をガーター編みに編成するための目移し図である。
以下適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳述する。尚、本発明の開口部付き編成物の編成方法、及び開口部付き編成物は、以下の実施の形態に限定されるものではない。また、内側編地編成工程及び外側編地編成工程は、開口部周辺の編成において、それぞれ内側編地及び外側編地を編成する工程のみを指し、編地の開口部左側部分や、右側部分、内側編地と外側編地との連結部を編成する工程を含まないものとする。
編成図中、左端の前、後の文字は、前側(特許請求の範囲における他側)ニードルベッド、後側(特許請求の範囲における一側)ニードルベッドを示し、各ニードルベッドの上又は下に記した英文字は編針を示す。左側上部に示した矢印は、キャリッジの進行方向、即ち編糸の給糸方向を示す。
尚、各編成図では、本発明の原理的なものを示し、編目数や編成コース数は図示されたものに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る紳士用パンツ10である。紳士用パンツ10は、図2に示した開口部付き編成物1を切断縫製することにより形成される。開口部付き編成物1は、裾ゴム部13と、肢部14と、腰ゴム部15と、中胴部17と、下胴部18と、上胴部19とを備えている。開口部16は、中胴部17に含まれる。
開口部付き編成物1は、編針を進退摺動可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後に一対備え、前後のニードルベッドの針間で目移し可能に構成された横編機(図示は省略)を用い、図3乃至図24の編成図に示した編成方法により編成される。
図3及び図4は、開口部付き編成物1の編み始めとなる裾ゴム部13をリブ編みで編成する方法を示し、図3及び図4の編成を複数コース繰り返して裾ゴム部13を編成する。
次に、裾ゴム部13の最終コースにおいて後側ニードルベッドに掛止されたループを前側のニードルベッドに移したあと、図5及び図6に示したように、前側のニードルベッドの編針に編糸を給糸して、肢部14を天竺編みに編成する。こうして、裾ゴム部13に連続して肢部14が編成される。肢部12に続けて同様に下胴部18を編成する。
次に開口部16を有する中胴部17の編成方法について説明する。開口部16の内側編地11及び外側編地12の編成方法としては、本発明の趣旨を逸脱しなければ、特に限定されず、公知の方法を適宜採用できるが、ここでは、外側編地及び内側編地を天竺編みとガーター編みにより編成する方法と、リブ編みにより編成する方法とを説明する。
(外側編地及び内側編地を天竺編み及びガーター編みにより編成する方法)
図7乃至図12は、開口部付き編成物1の開口部16を有する中胴部17の編成方法を示している。上記の裾ゴム部13、肢部14及び下胴部18は、第1のヤーンフィーダ1個のみを用いて編成するのに対し、開口部16を有する中胴部17は、第2のヤーンフィーダを第1のヤーンフィーダの右側に追加して編成する。
図7乃至図9においては、第1のヤーンフィーダにより給糸を行い、図7に示したように右方向(特許請求の範囲における一方向)から、図8に示したように、左方向(特許請求の範囲における他方向)へ引き返すようにして編針に編糸を給糸する。詳細には、図7に示したように、まず右に向かってAからFまで前側のニードルベッドの全針に給糸し、GからSまでは、後側のニードルベッドで1針置きに給糸しながら編成を行う。続けて、後側のニードルベッドのO、Q、Sの編針に掛止されたループを前側のニードルベッドの編針に移したのち、図8に示すように、給糸方向を左に引き返して、SからOまでは前側のニードルベッドに1針置きに給糸し、MからGまでは後側のニードルベッドに1針置きに給糸して、FからAまでは前側のニードルベッドで全針に給糸する。しかる後、図9に示したように、O、Q、Sに掛止されたループを後側のニードルベッドの編針に移す。このように、S、Q、Oでは、右へキャリッジを摺動する際には後側のニードルベッドの編針に給糸し、左へキャリッジを引き返す際には前側のニードルベッドの編針に給糸することで、内側生地11の端部11a(図2参照)がガーター編地に編成され、GからMを往復する工程により、内側編地11の天竺編地部11b(図2参照)が編成される。また、AからFまでの編針に往復しながら給糸を行う工程により、開口部16の左側部分17aが天竺編みに編成される。
このように、内側編地11を編成するGからSの編針のループを全て後側(一方)のニードルベッドの編針に掛止した状態で内側編地編成工程を終了し、次の外側編地編成工程に移行することで、外側編地と内側編地を内外方向に分離可能に編成することができる。
次に、外側編地を編成する図10乃至図12においては、右側の第2のヤーンフィーダにより、図10に示したように左方向(特許請求の範囲における他方向)から、図11に示したように、右方向(特許請求の範囲における一方向)へ引き返すようにして編針に編糸を給糸する。詳細には、図10に示したように、まず左に向かってZからSまで前側のニードルベッドの全針に給糸し、SからGまでは、前側のニードルベッドで1針置きに給糸しながら編成を行う。続けて、前側のニードルベッドのG、I、Kの編針に掛止されたループを後側のニードルベッドの編針に移したのち、図11に示すように、給糸方向を左に引き返して、GからKまでは後側のニードルベッドに1針置きに給糸し、MからSまでは前側のニードルベッドに1針置きに給糸し、SからZまでは前側のニードルベッドの全針に給糸する。しかる後、図12に示したように、G、I、Kに掛止されたループを前側のニードルベッドの編針に移す。このように、G、I、Kでは、左へキャリッジを摺動する際には前側のニードルベッドの編針に給糸し、右へキャリッジを引き返す際には後側のニードルベッドの編針に給糸することで、ガーター編地が編成される。また、MからSを往復する工程により、外側編地12の天竺編地部12bが編成される。そして、SからZまでの編針に往復しながら給糸を行う工程により、開口部16の右側部分17bが編成される。また、このように、外側編地12を編成するGからSの編針のループを全て前側(他方)のニードルベッドの編針に掛止した状態で、外側編地編成工程を終了し、次の内側編地編成工程に移行することで、内側編地11と外側編地12とを内外方向に分離可能に編成することができる。
(開口部のリブ編みによる編成方法)
第1実施形態において、開口部16の内側編地11及び外側編地12をリブ編みにより編成することもできる。まず、内側編地11をリブ編み編成とするには、第1のヤーンフィーダにて、図13に示すように、右に向かって、前側のG、後側のI、前側のK、後側のM、前側のO、後側のQ、前側のSというように、前後のニードルベッドの編針に交互に、かつそれぞれのニードルベッドで3針置きに給糸を行ったのち、図14に示すように、左に折り返して同じ針に給糸を行う。続けて、図15に示すように、前側のニードルベッドの編針K、O、Sに掛止されたループを後側のニードルベッドへ移す。
続けて、外側編地12をリブ編み編成とするには、第2のヤーンフィーダにて、図16に示すように、左に向かって、前側のT、後側のR、前側のP、後側のN、前側のL、後側のJ、前側のHというように、前後のニードルベッドの編針に交互に、かつそれぞれのニードルベッドで3針置きに給糸を行ったのち、図17に示すように、右に折り返して同じ針に給糸を行う。続けて、図18に示すように、後側のニードルベッドの編針J、N、Rに掛止されたループを後側のニードルベッドへ移す。このように、内側編地や外側編地をリブ編みに編成する場合にも、内側編地編成工程から外側編地編成工程へ移る際は、当該内側編地編成工程で形成されたループを全て後側(一方)のニードルベッドに掛止した状態にし、外側編地編成工程から内側編地編成工程へ移る際は、ループを全て前側(他方)のニードルベッドに掛止した状態にすることで、内側編地と外側編地とを内外方向に分離可能に編成することができる。
下胴部18と開口部16との接合部16a(図2参照)は、図19に示すように、目移しにより、または交互に給糸することにより、前後のニードルベッドに交互にループを掛止するようにし、後側のニードルベッドに掛止されたループに内側編地11を連結して前側のニードルベッドに掛止されたループに外側編地12を連結させる。また、下胴部18と開口部16との接合部16aは、図20乃至図23に示すように、左右から一針置きに引き返し編みを行い、図24に示すように目移しを行ったのち、続けて図7乃至図12の開口部の編成を行うようにしてもよく、こうすることで、接合部16aをより丈夫にすることができる。また、開口部16と上胴部19の接合部16bは、下胴部18と開口部16との接合部手順を逆に行うことにより同様に形成することができる。
前開き部16を有する胴部17の編成が終了すると、図5及び図6に示した天竺編みにより、上胴部19を編成し、続けて図3及び図4に準じてリブ編みにより腰ゴム部15を編成する。こうして、開口部付き編成物20の編成が完了する。
開口部付き編成物1から紳士用パンツ10を形成するには、図2に仮想線で示した切断線14cで開口部付き編成物1を切断したのち、左右の肢部14a及び14bの両端を縫合して筒状に形成する。また左右の端部の上側部分どうしを縫合して胴部を筒状に形成する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る紳士用パンツ20について説明する。紳士用パンツ20は、1個のヤーンフィーダのみを用いて、両肢部21,21及び胴部22をそれぞれ周回編成により形成し、縫製部分を省略している。両肢部24,24の裾ゴム部23,23、及び腰ゴム部25をリブ編みの周回編成で形成し、肢部24,24及び胴部25の開口部26より上側部分29及び下側部分28は、天竺編みの周回編成で形成するが、公知の方法で行うため詳細な説明は省略し、開口部26を有する中胴部27の編成方法のみを説明する。
また、紳士用パンツ20の開口部26の内側編地21及び外側編地22の編成には、天竺編みやリブ編み、パール編み等、公知の編成方法を適宜用いることができるが、その一例として、ガーター編み及び天竺編みにより編成する場合を以下説明する。
開口部26の内側編地21の編成は、まず、図26に示したように右方向(特許請求の範囲における一方向)から、図27に示したように、左方向(特許請求の範囲における他方向)へ引き返すようにして編針に編糸を給糸する。詳細には、図26に示したように、まず右に向かって、前側のニードルベッドにおいて、…、A、C、Eと1針置きに給糸し、続けてI、M、Q、Uと3針置きに給糸しながら編成を行う。続けて、図27に示すように、前側のニードルベッドにおいて、給糸方向を左に引き返して、U、Q、M、Iと3針置きに給糸し、続けて、E、C、A、…と1針置きに給糸しながら編成を行う。その後、ニードルベッドの左端部で、給糸方向を折り返して、図28に示したように、後側のニードルベッドを用いて、図26及び図27の工程において編糸を掛止した、A、C、E、I、M、Q、Uの編み針を飛ばして、B、D、F、…と1針置きに給糸を行いながら、連結部27aを編成する。続けて、図29に示すように、図27で前側のニードルベッドのI、M、Q、Uの編針に形成したループを、後側のニードルベッドに目移しする。
こうして、内側編地21と外側編地22の重なる部分における前側(他方)のニードルベッドの編針を空けた状態で、図30及び図31に示したように、外側編地22の編成を行う。まず、図30に示したように左方向(特許請求の範囲における他方向)から、図31に示したように、右方向(特許請求の範囲における他方向)へ引き返すようにして編針に編糸を給糸する。詳細には、図30に示したように、まず前側のニードルベッドで左に向かって、…、Y、Wと1針置きに給糸し、続けてS、O、K、Gと3針置きに給糸しながら編成を行う。続けて、図31に示すように、給糸方向を右に引き返して、前側のニードルベッドで3針置きにG、K、O、S、Wと給糸し、続けて、Y、Z、…と1針置きに給糸しながら編成を行う。その後、図29で、後側のニードルベッドに回避していた内側編地のループを、図32に示すように目移しする。こうして、後側のニードルベッドを空にした状態で、ニードルベッドの右端部で、給糸方向を折り返して、図33に示すように、後側のニードルベッドを用いて、図30及び図31の工程において編糸を掛止した、G、K、O、S、W、Yの編み針を飛ばして、Z、X、V、…と1針置きに給糸を行いながら、連結部(中胴部27の開口部26以外の部分)27aを編成する。
続けて、図34では、図32で前側のニードルベッドに掛止されたループのうち、端部21aを形成するループM、Q、Uを後側のニードルベッドに目移しする。そして、図35に示すように、前側のニードルベッドで右に向かってA,C,E,Iの編針に給糸し、続けて後側のニードルベッドで、M、Q、Uの編針に給糸する。続けて、図36に示すように給糸方向を折り返して、同じ編針に給糸を行ったのち、連結部27aの編成を行うため、図37に示したように、M、Q、Uの編針に掛止されたループを前側のニードルベッドに目移しする。図26及び図27の編成と、図34乃至図37の編成を交互に繰り返すことにより、内側編地21の端部21aをガーター編地に編成する。尚、図示は省略したが、同様の目移しを行うことにより、外側編地22の端部22aをガーター編みに編成することも可能である。
本発明の開口部付き編成物の編成方法及び開口部付き編成物は、上記の実施形態に限らず、例えば、内側編地や外側編地が天竺編みのみからなるものや、内側編地及び外側編地の端部がガーター編みに形成されるとともに他の部分がリブ編みからなるものであってもよい。開口部の形状は、上記の実施形態に示したような矩形に限らず図1(b)に示したように、内側編地と外側編地の端部を不平行にして台形状にしてもよく、各端部を曲線上にすることもできる。また、開口部付き編成物は、紳士用パンツに限らず、ポケットを開口部とするカーディガン等であってもよい。上記の実施形態において、前側のニードルベッドを一側のニードルベッドとし、後側のニードルベッドを他側のニードルベッドとすることや、ニードルベッドの長手方向の一方向を左方向に、他方向を右方向にすることもできる。
本発明の開口部付き編成物の編成方法及び開口部付き編成物は、前後一対のニードルベッドだけで編成を行うため、少なくとも前後一対のニードルベッドを有する横編み機で行う編成方法及びかかる横編み機で編成する編地に好適に採用することができる。
1,20 開口部付き編成編地
11,21 内側編地
11a,21a 端部
12,22 外側編地
12a,22a 端部
16,26 開口部
27a 連結部

Claims (6)

  1. 編針を進退摺動可能に収納したニードルベッドを少なくとも前後に一対備え、前後のニードルベッドの針間で目移し可能に構成された横編機を用い、前後に分離した内側編地と外側編地とを有する開口部を備えた編成物を編成する編成方法であって、
    ニードルベッドの長手方向の一方向から他方向へ引き返すようにして編針に編糸を給糸することで開口部の内側編地を編成する内側編地編成工程と、
    前記他方向から一方向へ引き返すようにして編針に編糸を給糸することで開口部の外側編地を編成する外側編地編成工程と、を有し、
    内側編地編成工程と外側編地編成工程とで前後のニードルベッドの前後に重なる範囲で給糸を行い、
    内側編地編成工程から外側編地編成工程へ移る際は、当該内側編地編成工程で形成されたループを全て前後の一方のニードルベッドに掛止した状態にするとともに、外側編地編成工程から内側編地編成工程へ移る際は、当該外側編地編成工程で形成されたループを全て他方のニードルベッドに掛止した状態にすることで、内側編地と外側編地とを内外方向に分離可能に編成することを特徴とする開口部付き編成物の編成方法。
  2. 内側編地編成工程及び外側編地編成工程において、給糸を行う少なくとも一部の範囲で、前後のニードルベッド間で編糸を掛止する編針が前後に対向しないよう空針を設けながら給糸を行い、当該空針を利用して前後のニードルベッドの編針間で交互に目移しすることにより、前記内側編地及び/又は外側編地の少なくとも一部をガーター編みに編成する請求項1に記載の開口部付き編成物の編成方法。
  3. 内側編地編成工程及び外側編地編成工程において、前後のニードルベッド間で給糸する編針が前後に重ならないよう空針を設けておき、内側編地編成工程と外側編地編成工程の間及び外側編地編成工程と内側編地編成工程の間ごとに、当該空針を利用して一方のニードルベッドの編針に形成されたループを他方のニードルベッドの編針に移した状態で、一方のニードルベッドを用いて、外側編地の端部の逆側部分及び内側編地の端部の逆側部分をコース方向に連結する連結部を1コースずつ周回方向を変えながら編成することで開口部を有する筒状の編地を編成する請求項1又は請求項2に記載の開口部付き編成物の編成方法。
  4. 横編組織を有し、
    下胴部と、中胴部と、上胴部とを備え、
    前記下胴部、前記中胴部、及び前記上胴部はこの順にウエール方向に連続して並んでおり、
    前記中胴部は、コース方向に開口する開口部を有し、
    前記開口部は、内側編地と外側編地とを備え、
    前記内側編地は、編糸がコース方向の一方向から他方向へ引き返す端部を有し、
    前記外側編地は、編糸がコース方向の他方向から一方向へ引き返す端部を有し、
    前記内側編地、及び前記外側編地は、ウエール方向及びコース方向に垂直な内外方向に分離可能に重ね合われるとともに、下胴部側の端部がともに下胴部に、上胴部側の端部がともに上胴部に連結されており、
    前記内側編地の前記端部は、前記外側編地の前記端部よりもコース方向の一方向側に設けられている開口部付き編成物。
  5. 前記内側編地、及び/又は外側編地の少なくとも一部がガーター編みに形成されている請求項4に記載の開口部付き編成物。
  6. 前記内側編地の端部の逆側部分と前記外側編地の端部の逆側部分とをコース方向に連結する連結部を備え、前記内側編地、前記連結部及び前記外側編地で筒状をなす請求項4又は請求項5に記載の開口部付き編成物。
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